風の
行き先
風が異国の砂を運び
海の波を白く砕いてる
私は岸に立ち尽くし
それを眺めている
立ってるだけで力がいる
風に逆らい
飛沫に負けない
無言の気力がいる
岸を転がる木端のように
このまま風に体を預け
波に浚われてもかまわない
何度も繰り返しそう思う
しかし
波打ち際を低く飛ぶ
鴎に笑われてる気がして
歯を食いしばる
海岸の道路に連なる
車のライトが
やけに明るく見える
戻ろう
今日はともかく
人のぬくもりの側へ
少し泣いて眠ったら
夜が明ける
だから ともかく
今日は戻ろう
私は風に背を向けた
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