#54 熱帯魚辞典>(14) 《り、る、れ、ろ、わ》 可良時寿子 可良時寿子 ID:KBB53931 【リシア】 わが国にも、水田などに自生している、ウキゴケ科の苔で、和名をカズノ ゴケと言う。 学名は Ricia fluitans。 ライトグリーンの美しい苔であるが、浮き草であり、そのままでは、水中 に沈まない。 流木とか石に着けて沈めると、横に広がり、綺麗な塊を作る。 【リスノシッポ】 茎の先端部の葉が赤味を帯びる水草 Rotala wallichii。 垂直に立った茎の周辺に松葉の様な細い葉が密に付く。 カボンバと同じく、夜は葉を閉じて眠る。 弱酸性の軟水を要求するとともに、強い照明が必要な、ちょっと育てるの が難しい、有茎植物。 【リフィッシュ】 イカリムシ、チョウ等、魚の体表に寄生する、寄生虫を殺す薬。 28℃以上の高温、或いは、pHの高いアルカリ性の水の中では、分解が 早い。 リフィッシュを買ってきていざ使おうとして、説明書を読むと一瞬ギョッ とする。 『28℃以上で使用しないで下さい』までは良いが、その後に、『熱帯魚 には使用しないで下さい』と書かれている。 金魚や鯉に使う場合は、説明書通りの、水30リッターあたり0.5grを 使えるが、熱帯魚に使用する場合は、使用量を少なくする必要がある。 熱帯魚の寄生虫を殺すときは、水200リッターに対して、リフィッシュ 0.5grを投与し、24時間後に50%の水替えをする。 経験的には、水200リッターあたり、0.7grまでは魚に障害が出ない といえるが、これ以上の濃度になると安全を保証できない。 イカリムシを殺す場合は、卵に対しては効かないので、1週間の間隔で、 2回以上、処理する必要がある。 ディスカスのヘキサミタ症にも有効であるが、ディスカスの場合は、この 薬を与えると、体色のブルーの部分が緑色を帯びた銀色に変色するという、 副作用があり、この場合、1週間ほどで元の体色に戻る。 強力な殺虫剤であるから、魚に与える危険性も高く、与え過ぎは不幸な結 果を招くので、正確な計量を要求される。 ★参照 → イカリムシ、チョウ。 【緑藻】 水槽のガラス面などに付着する、緑色のコケ。 苔では無く、実は藻類。 照明が明るい時に、発生する藻類。 魚には、無害である。 光線が強いと、この緑藻が発生し、弱いと、茶色の珪藻が発生する。 水草の葉に着くと、光合成を妨げ、水草を枯らす。 アルジ・イータまたは、プレコを入れて置くと、2〜3日で、綺麗に食べ てくれるので、対策は簡単である。 ★参照 → コケ、プレコ。 【燐酸】 比重1.65位の重たい、酸性の液体 = H3PO4。 水槽のpHを下げる必要がある時に、使用する。 原液をいきなり水槽に入れると、拡散する前に、濃度の濃い部分に魚が泳 いできた時に、火傷をする危険があるので、あらかじめ20%位の水溶液を 作って置き、これをビューレットで少し加え、5分ほど置いて拡散した後、 pHを計り、更に加えるという方法で、時間をかけてpH調整をする。 燐酸自身には、バッファ(緩衝)効果が殆どなく、水の汚れとともに、 pHが変動し、一見使い難そうに見えるが、水質の変動を監視し易いので、 燐酸ナトリゥムを使うよりも、失敗する危険性が少ない。 なお、水槽の中に水草が沢山植わって居ると、燐酸は水草の肥料として、 吸収されるので、pHは一定せず、こまめな調整作業が必要となる。 ★参照 → ペーハー。 【燐酸ナトリゥム】 魚を飼育する水のpH調整の為に、燐酸ナトリゥムが使われる事もある。 燐酸ナトリゥムは、燐酸 = H3PO4 に、水酸ナトリゥム(苛性ソーダ) = NaOHを反応させて得られる塩(えん)で、一口に燐酸ナトリゥムと 言っても、第一燐酸ナトリゥム、第二燐酸ナトリゥム、第三燐酸ナトリゥム が有り、何れも白色の粉末状結晶である。 第一燐酸ナトリゥム = NaH2PO4・H2Oの水溶液は、弱酸性の緩衝 (バッファ)作用を持ち、燐酸二水素ナトリゥムとも呼ばれ、水溶液のpH は4〜4.5となる。 第二燐酸ナトリゥム = Na2HPO4・nH2O(n=2,7,12)の水溶液は、 弱アルカリ性のバッファ作用を持ち、燐酸水素二ナトリゥムとも呼ばれ、水 溶液のpHは9〜9.4となる。 第三燐酸ナトリゥム = Na3PO4・nH2O(n=0.4,6,8,12)はオルト燐 酸ナトリゥムとも呼ばれ、水溶液のpHは11位の強アルカリ性を示す。 このうち、観賞魚の水質調整には、第一燐酸ナトリゥムと第二燐酸ナト リゥムが目的に応じて使われる。 また、pHを一定に保つという、市販のpHロック剤は、この第一燐酸 ナトリゥムと、第二燐酸ナトリゥムを適当な比率で混合した物である。 ★参照 → ペーハー、pHロック。 【劣性】 対立する二つの形質が、子孫に伝えられたとき、遺伝子は伝わったにも関 わらず、子孫の個体の、表現形に現れない形質を劣性という。 逆に、表現形に現れる形質を優性という。 生物としての、劣った性質という意味ではない。 ★参照 → 遺伝、優性。 【レッド・アロワナ】 アジア・アロワナの赤味が強い個体をレッド・アロワナと呼ぶが、学名は グリーン・アロワナと同じ Scleropages formosus。 本当の『レッド』と言うのは、オレンジ・アロワナ依りももっと赤味の強 い者を指すが、わが国では、従来、殆ど赤味の無い、ゴールデン・タイプを 『レッド・アロワナ』と称しており、2〜3段階も、飛び越したような、名 前のインフレが罷り通っている。 わが国の、御稲荷さんに相当するような、華僑の信仰対象。 ★参照 → アロワナ 【レッド・オスカー】 アストロノータス・オセレィタスの黒い模様が少なく、全身がオレンジ色 をした変異種を、固定したもの。 以前は、ゴールデン、アストロノータスと呼ばれていた。 ★参照 → アストロノータス・オセレィタス。 【レッド・ソード】 ソード・テイルと言う卵胎生目高は、メキシコを初めとする中米各所に居 るが、この中には、体色が黄色味を帯びた、ゴールデン・タイプと言うのは 居ても、体色が赤いレッド・ソードと言うのは、絶対にいない。 レッド・ソードと言うのは、ソード・テールのゴールデン・タイプとプラ ティの改良種であるレッド・プラティを掛け合わせ、異種間の混血児(キメ ラ)として人工的に作り出されたもので、自然界には存在しない種である。 ★参照 → プラティ、ソード・テール。 【レッド・テール・キャット】 南米アマゾン産の夜行性中型ナマズ = Phractocepharus hemiliopterus。 名前の由来は、尾鰭が赤味を帯びている事に依るが、レッドと言うより は、薄いオレンジ色をしている。 背中は黒く、腹は白い。 人にも良く懐き、可愛いが、大食漢で、無制限に餌を食べ、挙げ句の果て には、食いすぎた餌を吐き出して、水がいっぺんに腐るという、何を考えて いるのか分からない、食欲の塊のような魚。 可愛さに釣られて、うっかりと飼うと、後で餌代に泣かされる事、間違い 無し。 ★参照 → キャット・フィッシュ 【レッド・プラティ】 プラティ = Xiphophorus maculatus の黄色いタイプから、選別と、淘汰 を繰り返して作出された、改良種。 黄色いタイプの原種のソード・テールと掛け合わせて、レッドソードを作 り出す元になった。 ★参照 → プラティ、レッド・ソード。 【レッド・ラムション】 巻貝の名前であるが、正しくは、レッド・ラムズ・ホーンと言うべきもの が、誤って発音されて、広まった。 そう言えば、サボテンの世界でも、全体が綿のような、白く柔らかい毛で 覆われた柱サボテンの一種 Super Bar が、輸入業者に依って、「スーペル ベル」と発音され、カタログにもそう印刷された為に、そのまま広まって、 定着して仕舞った例もある。 趣味の世界には、この手の、教養の無い業者の間違いが、そのまま定着す る例が、少なくない。 ドイツ・ターコイス・ディスカスの Flachig (フレーキヒ = 本来、平ら なとか広がったとか言う意味)を、フラッシュ(Flash = 光輝く)と読んだ 例もあるが、こう成ると、善意に解釈すれば、あわ良くば、マニアに都合の 良い誤解を与えて、悪意が有ると解釈すれば、騙してやろうと言う、意図的 な誤読の疑いがある。 ★参照 → レッド・ラムズ・ホーン。 【レッド・ラムズ・ホーン】 Red Ram's Horn。 赤味を帯びた、羊のツノの様な形の、巻貝で、水槽のガラス面に付いたコ ケを良く食べてくれる。 見た目にも美しいので、水槽にいれて置くと、コケ退治をしてくれると言 う便利な物であるが、柔らかい水草の葉は、穴を開けられる。 昔から、「レッド・ラムション」と、間違った名前で呼ばれている。 最近では、カワニナの代用にして、蛍の幼虫を育てるための貝としても注 目されている。 【レッド・リーフ・バコバ】 オレンジ色の綺麗な水草 = Rotala macrandra。 赤い色の有茎植物であるから、育成は少し難しいところがあるが、それで も育て易い方に属する。 弱酸性の、軟水が必要で、濾材に貝殻などが混じっていると、うまく育た ない。 値段は廉い。 【レッド・ロイヤル・ブルー・ディスカス】 タイ国のブリーダが作出した、ディスカスの改良種で、R.R.Bと略さ れる時もある。 時には、もっと省略されて、「レッド・ロイヤル」等と、現物を知らない 人が聞くと、いかにも、真っ赤な魚であるかの如き、不正確な表現を、され る場合もある。 ブルー・ディスカス = Symphysodon aequifaciata Haraldi の、体表全体 に、ブルーのラインが入った物を、特にロイヤル・ブルー・ディスカスと呼 ぶが、これを選抜淘汰した物で、現在世界中に出回っている、数有る改良 ディスカスの中では、唯一、ワットレィのターコイス・ディスカスの血を引 いていない物。 名前の頭にある、レッドと言うのは、ディスカスの黒っぽいブラウンの地 肌の色が明るいオレンジ色に変化している事を示すが、実はこのオレンジ色 は、バンコクの業者が、ディスカスの餌として、オニテナガエビの体内卵を 与えた為に、カロチノイドが蓄積した結果、赤味を帯びていることに由来す る。 この赤味は、魚本来の色ではなく、一時的な物であり、購入して数カ月も 飼育すると、赤味が消え普通の「ロイヤル・ブルー・ディスカス」になる。 尤も、この「レッド」と言う形容詞は、わが国の輸入業者を通じて、アマ チュアの無知に付け込み、一般化しただけで、バンコクのブリーダ自身は、 単に、「ロイヤル・ブルー・ディスカス」と呼び、餌による一時的な色揚げ と、遺伝子による系統本来の色彩を区別して居る。 ターコイス・ディスカスよりも、値段が廉く、改良ディスカスの普及に貢 献したが、ホルモンを使った、色揚げの元祖であり、ディスカスの世界に、 ドーピングと言う、悪い習慣を持ち込み、広げて仕舞ったと言う、経歴を持 つ。 最近は、ターコイス・ディスカスの人気に押され、儲けを確保する為に、 ブルーのラインを太くして、よりベタ青に近づけるため、ターコイス・ディ スカスとの交雑が進んでいる様で、このままでは、ターコイス・ディスカス の血を引かない、唯一の貴重な系統が、失われるのかも知れない。 ★参照 → ドーピング。 【ロイヤル・グリーン・ディスカス】 グリーン・ディスカス Symphysodon aequifaciata aequifaciata の個体 変異で、全身にグリーンのラインが入り、特に美しい物に、ロイヤルと言う 形容詞を付けて呼ぶ。 ワットレィに依る、ターコイス・ディスカス作出の元になった。 ★参照 → ターコイス・ディスカス。 【ロイヤル・ナイフ】 タイに棲む、ナマズの一種。 僅か一年の間に、超高級魚から、駄魚まで一気に評価が転落し、この魚に 恨みを持つ、自称「怪魚ファン」は多いはず。 ナイフ・フィッシュと言えば、ナイフのような形をした、銀色の体表の後 ろの部分に、黒いスポット模様が並ぶが、これは、スポット模様がつながっ てライン状に成ったと言う、模様違いの変異種である。 86年に初めて入荷したとき、「カンボジア国境の、戦場地帯で、鉄砲の 弾の下をくぐって捕ってきた」と言う触れ込みで、1匹40万円という値段 が付き、第2便が入荷すると、半額になった。 希少種の筈が、売れるとなると、ドンドン入荷し、その度に値段は半額に なり、最後には、タイのマーケットでタライに入れて、大衆的な食用魚とし て、大量に販売されていることが分かり、1匹5000円まで下がるのに、 1年と掛からなかった。 魚のことはたいして分からないが、金にあかせて、珍しい魚を集めて自慢 をしたい、成金の、にわかマニアに買われた。 初めは、これを飼っていると言うと、ハナ高々で自慢でき、羨望の眼差し を集めたのに、1年もしないうちに、これを飼育していると分かれば、軽蔑 の眼差して見られる様に成ったと言う、評価の激変した魚の代表。 商売の下手なショップも、これを仕入れて、売り惜しんでいると、1カ月 もしないうちに、売値の相場が仕入れ値よりも下がり、損をしたショップは 多い。 【ロイヤル・ブルー・ディスカス】 ブルー・ディスカス Symphysodon aequifaciata Haraldi の個体変異で、 全身にブルーのラインが入り、特に美しい物を、ロイヤルと言う形容詞を付 けて呼ぶ。 これは、原種であり、バンコクのブリーダが、選別淘汰の上固定した改良 種『ロイヤル・ブルー・ディスカス』(わが国では、その頭に、更にレッド と言う形容詞が付けられている)とは、別物。 ★参照 → レッド・ロイヤル・ブルー・ディスカス。 【ロイヤル・プレコ】 背中全体が白と黒の縦縞で覆われる、大型のプレコストム。 学名は、Panaque niglolineatus。 サイズは30cm以上になる。 プレコと言っても、コケは余り食わない。 【濾過装置】 魚を、天然の河川や湖の状態とは、桁違いの過密さで、飼育していると、 やがて水が汚れてくるので、長期に魚の健康を維持するためには、水質の悪 化を防ぐ、濾過装置が必要となる。 水を綺麗にすると言う方法は、その動作形態から言うと、化学的濾過、物 理的濾過、生物的濾過の三つの方式がある。 化学的濾過と言うのは、アンモニア(魚の排泄物)に強力な酸化作用を有 するオゾン = O3 等を作用させ、一気に窒素ガスと水に分解したり、カル シゥムやその他の金属イオンを、イオン交換樹脂を使って無害なナトリゥム に置き換えるなど、化学反応を利用して、水を浄化する方法である。 物理的濾過と言うのは、私たちの目に見えるゴミを細かい網などに『物理 的に』引っかけて、見た目に綺麗な、澄んだ水を作る方法であり、市販され ている熱帯魚用のフィルターは、この機能と、次に述べる生物濾過の機能を 兼ねた物が多い。 生物濾過と言うのは、バクテリア(微生物)の力を借りて、魚にとって有 害な物質を、無害な、或いは、より害が少ない物質に変化させるのもので、 私たちが、熱帯魚を飼育する時の、フィルターに期待される、最も重要な役 割である。 ニトロ・ソモナスと、ニトロ・バクターと言う二種類の好気性バクテリア の連携作業によって、毒性の強いアンモニアは、毒性の弱い硝酸に転換され るが、最終的には、水替えに依って、硝酸を水槽の外に捨てる必要がある。 実際の水槽に設置する濾過装置を、設置形態から分類すると、水槽の中に 設置する内部濾過装置と、外部に設置する外部濾過装置に分かれる。 内部濾過と言うのは、水槽内部の側面に取り付けたり、底面に設置する方 式で、水槽の外部にスペースを必要としないので、コンパクトに設置できる 代わり、魚を飼育するスペースは狭くなり、また、掃除がし難いという欠点 があるが、価格の廉い物が多いので、手軽に利用できる。 外部式は、濾過装置本体を水槽の外に設置するので、水槽の中がスッキリ し、魚を飼育するスペースを犠牲にしない代わり、外部に余分の設置空間が 必要になる。 外部濾過装置には、水槽の上に乗せる「上部濾過装置」、メイン水槽の下 に設置する「オーバ・フロー式」、ホースを引いて任意の場所に設置する 「密閉式」等があり、何れも濾材を多く使えるので、強力な濾過効果を期待 できるとともに、濾剤の掃除がやり易いという利点がある。 ★参照 → 化学濾過、物理濾過、生物濾過。 【ロゼット】 水草などの葉の付き方で、茎を伸ばさず、根茎の一カ所から、放射状に葉 を出す、茂り方。 【ロタラ・ハイグロ】 東南アジアの水草 = Rotala rotundifolia。 わが国にも、九州以南に自生し、和名は、ミナミキカシグサ。 自生状態では、抽水性、つまり、草の上部を水面上に出しているが、水中 でも良く育つ。 有茎植物の中では、最も育て易い部類に属し、値段も廉い。 葉の色は、黄色味を帯びた、明るい色で、長く育てていると、少し赤味を 帯びてくる。 【ロート・ターキス】 英語で言えば、レッド・ターコイス・ディスカス。 ターコイス・ディスカスと言えば、わが国では、全身がベタ青になる、ソ リッド・ブルーとか、フル・ボディタイプの個体が持てはやされたが、ドイ ツでは、地肌が赤味の強い煉瓦色になり、その上に太いブルーのストライプ が走る模様を持つ、ストライプ系のターコイスの作出が、品種改良の一つの 目標にされ、特に、シュミット・フォッケ氏に依って、長年努力を重ねられ た。 処で、最近わが国のショップで、やたらとシュミット・フォッケの ロート・ターキス、なる物が販売されて居る、広告を目にする。 これらの現物を見ると、随分と質の悪い物ばかりで、ちょっとディスカス を見る目を持っている人が見れば、「お金を払う価値がない」と感ずる様な 粗悪な物ばかりであるが、これらは殆ど、偽ブランドの疑いがある。 シュミット・フォッケ氏は、最近体を悪くし、入院中に、娘さんが水替え に失敗した為に、極一部の種親を残して、殆どの魚を死なせてしまった。 辛うじて、系統を絶やす事は防げた物の、ブリーディングは全く行ってい ないのであるから、正統なシュミット・フォッケのロート・ターキスと言う のは、現在、市場に出回る筈が無いのである。 【ワシントン条約】 CITESの俗称。 1973年、ワシントン会議で、CITESが採択されたので、わが国で は、何かアメリカがゴリ押しをした様な印象を与える、この俗称で呼ばれる 事が多い。 ★参照 → サイテス。 【ワットレィ=J.Wattley】 フロリダ在住の、ディスカス・ブリーダー。 世界で初めて、未だ、他の人がディスカスを生かしておくだけでも大変と いう時代に、繁殖に成功しただけでなく、ディスカスの品種改良に成功し、 ターコイスと名付けた。 このターコイス・ディスカスは、ドイツ、香港などのターコイス・ディス カスの全ての基礎となり、バンコクのR.R.B以外の改良ディスカスは例 外無く、ワットレィ・ターコイスの血を引いている。 また、魚に与える清潔な餌として、牛の心臓を主成分とした、ターコイ ス・ハンバーグを開発した。 更に、ディスカスの仔魚は親の体をかじら無いと生きて行けず、子育てを する親の姿は感動ものであるが、子育ての下手な親では、繁殖できないと言 う障害を乗り切るために、3時間置きに、バットの周辺に鶏卵の黄身を塗り 付けるという、半人工繁殖法を開発し、親の子育てに依存しない、ディスカ スの大量生産に道を開いた。 ★参照 → ターコイス、ターコイス・ディスカス。 熱帯魚辞典 第2版 終わり ------------------------------------------------------------------------ ◆History 1990.08 PCVAN-JDO,TWIN-NET に第1版、書き込み。 1992.11 NIFTY-FAQUA,ASCII-Tropic.Fish に第2版、書き込み。 ◆意見、質問等。 本文に関する意見、質問等は、他の会員の参考にするためにも、個人宛てメー ルでは無く、ボード上でお願いします。 ◆本著作の転載。 印刷物の配布は自由。 有料NETを除き、他のNETに、転載自由。 但し、原文を変更しない事。 1992年11月 ASCII/net55370 NIFTY/NCC02701 PCVAN/KBB53931 Oo。(^。^)y-゚゚゚ 可良時寿子 ------------------------------------------------------------------------