・第二のステップ: 始まりの窮状に出会う

習得から習熟へのステップでは、本格的な受容と統合がスタートします。

第一のステップでの基本をふまえて、「味わっている」を辛抱強く続けても、何の効果もなく繰り返し起きてくる違和感覚や調和感覚には、これまでとは少し違った方法でアプローチしなくてはなりません。

それらは、あなたが抱えて離さない基本的な心の傷や不安・恐怖から派生するものであり、(あなた)がいくら「味わっている」を辛抱強く続けても、途絶えることがありません。

特にエゴ体の骨格をなしている、大きく深い心の傷や強い不安・恐怖がまだ手つかずになっているケースは、表面的な浅い観察では決して繰り返しが途絶えることはないし、その想念と表現も単純な分かりやすいものではありません。

 

例えば繰り返しが途絶えて解決したように見えても、エゴ体の仕業で一時的にそのように感じさせられるケースが多く、これは一度や二度では済まないでしょう。

何より(あなた)の自覚が、解決のイメージからは遠いことで分かります。

また、この時期は相手の欠点や停滞などがよく目に付くなど、思わず他者に注目がいってしまうことが多く、自身の内側の問題解決を外に求めたり、先延ばしにすることが多いのです。

エゴ体のあなたは、自身の骨格からなる現状を守るため、あらゆる手段を使います。

前にも触れましたが、真相のねじ曲げ、逃避、都合良い分析、弁解、都合良い納得、焦点のすり替え、指摘に対する逆襲、無視、責任転嫁、依存、都合良い自責、感情の抑制、優劣判断、損得勘定、これらの組み合わせなど、枚挙にいとまがありません。

では、この難問をどうしたらいいでしょうか。

 

解決に向かう方法は、まずあなたと強い同化の(あなた)が、心の傷や不安・恐怖(悲しみの人)を抱えるようになった状況を、できるだけ今に再現することです。

前章でも触れましたが、心の傷や不安・恐怖を抱えた状況には、(あなた)が転生のときに持ち込んだテーマが含まれています。

大抵の場合(あなた)は、なるべくしてその窮状を呼び込みました。

それは全てが(あなた)の体験と学習のためでした。

 

これらの窮状の再現は、決して不可能なことではありません。

何より(あなた)は、それらを抱えるようになった窮状に耐えて、ここまで生き抜いてきたのですから、これからも再現に耐えられないはずがありません。

その窮状は、ほとんどが幼児期の体験です。

信頼できる仲間や補助者がいるなら、そばに付いて貰って下さい。

いないなら、くつろげる静かなところで、同化の(あなた)以外の意識体チームがしっかりサポートしてくれているところをイメージして下さい。

彼らの準備はいつでもOKです。

こういう大事なときには、もちろん潜在サイドでみんなが見守っています。

 

さてそれではまず、呼吸を整えて下さい…。

……今その時点からゆっくりと月日を退行して、出来事のひとつひとつをたどりながら、観察の視点を巡らしていって下さい。

…途中少しでも気になるところがあったら、そこに好きなだけとどまって、できる限りその場の状況を思い出して再現して下さい。

その場面の窮状を受け入れることができ、正面から向き合ってしっかり味わい、消えるまで見守っていることができたら、次の場面に進んでください。

何度も繰り返す内に、段々とそのやり方に慣れてきます。

…さらに深くたどって観察の視点を先に進めて下さい。

…やがて確かな予感と共に、不安と恐怖のサイトにたどり着くでしょう。

そしてその肝心な窮状の場面に行き当たり「悲しみの人」に出会うとき、(あなた)の感情は激しく揺れ動くかも知れません。

 

しかし心配しないで下さい。決して耐えられないことはありません。

感情を思うまま、気が済むまで、思いっ切り解放して下さい。

耐えられないと感じるのは、あなたがエゴ体の余計なテクニックに騙されているためです。

(あなた)は第一のステップで身につけたやり方で、その起きてきた感情や反応を「ただ淡々と無心に」消えるまで味わって下さい。

どうしても耐えられないなら、中断して落ち着いてから、何度でも再開して下さい。

このステップで「味わっている」とき、意識レベルはとても大切な要素です。

(あなた)が味わっているとき、その意識レベルが問われています。

(あなた)が強いエゴレベルから抜け出せなければ、いつまでも振り回され、統合どころではありません。

しかし深く高い意識レベルになればなるほど、客観的で冷徹な見守りと味わいが継続し、想念と表現は落ち着いてきます。

(あなた)の意識がどのレベルに在るかで、クリーンな統合の成果が証されます。

それは(あなた)がそれまでに培った、観察の深さが試されるときでもあります。

できるだけ深く高い意識レベルで「味わっている」、これがこのステップでのよりクリーンな統合になる秘訣です。

統合になったか否かは、「味わっている」想念波動が、とても静かで深い感謝や喜びに変わってくることや繰り返しが起きなくなることで、確認するでしょう。

肝心な窮状の場面に行き当たらなくても、めげずに何度でもトライして下さい。

必ず、必ず、行き当たるときがきます。

(あなた)の意識体チームを信頼して下さい。

(あなた)のチームは、(あなた)に一番いいタイミングを設定するでしょう。

 

これと言った窮状に行き当たらない場合は、ほとんど二つのケースに分かれます、

ひとつは、(あなた)とあなたがこれまで比較的バランスの良い人生だったケース、もうひとつは、(あなた)のトライがエゴ体の巧みな妨害にあって、まだ真相に行き当たっていないケースです。

後者のケースでは、トライが無理ならとりあえず中断し、強い映し合いになっている関係を洗い直し、できるだけ指摘される側になって自身を再吟味し、エゴ体の影響をできるだけ弱めてから再開して下さい。

つまり、(あなた)には、あなたが張り巡らせた防御網を、無意味なものにする自分なりの工夫とトライが必要ですが、いつも意識体チームのサポートがあることを忘れないで下さい。その自覚のあるなしが、(あなた)のその後の展開を大きく左右するでしょう。