峯享男の磯釣り論
公開年月日:2015/ 3/ 4
ウキの選択とポイントの選択 |
「三寒四温」・・・ まさしく今年の気まぐれな天候は、お天気の専門家の人達でさえ困惑する異常気象のようです。 そのため、予定していた日程の釣りも中止や延期となるケースが多々あります。 しかし、このような異常気象とは無関係に海の生物、特に、私たちが狙っている「グレ」は各海域で順調にお腹に卵を持ち、今現在では親指程度の大きさに成長しています。 エルニーニョの暖かい潮流の影響で、各海域の海水温は例年より2〜3度高く推移しているようで、グレの乗込みとチヌの乗込みが同時に楽しめるような海域も多くなる気配です。 問題は天候です。 早いペース(周期)で南海上を北進する低気圧。人間の力ではどうすることも出来ません。 東北の三陸地方を過ぎた低気圧は北海道で発達し、強風や雪をもたらします。 昔の人の例え言葉で「暑さ寒さも彼岸まで」と言われています。 現在の新人類にはあまり通じない言葉ではありますが、私のように海で育った年寄りには頭の隅に残っている言葉です。 化学の進歩で、ありとあらゆることが分かる時代であっても、昔の人の言う言葉には重みがあると信じております。 あと、2〜3週間もすれば天候は安定し、梅の花が序々に開花し、桜のつぼみも大きくなってきます。 海の状況も安定してきて、グレやチヌの釣りやすい時期がやってきます。 また、釣果に大きく影響するものとして潮流があります。 太平洋側の黒潮本流は生物のように蛇行を繰り返すと伴に移動します。潮流が接岸すれば爆釣状態が続き、離岸してしまうと不調続きとなってしまいます。 まさに自然の摂理です。 いずれにせよ、抱卵期の魚は人間と同じように卵(子供)をとても大切にしています。 したがって、この時期の魚は警戒心が非常に強く、針に付いた付け餌の捕食は微妙な状態になります。 このため、「ウキ当たり」は非常に小さくなり、中通しウキではその微妙なウキ当たりを認識することが難しくなります。 よくウキに当たりがないのに付け餌だけが取られ、餌取りが原因と思っている釣り人が多くいらっしゃいますが、そのほとんどは本命の魚で修羅場を乗り越えてきた大きなお魚の可能性があります。 そのチャンスをキャッチするためのウキの選択は非常に重要です。 私が1本1本丹精込めて製作した手作りウキ【みねうき】。 肩から足先にかけての微妙なアール(カーブ)は、機械製造では決してできないもので、私の磯釣り半世紀の経験から生まれたものです。 そのアールは、魚が付け餌を捕食した際に、魚にほとんど違和感を与えないため、魚は安心して針の付いた付け餌を吸い込んでくれます。 それと同時にウキはスパッと水面から海中に沈み、初心者の方でも自然と合わせを与えることができます。 さらに、足先は海水面下18cm程度没していますので、潮流に乗りやすく釣りがしやすくなります。その足先には環付きがあり、そこに道糸が通るため風や波の影響もほとんど受けません。 私が元気に磯を走り回っていた時代は、各社の撮影や執筆活動等々で、毎日のように磯場に立っておりましたので、なかなか自作の【みねうき】を釣具屋さんに置くことが困難でした。そのため、現在に至っては数えるほどの釣具屋さんでしか扱っておりません。 しかし、現在のネット環境の進歩によって、こうしてネット上でPR、売買できることを喜んでおります。 ウキの選択が重要であることの他にもこの時期に重要な点があります。 それは、ポイントの選定です。磯釣りポイントは時期に応じて変化します。 今の抱卵時期は、あまり潮流の早いポイントより、潮流の遅いポイント、ワンド内の静かなポイント、潮のたるみのポイント、沖目よりは磯際ポイントが優位となります。 夏場で釣れたポイントは寒の時期、抱卵時期では不利となります。 今の時期の磯釣りは「ウキの選択とポイントの選択」が重要です。 これを頭に入れながら良い釣果を出して下さい。
以上
2015年 3月 4日 全国峯友会主宰 峯 享男 |
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