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梅雨のうっとうしい時期が、雨に耐えるアジサイの花を美しく咲かせ、やがて雨が上がり、照りつける太陽の日ざしがまぶしく真岡の街に降り注ぐと、夏祭りの季節がやってきます。
長い歴史をもつ真岡の夏祭りですが、現在の形になったのは、まだひと苗ほど前のことです。
それまでお祭りとは見る行事でしかなく、さりとて神輿を担ぐにはちょつと自信がない、そんな時代が長く続いていて、誰もが各町に我が寿町にも屋台ができると聞いて、胸を高鳴らせたものです。
たかがお祭り
されどお祭り
当時の区長 天堤秀即さんはじめ多くの方々の献身的な努力によって、資金的・物理的そして組織的な協力体制ができ、素晴らしい屋台ができあがりました。いわばひとつの歴史が作られたのです。
たかがお祭り、されどお祭り。
そのまさに一瞬のまたたきに燃え上がり、燃えつくし、過ぎ去って行く三日間のために打ち込める魂の城ができたのです。
そんな意味で、おそらく半世紀たっても変わることのない風格を備えた屋台を作ってくれた先輩たちに、あこがれと敬意を表します。
実質的に百数十戸程度しかない寿町にとって屋台を動かすのはとてもたいへんな事です。
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