「ミルトーク」案内文より
今回は、「鑑賞ツアー」でもなく「創作ワークショップ」でもなく、「鑑賞ワークショップ」を行います。
鑑賞ワークショップでは、言葉で鑑賞するってどんなことだろう?と考えたり話しをしたりするイベントです。
今回は「ミルトーク」という、カフェフィロさんのイベントに寄せてもらいます。たまには、椅子に座ってお茶を飲みながら、ゆっくり作品を味わいましょう。
ミュージアム・アクセス・ビュー×カフェフィロ特別企画
絵を見る、話す、考える 鑑賞ワークショップ 「ミルトーク」
鑑賞作品:中井幸子「One-Where are you?」シリーズのなかの一作品
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── あべこずえ報告 ──
「ミルトーク」が終わりました。
風も吹き、雨も降るややこしい中、27名の参加がありました。
内、見えない人見えにくい人は、5名で、ビューに来て下さったことがある人は全体の半分ぐらい、
あとは、共催のカフェフィロさんや、作家の中井幸子さんの知合いでした。
まず、構図も含め、絵に何が描かれているかを1時間。
私には、絶対に「道」の絵にしか見えなかった作品が、他の人には、「川」に見えたり、
「白浜」に見えたり、上空や宇宙から地球を見た「砂漠」に見えたり、はたまた、
船の看板から見た「波の後」だったり・・・。
人の意見を聞と案外簡単に、作品を見る目線が、手前から奥、その逆、右から左と、
がらりがらりと変わり、そこに流れる時間軸も変わり、空気感も変わり、作品の意味が
異なって感じられました。
シンプルな構図の作品。なのに、捉え方は、こんなにも違う。と、驚きの1時間。
休憩をはさみ、じゃぁ、この作品からどう印象を受けるか、音や匂いはするのか、
そして、自分はこの作品にいるのか、どの辺りにどのように立っているのか、
などという話しをしました。
共通していたのは、賑やかな音がしなかったり、どこかぼんやりしたり、そして、
作品の中にいる自分は必ず「1人」だったということ。
目に見えるものが道だったり川だったりと全然ちがったのに、描かれていないはずの自分や、
その印象が共通しているのが、とても興味深かったです。
見えない人も受けた印象はばらばらだった様子。1人だけ混乱に陥っている人もいました・・(笑)
時間は、ここまで。あっという間の2時間。
もう少し時間があったら、あまり発言しなかった人たちの意見ももっともっと聞いて
みたかったと思いました。
今回、初めて参加させてもらった「ミルトーク」。
後で聞いてみると、本来のミルトークはさらにもっとつっこんで、作品を言葉で読み解く
努力をしていくのだとか。
みんなが共通して感じた印象は、作品のどこの部分がそうさせるのか、
とか、例えば、「なつかしい」と感じるのは、本当にこの作品を見た印象に当てはまっているのか、
というのを追求していくそうです。ねくら〜。
カフェフィロさんによるとそんなマニアックな作業こそ、ミルトークの醍醐味だったそうです!
見えない人と一緒に、そこまで行きたいと思うのは、私だけ? まぁ、ちょっと恐ろしい気もしますが。
しかしとりあえず、あぁ、面白かった、また次したい! と確実に思いました。
参加いただいたみなさん、協力していただいたみなみなさん、どうもありがとうございました。
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