(記事作成 2004年4月)
デジカメの性能が日に日に上がり、今や800万画素を超えるデジカメも手軽に手に入れる事が出来るようになりました。私が’97年頃に初めて購入したデジカメは35万画素。今や携帯電話でもオーバー200万画素の時代です。
画質が上がればファイルサイズが大きくなるのは当然のこと。高画質機を持つ以上、サイズを落として撮影するのでは楽しみ半減です。だからといってメモリーカードはまだまだ高いし、何枚も持ち歩くのは嫌だし・・・。 なんか安くて大容量のメモリーカードはないでしょうか?
メモリーカードの話の前に
通勤時間が長いため、MP3プレーヤーを持ち歩いています。今使っている(RioVOLT SP250)はCDウォークマンのような、携帯型CDプレーヤーです。録音しておいた音楽やインターネットラジオをCD-RやCD-RWに焼いて聞いています。FM/AM放送も受信できるのですが、地下鉄がほとんどなので無用の長物です。 音楽だけを聴くのであれば、CD-R1枚に150曲弱入りますので入れ替えの手間が無く、結構気に入ってもう数年間使用しています。しかしネックはその重さ。電池を入れた本体重量400gはちょっと重い。旅先に持って行こうとは思いません。
そんな僕がインターネット通販で見かけたMP3プレーヤーが『CREATIVE NOMAD Muvo2 4GB』。バッテリー搭載しても100g、MD4枚位の厚みしかありません。このサイズに4GBのデータ(約2000曲)が収録できるというので早速食指が動きました。
ネットで価格を調べてみると、税込み¥29,000前後(2004年4月現在)。実はこのMuvoは昨年から発売されていたんですね。当初は1.5GBが最高だったようですが、今年1月から4Gモデルを出したようです。
こんなパッケージに入っています | 携帯や電池と比べてみて |
ネット通販で安い所を見つけようと思ったら、結構人気商品のようでどこも在庫が少なめ。音楽プレーヤーの需要ってそんなに高いものか??と疑いつつも、ヤフーオークションで安く買えないか見てみると・・・。
抜け殻ばっかり売られてる(抜け殻ってことは中身は何!?)
なーるほど!ってなわけで早速僕も挑戦することに決めました。(何を??)
本体を購入したのはビックカメラ新宿店。さくらやに無く、ヨドバシに無く、きっとここもないだろうと思って寄ったら「1台だけあります。だけど黒しかないんですよ」とは店員の弁。黒です、黒がいいんです。(ちなみに黒は最近発売され始めたもの。シルバー一色よりずっとかっこいい)
パッケージがプラスチックでちゃっちいのはご愛敬。中身を取り出すと、キット自体の重さは取説とACアダプターの重さだと言っても過言ではない。バッテリーを入れていない本体は僅か79gです。
ここで秘密の任務を遂行する前に通常に使用してみましょう。
ファイルの転送はパソコンとUSBケーブルでつなぎ、エクスプローラからファイルをドラッグ&ドロップしてやれば終わりです。USB2.0に対応しているので、高速転送が可能です。専用バッテリーは携帯電話のそれと同じようなもの。ACアダプターでも、USB端子からでも充電できます。
サンプルとするのは、録り貯めたインターネットラジオ、「つボイノリオの、つボイ@ラジオ」(現在はやっていません)が60分番組×157回、そして「つボイノリオの楽耳王(らじおう)」(現在も放送中です)が今のところ70回。合計227回分(約227時間)を転送しました。これでも容量は2GB弱。まだ半分残っているという強者です。のこりはつボイノリオの「あっ超〜」でも入れておこう。
初めはラジオ番組ばかりで、このMP3プレーヤーの音質が優れているかどうかわかりずらかったので再度音楽ファイルを転送してみる。さて肝心の音質はというと、MP3ファイルのビットレートに左右されるのは当然の事ながら、128kビットくらいあれば携帯用プレーヤーの実力としては優れていると感じました。ただしリモコンがおもちゃみたいで使いづらい。基本的な操作はできるのだが、視覚的に操作したい人には別売りのチューナー内蔵リモコンを買え、というのでしょうね。本体のボタンも携帯電話の十時キーよりペコペコしてて、大きさも小さいので使いづらい。
裏蓋をあけてバッテリーパックを入れた図 |
厳かに任務遂行・・・
さて、いよいよやりますか。その前に、僕と同じことをされますと、メーカーの保証を受けられなくなります。このサイトでは分解を勧めているわけではありませんので宜しくお願いします。
自己責任ってやつです。
実際、やっていることは簡単なので画像を載せるほどでもないのですが、実物を持っていない方が「ふーん、こうなってるんだ」と理解してくれればと思いましてね。(^^ゞ
1.裏蓋を開き、バッテリーパックを外します。 ちなみに本体左下のネジ穴を封印シールが塞いでいます。 「これを取ったらもう知らないよ」と書かれています。(ウソ) 剥がすと保証を受けられないのは本当です。 |
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2.ネジ4本を外すと、ケース半分が取り外せます。 |
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3.クルッと回して手前を端子側にします。 そして端子部分を上に持ち上げます。 |
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4.基盤の上に見えるのは液晶表示部。そして右下にチップ。 下側の金ぴか板を取り外すにはまたネジ4本外します。 この絵で見る「右上」のネジは、黒いシールの下側に隠れています。 |
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5.真打ち登場 いよいよお顔を見せてもらえる時が来ました。 おっと、こちらはお尻ですか。 |
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6.ケースから基盤ごと取り外した図。 白い物体は・・・マイクロドライブ君でした! |
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7.丁寧に端子から引き抜く。 | |
8.完了! HITACHI Microdrive 4GB CFカードとほぼ同サイズに4GBですよ! |
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9.裏面 HITACHI製ですが、日立がIBMのハードディスク部門を買収して 作っている製品とのことですので、IBM製と言ってもいいようです。 |
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10.裸じゃかわいそうなので。 「何が悲しくて48MBメディアなんかつけるんだ!」と抜け殻から 文句が聞こえます。ただつけてみただけです。 |
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11.厚さは? 左がマイクロドライブ、右がCFカード。 幅は当然同サイズですが、厚さが2mm位大きいです。 CFカードを使用できるどのデジカメにも対応するわけではないのです。 (知ってましたか、失礼) |
大衆の声:こんな手間をかけてわざわざ分解して使うのなら、初めからマイクロドライブを買えばいいじゃないか。
ごもっともです。それでは幾らで買えるか調べてみましょう。
ちなみこのMP3プレーヤー、NOMAD Muvo2(4GB)のお値段は¥29,000(税込み)あたりが相場となっています。(4月現在) 僕が買ったビックカメラでは16%ポイント付きましたので、実質¥25,000くらいですね。
それではマイクロドライブ4GBはいくらでしょうか。まだまだ流通量は多くなく、大手量販店ではサンプルすら見つけることもできません。こういう時の価格コム頼み。 で、マイクロドライブ・・・4GBで検索すると、
¥73,290!(2004年4月現在) それもポイント還元無しの店でね。(-_-メ)
いくらリテール品といえども、ちょっと金額のマジックが大きすぎます。
¥29,000で買ってきて、中をバラせば¥73,000ですか。プリンセス天功もびっくりです。こりゃヤフオクで賑わうわけだわ。
ということで、デジカメの話からMP3プレーヤー分解の話になってしまったのはこういう理由からでした。
取り出したマイクロドライブはフォーマットして高画質デジカメで存分に使いましょう。
「なんだ、当初のMP3プレーヤーの話は前振りかい。」
おっしゃるとおりです。結局今までのRioVolt使ってますもんね。でもきちんと音楽再生用にMuvo買いたい。
今回の作業を経て、こんなことを思い出しました。
仮面ライダースナック(今では仮面ライダーチップスというらしい)をまとめ買いし、ライダーカードだけ手に入れて、お菓子を捨ててしまうということが社会問題に・・・。
本来お菓子がメインであるのに、カードに需要があるためにヒットした商品でした。
このMP3プレーヤーも、マイクロドライブを安価に手に入れるためとの理由でかなりの数が買われている。(それも世界規模で上記の技が行われている)
いえ、MP3プレーヤーとしての実力もかなりのものですから、抜け殻と言わず、本体の性能からしても買いの一品だと思います。
・・・参考までに・・・ 現在販売されているMuvo2に内蔵しているマイクロドライブには、 デジカメで認識できないような対策がなされています。 (-_-メ) |
文中に出てきたリンク
クリエィティブ メディア プレリリース | MuvoのメーカーのHPです |
Rio、RioVolt SP250 | 今まで使用していたMP3プレーヤー |
ビックカメラ | ここが噂の〜、ビックカメラだ〜〜 |
HITACHI | 4GBマイクロドライブの紹介 |
kakaku.com (価格コム) | ここの金額を手引きに買いものをしています。 |
その他 | |
現在のポータブルオーディオの売れ筋 | |
MP3プレーヤー 「With C」 | |
4GBマイクロドライブを安く入手 | |
外国人の記事(日本語訳) |