#109 設備>ガラス水槽のオーバーフロー              だばけん
だばけん ID:TUM57874 96/11/16 #4515,#4516       海水魚水槽

対岸の円盤ボードにUPした奴です。(^^;)
参考になれば幸いです。

−−−以下−−−
SUB:ガラスOF解説(長文)

 だばけんです。こんにちは。

 なかなか好評だったガラスOFを改めてまとめてみました。
 参考になれば幸いです。
 最終的にライブラリへの登録も考えておりますので、わかりづらい点
 や間違い^^;などがありましたら、ご指摘ください。(^^)


 【ガラス水槽オーバーフローシステム(俗称ガラスOF^^;)】

 本システムは、加工の難しいガラス水槽で、大型アクリル水槽に見ら
 れるようなオーバーフロー(以下OF)を実現するものである。
 また本システムは流水量および水槽の大きさ等に関係なく手軽で簡単
 に加工する事ができる。

 準備する物は・・・

 ・飼育水槽
 ・濾過水槽(流水の場合を除く)
 ・塩ビパイプ各種、接続パーツ(エルボ(L字))
 ・加工道具(塩ビカッター、ドリル等)
 ・揚水ポンプ(流水の場合は除く)


 <ガラスOFの考え方>

 従来のOFは・・・

  給水                         給水
   H                            H
  +-----------------+         +-----------------+
  |~~水面~~~~~~~~~H~|         |~~~~~~~~~~~|~H~|~|
  |               H |         |           | H | |
  |               H |         |           | H | |
  |               H |         |           : H : |
  +---------------H-+         +-------------H---+
                  H                         H
                 排水                      排水

 上から溢れた分が落ちる      2重構造で下から吸い上げ

 いずれにしても、水槽底面部に排水用の穴を開けなければなりません。
 しかし、ガラス水槽の場合、加工が非常に困難なため、従来外部OF
 水槽を用いる方法で対処してきました。
 いわゆる外掛けOFという奴です。

  給水               a
   H              =======          aの逆U字配管でメイン水槽と
  +---------------H-+ +-H-----+    外掛け水槽をサイホンで繋ぎます。
  |~~~~~~~~~~~~~~~H~| |~H~~~H~|    つねに両水槽の水位は一定な事を
  |               H | | H   H |    利用して、外掛け水槽をOF加工
  |               H | +-----H-+    することにより実現します。
  |               H |       H
  +-----------------+       H
                           排水

 小さい水槽やプラケは床がガラスではないため、OF加工が容易に行
 なえます。
 しかし、外掛け水槽の加工や、設置場所など問題点が無い訳ではあり
 ません。

 そこで・・もっと簡単にOFを実現できるのが以下の方法です。
 上記の外掛け方式と比べて見てください。

  給水              a
   H              =====
  +---------------H-+ H  c         aからbにかけてサイホンで繋いだ
  |~~~~~~~~~~~~~~~H~| H ===        状態にしておき、cの上部に穴を開
  |               H | H H H        けておく事によりサイホンを切りま
  |               H | H H H        す。サイホンをきらないと、メイン
  |               H | === H        水槽の水がすべて抜けてしまいます。
  +-----------------+  b  H
                          H
                         排水

 塩ビパイプの接続(加工)だけで、外掛けOFの考え方をそのまま実現
 しているといえます。
 水槽の水位はcの高さで決定されます。

 このシステムで使用した材料は、塩ビパイプ(長4本、短3本)と、塩
 ビ接続エルボ(L字)6個のみです。
 加工は接着と、c上部に開けるドリル穴1個だけです。簡単。(^^)

 拡大してみますと・・

 □=塩ビパイプ
 ■=塩ビ接続エルボ

   ■■□■■
  -■-+    ■          穴
   □ |    □      ■■□■■
  ~□~|^^^^□^^^^^^■      ■^^水面の高さは、この逆U字配管の高さで
   □ |    □      □      □  決まりますが、流水量によって必ずしも
   □ |    □      □      □  この高さにならない場合があります。
   □ |    ■      ■      □  低くなる事はありえませんが、水流が多
   □ |    ■■□■■      □  くて、パイプ径が小さい場合には水面が
      |                    □  上昇します。
  ----+                    □
                           □
                          排水

 使用する時には、まずサイホンを繋げる必要があります。
 パイプ径が小さい場合には(VP13)、穴をテープなどで押さえておき、
 水道のホースなどで、一気に水を通してしまいます。
 メイン水槽からのサイホン排水が確認できたらテープを外します。
 パイプ径が大きい場合には、aの逆U字配管の上部に空気抜きの穴を
 あけておき、呼び水ポンプや御自分の肺^^;などを使用して、空気を抜
 いて下さい。もちろん、この空気抜き穴は空気を抜いた後にふさいでお
 く必要があります。

 注意する事は1点。
 流水量とパイプ径をうまく組み合わせて下さい。
 目安としては毎分2L以下であれば内径13mmのもので大丈夫ですが、
 毎分30Lを超えるような大規模なものであれば、それ相応の太いパ
 イプが必要です。
 流水量の割にパイプ径が小さいと、前に書いたようにメイン水槽が溢
 れ出す場合もあるので、幾分太目のパイプを使用すると良いでしょう。

 この考え方さえわかっていれば、あとは塩ビパイプの設置方法などは、
 自由に行なえます。水槽背面にセットするなら上記の図の方法が薄くて
 済みますし、シンプルに三角形(上から見て)に組む事も出来ます。


 <基本パターン>

 水槽背面から見た図

    ===              =====
  +-H-H--------------H---H-+   メイン水槽からOFした水は濾過水槽
  | H            === H   H |   へ落ちていき、外部ポンプ等で再び濾
  | H            H H H   H |   過水槽からメイン水槽へ運ばれる。
  | H    メイン  H H H   H |   
  | H      水槽  H H H   H |   濾過水槽にはゴミとりネットやウール
  | H            H H H   H |   マットの物理濾過・・
  | H            H ===   H |   
  +-H------------H---------+   外部フィルターは生物濾過専用の固形
    H =======    H             濾過材などにするのも良いでしょう。
    H H   +-H----H---------+
  +-H-H-+ | H    H         |  ポンプのパワーにもよりますが、少なく
  |出 入| | H              |  ともこの場合、25mm以上はあったほう
  |     | | H     濾過水槽 |  が安心です。
  |エーハイム| | H              |  もしも流量が多すぎるようならば、ポン
  |   等| |                |  プアウトを分岐させて、濾過水槽に一部
  +-----+ +----------------+  返してあげるという手もあります。

 このパターンで発想を膨らませると・・・
 ・メイン水槽を複数本用意して、集中濾過システムにする
 ・濾過水槽で魚を飼う
 などなど、いろいろな事が出来ます。

 システムの安定動作が確認できたならば、ヒーターやサーモスタットも
 濾過水槽に移してしまう事で、メイン水槽をすっきりとさせることが出
 来ます。(トラブルの元になる場合もあるので、そこは御留意を!)


 <横置き濾過>

 縦にスペースが取れない場合は、こんな方法もあります。
 高さ45cmの飼育水槽の横に、高さ36cmの濾過水槽を置いて・・

    =====            ========
  +-H---H------------H--+   H
  | H   H =====・・・・・・・・・|・・・H・・・・・・・・・・・===========
  | H   H H             |   H =======             H
  | H   H H             |   H H   +-H-------------H--+
  | H   H H             |   H H   | H                |
  | H   H H             | +-H-H-+ | H                |
  | H   H H  メイン水槽 | |出 入| | H    濾過水槽    |
  | H   ===             | |     | | H                |
  | H                   | |ポンプ| | H                |
  +---------------------+ +-----+ +------------------+


 <垂れ流し(流水)>

 最近、流行(?)の水換え不要ラクチンシステムです。

  水道水(プレフィルタリングされた水・・等)
     H
     H              =====
  +--H--------------H---H-+
  |  H          === H   H |   毎時3Lのごく微量添加でも、
  |             H H H   H |   1日で72L!
  |             H H H   H |
  |             H H H   H |   水質安定、水換えいらず。(^^)
  |             H ===   H |
  |             H       H |
  +-------------H---------+
                H
                H
             排水溝へ


 ※上記のシステムはすべて実際に運用されています。
  それでも、お試しになる場合には、まず理屈を理解され、実際に試
  用してから、愛魚水槽に導入して下さい。
  またこのシステムを使用されて生じた不具合等は、当然のことなが
  ら、私が責任を負うところでは有りません。ご了承ください。
  「上手く行った!最高〜!」というMSGは大歓迎です。(^^)


  だばけん(K.Nishioka)      \
  JBD02224@niftyserve.or.jp  ◎
  TUM57874@pcvan.or.jp    (   <
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