助手席で眠る君を
全身で感じている
こんなに安らかに
僕を信じ切っていると
雪降る頃に僕らは出逢った
当たり前のように惹かれながら
しかし
自由に飛ぶことに君は怯えた
桜散る夜を並んで歩いた
目の前の若いカップルのように
ふざけて手を繋ぎ
笑い転げてはしゃいだ
なのに初夏の風の中
一人ベランダで銀河を見ながら
思い出すのは
君の泣き顔ばかり
君の呪縛を解く術を知らない
そんな自分を罵り
僕の眠れない夜が続く
この想いが届かない
いくら言葉を尽くしても
僕はバカだ
これならまだ
君を知らなかった方が・・
秋霖が止んだ朝
君からの電話
「こんなに近くにいてくれたのね
今までずっと
あなたの愛が
私の魔法を解いたの」
そして今
花は枯れ木々が葉を落とす季節
君の心の大きな花が
開くのをそばで見ている
ドライブの疲れに身を任せ
シートで寝息をたてる君
愛しさがこみ上げる
やっとここまで赦しあえたと
「ぐっすりオヤスミ」
呟いた声が聞こえたよう
君が目を開き
僕を見つめた
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