人は猿から進化を遂げたと言われています。進化したからには人の方が猿よりも利口でなければいけません。その例えに使われる言葉が今回のテーマです。
その昔、母と2人でTVを見ていたときのことです。動物番組か西遊記だったと思います。ハッキリとは覚えていませんが、何かの拍子に母と猿の知能についての話になりました。その時の母の一言が僕を仰天させました。
この一言は僕の世界観を一変させました。猿の毛は全身に生えているのに、それでも人の方が毛の本数が多いとはどういう事なのでしょうか。どの猿と誰を比べても、常に3本差なのでしょうか。頭のハゲた人と猿を比べても、まだハゲの方が本数が多いのでしょうか。僕は母に矢継ぎ早に質問しました。
母の何気ない一言から始まった一連の事件は、数日後にさらなる驚異となって訪れたのです。なんと、僕の毛が2本抜けてしまったのです。僕の中に恐怖が広がりました。
あと1本抜けたら、僕は猿並み。
その後数日間は毛が抜けないよう、びくびく怯えながら過ごすことになりました。この世知辛い世の中で生きて行くには、僕は純粋すぎたのです。
それ以来、僕は猿を見る度に思うのです。奴らは僕よりも毛が3本少ない、と。