#71 水草>初めての水草水槽(立ち上げ編)その5〜8 ヒロちゃん ヒロちゃん ID:CABOMBA 95/5/6 #277〜#280 水草水槽 4.水草の植え込みの前に 水槽をセットしたら、即水草を植えたいという気持ちも沢山 あると思います。 しかし、私の経験では、新しいフィルターをセットした水槽 では、水そのものがかなり不安定な状態になり、折角良い水草 を植えても、その水質では水草が成長出来ずに、10日程で苔 まみれとなってしまいました。 これは、その地域の水質によっても異なるものと思いますが、 水道から水草が順調に成長できる安定水質を得られるのは、1 週間ほど掛かるものと思われます。 私は、その目安になるものとして総硬度を測っていますが、 その硬度によっても、すぐ使える水と、少し置かなければ使え ない水とあります。 総硬度が3程度の水は、すぐ使っても問題無いようなのです が、5を超える水では数日置かないと水草の成長を阻害してい るようなのです。 そして5を超えた水でも、一週間程おくと硬度はそのままで も水草は成長するようです。(バクテリアの繁殖速度が原因な のか、硬度物質の一部が安定物質にかわるのか?) この現象に関しては、まだ、私も自信を持って言える範囲の 事では無いのですが、今回は初めて水草に挑戦する人を中心に 考えたいので、ここでは水槽をセット後1週間水草を植えるの を我慢して頂きたいと思います。 そして、もう一つ、もし、エアポンプとエアストーンを持っ ているなら、水草を植えるまでの期間エアレーションをしてお くと、もっと良い環境が出来上っている筈です。 内部フィルターで、エアーを取り込めるタイプの物であれば それを使っても良いですね。 5.水草を買いに行こう!! 水草を買いに行く前に、一週間という時間がありますから、 その間はジックリと水草のレイアウト集等を見て自分の水槽の イメージ作りをしっかりしておきましょう。 ショップに売っている水草の大半は、気中葉と言ってこれを 水中に植えてみると、時間が経つにつれ水中で生息できる為の 水中葉に代ります。 気中葉と水中葉の形状に殆ど違いの無いものであれば、良い のですが、恐ろしい程代ってしまい水草購入当初のイメージと は全く違った物になってしまいます。 これを頭に入れて、購入すると良いでしょう。 これ以外に注意する点としては、水草の鮮度というか活きの 良さです。 ショップに置いてある水草が水中葉になっていても、その中 でロクに成長していないような水草では、自分の水槽に持って きて植えても根を張るまでの体力が無かったりします。 水中葉で、しっかりしている水草ならベストですが、水中葉 でも成長不良な水草を購入するくらいなら、気中葉を購入すべ きです。 気中状態で栄養タップリ吸収したシャキシャキとした新鮮な 水草なら、多少水質の悪い水槽でも、その勢いだけで根を伸ば し、そして水中葉まで一気に行ってしまいます。 その間に、水質が完成してしまえば、その後も元気に成長し ます。 これにひきかえ水中葉では気中よりも条件が悪く、体力で比 較するなら、気中葉には大きくひけをとります。 CO2を添加して、水質をシッカリ把握しストックしている ショップでの水中葉の購入なら、それが絶対お奨めではありま すが、それ以外であれば気中葉の方が無難でしょう。 (ただ、水中葉を出しにくいオランダプラント等は、水中葉で 購入した方が良いですね。) 6.水草を植えよう 初めて水草を植える人が良くやる失敗は、水草を買って来た らそのまま何もせず水槽内に植え込んでしまう点です。 水草を奇麗に植えるには、それなりに前処理をシッカリ行な って植え込まなければなりません。 水草を植える際には、いくつかのポイントがあります。 特に、真ん中に茎があってそこから右左に葉の出ている有茎 類の水草を植える際には以下の基本を念頭に置くと、綺麗な植 え込みができます。(この反対にロゼットタイプと呼ばれるの は、根元から葉の出る水草を言います。) ・同じ水草は同じ場所(有茎類) 初めて水草を植える水槽で良く見掛けるのは、何本かの 水草を一本ずつ分けて水槽全体にバラバラに植える方法で す。 水草を乱雑に植えるのは、一見自然の様にも思えるので すが、自然の実際を見てみればわかるように、ある種の草 はその草である程度のかたまりを作っています。 そのかたまり単位で乱雑に植えるのであれば、自然な景 観を演出できますが、同じ水草を一本一本離して植えてい ると不自然な景観となってしまいます。 このため、ある程度ブロックの大きさを決めて、そのブ ロック単位に同じ水草を植えるようにします。 ・おなじ水草は同じ長さに揃える(有茎類) ブロックに同じ水草を植えるといっても、その高さがバ ラバラでは見栄えが悪くそして不自然さも残ります。 まず、水草を束ねている鉛をはずします。 ばらした水草の植え込む際の高さを決め、その高さに合 せて水草を切ります。 そして、下から一つめの節にある葉を取ります。 この前処理の後に植え込むと奇麗に出来ます。 ・不要な根は切る(ロゼットタイプ) ロゼットタイプの水草は茎が無い分、地下の根は太く長 く張りめぐらされています。 この根は、長すぎても植えにくいので、必要以上の根は 切り取って下さい。 ただし、クリプトコリネ類は、切りすぎると駄目になっ てしまうので、やりすぎないようにしてください。 逆にエキノドラス系は、植え替えの際に残っている根は 殆ど全てが腐ってしまうので、この種は出来るだけ切り取 ります。(植え込みの際、抜けない程度に) ・水草の長さは、手前に来るほど低めに(有茎類) 手前から奥に行くに従い、水草を高くしていくようにす ると奥の水草も見え、そして全体的に奥行きがつきます。 ブロック単位に水草の高さを合せますが、奥のブロック ほど高くするようにし、そして最大でも水槽の水深の3分 の2以下の高さに抑えてください。 水深一杯の高さにしてしまうと、水草が根を張り活性化 する前に早々とトリミングが必要になります。 以上、これらを基本として、あとは色々な工夫をしてみてく ださい。 また、植え込みでの実際ではピンセット等を使用するとうま く行きます。 そうそう、一つ言い忘れましたが、水草を植える時には水を 3分の1くらい出しておくと植えやすいですね。 後は、植え込みが終わったら、新しい水を足してください。 7.CO2システムのセッティング 水草を植え込んだらCO2システムをセッティングしてくだ さい。 CO2を自然に添加するタイプならCO2を溜めておく場所 をオーバーフローしない程度のスピードに調整します。 水流などを使って強制的に添加するシステムなら、60セン チ水槽では4ー6秒に一粒の泡が拡散器に入るように調整しま す。 そして、細かい気泡を出すタイプでは、一秒に1ー2泡でる 様に調整します。 8.蛍光燈の点灯 蛍光燈の点灯時間は、その水草によっても違いますが、私の 場合、セットした初日だけは24時間点けっぱなしにします。 これは、水草が同じ方向を早く向くようにするためです。 翌日からは、自分のペースに合った点灯時間にしますが、お おむね8から12時間程度点灯すれば良いと思います。 9.最初の苔問題 水草を植えても、うまく育たず葉の表面が黄色っぽくなって しまいに苔が出始める時は、水草の成長が再開されていない証 拠です。 これは水草の成長を阻害しない水質が出来上っていないか、 もともと水草が弱っていて、その成長に勢いが無く今暫く時間 を要する場合です。 この時は、下手に手を加えず様子を見るようにしてください。 成長しないからと言って、この時点で肥料などは決して入れ ないでください。 暫くして、まだ順調な成長を始めず、緑色の長い苔がもし出 だしたら、ほっとくわけには行かなくなります。 この場合には、蛍光燈を暫く消して様子をみます。 もし、あまりに酷くなる様でしたら、ヤマトヌマエビを10 尾程いれてみてください。 10.最初の肥料 水草が成長し始めたと言ってもスグ肥料を入れないで下さい。 肥料を入れるのは水草が最大限に活性してからでも遅くはあ りません。(ただし、中には最初から要るのもありますが、こ こでは例外として捉えていてください。) 最初に肥料をいれるタイミングは、苔の増加量が目安になり ます。 水草と苔の勢力争いというものは、天秤の様なものです。 苔に有利な環境とその活性状態が良い場合、少しの事で天秤 は苔有利の方にバタっと倒れ込みチョットやそっとでは、水草 有利の方にはヒックリかえりません。 逆に、水草有利な環境になれば、その反対で多少の事では苔 が繁殖する事ができません。 この水草有利な環境になって初めて肥料を添加出来るわけで す。 私はよく、コケ取りの為に入れたエビの為に餌としてわざわ ざ苔の塊をドッと水槽に入れるのですが、それでもこういった 環境ではこの苔は全く増殖できないんです。 つまり、苔が増殖する環境と水草が成長する環境とは違うも ので、この環境を実現する事が何よりも最重視する必要があり この環境で初めて肥料を使えるわけです。 11.換水 CO2を大量に添加している水槽では、換水の必要性が殆ど 無いのですが、時が経つにつれどうしても換水は必要になりま す。 換水の足りない水槽では、枯れ葉や濾過バクテリアの死骸な どからの生成物が水槽内に徐々に蓄積し、ある限度を超えると 別種のコケに都合の良い環境が出来上ってきます。 黒いヒゲの様な苔は、こういった環境を示すもので、これの 対策には定期的な換水が対策になります。 ただし、一つ気に掛けて頂きたいのは、その換水量なのです。 水草が最大限に活性している水槽では、大量換水後でも水質 が安定するまでの期間の体力は十分ありますから、それ程大き な問題では無いのですが、水草そのものの体力が今一つの場合 は、その水質によって換水量を制限すべきです。 この換水は、総硬度の高い水質程、敏感なものになるので、 総硬度が5を超える高い地域の人は、一度の換水量は20%未 満に抑えると良い結果が出るはずです。 逆に総硬度の低い地域では、多少の大量換水も問題は起こら ない様ですが、CO2を多目に添加している水槽では、週に一 度3分の1以上の換水はそれほどの意味は持たなく、全般的な 水質の安定度を考えても逆効果と言えます。 (もっとも、飼育している魚の尾数等からも換水量は影響しま すが) 私の所では普通の水槽で週に一度10%から20%を換水し、 水草の活性状態の良い水槽では月に一度50%換水しています。 また、水道水の総硬度が7を超えるような地域では、軟水器 を用いて総硬度を3程度に調整して換水をすると良い結果がで る様です。 ただし、総硬度を下げすぎてしまうと、水槽の水が白濁しや すくなるので、この点には注意してください。 12.魚を入れる 水草水槽が活性化してくると同時に、水槽内に生きる水中微 生物も活発になり、繁殖力が向上します。 これら水中微生物の天敵となる小型の魚を導入すれば更に水 質の向上につながります。 葉の表面に付く油虫の様な虫やミジンコなど、これらの天敵 となる魚はそれらを奇麗に食べつくし、そして水草の活性状態 を維持します。 魚を入れるタイミングは、水草が活性化してからですが、葉 の表面をなめるオトシンクルス等は早めに入れても良いと思い ます。 また、ヤマトヌマエビは、水槽の掃除屋として大変役に立つ のですが、水草の新芽、特にE.テネルス等は大好物なので、 それらの新芽が多少食べられても大丈夫な状態になるまでは、 入れない方が無難です。 小型魚は、水草の活性後入れますが、これらの中にも水草を 食い荒らすラミーノーズ等がいます。 これらの魚も、多少葉が食べられても大丈夫なタイミングで いれると良く、活性化した水草の小規模なトリミングをしてく れるので、意外に使い道があります。 60センチ水槽となると、エビ、オトシンクルスを各10尾、 その他の小型の魚は30尾程度までが、水草に悪影響を及ぼさ ない限度ではないかと思います。 13.魚に餌をやる 水草水槽での魚の餌の量は、あくまで「生かさず殺さず」を 念頭に制限してください。 テトラミンなど人工の飼料は、天然の物に比べると高タンパ クなので、魚に食べたいだけ食べさせているとアッと言う間に 肥満化してしまいます。 その上、水を汚してしまい、水草にとっても成長阻害されや すい大量換水を実施せざるをえなくなります。 また、魚は短期間に太らせて大きくすると、結局は寿命も短 く天寿を全うすることも出来ません。 私は120センチ水槽に小型魚を10尾程入れた水槽では、 全く餌を与えていませんが、それでもいつの間にか成長してし まいますから、水槽内で自然発生する天然の餌でも、ある程度 の飼料にはなるはずです。 飼料は、毎日続けて与えるよりも、週に2ー3日全く与えな い日を設けると、より水質の向上につながります。 つまり、濾過システムを休める(回復させる)という意味で す。 魚達は、餌を与えなくとも、水槽内に溜まっているゴミなど を適当にあさって、空腹をしのいでいますから、遠慮なく実施 してください。 冷たい様でも、結果的には魚と水草の健康につながるのです から。 * * * 以上、「初めての水草水槽1」立ち上げ編です。 今後の予定には、水草メンテや、水草毎の育成に関して等を 考えています。 (いつ頃になるかは期待しないでください。アハハ・・) PC-VAN CABOBA ヒロちゃん