#20 濾過>水替えを減らす濾過方式の理論 可良時寿子 動物&植物SIG FORUM8 #4278 93/6/7 より転載 可良時寿子 ID:KBB53931 RE:#4279 質問>ほんまかいな そうかいな..聖闘士星天 | 硝酸塩はバクテリアが分解して | 硝酸に、そして最終的には窒素ガスに変化してなくなるって | いうことを言っている人がいたのですが、 | これって本当なんでしょうか? ちょっと違うけど、だいたい本当です。 普通、我々が使っている生物濾過は、好気性濾過バクテリアの働きを利用しま すが、この場合魚の排泄物は、アンモニア --> 亜硝酸 --> 硝酸塩、と言う濾過 過程を通り、硝酸塩が最終的な生産物となり、これを水草に吸収させたり、水替 えによって水槽の外に捨てます。 ここに嫌気性バクテリアを利用したフィルタを併用すると、硝酸塩が還元され て、硝酸 --> 亜硝酸 --> チッソガス+水、と言う過程でチッソガスにまで分解 され、理論の上では水替え不要のフィルターが出来上がる事になります。 この嫌気性フィルターそのものは特別なフィルターではなく、外部の空気を巻 き込まない構造で有りさえすれば良いので、普通のパワー・フィルターをそのま ま利用する事が可能です。 ただ、使い方が難しい。 水中に酸素が多量に溶け込んでいる状態では嫌気性フィルタとして性能を発揮 できないので、普通の好気性バクテリアを利用するパワー・フィルターの吐き出 し部の酸素が殆ど使い尽くされた部分から分流し、僅かずつ水を流します。 感覚的に言えば、ポタリ、ポタリと言う程度の量速です。 こうすれば、理論の上では水替え不要の水槽が出来上がるはずですが、実際に は外部から与えられる餌によって、ミネラル分のバランスが崩れるので全く水替 え不要とする事は出来ませんが、好気性フィルターだけに比べると水替えの量を 相当減らす事が出来ます。 この技術は、硬度が高く、水道の水を直接水替えに使うと却って魚が体調を崩 すというドイツ等では、水替えに使う水は前もって硬度低下処理をする必要があ り、水替え自体の手間とコストが大変だというところで、いかにして水替えの頻 度を減らすかと言う目的で研究された物です。 わが国の場合、水道の水質の悪化が進行しているといっても、簡単な前処理だ けで水替え用の水の確保が出来るわけですから、こんな難しい方式を取り入れる 必要が有るかどうか疑問に思っています。 ASCII/net55370 NIFTY/NCC02701 PCVAN/KBB53931 Oo。(^。^)y-゚゚゚ 可良時寿子