スペースシャトルの機外作業中にうっかり足を滑らせて地球に落下してしまう。地表に向かって落ち続けてどんどん加速していき、死を覚悟したとき、偶然大気中を漂っていた風船を3つ4つ掴み取ってなんとか減速した。
落ちながら周囲の地形を吟味し、落下角度を調整しながら川へ突入。水切りのように川の表面をぴょんぴょん飛びながら不時着。無傷だった。
スペースシャトルの機外作業中にうっかり足を滑らせて地球に落下してしまう。地表に向かって落ち続けてどんどん加速していき、死を覚悟したとき、偶然大気中を漂っていた風船を3つ4つ掴み取ってなんとか減速した。
落ちながら周囲の地形を吟味し、落下角度を調整しながら川へ突入。水切りのように川の表面をぴょんぴょん飛びながら不時着。無傷だった。
夏。電力不足で節電が叫ばれていた季節。僕は交通事故にあって、集中治療室にいた。
手も足も動かせない。目と耳だけが使える寝たきり状態。そこに医師の声が聞こえてきた。
医師の手が次々と医療器具の電源を落としていく。そして僕の生命維持装置の電源に手がかかる。
と言いたかったけど、僕は口がきけない状態なので何もできない。生命維持装置の電源は落とされ、僕はあっけなく死んだ。
死んでしばらくの間、僕の魂は病室内を漂っていた。さらに時間が経ち、病院の窓がほのかに輝きだした。そして光る妖精を連れた子供が入り込んできた。
ピーターパンに手を取られて空高く飛んでいく僕。やがて雲の上にそびえ立つ夢の国が見えてきた。ピーターパンは言った。
何しに来たんだお前。
新しいマンションに引っ越した。正方形のビルで外周沿いに1辺数戸ずつの部屋があり、ビルの中心部は各階の住人専用の大浴場になっている。2階には自由に使えるプールもある。マンションというより寮に近い構造だった。
引っ越して数ヶ月経ってから、下の階に小学校時代の同級生が住んでいるコトが判明した。
同級生に誘われてプールへ行った。
「水泳教室」という名の新興宗教団体の集会だった。
時は戦国時代。ココは城。堀の外には敵兵。
つまり籠城中。
僕は軍師として、内堀の中に落とし穴をたくさん掘らせた。掘った穴に草を被せていく。これでいつ敵に攻め込まれても大丈夫。
天守閣から外を眺めていると、敵が堀を越えて攻め入って来るのが見えた。僕は左手に中華鍋を、右手にお玉を持った。そして中華鍋をお玉で叩いた。
カンカンカン!
エレベータに乗って3階のボタンを押す。3階に着くと、また中華鍋をお玉で叩きながら叫んだ。
これを1階まで繰り返す。
敵兵は苦労して掘った落とし穴を見事に避けて城へと押し寄せてくる。このままでは城の中まで攻め込まれてしまう。奥の手を使った。
大音響と共に城から天守閣が切り離され、ゆっくり上へ持ち上がっていく。天守閣の下から生えてきたのは、2本の足。そして天守閣の両端の壁からニョキニョキと生えてきたのは、2本の腕。
そう、僕はこんな時のために、天守閣をロボットに改造していたのだ。
天守閣ロボは1歩前へと踏みだし、瓦屋根に足を滑らせて城の上から真っ逆さま。地面に激突した。 ピクリとも動かない天守閣ロボ。
まもなく我が軍は大敗を喫した。
道を歩いていると、突然まばゆい光に包まれた。あまりの眩しさに一瞬目を閉じ、再び開くと見知らぬ街角に立っていた。
声の聞こえた方向を振り向くと、中高時代の友達がいた。ずいぶん懐かしい顔だな。
友達は僕の前に1袋の鞄を突きつけた。
最近の通信教育はスゲーなおい。
iPhoneを見ると、
もう顔もロクに思い出せない相手からの連絡に首をかしげながらも、目の前にいる友達を相手にするよりは面倒が少なそうだと思い、メールに書かれた待ち合わせ場所へ向かった。
宗教の勧誘だった。
僕はショッカー仮面ライダーの敵役。ガンダムでいうザク。口癖は「イ゛ーッ!」だった。立派なショッカーになるため、ショッカー養成学校に通っていた。今日は待ちに待った修学旅行の日。のはずだった。
楽しくはなかった。
ショッカーというだけで旅行先の地元民から石を投げつけられ、因縁を付けられ、迫害される。ツラい1日が終わり、旅館に戻ってからはただただむせび泣いた。
僕たちショッカーは朝になるまでお互いになぐさめ合った。