La déconstruction des idoles ──アイドルの脱紺築

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感想日記 第六週

2004/5/31(月)no.2 愛の劇場「ほーむめーかー」#26 鍋にウィンナ、茹でリンゴ、バター

いよいよ最終話が始まってしまいました。
孝輔が帰ってくるので、18階の窓から『おかえりなさい孝輔』という巨大垂幕を垂らして、孝輔を迎えようとするいずみ。沼田さんに、それは無理じゃない? と指摘されても、どうしても、階下の住人の迷惑になるという事には頭が回らない様子。
でも、結局は諦めて、作戦を変更、突然孝輔の住む神戸の部屋に迎えに行く作戦に出ます。

ところが孝輔は、神戸出張が終ったと思ったら、今度は札幌支店のプロジェクトを三ヶ月間手伝ってほしいと頼まれ、人のいい孝輔はイヤとは言えず、引き受けてしまいます。

で、部屋に帰ると、いずみと大輔が待ち伏せしています。
孝輔は、北海道赴任の件を言いだそう言いだそうとするのですが、いずみがあまりにも浮かれているので、言いだすきっかけを失ってしまいます。
そこに、孝輔の同僚、田中君&シマヌキ君が神戸最後の夜を一緒に飲み明かそうと訪ねて来ます。で、シマヌキ君がポロッと言っちゃうんです。北海道赴任の件を。
「ちょっと。どういうことなの?」と言う時のいずみの表情、サスペンスを盛り上げてくれますね。

「どうしてそういう大事なことを早く言わないの?」
「言おうとしたさ。でも、いずみがスリッパだの、食器だのって言うから」
と言い合いになる二人。でも、いずみがすごい形相で睨みつけ、あっさり勝負は決まります。
「ごめんなさい」すごすごと謝る孝輔です。
田中くんの「夫婦ってこんなもんや」というセリフ。おいらも実感として分かります(涙)。
今、この日本に名女優が何人いるにしても、このシチュエーションをここまで見事に表現できる女優は中澤裕子さんをおいて他にいないでしょう。間違いない。すごい説得力がありましたからね。
眉間の皺はダテじゃないね。

でも、それでも、いずみはすごく理解のある妻な訳です。孝輔を応援する、と宣言して。拗ねる大輔をちゃんと諭します。お父さんのことが好きなら、お父さんのことを応援してあげようよ、と。
そこで、ちゃんと納得できる大輔もえらいぞ。
ま、ちょっと聞きわけがよすぎるような気もしないでもないけれど。

で、いずみ夫婦と田中くんシマヌキ君で鍋を囲みます。具材にウィンナが入っていて驚く田中くん。リンゴを発見して唖然とするシマヌキ君。焼きリンゴがあるなら茹でリンゴもあってもいいよね、と平然としているいずみ。そのリンゴをひょいと食べて「なかなかイケル」という孝輔。極めつけは、バターを入れて鍋にコクを出そうとするいずみ。楽しすぎます。反則技だよ。

そして、お約束。酔いつぶれたいずみによる前世語り。よっ、待ってましたっ。
最終話とあって、前世も今までの前世とはレベルが違います。前世三人分ですから。
まず、「田中君はそれ以上飲んじゃいけない」から入ります。
それ以上飲むと、流浪のガンマンに撃たれてしまうらしいんです。
呆気に取られる田中シマヌキ組を前に、いずみが前世をとくとくと語ります。
いずみと田中君は前世で飲み仲間だった。テキサスの酒場を思い出す。田中君は気のいい牧場主。いずみは跳ねっ返りのカウボーイ。そして、シマヌキ君はその酒場を訪れる流浪のガンマンかと思いきや……ビーフジャーキーですから。前世が酒のアテですから。もう大爆笑。
いやー、最終話らしく気合いの入った前世でした。大満足。

北海道に赴任するまでの二週間の間だけ、孝輔は東京荒又のマンションに戻れることになりました。
で、さっそく夕飯に、いずみの作ったナポリタンが登場。
ナポリタンの皿が目の前に出てきた時の孝輔の表情が最高です。過去の悪夢を思い出しています。いずみの作ったナポリタン。恐怖以外の何ものでもないんです。しかし、えらい気迫で「絶対に美味しいからっ」と言い張るいずみ。孝輔、恐る恐るそれを口にします。
で、意外や意外、それは本当に美味しいんですね。
「本当に旨いよ、コレ。最近食べたナポリタンの中で一番旨い」
その孝輔の言葉が「幸子さんのナポリタンより旨い」と聞こえたいずみ、大喜びして「さすが孝輔分かってる。その言葉が聞きたかった」と言うのですが……
孝輔は、最近、喧嘩中の田中君とシマヌキ君に、別々に昼食に誘われるもんで、うっとうしくて、一人で喫茶店に隠れて昼休みを過ごしていた訳です。で、そこで、しょっちゅう不味いナポリタンを食べていた訳で、それにくらべたら全然旨い、と言ってただけなんですね。幸子さんの作ったパスタを美味そうにパクパク食べたことなんて、まるで覚えちゃいない訳です。
これには、いずみも参った。せっかく「幸子さんに勝ったっ!」と内心ガッツポーズだったのに。悔しさのあまり自分の作ったパスタをヤケ食いするいずみです。可愛いです。いずみは何をしても可愛いなあ。うん。

翌日。共用スペースで、なんと、大輔が喧嘩。原因は「グランファイターなんかいない、あれは中に人間が入っているんだ」と友達に言われたこと。珍しく大輔がキレています。
この喧嘩事件が、次回以降どういう波乱を生むのか……

で、橘さんにホームパーティーにお呼ばれする山路一家です。
なんと、料理の半分は橘さんのダンナさんが作ったということで。しかも、部屋の片付けまでしたというマイホームパパぶり。変われば変わるもんだ。

で、子供の習い事の話などしたあと、大輔がキレて驚いた、という話になり。
孝輔「子供は親の背中を見て育つというからな」
橘(夫)「蛙の子は蛙とも言うし」
理恵さん「血は水よりも濃い、とも言うわね」
そう言って、三人で、いずみの顔をじーっと眺めます。
三人の言葉に「うん! うん!」と相槌を打っていたいずみ、しばし間があってから「あれっ……ね、ひょっとして、あたしのこと言ってる?」と。
この間の取り方は、実に巧みです。こなれてます。余裕すら感じさせる自然体な演技です。おいら、嬉し涙が出そうだよ。

それで、いずみが「分かった。……わたし、これからは穏やかなママになる」と宣言しますが……
きっと、日本中の家庭で、TVに向かって「無理ムリ」とツッコミを入れる光景が見られたことでしょう(笑)。

2004/6/01(火)no.2 愛の劇場「ほーむめーかー」#27 和服姿&アップにまとめ髪キタ──────ッ!!

いよいよラスト4回となりました。
珍しく前回の終わり部分を繰り返して始まります。
大輔がキレた一件で、橘夫婦&孝輔から皮肉を言われちゃったいずみ。
「分かった。……わたし、これからは穏やかなママになる」と宣言したワケですけれども。
ここで、出ました。
恒例のインサート映像です。
青い芝生の上に緋毛氈を敷いて、艶やかな和服姿で髪もアップにまとめたいずみが、お茶を立てております。
そこで、テロップが出ます。
Q. (A)穏やかなママになる (B)これからもキレる
手に持った札には「(A)穏やか宣言!」と書かれています。そして、あくまでもお上品な口ぶりで、「もう、キレませんわ」といういずみです。
……で、インサート映像が終ったところで、孝輔、
「また、無茶なこと言いだしてるよ、この人」
と言いながら、「気は確かか」と確かめるようにいずみのおでこを触ります。
「頑張る。いずみ頑張る」と自分にエールを送るいずみですが「でも、その前に……」とビールに手を伸ばします。さすがいずみ。そうでなくちゃ。
でも、ビールは取り上げられてしまい、理恵さんからは「はい、お茶どうぞ」とグラスにお茶を注がれてしまいます。
「え? ……お茶…………」という、いずみの力ないセリフが最高に切なくてステキでした。

突然、シュタイナー賞の最終審査にノミネートされてしまった孝輔。なんでも建築業界のノーベル賞とも言われる賞で、ノミネート自体が日本人初の快挙なのだそうで。
にわかに「時の人」となった孝輔には、取材が殺到。おまけにいずみたちまで、記者たちにコメントを求められてしまいます。
礼儀も節度もない取材陣に対し、キレて怒鳴るいずみ。でも、昨夜の決意を思い出して、グッとこらえます。うーん、ケナゲだなー。

週間クリエイトという雑誌の取材を受けることになった山路一家。そのことを理恵さんに言うと、理恵さんは、「いずみは余計なことは喋っちゃダメ。それが孝輔のためだ」と忠告。
ちょっと納得いかないような気もするいずみなんですが、でも、思い直して、
「穏やかなママが、べっらべら喋るのって、変ですもんねぇ。了解です」と、小さくラジャーのポーズをします。そうです。穏やかなママになる、といういずみの決意は固いんです。やっぱり、ケナゲで可愛いなあ、いずみは。
ここで、再び、和服姿のインサート映像が。
今度のテロップはというと、
Q. (A)ベラベラ喋る (B)おしゃべりは控える
手に持った札には「(B)口は禍のもと!」と。しかも、いずみの口には赤いテープが、×と貼られております。切ないなあ……

取材当日。スッピン&普段着で取材に臨むいずみです。寝間着ライクなシャツに、スソの擦り切れたスウェット地のズボン。あまりにも普段着すぎます。

で、取材中はというと、孝輔が話をしている間、理恵さんの忠告を守り、頑張って口を閉じ、おまけに息まで止めて喋らないようにしているいずみです。
取材の記者から喋っていいと許可を得たいずみは、「そうですよねぇ」と同調、今まで喋るのを我慢していた反動で、今度は堰を切ったようにベラベラベラベラ喋りだします。こうなったら、もう止められません。
曰く、「あたしシュタイナー賞なんて、実は知らなくて。知ってたのは、皆勤賞とか、もう少し頑張りま賞ぐらいで。」
そこで、小学生かよ、と孝輔に突っ込まれると、話は何故か精神年齢のことに。
「こないだ精神年齢テストをやったら7歳だった。息子の大輔が4歳だから、なんとか年長者としての面目を保った。ちなみに孝輔はやってみたら17歳。精神年齢17歳の孝輔が、こんな大人な賞を貰うだなんて考えてみればすごいことだなあ。記者さんも精神年齢テストやってみます? 紙と鉛筆があれば5分で出来ますよ」
と喋り続け、フローラの天野副編集長に「やっぱり黙ってて」と言われてしまうのでした。お見事。

翌日(?)
西村さん宅に上がり込んでTVのまん前に陣取り、孝輔がゲスト出演する番組を見るいずみ。いずみのテンションの高さに、西村夫妻は呆れ気味。
いずみ「見て見てー」
西村(夫)「見えねーよっ」(いずみがTV前に陣取っているから)
いずみ「ちょっと聞いて聞いてー」
西村(夫)「聞こえねーよっ」(いずみがうるさいから)
という部分が楽しい。いや。どこもかしこも楽しいけれども。
TVの中では、孝輔が「奥様はどんな方ですか?」と訊かれて「キレる……いや、その……頭がキレるという……」と誤魔化しつつ説明。
ぱっと話題がすりかわると、「ちょっとぉ、今話変えたでしょ? わたしの、いずみさんの、もっと話してぇ」と言いながら、人のうちのTVをバンバンひっ叩くいずみです。
そして、孝輔の出番が終ると、ブチッとスイッチを切って、伸びをしながら「おつかれー孝輔! やっぱカッコいいなー」と惚気ます。
思わず西村(夫)が、ボソッと「ウチで見ろよ」とボヤきます。
で、TVの間、ずっとおトイレを我慢していたいずみがトイレにいくと、「子供みたいで可愛い」と言い合う西村夫妻でした。

で、例の週間クリエイトのほうはといえば、インタビュー記事には『明るく飾らない一家の雰囲気に、山地さんの家作りの原点を見た』と書かれているのです。うまいことまとめますねえ、プロの雑誌記者は。
でも、その言葉は山路家(というかいずみ)の本質を上手く言い当てていますね。
明るく飾らない……か。おいらも、そんな家庭を目指したい。頑張る。痛井ッ亭。、頑張る。

えー、こちらもすっかり恒例となった、磯辺さんの芝居がかった過去物語。題して『斜め45度の女』近日公開。DVD予約受付中だそうで。磯辺さんが、自分に酔っている間に、いずみたちは隣の部屋に避難します。
あのー、これ。DVDとかいってますけど、これは「ほーむめーかー」のDVDが出るぞ……という暗示だと考えていいのでしょうか。……そう考えちゃうぞ。出ても買えないかも知れないが。NG集がどっさり入ってたら悩むなー。

最後の最後で、なんと大輔が芸能プロダクションからスカウトされちゃいます。
なんだか、孝輔も大輔も、エライなことになっている最終話です。
明日も目が離せません。

2004/6/02(水) 愛の劇場「ほーむめーかー」#28 いずみの思うサクセスとは

ラスト3。あー、もうすぐ終っちゃうよー、ほーむめーかーの日々が……あああああ……というようなセンチメンタルな気分に浸る暇すら与えてくれない、楽しさてんこ盛りのほーむめーかー。今日も絶好調。視聴率とか関係ないし。おいらが楽しいからそれでいいのだ。ってか、演じてるゆうちゃんが楽しそうだから、充実して見えるから、それだけでいいのだ。あとのことはどうでもいいんです。

さて。芸能界にスカウトされた大輔。
話を受けるかどうか、という一大事を、いずみは何と大輔自身に決めさせます。本人がやりたいと言えば、やらせてみる、と。すごいね。やっぱり、いずみは人間がでかい。
芸能界で成功するとか、ブレイクとかはどうでもいい、ということで。
お稽古事みたいなもので、幼稚園以外の社会に触れるための社会科見学みたいなもの。という軽いノリです。

とはいえ、実際に大輔がスタジオでプロモーション用の写真を撮影する、という段になると、親馬鹿全開で浮かれまくってしまういずみです。そこがまた可愛いんですよね。
すっかり撮影の邪魔をしてしまい、カメラマンから助手に「つまみ出せ」との指示が。パステルプロモーションの小林さんがうまくその場を収めますが、彼の苦労が偲ばれますねー。
一方、大輔は事の重大さなんて、これっぽっちも意識していないので、あくまで自然体。普段通りです。カメラマンが持って来たフィルムの山に興味を示したり。すっかりカメラマンと打ち解けて、「僕デジカメ持って来てるよ」と言って、いずみのキレ顔を見せてあげたり。その強烈なキレ顔に、スタジオは明るい笑いに包まれます。

ここで、出ました。前回に引き続き、着物姿のインサート映像。
テロップは、
Q. (A)このままの人生を送る (B)キッパリ過去と決別する
いずみは、お茶碗のお茶をグビッと飲み干し、手の甲で口を拭い、「(B)私は生まれ変わる。」と書かれた札をあげます。そして、「うーっ! キッパリ」と宣言。
そうかそうか、生まれ変わるんだったね。頑張ってね。(無理っぽいけどねー♪)

一方、孝輔は、シュタイナー賞ノミネート効果で、北海道赴任が取りやめに。しかも、東京本社で、エグゼクティブ・プロデューサーという、とっても偉そうな肩書きを戴くことになりました。おまけに、100万円の報奨金も貰えるということで。
そのお金で、温泉旅行を計画する山路家です。
息子は芸能界、夫は昇格、という絵に書いたようなサクセスを羨む、安藤さん磯辺さんですが、いずみは至って淡々としたもので「それってサクセスなんですかねー?」と言います。何を羨ましがっているのかよく分からん、と言いたげです。
いずみにとってのサクセスって、芸能界でブレイクとか、昇進とか、社会的に成功を収めることとは関係ないんですよね。
家族揃って、健康で、毎日楽しく、笑顔で、自然体で過ごせること。それこそがサクセスなわけで。
おいらもそんな、煩悩から解脱した境地に至りたいです。気持ち一つなんですけども。それがなかなか簡単じゃないんですよねー。

そんな「サクセス」より、むしろ、いずみにとっては安藤さんが商店街のスタンプを貯めて当てたサイクロン式掃除機のほうが羨ましいワケで。
これは、理恵さんに「あなた、まだ掃除機買ってなかったの?」と突っ込まれちゃいます。あー、懐かしいなあ、掃除機の話。第一話で出て来ましたよ。いずみが理恵さんとお近づきになるために持ち出した話題でしたね、これ。サイクロン式か、紙パック式か、って。
いずみは、か弱い音を立てながらケナゲに頑張るオンボロ掃除機君が捨てられない訳ですよ。で、なかなか新品を買う踏ん切りがつかないんです。いい話だ、うん。

ところで、孝輔は一緒に働けなくなった札幌支店のことを気に病んでいまして。で、支店長に電話をかけます。「いつか必ずお役に立たせてください」と。
孝輔、えらすぎるよ、立派すぎるよ。人の心が分かる男だよ。だからこそ、クライアントの思いを活かした家作りが出来るんですね。尊敬。
ところで、札幌で電話を受ける支店長のバックに札幌時計台らしき建物が映ってますけど……時計台はあんな緑一杯の公園の中にはないんですけど……ビルの立ち並ぶ市街地の真ん中にあるんですけど……ま。別にいーけどね。ど〜〜〜〜せ、北海道は緑が一杯の田舎ってコトでしょ?
あーあー、んだべ。道産子の主食はジャガイモにトウモロコシだべさー。そりゃ、札幌中心部に熊だってなんまら出るっしょ。したっけ、豊平川に遡上した鮭を狙う山親爺の姿さ、乗合馬車で通勤中の人々が豊平橋の上から眺めるっつぅ、微笑ましくも牧歌的な光景が秋の風物詩として……んなワケないべやーっ!
べやー……ベアー……Bear…………

えー、取り乱しました。
さて、標準語に戻って、と。したっけそしたら、翌朝、「土曜日だからもっと寝させて」と布団から出てこないいずみに、小林少年探偵団から電話です。大輔がCMのオーディションに受かったというんです。その自然体の魅力がよかったとのことで。これは、あれだ。いずみの育て方の勝利ですよね。ってか、まさに子は親の背中を見て育つ。蛙の子は蛙。血は水よりも濃い、って話だ。どうだ、まいったか。フンッ。

そして、話はそれだけでは終らず……孝輔に来客が。
ブロッコリブロコヴィッチ・コーポレーションとかいうアメリカ最大手の建築会社から、日本支店長がヘッドハンティングにやって来ましたっ!
一体どこまで話を膨らませるんですか?
とにかく、その支店長さんは、一家でアメリカに移住して、孝輔にはロサンジェルス郊外でニュータウンを建設するプロジェクトに参加してほしいというのです!……すげえ。家づくりどころか、新しい街づくりだよ……
しかも年俸は百万ドル、日本円で一億円余り、という数字が提示されます。
これを聞いて、いずみ、うろたえまくり。数字が大きすぎてイメージがわかないので、
「一、十、百、千、万、十万……」
と必死に指折り数えちゃいます。しかも何度も。面白すぎ。

さー、あと二回。どういう展開が待ち受けているのか。最後まで目が離せません。

2004/6/03(木) 愛の劇場「ほーむめーかー」#29 孝輔の理想 いずみの想い

ブロッコリブロコヴィッチから提示された条件は、年俸一億円。しかも、孝輔がもっとも影響を受けた、尊敬する建築家ジム・ハンターと一緒に仕事が出来る、というのです。孝輔、舞い上がってしまいます。
いずみも「それって、大輔が幼稚園でグランファイターと同じクラスになるようなものよね」と。なんか間違っているような、的を得ているような……

孝輔にこんないいことがあるのは、昔、孝輔がこっそりいいことをしたからに違いない、と考えるいずみです。案の定、孝輔は子供の頃、巣から落ちたツバメの雛を巣に戻してあげたことがあったんです。夫婦の間では、ヘッドハンティングはツバメの恩返しである、と認定されました。

理恵さんによる英会話の猛特訓が始まります。何事にも用意周到な上に、面倒見がいい理恵さん。でも、「そういうのはどうにかなるもんで。前にハワイに行ったときも、身振り手振りで何とかなりました」とのんきに構えているいずみです。
以前「パソコンも出来なくてよく編集者が務まったわね」と言われた時も「そういうのってどうにかなるもんなんですよー」と、同じようなことを言っていたいずみ。いずみ流処世術の奥義は「なんとかなるもんだ」ということですかね。

理恵さんのスパルタ教育に閉口するいずみ。中学校時代の英語の先生トイちゃんの似顔絵を落書きしたり、「もうそろそろ休憩に」と言ったり、すっかり勉強から逃避モード。
「どっちかというとわたし、愛ちゃん先生の授業からスタートしたほうが……」と言いだし、孝輔が帰って来たと知ると、これ幸いと、さっさと理恵さん宅から逃げ出すのでした。

真夜中の12時過ぎに孝輔への取材の電話が掛かって来て、危うくキレそうになるいずみです。眠くて不機嫌な時のいずみのキレ顔は最高ですわー。惚れるね。ってか、ゆうちゃんに惚れる。
でも、こんなことでキレちゃいけない、とグッとこらえるいずみです。
ここで、すっかり恒例のお着物タイム。
緋毛氈の上で、正座でシビレた脚を伸ばしてパタパタ振っているいずみ。カメラを発見すると、慌てて正座&襟元を正します。
今回のテロップは、
Q. (A)やっぱりキレる? (B)何があってもキレない?
いずみ、にっこり微笑んで「(B)初志貫徹!!」の札をあげます。そして、「ラジャー」と。もちろん、ポーズ付きです。

ブロコヴィッチ社日本支店長のお宅のホームパーティーに呼ばれることになったいずみ。
安藤さんたちに、散々脅されます。曰く、上流階級の人がわんさか集まる。立ち居振る舞いとか、テーブルマナーとか。下手をしたら、ダンナのヘッドハンティングの話が流れるかも、云々。
そして、安藤さんによる、歩き方講座。
次に、磯辺さんによる日常英会話見栄っぱり受け答え一問一答講座です。
磯辺さん「休ミノ日ニハ何ヲシテマースカー?」
いずみ「昼まで寝てー、大輔と遊ぶ……」
磯辺さん「そんなのダメ。休ミノ日ニハー、主人ト二人デー、てにすヲ愉シミマース」
……見栄を張りすぎです。さすが、偽セレブ。

十年前に着ていたサイズが合わなくなったドレスを幸子さんに仕立て直して貰い、パーティーに臨むいずみ。大輔は幸子さんにあずかってもらいます。
出掛け際に、信子さんから、「馬子にも衣装って言うけど、本当だね」とか、「パーティーとかアメリカとかあんたのガラじゃないね」とか、散々、愛のこもった言葉を頂戴しちゃういずみです。
「そうですよねー。でも。孝輔のためならガラであろうが何であろうが、何だってやっちゃいますよ。それが女房の心意気ってヤツじゃないですか」
かっこいいね、いずみ。何にも囚われることのない自由な考えでありながら、こういうちょっと古風なところもあって。さーすが、カラスの女房だ。←違う。

そのパーティーで、いずみは、大使館員のダニエルとかいう好青年にグランファイターを教えてあげたり、グランビームのポーズで一緒に写真に収まったりと、英語は苦手でも、コミュニケーションに困ることもなく、結構楽しんできた模様。

……ところが、この辺から風向きが変わって来ます。
安藤さんたちは、いずみが急に別世界の人間のように思えて来たらしくて……、なんかだか急に、すきま風のようなものが吹きはじめます。そそくさと山路家を立ち去る安藤さんたち……

孝輔は孝輔で、ブロコヴィッチ社の支店長との間で、ニュータウン建設に対する基本的な考え方の対立があることに気付きます。あくまでも、入居者一人ひとりの気持ちを尊重したい孝輔に対して、支店長は「今回は先に施工し、その後入居者を募る。プロジェクトの規模から言って合理的にしなければ立ち行かない」と説明します。
この考え方の相違に孝輔は悩みます。
入居者に満足して貰えるオーダーメイドの家作り。その理想は孝輔にとって譲れない部分だからです。
夜、ベランダに出て、一人悩む孝輔。
いずみは、その気持ちが分かっているので、心配して声をかけますが、孝輔は悩みを打ち明けてくれません。なんでも話せる夫婦のハズなのに……どんな悩みでも相談してくれればいいのに……その時のいずみの表情! 夫を思いやる気持ちと、一人取り残された寂しさが入り交じった、複雑な表情です。中澤裕子、畢生の名演技。いや、畢生は言い過ぎか。だって、これからどんどん名女優になっていく予定だからね。

そして、大輔もまた。CMの撮影現場で共演する他の子役と喧嘩。監督に叱られても謝ろうとしません。きっと原因はまたグランファイターがいるかいないか、でしょうか?
キレる大輔。強情な大輔。……これもやっぱり、子は親の背中を見て育つ。蛙の子は蛙。血は水よりも濃い、ってことなんでしょうか……とほほほほ。
いずみママは必死に生まれ変わろうとしているところなのになあ……

ともあれ、ヘッドハンティングも芸能界デビューもすっかり先行き不透明になったところで、次回、いよいよ最終回に突入です。
ああああああああ。
本当に終っちゃうのかーーーーーー(涙)。

2004/6/05(土) 愛の劇場「ほーむめーかー」#30(最終回) 孝輔:最優秀だんな様賞、いずみ:最優秀ほーむめーかー賞、W受賞おめでとう

いよいよ最終回です。信じられないけど最終回です。もう終わりなんです。もういずみに会えなくなるんです。ああああああああ。(涙)
でも、最終回にふさわしく、いつもどおりのほーむめーかーでした。つまり、名台詞も笑いもてんこ盛り、ってことです。

大輔は、CM撮影で「普段通り好きなことをして遊んでごらん」と指示されて、壁にラクガキをします。そして監督に「悪い子だ。謝りなさい」と怒られます。でも、それは、いつも家で普通にしていることで、「パパもママも上手に書けたねって、褒めてくれる」ことなんです。家では。
それだけならまだしも、監督が、
「親は山路孝輔とか言ったっけ。シュタイナー賞だか何だか知らないが、子供の教育も満足にできないようじゃ父親失格だ。こういう親がいるから世の中おかしく……」とか言いだします。当然、キレる大輔。
「パパはダメじゃない。パパの悪口を言うな。パパはダメじゃない」と言いながら、監督に飛び掛かります。
あー、こうしてセリフを書き写しているだけで、また涙が出そうです。孝輔、父親冥利に尽きるよ、な?

CM降ろされ、事務所も馘首になるワケですが。まさか、最終回で、「落書き出来るはがせる壁紙」という小道具が、こういう形で生きてくるとは予想もしていませんでした。見事でした。

夜、ベッドの上で落ち込んでいる大輔に、孝輔が話を聞きます。そして、
「大輔。お前、間違ってないぞ。パパもママも、よーく知ってる。お前は悪い子なんかじゃない」
そして、壁にラクガキは家の中だけでしかしちゃいけない、ということをきちんと教えていなかったことを謝る孝輔といずみ。えらい。親の鑑。
実際子育てしてみると、こんな当たり前のようなことが、簡単なようでなかなか出来なかったりするんですよね。

さらに孝輔が続けます。
「納得が行かなかったら怒ったっていい」
「パパの悪口を言われて、怒ってくれて、パパは嬉しいよ」
そして、ママのことも。
「ママだって。たしかにママはキレやすいけど、理由もなくキレているわけじゃない。悪いことは悪いと、きちんと言える、そんなママが、パパは大好きだ」
あのー、ノロケてます? いま、ノロケてますか? 子供の前で? あーあー、ごちそうさま。
大好きな孝輔に「大好き」と言われて、ついつい顔もふやけるいずみですが、あれっ? と、一つおかしなことに気がつきます。
「じゃあ、なんで、キレたら始末書&ビール禁止なのかな?」
「それは、自分が言いだしたことだから、自分の言った言葉には責任をもたなくちゃ」と、重りをつけておくことで、いずみの暴走を食い止めることの大切さもちゃんと心得ている孝輔。なんたるバランス感覚。クレバーです。

で、結局、大輔が人生初の始末書を書くことになりました。
夜、ベッドの上で、いずみは、「キレてもいいんだ、と言ってくれて嬉しかった」と言います。
「我慢は体に悪いし」って。具合が悪くなるほど、必死でこらえてたんかい?
いや。この一週間キレまいキレまいとするいずみの姿を、見ているこっちも辛かった。いじらしくてねー、切なくて。
この、キレるといういずみの個性を積極的に認めてくれた、という点が、一番最終回らしかった部分かな。

そのあと、二人でビール。
孝輔はいずみに、ヘッドハンティングの話を断る、と告げます。もちろん、それは覚悟していたし、予想していたので、いずみはあっさり「そう。」と返事します。
「孝輔が自分で考えて決めたなら、私は何も言うことないもん。」ということで。
年俸一億円よりも、いずみにとっては、孝輔が自分で納得の行く仕事をできることのほうが大切なんです。
いずみの考え方は徹底してますね。磯辺さんの「一億を棒に振るなんて」という反応のほうが普通ですよねー。

結局アメリカ行きは取りやめに。
一家に平和が戻ります。安藤さんたちも、西村不動産も、嬉しそうです。

おまけに、シュタイナー賞も逃した孝輔です。
さすがにしょんぼりしている孝輔に、いずみが、最優秀だんな様賞を授与します。
そして、孝輔がお返しに、いずみに最優秀ほーむめーかー賞を。
いずみ「家を作る人? それって、孝輔の仕事じゃないの?」
孝輔「ほーむめーかーってのは、英語で、専業主婦って意味だよ。俺たちだけの家庭を作ってくれるいずみに感謝をこめて……」
そういって、孝輔がいずみの耳に花をつけてあげます。
「ありがとう」と頬を赤らめるいずみ。そして、雰囲気が盛り上がったところで、孝輔がいずみにそっとキスを……おおっ、最終回はそんな豪華なオマケつきですかっ!?
……と思ったら、あっさりかわされてしまいます。
うー。ホッとしたような残念なような……いや、これでいいのだ。
結局ラブシーンどころか、キスシーンすらなしで清らかーに幕を閉じたほーむめーかー。これでいいのです。ゆうちゃんが、キスシーンなんぞやった日には、革命が起ってしまいます。政府が転覆し、経済が崩壊してしまいます。日本の平和を守るため、中澤裕子様におかれましては当面キスシーンは自粛も已む無しです。ってか、永久に封印してください。いや、それも淋しいかな? あー、悩むなー……

翌朝。「温泉、どこがいい? 草津もいいけど別府も捨て難い」と相談する孝輔に、いずみは、「百万円、もう使っちゃった」と言います。ええええ?
いずみは、東京札幌間の飛行機の往復回数券を買っちゃったんです。単身赴任の強い味方だそうです。
「孝輔が本当にやりたいのは札幌支社の仕事でしょ。そのことをちゃんと会社に伝えたの?」
結局、いずみの働きかけがきっかけで、孝輔は札幌に赴任することに。
いずみの行動力って、すごいよなー。

で、三ヶ月間を描いたこのドラマは、孝輔が札幌へと向かう朝で終わるワケですが。
最後、久々に出ましたよ。盛大にキレるいずみ!
不届きなことに、マンションに勝手に入り込んで、「高級デリバリー専門店」のビラを貼りまくっている不審な男にキレます。
「ギャルは全員ピチピチですぅ!? お刺し身じゃあるまいし! どうせ貼るなら、スーパーの特売とか、家庭の役に立つビラを貼りなさいよ」って……
あのー、特売のビラを不法に貼って回るスーパーはないと思うよ……
で、結局、不審者は追い返すものの、またしても「ビール禁止」を宣告されちゃう、いずみです。
はぁ!? ウソォ! 何で? わたし悪いことしてないじゃないかー」といういずみの叫びで幕を閉じるワケです。(その後、ちょっとオマケも付きますが)
最後の最後でも、決して湿っぽくならず、軽快にコメディタッチを貫き通したほーむめーかーです。
拍手。素晴らしい。
でも、その明るさに、逆においらなんかは切なくなってしまって、泣きそうになるんですけどもね。

*       *        *

はああああ。
泣いちゃっただよー。
終っちゃっただよー。

全編を通じて、深い名台詞が多いドラマでした。
いずみの行動や考え方にハッとさせられることって、とても多かったと思います。一人の親として。人間として。
きっと、多くの人がそう感じたんじゃないかな。
自分が抱えている問題へのヒントをくれるような、そんなドラマ。
「ヒントはいつでも 自分のそばにあった」と気付かせてくれるドラマ……それが、ほーむめーかーでした。

まだまだ、書きたりないことが山ほど残っています。
が、それはおいおいということで。 とりあえず、今日はこのへんで。

中澤裕子様、共演者の皆様、スタッフの皆様、制作の皆様、6週間の間、愛と元気をいっぱい分けて貰いました。
本当にありがとうございました。

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