・・・案内文・・・
アートセラピー(芸術療法)の手法を取り入れた、色とこころの関係を体験するワー
クショップです。
色は目で見るだけのものではありません。
怒っている時、楽しい時、うれしい時、悲しい時、それはどんなイメージですか?
炎のような、虹のような、花のような、鳥のような・・・
湧き出るイメージはすべて色と結び付いています。イメージを通して色を表現してみ
ましょう。
今回つかう画材は、ぬった跡が触ってわかるオイルパステルと、色を自由に作り出せ
るカラー粘土。上手い下手は関係ない!アートを気軽に、色を自由に楽しんでいって
ください。
・・・・・・・・・・という案内文で参加者を募ったワークショップでした。
---アベコズエ報告---
今回は「色」を感じるワークショップです。見えない人に色は関係ないと思われがち
ですが、そんなことはありません。これまでのワークショップでは、みなさんの色の
こだわりを強く感じていていましたが、画材に限りがあり色の種類をなかなか揃えら
れなかったのですが・・、でも今回は色づくり! 色を自分で作って、使って、表現
して、自分と色との関係をさぐってもらいました。
ワークショップの講師をしてくださるのは、アートセラピストの柳研二さん。これま
でにもビューのワークショップに何回か参加してくださっているさわやか兄さんです。
視覚に障害のある参加者は全部で11名。満員御礼です。サポーターとして見える人
とマンツーマンで進めました。
初参加の人もたくさんおられましたが、最初はちょっと緊張されていたご様子。
常連さんは最初からやる気まんまんのご様子でした。
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まずは自己紹介もかねて「オーラぬり絵」というワークショップから始まりました。
人物を中心に囲むようにオーラの線が何層かに広がっていく線画を、立体コピー(線が浮き出る)にしたものが、1人ずつに配られました。それから12色入りのオイルパステル。
柳さんからは一言。「今日のイメージを色で表現してください」
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驚いたことに、ほとんどの人がなんの躊躇もなくパステルを手にして色ぬりが始まり
ました。 まずは人物から線にそって慎重に塗っていく人、オーラの線なんてまった
く気にせず塗りつぶしていく人、淡くクールな色を使う人、意外と渋い色遣いのひと、
楽しく明るい色を使う人・・・。 |
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サポーターさんに自分のイメージする色を伝えたり、オイルパステルの色を説明して
もらいます。この色はどんなイメージ?どんな印象?今日はどんな気持ち?2つの色
をまぜるとどんな色?・・いろんな声が聞こえてきました。
塗り終わったところで、
それぞれの机で自己紹介をしながら、自分のオーラ塗り絵を紹介していきました。 |
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休憩をはさんで、次のワークショップ。「オンとオフの私」というテーマで、2つの自分を表現してもらいます。
素材は、白と黒とグレーのケント紙を用意しました。大きさもA4ぐらいから全紙まで自由に選択できます。
それから、カラー粘土。もともとあるのは、白、黄、赤、青、黒です。この基本色をまぜると何色でも好きな色が
作れます。それをケント紙にぺたぺたと押しつけてひっつけていきます。
オンとオフとは?
気持ちの開いている時、閉じている時
仕事の時、遊んでいる時、
楽しい時、さみしい時、
寝ている時、活動している時
などなど。
割とみんなすぐに自分のオンとオフで描くモノが決められたかな?
このころにはすっかり緊張もほぐれて、サポーターさんとのやりとりもスムーズに。
とてもにぎやかになってていました。 | |
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サポーターさんは参加者のイメージを聞いたり、色を作るお手伝いをしました。「ピンク色」が欲しいと言われたら、赤と白を混ぜて作りますが、明るいピンクなのか、桜色なのか、パステル調のピンクなのか・・どういうところに使ってどういうカタチでどんな気持ちなのかイメージを聞いて、色作りを一緒にします。
また、作った形や色がどう見えるか伝えていきます。
サポーターさんの方からもいろいろなアイデアが提案されます。大きなものを作りたいS君&Yさんはやっぱり今回も大きな画面に次々と粘土で絵を描き始めました。粘土が足りるかな?と内心ドキドキ。 |
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最後にできあがったものをみんなの前で作品発表しました。
電車に乗って仕事に向かうまでを描いたものや、夢の中から目覚めるまでを描いたもの、歌っている様子、職場でいすにすわっている様子など、本当に1人1人個性豊かな作品が生まれてきたと思います。カタチだけでなく色をたっぷり使って表現してもらえた様子。
今日は改めて、普段、知識や記憶の中の色を使って、自分と色との関係を感じてもらうことができました。 | |
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