感  謝

寝たままの家族を後に
車のエンジンを掛ける
早出の寝起きの苦しさは
現場への高揚に変わる
これが一番
自分に向いていると思う

車の窓越しの空は
まだ色を持たず
光の到来を待っている
「希望」
そんな言葉が胸を掠める

日々に押し潰されている
そう思うことはない
仕事があり同僚がいて
交わす言葉は いくらでもある

家庭 仕事場
どこにも私の場所がある
それに気づくまで
何年かかったのだろう

時折り堪らなく寂しくて
自分がこの世には
不必要な人間に思えて
当たり散らして 泣いた

生きる権利と義務を
取り違えたままの
こんな面倒くさい私を
事も無げに受け入れる
家族と仲間達

嬉しくて 恥ずかしい
そして 
どうもありがとう

 

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