武術を検証する、という事について

 下に掲載する文章は、とあるサイト(既出)に書かれていたものである。あえて、無変更で引用させていただく。



以上のものは、呉氏開門八極拳宗家呉連枝氏直伝とありますので、
開門八極拳の正統性、実戦性を研究されている方は呉連枝氏自ら公開している
開門八極拳実戦散手セミナービデオ全二巻を購入され、当ホームページ掲載の
河北慶雲県呉鐘伝開門八極拳宗家 馬賢達 映像招法示範と比較検討され、
開門八極拳宗家の正統性、実戦性の検証をされるとよろしいと思います。

なお、繰り返し申し上げますが、呉氏開門八極拳実戦散手セミナー全二巻は
宗家呉連枝氏自らによるもので、孟村開門八極拳にはこれ以上これ以下のものは
ないと思われます。




中国伝統武術界の掟
戦闘において実利なきものは伝統武術にあらずとあります。

※映像による比較検証は科学的であり、ごまかしようのないものです。

 これは、以前にも触れた「馬賢達の弟子」を名乗る人のサイトからの引用なのだが、どうにも首をひねらざるを得ない。特にこのサイトの管理人は、大学で研究をしている、いわゆるインテリジェンスで、本文もとても論文調で、なんだか、しごくまっとうな事を論じているように見える。
 しかし、である。この管理人は「検証」という言葉をしきりに使うのだが、今まで、同サイトで発表した文章の中で、まともに「検証」出来ていたものは、ほとんどない。特に「八極拳の実戦性・正統性」に関する部分は、「呉鍾は凄かった」「李書文は凄かった」という、伝説や昔話の類(300〜100年前)の資料を提出して、それを論拠とするのである。これは、言い換えると「論拠がない」のと同じである。
 さらには、「套路(型)の練習では、武術は身に付かない」とのたまっておきながら、「中国政府が交流のため(わざわざ)見せてくれた三節棍の套路」を「(実戦性を)検証して下さい」(笑)と紹介する。もう、意味不明である。
 ちなみに、呉連枝の『八極散手セミナー』のビデオは、「組み手試合に活かせる武術の技」の解説であることを明確に謳っており、その部分にわざと触れずに実戦云々をいうのは、資料の歪曲であり、卑劣な情報操作である。「組み手と実戦(実践)は別物」と常日頃から、呉連枝は力説しており、さらには、
 「試合は友好的なもの、実践は非友好的なもの。技の使い方は、おのずから異なる。実践技法をそのまま試合で使うことは、人道にもとる」
と明言している。つまり、「※映像による比較検証は科学的であり、ごまかしようのないものです。」この一文が、既に的外れなものであることは明白である。更に言うなら、馬賢達の映像資料は、ごく僅かである。とても、検証出来るレベルではない。
 また、本文の中に、
 「晩近、中国武術総体がそのような浅薄で派手な事を発展目標としてしまうという悪運に会い、風気は低下し、ある人は自分の利益のために、八極拳のような古典武術珍品にも手をつけ、油を添えて調味料を加え、枝を加えて、理論上で別の拳種から移してきた事を除いては本来の八極の深みの部分については一切言う事ができず、ただ技術上水を注ぎ、泡を立て、多くの事を勝手に作り上げて「祖伝の秘方」と称している。素朴こそが、天地間の最高の美であることを知らないのであろうか!」
このような一文があるが、八極を劈掛の勁道でしか語れないあなた達に、こんな事は言われたくない。
 自派の正統性は、自分の本門でこそ語って欲しい。人の土俵に踏み込んで、偉そうなことは言って欲しくない。

 ちなみに、1985年に来日した際の、馬賢達と何福生の八極対接の演武は、私的には「回族の八極として、許しがたい」レベルのものであった。何福生が、八極については素人である、という部分を差し引いても、「あの」馬賢達の動きは納得出来ない。「あれ」を見る限り、通備拳の実践性は、微塵も感じられない。これが、私の「検証結果」である。