(2)メダカの走流性の実験
メダカの英語名をご存じだろうか? なんとMEDAKAなのである。Rice fishとも言うが、宇宙メダカを研究している東京大学の井尻憲一先生は、Space MEDAKA と呼んでいる。昔は、東京大学の理学部の建物の屋上で、野生メダカを多数飼育していたが、今は、何処に行っているのだろうか?そのメダカの10匹ほどを宅配で送って頂いたことがある。また、宇宙メダカは愛媛県長浜町の大野さんという方から10匹ほど子孫を宅配で送って頂いたことがある。
【メダカの入手方法】
一番手っ取り早くメダカを入手する方法は、ペットショップでヒメダカを購入してくる事である。自宅の金魚鉢か、水槽にキンギョモか、あるいはカナダモを入れ、カルキ抜きをした水を入れて、その中に買ってきたヒメダカを入れる。餌は、やはり、ペットショップで買ってくればよい。次の方法は、メダカを飼育して居られる方から分けて頂くことである。送料を送るか、或いは、少なくとも受取人払いの宅配にして頂き、送って頂いた後で丁重な礼状を書くといった礼を尽くし、決して失礼なことがあってはならない。最後は、自然の中からメダカを採集してくることであるが、これはご存じのように日本の河川からメダカが消えていきそうな現在、避けるべきだろう。むしろ英語名でもMEDAKAである世界に誇る日本のメダカを、自然の中で1匹でも多く増やすような努力が必要であろう。メダカを入手して飼育を始めたら、これを長く続けて、自宅の水槽中でメダカの子孫を増やすようにすべきである。そして、他から飼育しているメダカを分けて欲しいと依頼されたときは、快くこれに応じるべきであろう。メダカを宅配で送るときは、ビニール袋にほんの少しの水を入れ、それにメダカを10匹ほど入れてから空気を目一杯吹き込んでビニール袋を十分に膨らませて、発泡スチロールの箱の中に入れる。水は出来るだけ少ない方が良い。クロネコヤマトや佐川急便といった宅配便で送ると、翌日には全国各地に届く。
【メダカの走流性の実験】
メダカは、川の中で、水に流されないように同じ場所に留まるように泳ぐ。この時のメダカの行動を調べてみる。
<準備>メダカ、ターンテーブル、円形水槽、工作用紙、ひも、ビニルホースなど
■実験1■「水流の方向とメダカの泳ぐ方向との関係」
<実験方法>メダカを円形水槽の中の静水中に入れる。水槽の内側壁面に沿ってビニルホースで水を流し込み水流を作る。ビニルホースを取り除きそのままにしておくと、水の流れは次第に遅くなりやがて静止する。この間に水流の向きや速さとメダカの泳ぎとの関係を観察する。
<実験結果>水槽内の水が静止した状態では、メダカは不規則に色々な方向へ泳ぐ。水流が速すぎると、メダカは水流に流されてしまうが、水流が遅くなると、水流が静止するまで、上流に頭を向けて1点に留まるように泳ぐ。水流を逆向きにしても同じである。
■実験■「背景の動きとメダカの泳ぐ方向との関係」
<実験方法>ターンテーブルの上に水槽より一回り大きい白黒に縞模様に入った厚紙で作った円筒をのせる。メダカを入れた水槽を手で持ち上げるか、ひもで吊すかして、円筒のみ回転するようにする。
※<ターンテーブルについて>勤務先に、理科の実験用のターンテーブルがあれば何も問題はないが、ターンテーブルが無い場合は、自作するか代用品を探すしかない。陶芸に使うターンテーブルとか、古いレコードプレーヤーがあれば十分に代用できよう。
<実験結果>円筒が回転していないときは、メダカは不規則に色々な方向に自由に泳いで行く。ゆっくりと円筒を回転させると、メダカはしま模様を追うようにして泳ぐ。円筒の回転を早め、しま模様が静止したように見えてくると、メダカは円筒の回転には、無関係に勝手に自由な方向へ泳ぐ。円筒の回転を逆にしても同じ結果が得られる。
■結論■メダカは水流の向きや速さを感じ取り、水に流されないように上流に頭を向けて泳ぐと同時に、視覚によって周囲の景色を追いかけるように泳ぐ。
【リンク】
Space Medaka Homepage
HOME