(5)ウニやカエルの発生の観察

 嘗ては、高等学校の生物の授業は、週に5時間やるのが普通であった。今のように、2単位だ の、3単位だのという、こまぎれの授業では無かった。だから、実験も、年間、十分な回数を実施 することが出来た。現在でも、高校生物で「発生」の項を授業する時、講義だけで済ませている 先生は少ないだろうと思う。

 昔は、16ミリ映画で、 『ウニの発生と変態』(科学映画製作所)という非常に良い映画があり、フィルム・ライブラリー(我々 には、懐かしい名前だが、今の若い先生方はご存じないかも知れない。)で、借りてきては、授業で 見せたものである。多くの生徒が、映画に興味を示し、ウニの発生に関心を持ってくれたので、その 後の授業が、大変にやり易かった。ビデオが普及した後は、放送教材などを上手に活用して、ウニの 発生等をビデオで見せるようになった。教材用の映像を収録して、ビデオ・ライブラリーを作られた 先生も居られたようである。

 実際にウニの発生過程を観察するには、理科の教材会社から購入した固定ウニ卵の発生過程(卵割 の過程)を観察するのも1つの方法であるが、冬季であれば、海に出掛けて、 バフンウニを採集し、 受精と発生の過程を観察するのが良いであろう。

 東京都生物教育研究会 では、毎年1月中旬に、東京都立日比谷高等 学校勝山寮に1泊し、真夜中、 潮の引いた磯で腰まで海水に浸りながら、ヘッドランプを頼りに、バフンウニを採集して、学校 に持ち帰り、生物実験に供したものである。今でも、実施しているのであろうか?これは、同じ 東京都にある公・私立高校の生物教師間の楽しい交流会の1つでもあって、今も、懐かしい想い 出として、記憶に残っている。

【リンク】
ウニの発生(Movie)
【Omnisサークル】アフリカツメガエルの発生
【大日本図書】カエルの発生シミュレーション

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