松本 康子 3月27日(水)から3泊4日で九州最高峰宮之浦岳と屋久島のシンボル 縄文杉を訪ねるツアーに参加しました。 羽田から飛行機と船を乗り継ぎ屋久島環境センターに着きました。大型ス クリーンと70ミリフィルムの迫力ある映像で屋久島の自然をダイナミック に紹介してくれました。その後展示ホールで写真、パネル、模型などで説明 を受けました。 島の中央部に1935mの宮之浦岳をはじめ永田岳、安房岳など九州で7 番目までの峻険な峰々が並ぶ周囲132km面積500km2の自然豊な島 です。 屋久島の降雨量は日本一で1年365日雨が降ると言われる程雨が多いの で屋久杉(樹齢1,000年以上の杉)の成育に適しているそうです。 ちなみに1,000年未満の杉は小杉と呼ばれています。湿度が高いため殆 どの屋久杉の幹は苔に覆われていて苔の種類は400種もあるそうです。現 在島には樹齢3,000年以上の巨木は縄文杉、大王杉、弥生杉、万代杉、 紀元杉が実在しているが7,200年の縄文杉とはいったいどんな巨木なの か早く実物を見てみたいと思いました。 翌日は早朝4時半に起床し、朝食と昼食の弁当をリュックに詰めバスで淀 川登山口へ向かいました。そこから宮之浦岳まで5時間半かかり頂上に着き ました。天候にめぐまれ翁岳や粟生岳など周囲の山々がよく見えました。往 復16kmに10時間余りを要しました。
宮之浦岳をめざして 宮之浦岳頂上
次の日は4時起床、先日と同じように2食分の弁当をリュックに詰め、バ スで荒川登山口へ向かいました。前日と違うのは雨が降っていることでした。 後で知ったのですが、この日は大雨暴風警報が出ていたとのこと。カッパを 着てリュックカバーをしても雨は容赦なく降りつけ、下着までびっしょりに なりながら、まだ見ぬ縄文杉に想いをはせながら、ただ黙々と歩き続けまし た。トロッコが走る線路を歩いて行くのだが、歩幅と枕木のピッチが異なる ため歩きずらかった。途中から木道になったが階段がほとんどで、高い階段 は登るのに苦労しました。途中で今までに見たこともない様な巨木の屋久杉 を見ながらウィルソン株までたどりついた。まずその大きさにびっくりしま した。大正3年ウィルソン博士が雨宿りして発見、内部は大きな空洞になっ ていて10畳ぐらいの広さ、以前高校生がこの切り株に150人も入ったと のこと。雨の中カメラを出してやっと写真を撮ることができた。そこからは 急坂できつくなってきたがもうすぐだった。歩くこと1時間半ついに私の目 の前に縄文杉が現われました。初めて対面する縄文杉樹高25.3m、胸高周囲16.4m、どこから見ても立派な杉です。そ れまでの苦労はうそのように消え、強い感動が湧いてきた。やっぱり苦しい 思いをして味わってこそ素晴らしさがわかるのだ。まず写真を撮ってから傘 をさして、立ったまま弁当を食べました。縄文杉の前で記念撮影平成5年12月世界遺産に登録された後は保護のため柵が取り付けられ傍 に近付けなくなったそうです。 あれほど逢いたかった縄文杉だが、体が冷えてきたうえ、暗くならないう ちに下山しなければならなかった。もう二度と逢うことはないだろうと、後 ろ髪をひかれる思いで下山しました。帰路は小降りになったり、薄日がさし たりだったので苔むす原生林や露で美しく光る苔の写真を撮りながら歩きま した。往復21.4kmに9時間半を要したが満足の一日でした。 屋久島は私が想像していた島より、とてつもなく大きな島に感じました。 2002-4-5記