(3)葉の色素の分離(薄層クロマトグラフィー)
今から、二十年以上も前の話で恐縮なのであるが、光合成反応における
カルビン・ベンソン回路の
発見で、1961年にノーベル化学賞を得た
カル
ビンが来日して、講演した時のことである。当時、進学校で知られるようになってきた
東京都立八王子東高等学校で、生物を教え
ていたのであるが、カルビンの講演の通知を受け取った時、この講演の日取りと、勤務校での授業が重なっ
てしまい、生徒に自習をさせて、講演を聴きに行こうか、どうしようかと大変に迷った。結局、授業を優先
させて、カルビンの話を聞くことが出来なかったのであるが、今にして思えば、まことに残念でならない。
カルビンの話を聞くことが出来た千載一遇のチャンスを逃したからである。やはりあの時、生徒に自習させ
てでも、講演を聴いておけば、それから後の生物の授業内容に大きな影響を残していたであろうとの悔やみ
が残った。これこそ、教師たる者、日々の研鑽を欠かしては何もならない、という痛い教訓を得たような出
来事であった。
光合成色素の分離は、昔はろ紙を使ったペーパークロマトグラフィーが主であったが、最近はTLCプレートを使った
薄層クロマトグラフィーに取って換わって来ている。時代と共に進歩して来ている高校生物実験の一例と言えよう。
【リンク】
薄層クロマトグラフィーによる光合成色素の分離
海藻から光合成色素を取り出そう
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