#72 設備>緩速漉過法と急速漉過法 海水魚水槽メンバー
FORUM4 海水魚水槽 #458,#459,#460,#463,#464,#465,#468,#470,#473 95/7/6〜9
豊雪ID:EDM70203 けんID:TGB79218 ポンポコリンID:PEM57256
じろID:NEN78031
★最高の濾過>けんさん 豊雪
「緩速濾過法」が最高の濾過槽だと文献で見つけました。
いたって単純な濾過です。
一番上層部に1.5mm 程度の砂粒を90cmほど敷き詰め、中層部に次の大きさ
の砂粒、最下部にさらに、次の大きさの砂粒を敷き詰めただけの濾過槽です。
中層部と最下部の層の厚みは、両方で60cmほどです。
断って置きますが、これは、上水道などで実際に使用されてる濾過槽で、
とりあえず魚の水槽濾過ではありません。
この単純な濾過槽で、1日の濾過スピードを、濾過槽と同じ面積の水を
5〜6m程度のスピードで濾過する故、「緩速」濾過だと言うことです。
これだけで、アンモニアを硝酸に、マンガン、鉄、藻類、プランクトン
微少動物、はては合成洗剤のLASも取り除き、薬品なしで美味しい水を
作ることが出来るそうです。
ただし、この濾過の最大の弱点は、砂層の目詰まりだそうです。
そういえば、以前、上水道の濾過池に仕事で行ったとき、これと全く同じ
濾過を持つとこが有りまして、そこでは、複数の濾過池を用意して有り、目
詰まりを起こして来た濾過池を「逆洗」と言う方法で洗浄していました。
これは、普段濾過を行う水の流れとは逆の水流で、砂を洗うといってまし
た。
以上 豊雪
---PC-VAN(EDM70203)--from SHIZUOKA by HOUSETSU--06 Jul.1995(02:00)---
★緩速の濾過>豊雪さん。 ポンポコリン
| 一番上層部に1.5mm 程度の砂粒を90cmほど敷き詰め、中層部に次の大きさ
| の砂粒、最下部にさらに、次の大きさの砂粒を敷き詰めただけの濾過槽です。
との事ですが、質問です。次の大きさの砂粒とは大きくなっていく次ですか?それと
も小さくなっていく次ですか?
どちらにしても水の流れる方向は、大きな砂粒から小さな砂粒へ、ですか?それとも
その逆ですか?
なんだかとても興味があるもんで、、。
_________
/ ---ーノ
< ゜)___ コ
\ゝ_____ゝ
95年07月06日 木曜 21時00分 PEM57256 ポンポコリン
★緩速濾過>ポンポコリンさん 豊雪
表現が不明確でした。以下の通りです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
未処理の水
↓ ↓ ↓ ↓ 水の流れ ↓ ↓ ↓ ↓
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ↑
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 90cm
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ↓
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ↑
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60cm
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ↓
− − − − − − − − − − −
↓ ↓ ↓ ↓ 水の流れ ↓ ↓ ↓ ↓
処理された水
先のレスで、上水道の濾過池に行ったと述べましたが、そのとき、この最
も小さい粒の砂は、どんな砂かと訊ねたら、
「硅砂です」と答えが返って来ました。これは、もう、まったく。上部濾
過そのものだ! と思いました。
で、先日文献見てヽ、この濾過を「緩速」で濾過するのが、ポイントだと
記載されてるのを見て、魚の水槽の上部濾過槽の流量は多すぎるのではない
かと疑問に思うようになりました。
文献では、砂の層の合計が、1.5mほどになります。流量は1日 5〜6mとあ
りますから、6mの水量として、砂の厚みの4倍程度が適切な流量となるわけ
ですね。
これを全て上部濾過と水槽に置き換えますと(たぶん、理屈道理ではない
と思いますが)
60cmの標準水槽の高さが約35cmです。およそ(60L)
上部濾過の砂の厚みを15cm、面積を水槽の天井一杯にして、砂の厚みの4
倍、60cmの高さの水、すなわち、水槽の約1.7倍の水を1日の流量としたと
き、現在の一般的な上部濾過槽と、どちらが効率が良いのでしょう。
以上 豊雪
---PC-VAN(EDM70203)--from SHIZUOKA by HOUSETSU--06 Jul.1995(21:08)---
★Re#458>最高の濾過>緩速濾過>豊雪さん けん
おぉぉぉぉ!豊雪さん こんにちは!(^-^)/カイスイカイスイ
もう図書館に返してしまいましたが、こないだ僕が借りていた本に
もその緩速濾過は載っていました。やはり上水道関係のところで載っ
ていました。この濾過層はアンモニア除去には最適で、豊雪さんおっ
しゃるようにケイサ等の砂類、あと軽石なんかも利用すると有りまし
た。ちょうど上から濾過する水をシャワーみたいに散布すると酸素供
給に一役買い良いそうで、まさに上部濾過層がそうですね(^-^)。 欠
点としては砂のめずまりもそうですが、面白いところでは、濾過層内
でチョウバエ(蛾)が繁殖し、近所迷惑になるそうです(笑)。ま、
個人で作る分にはそんなことは起こらないと思いますが・・・(^^;)。
緩速の他に急速?!と言うのもありまして、もっと流速を早くする
方法も載っていました。どう違うかは・・・忘れちゃいました(^.^;。
二酸化マンガンやその他いろいろなものもとってくれるんですねw(゚o゚)w
きっと細かい砂が秘密なのかな?
濾過層の目詰まりに逆洗を利用するというのは昔親父に聞いた記憶
があります。親父曰く上から水を流入させるのとは逆にしたから流入
させてオーバーフローみたいにしても良いそうです。でも僕としては
上からかけた方が酸素も供給されてバクテリア繁殖のためにはよいよ
うな気がします(^.^;。
ウーン、やっぱり濾過層やバクテリアの話は面白いですね(^-^)。
|95/07/Jul (Fri) AM01:19:49|
| -KaMaKuRa.A.P- |
|け ん TGB79218@pcvan.or.jp|
★急速濾過>けんさん 豊雪
>ウーン、やっぱり濾過層やバクテリアの話は面白いですね(^-^)。
だから、こんな時間にでもレス見ると、本能的にレスを書いてしまう。
急速濾過は、濾材の使用量が緩速濾過に比べ格段に少なく、なおかつ
急速に水流を通すため、その名が付いたようです。
原理は、源水に凝集剤の「硫酸ばんど」とか「ポリ塩化アルミニウム」を
入れ、撹拌しゴミ、バイ菌、プランクトンを凝集剤で集め、浮遊物に成長さ
せる。この浮遊物をフロックと呼ぶそうです。
次ぎに、このフロックを含む水を沈殿池に入れて流す。するとフロックが
沈殿池に沈み底に溜まる。で、きれいになった上水だけを、砂で濾過する。
この濾過のスピードが早いので、急速濾過と呼ぶようになったとあります。
で、これだけだと浄化出来ないので、最後に塩素消毒をして放流するそう
です。
以上 豊雪
---PC-VAN(EDM70203)--from SHIZUOKA by HOUSETSU--07 Jul.1995(01:54)---
★re#464>急速濾過>けんさん じろ
ポンポコリンさん、豊雪さん、けんさん こんにちわ。
ご無沙汰してます。おもしろそうなので、ちと横槍res入れます。
現在、主に使われているのは、急速濾過で、緩速濾過はほとんどないと思います。
理由は、緩速のほうはより大きな設備が必要なのでコストがかかる、また、生物濾
過に頼るため、原水が汚いと濾過効果が落ちるなどです。
熱帯魚の濾過槽は、水道処理の濾過から考えると、速度的には急速濾過ですね。し
かし、その処理のしかたを考えると、緩速に近いって言うか、緩速濾過の設備を簡略
化したものでしょうね。
従って、水が一回通過する時の濾過効率は水道での処理に比べはるかに劣る訳です
が、アクアリウムの場合は連続的に反復通過させることによって、この効率の悪さを
カバーしているのだとおもいます。
ところで、緩速濾過には逆洗が必要なのでしょうか?緩速の目詰まりは一番上の砂
層を削ることで処理するような気がします。逆洗をすると砂層が散ってしまったり、
濾過細菌を流出してしまうような気がするのですが。
急速濾過ではフロックで閉塞するので、毎日のように逆洗が要ったと思います。
それから、塩素消毒は、急速濾過だからといって必要な訳ではありません。急速の
ほうが細菌除去能は低いようですが、給水途中での細菌汚染も考慮して、たとえ緩速
処理をされていても塩素処理はします。水道法の塩素の濃度基準は、通常時(細菌汚
染が考えられないとき)給水栓で、遊離塩素0.1ppm以上、結合塩素の場合は0
.4ppm以上を保持するように規定されてます。
また、急速濾過の場合、細菌、藻類の除去、マンガン、アンモニア、鉄などの除去
を目的として濾過する前処理として塩素処理をすることがあります。
昭和59年に改版された本を参照にしていますので、かわっていることがあったら
すみません。
横槍すんませんでした。
じろっ!(ーー;)..
★急速濾過>じろさん 豊雪
お久しぶりです。
マゾヒストな豊雪としましては、横槍にて脇腹あたりを、チクチクされる
と、思わず快感に浸って随喜の涙です。
そうですね。緩速濾過も急速濾過も原理的な話だけで、実際の運用に付い
ては、ほとんど記述を省いておりました。
現在、日本においては、そのほとんどが急速濾過と言うことです。で、理
由は、じろさんのおっしゃる通り、土地事情が許さない日本では、設置面積
が広大に必要なこと、処理速度の関係、原水の「濁水」などの理由からだそ
うです。
飼育魚の濾過槽は、循環してますから、じろさんのおっしゃる通りですね。
確かに理屈です。
>ところで、緩速濾過には逆洗が必要なのでしょうか?緩速の目詰まりは一番上の砂
私の近くにある、濾過池(緩速濾過・大井川上流)を訊ねた折りには、逆
洗すると言ってました。でも、いま考えてみますと、砂層濾過池以前に予備
の池もあったような気がします。も一度、たしかな事を聞いてみます。
で、これもじろさんのおっしゃる通り、緩速濾過の欠点の一つの目詰まり
は、水を干した後、砂層表面を1〜2cm削り取って回復させるそうです。
一ヶ月に1〜2回だと言いますから、けっこう頻繁ですね。
ところで、緩速濾過槽のもう一つの欠点が、原水が「濁水」に対して弱い
と言うことです。記述には、「濁度10度以下で、濁度30度以上の日が年間30
日以下の原水を処理するのに適している」とあります。
濁っていると。濾過槽を詰まらせ、砂層表面の濾過膜や砂層中の微生物膜
の形成が妨げられ、浄化の力が著しく劣化するとあります。
ただ、濁水と汚水は意味が少し違うようです。濁水で無い限り、殺菌にた
いする能力は緩速濾過がはるかにすぐれているようです。
1982年、ハンブルグのコレラの大発生のときの実例では、
エルベ川の上流にハンブルグ市、その下流にアルトナ市が位置していて、
コレラの伝染経路は、このエルベ川を媒介して伝染したそうです。
で、このコレラによる死者は、ハンブルグ市で8600人に達したそうです。
しかし。不思議なことに、そのハンブルグ市の中で、まったく患者の現れな
い地区があったそうです。この不思議な現象を良く調べた結果、この患者の
出ない地区だけが、ハンブルグ市からの上水道の供給をうけておらず、エル
ベ川の下流から取水してるアルトナ市から上水道を引っ張っていた地区でし
た。
下流域のアルトナ市でも死者は30人出たそうですが、その人たちは、みな
ハンブルグ市に努めていた人たちだったそうです。
で、このコレラの発生の両市の違いは、ハンブルグ市は、急速濾過。アル
トナ市は緩速濾過で上水道を供給していた違いとの公式見解がなされたそう
です。
以上 豊雪
---PC-VAN(EDM70203)--from SHIZUOKA by HOUSETSU--07 Jul.1995(22:10)---
★Re#465>急速濾過>じろさん けん
おぉぉぉぉ!じろさん こんにちは!(^-^)/カイスイカイスイ
横槍歓迎です。僕が誤った事欠いてましたらバンバン指摘して下さ
いね(^^;)。
> 熱帯魚の濾過槽は、水道処理の濾過から考えると、速度的には急速濾過ですね。し
>かし、その処理のしかたを考えると、緩速に近いって言うか、緩速濾過の設備を簡略
>化したものでしょうね。
そう考えると熱帯魚の大半の濾過層に、緩速濾過のデータ及び急速
濾過のデータを導入するのには少し抵抗を感じるように思えました。
そうなると必ずしも塩ビのパイプで濾過層が完成するとは言えません
ね(T^T)。
> ところで、緩速濾過には逆洗が必要なのでしょうか?緩速の目詰まりは一番上の砂
>層を削ることで処理するような気がします。逆洗をすると砂層が散ってしまったり、
>濾過細菌を流出してしまうような気がするのですが。
なるほど、確かに逆せんの必要はフロック除去をされている緩速濾
過では無いのかも知れませんね。でも熱帯魚水槽のような環境では有
効かも?!(^.^;
> 昭和59年に改版された本を参照にしていますので、かわっていることがあったら
>すみません。
僕の仕入れた情報も確かその辺の年代です(^.^;
|95/08/Jul (Sat) AM00:48:19|
| -KaMaKuRa.A.P- |
|け ん TGB79218@pcvan.or.jp|
★濾過>けんさん 豊雪
>、豊雪さんを寝不足にしてしまって申し訳ないです(^.^;。
ちっとも、そんなことありませんから、ご心配なく。
フロックを熱帯魚の濾過装置で使えるようになるのも、夢では無いかも知
れません。なぜかと言いますと、カニの甲羅から生産できる、キチンキトサ
ンと言う物質がありますが、このキチンキトサンがくせ者で、ほとんど、こ
の物質から出来ないモノは無いのではないかと言う、オールマイティーの素
材です。原料は、世界で年間5億トン未処理のまヽ捨てられているカニの甲
羅ですが、精製したものは、1g 100万円もするオリゴ糖試薬から、スピーカ
ーのコーン紙、抜糸不要の外科手術の縫合糸、医療用ガーゼ、包帯、衣料品
の抗菌防臭加工、糖尿病の降血糖値薬などなど、まだまだ数え切れないほど
の用途が現在研究されています。で、その中に、なんと凝集剤もあり、この
凝集剤は、すでに実用化段階にはいっております。この凝集剤の最大の特徴
は、天然素材故に、生物に対する悪影響が皆無に等しいことと、従来の薬品
に比べ、相当コストダウン出来ると言います。したがって、こうした凝集剤
なら、もしかして、家庭の飼育魚の濾過にも使えるかも知れません。
キチンキトサンの作り方は大変簡単で、家庭でもつくれます。食べ終わっ
たカニ(カニは何でも良い、カニが居なければゴキブリも最良の原料)を、
希塩酸にドボン。猛烈な泡が立ちますが、暫くすると、カルシュウム分がすっ
かり溶けて、ぶよぶよのカニのぬいぐるみが出来ます。それが、キチンキト
サンです。
話し変わって、下記はじろさんのレスです。
> 熱帯魚の濾過槽は、水道処理の濾過から考えると、速度的には急速濾過ですね。し
>かし、その処理のしかたを考えると、緩速に近いって言うか、緩速濾過の設備を簡略
>化したものでしょうね。
以下、けんさんのレスです。
>そう考えると熱帯魚の大半の濾過層に、緩速濾過のデータ及び急速
>濾過のデータを導入するのには少し抵抗を感じるように思えました。
>そうなると必4IG
私は自分の都合の良いように、世の中の事象も捉えてしまいますので、じ
ろさんのレスを見た瞬間、なんと、飼育魚の濾過は都合良くできてると思い
ました。なぜなら、急速濾過と緩速濾過が同居してる様なものですから、急
速、緩速、どちらの濾材も上手に使ってやれば有効とみました。
現に、硅砂の濾過も有効ですし。アストロボールみたいな、プラスチック
だけの濾過槽でも、バクテリアの育ちにくい海水にも使用してますよね。
ぱるすさんのレスに、
>コロニーに限りませんが、バクテリアの生息域に関しては
>あまり気を使わなくとも平気なはずですよ。
意外と、この言葉が本質をついているように思えます。
新しネタ。銀の殺菌力って知ってます?
以上 豊雪
---PC-VAN(EDM70203)--from SHIZUOKA by HOUSETSU--09 Jul.1995(15:44)---