2.想念と表現について
さていよいよ、(あなた)は自身の実状を見守っていきます。
見守りに慣れてくると、それまで知らなかった想念や表現に気づきます。
中には、自身から起きていると「認めたくない」想念や表現もありますし、「もう離したくない」好ましいものもあります。
これらについては後ほど詳しく述べることにして、まずは想念と表現はどのようなものを言うのか、しっかり確認していただきたいと思います。
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(あなた)はこれから想念観察によって、自身の想念と表現をこれまでにどれだけ見過ごしてきたか、思い知ることになっています。
前章で顕在のあなたの反応には、外に「表現しない部分」と「表現する部分」があると説明しました。おさらいしますと…
「表現しない部分」とは、「想念」です。
「想念」とは「思い」(気持ち・考え)に「五感」を含めた、あなたの内側で起きているエゴ体(脳機能)の様々な反応です。
「気持ち」とは、感情(喜怒哀楽)・情緒・情感・情念・官能・感慨・恨み・呪縛・不安・恐怖・苦悩・嫌気・痛み・悪寒・狂気・躁鬱・嫉妬・恥・欲・情・愛・心・嗜好・気分・感じ・感覚・気色・自責・憂い・焦り・抑制などと呼ばれる様々な反応です。
「考え」とは、思考・思慮・思案・理論・思想・意見・見解・意志・認識・照合・評価・判断・対策・価値観・信条・推量・想像・予想・回想・感想・経験・望み・疑問・執着・祈り・芸術などと呼ばれる様々な反応です。
「五感」は、視角・聴覚・嗅覚・味覚・触覚と呼ばれる肉体の五官の反応と、これらが複合したものです。
「表現する部分」とは、「想念」に伴う音声・言葉・表情・仕草・振る舞い・仕業・品行・動作・態度・行為・行動・実行・静止・呼吸・動悸などと呼ばれている、あなたの様々な肉体的表現です。
「表現しない部分」において、「思い」(気持ち・考え)と「五感」は、切っても切れない関係にあり、どれを抜いても独立して存在することはなく、常に連動しています。
(あなた)があなたと同化している以上は、同化がどんなに理想的なバランスでも、エゴ体のあなたの「思い」と「五感」の介入は免れません。
無感情や無思考は、気持ちや考えのひとつの状態にすぎませんし、五官が働かないことは即ち、エゴ体の死、または、機能停止を意味しています。
あなた方が植物人間と呼ぶ状態でも、反応を表現する機能が著しく損なわれているだけで、五官は働いているし、思いも起きています。
また、思いには、あなたの固定観念(ものさし)が抜き難くついて回ります。
例えば、あなたが夕食の席についたとしましょう。
あなたは空腹感を覚えながら、食卓に載った料理を見渡しながら箸をとり、料理を口に運び、家族と今日一日の話をするかも知れません。
最初の空腹感は、「おなかがすいた」「ご飯が食べたい」という思いですが、これは気持ちと考えと五感からの体験の連想が分け難く融合したものです。
料理への嗜好は、正にあなたのものさしの反映です。
料理を見て箸でとり口にした後、「おいしい」「まずい」の思いも同様です。
また、食事中に家族と何かの借金の話になったとしますと、借金の合計を暗算している間は無感情でも、合計の後は気持ちと考えが入ってきますし、五感も一体ですから、あなたの不安な気持ちがつのると、せっかくの料理もまずくなってしまいます。
こういった「想念」のありさまは、「表現する部分」とも連動しています。
最初はおいしいと思って食べていたので、その一連の仕草も活発です。
表情も和やかで、話す言葉もポジティブな波動で周りに伝わっていきます。
ところが、借金の話になった途端に、その「想念」に連動して食べる仕草も止まりがちになり、表情も暗く、話す言葉も波動もネガティブになっていきます。
ここでは「借金」をネガティブとするあなたのものさしが使われました。
「表現する部分」は、こうして想念に伴って自然に起きてきますが、想念と必ずしも連動しているわけではありません。
表現と連動しない想念の方がはるかに多いことに、やがて気づくでしょう。
また、想念よりも先に肉体が反応して、表現するケースもあります。
例えば、この夕食のときに、突然大きな地震が来たとしますと、あなたは想念よりも早く肉体が反応して、素早く動き出すかも知れません。
このように、想念が必ずしも反応の始まりではないので、想念だけを観察して事が済むものではありません。あなたや他者の反応の全てが観察の対象です。
反応と呼ばれるあなたや他者の想念と表現には、実に様々なものがありますが、「様々な想念や表現を通して、あなたと(あなた)のバランスを観察している」という視点が大切です。
(あなた)が想念と表現だけに気を取られて、そこから抜け出している視点がないと、いつまでもエゴレベルの喧噪から抜け出せないし、あなたと(あなた)のバランスをより客観的に評価できません。
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