・映し合い

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結論的には、あなたの最も痛いところ(真相)を的確にしかも不意に突く相手が、あなたにとっては最悪でも、(あなた)にとっては最善です。

それはあなたがどんなにお金を出しても買えないものであり、また、あなたがどんなに作為しても得られないタイミングで起こされます。

あなたにとって、その違和感からは何とか早く抜け出したいし、嫌な相手はできれば殺したいと願うこともあるかも知れません。

その解決策はただひとつ、その判断の基になったものさしに気づいて手放せばいいのに、(あなた)はたとえ分かっていても、なかなかできません。

 

例えば、会社でいつもあなたを敵のように扱い、口うるさく注意する上司がいて、あなたはいつも嫌な気持ちにさせられているとします。

この関係は、とても分かりやすい映し合いのケースです。

またこの関係で、あなたが上司でも、また、夫婦や親子・兄弟の関係でも、立場やケースこそ違え、映し合いの意義は同じです。

実際あなたは、いろいろな場面で立場が変わると、意識レベルも様々に変えています。

 

ここでは上司とあなたのケースで観てみましょう。

あなたの表現の何かが、上司の感性(ものさし)を刺激し、ネガティブな想念や表現となってあなたに向かっていきます。

実際にエゴエネルギーが矢のようにあなたの肉体に突き刺さります。

あなたが「何も悪くないのに、なぜ私だけ」となってしまったら、少なくともあなたサイドからのテーマの解決は諦めなくてはなりません。

また(あなた)に、それらの「嫌だ」と感じる思いを受け止めて「見守る」「味わう」という姿勢がなくては、変化は何も始まりません。

(あなた)にこの課題を真剣に解決する気があるなら、逃げてはいけません。

 

上司に迎合する必要はありませんし、相手に責任を転嫁しても何の解決にもなりません。迎合は逃避ですし、相手の事情は、あなたには関係ありません。

上司にどんな個人的理由があっても、いくら口うるさくても、あなたが「嫌」と反応しなければ「ただの現象」でしかありません。

それが証拠に、あなたが全くの第三者なら、何の反応もないはずです。

したがって、相手を責めるのは筋違いです。

(あなた)がまず注目するのは、上司の表現に刺激されて起き始めた、あなたの想念と表現です。

「嫌だ」の裏側でものさしとなっている、「ポジティブな執着」に気づいて下さい。

それは、(あなた)がこれまでに培った価値観です。

それは「良くできた」「ほめられた」「いい気持ち」「こうあるべきだ」など、あなたにとって肯定的な体験や習慣で培ったものさしから派生しました。

肯定的ものさしの背景には、あなたの心の傷と不安・恐怖が横たわっています。

(あなた)はそれに向き合って、エネルギーが枯れるまで見守って下さい。

そのポジティブな執着が消えれば、(あなた)の世界観は変化し、あなたと上司の映し合いは終わります。上司は嘘のように攻撃を辞めるでしょう。

もし何の変化も見られないなら、(あなた)はまだ手放してはいないのです。

 

映し合いは結局「人のふりみて我がふりなおせ」つまり、「人のふりを観て反応したあなたのふりを観て(あなた)のふりをなおせ」ということですね。

「人のふり」を見た結果起きてくる「あなたのふり」(想念と表現)の起き始めが観察の対象です。

ただ淡々と中立に起きているはずの「人のふり」に、(あなた)がどんな色を付けて観ているかが焦点です。

例えば、相手が劣って観えたら優越感が、相手がまぶしく観えたら劣等感が起きていることに気づかなくてはなりません。

相手に対する印象・評価のすぐ下に、(あなた)の先入観が埋もれています。

それがポジティブであれネガティブであっても、あなたがそれを掘り出し、晒さなくては映し合いは終わりません。

相手から受け取る違和感や調和感が、(あなた)から去らないのは、(あなた)が隠れているものを晒していないからに他なりません。

例えば、今は上司から非難されて被害者だと思っていたのに、家庭に帰ったら家族を非難する加害者になっていないでしょうか?

もしそうなら、(あなた)はいったい何を大事に隠し持っているのでしょうか?

 

「…は自分のものだ」「…は自分のものでない」、この相反するように見える想念と表現は、実はどれも(あなた)に関わる同じエゴエネルギーです。

(あなた)が気づいたものは何であれ、元々気づいた瞬間に消え去るはずでしたが、「自分のものにしたい」または、「自分のものと認めたくない」(あなた)は、それにエネルギーを加えながらものさしとして持ち歩き、自覚もなく事ある毎にそれを振り回し、使い回してしまいます。

その表現から、(あなた)のはまり込み(世界観)を感じた映し合いの相手は、それをありのままに指摘します。

相手に感じたものを指摘することは大切なことですが、(あなた)はまず指摘する前に、指摘される方を選んで下さい。

指摘された気づきを、自身に受け入れて生かすことを優先して下さい。

そしてそこから起き始める違和感や調和感に注目して、辛抱強く見守っていて下さい。

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映し合いは、お互いに気づこうと意図すればするほど奥が深いし、範囲も広いし、そのつながりも果てしないと感じます。

結局私たち地球人は、その果てしない地球的ものさしの映し合いと、エゴレベルエネルギーの垂れ流し合いで、この喧噪社会を創造し運営していると言えないでしょうか。

一方、私たち地球人の大半が、本来の「根源のものさし」で映し合う関係に目覚めたなら、どんなにすばらしいことになるでしょうか。

私たちは、地球がそんなすばらしい状態になるまで、たとえ幾転生でも辛抱強く待ち続けたいと思います。