1.心構えと段取り
新しい方法を始めるにはまず、心構えと段取りが何より大切と思います。
想念観察は(あなた)の生き方そのもの、つまりライフワークですから、できるだけしっかりとした心の準備をすべきだと言いたいのです。
退路を断つ意味から、できれば大義名分があった方がいいと思います。
私たちが始めた当初は、心構えや段取りについての考え方が甘かったと思います。
宇宙の人の説明は、私たちのこれまでの迷走の原因を明確にしました。
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心構えとは真剣さです。
真剣さは、意気込んで力むことではありません。
真剣さとは、やむにやまれぬ、静かに絶え間なく続く永遠の問いかけです。
これ以外の心構えは必要ありません。
段取りはとても重要です。
同化の(あなた)が何の準備もなく想念観察を進めようとすることは、暗闇の中で明かりもなく建物に入ろうとするようなものです。
結局は入り口も探せず塀に当たって、建物の周りを回るだけになってしまいます。
建物は(あなた)が建てたものでも、中へ入ることができません。
(あなた)は、想念観察のつもりが塀の外から背伸びしてうかがうばかりで、建物の中がどうなっているのか知る由もありません。
従って(あなた)は暗闇の中をすごすごと引き返して、明かりを探してこなくてはならないのです。
明かりとは、「根源のものさし」に他なりません。
これまでに説明した基本的な理解や想念観察の視点は、「根源のものさし」の根幹をなすものです。
取りあえずこの明かりで入り口を探し、(あなた)の建物の中に入って下さい。
建物の中も暗くて、明かりがなくては何も見えません。
明かりはまだ心許ない明るさですが、足下だけでも照らして進んで下さい。
曲がりくねった履歴の廊下と、階段と沢山のドアと、いろいろな名前の執着の部屋が連なっています。
(あなた)はそのひとつひとつに入って、小さな明かりで中を照らし、それぞれの存在(執着)に出会って旧交を温め、あるいは涙し笑い怒りののしられ、時には殴られ傷つきながら、自身の様々な遺産(課題)を整理します。
どのぐらい過ぎたころでしょうか、やがて(あなた)は、足下を照らす必要がなくなったことを知るでしょう。
そう、(あなた)が明かりになったのです。
そして建物も、いつの間にか跡形なく消えているでしょう。
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宇宙の人たちが言うまでもないことですが、想念観察を実際に始める前に第一章の基本的な理解だけでも、なんとしても記憶にとどめておいて下さい。
特に「自身の本質が意識体である」事実を認識していないと、本来的な想念観察と言えるものにはなりません。これがとりあえずの最小限の明かりです。
ふつうの観察に想念を加えて、少しメリハリをつけた程度の表層・顕在的な観察を目指しておられるなら、はっきり申し上げますが、他に幾らでも有効な従来型自己啓発の方法があると思います。
初めに「根源のものさし」を理解していなかったために、これまで私たちがどれだけ無駄なことをしてきたか、どれだけの人が挫折していったか、もう言いたくもありません。
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観察にはどうしても先入観に伴う判断がつきまといます。
従って結局は、エゴレベルでない「根源のものさし」からの視点との対照がなくては、エゴレベルとの違和感が明確になりません。
エゴレベルに気づけないと、抜け出しにはなりません。
この気づきと、それに伴う「変化のサイクル」を繰り返す内に、「根源のものさし」は徐々に身に付き、地球のものさしと入れ替わっていきます。
「見守り」と「根源のものさし」は想念観察という名の車の両輪です。
どちらが欠けても迷走して本来の観察にはなりません。
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