テレアポとは何か。テレホン・アポイントメント、つまり「電話で人を呼び出し、高額な商品を執拗に勧める」、いわいるアポイントメント商法です。 ただの電話セールスではなく、独特の手法を用いて、高額商品を購入させる悪質な商法である場合が少なくありません。
もちろん「来てくれますか?」といわれて「ハイ!行きます!」という人もいないので、エサで釣ったり、脅したり、しつこくしたり、様々な迷惑な手段でアタックしてきます。そのほとんどが「無料」を強調しますが、この世の中、「タダほど怖いものはなし」、これさえわかっていれば、金銭的な被害は防げるのですが、しつこく電話されることにより、精神的なダメージを受けたり、電話のベルが怖くなるという、一種のノイローゼになる方もいます。
男性のターゲットには若い女性、女性のターゲットには若い男性がかけてくることが多いのですが、取次ぎの段階では決して「〜会社の〜です」とは名乗らずに、友人・知人を装って「個人名」で名乗ります。本人が出たと確認した段階で、初めて会社名を名乗ります。
「鈴木と申しますが、〜さんはおられますか?」と最初に本人を呼び、取次ぎの人間や本人が「どちらの鈴木様ですか?」、「大阪の鈴木です」、「どのようなご用件ですか?」、「ご本人様に大切なお話があります」と、まるで所属と要件を明かさず、本人を電話口に誘います。本人が出た途端に、友達のような馴れ馴れしい口調で「今、何してたんですか?」とか親近感を持たせるように話をはじめることもあります。
大抵の会社は「電話番号は非通知」、「住所や電話番号は聞いても教えてくれない」、「上司や責任者はいつも外出中」、「電話口の人間が名乗る名前は、ほとんど偽名」など、悪質の極みです。逆にいえば、電話番号を非通知にしていなかったり、電話帳に載っていたり、というのは単なる電話セールスで、その会社が直接かけてきているだけです。しつこいかもしれませんが、断ればあっさり引き下がり、あまり無茶はしないはずです。
「Aという会社ですが・・・」「Bという会社ですが・・・」と名乗る会社が違っても、「無料ホテル券を差し上げます」「開店記念プロモーションです」とエサやイベントが違っても、実際にはどちらも同じテレアポ会社や、同じ担当者が電話をかけまくり、その裏ではどちらも「Cという同じ会社」が同じセミナーを主催していたり、裏の目的である高額な商品販売を行っていたりもします。
なので断っても断ってもしつこく自宅や職場に、手を変え品を変え、電話をかけてきて、時に脅したり、時に泣きを入れたり、なかなか電話を切らせてもらえないだけでなく、一方的にこちらが切ると、イヤガラセのように頻繁に電話をかけてきたり、無言電話をされたり、中には「出前の寿司やピザ」を勝手に届けられたりした人もいるという話です。
「呼び出しのエサ」は「無料優待券」であったり、「英会話教室」「資格講座」「出会い系サークル」「家庭で出来る在宅ワーク」など様々ですが、とにかく「無料」「話をするだけ」「ある場所に来るようにしつこく誘う」のが最大の特徴です。また、表面上は商品販売とは無関係だと思わせるようなイベントに勧誘し、さも「単なるイベント」かのように装っていても、実際に言ってみると、知らないあいだに「契約」「ローン」という話が出てくるのもお約束です。
「呼び出しに応じない」というだけで、ここまでの苦痛を味わうことになりますが、「しつこさに負けて」、「脅しに屈して」、「単にエサに釣られて」・・・指定された呼び出し場所に行くと、さらに不愉快になるだけでなく、金銭的被害が発生することもあります。
実際に指定の場所に行くと、自分と相手の社員の他には誰もいないビルの一室で、もしくは喫茶店で、高額な商品の購入を執拗にすすめ、はじめはお姉さんが相手をしていても、すぐにこわ持ての男性社員が、時に複数で登場し、最初は笑顔だった社員が、徐々に「怖い顔」になっていき、口調も厳しくなり、気の弱い人はそこで落ちてしまいます。「お金がありませんから」というと、すかさず「ローン申し込み用紙」が登場することになっています。あの空気の中から何も契約せずに出て来れる人は、相当のツワモノです。
もしくは「セミナー」や「説明会」「サークル」「パーティ」のはずだった会場に、なぜか「今回あなたたちにだけお得な情報」などと称して、知らない間に商品販売が始まったり、「上級会員になると、更にいい待遇になる」といって会費や商品購入を勧めたり、マルチ商法まがいに、「友達を紹介してくれれば収入になる」といった風に、本来集まった趣旨とはかけ離れた話が展開されることになります。「お見合いパーティー」のようなものは、あてがわれた女性が実は販売員で、言葉巧みに買い物をさせられるという話もあります。
ちなみにこの場合、「クーリングオフ」に関しては「販売目的を隠して呼び出した」と思われるので、8日以内なら無条件解約が法律上は可能ということになっています。クーリングオフはもともと「訪問販売」に適用される「受身的契約」を対象にしたもので、自ら足を運んで出かけて行って、契約した場合は「積極的契約」とみなされ、「契約の意思があって出向いた」ということで、「販売契約を明らかにした呼び出し」の場合はクーリングオフ適応対象外です。しかしこれは「あいまい」な条件で、問題になったときに両者の言い分が食い違うことが十分に予想されますし、クーリングオフ制度自体を知らない人も多いのが現状です。業者が行方不明になることもあります。ですからあやしい業者は自ら出向くことなく、ターゲットを外に連れ出すのです。
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最近の不況を反映して、「家庭でも簡単に出来るお仕事」ということで、内職を斡旋する業者の悪徳ぶりが問題になっています。SOHOという言葉が流行したことにより、以前の「内職」という暗いイメージが薄れ、「新しいスタイルの在宅ワーク」ということを売りにしています。ターゲットは「主婦」「学生」です。
以前は「封筒の宛名書き」というものが多かったのですが、最近では「ホームページ作成」「ワープロ打ち」「宛名ラベル作成」「電話代行」などが目立ちます。中には本当に仕事の斡旋を真面目に行っている会社もあるかもしれませんが、よく考えれば「怪しい」と思わせるほど条件が良すぎます。「誰にでもできる」仕事で、「簡単に」「高収入」が得られるのであれば、今の日本の不況は存在しません。
セールストークでは「おうちで出来ます」、「誰にでも出来ます」、「あいている時間を利用して出来ます」、「ノルマはありません」、「仕事はこちらが紹介します」、「親切・丁寧に指導します」というものがお決まりです。ちょっと話がうますぎると思いませんか?
実際に「登録」すると、「登録料」という名目で数千円から1万円ぐらいの比較的低額なお金を取られ、ホームページ作成の仕事を例に取ると、「当方が指定するパソコンを購入していただきます。こちらからお願いするお仕事は、このパソコンに合わせて企画していますので、これ以外だと、指導も仕事の斡旋も出来ません。」ということで、売れ残り、型遅れのノートパソコンを高い値段で買わされます。「インターネットは当社が指定するプロバイダーと契約していただきます」ということで、指定のプロバイダーと契約、そして実際には仕事の斡旋もなく、指導といっても「簡単なテキストを送ってくるだけ」、放ったらかしです。そのうちに業者とは連絡が取れなくなります。
その他には「この仕事をするには『この資格』が必要ですので、受講してください」といって通信教育のテキストを買わせ、「合格するまで仕事は任せられない」と、テキスト料、添削料などを取りますが、その資格にはなぜか合格しないようになっています。公的な資格ではなく、その会社独自の資格である場合があり、合格できないようになっているのです。最終的には「お仕事は任せられない」ということで、後には旧式の高価なパソコンと、他に使い道のないテキスト類が残る仕組みです。
他にも出来た作品に対して「難癖」を付けて買い取らない、という事例もあるようです。
業者は「旧型パソコンを市場価格とはかけ離れた高値で売りつけた利益」、「代理店契約しているプロバイダーからのバックマージン」「存在しない、合格しない資格試験のための通信教育代」を受け取ります。これが本当の目的です。もし、本当にWEBデザイナーに仕事を任せたいのであれば、経験のある人、パソコンに詳しい人に任せるのが本筋ですが、ここでのターゲットは何も知らない「パソコン初心者」です。パソコンに詳しいと分かると誘ってきません。そもそも「素人」でも出来る仕事を、わざわざ外部の人間(素人)に報酬を払って頼むでしょうか?
「内職で高収入」と教材売りつける…2社に是正処分
育児雑誌などに「家事や育児の合間にパソコンの内職で高収入が得られる」などと広告を出し、主婦らに高額の学習教材を販売していたとして、経済産業省は4日、「メディアタイム」(東京都新宿区)と「アクセスコア」(中央区)の2社に特定商取引法に基づき勧誘・広告などの是正を指示する行政処分を出した。
経産省によると2社は、1997年夏ごろから、雑誌広告に「5、6万円の月収が得られる」など、モデルによる架空の体験談を掲載して内職希望者を募集。パソコン習熟のための学習教材(60―75万円)を購入して技能検定に合格すれば、パソコンでのデータ入力などの在宅ワークの発注が受けられる――などと説明した。
ところが、技能検定を自社で行って合格者を1割未満に抑えて仕事を与えず、また、昨年1月以降、外部の試験を導入して合格率を高くした後も、大半の人に月2万円未満しか渡さなかったという。
実際には外注の仕事はほとんどなく、2社が自分たちで適当に作った「仕事」を発注。主婦らへの報酬は、主婦らが払った教材費の一部を戻していただけだった。こうした手法で、メディアタイムは2000年8月からの1年間だけで約6億2000万円を、アクセスコアは同年9月からの1年間に4億7000万円を集めていたとみられる。(読売新聞) |
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テレアポする人を募集するケースもあります。「当方がお渡しする名簿の人に電話をするだけですので、ご自宅でも簡単に出来ます。セールスではないので、商品を売る必要はありません。」ということです。「成功報酬タイプ」、送り込んだ人数分だけ報酬が支払われるタイプですので、勧誘する方も力が入り、「つい力が入りすぎる」傾向があるようです。
本人は「無料の説明会の案内を電話しているだけ」と思っていても、実際には、そこで「違法スレスレ」な活動が行われているかもしれません。もちろん、その活動を知らずに、決められた仕事をしていただけでしたら、たとえその業者が摘発されても、電話をした本人は罪に問われることはありません。しかし被害にあった方からすれば事情は知らないわけで、「あいつがかけてきた電話で誘われた」と業者の一員と思われ、大変な恨みを買うかも知れず、警察の事情聴取ぐらいはあるかもしれません。後味の悪い思いをした上に、そうなった場合、業者自体がなくなってしまえば、給料が支払われる可能性はほとんどありません。
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「じゃ、効果がなかったことを証明してください。」
「使用前の体重の記録と写真を送ってください。」
返金を求める際に、業者から冷たく言い放たれるセリフです。どう答えますか?
ダイエット食品などに多い宣伝文句ですが、「効果がなかったら全額返金します!」というシステム、実際にはほとんど返金されないようになっています。たとえばダイエット食品の場合、「〜キロ痩せなかったら返金します」とは絶対に言っていません。あくまでも「効果」というあいまいな基準のため、オーバーな話、「1グラム」でも痩せれば「効果あり」ということで、返金の対象にはなりません。そりゃ、「ウンコ」すれば、そのぶん軽くなりますし、普段食べている「ご飯2膳」を「1膳」にするだけでも、1膳分軽くなっているわけです。
また、ダイエット食品の説明書にはたいてい、「適度」な運動や「適度な」食事制限をそれとなく書いてあります。ダイエット食品を取らなくても、それだけでも、やせる要因となっています。したがって体重が増えてしまった場合でも、「適度な運動は行っていましたか?」「甘いものや脂っこいものを『一度も』食べませんでしたか?」と聞かれれば、たいていの人は自信を持って返事が出来ないでしょう。
そもそも誰もその人の正確な体重なんて「公認」していないので、痩せた、痩せないの「証明」もできないんです。
「ダイエット食品は効果がない」というわけではありません。効果があればあったに越したことはありません。しかし、「全額返金システム」は当てにならないということは覚悟しておく必要があります。
だまされる人もいないとは思いますが、雑誌の裏表紙などによく広告が載っている、「ラッキーグッズ系」、持っているだけで「お金持ちになる」「異性にもてる」といったキーホルダー、インドの聖者やチベットの高僧が「念」を入れたもの、秘境に存在する希少な植物・鉱石という、グッズ系の中にも、「効果がなければ返金します!」というものがあります。
でも人間、生きていれば「少しは」いいことがありますし、いくらもてない男性でも、コンビに行けば、「いらっしゃいませ〜」と女性店員が笑顔で声をかけてくれるでしょう。業者はその一見当たり前な「ささいな幸せ」さえ「グッズのおかげ」ということで、返金には応じてくれないことがほとんどです。そもそも、ダイエットと同じで、「全く効果がなかったことを証明してください」といわれても不可能ですよね。
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携帯電話には標準で提供されている「発信者通知」を悪用したもので、「短い呼び出し音がなり、すぐに切れ」、見知らぬ電話番号が表示されます。たいてい携帯の番号ではなく、一般加入電話の番号です。
この「ワン切り」は通常、「折り返し電話をしてね」という意味で使われることが多いので、その番号を見た人は、たとえそれが見知らぬ番号でも、「どこからだ?」と思い、電話をかけてしまいます。
電話をかけると、風俗店のアナウンスや、ツーショットダイヤルの案内など風俗関係のテープが流れる仕組みです。このテープを聞いただけでは、被害は「携帯の電話代」だけです。しかししばらく時間がたってから、電話がかかってくることがあります。
「お客さんは当社のアダルトサービスをご利用になりましたね。利用料金の振込みがありませんが、お支払いいただけますか?」とドスのきいた声で、料金を支払うように言ってきます。「支払わないのならお宅まで集金に行きます。」と言われることもあります。支払う必要は全くありません。
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