このコーナーは、胤舜主観による
「観る事をお薦め出来ない」
または
「観るならば時間と労力を無駄にする覚悟が必要」
と思われる作品を取り上げています。
以下の作品に愛着のある方は、
決してここの内容を読まないようにして下さい。
※ネタバレも含みます。

作品リスト
黄金の法―エル・カンターレの歴史観― 複製(クローン)人間ブルース・リー
<怒りのスリードラゴン>
デビルマン ルパン三世 生きていた魔術師












ルパン三世 生きていた魔術師
イタイ度:★★★★★★★★★★★★★★★(15点) 2002年公開
 ルパン三世30周年記念作品。いわゆる「緑ジャケット」の旧ルパンの第二話に登場し、もちろん原作にも登場するルパン三世最大の敵の一人、白乾児(パイカル)の話である。
 私は、『ルパン』の中の登場人物で、誰が一番好きか?と問われれば、迷わず「白乾児」と答えるほどのパイカルファンであるが、だからこそ、言わせてもらう。
 「ふざけるな」
 なんだ、このパイカルは?しかも、ルパン、次元、五右衛門、不二子、みんな芝居に覇気が無い。やる気が感じられない。
 まあ、あんな脚本では、昔のパイカルを知るキャストも、やる気が無くなるだろう。
 ルパンが狙っている「天球の水晶」は、ある男も狙っていた。その男が、パイカルである。
 パイカルは、銭形に変装してルパンを狙う。ここで、ルパンがピエロに扮して、カーニバルの中を逃げ回る。
 はっきり言って、タルい
 「魔術師」というキーワードを、かなり勘違いしているとしか思えない。
 宙に浮く、弾丸を跳ね返す、指から炎を出す、などのパイカルの特徴が、特殊能力のように描かれているのも、気に入らない。
 さらに言うなら、たいして長くないお話なのに、設定の骨子の方向性がバラバラなので、観ていてムカツク!ルパンが、まるでパイカルを知らないかのように振舞うシーンもあれば、昔から良く知っているように振舞うシーンもある。
 知っているに決まってるだろ!
 クリカンは、直接は知らないかもしれないが(笑)。
 あー、書いていて段々ムカついて来た。とにかく、何もかもがおかしい。『旧ルパン』の設定や雰囲気、各話のエピソードのオムニバス的な引用も、元を理解していない、出鱈目は用法であり、『旧ルパン』をバカにしているとしか思えない。
 とりあえず、パイカルを使うのなら、辻真先の『小説!ルパン三世』を読んで、しっかり勉強しなさい。
H180406


デビルマン
イタイ度:★★★★★★★★★★(10点) 2004年公開
 いや、噂には聞いていたのだが、なになに、噂を上回る出来でしたよ(笑)。
 とりあえず、永井豪原作『デビルマン』が好きな人は、
「観てはいけない」映画(笑)。
 禁断の果実である(笑)。
 原作の完成度が高いせいか、敷居が高いことは判っていた。いくつかあるアニメ版と違い、実写は表現方法が違うので、マンガと同じようには作れない。それも判る。
 しかし、それにしても・・・、である(笑)。
 特筆すべきは、そのキャスト。不動明役の伊崎央登、飛鳥了役の伊崎右典。この二人の演技が、
とにかくヒドイ!(笑)
 ケタ違いの大根っぷり(笑)。特に央登。ヘンな笑いがこみ上げてくる、そんな演技。牧村美紀(酒井彩名)の父役の宇崎竜童に、自らの正体(デビルマン)を気づかれたときの、天を仰いで「アーーーッ」と発声、その後すぐに竜童と普通に会話を再開する(!)、というシーンの、ありえないシチュエ−ションと、伊崎の表現力の乏しさに、ブラジルに届く勢いで脱力(笑)。
 さらに、原作を切り取って箇条書きにして並べてみせる暴挙。特にデビルマンとシレーヌの対決シーンなど、CGの安売りでしかなく、しかもストーリーにさっぱり絡まない上、シレーヌの圧倒的勝利のまま尻切れトンボで終わるなど、ファンとしては
    冒涜
そのものの内容。
 ジンメンのエピソードも、内容がスカスカ、やはり納得がいきかねる。
 私の友人は、
 「ここまで『ボタンの掛け違え』の続く作品も珍しい」と言っていたが、その通りである(笑)。

 打ちのめされたい方は、観てみて下さい(笑)。


複製(クローン)人間ブルース・リー
<怒りのスリードラゴン>
原題:『神威三猛龍』
イタイ度:★★★★★★★★★★(10点) 1982年公開
 コワーイというか、何と言うか、とにかくカリスマの死後、雨後の筍の如く現れた便乗映画のある意味<頂点を極めた>感がある映画。
 お話は、ブルース=リーが救急車で病院に運ばれる所から始まる。その直後、何故かSBI(香港秘密警察―笑)のコーリン捜査官にB=リーの死が伝えられ、その捜査官からすぐさまルーカス教授へと連絡が行く。
 コーリン捜査官はなんと、ルーカス教授に「ブルース=リーのクローンを作って欲しい」と頼む(笑)。教授も快く承諾(笑)。B=リーの人権は無視(死んでいるからしょうがない?)。
 でもって、クローンが三体出来上がる。1人目はブルースワン(ブルース=リャン)、2人目はブルースツー(ブルース=リ)、3番目はブルースリー(ドラゴン=リー)。バカにしとんのか、なネーミング(ちなみにカッコ内は役者の芸名)。このメンバーの一部は、『死亡遊戯』にもB=リーの代役として出演している。まあ、角度によっては似てなくもないかな〜、なレベル。動きは、皆テコンドーは嗜んでいるので、蹴りはそこそこ見栄えがする、そんな程度。ただ、どこか一部しか似ていない(笑)。ワンは、『危機一発』の中でのB=リーの雰囲気、スリーは『怒りの鉄拳』の雰囲気、でもってツーは「オフの日に鍛錬をするB=リー」というタイトルの付けられた、髭を生やし、ラッパズボンのスーツを着て、グラサンを掛けたB=リー(分かりづらい)。ツーに至ってはただの「ちょっと似てる人」レベルである。三人寄ればなんとやら、か?
 SBIは、秘密工作員としてクローンを使う。「何故ブルース=リーを使う必要がある!?」と思わず突っ込んでしまうが、1人目のターゲットは悪徳映画監督で、俳優として潜入(主役格で抜擢されるので、潜入とは言い難いが)する、というストーリーがあるので、まだ許せる。が2人目のターゲット、タイのバンコクで麻薬密売、そこからの利益で世界征服の為の研究を続ける(笑)、ナイ博士を暗殺する、というのは、B=リーである意味無し。画面の雰囲気は『危機一発』風に仕上がっているが。
 マッドサイエンティスト・ナイ博士は、人に打つと青銅人間になる、という薬を発明し、無敵の軍隊を作る(苦笑)。殴ると「ガキーン」という効果音まで着く(笑)。普通の神経の持ち主なら、その設定だけでもゲンナリだろう(私は爆笑するタイプ)。しかも博士の言い草、
 「今日はタイ、明日は全世界を征服だ!」
って、あんたは『究極超人あ〜る』の成原博士か?(笑)
 最終的には、クローンを作ったルーカス博士が、SBIの処遇に腹を立て、クローン同士を闘わせてSBIに大損をさせてやろうとする、などというふざけたクライマックスで、夢の(苦笑)ブルース=リー同士の対決が拝めるワケだ(泣)。
 最後は、「これだけワケの分からんお話の展開のワリには、えらいアッサリしてるな」という終わり方。「え、そこで終わり?」とコケる事必至。
 ブルース=リーを<ジークンドーの師父>と仰ぐ人は、絶対に観てはいけない。腹が立つだけだから。そんな映画である。

 ちなみに、出来立てのクローンB=リーに武術の手ほどきをするのが、ヤン=スエ。『燃えよドラゴン』にも「BORO」として出演した男だ。よく出たなこんな映画。


黄金の法
―エル・カンターレの歴史観―
イタイ度:★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★(20点) 2003年公開
 コワーイ映画の栄えある第一作品目は、これ。原作・総監督・総指揮は、ご存知現代に再誕した仏陀、エル・カンターレの化身こと大川隆法その人である(爆)。
 この映画を観る事になった経緯は、ある人が、知人に貰ったこの映画の券をこちらに回して来た、というもの。そうでなければ、恐らく生涯観る事は無かったかも知れない。
 内容は、主人公の25世紀の住人、サトルが、30世紀からタイムマシンに乗ってやって来た謎の少女・アリサと共に、仏陀再誕の地である21世紀の日本を目指し、紀元前の世界からのタイム・ラフティング(時の激流下り)に飛び込んで行く、というお話(笑)。
 この映画の中で関わって来る聖者は、ギリシャ神話のヘルメス、釈尊、イエス・キリスト、モーゼ、天台智(ちぎ)。
 先ず、タイム・トラベル物としてみた場合、あまりにも主人公達の行動がずさん過ぎる。歴史に干渉しすぎ。しかもご都合主義過ぎ。既存の物語に、自分達に都合の良いエピソードをねじ込む、と言う安っぽい同人誌レベルの物語作りは、実際の話を知っている者にとっては、侮辱以外の何物でもない。こんな物語を信用しろ、という方が間違っているのだが、何故か、コレで納得してしまう人がいるようなのである。
 まあ、噛み砕いた解釈で、良い事を言っている部分もある。が、それも色々な宗旨宗派は全てエル・カンターレの説いた法である、という前提の元での「良いトコ取り」があればこそで、既存の物をうまく転がしただけで、何ら新しいことが無い。全てを自分のカラーでまとめてしまうのはユニークな考え方で、結構なので、頼むから身内だけでやってくれ、そう言いたい。
 信者以外には、オススメしません。信者の方も、良く良く歴史などを勉強して、ウソ情報に惑わされない眼力を付けてから見ないと、恥をかきます。お気をつけ下さい。