#103 濾過槽> その機能と働きを推測する 1      海水魚水槽メンバー
ポンポコリン ID:PEM57256 だばけん ID:TUM57874 GOOSE ID:KUM16255
KAZ ID:YQA25169
 96/9/3〜96/9/13 #3879,#1257,#1268,#3880,#3892,#3896,#3941,#3945 ,#3957
         #3971,#3973                  海水魚水槽



水槽の大掃除                                 ポンポコリン

をした、と2・3個前に書きましたが、今回もいろいろ考えさせられましたね。濾
材にはプラスチックのアトロボールを4分の1と、パワーハウス海水を4分の1と、
あとはシポラックスを2分の1の割合で使っていたのですね。(濾過システムは、
水の干潮満潮を繰り返す間欠システム)

で、実際に掃除をしてみて、目でみた限りではシポラックスの汚れが一番目立って
いたのです。茶色いヘドロ状というか、ベッタリとした汚れが見事に張り付いてい
ましたね。

シポラックスの詠い文句は、広い表面積を持ち濾材の奥深くでは脱窒も行われてい
る、と言う事だったと思います。表面積が多いと言う事はそれだけ多くの水と接す
る事が出来ると言う事ですよね。つまりそれだけ多くのバクテリアが多くの水と接
する事が出来る、という理屈ですよね。

ところが実際に私が目にした光景は、汚れでびっしりと覆われているシポラックス
の姿でした。こういう状況で、汚れた水(つまり濾過すべき水)は果たして濾材の
奥深くまで行き渡っているのでしょうか。これが今回感じた大きな疑問です。つま
りこういった状況では濾材の表面積うんぬんといった問題は全然意味をなさないの
ではないだろうか、と言う事です。

以前にも、けんさんがこういった件について感想を述べられていましたが、(けん
さん、元気にしてる?)濾過バクテリアがコロニーと呼ばれる状態を作ってしまう
と、多孔質という濾材の特徴は意味を持たなくなってくるのでは・・多孔質が有効
なのは、コロニーを形成する前の段階の、水槽立ち上げ初期の段階ではないか・・
という意見だったと記憶していますが、こういった考えが正しいのではないか、と
私も思わざるを得ません。

みなさんのところの濾材はどんな状況ですか? 濾過が出来上がった水槽の濾材っ
て表面はどうなっています? ヌルヌルしたモノが付いていませんか? それとも
ザラザラなままですか? 

いや、そのヌルヌルしたモノがバクテリアのコロニーなのかどうかも定かではあり
ませんので、簡単にそう解釈する事も出来ませんが。

こういった事をふまえて、現在の私の考えは・・・

 多孔質の濾材は、水槽設置初期の段階ではある意味で汚れを吸着する吸着
 濾材の役割を果たし、濾材表面にバクテリアが多く繁殖するに従い、吸着
 の役目はなくなって単なるバクテリアコロニーの土台になってしまう。

という事です。多孔質の濾材がその表面積の広さを理由に濾過能力の高さを自慢す
るなら、海外で特に流行のプラスチック濾材なんかは濾過の意味をなさない事にな
って仕舞いますもんね。

この私の意見について、皆さんどう思われますか? 是非とも皆さんのご意見があ
ればうかがってみたいと思います。興味のある方、是非とも意見を聞かせて下さい。

    96/09/02 (月曜)  23:40                  PEM57256 ポンポコリン


濾過>Re:#3879 ポンポコリンさん             だばけん

>みなさんのところの濾材はどんな状況ですか?

 海水歴はまだ浅いのでよく分かりませんが、濾過槽のサンゴがヌル
 ヌルになるというのは無いようです。
 得意のディスカスで言うと、濾過材がヌルヌルになっているようで
 は、まず魚が調子を落しやすい水質になっている事多々です。(^^;)
 だいたいの場合、水質は酸性に傾いており、濾過効率は極端に落ち
 ているようです。

>多孔質の濾材がその表面積の広さを理由に濾過能力の高さを自慢する
>なら、海外で特に流行のプラスチック濾材なんかは濾過の意味をなさ
>ない事になって仕舞いますもんね。

 ちょっと脱線しますが、ドライ濾過は普通の濾過と根本が違うよう
 な気がしています。フルドライは生物濾過を目的にしていない!?
 まず・・・ドライ&ウエットは非常に効果的だと思います。
 理由としては、ドライ層でタップリと酸素を含ませて、メインのウ
 エットの濾過効率を上げるのは間違いなさそうです。
 となると、フルドライは果たして濾過自体を行なっているのか?
 という疑問が起きるのですが、あのドライボールの形状を見ても、
 単なるプラスティックですし、多孔質の濾材のほうが明らかに、バ
 クテリアが付きそうな気がします。
 ひょっとしてですが、あのドライはバクテリアのために酸素を多く
 取り込むという目的ではなく、直接「酸化」が目的なのではないか
 と思ってます。どなたか詳しい方いらっしゃいます?(^^;)

>多孔質の濾材は、水槽設置初期の段階ではある意味で汚れを吸着する吸着
>濾材の役割を果たし、濾材表面にバクテリアが多く繁殖するに従い、吸着
>の役目はなくなって単なるバクテリアコロニーの土台になってしまう。

 海水と淡水は全然違う!という問題はありますが、淡水濾過の場合
 にはやはり吸着とは考えにくいと思います。
 第一に、絶好調の濾過材は絶対にヌメヌメは付きません。(^^;)
 さらに、スノコで濾過材を置いておくと、絶好調の濾過の場合、バ
 クテリアダスト(?)といういわゆるホコリがスノコの下に溜まり
 ます。これは、バクテリアの死骸であったり排泄物だったりします。
 淡水における濾過のメンテとは、このホコリを除去する事が目的で
 あって、飼育水で濾過材を軽く洗うというのは、このホコリを落す
 ことを目的とした行為であると言えます。
 ヌメヌメがホコリの固まりとは思えませんし・・・
 私は死滅バクテリアや、処理しきれなかったゴミが腐敗してカビて
 いる状態・・という感じに思っていますが、どうでしょう。(^^;)

 全然まとまりの無い文章になってしまってすみません。(^^;)

  だばけん(K.Nishioka) 


濾材の話し>ポンポコリンさん      Goose

まず、多孔質炉材の意味と実際の効果についての私の考えです。
汚れの吸着について考えた場合、たしかに多孔質炉材は効果が高いと思います。
しかも、それは炉材設置直後から働きはじめるにはよりよい条件だと思います。
汚れがすぐに吸着されるということは、そこにバクテリアがコロニーをつくり
やすくなる、つまり、生物濾過が早いうちに効きはじめるということではない
でしょうか。ようするに、初期の段階での濾過の立ち上げには高い効果を発揮
するだろうということは、私もポンポコリンさんと意見の一致する部分です。

炉材の「ヌメヌメ」についてですが、これは必ずあるものと考えています。例
えば実際に海に行ってみると、そこらじゅうの岩はみんなヌメヌメしています
よね?自然界で考えると、その岩が炉材ではないでしょうか。潮の満ち干や波
で水面から出たり入ったりする、岩や砂浜などの部分はウエット&ドライの間
欠濾過。ずっと水に浸かっている部分はウエット濾過。強い波しぶきがいつも
叩き付ける岩場はドライ濾過。地球全体で、約7割が海で、残り3割が陸にな
ります。この海と陸の接するところが浜であり、岸壁であるわけで、地球全体
で考えた場合に、この複雑な海岸線の形や海底を含めた地形、それらすべての
合計である部分の総延長や表面積、加えてウエット&ドライ濾過にあたる部分
の総容積が間欠濾過によるもの。残りが海底の岩であり、砂粒一つ一つの表面
積であり、というものと私は考えています。それぞれの環境や条件によって、
酸素の豊富な部分や、逆に酸素の少ない部分が存在して、それらがうまくバラ
ンスをとっている。なんとも壮大な濾過システムじゃありませんか。(^^)

だばけんさんは、炉材にヌメヌメがない、と書いてましたが、おそらくそれは
見た目の問題で、実際には気にならない程度に薄い「ヌメヌメの幕」で覆われ
ているんじゃないでしょうか?また、このヌメヌメそのものには、人間の目で
認識できるような色はない、ほぼ無色透明と言っていいものと思います。また、
非常に薄い幕であるため、特に粒の小さい炉材などでは解りにくいものと思い
ます。ではなぜ、ポンポコリンさんがシポラックスの表面に、茶色っぽいヌメ
ヌメを見たかですが、ヌメヌメしてるわけですから、汚れを吸着することは想
像できます。また、多孔質炉材ですから、そのヌメヌメが奥深くからしっかり
根付いているために、表面に厚く形成されている。だから汚れがしっかり吸着
され、ヌメヌメの内部にまで入り込んでいるということではないでしょうか。
それを、バクテリアが分解するわけですが、これはすでに水中に溶けこんでい
る状態の有機物、たとえばアンモニアや亜硝酸などよりも時間がかかるものと
考えています。ただ、そこでバクテリアコロニーに近い場所に吸着されること
で、そのまま流れてしまうよりは分解される過程に早く近づくのではないかと
も思えます。

さて、そこから後、さらに汚れがたまってきた時に、炉材が目詰まりするので
はないかという点。水が流れている中では、穴の奥深い部分でも、ゆっくりで
はありますが、水は動く物と考えています。子供のころに読んだ本かなにかで、
大きな岩の小さな穴に小石がはいって、回りの流れでその小石が穴の中でぐる
ぐる回って、内部を削りながら長い年月を経て大きな穴が出来上がるというの
がありました。たとえそれがバクテリアのコロニーで覆われた穴だとしても、
その内部には少しづつ水の循環が行われているものと思います。穴に詰まった
汚れやバクテリアコロニーのヌメヌメの中と、外の水とで、バクテリアが何か
の物質を分解または変質させる活動をするとした場合に、水の比重や塩分濃度
その他に差ができると考えます。すると、両者の間で浸透圧による水のやりと
りが行われるという考えはどうでしょうか。もし、この説が正しければ、穴の
奥底でも水がゆっくりと循環することになり、たどりつくまでに酸素も消費さ
れて嫌気性バクテリアにとって理想的な状態を作り出す。そうなれば、奥深く
で脱膣が行われるという説も可能性を帯びてきます。逆に、軽い目詰まりを起
こさないようでは、嫌気性バクテリアによる脱膣は望めないということになる
のではないでしょうか。

そう考えた場合の、プラスチック製の効果についてです。上記の私の考え方に
沿って話しをすすめれば、多孔質でない、ツルツルした表面のプラスチック製
炉材には、炉材としての脱膣効果はあまり望めないのではないか、ということ
になります。たしかに、プラスチック製のボール型炉材は「ドライ濾過用」と
して販売されている場合が多く見られます。ドライ濾過の場合、炉材をほとん
ど嫌気環境にはできませんので、この用途は正しい選択だと思います。
だばけんさんの、バクテリアによらない「直接酸化説」は、もちろんこのタイ
プの炉材には可能性が高いですね。ただ、表面がツルツルだからといって、バ
クテリアが定着しないわけではありません。試しに、水槽の中に手を入れて、
ガラスの表面を触ってみてください。ヌメヌメしていませんか?これはガラス
の表面に形成されたバクテリアのコロニーだと思います。ここに、コケが吸い
付いたりするわけです。ですから、多孔質ではない、プラスチック製炉材にも
バクテリアはコロニーを形成します。ただ、多孔質でないため、水が表面に近
い部分で活発に処理されるため、硝化細菌のみに的を絞った炉材ということに
なるでしょう。表面に近ければ、それだけ酸素を取り込むことも簡単にできま
すよね。好気性バクテリアのためだけに、一番条件のいい住処を、平面よりは
面積のとれる形状で提供しているといったところでしょうか。

というようなさまざまな状況を考えると、炉材や濾過方式にはいろんな特徴が
あって、自然界をお手本に考えれば、できるかぎり多種多様な濾過の併用が理
想的な気もします。計算方式もなにもわかりませんが、私の勘ではドライ濾過
10%、間欠30%、ウエット濾過が残り60%で、濾材はドライにプラスチ
ック、間欠にプラスチックと多孔質併用、ウエットに多孔質という使い方がよ
さそうに思います。でも、個人的には濾材は珊瑚砂をメインに使うでしょう。
珊瑚砂の多孔質濾材としての能力、pHの安定性には一目置いています。プラス
チック濾材については、まだまだ未知の可能性がありますから、ぜひ試してみ
たい気持ちはありますが、かなりの量を使うことが成功の条件のように思いま
す。それと、本題の薄茶色っぽい汚れですが、もちろんそれ自体も、水中の汚
れを核にしたバクテリアのコロニーに他ならないと思いますので、まるっきり
意味のないものだとは思いませんが、その汚れの中に病原体などをも宿してし
まうとすれば、有効なだけのものとも言えないかもしれません。そのへんの判
断は難しい所でしょう。

以上、話しが広範囲にわたってしまい、訳が解らないかもしれません。ごめん
なさい。というわけで、うんちく屋 Goose の、夏休み自由研究作文でした!

Goose


濾材の話し>Re:#3892 Gooseさん              だばけん

 ヌメヌメ・・・
 茶色いヘドロ状のヌメヌメ・・とあったので、このクラスを基準に
 していました。Gooseさんのおっしゃるとおり、どの濾過材も透明
 で薄いヌメヌメが付いているという話しに異論はありません。
 というか、実際に見えないのでその可能性は否定出来ないという事
 ですが・・・(^^;)
 で、茶色いヘドロ状のヌメヌメまでいくと、これは正常に濾過が働
 いている状態とは言い難いのではないかと思ったわけです。
 得てして、この手のヌメヌメは、処理能力オーバーか、物理濾過不
 足に発生することが多々でして・・・(特にディスカスではハンバ
 ーグという栄養価の高い餌を使用するので、濾過設計に手を抜くと、
 このような症状になります。)
 ディスカスでもシポを使用していますが、真っ白だったのが、薄グ
 レー色になる(中央部が黒っぽくなる?)ことはありますが、茶色
 になって触ってヌメヌメを感じることはまずありません。

 物理濾過・・・
 ウールやポンプ給水口のスポンジフィルターは、生物濾過を効率よ
 く行なう上で必須アイテムだと思っています。
 ただ上記の2点は、OF落下口に置くごみとりネット的な物理濾過
 ではなくて、準生物濾過的な役割として・・・
 生物濾過がまんべんなく安定して餌(ごみ)を食べられるように、
 物理濾過が、かみ砕いて食べやすくしているというような感じがし
 ます。生物濾過もデカイごみがいきなりきても、端の奴は食べられ
 ませんし、最悪そのごみを受け持ったバクテリアの処理能力オーバ
 ーでバクテリアの死亡&ごみの腐敗といった最悪の構図も見えてき
 ます。私が経験したヌメヌメは大体このケースなんですよねぇ。(^^;)

 濾過材の形状・・・
 シポの中央部で脱窒しているという話しは良く聞きます。
 おっしゃるとおり、内部ではかなりゆっくりしか水が動かず、表面
 に近いところのバクテリアが酸素を大量消費してしまって、理想的
 な脱窒環境になっているのだと思います。
 そう考えていくと、脱膣が必要なく、とにかく濾過に重点を置きた
 ければ、あの多孔質濾過材はもっと薄くてもよさそうですね。(^^)
 エーハイメックももっと細かく・・・と考えていくと、一番有効に
 表面積を使えるのは、極少の砂という事になり、シーストームなど
 は脱窒効果は全く期待できませんが、硝化濾過には凄い威力を発揮
 しそうです。

 水槽の表面・・・
 水槽の表面のヌルヌルがバクテリアコロニーだという話しは新鮮に
 感じました。と同時に「水垢」とはなんぞやという疑問も浮上。(^^;)
 水垢はバクテリアコロニーまたはその残骸という事になるのでしょ
 うか?濾過能力が限界に近いほどヌルヌル度も上がっているような
 感じもしますので、これはひょっとして居心地の良い濾過材がトラ
 ブって、しかたなく定着しづらいガラス面などに進出していると考
 える事もできそうです。

 結局・・・
 濾過材の表面やガラス面にしても、顕著にヌルヌルが出てくる状態
 というのは、濾過の限界やメンテ不良、なにがしかのトラブルと取
 って良い。と言うのが私の見解です。

 またも長文失礼しました。(^^;)

  だばけん(K.Nishioka)


濾過>だばけんさん                           ポンポコリン

|  フルドライも考え方として同様なのかも知れませんが、ひょっとす
|  るとこの手の濾過方式は、目詰まりしない等のメンテの楽さが大目
|  標で、濾過自身の能力は大きさ(規模)でカバーするといったもの
|  なのかも知れません。多孔質濾過材はメンテのデメリットを負って、
|  コンパクトで高性能を目指したまさに日本的濾過・・(^^;)

ほんと、そうかもしれませんね。ドライ濾過というよりプラスチック濾材の濾過と
いうのは、詠い文句でみると確かにメンテナンスフリーとよく書かれていますもんね。

活性炭の話しで思いだしたのですが、活性炭ってのはそれこそ表面積がものすごく
広くて、それで汚れを吸着してしまうという目的で使われていますよね。活性炭表
面の小さな小さな穴が、汚れや匂いなんかをすべて吸収してしまうんですよね。だ
とすれば、そういった考え方は、多孔質の濾材を使って濾過するという事と全然変
わらないことになるのではないかなー、と以前から思っています。活性炭による吸
着濾過の能力は1〜2カ月で無くなるからその都度交換するように、と言われてい
ますが、だったら多孔質の濾材も1〜2カ月で交換しなければならないわけ? 多
孔質の濾材の詠い文句は表面積の広さを自慢している訳ですからね。逆に言えば、
シポラックスを使うんだったら、活性炭を使った方が理にかなった事になりません?

こう考えると、やっぱり私には多孔質の濾材の「表面積が広いから・・云々」とい
う理屈は考え方が間違っているのではないかと思ってしまうのです。

だばけんさんの意見に反論しているという事ではありませんので、あしからず。

本当に濾過の話しは、奥が深いというか、未知の世界であります。

    96/09/10 (火曜)  23:42                  PEM57256 ポンポコリン


濾過>Re:#3941 ポンポコリンさん             だばけん

 あ、いやいや、反論大歓迎ですので宜しくお願いします。(__)ペコ
 自分の持っている間違った知識を直す良い機会だと思いますし、先
 のコロニーの話しなどは、自分の濾過論の中に一度も出てきた事が
 なかったので、色々と考えさせられました。

 活性炭と多孔質濾過材は表面積が多いという以上に根本的な違いが
 あるような気がしてなりません。
 むしろ、活性炭はイオン交換樹脂に近いイメージを持っています。
 「吸着」というのは、イオン交換樹脂では良く聞かれます。
 イオン交換樹脂のしくみをある人に聞いたところ・・イオン交換樹
 脂には手が生えているのだそうです。(^^;)
 あの1つ1つの樹脂にたくさんの手が生えていて、それがイオンを
 キャッチする事によって水質の浄化やら調整が可能になると・・・
 で、その手がいっぱいになるとそれ以上のキャッチは出来なくなる
 ので「再生」という手順で手のイオンを外してやるそうです。
 イオンにも色々な種類があって、これは手が大きい奴とか小さい奴
 とか・・そういったイメージなのだそうです。
 この話しを聞くと、積極的にキャッチするという感じがしますよね?
 活性炭もよく「吸着」という言葉を用いる事から、それに類する作
 業をするものだと思っています。
 丁度、対岸(NIF)の17番で活性炭の話しが出ていましたが、
 やはり自ら進んでの「吸着」のようです。
 冷蔵庫の脱臭剤(キムコ?)などのCMで、回りの悪臭が吸われて
 いく映像を見た記憶がありません?(^^;)

 と、いうことで、活性炭と多孔質濾過材は機能からして異なり、
 多孔質濾過材が「吸着」するというのは考えにくいのではないかと
 思っています。
 
 濾過材の表面積ですが、コロニー(ヌメヌメ?)を作りやすい環境
 にするという点では1粒あたりの表面積が多いほどその分、濾過材
 を多く使わなくてよいので、それなりに評価できると思います。
 ただ宣伝の方法が間違っているような気がするんですよねぇ。(^^;)
 「テニスコート1面分の表面積!」「従来製品の3倍の表面積」と
 いうのであれば、そっくり入れ替えて3倍の能力・・というよりも
 容量を1/3に出来ますよ、といった発想の方が正しいと思うので
 す。そもそも能力を3倍にしなければいけないようでは元々の能力
 が不足しているだけであって・・・
 つまり、総水量と濾過容積のバランスというのは実は意味が無く、
 総水量と濾過材の表面積のバランスが重要なのではないかと。
 よく「10Lもシポ入れたぜぇぃ!」と自慢される方がいますが、
 180cm水槽ならまだしも90cm水槽クラスに10Lはナンセンス
 以外の何者でもないと思ったりするわけです。(^^;)

  だばけん(K.Nishioka) 


濾過>だばけんさん                           ポンポコリン

私もこういう話しを久々にする事が出来て嬉しいのと、ついつい一人で考えている
と片寄りがちだった考え方がのが修正されて、とても有意義なこのごろです。

イオン交換樹脂、ってのは正直言って詳しい仕組みは全く解りません。海水の世界
ではこれまであまり効き慣れないアイテムですよね。淡水の世界ではよく耳にはし
ますが。もし海水にでも流用出来るのなら面白そうです。

言葉から想像するに、イオン交換樹脂ってのはイオン、つまりプラスとマイナスの
力を利用して、プラスはマイナスのイオンとくっついて、またマイナスはプラスの
イオンとくっついて、そういった原理で吸着するのでしょうか? まったくの想像
ですが。

で、活性炭ですが、だばけんさんの考えに反するようで申し訳ないのですが、活性
炭ってのは、そういった電気的(つまりプラス・マイナス、という作用)ではなく
て、単に活性炭の持つ超細密な空洞、つまり汚れが入り込み易い穴がたくさんある
事による吸着であるような気がしています。まったくの想像ですが。

|  つまり、総水量と濾過容積のバランスというのは実は意味が無く、
|  総水量と濾過材の表面積のバランスが重要なのではないかと。

確かにおっしゃるとおりですね。まったく同感です。ただ、私が思うに、濾過材の
表面積が広くて良いメリットというのは、あくまでその濾材が目詰まりを起こして
いない初期の段階だけであって、バクテリアがコロニーを作って濾過材の表面を覆
ってしまうようになると、全然意味をなさなくなって来るものだと考えています。

|  よく「10Lもシポ入れたぜぇぃ!」と自慢される方がいますが、
|  180cm水槽ならまだしも90cm水槽クラスに10Lはナンセンス
|  以外の何者でもないと思ったりするわけです。(^^;)

まったく同感。

なんだか、だばけんさんの考えに賛同しているんだか、はたまた反対しているんだ
か自分でも解らなくなってきました。自分で自分の意見に確信が持てないだけにち
ょっと辛いです。

先日から、これまで密閉式濾過槽に使っていたシポラックスとその他濾材を取り出
して洗浄・天日乾燥させていますんで、今度これを使って実験をしてみます。

実に面白そうです。

    96/09/12 (木曜)  00:15                  PEM57256 ポンポコリン


濾過の話>ポンポコさん、だばさん   KAZ

だばけんさん、お久しぶりです。
ポンポコリンさん、濾過の話も盛り上がって此処でも本領発揮ですね。
濾過に関するお二人のお話、興味深く拝見しています。
話題の本筋からは外れちゃうかも知れませんが、ちょっと横槍させてね。

まず、ヌメヌメの件ですが、ウエット式の珊瑚砂濾材に限っていいますと、
充分に立ち上がった濾過では濾材はさらっとした感じでヌメヌメする事は有り
ません。だばけんさんが以前指摘なさっていたヘドロは結構溜まりますが、
これも物理濾過を利かせてプロテインスキマーを併用するとぐっと減ります。
このヘドロは、だばけんさんと同意見なんですが、餌の残りとバクテリアの
死骸だと思っています。

>そもそも能力を3倍にしなければいけないようでは元々の能力が不足して
>いるだけであって・・・
>つまり、総水量と濾過容積のバランスというのは実は意味が無く、
>総水量と濾過材の表面積のバランスが重要なのではないかと。

水槽の濾過能力は出来るだけ高ければ高い方が良いんじゃないかと思っています。
これは、今まで何度も全滅を繰り返して来た経験からの発想なんですが、海水水槽
の要求濾過能力って、ちょっとしたきっかけで随分大幅に変化するんじゃないかって
事なんです。例えば、人工餌で何ヶ月も問題無く飼っていた所に1匹足して、餌付けに
アサリを1-2回使っただけで崩壊したりするんです。
ここからの、私の結論は、海水では通常要求される(何とか飼える)濾過能力の4-5倍
(この数字は私の感覚ですが)の濾過能力を持たせないと、数年間に渡って安定させる
事は難しいという事です。
この状態がだばけんさんのおっしゃるバランスが取れているっていう状態なんじゃない
でしょうか。これが、私が常日頃思っている海水飼育の究極なんです。

解って頂けると思いますが、これは、だばけんさんの反論になっていないのをご理解
下さいね。ただ・・・
>よく「10Lもシポ入れたぜぇぃ!」と自慢される方がいますが、
>180cm水槽ならまだしも90cm水槽クラスに10Lはナンセンス
>以外の何者でもないと思ったりするわけです。(^^;)

に関しては、多けりゃ多いに越した事は無いんじゃないかなーって思ったりもしていま
す。
だばさん、ご機嫌壊さないでね。

                                                  KAZ


濾過>KAZさん                             ポンポコリン

こんにちは、KAZさん。こういった話し大好きなポンポコリンであります。

| ここからの、私の結論は、海水では通常要求される(何とか飼える)濾過能力の4-5倍
| (この数字は私の感覚ですが)の濾過能力を持たせないと、数年間に渡って安定させる
| 事は難しいという事です。

仰る事、よく解ります。確かに濾過のキャパシティーとしては、通常の飼育で賄え
る能力のそれこそ4−5倍のマージンをとってあった方がいいのかもしれませんね。
仰るように、何かのきっかけで突然飼育水の汚れ具合のスピードが速まった場合に、
十分それについて行けるだけのキャパが無いと崩壊しかねませんものね。なるほど、
まったくそのとおりです、改めて教えられました。

水を浄化するバクテリアってのは、水の汚れ具合によって変幻自在に増えたり減っ
たりする、って私は考えていますが、急に水が汚れてきた場合に、即座にバクテリ
アが繁殖出来得る場所が確保出来ているかいないか、という点で、多めのキャパを
持った濾過槽の方が安心出来るという事だと思います。確かにそのとおりですね。

そういう意味では、濾過槽の大きさは大きいに越した事は無いのでしょうが、水槽
設備の外見とか設置に必要な体積を考えると、あまりバカでかい濾過槽を置いてお
くのも意味がないし、あくまで鑑賞用水槽に設置する濾過槽という事であれば、濾
過槽は小さければ小さいほど有り難いのだと思っています。ですから、濾過能力は
格段に高くて、しかも小型のであるという濾過槽であれば、それは最高じゃないか、
という考えから、いかに小さくて、いかに濾過能力の高い濾過槽を作るか、と言う
事が求められて来るのだと思います。

オーバーフローてのはその理屈から考えると、キャパの高い濾過装置ではあります
が、私が求めたいのは、より小さな、そして能力的にはオーバーフローと同等の濾
過槽と言う事になります。そういう意味で、間欠濾過ってのは私なりに考えて一番
効率が良いと判断したわけです。(^^;)そこで、次には、濾材はどんなものを使え
ばより効率が良いのか、と関心を持った次第です。

    96/09/13 (金曜)  00:35                  PEM57256 ポンポコリン