◆ 鯉のぼり |
『柳多留』に、「五月雨が晴れると鯉の竹のぼり」という川柳がありますが、端午の節句に、 滝ならぬ竹をのぼって、空高く悠然と泳ぐ「鯉のぼり」の姿は、眺めていても実に気持ちがよ いものです。そこで、今回は、この鯉のぼりにまつわる話を紹介いたします。 「鯉のぼり」の3番の歌詞に書かれている「百瀬の滝を 登りなば 忽ち竜に なりぬべき」は、「鯉変じて龍となる」という竜門伝説の故事にちなんでいます。そのため、中国では、このことを 俗に「六々魚(ろくろくぎよ)変じて九々鱗(くくりん)となる」などとも言っています。【鯉の側線には36枚のウロコがあり、竜の測線上には81枚のウロコがあることにちなんでいます】 |
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しかし、江戸では火災がたびたび起こり、戸外の幟が消火活動の妨げになるということ、また飾り物が華美になり競い合う風潮が生じたために、贅沢を戒めるという点から、「外飾り」は禁止されるようになってしまいました。そのために、「室内飾り」が豪華なものへとますますエスカレートするようになり、資産家の町人などは、大金をつぎ込んで芸術品と言えるような飾り物が登場していきました。 鯉のぼりが、再び戸外に立てられるようになったのは、明治・大正時代からですが、これには、当時の軍国主義的な時代の影響を受けています。 鯉のぼりには、吹き流しがつけられていますが、これは滝や雲を表しています。また、吹き流しに使われている「青・赤・黄・白・黒」の5色は、五行説に由来し邪気を払う霊力があるとされていますが、鯉を捕って喰おうとする竜は、この色が苦手で近づく事が出来ないことから、竜から鯉を守るという意味合いも持っています。 |
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