峯享男の磯釣り論

公開年月日:2012/ 12/15


自然は「甘くない」

 今年も終わりに近づき、夏は猛暑、今冬は周期の短い天候で三陸や北海道で猛烈に発達している。
 低気圧が20度ラインにあった「エルニーニョ」、暖かい潮も無くなり、そのせいか大陸から来る寒気は日本列島を飲み込み太平洋側まで来るため、三陸沖の低気圧が発達すればするほど、各地では北西の風が強くなり海は「大シケ」となっています。

 よほど慎重で綿密な釣り場選択をしても予定した日に竿を出すことが出来ず「がっくり・・・」することが多くなってしまいます。
 例年より高めで移行した海水温も一気に低下しています。

 現在、和歌山県南紀は18度前後で、この波高で表面と底潮のかき回しによって良い釣果も期待出来るが、自然の海はままならぬ事が多いものです。
 日本列島は日本海側の対馬暖流、太平洋側の黒潮の接岸・離岸の影響によって海域の釣果が大きく変わります。
これは自然の流れであって人間の力ではどうすることもできない潮流です。ここ最近の悪天候のようなものです。

 私が頻繁に釣行する南紀方面は、今現在、和歌山県潮岬の沖約20kmに親潮が接岸し、北西の風に弱い点はあるが、釣行できれば3月いっぱいは好釣果が期待できます。
 しかし、三重県側では親潮が伊豆諸島に流れ、さらに北西の風に弱い釣り場が多いため、好釣果とはいかず、ましてボイル餌限定でしか釣りができない釣り場もあります。
 抱卵時期のグレは柔らかい餌を好むので、益々釣果は落ちてしまいます。

 人間が思うように自然は「甘くない」ものです。
 高波、水温低下、強風・・・ウキ下もそれなりに深くなり、思うような理想の釣りができないのがこの季節です。

 しかし、このような時期だからこそ、威力を発揮してくれるのがみねうきです。

 グレ釣りの基本は、刺し餌を先行させながら潮流に乗せて流していくことです。
 それには、道糸を潮流にまかせて出しっぱなしするのではなく、「止めては流し、止めては流し・・・」の繰返しが必要です。

 しかし、現在、多く流通している中通しウキの場合はこの操作を行っても余り変化が出ないものです。

 【みねうきの場合、止めると水面に出ているトップの部分がシモっていって見えなくなります。この状態を6〜7秒続け、その後に道糸を出してやると水面から再びトップが見えてきます。その瞬間にスパーッと海中にみねうきが消えていきます。
 水面下の17〜18cm程度に道糸が入っているため、強風時でも潮流に乗り、刺し餌を運んでくれるのが特徴の一つです。

 「止めては流し、止めては流し・・・」の操作で、みねうきの足(海水面下に没している部分)にオモリを入れてあるのと、方から足にかけての微妙なアールによって他の棒ウキタイプのように水面で上下せずに、安定した状態を持続しながら潮流に乗って流れていきます。

 今日、釣りを始めた初心者の方でも魚の当たりが分かりやすいし、感度が良いので、ウキが消えると同時に竿にも来ることが多いのもみねうきの特徴です。

 是非、一度、経験してみては如何でしょうか?

 

以上

2012年12月15日

全国峯友会主宰 峯 享男

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