内功、そして経絡についての考察

 このところ、仕事の加減もあり、練習に行っていない。練習に行けない、ということは相対練習つまり組み手練習が出来ない、ということだ。その結果、一人練習(套路)ばかりになってしまう。そこで、この際開き直って、とことん一人練習をやってみよう、と思い、「八極内功」を重点的にやっている。
 内功を30分ほどやり、基本功、そして套路をやっていて、ようやく気づいた事がある。それは、
 「経絡とは、身体を動かす時の意識の仕方を強調するための物だったのだ」と。
 八極を10年もやってきて、今さら気づいたか、と笑われそうだが、今までは、「腰から動く」「肩から出す」「丹田を意識する」「踵から力を伝える」「脱力をする」などなどの意味が、漠然としか判っていなかった。それが、経絡や経穴を意識するようになって、何となく判って来たのである。
 今まで「何となく」でしてきたことが、かなり「はっきりと」掴めて来たのである。なるほど、確かにこれは、文章や言葉では表現しづらい。多分に感覚的なのだが、その感覚的な事が、納得しやすくなったのである。そして、この感覚が得られると、自分の動作に「重み」を感じられる。当たればいかにも効きそう、そんな感じがするのだ。
 ただ、ここが落とし穴で、一人練習で感じた「重さ」は、勘違いであったり、机上の空論であることが多い。この感覚を信じたままだと、、実際の組み手の時に、自分の攻撃が相手に全く届かず、「こんなはずでは・・・」とか「当たりさえすれば倒せるんだ」とか「ルールのせいで制約が多すぎるからだ。何でもありなら・・・」という誤った認識に成長しやすいのである。
 しかし、この感覚は、武術をしていく上では、とても重要である。なので、この感覚を実践してみる事が重要なのである。ちなみに、予備知識のない素人さんには、面白いほど良く極まる。つまり、それは実践ではない、という事だ。