#69 実験>「バクテリアの素」使用、高水温(37度)濾過立ち上げ報告。
豊雪 ID:EDM70203  95/ 1/17 #599 熱帯魚☆倶楽部


  「バクテリアの素」を使用し、新設の水槽の濾過バクテリアを増殖した結果を報告
 します。

  今回のバクテリア増殖の、最大の特徴は、水温です。最初の1時間37度に保ち、
 その後、25度にセットし、1日放置しました。

  37度にセットした根拠は、バクテリアの繁殖に最も適した温度と言われている
 からです。25度あたりに比べ、増殖スピードが一桁違うと言われいます。

  結論から言って、1日で飼育が可能な環境が整ったように思えます。


  ●セット時のデータです。

   ・水質 汽水 1/4濃度海水(たまたま、飼育魚が汽水系であっただけ
                 で他意はありません。)
   ・温度 最初の1時間37度、その後25度にセット、そのまま1日放置
   ・バクテリアの餌 アンモニア水 濃度1.5mg/L 添加(魚に危険な状態)
   ・バクテリアの素 バイオカルチャー2000 淡水・海水両用(規定量100Lに10cc)
   ・濾過装置  上部濾過層のみ
   ・濾 材   シポラクス 1L
          パワーハウス 1L
          珊瑚砂 2L
          ウールマット2枚重ね

   ・底 砂   1cm厚 中性・園芸用
   ・その他   飾り珊瑚×1・フジツボ×1・流木×1・岩×2

  ●水質検査の測定は、テトラ水質テストキット使用。

  テトラ社が各濃度に対し、記している解説は下記のとおりです。

  アンモニア濃度    ・0.00mg/l    理想的な水質。
                      ・0.25mg/l    長期的には魚に有害。
                      ・1.5mg/l     魚に危険な状態。
                      ・5mg/l      ほとんどの魚が死ぬ。

  亜硝酸濃度        ・0.1mg/l以下 理想的な水質。
                      ・0.15mg/l   まだ許容できる状態。
                      ・0.25mg/l   水質に問題あり。
                      ・0.5mg/l    海水魚に危険、淡水魚にも長期的には、
                                   有害。
                      ・1mg/l以上  ほとんどの魚にとって非常に危険

  硝酸塩濃度        ・0.00mg/l    大変きれいな水
                      ・12.5mg/l    きれいな水
                      ・25mg/l      一部の水替え必要
                      ・50mg/l      水替えが必要
                      ・100mg/l     全部の水替え必要

  測定結果をある程度ビジュアル化したつもりです。しかし、文字テキスト
 故、制限がありますので、あくまでもイメージとして捕らえてください。
  ついでに、も一つ言い訳です。測定結果では、各濃度のアップダウンが、
 デジタル的に変化していますが、実際の変化は、大半がアナログ的です。
 これは、テトラの比色のランクに依存した結果です。

  ●セット時の水質データ。 一段目がセット時のデータです。亜硝酸、
      硝酸塩とも最低値ですが、アンモニアだけは、1,5mg/l を示してい
      ます。これは、アンモニア滴下により水中のアンモニア濃度を上げ
      ているためです。目的は、バクテリアの餌にしたためです。しかし、ヒ
      ロちゃんのお話では、「バクテリアの素」には、餌もセットされている
      ので、餌は不要ではないか、とのお話でした。


  略 NH3(アンモニア) NO2(亜硝酸) NO3(硝酸塩)
  ==+=====+==================================================
 日|項 目|        測  定  結  果(単位 mg/L)
 --+-----+---------+---------+---------+---------+---------+
  S| NH3 |ロロロロロロロロロロロロロロロ 1.5
  E| NO2 |ロ 0.1                             38゚C 1HSet〜
  T| NO3 |0.00
 --+-----+---------+---------+---------+---------+---------+
   | NH3 |ロロロロロロロロロロロロロロロ 1.5
  1| NO2 |ロ 0.1                             25゚C
   | NO3 |0.00
 --+-----+---------+---------+---------+---------+---------+
   | NH3 |ロロロ 0.25
  2| NO2 |ロ 0.1
   | NO3 |ロロロロロロロロロロロロロ 12.5
 --+-----+---------+---------+---------+---------+---------+
  3| NH3 |0.00
  :| NO2 |ロ 0.1
  4| NO3 |ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ 25.0
 --+-----+---------+---------+---------+---------+---------+
   | NH3 |0.00
  5| NO2 |ロ 0.1
   | NO3 |ロロロロロロロロロロロロロ 12.5
 --+-----+---------+---------+---------+---------+---------+
  6| NH3 |ロロロ 0.25
   | NO2 |ロ 0.1
 10| NO3 |ロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ 25.0
 --+-----+---------+---------+---------+---------+---------+
 11| NH3 |0.00
  :| NO2 |ロ 0.1
 12| NO3 |ロロロロロロロロロロロロロ 12.5
 --+-----+---------+---------+---------+---------+---------+
 13| NH3 |0.00
  :| NO2 |ロ 0.1
 20| NO3 |0.00
 --+-----+---------+---------+---------+---------+---------+
  以上、20日間経過のデータです。

  セットしてから、1日目の測定でアンモニア濃度が、数値的には下がって
 いませんが、見た目では、ほとんど 0.00mg/l に近い比色を示していたので、
 飼育魚を移し、飼育しながらの観察です。参考までに飼育魚を記します。

        ミドリフグ    4匹 (体長約5cm)
        ハチノジフグ   4匹 (体長約5cm)
        アーチャーフィッシュ 2匹 (体長約6cm)
        モノダクティルス  1匹 (体長約8cm)

  濾過が完成したかどうか、今暫く観察していかなければなりませんが、少
 なくとも、「私の所では」飼育しながら、濾過を完成させていくための環境
 だけは、1日で整ったのではないでしょうか?

  しかし、全国どこでも同じ結果になるのか疑問です。その地の環境を考慮
 しなければと思います。気象条件、生息するバクテリア、水質などなど。で
 すから、この結果だけで、全国どの地でも、即、飼育の環境が出来上がるか
 分かりません。ですから、こまめに水質データを取りながら、と言うのが安
 全かと思います。

  それと、飼育魚は、とにかく最初は少な目にして様子を見るのが、最も肝
 心なことと思います。これは、ベテラン諸兄(姉)には、言うに及びません
 が、糞や残り餌から変化するアンモニア量が、バクテリアの処理できる能力以上
 になると、処理しきれなかったアンモニアが蓄積され、濃度が高まり、魚を
 危険にするからです。

  今回は、バクテリアが育ちにくい海水系での試みでした。淡水なら、さらに条
 件が良いと思います。

  以上、20日間のデータです。何がしかの参考になればと報告します。


------------------------------ 付 録 --------------------------------

  余談ですが、37度に保つヒーターのセット方法も述べておきます。

  最初に、水槽に水温37度の水を注ぎます。しっかりした温度計で正確に計
 ります。

  1.電子式サーモの場合。

    大概の製品が、温度調整28度〜32度くらいでストップするようになっ
    ています。

    そこで、ボリュームつまみを抜けないように引っ張り上げながら、ス
    トップ位置を越して右に回る場所を見つけて下さい。

    これで、40度くらいまで水温を上げられる様になります。
    温度センサーとヒーターをセットし、ボリューム最大位置(右回り一
    杯)にします。

    ここで、ヒーターのONを示すランプの点灯を確認しながら、徐々に
    ボリュームを下げてきます。ランプが消えた位置が37度です。

    ボリュームつまみが、回り易くなっていますから、セロテープなどで
    仮止めして下さい。

  2.バイメタル式サーモの場合。

    ヒーターとセンサーを水槽に入れ通電します。

    温度調整のつまみを右に回していき、ネオンランプの点灯を確認しま
    す。点灯しても、さらに、少しだけ右に回します。そこから、徐々に
    左に回し、ネオンランプが消えたところが37度です。

    こちらは、仮止めの心配はありません。


                             以上  豊雪

 ---PC-VAN(EDM70203)-from SHIZUOKA by HOUSETSU--17 Jan.1995(01:03)---