詳しい理由についてはこちらのテキストに書いたが、2003〜2005年頃から、
 インターネットや書籍上でコミュニケーションスキルという言葉を目にするように
 なった。ところが、この流通しつつあるコミュニケーションスキルという言葉
 意味は、当サイトで2005年まで使用していたソレとは幾らか違っている
 当サイトでは、コミュニケーションの成否に関連する要素の殆ど全てを
 一緒くたにしてコミュニケーションスキルと呼んでいたが、一般的な用法は
 技術・技能としてのニュアンスにより限定されている。よって、一般的用法を
 念頭に当サイトのテキストを読んでいくと、違和感を覚える可能性がある
 このため、当サイトの古いテキストに書かれたコミュニケーションスキルという
 単語は、コミュニケーションスペックと変換して読んで頂きたいと思う。狭義の
 コミュニケーションスキルの指し示すものに、素養などをプラスした上位概念
 がコミュニケーションスペックと理解頂ければ幸いである。以下の表を見て
 頂ければ、少しは雰囲気が分かって頂けるだろうか。勿論これらの紛らわしい
 用法は順次修正していく予定だが、きっと遅れると思うので、どうかご了承
 頂きたいです。


 
コミュニケーションスキル
の一例
姿勢制御
ファッション
言葉の選び方・語彙力
語学力
相手の立場を想像する癖
場に合う表情
コミュニケーションスペック
の一例
姿勢制御、体格、身長
ファッション、顔面の形態、バストのサイズ
言葉の選び方・語彙力、言語性IQ
語学力、現在いる場所に対する出身地
相手の立場を想像する癖、動作性IQ
場に合う表情、空気嫁(の一部)
パーソナリティ、経済力、文化的ニッチ、年齢etc


 補足:動作性IQ、言語性IQ

  ちなみに動作性IQ(PIQ)、言語性IQ(VIQ)というのはいわゆる知能検査に
 おいて算出される下位尺度である。言語性IQは【知識、類似、算数、単語、
 理解、数唱】から、動作性IQは【絵画完成、絵画配列、積木模様、組合せ、
 符号】から評価される。トータルIQがどんなに高くても、バーバルなコミュニ
 ケーションを構成する言語性IQ(構成要素群)とノンバーバルなコミュニケーション
 を下支えする動作性IQ(構成要素群)が低ければバランスのとれた適応は達成
 しにくくなる。実際の知的機能検査(WAIS-R等)を見る限り、言語性IQに含まれる
 諸項目は学習によって向上しそうな要素を多く含むが、動作性IQに含まれる
 諸項目は学習してもあまり変化しなさそうなものが多い。

  精神科における知的機能検査の印象では、学力や進学校進学率、合理的
 思考能力などは言語性IQの高低と相関している印象が強く、コミュニケーション
 や社会適応、空気嫁などは言語性IQの高低と相関している印象が強い。
 他にも細かい事を色々説明したい気もするが専門的すぎるのでここまでに。


 知的能力の測定に関しては、こちらの説明が比較的まとまっていて良いかと。
 IQというモノサシは、知的能力を評価する唯一神ではないが、一つのモノサシ
 としては有効なモノサシだと思って私は一定の役割を期待している。