第2回 ウエストン記念 恵那山集中登山 報告
実施日:平成15年5月10,11日
主催:中津川市山岳連盟
後援:中津川市観光協会
後援:阿智村観光協会
ウエストンの恵那山登頂110周年に当る今年、176名(記帳者)の参加を得ることが出来た。
昨年が85名だったことを考慮すると、ウエストン記念恵那山集中登山は、全国の登山イベントの
中で定着しつつあるように見える。
5月の第2土日は「ウエストン記念恵那山集中登山の日」として、全国の登山愛好家が認知し、
恵那山に親しんで貰うための施策を講ずる必要がある。
中津川市、阿智村の両観光協会、報道機関、その他関係者、なにより参加者の皆さんに感謝申し
上げ、今回の集中登山を総括する。
【 広 報 】
(1)インターネット:専用ホームページを開設し、「@恵那山」(瑞浪市 足立氏)及び「恵
那山と富士見台を愛する会」(阿智村 矢澤氏)のホームページからリンクしていただ
いた。両ホームページの恵那山情報は最も信頼性が高く、アクセス数も抜群に多いペ
―ジである。県外からの参加者の多くはこのページを見て参加している。
インターネットの広域性、重要性を改めて痛感した。
専用ホームページは http://www.nextftp.com/kanai/NO2syutyu/syutyu.html
(2)テレビ: NHK岐阜 美濃飛騨情報局発信依頼をし、内容について打ち合わせた。
ただし、何時どのように放送されたかについては確認していない。
(3)新聞:朝日新聞、中日新聞、岐阜新聞の県内版に掲載していただいた。県内(市外)
の参加者は新聞を読んで参加している。
(4)中津川市広報:市の広報4月号に掲載した。市民には、最も確実で定着している広
報手段である。
(5)山岳雑誌:「山と渓谷」と「岳人」のアプローチしたが、〆きりに間に合わず、断念
した。インターネットと山岳雑誌による広報はその広域性から重要視すべきである。
【登山道の調査・整備】
残雪期の登山道は急激に変化するので、出来るならば十分に引きつけて情報を流すべきであ
るが、それはかなわないので、各ルート2回の調査を目標にし、調査結果はインターネット
にアップし広報した。
(1)前宮ルート:4月17,18日に1回目の踏査を行った。まだ大部分が雪の下で十分な調
査は出来なかったが、要所々々にテープの目印をつけた。
5月6日は日帰りで調査した。笹刈が十分に出来ていないのでテープでの目印をつけ
た。
(2)神坂峠ルート:4月29日、恵那山・富士見台の山開きの日、広河原から登り神坂峠
ルートを下った。前宮登山道との分岐点直下は迷いやすいので、自分でルートを決め
得るリーダーの下に行動するように注意した。
神坂峠から恵那山へのルートをメインルートとすれば、サブルートとして追分から鳥
越峠、鳥越峠からヘブンス園原口、千両山から林道大谷-霧が原線までのルートがあ
る。この調査を5月1日に行った。恵那山への、または下りのルートに変化をつけるた
めにも興味あるルートである。特に追分から鳥越峠は、時間短縮のためにも、駐車場の
関係からも、神坂峠ルートのメインルートになりつつある。
(3)広河原ルート:4月29日に調査を行ったほか、5月3日資材の荷揚げを兼ねて調査
した。
(4)黒井沢ルート:森林管理署の許可を得て4月27日に黒井沢登山口まで車を入れ、黒
井沢ルートの調査をした。登山口までの林道はともかく、そこから上の登山道がかなり
荒れているので、今回のコースとしては不適格として広報した。
5月7日に、森林組合、市役所、中津川山岳会で、黒井沢本流(上部)の橋を架けた。
さらに、渡渉部分には高巻きの道をつけたので、一応徒歩での通行が可能になった。
(通行止めであっても例年登山者が皆無というわけではない、実際今年も40名ほどの
登山者がこのルートを使っている)
【黒井沢林道の通行規制】
黒井沢林道は一応完成しているが、一部工事中であることと、安全性が確認されていないと
いうことで、車の乗り入れは断念した。
【荷揚げ】
準備を含めて3日間の生活と、ココアサービスなどの資材の荷揚げを5月4日と5日に実施
した。荷揚げしたもの:鍋、ポリタンク、食料、ガス、その他生活用品
【山頂でのサービス】
(1)ココア:恵那山・ウエストン公園でのココアサービスと同じく、神戸館で手配しても
らった。非常に好評であった。にわか作りのウエストンココアのラベルを見て、「こ
のココアはどこで売っているんですか」とたずねる人もいた。
今回はガスとストーブで沸かしたが、榾火(fire made of brushwood)で沸かした
ココアなら、もっと良かったと思う。
(2)バッジ:バッジは比較的高価なので、無料で配るには大勢に行き渡らない。バッジは
有料のもの1本にして、他にもっと安価なもので広くゆきわたるものを考えた方が
良い。
(3)展望図: 国土地理院の許可を得て、コンピューターグラフィックスによる恵那山山
頂からの展望図を配付した。生憎、当日の眺望は良くなかったが、もし、天気が良
ければ喜ばれるに違いない。富士見台と恵那山は展望の山である。これを売り出す
ために、展望図は必須である。大量に印刷しておき販売することも可能である。
【登山者の状況】
【年 代】中高年が圧倒的に多かったが、学校の集団登山もあり、年齢層は広かった。
【地 域】参加者は、県外52%、市外20% 市内28%という割合である。このイベン
トを知らずに来た人も多かったが、知っていた人は、県外がインターネット、市外が
新聞、市内は中津川市の広報と新聞で知った人が多かった。
【装 備】装備には大きなバラツキがあった。残雪期の難しさを知っている人はどうしても
荷物が多くなるものであるが、運動靴にデイバッグというスタイルも散見された。
【技 術】恵那山では残雪期とはいえ、滑落・転落の危険は少ない。最も気をつけなければ
ならないことは、道迷いである。「雪の上には踏み跡があるのでそれを辿っていけば
問題ない」と考え勝ちであるが、踏み跡は入り乱れているし、間違った踏み跡もある。
地図と磁石で自分の進むべき方向を定めなければならない。
大パーティーの場合、それなりにリーダーが居るので問題は少ないが、単独や小人数
パーティーで特に問題である。
残雪期専用の道標(テープなど)の設置も考慮すべきだろう。
【今後の展開】
バッジ:バッジの無料配付は、広く行き渡らないので、安価なものを考えた方が良い。
展望図:カラーで大量印刷しておけば広く使える。
記念品:ウエストンを焼き付けたウエストン煎餅、玉子酒などの検討/研究。
運営組織:今年は阿智村観光協会の後援も受けたが、恵那山を広く知ってもらうためには
地域・行政の枠を超えて力を結集した実行委員会などによる運営が必要である。
平成15年5月14日
中津川市山岳連盟
金井 孝素