2.10 統 合
一般に統合という言葉の意味は、「二つ以上のものを一つに合わせる」ことですが、想念観察の視点では、「エゴレベルエネルギーが元の潜在エネルギーに戻る」または「同じエゴレベル波動の意識レベルに併合する」という意味になっています。
私たちは前者を「統合」または「中和」、後者を「垂れ流し」と呼んでいます。
想念観察においてこの統合は、意識を開いていくために、大きく深い心の傷や不安・恐怖と向き合ったとき、どうしてもなくてはならない在り方になっています。
宇宙の人たちは、意識とエネルギーの関係から解き明かします。
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人間の体験学習の場となっている三次元世界の成り立ちは、「大いなる意識」
の理念と、中立な潜在エネルギーにその源があります。
潜在エネルギーは、「大いなる意識」が宇宙の運営のために創造した概念です。
意識体と潜在エネルギーは切っても切れない関係にあります。
意識体と潜在エネルギーは、表裏一体です。
「大いなる意識」と共に、潜在エネルギーも宇宙に遍在しています。
「大いなる意識」なくして、潜在エネルギーは存在意義を失います。
潜在エネルギーは、意識体の意図に沿って自在に変化します。
その変化の範囲は、意識が開いていくほど、より大きく深くなっていきます。
つまり、あなたから起きてくる想念と表現の波動エネルギーは、宇宙の潜在エネルギーを少しの間借りてきて、学習のために加工したものです。
従って、学習が終わったら元の潜在エネルギーに戻して宇宙へ返すことになっています。正確には、元の波動に戻ると自動的に宇宙に帰ります。
ところが、借りた潜在エネルギーの波動を元に戻せないとき、つまり、学習がなかなか終わらず波動が依然としてエゴレベルのままになっているときには、エゴレベルエネルギーがそのまま同じ波動の意識レベルフィールドに統合(垂れ流し)されていきます。
こうして垂れ流したエゴレベルエネルギーは、長い間に増大を重ねて、その勢力範囲を大きく拡大しています。
あなた方の地球は今、このような強大なエゴレベルエネルギーフィールドにすっぽりと覆われてしまっています。
地球上に戦争などが引き金となって、強いエゴ意識が集中すると、そこへエゴエネルギーも集中して、地震の引き金になったり、戦いがエスカレートする要因になります。
それが先のアフガニスタン地域の紛争や大地震、また、パレスチナ紛争や各地のテロや凶悪犯罪となって表現されていることは、説明するまでもありません。
これらのアクシデントは反面、強大なエゴエネルギー大暴発の安全弁にもなっていますが、元々今日のようにエゴエネルギーが増大した主な原因は、地球人それぞれが本来のクリーンな統合をしていないことにあるのです。
しかし一方、地球の強大なエゴエネルギーを変換して、宇宙に統合する反作用の勢力がないわけではありません。
昨今、地球の精神世界分野の人々の発展や一部の宗教人の様変わりは、この統合と深く関わっています。
今や地球においても、このような統合の勢力は無視できないものになっており、彼らを介した深く高い意識レベルからの波動が、地球のエネルギーバランスの崩壊をくい止めていると言っても言い過ぎではありません。
彼らは、無意識にクリーンな統合を実行しているのです。
統合はまず、(あなた)が自身のエゴレベルエネルギー、つまり、ネガティブな(またはポジティブな)繰り返し訪れる想念と表現に気づくことから始まります。
想念観察の基礎的な段階が過ぎると、一過性の想念と表現には囚われなくなりますが、そうなると次の展開が待っています。
一過性ではない、自身に繰り返される習慣や、似たようなケースのトラブルや不都合や事件が、度々起きていることに気づきます。
これらの現象の裏には、心の傷や不安・恐怖が潜んでおり、ここに根ざした想念と表現は一過性ではなく、原因が消えない限りは何度でもあなたに訪れます。
(あなた)はこの辺りから、そろそろ本格的な受容と統合の行程に入り、観察が徐々に深まっていきます。
(あなた)は繰り返し訪れる想念と表現を、辛抱強く見守り味わいながら、統合を進めていきますが、それでもなお繰り返される想念と表現に気づくときがやがて訪れます。
そうなるとそれは、次の段階にきたことの証です。
この本格的な深刻さに気づいてきたときには、なかなか容易ではありません。
これらの深い層には、あなたのエゴ体の骨格をなしている大きく深い心の傷や、強い不安恐怖が少しも癒されずに横たわっていることがほとんどです。
強くしかも繰り返し起きてくるネガティブな(または、ポジティブな)想念と表現は、大きく深い心の傷や強い不安・恐怖に根ざしているケースがほとんどです。
従って(あなた)は、これらをしっかり受け止め、最後まで逃げずに向き合い、ただ淡々と無心な見守りと味わいの継続により、その強いエゴの波動はやがて勢力を失い変質して、そのときそれぞれの意識レベルのフィールドに戻ります。
(あなた)の受容と見守りと味わいの深さが、試されます。
観察が深くなるとは、この深い層と向き合うことでもあり、ここでは基本に忠実な見守りの姿勢と、しっかりした「根源のものさし」の認識が必要不可欠です。
クリーンな統合が成ったか否かは、あなたに繰り返される想念と表現の実感がポジティブに変わったり、とても静かで深い感謝や喜びの思いが湧き上がってくることで分かります。
私たちにも、統合の瞬間にあなたのオーラの輝くところが見えるのですよ。
これは私たちにとって、とても嬉しいつかの間の楽しみです。
(あなた)の統合について考察して下さい。
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想念観察において「統合」は、どうしてもはずせない行程になっています。
統合の深さと成否が観察の深さと成否を左右します。
クリーンな統合になったときの感謝と喜びのイメージは、何ものにも代え難く、言葉では言い尽くせないものがあります。
統合の実践については、次章で詳しく説明します。
これで理論的な説明は終わりですが、これらのことはあなたが今まで全く知らなかったことではなく、今まであまりに無意識に当たり前になっていたので、気づいていなかっただけではないでしょうか。
元々私たち人間は、「大いなる意識」の一部として深く高い意識レベルでしかも全託した存在ですから、未知であるはずがありません。
もうこれで道がつきましたので、あとは想念観察を手づるに進むだけとなりました。
次章からは、あなたが実践しているつもりで、読んでいただければ幸いです。