峯享男の磯釣り論

公開年月日:2012/ 10/12


うきの話し

 

 今年の台風も幾度となく猛スピードで日本列島を走り抜け、海上の水温も海域によっては23度前後まで低下し、ようやく秋磯シーズン突入となりました。

 まだまだ20度を切っている海域は湾内外ではないと思われますが、各地で青物の回遊が多くヒラマサを始め鰹やシマアジ等々でその引き味が楽しめます。

 しかし、餌取りも多いため餌取り対策が釣果を上げる重要なポイントとなります。

 今回はウキのお話しを少し・・・・・

 船釣りやウキを必要としない「ズボ」釣りは別ですが、釣りの原点はウキから始まると言って過言でありません。

 ウキの原点は大別すると2通りあります。

 一つはウキの頭から道糸が出ている中通しウキや玉ウキ、もう一つは江戸時代から存在する池のヘラブナ釣りでもお馴染みの立ちウキや棒ウキです。

 いずれのウキの材質も色々で、鳥の羽ウキ、スズキ種のカヤウキ、バルサ、桐等々・・・釣り人の好みやその時々の流行で手作りウキが多く、実用的と言うよりは巧のワザや懲りを重要視する面も多分にあります。

 魚と釣り人の唯一のコンタクトはウキです。このウキの様子を釣り人が見て魚との会話を行います。

 すなわち、魚の当たりが素直にウキに出る感度の良いウキが釣り人にとってはとても大切な道具になります。

 ウキの感度の良さは、立ちウキや棒ウキに敵う物はありません。例えば、ヘラブナ釣りの時に、魚が餌の回りを泳いだり、餌を少し吸い込んだり、または餌が溶けてなくなる程度でもその様子が手に取るようにウキに現れます。

 しかし、池のような静かな時には良いが、海の場合、潮流や波、風が強い場合が多く、ウキの動きが波なのか魚なのかの判別が非常に難しくなってしまいます。
 波の動きの影響でウキがボコンボコンと上下して波の押し上げに負けてしまうからです。

 この波の押し上げに負けず安定し、魚の微妙な辺りを明確にウキに表現するため、私が半世紀の実釣から試行錯誤して製作し実釣経験を踏まえて進歩してきたみねうきがあります。

 【みねうきの基本は、微妙な当たりを視認できる立ちウキであり、棒ウキです。この立ちウキや棒ウキの弱点である波の押し上げに対しては、ウキの上部に肩の張りを持たせ対応しております。
 足先から肩の部分まで微妙なアールを付けることで、波の押し上げに強くウキは安定して潮流に乗り、さらに魚の当たりを明確に視認することができます。
 このアールは私の長年の経験から培ったものであり、決してPCや機械では再現することは不可能です。
 したがって、みねうきは1本1本、私の手作業で製作しております。中通しウキのような大量生産が不可能な弱点?はありますが、それ以上に使い勝手の良いウキです。

 ちょっと、横道にそれて・・・何故、海には波が立つのか・・・?
 それは、自然界の海では、風向きと潮流が反対方向なのが一般的で、風と波がぶつかり合うことから波高ができる・・・と言うことです。
 潮流を読みとることに不安のある方は、是非、風向きを参考にして頂ければと思います。
 ただし、磯際では磯形状や磯に当たった反転流、本流潮流に吸い込まれる流れ等々が複雑に存在し逐次変化を伴っていますので、これらの潮も十分に観察する必要があります。

 ウキの頭から道糸が出ている中通しウキは、水面を走る風に非常に吹かれ易く風に押し流されてしまいます。
 上記したように、一般的に風向と潮流は反対方向なので、刺し餌は潮流とは別の方向に流され、撒き餌と合わなくなり狙いの魚はとんでもない反対方向で撒き餌を捕食している場合が多くなってしまいます。

 風向や風速、潮流をすばやく計算して撒き餌を投入する事を常に心がけて下さい。

 その点、みねうきは約50余年余り、私が試行錯誤して切り出しナイフで削り始め、水面下に17cmの足長があり、その先に道糸があるため、風にあまり左右されず、水面下にある足長部分で潮流を捉えるため撒き餌の流れに同調することができ、その結果、当たりが圧倒的に多くなります。
 棒ウキの水面での上下する欠点も肩から足までのアールの角度によって水面で上下することなく安定して流れてくれます。

 遠くまで流した時には、道糸の出を3〜4秒止めることで水面下に少しウキがシモっていきます。その後、道糸を2〜3m送り出してやるとウキのトップが水面上に見え、その瞬間にスパーッとウキが海中に消えるのがみねうきの特徴で、魚の当たりがいきなり竿にガツンと来る醍醐味が楽しめます。

 【みねうきを使って頂く方には、この「止めては流す、止めては流す」を是非、実戦してほしいと思います。

 ウキより刺し餌を先行させることで釣果は倍増します。

 【みねうきのサイズはB〜6Bまで製作しておりますが、感度はいずれも全く変わりません。
 特に冬風の強い時期には重い目の仕掛け(3B以上)が有効となります。
 中通しウキのような調整重りも必要はありません。例えば、5Bウキを使用し、ガンダマB1×1個でも全く問題ありません。
 ガンダマを全く打たなくてもみねうきは自立式ですので、使用に問題はありませんし、感度も変わりません。

 みねうきを購入された方々には、仕掛けの見本を同封しておりますし、以後、使用等に関して知りたい事等御座いましたら、何なりと連絡頂ければご対応させて頂いております。

 今後の磯釣りに参考になれば有難く思っております。

 

以上

2012年10月12日

全国峯友会主宰 峯 享男

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