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藍藻類 アナナベナ属 (Anabaena)

アナベナ アフィニス
Anabaena affinis 生物顕微鏡像

アナベナ スピロイデス
Anabaena spiroides 生物顕微鏡像
 球状の細胞が糸状に数珠(ジュズ)のように連なることからジュズモと呼ばれている。糸状の体はまっすぐのもの,半円形に湾曲するもの,螺旋状に巻くものなど様々である。富栄養化した湖沼・貯水池等でプランクトンとして大繁殖する。かび臭の原因生物としても知られる種類があり,初夏から秋にかけて増殖し,琵琶湖,相模湖等でジェオスミンによる異臭味障害を起こす。また,大増殖すると,凝集沈殿による除去が難しくなり,ろ過閉塞を起こしたり,ろ過水に漏出する。

写真提供:青木節男(横浜市水道局水質試験所

藍藻類 ミクロキスチス属 (Microcystis)

ダム湖に発生したミクロキスチス Microcystis の水の華(撮影:橋本徳蔵)

ミクロキスチス Microcystis 生物顕微鏡像
非常に小さい球状の細胞(直径3〜9μm)が寒天質の被膜の中に集まった群体をつくる。群体は不定形で大きいものは数mmに達し,肉眼でも見えるようになる。富栄養化した湖沼に出現する代表的なプランクトンで,著しく増殖すると水面に青緑色の粉を撒いたようなり「アオコ」と呼ばれている。富栄養化した湖沼・貯水池等でプランクトンとして大繁殖する。細胞内にガス胞があるため浮上性が強く,凝集沈澱による除去効果が低く,ろ過池を通過しやすい。特に塩素処理を行うと群体が壊れて細胞が水中に分散すると更に除去性が悪くなってろ過池から漏出する。

写真提供:青木節男(横浜市水道局水質試験所)

珪藻類 キクロテラ属 (Cyclotella

生物顕微鏡像

酸処理試料の生物顕微鏡像

酸処理試料の透過電子顕微鏡像

酸処理試料の走査電子顕微鏡像
 細胞は太鼓状で,大きさ(直径)は5〜50μm,分布は広くプランクトンとして普通にみられる。小型の種類が大増殖するとろ過池を通過しやすい。

写真提供:青木節男(横浜市水道局水質試験所)

珪藻類 シネドラ アクス(Synedra acus

シネドラ アクス Synedra acus 生物顕微鏡像

シネドラ アクス Synedra acus
酸処理試料の生物顕微鏡像

シネドラ アクス Synedra acus
酸処理試料の走査電子顕微鏡像
 細胞は針状や棒状で細長く,中央部はやや幅が広い。細胞の長さは100〜300μmに達する。湖沼・貯水池等でプランクトンとして普通にみられ,春から夏にかけて繁殖する。細胞が比較的大きく,凝集沈澱による除去性が悪いため,激しいろ過閉塞を起こすことが知られている。

写真提供:青木節男(横浜市水道局水質試験所)

珪藻類 シネドラ ウルナ(Synedra ulna

シネドラ ウルナ Synedra ulna 生物顕微鏡像

シネドラ ウルナ Synedra ulna 酸処理試料
生物顕微鏡像

シネドラ ウルナ Synedra ulna 殻面
走査電子顕微鏡像

シネドラ ウルナ Synedra ulna 殻環面
走査電子顕微鏡像
細胞は棒状で細長く,先端部はくびれて円形にふくらむ。細胞は Synedra acus より大きく,長さは400μmにも達する。湖沼・貯水池等のプランクトンとして,また河川の付着藻として普通にみらる。細胞が大きいため,激しいろ過閉塞を起こすことがある。

 写真提供:青木節男(横浜市水道局水質試験所)

渦鞭藻類 ケラチウム属 (Ceratium

ケラチウム Ceratium 生物顕微鏡像

ケラチウム Ceratium 走査電子顕微鏡像
 細胞は網目状の模様がある被殻に覆われ,上部に1本,下部に2〜3本の角があり,ツノモと呼ばれる。各地の湖沼,貯水池でプランクトンとして普通にみられる。
 大増殖すると水の色を茶褐色に変え,生ぐさい臭いをつめることがある。

写真提供:青木節男(横浜市水道局水質試験所

緑藻類 セネデスムス属 (Scenedesmus)

セネデスムス Scenedesmus 生物顕微鏡像
 細胞は三日月形,紡錘形,長楕円形など様々で,長さ20μm,幅10μm以下である。普通4個の細胞が一列に並んだり,交互に横に並んだりした群体をつくることから「いかだも」と呼ばれている。 湖沼から小さな池や水槽などのプランクトンとして普通にみられる。大増殖すると水を鮮やかな緑色に変える。またろ過池から漏出しやすい。

写真提供:青木節男(横浜市水道局水質試験所

緑藻類 ユウドリナ属 (Eudorina

ユウドリナ Eudorina 生物顕微鏡像
 寒天質の膜の中に8〜16個の球形の細胞が集まった群体をつくる。湖沼などのプランクトンとして普通にみられる。大増殖すると水を鮮やかな緑色に変える。また生ぐさい臭いをつける。

写真提供:青木節男(横浜市水道局水質試験所

袋形動物 センチュウ(線虫類)Nematoda

生物顕微鏡像
 成虫は体長1〜3mm程度のミミズ状の形態をしている。土壌中にも多数生息している。砂や活性炭のろ過層で増殖することがあり,塩素に対して抵抗性があるので給水栓から生きた虫体が流出する場合がある。

写真提供:青木節男(横浜市水道局水質試験所)