前宮登山道から恵那山

ルート図はこちら
(国土地理院1:25,000地形図の上にカシミールを使用してGPSの軌跡を表示したものです。
  桝目は経線緯線とも10秒間隔で、経線間隔は約250m、緯線間隔は約300mです)

5月11,12日に予定されている「ウエストン記念恵那山 集中登山」に関連して、恵那山前宮登山道の状況を調査し、 道標(テープ)付け、道標(看板)を設置するために恵那山 へ行ってきました。(H14−4−27 金井 単独)  
テント泊の方へ
初日に頂上まで行かずに、ルート上で幕営し、翌日頂上を往
復する計画もあるかと思いますが、今年は雪が少ないためテ
ン場は一宮直下の2127標高点あたりにしないと水の確保が難
しくなりそうです。                  

   【コースタイム】                                           
    先日、川上(カオレ)の原 鈴夫氏にお会いしたとき、「わしらは、前宮登山道から恵那山は5時間という
    のが普通だった。6〜7時間もかかるはずがない。」と言っていました。川上の昔の若者と張り合うつ
    もりは無かったのですが、一所懸命歩いても6時間はかかってしまいました。帰りもかなり急いだので
    すが、3時間半もかかりました。やはり、昔の人の方が健脚だったということです。                            
    若い人は6時間、中高年は7時間というのが現在の標準タイムではないでしょうか。                 
                  登山口(5:30)→対東沢(6:00)→5合目(6:35)→大桧(ヤシオつつじ)(7:25)→中の小屋跡 (7:40)→空峠(八右衛門の頭)(8:32)→13合目(8:40)→物見松(8:50)→行者越(9:00)→ 14合目(9:10)→16合目(9:52)→一ノ宮(10:50)→分岐点(11:15)→頂上避難小屋(11:40 〜12:15)→分岐点(12:43〜12:53)→一ノ宮(12:57)→16合目(13:25)→14合目(13:55)→     行者越(13:47)→物見松(13:55〜14:05)→13合目(14:06)→空峠(14:10)中の小屋(14:30)     →5合目(15:03)→対東沢(15:25)→登山口(15:40)                                                  
登山口
登山口は恵那神社の駐車場から1.2km位工事用道路を歩
いたところにあります。駐車場は無く、待避所があるだけで
すので注意してください。
ここから正ケ根谷を渡ることになりますが、まず崩れた路肩
から川床へ飛び降りていきます。そして川を渡りますが、水
量は多くないので、ストックでバランスをとって、飛び石伝
いにわたることが出来ます。ただ、集中豪雨や夕立のときは
水量が増え、渡れない場合があるので十分注意が必要です。
下山時に渡れなくなったら、山中で一夜を明かすことになり
ます。
河原 
河原へ下りる所はこんな所です。
ここを下りて対岸へわたることになります。
剣先 
川の上流(北東)を見ると最奥にピラミダルな美しい山が
見えるでしょう。
これは前山(1350.7m)のほぼ真東にある3等三角点の山 
剣先(1416.4m)です。
山吹の花 
”七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞ悲しき”

恵那山の前宮登山道は大変よいコースですが、登山道が十分
整備されていなくて申し訳ありません。

登山口付近の山吹は今が盛りです。

 
崩壊地
恵那山一帯は非常に崩れやすい地質です。必死の砂防工事
にもかかわらず各所で崩壊が起きています。登山道も例外
ではありません。この写真は対東沢の少し手前の崩壊地で、
ここをトラバースすることになります。バランスをくずす
と非常に危険です。ストックなどを使って慎重に渡ってく
ださい。
登山道
この登山道は、昭和34年の伊勢湾台風以来廃道になって
いたのですが、昨年地元の中津川山岳会の手で笹が刈り払
われ復旧しました。
この冬の雪で笹が被さるように倒れて道を塞いでいるので
はないかと心配していましたが、健在でした。
ただ、歩く場合、特に下りのときに大変滑り易いので注意
が必要です。草刈機で刈ってありますので切り口は鋭くは
ないのですがそれでも転んだときは危険です。手袋も必携
です。
登山ルートには、各所にピンクに近い鮮やかな赤テープと
黄テープの2重の印があります。それに、以前に付けた赤
いテープもあり、うっとうしいかもしれませんが、道標が
整備されたら整理するつもりです。取敢えず「愛の道標」
だと思って我慢してください。
大桧/ヤシオ
この白骨化した大桧は”中の小屋”跡の直下にあります。
この桧の中ほどにはヤシオツツジが生えています。恐らく
種が落ち、芽生えたものでしょう。今では大きく成長し、
5月11日頃には美しい花が満開になっているに違いあり
ません。是非見て欲しいです。
(この写真の左側に伸びている枝です。)
不動明王
”中の小屋”跡には不動明王が祭られています。かつては
ここに小屋がありました。また、”不動明王の右手を斜め
に谷の方へ行くと水場があったはずだが・・・。」とは、
原 鈴夫氏の話です。
中の小屋のトタン屋根などがまだ残っています。
ここからはだんだん展望もよくなり、快適な登山が出来そ
うですが、傾斜が急な上に、道が十分整備されていないた
めに苦労を強いられます。1時間程度で恵那山の稜線に出
ます。ここが空峠または八右衛門の頭と呼ばれている  
1801mの三角点です。
物見松
物見の松は岩場の上ですが、山歩きの経験のある方なら恐
らく問題なく登れるでしょう。まわりは木が茂っているの
で高度感はあまりありませんが、痩尾根ですので十分注意
してください。
かつて 威容を誇った物見松は朽ち木に近い状態ですが、
昔の面影は十分にあります。昨年の5月には横に伸びてい
た枝は、折れて下に垂れ下がっています。
足で蹴ったりしない様にしてください。
バイカオウレン
行者越は岩場ですが、さして困難ではありません。
足元にはバイカオウレンの可憐な花が見えます。
このルートにはバイカオウレンがたくさんあります。
この花を見て一息入れてください。
この花は花期が長いのでうれしいです。
道標
恵那山から下る神坂峠・富士見台方面との分岐点に、
前宮登山道の道標がありませんでしたが、ゴールデンウ
イークに入り急遽設置しました。まだ仮設置の状態です
が、残雪期にはルートを間違えるとかなり危険ですので、
この分岐点で休憩して、自分の行くべき方向を十分に確
認してから出発してください。
神坂峠・富士見台方面とは丁度、反対方向に入り、右の
方へカーブしていきます。
テープの道標に十分注意してください。
(踏み跡は案外消えやすいです。)
 
避難小屋
この避難小屋は小さいですが快適です。左側にあるタン
クは水洗トイレ用の雨水をためるものです。冬季は雨
どいを外してしまいますので、水を溜めはじめたのは
最近になってからです。このところ雨が少なかったの
で、タンクの中にはまだ水は全くありませんでした。
中津川市自慢の水洗トイレが使えるようになるのはやは
り、6月になるのでしょうか。

前宮登山道のシロヤシオツツジ(ゴヨウツツジ)を探せ!
ウエストンの”日本アルプスの登山と探検”にこんな記述があります。
 「いろいろな種類の針葉樹の間を抜けていくと、木陰の暗がりから、白い優雅な花をいっぱいつけた丈の高い
  躑躅が姿を現す」   (青木枝朗訳)
  この花はシロヤシオ(五葉ツツジ)にちがいありません。内親王敬宮愛子様の調度類など身の回りの持ち物
  に目印として用いられる「お印(しるし)」として有名になった「ゴヨウツツジ」です。
  近くの根ノ上高原にはシロヤシオの古木があるそうですので、恵那山にあっても不思議ではありません。 
  私はこの登山道をこの時期に何回か歩いたことがあるのですが、まだシロヤシオに出会ったことはありません。
  もし発見しましたら、是非教えてください。 恐らく、5合目付近です。