・オタクの見た目や服装に関して
  ――嫌われやすいオタクファッションとは――


 【オタクの見た目・服装】


 1.緒言

 このhtmlファイルでは、非オタクの同年代から侮蔑される可能性の高い
オタク達の、見た目の特徴について考えよう。

 多くの一般大衆は、まず最初に外見上の特徴をもって「あいつオタクっぽい」
とレッテルづけをする事が多い。また、そういうときは侮蔑の念を含んでいる。
どんなに立派な人格者であろうがどんなに優れた求道オタクであろうが、
彼らは見た目だけで一刀両断してしまう。そして、いざ会話が要される段に
なった場合、露骨な偏見とバイアスを胸に対象者(オタク)と接すると予想される

 私とてオタクだが、それでも初対面の人間を評価する上で、身なりが整って
いるか否かは気になるし、サムい格好や仕草だって気にしてしまう。例えば、
両手にとらのあなの紙袋を下げ、ラブひなのTシャツによれた綿パンを身に
つけ汗をかいた、丸眼鏡の小太りな男を電車の中で見かけたら‥‥多分、
10〜30代の大半の人は「あれはキモオタだ」と思うだろう。もちろん、私も
「これは‥‥やう゛ぁい」と思って引いてしまうほうである。そして、大して賢く
ない頭脳は、たった一目のルックスという、極めて断片的な情報で曖昧な
憶測を用意する――人はそれを偏見と呼ぶが、まさに、その偏見が頭の中に
発生して、私の判断を狂わさんと欲するのである。私が思うに、殆どの非
オタク人はこの「見た目による偏見」に身を委せてオタクを頭ごなしに差別
するのではないだろうか。

 オタクという言葉が悪い意味を込めてメディアにも登場しやすい昨今※1
同世代はおろか、歳の離れた人達さえオタク服装に偏見を抱く可能性がある。
そして、間違いなく大抵の女子高生・女子大生は「あいつにコクったら100万
などと汚いオタク達に嫌悪を露わにする。

 『王子と乞食』の物語では、実際は王子であっても乞食の格好をしていれば
人々に乞食扱いされていた。あの話は極端としても、服装・表情・身だしなみ
といった視覚的効果は特に初対面時においては決定的な意味合いを持つ※2
そして、この初対面の印象やその後の視覚的効果がコミュニケーションにおいて
有形無形の影響を与え続けるのは言うまでもない。少なくとも私は影響を
受ける。偏見を拭おうと努力はしているが、なかなかに難しいのが現状だし、
視覚的な情報がときに大切な判断材料となり得る事は、否定しきれない

 そんなわけで、たとえオタクと呼ばれにくい趣味と生活スタイルを持っている
人間でも、見た目に問題がある場合はOLや女子学生あたりに「キモオタ」という
レッテルを頂戴する事になる。そして、今後も付き合いがあるであろう周囲女性
から一度そういうレッテルを頂いてしまうと、修正には多くの時間・労力・幸運を
要するのである。もっとも、見た目で判断して明らかにオタクと思われる人の
大多数(全部、とは言わない。例外も結構ある)は実際オタクと呼ばれやすい
生活スタイルなり趣味なり思想なりを持っていて、見た目は単なるオタク的
一要素に過ぎないようだが‥‥。

 この章では、オタクのそんな見た目についての特徴点について書いていく。



 2.侮蔑されやすいオタクの髪型

 髪型は、見た目において極めて重要な要素である。なにせ最初に目がいく
のは人間の頭部だ。どんなにいい服着てても、髪型があまりにお粗末では
全て台無しになる事が多い。

 侮蔑されやすいオタク達は、この髪型に対してあまり気を遣っていない。
或いは気を遣ってはいても、世の中の大多数の同年代男性(女性)とはかけ
離れたセンスをもって気を遣っている。趣味に全てのコストを投じたいから
なのか、それとも単に気が回らない為か、はたまたセンス自体が欠落している
のか‥‥理由はさておき、見た目でオタクと言われる人の多くが、世の中の
同世代大多数に比較してファッションに無頓着であるかナンセンスである。
秋葉原の同人誌ショップで執拗に観察したオタク達の中に散見される例を示すと、

坊主頭。しかし、清潔でない。こまめに切ってない。
・スポーツ刈り→ぼさぼさ→スポーツ刈り→ぼさぼさを繰り返すタイプ
お洒落じゃない長髪※3
・全く染めてない髪を真ん中で分けている。だから野暮ったく見える。
フケだらけの髪。いやな匂いのする髪。
万年寝癖。治そうとした努力も乏しい。
・はちまきのようにバンダナを巻いている、等々。


 逆に、以下のような髪はオタクの間ではなかなか見かけづらいものがある。
コミケの会場に行ってみればいい。こんな人をあなたは何人に一人
見つけられますか?

・髪を綺麗に染め、手入れの跡もある男性(女性は流石に結構いる)
・ある程度頻繁に美容院に通っていて、ヘアワックス等で自分の髪型の
状態管理をしている事が窺える黒髪の男性


 要は、オタクの中でも特にヨゴレ扱いされやすいオタクは、お金も時間も
かかっていないような、一方的に冴えない髪型をしているといいたいわけである。
次に述べる服装などについても言える事だが、対人交流を円滑にする為の
ツールや技術に対して投資が為されておらず、髪型はその最たるものという
印象※4を私は持っている。

 次章でも取り上げるが、馬鹿にされるオタクはファッションに限らずとにかく
コミュニケーションに提供できる技術と資源が乏しく、劣っていて、なってない
逆に、これらがマシである場合は、初対面だけでオタクと判断される確率は低い。
いや、まず無いだろう。そして髪型はコミュニケーション上、一番先に目がいく
場所のひとつである。髪型にすら何の投資も技術蓄積も為されていないよう
なら、他のファッション技術は推して知るべしである。さらに、その中でも、髪型が
あまりにもお粗末な人は、他のコミュニケーション技術も拙劣で、「汚ねぇくせぇ
オタク」と言われても俯くことしかできない人が割合としては多いと推測する。



 では次に、服装について。

3.おたくと思われやすい服装  ――ナードファッション――


 昔、「COMME CA DU NERD MEN」という優れたサイトがあって、そこを
見ればナードファッション即ちオタクの典型的服装を簡単に理解する事が
出来た。現在ではこのサイトは閉鎖されてしまっている為、ある程度この
ページでも解説せざるを得ない。しかし、それでも大変参考になるサイトが
幾つか存在するので、ここではそれらサイトをまず紹介する。

 参考サイト集:

 脱オタクファッションガイド

COMME CA DU NERD MEN (閉鎖しました。残念!)

 AKIHABARAファッション通信


 以下の私の説明も、これらのサイトの意見と比較的類似している。そして、
言うまでもなくこれらのサイトの意見を参考にさせて頂いている。
(ありがとうございます。)


 では、本文に戻ろう。
ケミカルウォッシュされたジーンズやらエセスニーカー、ポケットが多く変な
ピンバッジだらけのカメラシャツ、よれよれズボン、バンダナの異常な使い方、
穴のあいた靴下やら、世間一般の人がオタクが身につけていそうなものとして
連想させる服飾品には枚挙に暇がない。オタクとは無縁の人であっても、
上記のページをご覧になれば大体のイメージは掴めるのではないだろうか。

 オタクの服装傾向を分類する切り口(或いは視点)は多岐に渡るが、この
ページでは便宜上、全体の傾向としてナードファッションを以下の三つに大別
しておく。

  三つとは即ち、
「1単に身だしなみに注意が為されていない」タイプ
「2衛生的で機能的でさえあれば、あとはどうでもいい」タイプ、そして
「3注意は多少なりとも為されているが、かなり勘違いしている」タイプである。


 1単に身だしなみに注意が為されていないタイプ

 (例:980円の汚い綿シャツ、穴あき靴下、これ以上よれようがないくらい
 よれたズボン、乞食並みに伸びた無精ひげ、肩の上の大量フケetc)

 極単純に、身だしなみにお金は勿論、注意すら払っていないオタクの服である。
オタクやってない同世代人や、“オタクだけど擬態に気を遣っている人”では
まずあり得ないような、みすぼらしい格好をしている、本当に。

敢えて繰り返す。
彼らはとてもみすぼらしい格好をしている。

彼らの何%かに至っては、高価なノートパソコンやコミックマーケットの
紙袋を所有していなければ浮浪者と見紛うばかりの汚い身なりをしている。
そして、臭い。本当に、臭い人がいるんです。服装に留まらず、彼らは体を
洗う事も疎かにしているのだろう。

 他人の視線ばかり意識しすぎるのは問題だとしても、彼らのように全く
歯牙にもかけない※5というのは社会適応上、かなりのハンディとなる。
明らかに人から敬遠されそうな服飾に加えて、殆どの場合、髪型や匂い
対策や洗顔にすら無頓着である。純粋にお金が無くてそういうみすぼらしい
身なりをしているのかと思いきや、そうでもないらしい。愛すべき街・秋葉原
で実際に見かける彼らは、生活必需品や清潔用品のかわりに同人誌や
オタクゲームや高価な電子関連機器をたっぷりと購入している事が多い

☆もしかして、御飯の代わりにエロ同人誌やゲームを食べて生きているの
 だろうか?もしそうだとするなら、彼らの高価な買い物とみすぼらしい格好を
 一元的に説明できる。「僕たちはエロ同人誌やゲームを主食にしているので、
 秋葉原で食べ物を買い漁るにはお金がかかるから服装にお金かけられない
 んです」→これなら、彼らはエンゲル係数が高くなりすぎていて、貧困に
 喘いでいるという事になる。もちろんこれは、宇宙人のようなジョークですが。



 2衛生的で機能的でさえあれば、あとはどうでもいいタイプ

 「まあ一般家庭の日曜日のパパなんてこんなもんかもしれないが、まだ
若い独りもんがこんな格好しているのかねぇ」という感じの、衛生的には
問題ないが、服飾からファッションというニュアンスが完全に欠落している
群をここでは挙げたい。

 徹底的に洗濯し尽くしたデニムボトム・これまた何度漂白したのやら見当も
つかないシャツを身につけたオタクが、秋葉原では多数観察される。服装は
いずれも大同小異、流行を超越した定番メニューであり、あまりに秋葉原で
大量に見かけるものだからまるでオタクの制服の如しである。他のオタク
ファッションを研究したサイトや私自身の知見を重ねて描写するなら...


 トップスは大抵ボタンダウンシャツやワークシャツ。夏は白地か黒地の
Tシャツ、寒くなるとGジャン(デニムジャケットという表現は適切ではない)や
カメラシャツ等が加わる。いずれも水色〜青色、あるいは自己主張の
少ないカラーでまとめられており、デニム地のものは洗濯の影響もあってか
全体的に色が薄くなる傾向。

 シャツは機能性の面では申し分ないように見えるが、視覚的には特に
機能や価値を付加されているように思えないチョイスである。暖色系は
殆どみられず、何故か寒色系や黒・茶・ベージュが多い。殊に、水色と
少し黄ばんだ白色の多さは特筆に値する。靴はかなり汚れたスニーカー
である事がとても多く、どんな夢が詰まっているのか、はちきれんばかりの
リュックを背負っている。


 秋葉原ではこの格好で嬉々としてメッセサンオーに入っていくオタクを
沢山、それこそ吐いて捨てるほど沢山見かける事が出来る。いやホント
なのである。だから、私達が秋葉原以外でオタクを発掘したい時には、
こういう格好をオタク発見用のマーカーにすると良いだろう。初対面の相手と
会うような集まりにもこういう格好してくるいい歳の男性を観察してみると、
案の定こちらから何もしなくてもオタクとしての馬脚を顕わす事が多い。


3身だしなみに注意は多少なりとも為されているが、
 かなり勘違いしているタイプ

 前述の「さまになってない長髪者」などはこちらに含まれる。バンダナの
風変わりな使用や、服装や体格との調和を逸脱したアイテムの使用
(ずんぐり太ってみすぼらしい服を着ているのに、ハイテクシューズ使用)
をこちらに分類する。

 一応他人の視線を意識しているらしく、本人なりに格好いいものを選択
していると推測されるが、他の服飾品との調和はあまり考慮されていない
(否、本当は考慮されているのかもしれないが、だとしたらとても珍しい
センスの持ち主という事か)。ゆえに、オタク仲間の間で評価を博する可能性
こそあれ、大半の人からはアンバランス或いは勘違いという評価に甘んじる
事が多い。彼らなりに服飾や見た目に投資しているのだろうが、全体としては
手落ちが見られる事が多く、世間一般で言うところの「格好良さ」「主張しすぎ
ないけどダサくはない感じ」からは逸脱している事が殆どだ。現在の流行
(注:真の意味でのモードというのではなく、世間一般の普通の人が着る普通
の服という意味)というものは特には意識されていないように思える姿である。
あくまで本人のペースによってアイテムの選択が為されているのは一見敬意に
値するように思えるが、しかし総体としてのデザインはいびつに過ぎず、
そもそもアクセントとなるアイテム選択の際にどれほどの考察と注意が
払われたのか甚だ怪しいケースが多い。さらに、着合わせという概念が欠落
している事例も多い


 以上、三つに分類してみたが、さらに付け加えると最後の「勘違い」は
殆どの場合は他の二要素と重複して見られる。いや、これは髪型でも
ありがちなのだが、全体としては身なりの整っていない服飾の中にちょっと
バンダナを持ち込んでみるだとか、そういう「整わない身なりの中に、浮いた
アイテムが存在している」といった例が多いのだ。汚れの目立つ安物
スニーカーによれよれ綿パン、しみのついた白Tといった格好をしたフケ
だらけのオタクが、ヘッドホンだけ格好いい洗練された品物を身につけて
いる、などである。

 服飾全体の整合性とか現在の流行とかに関する考察を行わないままに、
オタクの中でもお洒落とされているアイテムがポツポツと逐次投入されている
という例が多いのだ。しかも、それは残りの不良なアイテムとの調和を無視
していて、逆に不格好さを際だたせてしまっている事すらある。

 この3つのいずれかに該当するならば、そのオタクの見てくれはあまり
見栄えがしない※6ことだろう。よしんば服飾に投資が為される場合でも、
多くの場合はナンセンスな判断に基づいているとしか思えないアイテム
選択・運用が為されており、オタクコミュニティの中では好評を博する
可能性はあれど、その他の世界の人達や、オタク趣味だけど“偽装”に
成功した人達から見ると変てこな格好を呈している。髪型の項でも述べたが、
結局は金銭的時間的投資が不足しているという点で、どのオタクファッション
も共通している。


 最後に、ひとつだけ補足しておく。
私は一地方都市の人間である。地方都市にはハイファッション系の店は
勿論ないし、SHIPS級のセレクトショップなど望むべくもない。ねだっても無い
のである。それこそCOMME CA ISMや無印良品が一番マシな服、というのが
田舎の状況なのだ。県庁所在地に行ったって無いブランドもたくさん存在する
状況の中、自然、丸井/パルコ内のテナントが地方において手に入る限界点
と言って良いだろう。地方女性はどうだか知らないが、地方男性の服装は
丸井クラスぐらいでも間違いなく見栄えがする。人口十万人以下の都市では、
丸井クラスで十分ではないだろうか。そして、上等な一張羅が欲しいとか、
もっといいものを見たいという人は都会に遠征するしかないだろう。

 このような厳しい状況だが、逆にオタクにとっては擬態を成功させる為に
必要なファッション的ハードルが地方では低いとも考えられる。私は比較の為に
人口4〜10万人クラスの地方都市で休日の男性の姿を詳細に観察してみて、
これは間違いないと確信を得た。尤も、逆に言えば個人の話術などの、見た目
以外のコミュニケーションスキル・魅力といった、人間性そのものが地方では
いっそう重要と思われる。

 都会のようにどこにでもコミュニティがあり人が掃いて捨てるほどいる
環境では、失敗しても人間関係を使い捨てにする事が可能だが、田舎は
代替物が無い環境なので、地域社会ではファッションの影響力よりも
人間関係を守り維持し育てる力そのものがモノをいう傾向が強いと思われる。

ゆえに、この論の中で挙げたオタクファッション云々は、地方ではあまり
しっくり来ないと想像される。


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【※1悪い意味を込めてメディアにも登場しやすい昨今】

 言うまでもなく、それを助長しているのは「幼女をさらったオタク」などの、
一般の人達から見ればスリラーなまでに理解不可能なオタク事件群を
代表とする、オタク全体の中のごく一部の突飛な行動である。
幼女をさらうという行為や鎖を首につけて少女を監禁するというアイデアは、
ある種のオタク達にとってはむしろcommon senseと言って差し支えのない
陳腐な概念かもしれないが、世間様はそうは思っちゃくれない。


 「キモい。」

 「変質者・変態・器具類」

 「超ウザ。氏ね。」

 一部の極端なオタクのために、世間様は一層オタクに対して批判的な目を
向ける。一部の極端なオタクを参考に、彼らは全てのオタクにクズという
レッテルを張りつけてまわる。この誘惑にうち勝つ事の出来る良識の持ち主は、
残念ながらあまりいない。
 
この兆候は特に、感覚性豊かな女性諸氏において顕著である。
そして彼女達の多くは、うわさ話という形態の情報交換が大好きだ。



【※2決定的な意味合いを持つ】

 決定的な影響を与える事はあっても絶対的な影響とは言っていない。
話術や個人の人格特性によって大きな影響は受けるし、交流が長期化すれば
見た目の重要性はおそらく希薄化するだろう。だが、その事自体が、見た目が
初対面に及ぼす効果の重要性を全否定する材料とはならないのは
言うまでもない。



【※3オシャレじゃない長髪】

 長髪については、多くのオタクファッション系サイトにおいてけちょん
けちょんにされているが、今でも秋葉原に行くと、何を狙っているのか
目的不明の男性長髪に遭遇する事が少なくない。勿論私も「どうかな?」
と思ってしまうほうである。以下は、脱オタクファッションガイドからの
引用だが、

 どんな小さな同人系イベントでも、確実に1人は長髪の男性の方を
見掛けます。後頭部で1つに束ねているのがメジャーなオタク・スタイル
ですが、これだけならまだマシです。前髪を揃えて切っている方なんて、
女装癖のあるTHE・変態君にしか見えません!ファッションは、周囲に
脅威を与えない範囲内でツルツル・スベスベで 4.髪はサラサラストレートで
5.サングラスが似合う 6.アーティスト系の 7.美青年、 でなければ
似合いません。以上7つの条件が1つでも欠けている方は、今すぐ
美容院に行って切って下さい。


 まあ、これを完全に満たしてなくても長髪の似合う男性は存在しないわけでは
ないとは思う。しかし、確かに上記が多く満たされていなければなかなか似合わ
ないとは思われ、的を射た指摘なのではないだろうか。

 私は「ぼさぼさの髪をゴムで止めていて、汚く太ってサングラスなど
似合うわけもないようなオタク系の醜男」を何人も見かけている。
ファッションというものは個人の主張が介在するものだろうし、
それでこそ狭義のファッションとも言えるのだろうが、本人の意図はともかく
周囲の人から見ればウザオタがられるだけの男性長髪が存在する事は
留意していいと思う。
総じて、男性の長髪というジャンルはファッションにある程度の造詣のある
人間でなければ他者から評価を頂くのが難しいと思うのだが、如何だろうか。




【※4髪型はその最たるものという印象】

 ファッション全体に言える事だが、例えば髪型に着目した時に「ダサい」と
感じてしまう際には、服装やアクセサリ・表情などによって受けるその他の
視覚的バイアスによる影響を考慮する必要がある。同様に、服装を見て
ダサいと感じる際には、髪型・表情などの視覚的バイアスもかかっている
可能性がある。いずれにせよ、それら視覚的効果を生む要素全てが――
つまりファッションの対象になりうる全てが――見る側に好感なり嫌悪感
なりをもたらすファッション的要素となるわけで、実際にオタクファッションを
個々のアイテムや部分を見てあれこれ言う際には、他のアイテム等による
影響や組み合わせをも考慮しなければならない。

 ただ、ファッションは総体としてどう見えるかが大切で、いかに有利な
視覚的バイアスを見る側に植え付けるかを目的とした技術である。
例えば、パッと見て「あいつ髪型ダセー。オタクじゃん」と思った際には、
実際に髪型だけがどうかはおいといて、実際その人はオタクっぽい姿を
呈しているわけだ。
それは見た目による偏見に過ぎない、というなら愚問である。
ファッションとはその偏見を有利なものに変更する為の技術だからである。
だからこそ、どれだけ髪型が優れていようと総合的な視覚的偏見を与え
られないならば、そのファッションは「偏見向上装置」として機能して
いないと考えられる。




 【※5全く歯牙にもかけない】

或いは、「私はこれでも精一杯気にかけているんだ!」と思っている人も
いるのかもしれないが、だとしたら‥‥もう、どうしようもないです。

 おかあさんから爪の切り方や頭の洗い方を教わってきてください。




 【※6あまり見栄えがしない】

 オタクの服装というのは見栄えがしない。と書いてみた。
オタクの服装→見栄えがしない、 というわけである。
しかし、これはオタクである私の視点からだからこそ言ってしまう事である。

 世間の大多数の人達の偏見をもとに考えるとむしろその逆で、「服装の
見栄えがしないと、たとい趣味が何であれ、キショオタと思われやすい」
つまり、服装の見栄えがしない→オタクみたい なのではないかと疑っている。

 なお、ここの→の意味は、数学の必要条件、十分条件、のあの矢印である。