ISO9004の0.1項に表現されているように、組織の目的は、顧客を創造し、維持することにあるといえる。顧客なしには組織は、存在し得ないであろう。
この「顧客重視」の原則における顧客とは、ISO9000の3.3.5項に記述されている、製品を受け取るすべての組織又は人で、消費者・依頼人・エンドユーザー・小売業者・受益者及び購入者がこれに含まれる。すべての組織が、その顧客に依存している。組織は、組織全体がその顧客を満足させることがどれだけ重要なことであるか。また、誰が顧客であるかを知っていることが大切である。 組織は、顧客の要求を満たすためには、顧客の現在のニーズを理解しなければならない。例えば、ある顧客が、購入しようとするパソコンのソフトにいくつかのバージョンがあることを知らずに注文した。販売員は、顧客にそのソフトに異なったバージョンがあることを説明し、誤解をすべて取り除くために説明を加えながら使用条件を満たすソフトを選ぶことができた。 組織は、顧客にとって親切で役に立つ行動をとるべきである。上記の例のような顧客を満足させる結果を得る行動は、顧客重視の原則の適用そのものである。 組織は、顧客ニーズを満たす製品やサービスを提供する立場を維持するために、顧客のニーズの調査研究に努めることが大切である。 組織は、市場・顧客の動向・影響を受ける法律などを調査するプロセス。そして、このプロセスが製品実現化のプロセスに連結するプロセスを持つことが必要である。 実際問題としては、時々耳にすることではあるが、顧客重視とは”組織の誰もが、顧客を給与支払い者と見なしている事”を意味する。したがって、顧客要求事項を満足させることが他のすべての要求を上回る優先順位となる。しかしながら、組織には組織自体が満たさなければなせない要求事項も存在するので、顧客要求事項と釣り合いを取り、対応することが必要となる場合もある。 顧客重視は、ISO9001の条項の中で重点が置かれている原則の一つである。 組織は、顧客の意識及びフィードバック(事実に基づくアプローチ)、従業員の意見(人々の参画)などにによって、顧客重視の原則が、顧客に関連するプロセスの調査を通じてどのように作用しているか、そして、効果があることの測定を行うべきである。 |