#73 藻>種類と発生、その対策。 豊雪 豊雪 ID=EDM70203 95/ 7/21 #564 海水魚水槽 ●ノリ状藻 ===================================================================== グリーンのビロードを敷き詰めたような、ノリ状の藻。繁殖力が強く、 光線が弱くても水槽全体に広がる。新しくセットした水槽や、水替えし 過ぎた水槽に発生。特に高温ほど繁殖力が強くなる。簡単にはがし取る ことができるが、1〜2週間後には再び発生する。この藻が発生すると 濾過層が嫌な匂いを発し、室内までも臭いで覆われることがある。 濾過細菌の種類と密接な関係にあり、この藻が付着した水草を状態の 良い正常な水槽に移すと、藻は自然に消える。このことから、この藻が 発生した水槽の濾過器に、正常な状態の濾過器の濾過細菌を移植するの が最良の防止法。 発生が初期段階なら、濾過細菌の移植だけで良い結果を得ることがで きる。 藻の発生が相当進んだ状態なら、できるだけはがし取り、水槽の水草 を取り出し濾過槽を洗い、その後、状態の良い濾過槽の濾材と移し変え るか、濾材の汚れをその水槽の水で洗い落とす。要は状態の良い濾過細 菌を移植し繁殖させるのが肝心。その後、水の澄むのを待って水草を植 える。 ●糸状藻 ===================================================================== 細い糸状の藻で、1本で長く伸びるものや枝分かれしているものなど 種類が多く、総称して糸状藻と呼ぶ。流れの弱いところに固まって繁殖 したり、石や水草に絡まったり、付着したりして繁殖する。 原因は、光量過多、アンバランスな肥料などが考えられる。対策は、 この藻の種類が多く多少異なるが、光量を弱くするか、照射時間を短く するだけで消える場合もある。また、バランスの良い肥料を添加するだ けで消えることもある。 一般的には、光量を弱くして、1/3程度の水替えを2〜3日に一度 続ける。この藻は、自然に発生することはなく、ほとんどは水草に付着 して侵入する。したがって購入するとき良く観察し、付着した水草を避 けるのが最良の防止策。 ●毛皮状藻 ===================================================================== 水草の葉の縁に発生する、長さ0.3〜1cm程度の茶色味をおびたダーク グリーンの藻。 原因は、肥料過多、肥料バランスの悪さ、また、光量過多、低光量で も照射時間が長い水槽に多く発生。一般的には肥料バランスの悪い水槽 に発生し、魚に与える飼料に影響されることが多い。特に乾燥エビを多 く与えると発生しやすい。これは、リンが多くなるためと考えられる。 発生は、主に古い葉に見られるので、思い切ってこれらの葉は削除す る。その上で、飼料の量や種類を変えて見る。また、肥料分を低下させ るために、水替えをし、光量も低く押さえる ●芝状藻 ===================================================================== 長さ1〜3mm程度の茶色味をおびたグリーンを呈し、葉の表面全体にウ ブ毛のようにくまなく付着発生する。時間が経つにつれて葉の表面は、 この藻でおおわれ、ダークグリーンになる。ヒゲ状藻や茶色ノリ状藻と 同時に発生することが多い。アマゾンソードブラントやA.セッシリス、 アヌビアス・ナナなどによく付着する。肥料過多の水槽に発生するのが 特徴で、新葉を除くほとんどの葉に発生し、葉をこすると簡単に取れ、 光線によっては、水中で光って見えることがある。 駆除方法は、水替えで肥料分を少なくする。また、この藻は、炭酸ガ ス量が少ない水槽に発生しやすく、特に硬度と関係があると思われる。 つまり、水草が水中の炭酸ガスを吸収するために葉面の気孔に炭酸カル シウムがわずかに析出しその炭酸カルシウムに藻が発生するものと考え られる。炭酸カルシウムは炭酸ガスによって溶解するため、炭酸ガスの 強制添加をすると、藻の付着は次第に見られなくなる。 この藻は付着しやすい水草と、ほとんど付着しない種類があり、コウ ホネなどには、ほとんど付着しない。逆に、A.セッシリスやニードル リーフ、リスノシッポなどは付着しやすい。葉面の構造による違いから と思われる。 ●茶色ノリ状藻 ===================================================================== 茶色をした藻で、光線が強くあたる場所に発生しやすく、水面に近い 蛍光灯の下にある葉や、光のあたるガラス面や砂に見られ、こすると簡 単に落とすことができる。この藻は、正しくは珪藻類に属する。この藻 は、浮遊しながらでも繁殖し、大量に発生すると、水が黄色味をおびた 茶色に見える。肥料分には無関係に発生する。また、光線が部分的に当 たるだけの水槽にも発生する。 濾過状態とも密接な関係があり、新しくセットした水槽や、濾過状態 の悪い水槽では、状態を整える必要がある。良い状態の濾過槽からの濾 材の移し変えや濾過細菌の移植、あるいは、濾材を増やすか、種類を変 えるといった工夫で、比較的簡単に駆除できる。 ●アオミドロ ===================================================================== ライトグリーンを呈し、流れのない水面や光源に近い葉などに付着し、 集団をつくる。葉に付着した時は一面に広がり、流れにたなびき、尾を 引くように成長し、次の葉に移って行く主に水流の弱い場所に繁殖、時 間とともに面積を広げ、水槽上部を覆う。光線が直接当たる場所や濾過 状態の悪い水槽に発生する。 駆除方法は、水面に発生した場合には、光量を低下させるか照射時間 を短くし、水流を強める。葉面に付着してるときは、水替えで駆除でき る。 以上ですが、いずれにしても濾過、水質、光量、餌、肥料と密接に関係し ています。発生のメカニズムは、まだ良く分かっていません。発生させない 工夫や発生後の駆除は、ケース・バイ・ケースで対処するよりほかなさそう です。 私の経験では、汽水の90cm水槽が、茶色ノリ状藻に悩まされていましたが オゾナイザー併用プロテインスキマーを設置後は、全く発生していません。もう一つ、流 木の裏面だけに発生する、モヘア状の灰色の藻は、設置後も相変わらず発生 しています。 :- :- .・..・・..・.・' 豊雪 ---PC-VAN(EDM70203)--from SHIZUOKA by HOUSETSU--21 Jul.1995(20:54)---