─ 阿部こずえ報告 ─
視覚障害の方の参加は少なかったですが、地元の方が参加してくださいました。
見える参加者は、東京や色々なところから、盲学校の先生や美術館関係者が多く参加され、言葉での鑑賞に興味があって「勉強」しにきました、という方が多かったのが特徴的でした。
学芸員さんの挨拶、光島さんの司会、阿部のコーディネイトでおこないました。
最初に集まった時は、小さな会議室で机をはさんでむきあいながら、20名の人がシーンと
静まりかえっていたので不安になりましたが、グループごとに別れてからは、もう楽しそうに
会話がはじまっていました。
タッチアート展は、とにかく美術館に足を運んでもらって、楽しんもらおう、わくわくドキドキしてもらおう、という思いの展覧会です。なので、作品もそうしたコンセプトのもと集められています。
全身で感じる作品、香りの作家、音の作家、空気を感じる作家、触る作家、などなど。
触れる作品も触れない作品も、自然に会話がでてくる作品ばかりなので、とても盛り上がりました。
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見た後の参加者の感想は、 |
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楽しかった |
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自分の感性や表現方法に気づけた |
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説明するのが難しかった、でもわかりやすく説明する必要はなく、自分の感じた
ことをストレートに言っていいんだと思った |
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色を説明するのは難しかった |
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作家さんが会場にいて、作家の感想を聞けたのがよかった | |
などなど、たくさんの意見がありました。
見えない人で弱視の方からは、まだ残っている視力にたよってしまうので落ちこんだ、
他の視覚障害の人ともまわってみたかったという意見もありました。
自分の好きな美術を、見えなくなるからといってあきらめてしまいたくない、と
おっしゃっていたのが印象的でした。
終わってからも、参加者どうしで、まだ和気藹々の雰囲気の中、名刺交換などが
おこなわれていたので、お互いが交流できるきっかけとしての鑑賞ツアーとなったことが
よかったと感じました。
次の日、マーの鑑賞ツアーで25名が、どばーっと大人数でやってきたので、やり続け
ていくことで、視覚障害の方々にも浸透していくんだろうな、と思いました。
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