玉井彰の一言
[2005/12/31]  日はまた昇り、そして沈む

景気回復の掛け声とともに、株価が値上がりしています。今年末の終値は1万6111円43銭。前年末の終値1万1488円76銭から4割増。

構造改革の成果と喧伝したい小泉内閣ですが、「改革」とは無関係の景気循環+中国特需と考えるべきです。

「皆さん!日は西に沈みました。私の魔法で東から昇らせて見せましょう。」というインチキ魔術師。待つこと10時間あまり、日は昇ります。魔法ではなく自然現象です。小渕内閣時代の株価は2万円でした。来年以降、また沈んだということであってはなりません。

地方の中小零細企業では、景気回復というのが実感できません。「適者生存」ということで納得すべき事柄なのかどうか。

地方から日本が活性化するのが真の改革です。分権国家・日本が幾つかの地域の競争により活性化する姿を見たいものです。

「小さな政府」ではなく、「小さな中央政府」を目指すべきだと考えます。

[2005/12/30]  自民党政治家の苦悩

9.11選挙で大勝した自民党ですが、良識ある自民党政治家は苦悩していると思います。

バカボンのパパ(コイズミ)が「これでいいのだ」と言うと、「チルドレン」が「そうでございます、御主人様」という馬鹿げた政治が、この世のものとして実在します。

見識とか、歴史認識とか、大局観とかはどうでもいい政治。この風下に立たなければならない自民党の政治家諸氏に同情します。

もっとも、勇気がないんだよね。政治家は野党の方が面白いのに。(万年野党ではだめですけれども)

[2005/12/29]  団塊世代の退職金

(読売新聞より)

1947〜49年に生まれた「団塊の世代」の都道府県・政令市職員は、2009年度に定年退職のピークを迎え、同年度に自治体が負担する退職手当は5万1245人分、総額1兆4029億円に上る見込みです。

過半数の自治体が現時点では全額支給の財源を確保できるかどうか分からないと回答しており、団塊世代の大量退職が地方財政に打撃を与える実態が鮮明になりました。

(コメント)

公務員だけでなく、民間企業でも大量の退職者が出ます。雇っている側からすれば大変ですが、富が国・自治体・企業から退職サラリーマンに移転するのですから、大きなチャンスだという見方もなり立ちます。

団塊世代の財力と活力とを地域社会でどう活かしていくのかが問われます。彼等の世代から以降は、普通の年寄りにはならないだろうと思います。

[2005/12/28]  渡る世間は鬼ばかり

一連の耐震偽装問題や手抜き工事を見ていると、我が国の建築物で安全なのがどのくらいあるのか心配になってきます。

対策として考えられる一案として、買い主側の不動産審査義務付け制度(建築士がその任にあたるべきかどうかは別途考慮が必要でしょう)の創設があります。不動産の土壌、建築物の強度や居住快適性について審査します。

十重二十重に違法・手抜き工事対策を講じなければならないと思います。審査する人が姉歯さんのようだったり、あるいは今回登場した検査会社のようだったりという、万が一のケースに備えて、保険制度をミックスして、買い主保護につとめます。

「小泉構造改革」の行き着く先は、渡る世間は鬼ばかりの世界です。それを前提とした制度設計が必要です。公共工事にも適用すべきだと思います。

[2005/12/27]  靖国神社合祀

11月8日の「一言」で言いたかったこと。

@中国・韓国に批判されるからA級戦犯合祀がいけないのではない。

A極東軍事裁判が正当だから合祀がいけないのではない。

B我が国民に地獄の苦しみを味あわせ、多くの英霊達の人生を奪った無能・無責任指導者を英霊達と一緒に祀るべきではない。

C「指導者」達は、「生きて虜囚の辱めを受けるな」と檄を飛ばしていたはずなのに、「虜囚の辱め」を受けているではないか。この連中と英霊とを合祀すべきではない。

上記の点については、繰り返し主張していきたいと思っています。最近、新聞の投書欄で同様の趣旨の意見があったのを読んで、意を強くしています。

もっとも、A級戦犯の方々の方が、合祀を辞退したい気持ちなのではないでしょうか。

忘れられがちなのは、アメリカとうまく交渉したA級戦犯が、戦後華やかな政治生活を送ったということです。その意味では、靖国に合祀されているA級戦犯を気の毒に思います。

[2005/12/26]  公務員の人件費

(毎日新聞ニュース)

民主党の前原誠司代表が重点課題に位置づけている公務員制度改革をめぐり、同党が9月の衆院選のマニフェスト(政権公約)に掲げた「国家公務員の総人件費を3年で20%削減」との数値目標が、党内対立の火種に浮上してきた。目標堅持をうたう前原氏に対し、官公労系議員は「実現不可能」と強く反発。来年の通常国会への対案提出に向けた党内調整は難航しそうだ。

前原氏は24日の京都市での講演で「(数値目標を)見直すことはあり得ない。さらにどれだけ減らせるかを議論する」と語った。「3年で20%」の目標を上積みする可能性に言及することで、数値目標の骨抜きを目指す党内の動きを強くけん制したものだ。

同党が20日にまとめた改革案の中間報告は、数値目標に反発する官公労系議員に配慮する形で、原案にあった「3年で20%」の明記を見送ったうえで「政権公約の考え方を発展させる」との表記にとどめた。さらに「3年で20%」に対しては、官公労系以外からも「選挙中に政治判断で決めた目標。急激すぎて法案化は難しい」(幹部)との声が漏れており、執行部内では「20%削減は維持するが、3年の年限は外す」という案さえ浮上している。

しかし、労組寄りの姿勢が衆院選の惨敗につながったと判断している前原氏は、この問題での妥協はしない構えだ。「脱労組依存」を強調してきただけに、妥協すれば中堅・若手の支持も失いかねない。24日の発言の背景にはこうした事情があるが、官公労系議員の態度がさらに硬化することも予想される。

(コメント)

公務員が嫉妬の対象となっていることが背景にあります。そして、連合傘下の労働組合が恵まれた層の労働者を代表する組織であるとの見方も強くなってきています。このことへの怯(おび)えが民主党執行部にあります。

これまでも主張してきましたが、公務員の給与を減らすよりも給与の一定割合を地域通貨で受け取ることを公務員労組が積極的に提案すべきです。

地域通貨の制度確立にも労組が協力すべきです。むしろ、積極的に推進する立場に立ち、地域経済を地域通貨により積極的に防衛する旗振り役を労組が演じるべきです。

労組が自己の権利主張をする団体から地域での責任を負担する団体に脱皮したことを、市民にアピールできるかどうかがポイントです。

民間労組も同様の提案を行い、地域防衛の立役者となることを目標としていただきたいものです。民主党の路線は、このような方向をサポートするものであるべきです。

[2005/12/25]  「ルールはルール」なのか

女子フィギュアスケートの浅田真央ちゃんが国際スケート連盟(ISU)が定める年齢制限でトリノオリンピックに出場できないことが話題になっています。

シニアの大会に出場して、初戦の中国杯2位。シニア2戦目のエリック・ボンパール杯で優勝。3戦目のグランプリファイナルでも優勝。

日本スケート連盟は優等生的な立場を取っています。しかし、スポーツ界ではルール変更は頻繁に行われており、ルール、ルールと絶対視する必要などどこにもありません。

オリンピックが2年に1度ならそれほどの問題ではありません。しかし、4年は長い。女子フィギュアの場合だと、選手生活のピークがその間に過ぎてしまう可能性があります。

しかも、他のシニア国際大会に出場できてオリンピックは駄目という合理的な理由はありません。

日本主導で世界のルールを創る気概が必要です。政治の世界も同様。「優等生」でいることには何の意味もありません。

[2005/12/24]  中国への親しみ

(日経ニュース)

内閣府が24日に発表した「外交に関する世論調査」によると、中国に「親しみを感じる」と答えた人は前年比5.2ポイント低下の32.4%となり調査開始以来、最低となった。

日中関係が良好だとする回答も19.7%と前年の28.1%から大幅に低下し過去最低。小泉純一郎首相の靖国神社参拝への中国政府の反発や、今春に中国内で起きた反日デモが影響したとみられる。

(コメント)

インド・パキスタン、独仏の歴史に見られるように、隣国との関係は難しいようです。

日中の関係は、日本の政治的傾向を映し出す鏡のような一面もあります。

中国は常に過剰反応します。かつては、それが日本側の自制につながっていましたが、小泉政権になって、相手が過剰反応すると、もっとやってやれというサディスティックな方向に向かうようになってきました。これを「ネット世論」が後押しします。

この循環を断ち切れるのは、日本側の大人のセンスです。現状では。

[2005/12/23]  人口減少元年

2005年が人口減少の始まりになる可能性が濃厚となりました。政府の人口予想は、下へ下へとぶれています。

(朝日新聞ニュース)

05年に生まれる赤ちゃんの数が亡くなった人の数を下回り、日本の人口が自然減に転じる見通しであることが、厚生労働省が22日に公表した人口動態統計の年間推計でわかった。1899(明治32)年に今の形で統計を取り始めてから初めてで1万人減るという。少子化を背景に秒読み段階に入っていた人口の自然減の開始は、今春のインフルエンザ流行の影響で政府予想(中位推計)より1年早まった。

人口動態統計では、海外への移住や外国人の日本への定住など社会的な変動は含まれていない。総務省が近く、10月の国勢調査に基づく総人口の速報値を公表する。

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の見通しでは、現在1億2800万人弱の総人口は07年から減り始め、2050年に1億人になるとされ、日本社会は雇用や社会保障などあらゆる面で調整を迫られる。

推計値によると、05年生まれの赤ちゃんは前年比4万4000人減の106万7000人で過去最低を更新人口1000人あたりの出生率も8.5と前年の8.8から落ち込んだ

少子化が始まった70年代後半に生まれた世代が出産が多い年齢層である20歳代後半になり、母親人口の縮小が、少子化に拍車をかける構図だ。生まれる赤ちゃんの数は2014年には100万人を切ると予想される。

一方、05年の死亡数は前年比4万8000人増の107万7000人と1947年に次いで多く、3年連続で100万人超え

社人研による02年1月の中位推計では、外国人を含む日本の人口は05年は約2万人の自然増になる見通しで、自然減に転じるのは06年(2万3000人減)の予定だった。1年早まったのは、今春のインフルエンザ流行という一時的な要因で約2万人が死亡した影響と厚労省では見ている。

だが、高齢化の進展で死亡者数は、団塊世代が90歳代に入る2040年には170万人に達する見通し。一方、出生率の落ち込みに歯止めがかかる兆候はなく、人口減少の終わりは見えない。

今回の推計は、市区町村への出生や死亡などの届け出に関する10月分までの集計をもとにしている。過去にも実績値と1万人以上の誤差があった年があるため、厚労省は「来年6月の実績集計時点で自然増になる可能性はある」としている。

(コメント)

少子化故に人口が減るのではありません。死亡者が出生者を上回るから自然減となるのです。高齢社会到来でお年寄りが増えた結果、死亡者が増えてきました。

最近お葬式が多くなり、葬祭用の会館が増えてきました。今は参列者の多い葬儀が多いようですが、将来は参列する親族の数もめっきり減ってきます。団塊の世代が大挙してあの世に旅だった後は、相当寂しい社会になることを覚悟しなければなりません。

もちろん、技術の飛躍的な進展で、近い将来ドラえもんのようなロボットが一家に1台(いや1人)ということになるでしょう。ロボットと共存したり、自分自身がサイボーグ化したりと、科学技術の進歩とともに社会のありようが変化します。

変化に対応する気構えと、社会システムにおいて先手を打つ対応が求められます。

[2005/12/22]  頑張れ、矢祭町

(朝日新聞ニュース)

「市町村合併しない宣言」で知られる福島県矢祭町は19日、将来も合併しないことを明記した自治基本条例案をまとめた。人件費削減のため役場の定年退職者の不補充も盛り込んでおり、全国でも例のない内容。根本良一町長は「自立のためには財政健全化が不可欠。町が進めていることを後戻りさせないための条例化」と説明する。20日から始まる町議会に提案され可決される見通しだ。

条例案は、町政の基本理念をうたい「町の最上位の条例」と位置づける。前文には「法令をもって命令されない限り合併をせず、自主独立の道を歩む」と記した。

第1条で「人口減少に歯止めをかけ」と、町を挙げて少子化対策に取り組む目標を掲げた。第6条では「来たるべき団塊の世代の定年退職にも不補充で臨み」と、役場職員の新規採用に「縛り」をかけた。

矢祭町は、経費節減のため、03年度から職員の新規採用を停止した。職員数は現在77人だが、団塊の世代の退職が終わる8年後には40人台まで減ると見込み、役場OBらが運営する「第2役場」に業務委託をする準備を進めている。今年度から第3子以降の出産に祝い金を100万円支給しており、今後拡充する方針だ。町は約7000人の人口を10年度に7500人にすることを目標にしている。

総務省合併推進課は「合併しないという条例は聞いたことがない。こちらは、合併が必要という立場。こうした条例は想定しづらい」としている。

(コメント)

総務省の言う通りにすると、小さな自治体は潰れます。私が数年来言い続けてきたことです。

夢のある合併をなどとおだてられて、合併して新自治体の一地域となり、そのうち地域そのものが忘れられるというのが、お定まりのパターンです。

「第2役場」の発想が、これからの自治に必要です。第3子には、100万円出す価値があると思います。産める人に頑張ってもらうのが、最も実効性があります。

先進地・矢祭町の取り組みに、今後も注目していきたいと思います。全国各地で、「気が付いた自治体」が現れています。

[2005/12/21]  困ったことに、困ってない

政権交代は、2003年ないしはその次の選挙(結果として2005年)で行われなかったら手遅れであると思っていました。太平洋戦争での壊滅的敗北とは異なる形の破綻を回避したかったのですが、無理でした。

この原因のひとつは、多くの方が困っていなかったということです。このまま行けば破綻が待っているはずの人も、さしあたり何とかなるので、「小泉劇場」に拍手喝采する余裕がありました。

400万人と言われるフリーター、80万人と言われるニート。彼等もそれほど困っていません。「補給路」(=親の資産・資金、実家での生活援助)があるからです。

9割の人が何とかなると思える状況。1割の人に困難のしわ寄せがいっていても、9割の人の多くがそのことへの想像力を欠き、「自己責任」だと評論する立場になってしまいました。

「明日は我が身」の危機意識から解放され、「なんとかなるだろう」、「しかたがない」でその日を過ごしているのです。「政治」が介入する余地がありませんでした。

多数派は、困ったことに、困ってなかったのです。そして、「確かな野党」で現状固定を目指す方々も、それほどの危機意識は持っておられませんでした。

本当は、反ファシズム統一戦線を組むべき状況なのですが。

[2005/12/20]ジャイアント馬場、ボボ・ブラジル、オキ・シキナ

このタイトルを見て「ははーん」と思い当たる方は、40代後半以降か。「ジャイアント馬場ボボ・ブラジル」のプロレス中継はなかなかのものでした。レフェリーはオキ・シキナ。

この3人がいるプロレスは、まるでスローモーションを見るようでした。馬場もブラジルもへとへと状態になり、体固めにはいるのも超スローモーション。カウントを取るオキ・シキナの「ワーーーーン」「ツーーーー」「スリーーーー」が長いこと長いこと。「スリーーー」の前に逃げる時間がたっぷり。

このオキ氏がレフェリーをつとめると、観客の方が選手より怒り狂う展開となりました。「外人レスラー」が行う反則は、全ての観客が目撃しているのに、オキ氏だけが気付かないのです。この人物が観客を盛り上げる「名レフェリー」だったのだと、あとから気が付きました。

検査会社以外の関係者の多くが疑問に思い、あるいは見抜いていた耐震偽装を見抜かなかった検査会社。姉歯氏の証言を聞いていると、「見抜けよ、イーホームズ」と言外に言おうとしているようでもありました。

そのイーホームズ社長・藤田氏の言い分は、下記(「伝言板」で教えていただきました)。藤田氏の意見は、聞いておくべきものだと思います。早々の幕引きには要注意。

http://www.ehomes.co.jp/

[2005/12/19]  NHKを守れ

深夜テレビを付けると、民放のおちゃらけ番組に辟易します。NHKの番組を見てほっとされる方も多いと思います。取り分け、アーカイブ方式で過去の映像資産の紹介があるときなど、暫し感動の時間を過ごすことがあります。

民放のゴテゴテした特大字幕スーパー。何度も何度も同じ映像を繰り返し、実質内容が時間枠の三分の一以下しかない番組(構造偽装ならぬ内容偽装番組)。こんなものしかないテレビでは、この国の文化も怪しくなってしまいます。市場原理万能では取り返しのつかないものの一つが、NHKの民営化です。

<以下、森田実氏のHPより>

12月15日付け東京新聞の「テレビ&芸能」欄(15面)に橋本元一NHK会長のインタビューが掲載された。見出しは「NHK会長インタビュー詳報/民営化論理理解できぬ」。
 

当然である。NHK自身は政府・与党に向かって発言しにくい立場に置かれているが、どういう形でもよい、「NHKは民営化には納得していない」ということを国民に常に知らせる努力をしてほしい。
 

心ある国民はNHK民営化に反対である。小泉・竹中民営化路線を阻止すべきだと考えている。ところが、郵政公社のように民営化論者が総裁というトップの地位についてしまったら、民営化を阻止することは困難になる。NHK自身が民営化の動きに屈服したら、どうにもならなくなる。

「NHKの民営化」は「日本の魂・文化・伝統のアメリカ化」に通ずると私は思っている。NHKは日本文化・日本的伝統の最後の砦である。
 

民放テレビはずっと以前から「日本の心」を失ってしまっている。民放で働いている記者、編集者、ディレクターには「日本の精神」がなくなってしまっている。民放テレビだけになったら、たとえ日本語の放送ではあっても、「日本の精神」が崩れてしまっているため、どこの国のテレビかわからないような無国籍的放送になってしまう。

現代社会において、テレビ・ラジオは非常に大事なメディアである。この重要なメディアが真面目さと道義と品位と日本的精神を失ったら、日本はお仕舞いである。
 

民放テレビにはもはや、真面目さ、道義、品位、日本的精神がない。大新聞からも失われてしまっている。いまなお、これを残しているのがNHKである。NHKのBSを見れば、NHKが日本国民にとって大切な放送局であることがよくわかるだろう。だから、われわれ日本国民はNHKを守らなければならない。
 

大新聞のなかには、NHKのわずかなミスを針小棒大に、さも大問題であるかのように大騒ぎするところがあるが、こういうのを「小を専らとして大を失う」というのだ。朝日新聞である。朝日新聞はこれからはNHK民営化を阻止するための世論喚起に努めるべきである。  

(「森田実の時代を斬る」・12月19日分)

(コメント)

森田氏は、民主党前原路線批判の急先鋒です。氏の主張されるところの全てに賛同するものではありませんが、じっくりと耳を傾けるべき論説であると思っています。

[2005/12/18]  冷たい世論が冷たい政治を後押しする

読売新聞より)

耐震偽装問題で、強度不足マンションの解体・建て替えや住民への公的支援策が打ち出されるなか、国土交通省や自治体に対し、「税金を投入するのはおかしい」といった意見が寄せられている。

新潟県中越地震の被災者などに比べて支援が手厚すぎるといった指摘も目立つ。一方、インターネットの掲示板では被害者のマンション住民を中傷する書き込みが相次ぎ、「まわりの人に敵意を持たれているようで怖い」と訴える住民も出ている。

国交省には16日までに、この問題についての意見が電話などで計約1300件寄せられた。マンションを自治体が買い取って解体、建て替え、住民に再分譲する枠組みが発表された6日以降は、反対意見が大部分になった。「住民の自己責任でやるべきだ」などの声が目立つという。

「グランドステージ東向島」がある墨田区では、当初は家賃減免の方針を示さなかった区への非難が多かった。だが6日からは一転し、「責任を問うべきはヒューザーやイーホームズ。税金を使ってほしくない」とする意見が大勢を占めるようになった。

「グランドステージ住吉」を抱える江東区にも、「阪神大震災を経験したが、あの時は住宅再建に税金は使われなかった。不公平だ」などとする意見があった。横浜市でも公的資金投入に反対する投書やメールが11件寄せられている。これを受け同市は16日、支援には市ではなく国の予算を使うよう求める要望書を国交省に提出した。

中越地震などの際の支援との違いばかりでなく、買い取りの対象が耐震強度0・5で線引きされたことなども不公平感につながっているようだ。

当の住民からは「自分が当事者でなかったら、手厚い支援はおかしいと思うから仕方がない」(「東向島」の女性)というあきらめのような声も。「住吉」の男性は「『私たちは被害者だ』と主張するだけでは本当の解決にならない。当然、我々もリスクを負うべきだと思う」と、批判を冷静に受け止めている。

こうした批判とは別に、住民たちを悩ませているのは一部のインターネット掲示板だ。住民の発言を「気にくわない」などとやり玉に挙げる心ない書き込みが多い。あるマンション住民は別の住民から、「ネットの掲示板に悪く書かれるので、マスコミに過激なことは言わないで」と頼み込まれたこともあったという。

マンションの住民代表は「最初は倒壊の恐怖や生活の変化によるストレスが大きかった。ところが、最近では公的支援への批判が高まっていることで、『周囲の人たちに敵意を持たれている』と外出を怖がる人が増えてきた」と、心理的圧迫の深刻さを明かす。

(コメント)

救済方法の公平性の問題はさておき、被害にあったマンション住民が困っていることは確かなのですから、この方々に余分なストレスが掛かるようなことだけは避けたいものです。

ネット掲示板の心ない「世論」、冷たい発想は、現在の社会の病理を端的に表しています。

小泉政権の冷たい政治を、冷たい世論が後押しする図式です。今回は、政府よりも「ネット世論」が冷たいということです。

もっとも、今回の政府の「温かさ」は、幕引きしなければならない事情からくる自分達への温かさのような気もします。

[2005/12/17]  姉歯氏意外の人

姉歯氏意外にも構造計算を偽造した設計士がいると報じられています。木村建設の篠塚氏が姉歯氏に言ったとされる殺し文句からも推測されましたが、この問題がどこまで広がるのかしばらく目が離せません。

構造計算書偽造×手抜き工事というパターンもあるようです。手抜き問題も含めた徹底的な事実解明が必要です。

[2005/12/16]  自民党、お粗末の巻

耐震データ偽造問題をめぐる証人喚問における自民党の喚問に対して、14日から15日にかけて、自民党本部に「追求が甘い」などという抗議電話が数百件あったと報じられています。キーマンの姉歯氏にほとんどしゃべらせず、独演会をやってのける場違いな委員に、テレビの視聴者は辟易したのではないでしょうか。

民主党・馬淵議員が、総研のチーフコンサルタントである四ケ所猛一級建築士の自筆メモを提示し、幹部が鉄筋量も含めた技術指導を現場で行っている事実があると信憑性を突いたところは、圧巻でした。与党側に「白け鳥」を飛ばされた後での質問というのは、大変だろうと思います。

与党の「質問」は、証人喚問の値打ちを下げ、ひいては国会の権威を低下させるだけではないでしょうか。

15日の毎日新聞社説「偽造証人喚問 『ぐるみ』の疑惑は強まった」の一節。

<久しぶりの証人喚問で、各党の「追及力」も注目されたが、自民党は余りにお粗末だった。まさか、業界批判を遠慮しているのではあるまいが、材料も乏しく、演説のような話をだらだらと続けられては時間の無駄だ。その分、質問時間を野党に配分した方がましだった。>

質問時間の均等配分に加えて、野党が先に質問し与党が後から質問するようにして、冒頭から「消化試合」を国民が見せつけられることのないような議会運営を期待します。

ちなみに、自民党の質問トップバッター・渡辺具能氏。何処の選挙民が選んだのかと調べてみたら、福岡4区でした。民主党・楢崎欣也氏の選挙区。楢崎氏の復活を期待しています。

[2005/12/15]  菅直人の「一言」

(菅直人氏のHP、「菅直人の今日の一言」・12月14日より

http://www.n-kan.jp/

前原代表の下の民主党について、心配のメールをたくさんいただいています。

私自身、代表選では自民党との対立軸を民主党として明確にすることを主張しました。新代表に就任した前原代表にもフレッシュな感覚で自民党に対抗する民主党の姿を示してくれることを期待していました。

この点で前原代表の昨今の言動が、自民党との差がなく、二大政党としての存在理由が無くなっているという多くの人の指摘に、前原代表自身、真摯に耳を傾けてもらいたいと考えています。

(コメント)

前原路線は、植民地内政権奪取路線だと思っています。少なくともここ10年は、アメリカの許容範囲内でしか日本の政権は持たないとの前提で、親米非自民政権を樹立する。「民主化」した後で、真の改革に取り組む。こういう路線であることを前提に、私は支持しています。

菅氏の路線が最も民主党らしいと思います。ここを着地点とした政権戦略なのかどうかがポイントです。前原路線が、「ミイラ取りがミイラになる」という過ちを犯さないことを願っています。

選挙はまだ先なので、インコース(速球orシュート)、インコース(速球orシュート)=(前原路線)、アウトコースのスライダー=(菅路線)、という「配球」もありかな、というところです。

[2005/12/14]  国勢調査・速報値

国勢調査の速報値が発表され、愛媛県の人口が、国勢調査時点(本年10月1日)で146万7824人であることが分かりました。私の想定より若干少なめの数値。毎年5千人減少しています。これから加速度がついてくるものと予想されます。

(朝日新聞より)

県は12日、国勢調査(10月1日現在) の速報値を発表した。県内人口は146万7824人で、00年の前回調査に比べて2万5268人、1・69%減少した。 人口減は4回連続で、減少率は前回の0・9%より広がった。 県統計課は「少子高齢化による自然減と、県外への人口流出が続いている」 とみている。 (中略)

市町別では、人口が増えたのは県内20市町のうち松山、東温、松前、砥部の2市2町のみで、松山周辺への人口集中をうかがわせる結果となった。

人口増加率は東温市が最も大きく1・67%。砥部町1・59%、松山市1・31%と続いた。 一方、減少率が最も大きかったのは伊方町で10・65%。 次いで、愛南町9・20%、久万高原町7・92%の順だった。 東予地区より南予地区の減少率が比較的高い。

世帯数は58万2645世帯で、前回より1万6499世帯、2・91%増えた。 ただ、1世帯当たりの人数は2・52人で前回比0・12人減となり、担当者は「単身世帯が増えているようだ」 とみている。

県内人口は1955年の154万628人をピークに減少。 75年からいったん増加し、85年には約153万人まで回復したが、90年から再び減っている。

(コメント)

50年後は、愛媛の人口・90万人程度と予想しています。南予は6割減、東予5割減。中予も減少します。松山市に一極集中するでしょう。

人口減少は、1人当たりGDPを同じとすると、県内総所得の減少を意味します。高齢化という要素も忘れてはなりません。経済の規模が縮小します。

9.11選挙で地方斬り捨て路線が結果として承認されました。限られた資源を有効活用する地域振興策が必要です。

もちろん、生産力の飛躍的拡大、移民受け入れなど、全く違うステージに入る可能性もあります。

[2005/12/13]  五島正規衆院議員辞任

(毎日新聞ニュース)

「(検察は)アホ」。政策秘書らの公選法違反事件を受け、12日夕、衆院第1議員会館で記者会見して辞職表明した民主党の五島正規衆院議員(66)は、激しい捜査批判を展開した。

鳩山由紀夫幹事長との会談後、グレーのスーツ姿で会見に臨んだ五島氏は硬い表情で語り始めた。捜査に話題が及ぶと、選挙違反を否定し、「でたらめな捜査」「勝手で、恣意(しい)的」「まったく不当」「狙われてやられた」と過激な言葉が口をついた。

さらに、高知地検が政策秘書を選挙運動の「総括責任者」と認定し、自身が連座制の対象となる可能性があることについて「(検察は)アホやなあと思ってます。東京の秘書は選挙全体を指揮できない」と吐き捨てるように言い切った。

また、前原誠司代表が辞職を促す発言をしたことについて「あれは前原さんの個人的な感想だと思う。若い代表だからしゃあないなあ」と不満を漏らした。

(コメント)

五島氏の気持ちはよく分かります。今回の選挙では、民主党が狙われるだろうと言われていました。県警疑惑との絡みです。

もっと警戒すべきだったという批判はあるでしょう。しかし、選挙になると、何がなんだか分からなくなってしまう面もあります。候補者にもよりけりですが、選挙の全体像を把握することは困難です。

もっとも、お金に関するところだけはきちんとしなければならないでしょう。地域性もあります。ある地域の方から(私の選挙ではありません)、あっと驚くような申し出を受けたことがありました。選挙で動けば必ず金になると思っておられるようでした。

けじめを付けきれなければ、選挙違反で捕まる。けじめを付けると、あとで悪口三昧になる。それが選挙の実態です。

[2005/12/12]  比例代表

(日経新聞ニュース)

小泉純一郎首相は8日、現在は小選挙区比例代表並立制を採用している衆院の選挙制度について「政党が順位を決める比例代表よりも一般有権者が直接選んだ方がよい」と記者団に述べ、比例は廃止すべきだとの考えを示した。同時に「変えるなら衆院と参院を一体でやった方がいい。衆院と参院の制度が同じではあまり意味がない」と語った。

(コメント)

比例復活への批判が最近強いようです。意図的な世論誘導の気配が気になりますが、私も比例代表を廃止することには賛成です。

現行制度では、2票を使い分けることで、有権者の煮え切らない思いがそのまま投票行動に反映されるため、本当の意味での決断ができないのではないでしょうか。

1票で自分の意思を表明することにして、有権者に本当の決断をしていただきたいと思います。

[2005/12/11]  憲法改正と野党・民主党

(毎日新聞ニュース)

民主党の前原誠司代表は9日午後(日本時間10日午前)、記者会見し「憲法改正を必要だと考えている政党にとって与野党はない」と述べ、与党との改憲協議には前向きに応じる姿勢を示した。
 

小泉純一郎首相が9日夜、自民・民主両党の「大連立」に関連し「近い点は多々ある。前原代表は憲法改正論者。今後自民党と協力できる点があると思っている」と述べたのに対するコメント。
 

前原氏は、憲法改正を発議するには衆参両院で3分の2以上の賛成が必要であることを強調。「国民の関心を高めていく責任は、与党だけではなく民主党も負っている」と述べ、与野党協議を進めることで改憲論議を盛り上げるべきだという考えを示した。
 

前原氏は「大連立」の可能性については「99.99%ない」と否定しているが、連立論の最終目標である改憲では、与野党の協調に積極的だ。

(コメント)

憲法改正については、野党民主党も一定の責任を果たすべきであるというのが、前原・民主党代表の考え方のようです。

私は、政権交代先行論です。政権交代を決断できる国民であってはじめて、憲法改正を自分の頭で考えることが可能だと思うからです。

臆病な国民性が変わることが、成熟した民主主義社会の第一歩です。その指標が政権交代です。

[2005/12/10]快・不快の感情が表現の自由を上回る価値か

自衛隊のイラク派遣に反対するビラを立川の防衛庁官舎に配って住居侵入罪に問われ、一審で無罪となった市民団体の3人に対し、東京高裁が逆転有罪の判決。

被告の3人は「自衛官・ご家族の皆さんへ 自衛隊のイラク派兵反対!いっしょに考え、反対の声をあげよう!」などと書いたビラを部屋のドアの新聞受けに入れたため逮捕され、75日間も身柄拘束されました。

3人が官舎に入ったのは、門扉のない出入り口からで、他の配達員も立ち入る共用部分だと一審判決は認定し、「刑事罰に処するほどの違法性は認められない」と判断しました。

二審判決は、官舎を管理する自衛隊幹部らが居住者に「反自衛隊的なビラの配布を見かけたらすぐ110番通報を」という文書を配っていたことをなどを理由に、問題のビラ配りがいかに官舎の管理者らの意思に反していたかを強調しています。

処罰するほどの違法性があったか、という点では、「表現の自由が尊重されるべきものとしても、そのために他人の権利を侵害してよいことにはならない」と述べています。

(コメント)

迷惑だという人がいれば、表現の自由は尊重されなくてもいい、ということでしょうか。

常識的に考えて、ビラ入れが本当に迷惑なら、配布された文書の責任者に強く抗議し、それで収まらない場合には、「次回このようなことをすれば告訴します」と警告しておけばいいのです(内容証明が適当)。このような措置を取ったのにあえて侵入したのなら、これは刑事罰相当です。

この話でおかしいのは、公僕たる自衛官が政治的なビラに対して刑事罰を加えるべく積極的に行動したということです(住居侵入罪は親告罪)。彼等は国民の批判に耐えなければならない存在であり、自らが関与する問題に関して、単なる一国民として振る舞うことが妥当かどうかという視点でも考えてみるべきです(もちろん、宿舎に投石をする者がいたりする場合は別論です)

もっとおかしいのは、こんな軽微な事件を「犯罪」だとして貴重な税金を浪費することに、何のやましさも感じない感覚です。よほど暇なのではないか。自衛隊、警察、検察、二審裁判所はグルじゃないかと言いたくなります。

未解決の重要案件が山積する司法当局が、力こぶを入れるべき事案ではないと思います。

[2005/12/09]  懲役100年

女児殺害事件がつづき、社会不安が拡大しています。犯人を死刑にすべしという意見が当然出てくるでしょう。これに反対するつもりはありません。

問題なのは、無期懲役や懲役10年というような刑の場合です。「無期」といっても、十数年で出所することが多く、出所後の再犯の心配をしなければなりません。満期に近い形で出所すると、仮釈放になった場合でもすぐに完全な自由の身となって問題を起こす余地が出てきます。

犯罪者の改善・更生を目標とする現在の行刑思想は大変立派です。長期の刑罰は受刑者の人格破綻を招いたり、出所後に社会への適応が困難になることなどが指摘され、短い刑期できちんと更生させ、社会の中で真っ当な人生を送らせていこうとする考え方にも正当性があると考えます。

しかし、性犯罪のように再犯の可能性が高く被害が深刻な犯罪類型では、短期で出所して犯罪を繰り返されたのでは社会不安を除去できません。思い切った長期刑を科し、全人生をもって償わせるという発想もあっていいのではないかと思います。

「懲役100年」の刑を科しつつ、改善が見られれば仮釈放することにして、問題があれば残りの刑期に服する(5年で出所して問題を起こせば、残りの95年間刑務所に戻る)ということにすれば、かなりの心理的な効果が期待できると思います。

[2005/12/08]  忘れるな、真珠湾

64年前の未明、連合艦隊ハワイ真珠湾奇襲。日米決戦の緒戦は、アメリカに衝撃を与えました。

ABCD包囲網により開戦を余儀なくするようにし向けられたという説が有力です。しかし、その後半年にわたり西太平洋の制空権、制海権を保持した日本の実力はそれなりのものだったと思います。

問題は外交能力。最後通牒を真珠湾攻撃後に提出する不始末を60年以上たっても指摘され、「リメンバー・パールハーバー」の一言で米国民が一つになれる契機をつくってしまいました。

それ以前に、西太平洋での安全保障を確立するための外交努力をすることなく、何の力にもならないヨーロッパのファシスト国家と同盟を結ぶ世紀の愚策を犯してしまいました。

信頼できる調停者(国)をつくらずに始めた戦争。緒戦で戦意を喪失させ和平に持ち込む作戦だったとも言われますが、「レフェリー」なしのバトルを何故やったのか、センスを疑います。

安全保障の問題を戦力云々の問題だけに矮小化しようとするのではなく、外交という広い視野でものごとを考え、「真珠湾を忘れるな」という命題を、日本国民が肝に銘ずべきものとして確認したいと思います。

[2005/12/07]  アメリカの意思か国民の意思か

政権交代を可能にするには、アメリカの許容範囲内の政策を掲げる方がいいのか、それとも国民のニーズを重視する方がいいのか、現代の日本政治を考える上での大きな分岐点になります。

これが商業の場合なら、供給者サイドの発想ではなく消費者サイドの発想でなければならないということが言えますが、政治の場合にそう簡単に言えるのかどうか。

小泉政権は徹底的にアメリカの立場で政治を行い、アメリカの対日要求に添った「郵政民営化」を掲げて9.11総選挙に臨み、アメリカの意を受けた財界とマスコミの力で圧勝しました。

気持ちとしては、国民の立場に立った政治を行うべきだと思いますが、国民の意思が鰻をつかむようにつかみづらいことと相俟って、財界、マスコミという因子を考えた連立方程式の解を求めるには、二段階三段階の戦略が必要であると思われます。

民主党前原路線には様々な解釈が可能ですが、単純にネオコン路線と非難すべきではないと思います。政権交代に向けては様々な道があり得ます。ここは柔軟な頭が必要です。

我が国の主権を維持し、国民の意思に忠実な政権を目指すべきであるという大目標の下での戦略戦術であることが、もちろん出発点になります。政権交代がない国よりもある国の方が、はるかに民主的であり構造的な腐敗が起こりにくいという、単純な真理も忘れてはなりません。

[2005/12/06]  詐欺の被害者か災害の被害者か

耐震性偽装マンションの被害者に対する政府の公的支援の概要が決まりました。

詐欺の被害者には公的支援はありません。災害の被害者についても、見舞金はともかく、個人財産への補償はありません。今回の事件に対しては、迅速な決定がなされました。

偽装マンションの被害者は、欠陥マンション販売詐欺の被害者のようでもあり、耐震強度が著しく不足している点で災害被害者予備軍のようでもあります。これが、公的支援をためらわせる要因になります。また、耐震性不足の古い建物に住む人との均衡も問題になります。

しかし、現行建築基準法での建築物の生命である耐震強度についての建築確認が、検査の民間開放のやり方に遺漏があったことから生じた事件であるという点で行政にも落ち度があるところが、公的支援がなされるべき根拠となります。周辺住民への配慮、退去命令を出すこととの均衡ということもあるでしょう。

被害者救済という観点から見れば、残ってくる多額のローンについて、期限の伸長や金利の優遇等、弾力的な措置がさらに望まれます。そして、詐欺や自然災害など、他の類型の被害についても、今回の支援を契機として新たな発想をすべき時期に来ているのではないかと思います。

ところで、巷間言われているように、迅速な支援決定の陰には、某コンサルタントや業者等の資金がその筋に流れていたのではないかとの疑念も湧いてきます。疑惑封じの公的支援と言われないよう、徹底的な事実解明が求められます。

[2005/12/05]  スキャンダル

週刊文春による谷垣財務大臣のスキャンダル記事。

民主党・西村真悟議員、弁護士法違反で逮捕。植草一秀氏の事件。社民党・辻元清美氏、田中真紀子氏の秘書給与疑惑。造反者への「刺客」、除名・・・

自民党内で、もの言えば唇寒し、という雰囲気が漂っているということです。ものを言うのが政治家の仕事です。ものを言わずに世渡りをするのであれば、サラリーマンでいればいいはずですけれども。

かなり怖い状況であるとの感想を持たざるを得ません。

[2005/12/04]  任期制公務員

構造計算書偽造問題は、検査・確認業務の民間開放に遠因がありました。しかも、検査会社は天下りの職員が大半であるということも指摘されています。

役所に検査ができる専門職員が少ないので民間に業務を委ねるのだというのが、民間開放の論理です。

私は、国や自治体が必要な時期に必要な業務を遂行するために、任期制公務員を採用すべきだと思います。例えば、任期10年で建築士を公務員として採用して建築確認の任務に当たらせるのです。

公が責任を持つべき勘所は、徹底的に公が担当するという姿勢が必要です。「官から民へ」の安直スローガンの下で、官庁の天下り先がちゃっかり確保されるだけという、インチキ構造改革に騙されてはいけません。

[2005/12/03]  普通にやっていれば民主党の勝ち

次回衆院選挙は、普通にやっていれば民主党の勝ちです。

現政権党の勝利は、曲芸を駆使して獲得したものであり、一見すると堂々たる政権のようでありながら、崩壊寸前の危うさが漂っています。

「景気回復」は、企業利益の拡大を意味するだけであり、国民の豊かさにはつながりません。地方切り捨ての影響が、徐々に住民心理に反映されてきます。大企業と中小零細企業との矛盾も拡大します。生活が苦しくなってくる「小泉」支持層も、騙されたことに気付きます。

無理に改革競争をしたり「対案」を出したりするよりも、野党として堂々と対決した方が、勝つ確率は高くなると思われます。

懸念されるのは、いまだに「得意科目」で勝負しようとする傾向から抜け出せないことです。3回先の選挙で自民党王国を制覇するというような、大戦略が必要です。

[2005/12/02]  インチキなビル

12年前に社屋兼自宅を新築しました。そのローンに追われる日々です。

鉄骨3階建てですが、鉄骨が予想以上に太いので驚いた記憶があります。建築中の他のビルを見たところ、ウチの建物よりも高い建物なのに鉄骨が細いので、これだったらウチのは100年持つだろうとという感じがしました。

構造計算書偽造問題は、魑魅魍魎(ちみもうりょう)跋扈(ばっこ)の様相を呈してきました。しかし確実に言えることは、骨組みが細ければどうしてだろうかと気になるのが施工主であり建築の責任者です。

観念的に誰に責任があるかを問い質す前に、骨組みが気になる人間が誰もいない建築物はない、という常識を忘れてはならないと思います。

[2005/12/01]  公務員叩きと地方の教育

自民党がやる「改革」は、労組潰し、賃下げというフィルターを通してみると分かりやすくなります。

国鉄民営化とは、国労潰し。郵政民営化とは、郵政公社職員の賃下げ。そして、公務員制度改革は、官公労潰しと公務員の賃下げ。

リストラが進み、民間のサラリーマンの給与が減ってきたことから、公務員の給与が相対的に高くなりました。一般の国民の嫉妬心が煽られ、公務員叩きが激しくなっています。

しかし、冷静に考えれば、地方においては我が子が公務員になるのは親の夢ではなかったでしょうか。真面目で優秀な子供に教育を施し、公務員としての安定した人生を送らせたい。あるいは、自分の娘は公務員に嫁がせたい。

公務員の地位が相対化し、不安定なものになることは、地方における教育への情熱を冷まし、地方での生活を不安定化させることにつながります。

[2005/11/30]  「勝てる候補」

9月17日に落選候補を含む民主党の集会が東京で行われました。そのとき、もの凄い罵声を執行部に浴びせかける人物がいました。あとで考えると、翌日捕まった覚醒剤男のようでした。

選挙後の逮捕者3人。選挙違反で4人目の不祥事も出てきます。これはただごとではありません。各紙の社説も批判しているように、党本部が甘いと思います。

選挙において、「勝てる候補」ということが言われます。その最たるものが現職であることは言うまでもありません。現職を含む有力者に対しては党本部の審査が甘くなっていることの結果として、不祥事が続いています。

大問題に発展する前に風聞・風説が執行部に聞こえているはずです。そのときに当事者を呼びつけて膝詰めで事情聴取をし、厳しい質問をし、場合によっては処分するという毅然とした態度が必要です。

「勝てる候補」である前に、有権者が信頼できる人物でなければなりません。大変ですけれども、有力議員であっても、わがままは許さない迫力が執行部に求められます。

[2005/11/29]  政治にかかる金

民主党・西村真悟議員、弁護士法違反容疑で逮捕されました。政治活動にお金がかかる結果としての犯罪です。

自民党の場合は、構造的に資金が集まる仕組みができています。そうでない野党の場合、資金捻出の手段がチマチマした犯罪になってしまい、「法の網の目」に引っかかってしまいます。

もし民主党の新人に年間2000万円の資金が集まれば、自民党の候補とほぼ互角に戦うでしょう(「金は時なり」)。ところが、それができる人は一握りです。

現職の場合その線はクリアできますが、今度は落選の恐怖と戦うことになります。落選の恐怖から逃れようとすると、金はいくらあっても充分ということにはなりません。際限のない自転車操業が待っています。

志を維持しつつ選挙にも勝つ。至難の業というべきです。自民党が野党に転落した場合は、地獄だろうと思います。

[2005/11/28]  「テレビのお陰」

サンデープロジェクト(テレビ朝日系)にビデオ出演した宮沢元総理。9.11総選挙での自民党の勝因を聞かれ、「テレビのお陰でしょう」とのお答え。

大分年を取られた印象ですが、評論家としては一流です。テレビ政治への警鐘を鳴らしたいとの意思を感じました。

選挙が終わると「公正中立」に戻り、選挙が近くなると政府広報機関になってしまう危険が、今のマスコミにはあります。

しかし、選挙後も「小泉チルドレン」を追い回し、杉村太蔵議員をスター扱いしているところを見ると、完全に「たが」が外れた感があります。

[2005/11/27]  自転車の賠償責任

(ニュース)

自転車に背後から衝突され重い障害が残ったとして、元看護師の女性が、乗っていた当時高校生の女性と父親に計約5700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、横浜地裁(井上薫裁判官)は25日、女性に約5000万円の支払いを命じました。
 

判決理由で井上裁判官は「被告女性は携帯電話に気を取られ、前方に注意を欠いたまま進行した。原告の後遺障害との因果関係も認められる」としています。
 

原告側は自転車を買い与えた父親にも賠償責任があると主張しましたが、井上裁判官は「被告の女性は高校生で、判断能力に欠ける点はなかった」と退けました。

(コメント)

自転車は凶器です。このことを自覚しない人が多すぎるように思います。特に中学・高校生。運動神経で歩行者をかわそうとする傾向が強いように見受けます。電話をしながらの走行も目立ちます。

5000万円という賠償額は、被害者救済ということからすれば当然です。しかし自動車と違い、損保が普及していないので、損保に加入していない加害者にとっては酷な話ではあります。

これからは、自転車にも保険加入を義務づけ、被害者救済に万全を期すべきです。

なお、本日朝の民放番組で、ある都市の「北京通り」と呼ばれている自転車が密集する場所が取り上げられ、自転車が猛スピードで走る危険性が指摘されていました。

とにかく、自転車は危ない。人が前を歩いていたら自転車から降りる、ということを基本にしたいものです。

[2005/11/26]  「誹謗・中傷」?

<民主党群馬県第4区総支部長・中島政希氏のホームページ、今週の主張(10月25日)より>
http://homepage2.nifty.com/seiyu/framepage1.html

総選挙の結果について 

今回の総選挙は歴史的といってもよい自民党の圧勝に終わった。当事者の一人だったこともあり、私はこれほど極端な結果に終わるとは、予想しなかった。

ことの善し悪しは別として、国民の多くは郵政民営化をシンボルとする「小泉改革」を支持した。10%近い投票率の上昇は近年にない現象であり、これまで投票所に足を運ぶこともなかった人々の政治的動員に成功した小泉氏の政治戦略は、まことに見事であったというほかはないだろう。しかしこの歴史的な自民党勝利はポピュリズム政治の弊害と紙一重のものであり、自民党が本来の保守政党として守るべきものを失った結果であるように思える。

民主党の惨敗はその改革姿勢に疑念をもたれたことにある。「民主党は労組に遠慮して郵政民営化に反対しているのだ、労組依存の民主党には改革はできない」という自民党からの批判は、実に効果的に作用した。私は単純な郵政民営化には反対の立場をとってきたし、それは労組に影響されてのことではない。しかし私が一人でいくらそう主張しても世間の大勢はそんな言い訳は聞いてくれなかった。

だから民主党大敗の後、公然と「労組依存からの脱却」を主張した前原新代表が登場したのは自然の流れといっても良いだろう。しかしこれは党内の軋轢、とくに労組基盤に強く依存する地方の民主党に深刻な内部対立を招来せずには措かない。むしろ前原執行部はこうした軋轢を高めることで、民主党の「自立」と「改革」を達成しようとしているかに見える。公務員給与削減を目指す給与法改正案を党内の反対派を押し切って今国会に提出したのはその現われだろう。民主党が連合と一体であることを望む人たちと、それを望まない人たちとの対立が、すでに中央でも地方でも生じている。群馬民主党もそうした趨勢の渦中にある。

さて、私自身や群馬県の選挙について語らなくてはならない。私の選挙について言えば、得票は過去最高に伸ばしたものの惨敗に終わった。敗因はマクロ的な要素も大きいが、ミクロ的な要因から言えば準備不足が大方といってよい。

私や他の保守系候補擁立にいたる群馬民主党内のドタバタ劇はいずれ詳しく公表するが、今回の群馬の五選挙区に立ったメンバーについては、すでに昨年九月の段階で名前が出揃っていた。ところが新左翼系人物の突然の乱入やそれに便乗した守旧派の妨害などがあり、4区の公認決定は解散の前日になってしまった。

事務所を開き、印刷物を発注し、各地に選対を作り、事務局スタッフをそろえたところで、もう公示になっていた。表敬訪問も名簿集めの余裕もなく、要するに有権者への個別の働きかけが(それは選挙の基本なのだが)、ほとんどできなかった。惨敗だったが、組織的にも知名度的にも全国有数の強敵を相手の逆風下の短期決戦という条件を考慮し、運動量と結果を計れば上出来の得票だったといえなくもない。

今回の選挙戦の意義は、群馬4区の民主党が、政党としての自立性を確立し、それを有権者の前に鮮明に示せた、ということだろう。平成八年の民主党結党以来、過去三回の総選挙があったが、いずれも社民党と連合推薦での選挙であり、民主党としての姿や集票能力の独自性が不鮮明なままにきた。「労組の傀儡」「社会党の看板の架け替え」という批判が付きまとってきた。だが今回は、連合や社民党の推薦を得ることなく、しかも過去最高の得票数を達成したことで、こうしたマイナスイメージは完全に払拭された。

群馬4区の選挙戦では、従来からボランティア・後援会中心の保守系選対と、旧社会党以来の労組選対が並立し、しばしばその軋轢が表面化した。県連内では、それは4区総支部や私個人のキャラクターによるもののように受け取られていたが、今回他の選挙区でも保守系候補が立ったことで、こうした軋轢が4区固有のものではないことが改めて明らかになった。それは、群馬の民主党に特徴的であった労組請負型選挙を今後どう克服していくかという課題と直結している。

労組請負型選挙とは、総合選対という名のもとに、労組主軸の選対を形成し、そこに活動資金を供給して、選挙活動の全部または一部を請け負わせる形態の選挙方式を言う。五十五年体制下では有効であった労組請負型選挙も、小選挙区制下ではその有効性は失われている。またそれがどんなに有効だとしても、公選法上大きな疑義があり、長くは続けられない。実際今回も全国で労組役員が逮捕されているし、群馬でも昨年の参議院選挙時に某地区で内偵捜査の対象とされたと仄聞する。

群馬4区では今回連合が「選挙態勢を取る時間的余裕がない」とのことで推薦を見送ったことから、幸いにも労せずして、労組請負型選挙から完全に脱却する好機を得た。そして、ボランティアを主軸とする選挙戦で、一定の成果を挙げることに成功した。4区民主党の歴史からすると画期的なことであり、今後も旧態が復辟するようなことはないであろう。また、いずれ他の小選挙区総支部でもこうした結末に至ることとは不可避の趨勢であろう。

私は、今回の選挙を通じて、自らの当選を期すことはもとよりだが、私が創立した群馬の民主党を、しっかりした保守改革路線に立つ若い人材に引き継いでいくことを、大きな目標としていた。私が後継者として嘱望した二人の後輩同志、2区の石関貴史氏が比例区で当選を果たし、5区の田島國彦氏が予想をはるかに超える善戦だったことは、今次衆議院選における大きな成果だったと喜んでいる。

深夜の開票速報を見つつ、群馬と日本の政治改革を主張し行動してきたこの二十年の政治生活を振り返っていた。敗戦後の心境からすると、改革を主唱するにはいささか薹が立ってきたのかな、との思いも去来していた。

そのとき携帯電話が鳴り、石関貴史氏から比例当選の報告と合わせて「政策担当秘書に就任してほしい」との思いもかけぬ申し出を受けた。それは私を政策秘書に迎えることの政治的意味合いをよく承知したうえでのことのようだった。私は熟慮の上、鳩山由紀夫氏の了承を得て、これをお受けすることとした。「士は己を知る者のために死す」は、私の行動理念でもあるからだ。

今後しばらくは石関氏と田島氏の政治活動を助けつつ、民主党群馬4区総支部の更なる基盤強化のために微力を尽くしたいと考えているところである。(平成17年10月23日)

 

<中日新聞・群馬版より>

        連合が民主支援凍結

         「中島氏がHPで中傷」

九月に行われた衆院選で、群馬4区から出馬した民主党の中島政希氏(落選)が自身のホームページ(HP)に掲載した文章が誹謗(ひぼう)・中傷に当たるとして、連合群馬が民主党県連に公式見解を求める質問状を出し、民主との関係を一切凍結すると通知していたことが分かった。

中島氏は衆院選の総括を先月下旬にHPに掲載。連合群馬が4区で推薦を見送ったことについて、「労組請負型選挙から完全に脱却する好機を得た」「(民主は)労組の傀儡(かいらい)」などとしている。

中島氏は「当然のことを書いたまで。連合側の曲解、過剰反応ではないか」などと話している。連合群馬の清村宗一事務局長は「公党の支部長が代表者として掲載する文章なのか疑問。党県連の見解をただしたい」などと反発を強めている。

同県連は富岡由紀夫会長が中島氏から事情を聴き、十九日の常任幹事会でも経過報告した。県連は今後、五役会議を開いて協議し、年内にも県連の議論をまとめたい意向。黒沢孝行県連幹事長は「労組と政党という互いの立場で、今後もいい関係を保ちたいと思っている」と話している。

(コメント)

中島氏の文章のどこが「誹謗・中傷」なのか分かりません。

ホームページを見ると、中島氏はなかなかの見識を持った人物であると思います。

文中に登場する石関貴史衆議院議員。9月17日にあった党の集会で名刺交換をさせていただきました。私の発言後、向こうからやってこられました。御活躍を期待しています。

[2005/11/25]  小選挙区制度で勝つこと

<日経新聞より 「民主の落選組、厳しい冬」 >

9月の衆院選で大敗した民主党。180人近い落選者は再起に向けた支援者回りに加え、収入減で生活の立て直しも大変だ。厳しい冬を迎えている。

「毎朝7時から駅頭を順番に回り、おわびと政策を訴えている」。松下政経塾出身で、若手リーダー格の1人と目されていた樽床伸二氏(大阪12区)は「ボーッとしてたら再起はない」と危機感いっぱいだ。

民主党が小選挙区で全敗した神奈川でも「どぶ板作戦」が主流。中塚一宏氏(12区)は「150軒」の戸別訪問と若年層を対象にした集会を繰り返す。

生活費稼ぎも大変だ。もともとは経済評論家だった海江田万里氏(東京1区)は講演を増やした。北海道など「現職時代は断っていた遠方」にも出向く。

泉房穂氏(兵庫2区)は弁護士活動。民主党は22日に次期衆院選の一次公認を発表したが、「考えさせてほしい」と公認を受けなかった。

(コメント)

ここに紹介されている方々は、普通にやっていれば次回当選です。民主党の実力は、衆院議席数で150〜190。問題はそこから先です。170の小選挙区で勝たないと過半数になりません。

自公が融合合体している情況下で民主党が勝つのは至難のわざのようではありますが、自民党サイドから眺めると、これも結構大変です。従来の支持基盤はガタガタ。9.11選挙で禁じ手まで使いきった感があります。

人間の寿命が尽きる直前に、不思議なほど元気になる瞬間があります。結党50年の自民党。最期の輝きが現在なのかもしれません。どちらの側から見ても、小選挙区制度で勝つのは簡単ではありません。

[2005/11/24]  9.11選挙の本質

構造計算書が偽造され、耐震性がないということが分かったマンション住人に同情の声が上がっています。

それに負けず劣らず不幸なのが、この国の国民であり、取り分け地方住民と経済的弱者です。

構造的な欠陥をかかえた「改革」が承認されたため、金利暴騰・国債暴落といった国民経済の破綻や、長期的な国力衰退、地方・地域の崩壊が、もはや政治では阻止できない領域に追いやられた感があります。政権交代を待っても、手遅れかもしれません。

倒壊可能性が高いマンション住民と同じ立場に国民があることを自覚し、倒壊後の対策を練っておくべき段階に至ったと考えています。

残念なのは、トヨタをはじめとした我が国の巨大企業が、国益よりも企業利益を優先し、国際競争に勝ち抜き企業利益を最大化するために、格差拡大型社会を積極的に推進する決断をしたということです。そして、マスコミや言論人もこの渦に巻き込まれました(いや、積極的に加担しました)。

米国からの「年次改革要望書」に添う、植民地としての日本が誕生しました。我が国支配層が国を捨てた。これが9.11選挙の本質です。

[2005/11/23]  この男達が見ているものは

このところ取材に答えていないようですが、構造計算書偽造問題で姉歯建築士がインタビューを受けていた場面は強烈でした。

まるで第三者。姉歯氏は、検査会社・イーホームズの検査が杜撰であることを指摘していました。その先を語らせれば、このような馬鹿なシステムを国がつくるからそうなるのだ、ということまで言いそうな感じでした。

こういう雰囲気を醸し出す人物に思い至りました。小泉純一郎氏。国家の命運を決する政策が、彼にとっては権力闘争の道具でしかありません。後々、悪政の付けを支払わされる国民が怨嗟の声を挙げても、国民の多数がこの路線を熱狂的に支持したではないかと開き直るでしょう。

国政における「改革詐欺」の「構造計算書」偽造担当者は、竹中平蔵氏。悪魔と取引した男達。国民の貴重な財産(郵貯、簡保の資金)を、米国からの「年次改革要望書」に添って米国資本に提供することで自らの地位保全を図る構図です。

彼等の視線の先にあるのは、大いなる虚無のような気がします。時代が生んだ無責任男。昭和の無責任男・「植木等」の持っていた明るさは、そこにはありません。

[2005/11/22]  民間開放における構造的欠陥

マンション等の偽造構造計算書問題。

小さな政府を志向するのはいいとしても、構造的な汚職が起こる仕組みが内包される形での民間開放は危険です。

審査会社が営利に走ったときにどうなるのか。審査会社と審査される側(ディベロッパー、建設会社、設計事務所等)との癒着構造が起こらないことを制度的に担保できているかどうか・・・

「民間対民間」ですますには、問題が大きすぎると思います。購入者には、構造計算書が明示されることもなく、明示されたとしても、それを解読する知識がありません。

最終担保責任が国にないと、関係企業が潰れたらどうにもならなくなります。購入者が細心の注意を払っても回避できない被害を被るケースは、今回の場合以外にもあり得ます。

従来の国家賠償とは違う意味合いでの被害救済策が、制度として必要です。

[2005/11/21]  IT選挙

(共同通信ニュースより)

自民党は20日までに、現在は禁止されているインターネットを利用した選挙運動の解禁に向けて公職選挙法を改正する方向で調整に入った。2007年夏の参院選からの解禁を念頭に、来年の通常国会での改正案成立を目指す。

民主党は情報技術(IT)選挙の解禁に意欲的で過去3回にわたり独自に改正案を提出、近くこの問題についての調査会も設置する。自民党が解禁を正式決定すれば与野党による議員立法となり議論が加速する可能性も出てきた。

公選法は規定されたビラやはがきなどを除く「文書図画」の頒布を禁止。明確な規定はないが、候補者名や政党名を記載したホームページやブログ(日記風サイト)、電子メールなどは禁止対象とされ選挙運動で利用できない。

(コメント)

自民党と民主党が同じ資金力で戦ったら、民主党が勝つでしょう。しかし現実の選挙では、資金力が大きくものを言います。民主党でも、選挙に強い方々は豊富な資金力があります。資金力を含めて政治家の実力であるというのが、政治の現実です。

資金力がない者が勝つためには、戸別訪問と安価な広報手段であるITの解禁が必要です。

ただし、豊富な資金力を背景にして、より魅力的なコンテンツ(内容、中身)を自民党が開発してくるでしょうから、簡単な話ではないと思います。敵に塩を送るような生やさしい政党ではありませんから。

絶対にまねのできないコンテンツを開発できるかどうか。

[2005/11/20]  速い、安い、危ない

首都圏のマンションなどの建築確認に、偽造した構造計算書が使われた問題。

建築確認をした民間の検査機関イーホームズは、国土交通省の省令通りの手続きをしていませんでした。審査を省略する場合に必要な書類が添付されていないのに、計算過程の審査を省いており、同省は同社の審査が不適切だったとして建築基準法に基づいて処分する方針です。

構造計算書は、地震などに対する建物の強度を調べるものであり、国交省の省令では、国交相認定のコンピュータープログラムを使ったことを証明する「大臣認定書」などが添付されていれば、計算が合っているかどうかの点検を省略できます。

イーホームズ側は、「適正なプログラム使用の証拠となる『利用者証明書』という別の書類が添付されていたので省略していいと思った。認定番号の印字がないからといって不正ではない」と説明。「手口は巧妙であり、通常なら気づかない」と強調し、自社の責任を否定しています。

マンションの構造計算を姉歯建築設計事務所に発注していた建築設計事務所6社が東京都の調査に、「仕事が速い」「建築主の指示」などと回答しています。イーホームズも民間企業として、検査を迅速に行うことによって仕事を増やすことを考えたであろうことは容易に推測できます。

<施主→元請け設計業者−(構造計算書)→(下請け)姉歯建築設計事務所→(民間の検査機関)イーホームズ→施工業者・・・・→購入者・入居者>  という図式の中で、誰がどう損害を負担するのか、極めて困難な問題が生じます。

国は、民間と民間の問題であるとの立場のようですが、国民にとって重要な財産についての生命に関する危険が問題になる場面であり、この点での検査を民間の機関に委ねた結果生じた問題について、「民間と民間の問題」と言いきれるのかどうか疑問です。

公がどの範囲を受け持つべきか、慎重な配慮が必要です。ある分野を民間に開放するとしても、最終的な責任を国や自治体が負担すべきかどうかまで、充分な検討が加えられるべきだと思います。

姉歯事務所は仕事が速かった。イーホームズも仕事が速かった。建物は安かった。結果、危険だった。という話です。

通常の警戒心では防げなかった被害について、加害者側の責任追及ではラチがあかない場合にどうすればいいのか。

「ミンミン」と蝉の鳴き声のような答を出すだけでは、納得しにくい気がします。もちろん、被害が出ればどんな場合でも国が責任を持つという分けにはいきません。

合理的な線の引き方を考える必要があります。

[2005/11/19]  幸せって?

<産経新聞記事

「最も幸せな日本人像は 30代、都会暮らし、専業主婦」

−高齢者ほど「不幸」 阪大教授ら概念数値化− より>

男性よりも女性、高齢層よりも若年層のほうが幸せを感じているが、所得の高さと幸せは必ずしも比例しない−。大阪大学社会経済学研究所が全国の六千人を対象に行ったアンケートで、日本人の考えるこんな「幸福感」が浮かび上がった。「幸せ」というあいまいな概念を経済学的、社会学的な観点から数値化した極めて珍しい研究結果。調査データをもとに「日本で最も幸せな人物像」も浮かび上がらせており、同研究所では「一部のデータは国民の幸福を追求する政策にも生かせるのでは」としている。さて、あなたは今、幸せですか?

調査は、同研究所の筒井義郎教授(経済学)らが昨年二月から、無作為に選んだ全国の二十−六十五歳までの六千人を対象に実施。訪問してアンケートを配布、回収する方法で約四千二百人(70・4%)から回答があった。

アンケートでは、幸福感について、「非常に幸福」を十点、「非常に不幸」を〇点として、「あなたは何点になると思うか」という「幸福度」をたずねた。この結果、五点が最も多く25%。続いて七点が20%、八点が18%、十点も5・5%おり、全体としては幸福と考えている人が多いことが分かった。一方で、四点以下は13%にとどまった。

この結果を約三十項目にわたって分析したところ、性別では、女性の「幸福度」の平均値が六・五一点に対し、男性は六・二七点で、女性の方がより幸せと考えている人が多かった。

年齢別では三十代(平均値六・六点)が最も高く、次に二十代(六・四)が続いたが、四十代以降は加齢とともに不幸になり、六十代では六・二点に落ち込んだ。この結果は、海外の大学が行った調査と比べると逆の現象。アメリカやイギリス、ドイツでは三十歳代が最低で加齢とともに幸福度が増しており、若者に甘く高齢者に厳しい日本社会の傾向を表したともいえる。

職業別では学生(六・九)▽管理職(六・八)▽専門技術職(六・七)▽事務職(六・五)−などの順。主婦も高かったが、専業主婦(六・七)とパート主婦(六・一)で差が開いた。

学歴では、高学歴になるほど数値が上がっていたが、大学文系卒(六・九)に比べ、大学理系卒(六・八)はやや低く、短大卒とほぼ同じ。サンプル数は少なかったが、小中学校卒(五・七)と大学院修了(七・一)では一・四点の差が出た。一方で、所得(世帯全体)をめぐっては年収千五百万円までは所得が上がるにつれて幸福度も上昇したが、千七百万円以上になると逆に低下するという皮肉な結果も出た。

居住地域では、政令都市などの大規模都市になるほど上がり、特に近畿と関東が高かった。これは、都市部のほうが高所得者が多いことに加え、利便性なども背景にあるとみられる。ノルウェーでは都市部と田舎での幸福度は変わらないという報告もあるという。

また、非喫煙者と喫煙者では非喫煙者、ギャンブルをする人としない人では、しない人のほうが幸福度が高かったが、飲酒習慣で比べると大差はなかった。宗教心のある人とない人では、ある人のほうが、他人の生活水準が気になる人と気にならない人では、気にならない人のほうが高いという結果も出た。

筒井教授は「何をもって『幸せ』と考えるかは人それぞれ。ただ、そうした主観的な幸福感を調べ、経済学に取り入れることで、机上の経済理論が現実社会により近づけるのではないか」と話している。

(コメント)

現在の政治情勢を裏付けているような気がします。

まだまだ、政治を娯楽として消費できるゆとりが国民にあるということです。このことを抜きにいくら気張っても、政権交代には結びつきません。より幸せになれる社会とはこうなんだという提案が必要です。

もっとも、「高速道路無料化」を掲げても、「ただより高いものはない」という反論があると、「そうだな」と納得してしまう、統治しやすい国民ですから、よくよく「幸せ」の中身を検証していかなければ、効果的なメッセージを発することは難しいと思います。

ただし、小泉総理が「国民投票」と位置付けた9.11総選挙の結果が、「自公」対「非自公」で後者がわずかに上回っており、「否決」だったことを忘れてはいけません。

[2005/11/18]  たばこ税

<日経社説 「安すぎないか日本のたばこ」より>

たばこが健康をむしばむのは、もはや医学の常識。・・・

「二次喫煙」の健康被害も考えるなら、政府は喫煙者を減らす方向へ誘導すべきだろう。

禁煙誘導の有力な手段は増税による価格の引き上げである。財務省はこれに慎重だが、与党内で、たばこ税増税論が浮上してきた。真剣に検討してほしいものである。

日本のたばこ税は欧米に比べ低くそのため小売価格は著しく安い。20本入りのたばこ一箱にかかるたばこ税は日本では157円で、標準的な製品の小売価格(マイルドセブン)は270。これに対し英国はたばこ税が611円で、日本の消費税にあたる付加価値税も17.5%と高いので小売価格は約1000になる。日本の約4倍だ。ニューヨーク市はたばこ税が370円で価格が735円。ドイツ、フランスも日本より税金、価格とも高い(財務省調べ、今年1月現在)。・・・

仮にたばこ税を英国並みの水準まで増税し、当面は消費量が減らないとすれば国と地方のたばこ税収22000億円弱は88000億円になる。マイルドセブンは約740円となるが英国より200円以上安い。家計への影響が大きいので一気にそこまで増税するのは無理としても、毎年の増税規模全体をみながら、例えば年々数千億円程度ずつ増税するような方針を決めるべきではないか。・・・

(コメント)

低所得層の人の方がたばこをよく吸っている印象なので、そこだけが気になりますが、たばこの害(他人への害。本人は自業自得)を考えると、ペナルティーという意味合いを込めた税であると認識していくべきだろうと思います。

私は学生時代にたばこを吸っていました。しかし、家計簿を付けてみたら1ヶ月数千円の支出があることが分かり、他方専門書が3千円前後することから考えて、自己投資を優先すべきであるとの結論に達しました。

(と言うとかっこいいのですが、忘れ物の多い体質で、たばこを持っていても行く先々で忘れるので、これはかなわんということでもありました。)

[2005/11/17]  政党のホームページ

何気なく、各政党のホームページの表紙を見てみました。

民主党のホームページは、実につまらん。事務連絡じゃないか。しかも、肝腎な選挙総括がどこにあるのか分からない。江田五月氏のホームページには表紙に見出しを掲げられているので、ここで確認しました。ということは、実務的な機能も充分ではないということです。

自民党の方が少し興味をそそられる感じがしますが、これも五十歩百歩。共産党のものが分かりやすそうな気がします。社民党については、語らない方が無難だと思います。

政党のホームページは、政治に関心を持つ人にとっての窓口ですから、面白さ、取っつきやすさが大切です。もちろん、情報検索も簡易に行えるよう配慮すべきです。

私のホームページも拙劣なものではあります。リニューアルの予定が、金欠病によって延期になり続けています(陳謝)

[2005/11/16]  中央集権の自民党

(毎日新聞ニュースより)

自民党の武部勤幹事長は15日、郵政法案反対組を衆院選で支援した8府県連のうち、5府県連の役員を党本部に呼び事情を聴いた。このうち、徳島、佐賀、大分に対し「党本部が擁立した公認候補への選挙妨害が明らか」として県連会長の辞任を含む体制一新を要求。しかし、大分の岩屋毅会長は辞任を拒否し、党による処分を求めるなど対決姿勢をあらわにした。

岩屋氏は約40分間の話し合いの後、記者団に「地域の事情をあまりにも理解していない強権的なやり方」と語った。同様に体制一新を求められた徳島、佐賀は持ち帰って対応を協議するが、徳島の北岡秀二会長も「党本部と県連との関係で、トップダウンとボトムアップのバランスをいかに図るべきか、今後の課題としてほしいと伝えた」と不満をにじませた。

(コメント)

これまで地方組織主体で運営されてきた自民党が、急速に中央集権化してきています。

自民党王国・愛媛から眺めると、自民党というのは政党ではなく大政翼賛会に近い組織です。

自民党といっても、全国各地で有り様が異なるようです。小泉氏や武部氏が見ている自民党と私が見ている自民党とは、そのイメージが大きく異なっているのではないかと思います。

現在の自民党の路線には大賛成。このまま自民党が近代政党として純化してくれると、大政翼賛会的な重圧から愛媛が解放されることにつながります。

[2005/11/15]  閉村奨励策

平成の合併に次ぐ国策は、閉村奨励策だろうと予想しています。

これから集落の消滅が相次ぎます。しかも加速度が付きます。消滅一歩手前の段階にある集落に対して補助金を出し、集落の全員が街に移転するのです。

道路等の社会基盤の整備にかかる負担を抑制して、合理的な地域経営を行うということです。

拠点集落を定め、そこから半径300m以内に集約居住をするように誘導し、高齢社会対応型の歩いて暮らせる地域づくりを進めます。

私は、合併の前に集約居住を進める方が地域住民にとって幸せであると考えてきました。行政サービス提供者の論理で押し進められた平成の合併。その延長線上でのさらなる合理化策としての閉村奨励は、自治体(役場)を失った集落にとって、より過酷なことになるのではないか心配です。

これは、あくまで予想。しかし、論理的にはそうなります。

[2005/11/14]  候補者選定

(NHKニュースより)

民主党は、先の衆議院選挙で大敗したことを受け、小選挙区で勝てる候補者を擁立したいとして、小選挙区の場合、新人は60歳未満、元議員は65歳未満とする年齢制限を設けたのをはじめ、新人の場合は連続2回、元議員の場合は連続3回、小選挙区で当選できなかった場合、原則、公認しないとした候補者選定基準を決めました。

これについて、落選した候補者からは「この基準を適用すれば、全国で80人もの候補者を差し替えることになるのに、何の説明もなく決めたのは一方的なやり方だ」などと反発が出ています。

これに対して、党執行部は、基準はあくまでも目安であり、柔軟に対応したいとして理解を求める方針ですが、党内からは「厳格に適用しない基準では、何の意味もない」という声も出ており、今後の公認候補を決める調整は難航することも予想されます。

(コメント)

繰り返しますが、「基準」ではなく、「差し」でやるべきです。

公認の決定は、立候補予定者の人生を決めるものでもあり、難しい要素が多々あります。有力者に働きかけて、「例外」を認めてもらおうとする動きもあるようです。

これが通用するようだと、民主党が批判しなければならない不透明な「裁量行政」の党内版になってしまいます。

そもそも、「土壌分析」もしない候補者選別は無意味です。結局、「例外」の部分で判断せざるを得ません。

加えて、選挙費用の追加支援と幹部の度重なる応援とを得たのに落選した候補と、何の支援も得られず孤立無援の戦いを強いられた(小選挙区は無理だから惜敗率で上がってこいということでしょう)候補とを、単純に惜敗率で比較できるのかということも問題になります。

総選挙の時期を見誤り、そのために準備不足になったことから、多くの候補者が不完全燃焼の気分でいることも、不満が噴出する原因になっています。

こうした情況下で発表されている「基準」で誰も納得しないことは、幹部自身が一番よく分かっているはずです。単純ではないものを単純にやろうとするから、無理がいくのです。個別判断でやらざるをえないのです。

(実は、声高に幹部をなじっている落選候補者ほど、過分な支援を党から受けていたりすることが、9月17日に東京で行われた候補者の会合で明らかになりました。多くの候補者は、そんなにまでしてもらって、よくもまあ幹部を悪し様に言えるものだと思ったことでしょう。)

[2205/11/13]  「基準」の適用

民主党落選者のホームページを見ると、幹部から「あなたは基準を充たしていないけれども大丈夫です」と言われたなどという記載があります。

「基準」が適用されないケースがあるのなら、「例外」の場合の基準が必要なはずです。

これまで述べてきたように、わずか数十人から百名余の話であり、「差し」で理解を求めるべきです。

[2005/11/12]  民主党の選挙戦略(4)

私の見立てでは、どう頑張っても次回の総選挙での(小選挙区)当選は難しいと思われる選挙区が約50あります(30と見る人もいれば、100と見る人もいるでしょう。一応、50という前提にします)

自民党の基盤が強固なところは、長期戦略で「屯田兵」を駐在させるという発想が必要です。そして、1つか2つでいいですからモデル選挙区をつくり、重点支援をします。

1〜2ヶ月に1回程度、名のある大物がやって来て講演会を開催するなど、地域に衝撃が走るようなやり方を取ります。若手の強力な現職、あるいは、今回惜敗した衆議院議員経験者を「国替え」して候補者に据えるというやり方もあります(神奈川11区で小泉首相に挑戦した斎藤勁(つよし)氏の試みは立派でした)

力ずくで自民党の「岩盤」を打ち破るのです。地方切り捨て政治の中で不満は鬱積(うっせき)しているので、この方法は有効だと確信しています(これを「黒船戦略」と命名しています)

近々、「第1次公認内定者」の発表があるようですが、そういうところではなく、困難な地域を先に確定するくらいの配慮が必要です。

毎回「御破算で願いましては」とやっていて不思議に思わないセンスでは、政権取りは無理。現職ですら組織が固まってなかったという反省の弁が出る民主党が、組織力で遙かに上回る自公連合軍に、「ハンデ50」の戦いで過半数を制することが可能かどうか。「風」に頼るのでなければ、「難関」での長期戦略が優先課題になると思います(優良選挙区では、いくらでも候補者がいます。しかも、複数選挙区を「合併」させれば、財政面での負担も少なくできます)

「難問」を解いてみようじゃないですか。

[2005/11/11]  民主党の選挙戦略(3)

2005年総選挙で、自民党は限られた資源を有効活用し、マスコミと勝ち組企業の総動員体制で都市部を制圧しました。地方ではストックが残っており、予算が減少することで逆に、政権側の求心力が増してくる形になっています(反乱は起きません)

300小選挙区を抽象的にとらえ、「種」(候補者)の選別に汲汲としている現在のやり方では、政権交代は困難であると考えます。

「土壌」(選挙区)がよければ、「種」を選別し水(資金と党の重点支援)をやれば、「当選」という果実が得られる確率が高いわけですから、現在のやり方で結構です。そういう選挙区が、大雑把に言って250あります。残り50の選挙区は、そういう手法で勝ちきることは困難です(たった50と無視できればいいのですが)

岡田体制の下では、偏差値秀才的な手法が採用されました。即ち、300問解く必要はない、170問解ければ「合格」だ(170小選挙区で勝てば、比例復活と併せて250議席が取れ、単独政権が可能である)というものでした。

ところが、そうは問屋が卸しませんでした。民主党が勝ちやすい選挙区は、自民党も勝ちやすいのです(民主党で本当に強い議員は、元自民党の方がほとんどです)

[2005/11/10]  民主党の選挙戦略(2)

公認の「基準」なるものを現執行部は立てていますが、要するに、面倒な10人〜20人にお引き取り願う方便にしているだけだろうと思います。

候補者が何千人もいるわけではありません。せいぜい、百数十人の処遇の問題です。絞り込めば数十人です。何故、「差し」でやれないのか。

昨年来、馬鹿な幹部が報道機関に「総支部長差し替え」を繰り返しリークして、記事にさせました(結果、差し替え2名)。怠慢な候補者には直接(電話・メールでも可)「しっかりやれ」と指導すれば足りる話なのに、「記事」にした結果どういうことが起きたか。副作用の方が甚大でした。

地方議員や党関係者が、総支部長(衆院候補内定者)は取り替え可能な部品であると軽信し、自分達の個利個略で総支部長差し替えを策し、果ては党本部に「御注進」に及ぶ者まで出る状態になりました。民主党組織の弱いところほどそうなるのです。

小泉総理(自民党総裁)が唯一立派だと思ったのは、パフォーマンスとはいえ、自ら出向いて中曽根康弘氏に引導を渡したことです。

民主党の選挙責任者は、「基準」を立てたり、「報道」を使ったりせず、「差し」で勝負すべきです。人間力で勝負すべきです。

「俺は首切り朝右衛門だ」という強い気持ちで候補者(志望者)に臨み、「これまでの御貢献に感謝いたしますが、政権交代を成し遂げるためには、貴方に代わる候補者擁立が不可避です。どうか引退して下さい。」と、真摯に話すべきです。

理由が合理的なら、民主党の同志諸君は言うことを聞くだろうと思います。「基準」に該当したかどうかという、薄っぺらな理由では駄目です。

[2005/11/09]  民主党の選挙戦略

民主党の衆院選総括と次期衆院選の公認基準が報じられています。

これを見て、民主党には本当に国政選挙が分かる人材がいないのだということが分かりました(自民党にもいませんが、勝てば官軍ですので大きな問題にはなりません)

読売の記事によると、党本部の総括は、

<「深い反省と再生への決意」と題する総括文書は、衆院選の結果を「歴史的敗北」と位置づけ、「選挙戦の重大な反省」として「準備が不十分」「争点設定の失敗」「過去の国政選での成功体験への過信」など5点を挙げた。

このほか、「日本をあきらめない」というキャッチコピーを「閉塞感を打ち破るメッセージを求めた有権者に、表現がミスマッチだった」と評するなど、キャンペーンなどについても、細部まで“反省”する内容となっている。>

ということですが、前選対委員長が幹事長代理という人事で、「深い反省」があったと感じる党員がどれだけいるか疑問です。

公認基準については、それほど関心はありません。基準を立てるのは結構ですが、当てはめは各候補者(志望者)と面談して、差しでやらなければならないでしょう。

300小選挙区を抽象的に同一と見立て、戦績を全て候補者の優劣に置き換える手法しかとれないというのは、詳細な選挙分析ができていないということです。各選挙区の「土壌」調査をせず、「種」だけの格付けしかしていません。各地域毎の長期戦略も明確ではありません(従来の経緯からすれば、出さないのでしょう)

党本部の基準なるものが、各候補者と差しで面談して当該選挙区ではどうすれば当選できるのかを議論できない気の弱さの表れだとしたら、情けない気がします(大都市部の落選前職の声が大きいのはよく分かりますが)。続けていただきたいのに、「基準」不該当の方がいるものですから、声を大にしておきます。

小選挙区制度ですので、揺れ戻しがあれば、次回の選挙で勝つ確率は一定程度ありますが・・・

[2005/11/08]  財団法人・日本遺族会

「日本遺族会は、英霊の顕彰、戦没者の遺族の福祉の増進、慰藉救済の道を開くとともに、道義の昂揚、品性の涵養に努め、平和日本の建設に貢献することを目的とする。」

これが、日本遺族会の目的とされるものです。そして、この遺族会の政治的な影響力があって、政治家の靖国神社参拝が行われています。

もし私が遺族会の一員であったなら、亡国の政治家達が合祀されている神社への参拝は、屈辱的なものであると考えるであろうと思います。何故自分の家族が、彼等を死地に追いやった連中と一緒に祀られなければならないか・・・

彼の戦争は聖戦であったと強弁する以外には、合理化の方法がありません。「極東軍事裁判は不当である。俺は生涯反米だ」というわけでもないのでしょう。

聖戦などではなく、政治家の無能故の戦争。合理的な国家意思形成ができなくなった結果としての戦争。そしてその犠牲者。彼等・英霊が、戦争回避ができなかった無能な政治家達と合祀されている現実。そしてその無能政治家達は、戦死したわけでもない。「生きて虜囚の辱めを受けるな」と檄を飛ばしたのは誰だったのか。

死に際しての無念。死して後の無念。英霊達の想いを遺族すら分からないということが、我が国における最大の悲劇であると思います。

私も靖国神社に参拝したいと思います。「その前に東條達をどけろ」と叫びたい気持ちです。

[2005/11/07]  プロ編入

花村元司という剛腕のプロ棋士がいました(九段、故人)。東海きっての「真剣師」(博打の将棋指し)として有名だった花村氏は、1944年に五段でプロに編入されました。

61年後、将棋のアマチュア強豪の瀬川晶司さん(35)フリークラス編入試験6番勝負の第5局に臨み、高野秀行五段に勝って通算成績を3勝2敗として合格、プロ棋士(四段)となりました。

将棋は登竜門である奨励会を通過しないとプロにはなれません。26歳まで奨励会にいてプロになれなかった瀬川氏がプロになったことには、大きな意義があります。

26歳という年齢制限は、将棋プロを目指して果たせなかったときに人生が取り返しのつかないことになるということを考えた、親心からの制限でしょう。加えて、若くして才能が開花しなければプロとしてやっていくことは不可能であるとの判断があるのでしょう。

しかし人生100年時代。様々な体験を経て職業を選択するのも悪くありません。将棋界も、純粋培養だけでは骨太な団体にはなれないと思います。

[2005/11/06]  「自粛を」

(朝日新聞ニュースより)

公明党の神崎代表は5日の全国代表者会議で、靖国神社参拝について「政権の中枢にある首相、外相、官房長官は参拝を自粛すべきだ。今後も自粛を求めていく」と述べた。神崎氏は小泉首相の参拝自粛を再三求めてきたが、麻生外相や安倍官房長官の参拝自粛まで求めたのは初めてだ。

神崎氏の発言は、中国の王毅(ワン・イー)駐日大使らが、首相と外相、官房長官は参拝しないという「紳士協定」が日中両政府間であったと指摘していることを念頭に置いたものだ。また、麻生、安倍両氏が今後、参拝する可能性があると見て、牽制(けんせい)した面もある。

(コメント)

「きつく言っときましたよ、創価学会の皆さん」というところでしょうか。

良心的な学会の皆さんのお考えを、一度聞いてみたいものです。

[2005/11/05]  国籍取得と試験

数日前のテレビニュースで、英国籍取得を希望する移民に対して、イギリス文化などについての常識や教養を問う試験制度が始まったということが報じられていました。

国の文化を護り、無用のトラブルを回避するためには、試験制度も有効であると考えます。

昔、運転免許を取得するための試験を受けたとき、何故会場で正解を公表して知識を確実にしてもらう場にしないのか、不思議に思った記憶があります。通った人も落ちた人もそこで勉強できれば、交通安全の知識が定着して、交通安全に資することになります。

試験はふるいに掛けるためのものという固定観念を外し、知識定着のためのシステムとしても位置付けるべきです。

そういう試験であることを前提として、選挙においても、国や地方の将来を決定づけるための最低限度の知識は要求すべきだと思います。毎回行い、答を公表して広く「追試合格」を認めればいいのです。

[2005/11/04]  女性天皇への異論

三笠宮寛仁様(59)が、女性・女系天皇を容認することについて、異議を唱える趣旨の随筆を自ら会長を務める福祉団体「柏朋会」の機関誌に寄稿していたことが物議を醸(かも)しています。

総理の私的諮問機関「皇室典範に関する有識者会議」は、女系・女性天皇を容認する方針を固めていますが、この方向性に疑問を唱える形となっています。

「近況雑感」と題された随筆で、「皇統が貴重な理由は、神話の時代から連綿として一度の例外も無く、『男系』で今上陛下迄(まで)続いているという厳然たる事実」と指摘し、「古代より国民が『万世一系の天子様』の存在を大切にして来てくれた歴史上の事実とその伝統があるが故に、現在でも大多数の人々は、『日本国の中心』『最も古い家系』『日本人の原型』として、敬って下さっている」と述べられています。その上で、皇位継承の男系主義を崩すと「いつの日か、『天皇』はいらないという議論に迄発展する」と指摘されています。

皇族の政治的発言云々の問題はさておき、男系であるが故に敬われているとの論旨には違和感を感じます。女系であれ男系であれ、日本を代表する名門中の名門であり、古(いにしえ)の統治権力者であること、そして現在でも国民が敬愛するに足る知性と品格を保たれていることが、天皇制を実質的に支えている根拠だと思います。

女性天皇に異論を差し挟むとすれば、婿選びの困難さです。お妃様ですら難しいのに、「婿殿」は大変です。

愛子ちゃんは可愛いから、ではすまない気がします。

[2005/11/03]  アメリカ牛の輸入

(10月31日、読売新聞より)

内閣府・食品安全委員会のプリオン専門調査会は31日、政府が諮問している米国・カナダ産牛肉の輸入再開条件を容認する答申案をまとめた。

再開条件は、生後20か月以下の若い牛で、脳や脊髄(せきずい)などの特定危険部位(SRM)を取り除いた牛肉と内臓。調査会は数日中に答申案を食品安全委に提出する。

食品安全委は一般からの意見募集を経て、12月初旬にも政府に答申し、政府は年内に輸入を再開する方針だ。

この日の調査会は、再開条件を満たした米国・カナダ産牛のBSE(牛海綿状脳症)汚染リスク(危険)に関して「国産牛との差は非常に小さい」とする答申案を了承した。

ただ、米国などでの食肉処理の実態などが不明なため、リスクが国産牛と同等かどうかについては「科学的に評価することは困難」として、判断を示さなかった

(コメント)

全頭検査を行わなくても、国産牛と同等の安全性が確保できるのかは極めて疑問です。

@牛の月齢の偽りはないのか、A脳や脊髄などの除去が完全に行われているのか、B米国での牛の肉骨粉飼料の規制の不備が指摘されているがその点はどうなのか等々。

佐藤栄作首相が提唱した日本政府の基本方針、非核三原則(核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずとする日本政府の基本方針)を思い出しました。

「持ち込ませず」の部分は、ひらすら米政府への信頼で成り立っていました。「米政府が持ち込んでいないと言っているんだから、持ち込んでいないんだ・・・」

BSE対策の実効性確保は、厚労省や農水省など行政機関の役割になります。「米国が大丈夫だと言っているんだから大丈夫だ」ということになりはしないか。

さて、本日のニュース。

ジョハンズ米農務長官は2日、牛海綿状脳症(BSE)の検査なしで対日輸出が可能になる対象が生後20カ月以下の牛肉に限られることについて、月齢制限を国際基準とされる30カ月以下に引き上げるよう日本に求める方針を表明。

[2005/11/02]  シンクタンク

(朝日新聞ニュースより)

民主党は、党独自のシンクタンクを「公共政策プラットフォーム(略称プラトン)」と名付けて近く法人登記し、都内に事務所を置くことを決めた。総選挙での大敗で政党交付金が減り、党の台所は苦しいが、政策立案への投資は予定通り行うことにした。

地方分権、教育、財政、外交・安全保障など、「中長期的な視野で、外部の意見も借りて党としての考え方、理念をまとめる」(前原代表)ことが目的。金融機関などのシンクタンクとは異なり、専属の研究者中心ではなく、テーマごとに専門家を集めるネットワーク型組織とする。

設立時は仙谷由人前政調会長が代表理事を務めるが、党とは別組織とし、職員も党人事体系から切り離す。将来は寄付など独自資金を集められる組織を目指している。

12月10日に、設立記念シンポジウムを開催し、活動を本格的にスタートさせる予定だ。

(コメント)

官僚依存の政治を打破するためには、独自のシンクタンクは必要です。

ただし、個々の候補者(予定者)が自分の頭で考えなければ、有権者の説得は困難です。

300小選挙区にセールスマンを置けば政権が取れるというほど甘いものではないと思います。

[2005/11/01]  ここ20年で、誰が一番いい総理だったか

景気回復という活字が踊りますが、その実感を感じられずにいます。誰が、不景気大魔王・コイズミを支持しているのでしょうか。

リストラで費用節減ができた大企業、勝ち組グループの大手マスコミ、ストックがある間は政治的リスクが取れない地方住民、労働者としてのメンタリティーがない都市部サラリーマン、「中流」への嫉妬を感じる「下流」・・・

ここ20年で誰がいい総理大臣だったか。小渕恵三の名が浮かんでくるのですが・・・

[2005/10/31]  上に政策あれば、下に対策あり

中国には、「上に政策あれば、下に対策あり」という諺(ことわざ)があると言われます。

中国の人民は、歴代の専制政治のなかで、ときには反乱を起こしましたが、平時においては現実的な対応をして生き残ってきました。

国家が政策を出したとき、人民や企業はその政策に文字通り違背することはせず、知恵を使って実質的にその政策による影響を受けないようにします。

自公政権による圧政がしばらく続きますが、国民の皆さんには来るべき日まで、よりよい「対策」でしのいでいただきたいと思います。

とりわけ、切り捨てられていくことが確実な地方において、現場の「対策」が極めて重要になってきます。

「対策」では無理だとなったら、決断をしていただかなければなりません。

[2005/10/30]  王シフト

王貞治ソフトバンク監督、即ち巨人の王選手の一本足打法に対抗して、相手チームが「王シフト」を敷いたことを御記憶の方も多いでしょう。

左バッター王貞治の打球がセンターラインより右に飛ぶことがほとんどであることを前提に、左翼を大きく開ける戦術を採用したのです。

左に流せばヒットの確立が極めて高かったのですが、王という不世出の大打者は自己の打撃スタイルを押し通し、右翼の頭上を越える打球(ホームラン)を打ち続けました。

さて現在の政局。前原民主党がセンターラインより右にシフトを取ると、左翼に大きな隙間が生じます。

「左翼」は漸減すると読むのか、第三極を構築する余地が出てきたと読むのか。

王シフト状態の布陣で政権交代が可能なのかどうか。格差拡大型社会が到来する中で、時代のニーズはセンターレフトではないのでしょうか。

「左中間」が空いています。

[2005/10/29]  連合茨城の定期大会

(ニュース・朝日新聞地方版より)

結果として連合の組織丸抱えになっている――28日に開かれた連合茨城の定期大会で、石井武会長が民主党県連の総選挙について厳しい発言をした。民主党は県内では小選挙区で1議席獲得のみとなり、石井会長は支持基盤強化と連合からの自立を求めたが、民主党県連の長谷川修平幹事長は「今後とも一緒に」と連帯を強調した。
 
石井会長は「国政選挙だけでなく、県内のあらゆる議会選挙で結果を恐れず候補者を擁立することは、支持基盤を広げるために絶対必要」と指摘。民主党の前原代表が労組に対し「是々非々」の姿勢を強調していることを「こだわらない。民主党がもっと広く多くの国民へ支持拡大を図るなら労組依存を改めなければ」と語った

これに対し、長谷川氏は「前原代表になって『脱労組宣言』のようなことを報道されているが、私どもはそうは考えていない。県連はこれからも連合茨城と議論し、一緒に行動していきたい」とあいさつした。

(コメント)

一瞬、あべこべかと思い、読み直しました。

連合茨城の石井会長の言われるとおりです。民主党が自立した政党になれるかどうか、ここが問われています。

[2005/10/28]  地方議員の年金

(朝日新聞より)

市議と町村議が加入している年金共済会の積立金が、どちらも08年度に枯渇する見通しであることが明らかになった。都道府県議会、市議会、町村議会の3議員共済会による研究会が報告書をまとめた。合併などで議員の定数が減る一方、年金受給者が増えたためで、このままだと制度が破綻(はたん)する。国会議員の年金は来春に廃止する方向が固まったが、地方議員の年金制度改革を担当する総務省の検討会は、掛け金率の引き上げなど制度存続を前提に対策を検討している。

地方議員の年金制度は都道府県議、市議、町村議の3共済会に分かれて運営されている。いずれも1962年に地方公務員共済組合法に基づいて強制加入の共済会となり、72年に自治体による公費負担を導入した。

在任12年で年金の受給資格が得られ、原則65歳から支給。3年以上12年未満だと退職一時金が支払われる。年金の原資に占める公費負担の割合は現在、3共済会とも約4割となっている。

研究会のまとめによると、都道府県議と町村議の共済会は95年度から、市議の共済会は99年度から単年度赤字が続き、積立金を取り崩して穴埋めしてきた。

市議の共済会は遺族年金も含めた受給者(04年度)が3万7890人で、制度の支え手である現職議員の1.6倍。町村議は5万2892人で現職議員の1.9倍。3445人で現職議員の1.2倍の都道府県議よりどちらも支え手の割合が少なく、市町村議の共済会の積立金は現行制度のままだと3年後に枯渇する見通しだ。都道府県議も14年後に枯渇する。

90年代後半から自治体の行革に合わせて議員定数の削減が進み、高齢化で受給者が増加したほか、低金利で各共済会の資金の運用益も減少。さらに平成の大合併が財政悪化に拍車をかけた。

合併が進んだ04年度、町村議は03年度より8726人減ったが、受給者は2094人しか減らなかった。合併で市になった旧町村の議員が市議の共済会に移ったため、市議は4287人増えたが、受給者も7683人増えた。合併がピークを迎えた05年度はこの差がさらに開く。市議の共済会の05年度収支は、04年度の約3.5倍に当たる約211億円の赤字となり、その後数年間は赤字幅が膨らみ続ける見通しだ。

こうした見通しをふまえ、研究会の報告書では、掛け金率の引き上げ▽受給者への給付額の引き下げ▽地方議員年金の一元的な運用――などの検討が必要だと指摘している。

共済会の関係者からは「国会議員年金の廃止の流れが出てきた今、地方議員の年金の存続がどれだけ世間の理解を得られるか心配だ」という声もあがっている。

(コメント)

国会議員と同様、廃止せよとの世論がでてくるでしょう。

それはそれで、議員が「不当利得」を得ていないことをアピールすることで、地方自治における住民の「たかり根性」を撲滅する布石にはなります。

存続を前提として、提案。3期で辞めれば一定額の年金を支給します。それを超えると、1期続ける毎に支給額2割削減。6期務めると、年金額が約半分になります。

議員の新陳代謝が進む可能性がでて、自治が活性化します。

[2005/10/27] 「まちづくり3法」改正案を了承・自民調査会

(ニュース) 

自民党中心市街地再活性化調査会(中曽根弘文会長)は27日昼の会合で、中心市街地の衰退を防ぐ「まちづくり3法」改正案の骨格を了承しました。大型商業施設の郊外への出店規制や、病院や福祉施設の立地を許可制に改めることなどが柱となっています。急速な高齢化や人口減少を受け、中心市街地に都市機能を集約することで活性化を促します。同調査会は11月末にも最終案をとりまとめ、来年の通常国会での成立を目指すことを確認しました。

(コメント)

都市の拡大は、都市の魅力を拡散し、利便性を損なうとともに、余分な行政上の経費が掛かります。都市機能を集約して、密度の濃い都市をつくる必要があります。

地方小都市であれば、半径300m以内に都市機能を集約し、高齢社会対応型の歩いて暮らせるまちづくりを推進する必要があります。

周辺地域住民を納得させることが政治的には困難ですけれども、これをやり切り、キラリと光る魅力ある街区をつくることで、定住人口の減少を食い止め、交流人口を増やし、産業振興にもつなげていくべきです。

[2005/10/26]  福島県の商業まちづくり条例

(13日のニュースより) 

大型店の出店規制につながる全国初の県条例「商業まちづくり条例」案が13日、福島県議会で全会一致で可決されました。来年10月1日施行。中心市街地の空洞化に歯止めをかけるため、県が、郊外への出店を計画する大型店(売り場面積6000平方メートル以上)について、市町村などの意見を聴き、地域の商店街に影響がある場合、計画見直しを求めるという内容です。

中心市街地の衰退は全国の地方都市共通の悩み。条例案には他県からの問い合わせが相次いでいますが、小売業界などは「規制緩和の動きに反する」と反発しています。

提案した佐藤栄佐久知事は青年会議所出身。県内各地で進む中心市街地の空洞化を憂え、2001年、条例づくりに着手しました。

1998年以降、相次いで施行された「まちづくり3法」(大規模小売店舗立地法、改正都市計画法、中心市街地活性化法)は、用途地域を定めることで中心地への出店を規制する手法を導入し、郊外への出店に拍車をかける結果になりました。2000年に約200件だった全国の大型店(1000平方メートル超)の新設届け出件数は年々増加、03、04年はいずれも700件を超えています。

佐藤知事は「法に問題があって身動きできずにいたが、今後は積極的に動ける。出店するなら中心市街地にして欲しい。憲法違反などの批判もあるが、専門家の意見を聴いており、条例に法的問題はない」と話しています。

出店規制の動きに、業界は反発。「憲法違反のおそれがある。国の経済にもいい影響はない」。スーパー最大手イオンの岡田元也社長は4日、都内で開かれた中間決算発表の席で不快感をあらわにしました。

60年代に急成長した総合スーパー(GMS)は小規模小売店の脅威だとして74年から大規模小売店舗法(大店法)の規制を受け、イオンは90年までの新規開店が年平均7店ほどに落ち込みました。

その間、大店法対象外の衣料品や家電の専門店が幹線道路沿いに拡大。品ぞろえを充実させて台頭し、相対的にGMSの売り上げは落ち込みました。ダイエーは9月末までに全国で55店舗を閉鎖することを公表。イトーヨーカ堂も09年までに30店強を閉鎖する方針です。

こうした中で大手スーパーは郊外志向をさらに強めています。イトーヨーカ堂が千葉市に今春開業させたショッピングセンター(SC)は店舗面積3万4000平方メートルと国内最大級。イオンら大手はSCを建設するディベロッパー事業も手がけて高収益を上げています。

自治体の反発もあります。イオンの系列店が出店を計画する福島県伊達町の冨田健一郎町長は「郊外型の大型店を規制したら中心市街地に活気が戻るなんて夢物語。仙台や東京に流れる客を引き留めるためにも魅力ある店が必要だ」と語ります。

規制緩和を進めてきた経済産業省の幹部は、条例について「地域の特性に合わせて街づくりを進めるための動きとしては評価するが、一律に規制を強めるなら問題があるのでは」と話しています。

ただ中心部の空洞化は問題視しており、経産省などは審議会の場で「まちづくり3法」の見直しを進めています。人口減少が進むなか、中心部に商業施設や福祉施設を集中させてコンパクトな街づくりが進められるよう、中心市街地活性化法を改正する方針です。

(コメント)

車で移動できる人にとって、郊外型総合スーパーは大変便利な存在です。消費者がこれを支持していると言ってもいいでしょう。

しかし、それが未来に大きな負担を残すことになるという意味では、気持ちよくエアコンを使うことが環境破壊の原因になるのと似ています。

一度手にした便利な生活スタイルを抑制するのは大変なことですが、持続可能な繁栄のための社会的な合意と考えるべきだと思います。

[2005/10/25]  机と椅子

少子高齢社会においては、60歳から75歳までの方々を「現役」として戦力化する必要があります。「ボランティア公務員」として社会に役立ってもらいたいと思います。

そこで必要とされるのは、机と椅子です。朝起きて、現役世代と同じように「出勤」する場所、即ち、居場所が必要となります。

社会に役立っているという満足感とプライド、それが活力の素になります。街中に場所を提供できれば、街中の賑わいも出てきます。

[2005/10/24]  地力

参院神奈川選挙区補選で自公が勝利。投票率32.75%。川口氏(自公)115万票対牧山氏(民主)77万票。

これが双方の地力だと思います。そして、真面目な有権者が3人に1人。

戸別訪問の解禁、選挙期間中のインターネット利用の合法化と選挙期間の延長が必要です。手も足も縛る選挙制度には大きな問題があります。

[2005/10/23]  民主党リストラ案

(毎日新聞ニュース)

民主党は21日、党本部から各選挙区支部に支給する現職議員への活動費について、来年度から2割削減する方向で検討に入った。あわせて党職員の給与に能力給を導入することも検討対象とする。衆院選惨敗で政党交付金が大幅減となることを受けたリストラ策の一環だが、党内の反発も予想される。

同党の来年の政党交付金は約20億円減の約120億円になる見通し。現在、現職議員のいる支部には年間1000万円を支給しているが、「背に腹は代えられない」(幹部)と削減検討に着手。次期衆院選の立候補予定者を抱える支部への交付金(月額最高100万円)の減額も検討する。

(コメント)

リストラは必要です。落選者の総支部を合併させ、それぞれの候補内定者(総支部長)が互いの補佐役として頑張れば、活動費は半額以下になります。大都市部の総支部は、10程度の総支部を合併させても充分活動できます。

それよりも考えなければならないのは、自民党の強い地域を攻略するための地域戦略です。次回は大都市部で挽回できるでしょうが、民主党が勝ちやすい所は自民党も勝ちやすいのです。

自民党の岩盤をくり抜く作業が必要です。

[2005/10/22]  除名

(ニュース)

自民党党紀委員会は21日、通常国会で郵政民営化法案に反対票を投じた衆参両院議員59人のうち国民新党、新党日本に移った綿貫民輔前衆院議長、亀井静香元政調会長ら9人の離党届を受理せず、同日付で除名処分にすることを決めました。残り50人の処分は28日に決定。

党則上、処分は@除名A離党勧告B党員資格停止C選挙での非公認D国会・政府の役職の辞任勧告E党の役職停止F戒告G党則順守勧告があります。

除名や離党勧告を受けても、党則上は党紀委員会の審査を経れば復党することもできます。除名処分を受けて復党した国会議員は89年以降13人おり、うち現職は6人いるということです。

森山真弓党紀委員長は21日の記者会見で、残りの50人の処分について、特別国会に再提出された郵政法案への対応を勘案するとの見通しを示しました。

処分を受けた国民新党の綿貫代表は記者団に「自民党という政党には潤いも何もない。戦国時代みたいに殺し合い、またこのように罪人扱い。良識ある国民がどう判断するか」と述べています。

(コメント)

近代政党としては当たり前の処分です。2003年総選挙の公約に銘記した「郵政民営化」であり、小泉総裁の唯一とも言える政策に反対しておいて、緩やかな処分を期待する方が間違っています。

多くの方が違和感を持つのは、従来の自民党がある種のフランチャイズであり、「個別資本」が「商号使用権」を取得して「地域内営業」をするスタイルでやってきたからです。

中選挙区時代には、「保守系無所属候補」が公認候補を破り、当選後正式に「入党」する形で新陳代謝が行われていました。

また、党本部の公約とは正反対の公約を個別候補が叫んでも、自民党が政権を維持するための方便として許されてきました。今回の処分は、小選挙区制度の下、党本部の力が絶対化したことを象徴する出来事です。

ただし中長期的に見て、後々「除名」が勲章になることもあり得るのが政治の世界です。

[2005/10/21]  杉村太蔵衆議院議員

「料亭に行きたい」などの迷言で一躍有名になった自民党衆議院議員(比例南関東ブロック)・杉村太蔵氏。

彼を追いかけるマスコミのレベルは論外ですが、当選の努力をせず、偶然に国会議員になるということは決して悪いことではないと思います。

いっそのこと、検察審査員のように抽選で国会議員を選任した方が、国会に社会の常識を吹き込み、「プロ国会議員」を監視する意味合いが出ていいのではないでしょうか。

杉村氏がこれからの任期をどうすごすか分かりませんが、ある意味で活躍が期待される議員です。

[2005/10/20]  総理大臣が自らの人権を主張

民主党・前原代表と小泉総理との党首討論。靖国参拝問題について小泉氏は、「靖国神社の参拝は憲法で保障されている……。『思想及び良心の自由は、これを侵してはならない』と憲法19条に書いてある。総理大臣である小泉純一郎が、一国民として参拝する。それがどうしていけないのか。私は理解できない」と発言しました。

個人の自由を念頭に置いた発言ですが、総理大臣の公用車を使い、SPを配置して、テレビの前で行った参拝は個人のものではありません。憲法を持ち出すのなら、20条3項の政教分離を念頭に置く必要があります。バランスを失した言動です。

総理大臣は公人中の公人であり、公私の区別が難しいということはさておいても、権力者が自らの人権を声高に語る時点で政治家失格です。

もし小泉氏が報道機関に内緒で、タクシーを拾って、たった1人で賽銭を投げてお参りしたのなら、私は見て見ぬふりをしたいと思います。

[2005/10/19]  「確かな野党」

「確かな野党」を掲げた共産党が今回の総選挙で踏みとどまりました。同党は肯定的な総括をしています。

一定数の不満分子を糾合(きゅうごう)する意味では有効なスローガンですが、建設的な意味合いはありません。かつて「民主連合政府」を目指していたことからすると大きな後退です。

現実的な対応という面はあります。しかし、政権を取って国民を幸せにすることが政党の存在意義であり、それが現実的に不可能であるのなら、戦略の抜本的な見直しが必要です。

同党を支える良心的な方々の思いとは裏腹に、政権交代を困難にするハードルの役割しか果たしていないことを残念に思います。

[2005/10/18]  権力者が美しく見える病気

独裁政権やカルト宗教では、大衆に異常心理が働くようです。権力者を崇め、権力者の行動を美化していく作業が加速していきます。果ては、権力者の美点だけが強調され、権力者に気に入られるための競争がおこります。

権力者が美しく見える病気です。現在のマスコミがこの病に侵(おか)されています。治りにくい病気のようです。治ったときに生じる後悔の念も甚だしいようです。

戦前・戦中の体験から学んだはずですが、60年の歳月とはそういうものなのでしょうか。

[2005/10/17]  靖国参拝

小泉総理の靖国参拝。馬鹿馬鹿しいという領域を超えています。

靖国問題は国内問題です。しかし、他国を巻き込んだ過去の不幸な歴史を真摯に振り返るならば、軽率な参拝は百害あって一利なしと考えるべきです。地下の英霊達が喜ぶこともないでしょう。

自虐だ、外国の反発だという前に、内省的歴史認識を持った判断が必要です。「日韓併合」の歴史や日中戦争があったことすら知らない人が多くなった昨今、ファシズムが新たな装いでやってくる雰囲気が生まれています。マスコミが権力迎合路線、政治家の転向が相次ぐ状況。

内閣総理大臣が自分の美意識だけで行動することの弊害を認識すべきです。ヒトラーが自己の美意識のために国民を犠牲にしたのと同じような風景に見えます。

この馬鹿には、何を言っても無駄でしょうが。

[2005/10/16]  対案よりカウンターパンチ

前原民主党の「対案路線」に対して党内から批判の声が上がっているようです。

巨大与党の前で対案を出しても無力であることはさておいても、「対案」に要するエネルギーを別の方向に使う方が合理的だと思います。9月29日の「一言」でも述べたように、「対案がない」という挑発に乗るべきではないと思います。

「対案」となると、更地に家を建てる作業になりますが、これは官僚が情報を独占している現状では徒労に近い作業になる可能性があります。細目にわたる検討が必要な事項については、大綱を明示すれば足りるはずです。

野党は、与党提案の矛盾を鋭く指摘して国民の前に示すのが仕事です。立ち往生した政府が「対案を示せ」という台詞を吐いたとき、与党とは違う枠組みを提示すればそれでいいのではないでしょうか。そこから先は、政権を取ってからの宿題です。

前原民主党が小泉政権に強力なカウンターパンチを見舞うシーンを期待します。

[2005/10/15]  「ヒトラー最期の12日間」

ドイツ映画・「ヒトラー最期の12日間」を見ました。

敗戦確実の情況下でのヒトラーおよびその周辺の人間模様が秘書の目を通してリアルに描かれています。

ゲッペルスとヒトラーがそれぞれ、悲惨な状態にある国民に同情する必要を認めず、この状況は誰が強制したのでもなく、(ナチス政権を)国民が選択したことの結果であるという主旨の発言をしていたことが印象的でした。

今回の総選挙では、「コイズミ」に熱狂した有権者が「痛み」という配当を手にするでしょう。ナチスドイツの場合と相似形をなす話だと思います。

[2004/10/14]  5イニングの野球

総選挙直後新聞に掲載された、なだいなだ氏の論評になるほどと思い当たりました。

野球は9回あるから終盤にドラマがあるが、5回の野球ではドラマが起こりにくい。国の将来を左右する選挙の期間をもっと長くすれば、「郵政」だけで押し切ることは難しくなり、それ以外の論点についても議論せざるを得なくなったはずであり、ドラマがあり得た。こういう概要だったと記憶しています。

私の経験でも、衆院選12日間(参院選は17日)では短いと思います。1ヶ月くらいでどうでしょうか。

資金がもたんかな。いや、事前に金が掛かるから同じかな?

[2005/10/13]  「団塊党」

<菅直人氏のHP(10/13)より>

「団塊党」の結成を考えている。「党」といっても通常の政党ではなく、一種の社会運動体だ。戦後ベビーブーム時代に毎年200万人近く生まれた団塊世代も還暦間近。大量退職の時期を迎えているが、その潜在的エネルギーは極めて大きい。この団塊世代を中心に、各種の社会活動に参加する場を創る社会運動として「団塊党」を構想している。

(コメント)

この構想に興味があります。この年代の経験とパワーを活かすことにより、社会が活気あるものになるのではないでしょうか。

堺屋太一著「エキスペリエンツ 団塊の7人」(日本経済新聞社)を読んでいます。団塊の世代が商店街再生に取り組むお話。

[2005/10/12]  地方における教育の重要性

高度成長期に地方は、都市部に人材を供出しました。親が財産分けの代わりに教育を受けさせた次男、三男達が都市部に定住しました。

そして今回の総選挙で、次男三男達(の子供達)が「地方への仕送り」を拒否する投票行動に出ました。過去の人材供出の対価として地方重視策を求めることが政治的に難しくなってきました。

これまでの地方は、それほど勉強していない親世代、祖父母世代が地方重視政策のお陰で安定した人生を過ごすことができる状態にありました。しかし、これからの子供達はそうはいかないのではないでしょうか。

地方では都市部より、教育に力を入れていかなければなりません。「月月火水木金金」というくらいで、やっと都市部に対抗できると考えるべきです。

嫌なことを言う奴だとお思いでしょうが。

[2005/10/11]  勘違い

村上龍氏が発行しているメルマガ・JMM、9月19日号で「今回の総選挙の結果は、日本経済にどういう影響を与えるのでしょうか。」という問が発せられ、専門家諸氏が回答されていました。その中で、山崎元氏(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員)の回答が目を引きました。一部抜粋します。

<・・・今回の選挙結果は、国民による、現在の官僚機構への信任を通じた、「現状維持」の選択であり、従って日本経済もさしたる影響を受けないという大局認識で良いと考えます。「官僚機構を信任したつもりなどない」と思う有権者が多いでしょうが、自民党圧勝の実質的な効果はそういうことだと思います。

開票当日のある選挙報道番組に寄せられた視聴者の女性のメールが記憶に残っています。「私は、郵政民営化には賛成なので今回は小泉さんの自民党に投票しましたが、年金問題やイラク問題、拉致問題などについて、小泉さんの政策を支持している訳ではありません。小泉さんには、この大勝で全てが支持されたという勘違いをしないで欲しいと思います」という内容でした。

しかし、読者もお気づきでしょうが、「勘違い」をしたのは、この女性のような有権者の方でしょう。郵政民営化とその他の諸問題について、後者が重要だと思うなら、投票行動自体をもっと考えるべきだったということです。「これが争点だ」と言われたものを本当に争点だと思わなければいけないと信じるようでは、人間らしい判断力を発揮しているとはいえません。・・・>

(コメント)

我が国の民主主義が発展する過程で経験しなければならなかった選挙だったと思います。「自分はそんなつもりではなかった」などという甘い考えは捨てるべきです。

中央集権の政治、霞ヶ関主導の政治が承認され、個人間、地域間での格差拡大が是認された選挙でもありました。「勝ち組」が勝ち続ける仕組みが整備されていきます。

もちろん野党がいます。民主党も票を減らしたわけではありません。有権者の「真意」を推し量り、政権与党に対峙するのが野党です。

[2005/10/10]  飲酒解禁

「政権交代まで禁酒」を宣言しておりましたが、今回の総選挙を契機として飲酒解禁ということにいたしました。

妻の前で解禁ということに決めていました。勝利の美酒でもないのに、2年ぶりの酒はうまかった。

理由は後日(詳しくは語りませんけれども)。

[2005/10/09]  ストック

今回の総選挙では、大都市部では地方斬り捨て路線が支持され、地方でもその路線に異議なしとの選挙結果になってしまいました。

地方でも、高知県のような気風の所では、地方切り捨てへの不満の声がある程度の票になって出ていました。しかし、愛媛の場合はそれほどの不満票が出ませんでした。

これまでの経済活動によるストックが地方にはあります。まだまだ現体制にしがみつく方がリスクが小さいと判断されるのだろうと思います。

[2005/10/08]  民主党のリストラ

大幅に議席を減らした民主党は、リストラが必至の状況です。

まず、総支部体制の変更。複数の「総支部」(=国政選挙立候補予定者の支部)を統合し、各総支部長(予定候補)が事務所の共同経営を行い、お互いに秘書の役目を背負い合うシステムを構築すべきです。大都市部の場合であれば、10〜20の総支部の共同オフィスで十分です。

県連のあり方。民主党の場合、「県連」とは総支部の上に立つ組織ではなく、総支部の連合体を意味します。総支部が欠け、あるいは統合されるとすれば、県連がこれまで以上の負担を背負わなければなりません。県連職員については、希望退職を募りスリム化した上で、将来国政あるいは地方政治を担える人材に職場を提供する仕組みに切り替える必要があります。

[2005/10/07]  大勝の付け

自民党が大勝したことで、自民党にとって「郵政後」が難しくなってきました。「改革」が幻想だったと分かったときの反動がどうなるのかを計算しておく必要があります。大きな「付け」が残ったということです。

その点で、前原民主党が「改革競争」を訴えるのは適切であると思います。「改革」で後ろから煽り、従来やれなかったことをやらせる。小泉流「改革」に大きな壁があることが分かれば、それが政権交代の根拠となります。

小沢一郎氏は自民党との違いを明確に出した方がいいという意見のようです。ある段階からは、「違い」を明確に出して行くべきでしょうが、現段階では前原代表の路線でいいと思います。

[2005/10/06]  社民・共産の生き残り

今回の総選挙で自民党の大勝、民主党の惨敗がクローズアップされていますが、社民・共産が現状維持を果たしたということが後々大きな意味を持ってくるでしょう。

自民と民主の関係は、小選挙区制度を採用する限り想定の範囲内の話です。しかし、二大政党制が現実化すれば議席消滅の可能性もあった両党が生き残ったことで、政権交代が難しい構造が継続することになりました。

本来なら根本的に戦略を転換しなければならないはずの両党ですが、「国民の支持が得られた」と総括することで、問題の先送りが可能になりました。

民主党が郵政民営化の土俵に乗り自民党と対決しなかったことが原因です。

[2005/10/05]  地域競争型社会

分権国家を前提として、各地域(ブロック)が政治・政策を競うことにより、よりよい政治・政策が生き残り、それが他の地域を引っ張って国全体が発展する仕組みが必要です。

国(霞ヶ関)が政策を立案して補助制度をつくり、国の政策カタログから地方が必要なものを選んで申し込むという方法では、大きな無駄が発生します。霞ヶ関への陳情、与党政治家の仲介を経て補助金を獲得できたとして、地域にとって有効な施策とはならないケースが大半です。

地方が権限と財源を持ち、自らが練り上げた施策を実施する。そして他の地域との競争により、その優劣を競う形にして、客観的な評価が下るようにすればいいのです。

霞ヶ関のカタログ販売からの脱却と地域間競争。これが地方発展のための決め手です。

[2005/10/04]  中央集権では均衡ある発展は無理

「国土の均衡ある発展」は、中央集権のシステムの中で達成されていました。しかし、国家財政が危機に瀕した今、地方を重視する施策は困難となりました。

中央集権国家と対峙する「分権国家」を目指すことにより、国土の均衡ある発展を実現する必要があります。

即ち、権限・財源・人材を地方が獲得して、地方が自らグランドデザインを描くことができるシステムを構築すべきです。

[2005/10/03]  国土の均衡ある発展

かつて自民党は、「国土の均衡ある発展」の理念を掲げた地方重視の政党でした。即ち、この国のどの地域にいても、等しく豊かさを享受することができる政治を目指していました。

近年実質的にこの理念を放棄していた自民党でしたが、「小泉自民党」は、明確にこの理念を放棄し、大都市中心の政治を行うことにしました。そのことの表現が「郵政民営化」であり、「改革を止めるな」という選挙スローガンでした。

[2005/10/02]  単純小選挙区制

比例復活はおかしいという声が強くなっているようです。世論誘導のにおいもします。国会議員の定数削減にむけての道筋を付けたいということなのでしょう。

単純小選挙区制という話も出てくる可能性があります。公明党は反対するでしょうが、民主党は反対しづらいので成立することになります。

自公の融合合体ぶりからすると不可能な話のようですけれども、自民・民主の大連立による憲法改正という構想を含めて、政治が大きく動く可能性を秘めています。

[2005/10/01]  侮り

小泉純一郎氏への侮り。これが民主党にあったと思います。私もそうでした。四文字熟語を覚えて連呼するのが精一杯。政策は分からない・・・

この人物にやられたわけです。「政局」ないしは権力闘争に特化した政治家。その背景には、周到な広報戦略もあったということが月刊現代11月号で明らかにされています。

従来の総理大臣は、演出不足で実力相応の評価を得られなかったという面があると思います。今回だけが特殊であると考えると大怪我をします。

猿でも演出すれば、「総理」の風格を漂わすことが可能です。様々な演出を駆使して、次期リーダーが選挙を行ってくるでしょう。

頭の良いリーダーより喧嘩(選挙)に強いリーダーが選ばれたことで、日本の政治の流れも変わってくるでしょう。望ましいかどうかは別として。

[2005/09/30]  油断

民主党の敗因はいくつもありますが、総選挙の時期についての読み違えも原因の1つです。

私も含めて多くの候補者(議員)が、来年の秋を目指していました。候補者(予定者)の本音として、選挙があると判断しても金がなければ動けないし、先行して金を使っても選挙がなかったとすると苦境に陥ります。

「解散はない」としておく方が余計な出費を抑えられるので賢明であるという判断に傾かざるを得ないのが実態です。

与党の候補者も準備不足のはずでしたが、官邸が完璧に仕切った選挙であり、選挙区ごとに相手陣営を見ながら準備をするという従来型の選挙ではなかったということです。

マスコミと企業総動員態勢の選挙を官邸主導で行い、個別候補者の対決というのとは別次元の戦いでした。

私の場合、来年秋より早まった場合は「空振り」でも仕方がないと割り切っていました。全てが来年秋にピークにもっていく計画でした。そもそも劣勢の戦いですから、「内角高めにヤマを張る」というのも許される作戦の1つだと思っています。

[2005/09/29]  対案は必要か

民主党が、郵政民営化法案についての対案を作成しています。「対案がない」という挑発に乗っているのではないかと心配しています。

政策を売りにしている政党ですから、政策で勝負するのは大いに結構ですけれども、情報の限られている野党が完璧な法案をつくることは不可能です。多額の費用を掛けてシンクタンクをつくれば別ですが。

「正確だったが、理解されなかった」というのでは、今回の総選挙の教訓を活かしたことにならないのではないでしょうか。

「対案」は、大雑把でいいから、政府案と対峙する、分かりやすくて明確なコンセプトを提示するものでなければならないと思います。研究の成果を競うのではなく、売り出し方の問題が重要です。

そういう観点からつくっているのだろうとは思いますが・・

[2005/09/28]  ファシズム(ナチズム)の研究が必要

今回の総選挙はマスコミ総動員の翼賛選挙であり、「民意」に基づく独裁政権樹立をもたらすものでした。

今回が例外であり、次回は揺れ戻しがあると考えるのは早計だと思います。今回の選挙で決定的な役割を果たしたのは、従来型の「無党派層」ではなかった可能性があります。

これまでは政治に無関心であり、選挙にも行かなかったが、今回は小泉さんの「改革」で何かが変わると考えた方々がいたということです。そしてこの層に向けられたキャンペーンが仕組まれ、マスコミが「幇助」の役割を果たしたということです。

「民意」が生んだ独裁者ヒトラーについて研究する必要があります。今回の「小泉劇場」は、「嘘も百回付けば本当になる」という、ナチスの宣伝大臣・ゲッペルスの手法そのものだからです。

このやり方なら、テーマ設定と舞台装置を変えれば何度でもやれる(皆さん、3〜4年で忘れてくれる)という「教訓」を学んだ方々がいるでしょう。「コイズミ」でなくてもやれるやり方が練られるでしょう。

もちろん、これに対する「ワクチン」の開発が急務であり、ファシズム研究が必要とされます。

もっとも今回は、「郵政民営化」に伴う特殊利益を期待した方々からの「営業経費」が大量に流れ込んだことが原因だとすると、次回は「買収原資」がないということは充分考えられます。

[2005/09/27]  憲法9条

9条の歴史は、解釈改憲の歴史でした。非武装中立。これが憲法9条の予定する我が国の姿です。しかし他方、日米安全保障条約があります。上位の規範は憲法ですが、政治力学的には「日米同盟」の論理が幅を利かせます。

「日米同盟」や世界の現実に反しないように9条の解釈を弾力化するのか、「日米同盟」と世界の現実を受け入れつつ国家権力をより強く縛る憲法規範を新たにつくるかの違いであり、国が実際にやらなければならないことは同じではないか。こういう疑問が頭をもたげます。

憲法が法規範として力を持つためには、弾力的すぎる解釈・運用は慎むべきです。憲法規範に国を従わせる力がないという見方が広がることにより、憲法の権威が損なわれます。憲法の力を維持するためには憲法改正が必要です。

しかし今回の総選挙を経験して思うのは、国民が単純なスローガンの連呼に弱かったということです。複雑な憲法論議をするには機が熟していないようにも思えます。

あえて改正の議論を巻き起こして国民が政治的に成熟する道を選ぶのか、一時の熱狂で60年近く維持してきた国民の財産である9条を葬り去る危険を回避すべきなのか。

私は、改正の議論はタブーを設けず行われるべきであるとしても、現状では憲法改正を行わないことが賢明であろうと思います。今回の選挙がマスコミや企業(トヨタに代表される勝ち組企業)を総動員して行われた翼賛選挙であったという認識から、改正の時期について慎重な判断が必要だと思うからです。

ただし、政権交代への捨て身の戦術として憲法改正を仕掛け、憲法改正を問う国民投票とともに衆議院の総選挙に持ち込む(2年後に衆参同時選挙)という戦略はあり得る判断であろうと思います。現在進行形の「独裁」を打ち破ることの利益が優(まさ)るという判断です。4年後だったら意味がありません。

[2005/09/26]  男女共同参画型社会

男女共同参画型社会の推進は、現代社会の合意事項であり、実行が迫られる課題です。

かつて男は仕事、女は家庭という社会通念を背景として、一家を扶養するに相応しい給与が男性に支払われました。この給与体系を前提として女性が男性と同様に働くとすれば、家計は大幅に楽になるはずです。実際、そういう例もありました。

しかしながら、男女共同参画を推進することと引き替えに起ころうとしている現実は、賃下げです(年収300万円以下時代の到来)。女性が働かなくては家計が維持できない状態におかれることにより、女性が労働市場に放り出されるという形で「男女共同参画」が実現するとすれば、これは不幸な事態です。

これでは、個別資本の論理とは裏腹に、少子化に歯止めが掛からず人口減少スパイラルによる社会の衰退しか見えてきません。

男女共同参画型社会を実現する前提として、労働の価値と子を産み育てる価値とが等価であることを確認し(あるいは、労働<家庭(出産、育児))、全社会の労働により出産・育児を支援する労働と税の体系をつくる努力が必要になってくると思います。

出産・育児を法律的・経済的に支援する制度と、地域社会が子育て・教育の場となっていくネットワーク社会の形成とが車の両輪として必要です(後者だけを追求するのは、虫のいい話です)

これは、「小さな政府」では無理なテーマだと思います。

[2005/09/25]  アジア向け愛国心

世論の右傾化が懸念されます。中国・韓国での「反日」に対する過剰反応や、靖国参拝への世論などを見ると、我が国の歴史を無条件に肯定する結果、アジア諸国に我が国のことをつべこべ言って欲しくないという心情がくみとれます。

ところが、対アメリカになるとからっきし駄目。郵政民営化の問題も、突き詰めればアメリカに日本国民の資産(郵貯・簡保の340兆円)を自由に運用されて黙っているのかという問題でしたが、これは盛り上がらず仕舞い。

アメリカに対しては、国益も何もなし。愛国心の欠片も発揮できず。ところが、アジアに対しては、国益を高らかに論じ、愛国心の高揚を図る。

要するに、植民地根性。2005年9月11日は、我が国が米国の経済植民地になった記念日ということになってしまうのでしょうか。 

[2005/09/24]  民主党と労組との関係

官公労が次の焼き討ち対象ですが、連合傘下の(民間)労働組合も、かつて自民党が立案した労働組合費を給与から天引きするチェックオフ制度を全面禁止する労働基準法等の改正案が国会に上程される(かもしれない)ということで揺さぶられる可能性が出て来ました(憲法改正以外何でもできる国会)

嫉妬感情が支配する世論の動向からすると、上記法案上程を自民党が決断すれば、拍手喝采で自民党支持率・小泉政権支持率が当座跳ね上がるでしょう。

ところが、これで労組を揺さぶり、自民党支持へと引き付けることに万一成功したとしても、民主主義が機能する限り、翼賛的な政治体制は長続きしません。

ただし、労組の組織率低下は深刻であり、労組が労働者の正当な代表であることを主張するためにも、民主党との適切な連携が模索されることになるでしょう。視点を変えると、労組が新たな国民政党・民主党を支援する市民団体の1つとしての自己イメージを形成するということになります。これが労組と民主党の成長のために避けて通れない道筋です。「労組を切る」などという話では決してありません。

じゃあ、「もう民主党のために頑張らなくてもいいのか」という労組幹部の声が聞こえてきそうですが、全ての国民が政治に責任を負うのが民主政治ですから、意識の高い人にはそれなりの道義的な責任が発生することは論を待たないことであり、そこから逃げ出すことはできません。

少なくとも言えることは、「労組が最大のスポンサーである民主党」のイメージでは小選挙区で勝つことは困難であり、労組と民主党との「適正車間距離」が模索されなければならないということです。民主党サイドから見れば、国民のための開かれた政党として成長するために、政党としての自律性とアイデンティティーを再確認する必要があるということです。

民主党が国民の多数を占める勤労者の側に立つ政党であるということを放棄する議論ではなく、勤労者のため、生活者のための政治を目指すための議論です。

[2005/09/23]  嫉妬

これからの日本政治を動かしていく負のマグマが、大衆の嫉妬心です。「郵政民営化」の議論に拍車を掛けたのが有権者の嫉妬心でした。「いい思いをしている連中」の中でターゲットになったのが、「郵政」の方々でした。

大衆の嫉妬感情を煽り、安定した中間層を「焼き討ち」することにより二極分解した社会をつくる。そのことによりローコストの経営を実現して、グローバル化した世界の中での勝ち組になる。これが、小泉自民党と財界の戦略です。

「下層」に転落しつつある方々が、手っ取り早くやっつけられるターゲットを焼き討ちする快感に酔いしれることで満足感を得ることになります。

「貧しきを憂いず、等しからざるを憂う。」というのが平等主義だとも言われています(毛沢東が言ったのか?)

しかし、これは危険な発想でもあります。「下層」の人達が「上層」に目を向けることなく、「中間階層」への焼き討ち政治を支持する感情面での支えになりうるということをしっかりと認識しておく必要があります。

次の「焼き討ち」対象は、公務員です。

[2005/09/22]  国論二分

今回の選挙、議席数だけから言えば小泉自民党圧勝で、「郵政民営化」が支持された形になっていますが、選挙区で与野党に投じられた票数を見ると、「国民投票」としては否決ないしは国論二分という状態であったと思われます。

しかも、民主党を支持していただいた方の中には、真剣に日本の将来を憂いた方々が多かったことを、選挙運動を通じて感じました。

国民の不安・憂慮の声は議席数に反映されず、地下のマグマとして蓄えられることになりました。このマグマが次回の選挙までどういう動き方をするかがこれからの政治を動かす重要な要素になります。

[2005/09/21]  「日本を、あきらめない」

民主党の総選挙スローガン、「日本を、あきらめない」が不評でした。

「今回の総選挙では、声の大きい奴が勝つ。」 私は周囲にそう言い続けました。ドラ声をあげろという意味ではありません。強いメッセージです。小泉自民党のメッセージ力にまさるメッセージを党本部に期待していましたが、見事に裏切られました。

岡田氏の気持ちはよく分かりました。しかし、前提なしには分かりづらいメッセージでした。

「郵政」のリングに駆け上がり、劇画「あしたのジョー」のクライマックス、矢吹ジョー対力石徹のノーガードの撃ち合いを岡田代表がやってくれていたらどうだったか。

「民主党を、あきらめない」そして、「日本を、あきらめない」 

巨大与党による専制政治に対抗するために、民主党の再生が必要です。

[2005/09/20]  チラシ折込

選挙期間中、「プレス民主号外」が送られてきました。ポスティングもチラシ折込も許されるものでした。

農林水産業関係の政策が掲載されていたので、地域を指定して折込をお願いしようとしましたが、愛媛では無理だとの回答を得ました。

党本部に問い合わせたところ、地域で対応が異なっており、現状ではその地域でのチラシ折込の基準に従わざるを得ないとのことでした。

チラシ折込に対する様々な社会的圧力との関係で決まってくることなのだろうと思います。

自民党王国・愛媛を象徴する話ではあります。

[2005/09/19]  次の選挙で揺り戻しはあるか

自民党が勝ちすぎたという意見もあるようです。だからと言って、次の総選挙で揺り戻しがあるのかと言えば、そう簡単ではないでしょう。

今回の選挙では、終始自民党優勢が伝えられていました。しかし、流れはそのままでした。「勝ち馬」に乗りたいという心理状態が支配したものと見られます。

このままであれば、翼賛政治への流れができる可能性もあります。これからの3〜4年で、どのくらい社会の二極分解が加速していくかが大きなポイントになります。

これではいけないのではないかという気持ちと、諦めてしまう気持ちとが交差する中で、民主党がどのような世論を形成していけるのかが問われてくると思います。

支援団体の意見を聞くという受け身の政治姿勢ではなく、積極的に一般有権者に対してアピールし、世論を形成していく姿勢が必要です。世論形成能力の問題になります

[2005/09/18]  新代表

民主党代表選挙の立合演説会、そして開票。なかなかスリリングでした。新代表・前原誠司氏に民主党の改革を期待します。

菅・元代表にはお世話になっており、また国民的人気を考えても、菅代表・前原幹事長(or代表代行)がいいのではとの思いがありました。他方、民主党の危機、国家の危機を乗り越えるには、若い力が必要であるということも十分理解できました。

多くの民主党議員が迷ったのでしょう。その結果が2票差という数字に表れたのでしょう。

新代表には、失敗を恐れず大胆に切り込んでいただきたいと思います。

[2005/09/16]  無党派

今回の総選挙は、一定程度無党派層の取り込みに成功した自民党に軍配が挙がりました。

民主党には、無党派の多くが自分達を支持してくれるものであるとの、根拠なき思いこみがあったのだと思います。

しかし、特定政党を支持しないから無党派であって、その時々の選挙で無党派の動向が変化することを計算に入れておかなければなりません。

今回の選挙では、自民党が自らの支持基盤を切り崩してでも「改革」(にせ改革だが)を行うというイメージ形成を行い、無党派層の共感を得ることに成功しました(実際には、特定団体の影響が強まっています)

これに対し民主党は、労組がバックにいるから思い切った改革に取り組めないとの執拗な攻撃を自民党サイドから受け、これが大きなダメージとなりました。

(明日は東京。代表選挙のオブザーバー。)

[2005/09/15]  地域防衛を

格差拡大型社会が総選挙で承認されました。これから、個人間での格差拡大と大都市と地方での格差拡大が顕著になってきます。

各地域の防衛が急務です。地方都市の衰退に拍車を掛けないために、中心市街地の戦略的な整備が必要です。

人口が減少するという冷厳な事実および予測を受け入れ、それに対応する地域づくりを行わなければなりません。

先手を打つ発想が求められます。

[2005/09/14]  トヨタの選挙運動

今回の選挙で、トヨタが自民党支持を打ち出して選挙運動を行ったことが注目されます。

従来政治と距離を置いてきたといわれるトヨタが選挙運動を行ったのは何故でしょうか。

「国益」という概念が小泉自民党からなくなり、多国籍企業となったトヨタの利害と一致したということではないでしょうか。

[2005/09/13]  自民党はなくなった

かつて地方重視の政策を展開していた自由民主党はなくなりました。同じ看板を掲げるのは、「小泉自民党」。

「小泉自民党」は、アメリカの世界戦略で行動し、アメリカ資本の利益を護る政党です。

日本が経済植民地になる選択をしたのが今回の選挙。主観的な意図はどうあれ、国民の選択です。

地方の利益、国民の利益を護るのは、新たな国民政党民主党です。民主党の再出発は厳しいですが、国家国民の利益を護るために立ち上がらなければなりません。

[2005/09/12]  格差拡大型社会が承認された

個々の有権者の皆さんは、それぞれの思いで投票されたのでしょう。

しかし、「郵政民営化」は1つの象徴であり、今回の選挙の結果、個人における格差拡大、大都市と地方における格差拡大の路線が支持されました。郵政民営化は、勝ち組がもっともっと勝てるアメリカ型弱肉強食社会への一里塚であり、「勝ち組の勝ち組による勝ち組のための政策」です。

次のターゲットは公務員。既得権益をはぎ取る、小さな政府の実現という名目で、国民の嫉妬心を焚きつけて公務員へのバッシングがなされるでしょう。中間的な安定層が「焼き討ち」に合います。

公務員の皆さんへの忠告。公務員の労組が積極的に提案して、「地域通貨」を給与の一部に組み入れ、お金が地域を循環することに一役買うことが必要です。住民を見方にする戦略が必要になってきます。

常識的に見て、3年間は衆院選挙はないでしょう。有権者の皆さん、取り分け地方の皆さんは痛みに耐え、これからの政治の流れを見つめて下さい。自民党政治家のリップサービスで癒やされる程度の痛みであれば幸いです。

これからの国政選挙は、党首が有権者に伝えるメッセージが重要になります。そして、党主導の政策の選挙になります。従来のつながりで政治家を選んでも、その政治家が党の政策に反して何かをするということはありません。

このことが確認できたとしたら、今回の総選挙は有意義であったと思います。

[2005/08/09]  更新方法の変更

メインパソコンの前に座ることが難しくなりそうなので、選挙事務所から適宜「伝言板」への書き込みで更新します。

[2005/08/08]  人間、勝ちパターンで滅ぶ

申し訳ありません。衆議院解散となりました。私の読み違いでした。

場外乱闘のような選挙に突入しますが、政権交代のまたとないチャンスを活かしたいと思います。

人間、勝ちパターンで滅ぶと言います。小泉純一郎氏没落の始まりです。大衆に訴えて総理となり、大衆に訴えて権力の座を去っていくことになります。

解散は想定外でしたが、こういう局面でワクワクするようでなければ、政治をやる意味はないと思っています。

[2005/08/07]  解散はあるか?

報道機関などは、解散の可能性がかなり高くなったという前提で報道をしています。中曽根弘文参議院議員等が反対に回った、森・前総理の説得も功を奏しなかったなどというニュースを聞くと、「否決→解散」だという結論が見えてきます。

しかし「着地点」から逆に眺めると、「解散はない」という結論になります。

何故なら、「郵政民営化」というのは、小泉氏の特定郵便局への個人的恨みが背景にあるにせよ、アメリカの「年次改革要望書」を実行すべき「日本における支配人」・小泉純一郎氏の責務であって、必ず通さなければならない法案だからです。「属国・日本」の視点です。

解散した場合、「小泉勝利」(党が分裂すると難しい)の場合以外、郵政法案は葬られることになります。「殿ご乱心」でなければ、政治的にあり得ない選択です。政治の世界、様々な「裏技」があります。「解決策」は模索されているでしょう。どうかなと思うのは、最近の自民党「実力者」の力量が落ちているということです。

「解散風」が吹いてくれた方が「仕事」がやりやすいので、歓迎しています。地方斬り捨て政治に痛めつけられた地方の人間としては、「小泉政権リコールの国民投票」にして欲しいと思います。

[2005/08/06]  権力者周辺の情報遮断

権力者には、全ての情報が集まるはずです。ところが実際には、側近が不利な情報を遮断しており、権力者は間違った情報で決断するということがあります。

小泉総理にはどういう情報が入っているのか定かではありませんが、自己に有利な情報に基づいての「解散」発言だと思います。

格差の拡大、地方の冷え込みを充分認識していれば、現時点での解散はできないはずです。

「明智光秀」が出る可能性もあります。解散を決定する閣議で、何人かの閣僚が反対・罷免されれば、その人物はヒーロー(ヒロイン)になります。

「地方斬り捨てに反対」と叫んで小泉政権の閣僚になった人物にとって、「身を捨てて国民無視の解散に反対した」と言えるチャンスになります。

[2005/08/05]  政治家になるには

(天木直人氏のHPより引用)07/29 今日の言葉

天木直人:元駐レバノン国日本国特命全権大使。「さらば外務省」(講談社)、「さらば小泉純一郎」(講談社))、「ウラ読みニッポン」(講談社)などの著書あり。 
http://amaki.cc/

この国で政治家になることは・・・

最近つくづく思うことがある。この国では、ひょっとしたらまともな政治家は一人もいないのではないかと。それに比べて、政治に関係しない人達のなかに、どれほど多くの立派な人達がいることかと。

その大きな原因は選挙制度の矛盾から来ているに違いない。どんな立派な人でも、どんなに志が高くても、知名度がなかったり、組織の後ろ盾がないと選挙に勝てない。だから政治家になれない。

その逆に、人格、品性、知性がどんなに不適格であっても、テレビ番組に出まくって知名度をあげたり、二世、三世だという理由だけで、あるいは二大政党のいずれかに属して組織票を頼むだけで、政治家になれたりする。

これが現実であるとすると、そもそも普通の人間が、政治家になってこの国を変えようとすること自体が、壮大な虚妄であることになる。(以下略)

(コメント)

当選する必要条件の内、政治的な見識以外の要素が占める割合が99%だと思います。いや、政治的見識がゼロでも、他の要素がそろっていれば当選できます。

従来、「地盤・カバン・看板」ということが言われました。当選に必要な組織、選挙に必要な資金、選挙区内での知名度です。世襲議員はこの全てを最初から手に入れています。

「二大政党のいずれかに属して」と天木氏が言われるルートについては、それほど毛嫌いされるものでもないと思います。

党に一定の支持基盤があり(地盤)、政党助成金制度のお陰で不十分ながらも資金が提供され(カバン)、党の政策やイメージ(看板)である程度勝負できる環境が整ってきました。

天木氏の場合、二大政党のどちらかの政党に所属することに窮屈な印象を持たれるのだろうと思います。しかし、自民党も民主党もかなりの幅があり、概ね一致していれば同じ政党に所属して活動できます。

よくマスコミで、党内で考え方が一致していないという言い方がなされていますが、むしろ一致しすぎている方が怖いと思います。

 

[2005/08/04]  「年次改革要望書」

(長い引用になりますが、政治評論家・森田実氏のHPより)

2005.8.3 2005年森田実政治日誌[222           いまの日本で最も重要な情報を隠す「政府・マスコミ」連合権力

大新聞は、民主党櫻井充参議院議員の「年次改革要望書」に関する質問(8月2日)を、なぜ無視するのか?!

政府、マスコミあげての「年次改革要望書」隠しに抗議する「触らぬ神に祟りなし」(日本の諺)】

<竹中大臣は「年次改革要望書」を「見たこともありません」と言った>

8月2日、秋田市にいたとき、友人から電話が入った。国会中継の状況を伝えてくれたのだ。

「いま、民主党の櫻井議員が『年次改革要望書』について質問している。櫻井氏は『年次改革要望書』の中身を紹介した上で、『民営化というのは米国の意向を受けた改正なのか分からなくなってくる』と発言。これに対して竹中郵政担当大臣は『見たこともありません』と答えた。小泉首相は『それは櫻井さんね、思い過ごし』と答えた。小泉、竹中両氏とも白々しい答弁をしている」。

「年次改革要望書」とは「米国政府の日本政府に対する年次改革要望書」のことである。1993年夏の日米首脳会談(宮沢首相とクリントン大統領)で決まったもので、1994年から毎年一回交換されている。以来、2004年まで、「日本政府の米国政府への年次改革要望書」と「米国政府の日本政府に対する年次改革要望書」が11回交換されてきた。

日本政府の要望書が米国政府によってどう扱われているかについての情報はない。私は、米国政府によって“参考文献”程度の扱いを受けているのではないかと思っている。

しかし、「米政府の日本政府に対する年次改革要望書」は、90年代後半期から今日までの日本の“構造改革”の指針書として扱われている超重要文書である。米国政府の「年次改革要望書」に記されたことのほとんどを、日本政府は実現している。 

「郵政民営化」も米国政府の日本政府に対する要求である。このことは「年次改革要望書」を見れば明らかである。

日本政府は、最近までこの「年次改革要望書」をひた隠しに隠してきたが、情報公開の国である米国の政府は公表している。米国大使館のホームページで見ることができる。

繰り返す。「米国政府の日本政府に対する年次改革要望書」は、日本の構造改革の指導文書である。橋本内閣以後の構造改革は、この「年次改革要望書」に従って行われてきた。小泉首相は、この最も熱心な実行者である。小泉構造改革のバイブルは、「米国政府の日本政府に対する年次改革要望書」なのである。(関岡英之著『拒否できない日本』、文春新書、参照)

竹中大臣が8月2日の国会で「年次改革要望書」について「見たこともありません」と答えたのは、驚くべきことであり、小泉首相が櫻井議員に「思い過ごし」と答えたことも、驚くべき白々しい答弁である。「年次改革要望書」に書かれた米国の要求と郵政民営化法案は大変に似ており、共通している。どう見ても、米国側の要求に従って作成されたものと考えざるを得ないものである。

<大新聞は櫻井議員の質問と「年次改革要望書」を無視>

8月3日付け朝刊各紙(朝日、毎日、読売、産経、日経、東京6紙)の政治欄を見ると、櫻井議員の質問を報道したのは産経1紙だけである。それも、5面総合(15版)右下の「参院郵政特別委質疑要旨」のところで、次のやり取りを紹介しただけである。

《櫻井充氏(民主) 民営化は米国からの要望に配慮したのか。

小泉首相 私は米国が言いだす前から民営化を説いてきた。島国根性は持たない方がいい。》

ここでも「年次改革要望書」という言葉は省略されている。他紙は、櫻井議員の質問そのものを無視した。「年次改革要望書」という言葉はどこにも見当たらない。

今までも「年次改革要望書」という言葉は日本の新聞にはほとんど載っていない。大新聞も雑誌もミニコミまでもが、「年次改革要望書」を頑なに報道することを拒んできた。郵政民営化と米国政府の動きを関連づける報道は一種のタブーになっているのだ。

「背後に大きな力が働いていて、『年次改革要望書』はタブーにされている。もしも少しでも報道するところがあれば、巨大な圧力がかかる。マスコミは“触らぬ神に祟りなし”で逃げている」――という声を、今まで私はマスコミ内部から何回も聞かされてきた。

マスコミは“何か”をおそれ、おののいているように感じられる。「年次改革要望書」の存在を国民が知ったら、小泉政権だけでなく、米国支配層の「ポチ」と化した日本支配層が崩壊すると考えているかのようである。

小泉政権とマスコミの大連合が「年次改革要望書」隠しを行っていることは、ほぼ明らかになっている。「年次改革要望書」の内容が明らかになれば、「小泉首相の執念」の役割の小ささを白日のもとにさらしてしまう。小泉・竹中体制がブッシュ米政権の出先機関に過ぎないことが明らかになる。このことをおそれているように見える。

竹中大臣が、「(年次改革要望書を)見たこともありません」と言ったことは、どう考えてもおかしなことである。これほど重要な文書を見ていなかったというのは、考えられないことだ。とうてい納得できることではない。竹中大臣が言ったことが真実か否か、徹底的に追及しなければならない。

「年次改革要望書」隠しの裏で、巨大な権力の陰謀(日本国民だましの陰謀)がうごめいていると見なければなるまい。

(コメント)

極めて重要な指摘です。我が国が独立国かどうかということが問われる問題です。

このことを議論せずして、対アジアでナショナリズムを煽(あお)る発言をする自民党の政治家とはいったい何なのか。

昔、少年チャンピオンという漫画雑誌に「こまわり君」という自称・少年警察官がいて、ガミガミ指導している姿が大写しで書かれている場面がありました。

ちょっと「画面」を引いたコマが次に来ます。こまわり君の後ろには怖いお兄さんが立っています。こまわり君は、怖いお兄さんには直接意見を言えないので、反対の方を向いて「指導」していたわけです。

今の日本は、「こまわり君」状態なのでしょう。独立の気概こそが、今の日本人に求められています。

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[2005/08/03]  受信料不払いと「ええじゃないか」

(ニュース)

NHKは2日、不祥事を理由とする視聴者の受信料支払い拒否・保留の件数は7月末時点で117万1000件になったと発表しました。

昨年7月に発覚した元チーフプロデューサーの番組制作費着服事件から顕著になった受信料不払い。1月末時点で39万7000件、3月末で74万7000件、5月末で97万件と増え続けてきました。今回も約20万件増えており、依然、歯止めがかかっていません。

(コメント)

慶応3〜4年(1867〜68年)、主に江戸以西の各地で起こった大衆的狂乱状態である、「ええじゃないか」の騒動がありました。農村のおかげ参りの伝統から発生したもので、老若男女が「ええじゃないか」と高唱、乱舞し、地主・富商の家に入り込んで物品や酒食を強要しました。

江戸幕府崩壊前夜の社会現象である「ええじゃないか」と、受信料不払いとが妙にダブって見えます。

規範の崩壊。封建秩序の中に閉じこめられていた民衆の感情が、江戸幕府末期の混乱の中で爆発したのが「ええじゃないか」。自民党幕府崩壊前夜の大衆的な規範崩壊としての受信料不払いという社会現象。

従来通りの社会が継続するのだとすれば、不払いはいずれ治まります。しかし、受信料を払うのは当然であるとする規範が崩壊したのだとすれば、不払いは止まりません。NHK批判というのは発端に過ぎないということになります。

受信料を支払うことの根拠が疑われ始めたこと、不払いに対する不利益処分がないこと、皆が赤信号を渡り始めたこと等が規範崩壊の原因と考えられます。

もう1つ。この国の社会規範を支えてきた中産階級が崩壊しつつあることが原因ではないでしょうか。新たな秩序を形成する必要があります。自民党幕府を倒し、新時代を築き上げていきたいと思います。

[2005/08/02]  劇画的政治観

小泉純一郎氏は、解散すると自民党が勝てるという読みをしているそうです。

<改革派>対<抵抗勢力>の図式を国民に直接訴えれば、必ず改革派が勝利するという展望なのです。どうも、劇画の読み過ぎという感じがします。

しかし現実には、「郵政民営化」はアメリカからの「年次改革要望書」を実現するための売国政策であり、<アメリカの植民地に甘んずる売国派>対<国内派(ないしは日本自立派)>の戦いがその本質であって、この点を国民が理解すれば、自民党惨敗ということになります。

<地方斬り捨て・大都市中心型政治>か、<地方の産業と生活を守る政治>かという視点についても、地方有権者に御理解いただきたい。

劇画的な政治観しか持てないナルシシスト(自己陶酔型の人間)に、これ以上この国を荒らされないようにしなけらばなりません。「靖国参拝」を含めた劇画的解散に対抗して、「小泉リコール」の選挙に持ち込みたいと思います。

[2005/08/01]  永岡洋治衆院議員の自殺

自民党亀井派の衆議院議員・永岡洋治氏自殺。

反対であった郵政民営化法案に「賛成」せざるを得なかったというところに、大きなストレスの原因があるように思われます。

政界の裏の部分。闇が深いようにも思えます。脅し、利益誘導、支持者の離反・・・

ストレスの中を歩むのが政治であると言ってしまえばそれまでですが、永岡氏を襲った重圧は大変なものだったのでしょう。合掌。

[2005/07/31]  野中広務氏が植草一秀氏の事件に言及

昨年、7月3日、8月31日、今年の3月23日の「一言」で取り上げた経済評論家・植草一秀氏に関する事件。

昨年4月、神奈川県警鉄道警察隊が横浜駅から尾行して、品川駅の昇りエスカレーターの途中で植草氏が手鏡でスカートの中を覗こうとしたとして、東京都迷惑防止条例違反で逮捕・勾留し、起訴した事件のことです(地裁判決有罪、植草氏控訴せず)。

7月27日、シンポジウムで松山市を訪れた元自民党幹事長・野中広務氏が、意外にも植草一秀氏の事件に言及したそうです。権力の意図が働いているのではないかということです。厳しい政府批判をしていた植草氏。繰り返して言いますが、この事件には不審な点があります。

権力の中枢部にいた人物が私と同じ感想を持っているということです。何でもありの小泉政権。怖いものを感じます。

[2005/07/30]  解散賛成53%

毎日新聞が7月16、17の両日、全国世論調査を実施し、焦点である郵政民営化関連6法案が今国会で成立しなかった場合の衆院解散の賛否を聞いたところ、53%が「賛成」と答え、「反対」の36%を上回りました。

もやもやしたムードを吹き払いたいということなのでしょうか。首相の解散権行使のあり方は権力の乱用ですが、主権者たる国民にとっては、選挙で決着を付ければいい話ではあります。

「小泉リコール」の国民投票。地方は小泉政権4年4ヶ月で疲弊しました。そのことへの思いを込めた「1票一揆」にしたいと思います。

[2005/07/29]  野中広務氏の言葉

27日に開かれた日中関係の改善策を探るシンポジウムのため松山市を訪れた、元自民党幹事長・野中広務氏へのインタビュー記事が、愛媛新聞(29日)に掲載されています。

その一節。

<「小泉さんに逆らったら損だ」と、言いたいことを言えない政治家が増えた。中国、韓国、北朝鮮との問題で強烈な発言をする者もおり、それに国民が拍手を送っている。取り返しのつかないナショナリズムが台頭しつつあり、われわれのたどった道が、やがて訪れるような怖さを感じる。戦争は二度としてはならず、残りの人生では、それを叫び続けたい。>

元自民党幹事長の言葉として、重く受け止めます。これまでの自民党は、薄汚い面もありましたが、戦争体験を踏まえて、「二度と戦争はしない」というコンセンサスの中で政治を行ってきました。

時代が変わり、戦争体験を持たない世襲議員が跋扈(ばっこ)し、余裕のない保守主義=「ピリピリ保守」の時代がやってきました。

「敵」を打ち負かそうとする攻撃型「愛国心」が叫ばれる昨今。私は内省型「愛国心」を提唱したいと思っています。我々の祖国が二度と同じ間違いをしないように反省し、将来に向かって国家の品格を高めようとする気持ちが必要です。

国民の皆さんに、愛する祖国のために、政治を監視していただきたい。政治に参加していただきたい。「愛国心」をこういう場面で発揮したいものです。子々孫々のために。

[2005/07/28]  変化球

(朝日新聞ニュース)

公明党の冬柴鉄三幹事長は27日、日本記者クラブで講演し、郵政民営化法案が否決される場合の衆院解散に否定的な見解を示したうえで、仮に総選挙となって民主党が第1党になる場合、「政治の安定のためにはそれしかないというのなら、(民主党との連立に)ちゅうちょすべきではない」と語った。法案の可否のカギを握る参院自民党の反対派を強く牽制(けんせい)したものだ。

講演で冬柴氏は、法案否決の場合、与党の党首会談で公明党が解散に反対する考えを明言。ただ、それでも首相が解散するなら拒否できないとし、「自民本体と(反対派の)第2自民党という新党、公明党で(連立を)やりたいというならやったらいい」とも語った。

冬柴氏としては、政権の枠組みの変更の可能性に踏み込むことで、反対派の動きを止めようとしたとみられるが、刺激的な内容だけに、神崎代表は同日の記者会見で「自公両党で選挙結果に責任を負う。過半数を取れなければ自民党と一緒に野党になる」と強調。党参院幹部も「党の見解ではない」と自民党議員に説明して回った。

一方、民主党の岡田代表は「民主党との連立を望むならまず自民党との連立をきっぱり切って選挙を戦ったらどうか。わが党は単独政権を目指している」と記者団に話した。

(コメント)

公明党・冬柴幹事長の変化球。民主党・岡田代表の直球。

政治の舞台裏では、様々な順列組合せが模索されているようです。しかし基本は、選挙時に有権者に示した路線を遵守するということです。その意味では、岡田代表の直球を支持します。

ただし、公明党という政党の本来の理念、平和と福祉が自公連立と矛盾するのではないかと思われますので、公明党が自民党と距離を置くという場面が考えられないわけではありません。

その場合でも、安易な連立をすべきではないと思います。公明党が最も輝くのは、政権に参画せず、是々非々の路線を貫く場合です。

公明党が「与党慣れ」という「生活習慣病」を克服し、高邁(こうまい)な理想を追求されることを期待します。

[2005/07/27]  戦後60年の誓い

(ニュース)

衆議院議院運営委員会の理事会は、ことしが戦後60年の節目にあたることを踏まえて、来月の広島・長崎の「原爆の日」や「終戦の日」を前に、衆議院として、平和への誓いを内外に打ち出すための決議を本会議で行うことを決めました。

決議文の素案によると、過去の戦争について、「わが国の過去の一時期の行為が、他国民に与えた多大な苦難を深く反省し、改めてすべての犠牲者に追悼の誠をささげる」としています。

そのうえで、「政府は、憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、唯一の被爆国として、核兵器の廃絶や戦争の回避などに最大限の努力をすべきだ」として、政府に対して、国際平和の構築に向けた一層の貢献を求めています。この決議は、早ければ今月29日の本会議で行われる見通しです。

(コメント)

近隣諸国に多大な被害を与えたことについて、忘れたがっている人達がいます。反省することを「自虐」と言って軽蔑することで我が国の値打ちが上がるようにも思えません。

同胞の被害者も多数います。彼等には、負けると分かっていながら戦争を仕掛けるような国家経営の失敗について謝罪が必要です。

この60年間で、合理的な意思決定のできる国に成長したのかどうか。内外の被害者達はどう見ているでしょうか。

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[2005/07/26]  従属国家・日本

005.7.24 2005年森田実政治日誌[212            新・日本マスコミ論[1]――小泉政権と一体化し従属化した上、アメリカ政府に制御された日本のマスコミの罪と罰」 より

郵政民営化問題の本質

郵政民営化問題を、小泉純一郎という一人の政治家の政治的執念の面からのみ説明しているマスコミ報道は、あまりにも一面的である。不公平である。真実を隠している。「小泉首相の個人的執念」だけに無理矢理限定し一元化して報道している新聞記者、報道記者、マスコミデスク、ジャーナリスト、評論家は、事実上、嘘をついている。恥を知るべきである。

郵政民営化はアメリカ政府の10年にも及ぶ強い対日要求であるという事実を、政府とマスコミはひた隠しに隠してきた。

アメリカ政府の日本政府に対する「年次改革要望書」――これこそが、日本の構造改革の指令書であり、日本政府はこの10年間、忠実に実行してきた。アメリカ政府の「要望」を受けつける担当官庁である、外務、財務、経産の3省は、すでにほとんど無条件的な受け入れをつづけている。小泉政権の構造改革は、ワシントン製であることは、「年次改革要望書」を読めば一目瞭然である。

マスコミは、「年次改革要望書」の存在を知りながら、これを隠しつづけてきた。いまもなお隠しつづけている。この目的は、小泉政権をあたかも独立国の政権のように見せかけるためだ。同時に、マスコミが、裏側で、アメリカ系の諸々の組織にコントロールされている事実を隠すためなのではないか。

わが日本国は、悲しむべきことに、現実には、アメリカの従属国なのである。政治家もマスコミも行政官も経営者も野党までも、国が主権を失い、他国の植民地と化することが、どんなに悲劇的なことか、考えようともしないのだ。多くの国民は、日本が立派な独立国だと思い込まされている。だまされている。

日本国民は真実を知る必要がある。国民が真実を知ったとき、日本の未来は開けてくる。いつまでもブッシュ時代がつづくわけではない。米新帝国主義は行き詰まりを示し始めている。われわれ日本国民は小泉首相の従米主義を勇気をもって否定し乗り越えなければならない。これなしにわが国の未来はないと思う。 http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/

(コメント)

小泉政権は、アメリカとの関係においては、自らの意志を持たない政権です。歴代政権も多かれ少なかれ対米従属でしたが、これほどキッパリ国を売ろうとする人物は前代未聞です。総理になるために、「悪魔に魂を売った」のではないでしょうか。

もし仮に、解散総選挙となり自民党が勝ったとすると、「対日指令」によって総裁任期の延長もあり得ます。

「ポスト小泉」が話題をさらっていますが、「ポスト小泉は小泉だった」などということのないよう、きっちりと小泉政権を倒しておく必要があります。

「小泉リコール」による、「日本独立」のための総選挙としなければなりません。

[2005/07/25]  市場が決着を付ける?

ある方から、結局我が国の政治は、国民が政治的決断をすることができず、「市場」が決着を付けることになるのではないか、ということを言われました。

株価暴落、国債暴落、金利急上昇・・・

こういうことでもないと、現状維持的、観客型民主主義の下での政治変革は困難ではないかということです。

しかし、それも情けない話です。当事者意識を持てる人を増やしながら、我が国の没落を回避したいと思います。

政治で決着を付ける。「投票箱と民主制の過程」(選挙制度)が有効に機能する政治先進国であることを諸外国に見せていくことが、国益に合致するところでもあります。

[2005/07/24]  さらば東京

国と地方の関係について私がこれまで述べたところを一言で表現するとすれば、「さらば東京」ということになります。

東京で国全体のこととを考えない(霞ヶ関解体)。東京で地方のことを決めない(自己決定権を地方に)。東京だけが発信しない(放送局のキーステーションを全国に)。

各地に中枢機能を持たせ、各地域が政策を競い合い、最も優秀な政策や企画が全国に広がっていくという仕組みをこの国につくっていけばいいのです。

日本は中央集権では衰退し、没落する。これを防ぐために、「東京」解体、地方主権型国家への移行が必要です。「東京」を頭から消し去ることができるかどうか。

[2005/07/23]  文字・活字文化振興法

(ニュース)

若者を中心とした国民の活字離れを食い止めるため、国や地方自治体に図書館や学校での言語教育の充実などを求める文字・活字文化振興法が成立。

振興法は12条からなり、文字・活字文化を「知識、知恵の継承、豊かな人間性の涵養(かんよう)、健全な民主主義の発達に欠くことができない」と位置付けています。市町村に公立図書館の適正な設置などを示したほか、外国の出版物の翻訳の支援など国際交流も求めています。

(コメント)

本当に活字離れが起きているのかというと、断定できません。インターネット、メール(そして漫画)など新たな形の活字媒体が発展しつつあるからです。

活字の危機ではなく、出版業界の危機であるという見方も可能ではないでしょうか。そうは言うものの、良質な活字媒体を市場原理で葬り去らない工夫も必要ではないかと思います。

全国の図書館が、普通では手を出しにくい文化度の高い書籍を購入すれば、活字文化を保護することができます。従来図書館には、そういう役割も期待されていました。

それとの兼ね合いで、ベストセラー書籍の取り扱いが問題になってきました。利用者ニーズを重視して、複数購入する図書館もあります。

私は、利用者のニーズが高いからと言って、ベストセラーを複数購入するという考え方は妥当ではないと思います。お急ぎなら本屋さんで買ってください、という話ではないでしょうか。

むしろ、ベストセラー本を中心とした大衆的な活字媒体は、NPO団体が運営する簡易な図書施設を設置して、リサイクルの視点で利用済みの書籍を活用し、必要に応じて公的助成をすべきだと思います。

街の本屋さんが地域での文化発信基地として成り立っていけるような配慮もしながら、総合的に活字文化の振興を図っていきたいものだと思います。これからは(これまでも)、知力が国力(地域力)の源泉なのですから。

[2005/07/22]  取扱注意

7月11日の一言、「愛国心の定義」について、賛同のメールをいただきました。丁寧なお手紙での反論もいただきました。

お手紙の方は戦中派ということで、ホームペ−ジではなく、私が関係者に送っている封書に印刷したものを御覧になったようです。電話で説明させていただきましたが、この場でも念のため解説をしておきます。

「愛国心」というものは、大切なものですが、取り扱いに注意しないと大火傷を負う危険物であるという認識を持つ必要があります。

私に愛国心がなかったとしたら、極めて劣勢な選挙に出るようなことはしなかったと思います。ここで誰かが勇気を振り絞って決意しなければ、この国の没落を防ぐことができないと判断したから出馬したつもりです。

しかし、人には強要したくない概念です。故郷の山河への愛着というような郷土愛の延長線上にあって、しかも攻撃的でない内省的な概念としての愛国心を、大切に胸にしまっていきたいと思います。

「愛国心」を他人に強調する人が、裏では別の利害で動いているという醜い話があり得るという警戒感は、一応持っておくべきでしょう。

[2005/07/21]  共産党の立候補見送り

これまで300小選挙区全てに候補者を擁立していた共産党が、次回の総選挙ではそれほど候補者を立てないのではないかと言われています。

愛媛1区はすでに候補者がいるので関係ありませんが、これは有効な戦術になると思います。立候補の見送りは、民主党への実質的な選挙協力になります。共産党の支持者が、自民党や公明党に投票することはあまりないと思われるからです。

民主党の候補も共産党に若干気を配ることになるでしょう。そういう柔軟な路線だとしたら、好感度が増し、比例で少し伸ばしてあげたいという有権者も出てくるのではないでしょうか。

[2005/07/20]  小泉リコール

小泉首相が「郵政解散」を強行するとすれば、それは解散権の乱用であり、「小泉リコール」の選挙にしなければなりません。

一般論として、衆議院は4年任期を待たず、国政の大問題について内閣が国民の信を問う形で行うことは当然であると思います。野党・民主党としては、政権交代のチャンスが到来するのですから、大歓迎と言わざるを得ません。

しかし、解散総選挙となると多額の経費が必要であり、それに見合うテーマを設定して国民の信を問うのでなければ、政権担当者としての自覚を欠いた解散権行使だということになります。

あらゆる世論調査で国民が政治に期待するものは年金(介護)問題であることが明確であり、郵政問題は鉦(かね)と太鼓を叩き続けても国民の関心事項の上位に上がってこない筋悪のテーマです(小泉氏の私的関心事)

これをテーマとする、しかも与党内(閣内もということになる可能性大)不一致に起因する解散というのは、権力闘争の果ての「場外乱闘」と言わざるを得ません。

私は、「小泉リコール選挙」と位置付けたいと思います。

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[2005/07/19]  同名異義語

近年の自民党は、民主党が使っているのと同じ言葉を使って実質は別の方向を目指すという手法を採用しており、これが有権者の錯誤を誘発しています。

「地方分権」は地方の権限拡大を意味するはずですが、自民党は地方に仕事をやらせる(義務の拡大)という意味で使っています。

「道州制」は国の権限を地方に大幅に移譲し、地方が産業政策や教育政策、福祉政策について大きな権限を取得して、国家は外交防衛その他の事項に権限を縮小することのはずですが、自民党は単なる県の合併(リストラ)に持っていこうとしています。

概念を明確にしておかないと、全く違う方向に連れて行かれることになります。「同名異義語」に要注意。

「小泉構造改革」なるものは、「構造改革」の名による官僚支配の強化であり、官僚帝国主義の「植民地」(天下り先)拡大政策に他なりません。

もっとも、「構造改革」などという定義の不明確な言葉の横行を許した民主党にも問題があったのではないかと思います。小泉政権発足当初、「構造改革」の中身を具体的に検証することなく、小泉氏と同じ星を眺めているのだと勘違いしていた人もいたようです。

政治は言葉が命です。言葉の具体的な中身を常に検証していく必要があります。

[2005/07/18]  特定郵便局長<地元衆議院議員

参議院に審議が移った郵政法案。「地力」の乏しい参議院議員にとって、特定郵便局長さんの集票力と地元衆議院議員の集票力とどちらが大きいのかの判断を求められる展開になりそうです。

自民党の加藤紘一元幹事長は記者団に対し、衆議院の解散・総選挙を避けるため、今後、自民党内で衆議院側から参議院議員に賛成するよう求める圧力が強まり、法案は参議院で成立するという見方を示しています。

加藤氏曰く、「郵政民営化関連法案が参議院で否決された場合、小泉総理大臣は衆議院の解散・総選挙に踏み切る。自民党をつぶすという公約を実行して歴史に名を残すことを考えると思う。今後、自民党の衆議院議員の間に、解散・総選挙に対する危機感が強まり、解散を避けるため、同じ地元から選出されている参議院議員に対して、法案に賛成するよう圧力をかける動きが一挙に出てくる。参議院議員にとって、選挙の時、特定郵便局の関係者の応援より地元の衆議院議員の影響力の方が大きいので、法案は最終的には、参議院でギリギリ可決・成立するだろう。」

なるほど。しかし、郵政法案が通過しても解散があるという見方もあります。「郵政が思い通りになったのだから、もう辞めてもいいだろう。」という形で政権の推進力が落ちてくる展開になれば、解散によって信を問うというのです。

首相の解散権とは世に恐ろしいものだと、自民党の面々は思い知ったことでしょう。準備不足の私が言うのもなんですが。

[2005/07/17]  究極の愉快犯・小泉純一郎

衆議院解散云々が話題になっています。政界も浮き足立ってきています。様々な憶測が飛び交う状況ですが、小泉首相は現時点では解散するかどうかの決断をしていないと思われます。

「解散があるぞ」という脅しが効いている中で、郵政法案がどうなるのか、自民党内部の政治情勢はどうなるのか、公明党の出方はどうなのか、民主党がどの程度伸びていくのか、政界再編となったばあいに主導権が取れるのかどうか・・・

様々な可能性を考え、数手先を読んでの決断となりそうです。かつてのハプニング解散とは状況が異なります。小泉氏には、思いとどまって「平和」を演出する自由もあるのですから。

「反小泉」の自民党議員達には、自分達はこういう理念で国を動かしていくというものが乏しいだけに、先手を打って自民党を脱党して新党を旗揚げするという決断ができないので、参院で郵政法案を否決するとしても、小泉氏の「次の一手」を待たざるを得ないということになります。

「次の一手」を打てるそのこと自体に、政治家としての喜びを感じているオタク政治家・小泉純一郎。「究極の愉快犯」だと言えます。

自民党政治の行き詰まりの中から政権延命装置として誕生した小泉政権が、自分の趣味(郵政民営化)に自民党を巻き込み、「国内版瀬戸際外交」を展開するという異常かつ不思議な政局となってきました。

[2005/07/16]  政治の失敗は、「敵」を必要とする

靖国問題や歴史教科書の問題は、政府の失政に対する不満を外交への関心によってそらそうという、伝統的な手法によるものです。

これまでの歴史では、戦争によって国民の不満を一掃することがありました。勿論、戦争は景気刺激策(公共事業の一種)という面も持っていますから、これによる国民の満足感もあったでしょう。

しかし、国家総力戦となった2つの大戦では、敗戦国は体制が崩壊し、戦勝国もアメリカ以外は国力を消耗する結果となりました。

こうした歴史の教訓に鑑みて平和を第一義に考えるというのではなく、歴史における反省を「自虐」と置き換え、負ける戦争ならいけないが勝てる戦争なら「公共事業」として行うべしという「プラス思考」の結論を導きたい方々も出てきそうな雲行きになってきました。

政治が「敵」を求め始めたということです。国民を幸せにするプログラムを提示することが政治の責任ですが、これを「かったるい」と感じる政治家が「敵を懲らしめる桃太郎」として持て囃されないようにしなければなりません。

[2005/07/15]  日本国の没落

国を誤るということが、太平洋戦争の惨憺たる敗北につながったのが戦前の歴史です。今回国を誤ると、それは我が国の没落につながります。

太平洋戦争の敗北は、焼け野が原から国民が立ち上がり、奇跡の復興というドラマを生み出しました。

しかし、今世紀の初頭に政治決断を誤ると、没落後に国民が立ち上がるというストーリーにならない可能性が大です。

没落過程が緩やかであり、いつの間にかそういう社会になっていたということであって、劇的な大転換が起きるという「転機」を見いだせないのではないかと思います。

「ゆでガエル」状態ということです。そして、今回国を誤るとすると、戦前のように「A級戦犯」を探せばそれでいいという話ではなく、主権者たる国民が共犯者(いや、正犯)ということになります。

そういう暗い話にならないようにするために、私は立ち上がったつもりです。

[2005/07/14]  政権交代の果実

もう、「政権交代を目指す」などという段階は卒業したいと思っています。政権交代後のシナリオを考えておく段階です。

幕末時に、伊予(愛媛)は出遅れました。倒幕の果実は、御存知のように薩長土肥に奪われました。また今回もドジを踏むのか、という問題です。

「政権交代の果実を愛媛に」という命題を、愛媛の政財界が本気で議論すべき段階なのです。少なくとも、自民党で行くとしても「保険を掛ける」発想が必要となります。

自社の55年体制のように、100%政権交代がないという政治状況ではありません。20%〜60%、政権交代の可能性がある話です(人による評価の差はあり)

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[2005/07/13]  文具店と郵便局

先日の朝日新聞(私の視点)で、横須賀市の文具事務用品組合副会長さんの郵政民営化に対する意見が掲載されていました。

これまで、郵便局はその町の文具店から文具・事務用品を調達し、文具店側も切手や葉書の販売をしてきました。それが郵政公社になって、「経営基盤の健全化」の旗印の下、メーカーが運営するネット通販から全国一括で購入することになりました。

副会長さんがさらに恐れるのは民営化後、郵便局がネット購買を自治体や法人企業、個人に向けて展開するのではないかということです。

地域の中核施設である郵便局が、利潤追求、経費節減を目指し、地域と共存する姿勢を喪失するとすれば、地方都市は破壊されてしまう可能性があります。

まちづくりの観点からも、郵政民営化には問題があります。

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[2005/07/12]  「自虐史観」vs「自滅史観」

中山文部大臣は、まだ「自虐史観」という言い方で、かつての我が国の非行を記述する従来の教科書のあり方を批判しているようです。

しかし、中山氏等「自虐史観」否定派の歴史観は、日中戦争・太平洋戦争の肯定であり、とりわけ、太平洋戦争は「自衛戦争だった」という方向に導こうとする考え方が背景にあります。

しかし、開戦時の日本政府の戦争決断は、国内の急進派におもねった妥協の産物であり(戦争を回避するという合理的な決断は、暗殺等により身を滅ぼすことになる)、自己保身のために国家と抱き合い心中したというのが正しい見方だと思います。

中山氏らの歴史観は、せいぜい「しかたがなかった」史観と言うべきものであり、もう少しきつく言えば、「自滅史観」と言うべきものです。

内部調整ができないので自滅の道を選ぶという、政治不在の国家であったことへの反省なしには、現在の政治状況を克服して、我が国の没落を回避することはできなくなります。

自国の否定的側面に目をふさぎ、「愛国」を論ずる皮相的な考え方は、「自滅」を助長する無責任な発想です。

[2005/07/11]  「愛国心」の定義

「愛国心とは、ならず者の最後のよりどころである」と言われます。

残念な人生を送っている人にとって、自分よりも蔑(さげす)まれる人達がいることで精神的な満足が得られるという構図があります。軽蔑する対象があってはじめてプライドが維持され、心が安まるのです。

かつての部落差別の構造、在日朝鮮人やアジア人蔑視の構造。この醜い精神状態に入り込む「愛国心」の誘惑に注意しなければなりません。

生まれ育った国を誇りに思い、愛する心情とは懸け離れた、攻撃型の感情を醸成する「愛国心」が、国民を思わぬ地点にまで誘導する魔法の言葉として機能してきました。攻撃型の「愛国心」には「敵」が必要になります。

愛国心を鼓舞する政治家には警戒が必要です。国民に幸せを提供するプログラムを持ち得ず、「敵」を懲らしめることで支持を得ようとする短絡型精神構造を持った政治家が持て囃(はや)され、戦前の日本は国を誤りました。

敵を想定することのない、穏やかな愛国心を育むためには、自国の良いところ悪いところをしっかりと認識した上で、自国の発展に責任を持てる自己を形成していく努力が求められます。それは、他国を尊重する心と一対のものです。

「愛国心」の辞書的な定義は、「自国を愛し、国の名誉・存続のために行動しようとする心」ということになります。私は、「愛国心とは、自国の短所を知りつつ、それを改善し発展させようとする心情である」と再定義したいと思います。攻撃型ではない、内省型の定義です。

[2005/07/10]  ダブルスタンダード(二重の基準)

「愛国心」を叫ぶ人物で、自己の利益を捨てて大義に殉じる潔さを持つ方は、驚くほど少ないのが現実です。

中国では、儒教が科挙(官吏登用試験)の重要科目でしたが、官吏になった後は支配階級の思想である法家の思想を学ばせ、被支配者が従うべき儒教の思想は忘れさせたと言われます。

「愛国心」とは、一般庶民に「国家のために死んでくれ」と言うための論理であって、儒教と同様被支配者に向けられた規範です。支配者は自分自身には別の基準を当てはめているのだということを知っておく必要があります。

△君は死ね 我生き抜かん 国のため

[2005/07/09]  愛国心<愛郷心

教育基本法改正論議の中で、「愛国心」が問題になっています。

私は、「愛国心」という言葉が演繹的に使用され、国民をあらぬ処に連れて行くことがあったという歴史に鑑みて、使用を控える考え方が妥当であると思います。

具体的に、自分の国のこれこれが好きだということの集積として、この国が好きだ、愛していると言える状態が健全です。

「愛国心があれば国のために死ねるはずだ」「日本人なら贅沢はできないはずだ」というような極端な論理が普通にまかり通っていた戦前の愚を繰り返すことなく、ごく自然に公共心を育むべきです。

そのためには、「国」という漠然とした大きな概念を基礎に置くのではなく、生まれ育った故郷の山河への愛着といった、具体的な対象に向けての想いを大切にすることを出発点にする方がよいと思います。

「非国民」「国賊」などという嫌らしい言葉に怯えるようなことは、願い下げにしたいものです。最近、「反日日本人」などという下品な言葉を流行らそうとする馬鹿がいるので、要注意。

[2005/07/08]  北風型の対応

ロンドンでの同時多発テロは、G8サッミット開催時を狙ったものであり、先進諸国への挑戦状という性格を強く持つものだと思います。卑劣な犯行には、憤りを感じます。しかし・・

2001年の9.11同時多発テロ以降、アメリカは力でテロを封じ込めることに専念してきましが、その成果は思わしくありません。北風型対応の限界を自覚すべきではないでしょうか。

国内でも、小泉政権の郵政民営化法案成立に向けての北風型対応に自民党内部から不満の声が噴出しています。

強気一辺倒のやり方は、織田信長がそうだったように、「高ころび」する可能性があります。

[2005/07/07]  その時、愛媛の衆議院議員は・・・

郵政民営化法案に愛媛選出の4衆議院議員(全員自民党)は、皆賛成票を投じました。

地方斬り捨てに賛成ということです。自民党で51名の造反議員が出ました。その動機は様々でしょうが、地方選出の議員は自らの郷土が斬り捨てられることに反対する意味合いを込めて造反したのではないでしょうか。

小泉首相に解散をちらつかされ、党の幹部からは処分をするとの威嚇があり、公明党からは支援しないと脅された中での造反劇。立場は違いますが、重く受け止めたいと思います。

それとの比較で言えば、愛媛選出衆議院議員の郷土愛の欠如ぶり際立っています。   1(50)

[2005/07/06]  参議院否決→解散?

衆議院をわずか5票差で通過した郵政民営化法案。参議院での審議が注目されます。参院否決→廃案に向けて、反対派は勢いづくでしょう。

小泉首相は6日午前、郵政民営化関連6法案の参院審議について記者団に「参院で否決された場合でも内閣不信任と受け止めるか」と問われ「そうですね」と述べています。法案が参院で否決された場合は、衆議院解散に踏み切る可能性を示唆したものと受け止められています。

そうなった場合、大義名分はどうなるのでしょうか。曲がりなりにも衆議院では可決しているのですから、「信」の問いようがないのではないでしょうか。反対した自分の政党の議員を落とすための選挙ということになります。

しかしそうだとすると、党議拘束に対して反対するような議員を出した政党の責任者、即ち、自民党総裁・小泉氏の責任が問われるべき問題です。これは、自民党総裁を辞して再度総裁選挙をするかどうかの問題であって、総選挙のテーマとはなり得ません。

ひょっとすると、「8月15日靖国参拝」を強行して、「靖国解散」などという訳の分からない解散劇が演出されるということもあり得ます。   1(49)

[2005/07/05]  世論操作

竹中大臣の秘書が1億5千万円ものチラシ広告を随意契約した疑惑で、企画書の内容が問題になっています

この政府広報の企画書には、「IQの低い主婦・シルバー層」をターゲットにすることが明記されています。

世論操作をするため「IQの低い」層をターゲットにするという露骨な内容であり、人権意識を著しく欠いた企画が政府広報においてなされたということです。

政府案を通すためには何でもありという卑しい発想が垣間見えます。公明党と組んで議員を脅すやり方も含め、これが一国を代表する政府の態度なのかとあきれてしまいます。

[2005/07/04]  民主党支持層

日本全体の10分の1の有権者がいる、東京都議会議員選挙。自民党が48議席で第1党、民主党は35議席で第2党となりました。

本日の朝日新聞1面に、「『風』頼み一転、民主に変化」という見出しの記事がありました。

「・・・出口調査の結果では、無党派層の投票先は民主候補が最多の23%、次いで共産が18%。自民はこれらを下回る16%だった。01年は無党派層の25%が自民候補に投票、民主は14%だけだったことを考えると、今回民主党が伸びた背景には無党派層の支持の変化があったことが分かる。

ただ、民主党都連幹部は大勢が判明した3日深夜、『無党派層だけの支持では、ここまでの議席増はできない想像以上に党の支持層が流動的でなくなっているのではないか』と語った。

民主党幹部らは足元の支持固めに加え、投票率が上がって多くの無党派層に投票に行ってもらえば、民主の票が増えると踏んでいた。岡田代表も応援演説で繰り返し強調したのは『まず投票に行ってほしい』ということだった。

しかし、投票率が史上2番目の低さ(43.99%)に終わったことは、民主党の思惑通りに無党派層を動員できなかったことを物語ってもいる。・・・」

「風」が吹かなかった選挙でそれなりの結果。民主党の支持基盤ができつつあることの証左かもしれません。大都市部には、「私は民主党支持者だ」という方々の層があるのだと思います。

アメリカがそうであるように、民主党支持者が堂々と名を名乗り政治を論ずるようになる兆しだとしたら、希望が持てます。

[2005/07/03]  614万人

先月発表された国土交通省の観光白書によると、日本に来る外国人観光客は2004年で614万人でしかありませんでした。これでも前年比17.8%増の史上最高。

フランスが年間7500万人で第1位。スペインの5100万人が第2位。3位アメリカ、4位イタリア、5位中国。世界観光機関(WTO)の資料によると、日本の外国人客ランキングは32位だということです。

観光客の増加は、日本に対する国際社会での理解につながります。政府も当然理解しており、2010年までに訪日外国人観光客数1000万人を目標とする、ビジット・ジャパン・キャンペーンを行っています。

国民レベルでは、他国への偏狭な気持ちをなくし、「反日」云々の「流行」に流されない懐の深い国民となる努力が必要です。

WTOによれば、2003年における全世界での海外旅行者数は6億9千万人。旅行の世紀・21世紀における巨大産業としての観光産業育成のために、国民的な議論が必要です。観光による相互理解は、平和ないしは安全保障の問題でもあります。

ちなみに、日本人の外国旅行者数は、1700万人。

[2005/07/02]  八幡浜市、大洲市における自治の惨状

市議会が住民の批判にもかかわらず居座り続けている、大洲市議会と八幡浜市議会。

自主解散決議を相次いで否決したことが報じられています。選挙をやっても勝ち目のない議員が、1日でも長く議員をやりたい、ボーナスも欲しいと、欲望むき出しの様相を呈しています。

こうした議員を批判するのは簡単ですが、一番批判されなければならないのは、こういう議員を選んだ有権者です。

金品を受領して自治を食い物にしていなかったか。反省を次の選挙に活かしてもらいたいものです。

[2005/07/01]  2005年森田実政治日誌[176

2005.6.30(その1)より>

独立せよ。自立せよ。このため政治家は総決起せよ――公明党の前にひれ伏した自民党に政権担当能力なし

「本当に重大な機会は人生にはめったに訪れない」(シラー)

日本の政治において、戦後最大の重要な局面が迫ってきている。

自民党は公明党に屈服した。それにもかかわらず、小泉首相は依然として「ブッシュ大統領への手みやげ」(岡田民主党代表の言葉)のため、サミットへの出発前に無理に採決をやろうとしている。こんなことまでする小泉自民党には政権を担当する資格も能力もない、と言わなければならない。小泉内閣は直ちに総辞職せよ、と言いたい。小泉内閣が総辞職しないなら、自民党内の「正義の士」は「独立自民党」を結成せよ、と訴えたい。

小泉首相は、英国で行われるサミット(グレンイーグルズ・サミット)へ出発する7月6日前の郵政民営化法案の衆院通過にこだわり、7月3日の東京都議選前の採決をめざしたが、公明党に拒絶され、失敗した。小泉自民党は「『連立解消』をにおわせた公明」(6月30日付け読売新聞朝刊2面)の前にひれ伏した。衆院で250議席の勢力を擁する自民党が、わずか34議席の公明党の下僕であることが明らかになった。こんな誇りのない、だらしのない小泉自民党に政権を任せていていいのか、と言いたい。

読売新聞は次のように書いている(6月30日朝刊2面「日本郵政公社攻防」)。

《自民党が公明党と連立政権を組んで6年近く。「選挙の時の公明党・創価学会頼み」の体質は、すでに地方レベルにまで浸透しつつある。 》

小泉自民党には自立心も独立心もない。ブッシュ大統領と公明党・創価学会の下僕に成り下がっている。こんな小泉自民党にこれ以上政権を任せておくことは、日本の自殺に通ずると思う。

自民党にも正義の士はいる。郵政事業懇話会に結集している政治家こそ「正義の士」である。自民党内の正義の士は、小泉内閣打倒のために立ち上がるべきである。同時に、ブッシュ大統領のサーバントではなく、少数党の公明党に支配されない独立自尊の政党を結成すべきである。

民主党にも、少数ではあるが、ブッシュ政権の手先のような議員がいる。これまた少数であるが、公明党の手先のような議員もいる。民主党は独立した日本国民の政党になるため、党改革を急ぐべきである。そして、小泉首相および公明党とは完全に訣別すべきである。

多数の政治家が外国の政権の手先になり、特定宗教団体の支配下に置かれるように国は必ず滅亡する。政治に携わるすべての人たちが、政治の独立・自主に真剣に取り組むことを強く求めたい。いま日本の政治がめざすべきは、国の独立であり、宗教団体の影響力の排除である。

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/

(コメント)

小泉政権に手厳しい森田氏の御意見には、民主党批判を含めて傾聴すべきものがあります。

国家の独立性、政党の自立性が損なわれることがあってはなりません。

「ネット右翼」の方々は、どういうものか、対中国、対韓国といったアジア諸国に対する関係でのみ愛国心の火を燃えたぎらせているようで、不思議な気がします。

対米従属と特定宗教団体への従属。ここがポイントです。ここで「愛国心」を発揮していただきたいと思います。

[2005/06/30]  自民党には語れない未来を語る

自民党が駄目政党であるということは、国民の多くが知っています。しかしながら、自民党をひっくり返せる野党が出現しませんでした。

自民党のここが駄目だ、あそこが駄目だということをいくら主張しても、政権交代にはつながりません。

自民党には語れない未来を語ることによって、有権者に信を問う。このことに重きを置いた政治活動を展開します。

自民党の劣化が著しい昨今、これに代わる政党の出現を国民が期待しています。少なくとも、潜在的なニーズがあります。党中央が言わないことも、地方民主党として大胆に提言する姿勢を持ちたいと思います。  1(48)

[2005/06/29]  地方自己責任の時代

地方主権型社会を目指すということは、国の権限を大幅に減らしていくということを意味します。国の権限は、外交・防衛、その他の事項に限ればいいと思います。官僚機構が大きなものである必要はなくなり、国会で審議する事項も大幅に減ることになります。

そうなると、官僚機構はリストラされて、個々の官僚の皆さんは地方でその能力を活かすことになります。国会議員の数も大幅に減らすべきです。一院制・定数100でもやれるでしょう。国会議員(候補)は、自らの職域を減らす覚悟が必要です。

地方主権型社会で重要になるのは、道州議会です。ここで利権型政治が蔓延(はびこ)れば、その地方は自滅します。各地方は、「板子一枚下は地獄」という民主主義を体験することになります。

地方自己責任の時代。    1(47)

[2005/06/28]  常任理事国入り

国連の常任理事国入りが素晴らしいことであることを前提として、政府や外務省は動いています。マスコミの大半も常任理事国入りに賛成の立場で議論をしています。

私は、常任理事国入りを求められれば断る理由はないと思いますが、他国に足元を見られて、多大な「借り」をつくってまでなるほどの値打ちはないと思います。

我が国が国際社会で尊敬される立場になることを目標とするならば、為すべきことは外交能力の向上に尽きます。

戦略的な外交を展開して我が国の安全を保ち、他国の紛争に関して調停役をこなせるだけの外交手腕と国際的な信用を勝ち取ることが肝要であって、常任理事国はそのことの結果として自ずと与えられる地位であると割り切るべきです。

叙勲を欲しがる高齢者のような低い志で生きていくよりも、国際社会にどのような貢献ができるのかを考える思慮深い国家になることをまず考えるべきです。

常任理事国入りが自己目的となること自体、外交能力がないことの証明ではないでしょうか。

[2005/06/27]  整備新幹線

整備新幹線は各地域の「悲願」とされ、強い陳情活動の成果として、北海道、東北、北陸、九州で計画され、建設・起工が進んでいます。

財政面からの批判が絶えない整備新幹線ですが、そのことよりも私が懸念するのは、東京への時間短縮を競う発想です。現在進行中の高速鉄道網が、中央集権を加速するだけに終わらないのかということです。

来るべき地方主権型社会(道州制)においては、地域内交通網の確立が急務になります。

東京からの政治、東京に向かってのおこぼれ頂戴型の政治と決別することなしに、地方から富を生み出す仕組みを確立することはできません。

東京に向かって集中する交通体系の見直しをする必要があると思います。

[2005/06/26]  NHKは必要である

(ニュース)

NHKを「必要だと思う」人が5年前より大きく減ったことが24日、NHK放送文化研究所が5年ごとに実施している世論調査「日本人とテレビ」で分かりました。

NHKが「ぜひ必要」「まあ必要」と回答した人は過去4回は計86−89%で推移していましたが、今回は79%に落ち込んみました。一方、民放を「必要」と答えた人は前回並みの計87%でした。

NHKの番組評価では、「事件や災害への対応が速い」とした人が60%で、前回より6ポイント増加しています。しかし、「新鮮な番組がある」「報道番組の掘り下げ方が深い」「中立・公正」「地域の話題をよく伝えている」など、残る7項目は前回を下回りました。

(コメント)

元大関・貴乃花の死去に伴う若貴の対立報道など、どうでもいいような報道が繰り返し巻き返し行われる民放の姿勢を見ていると、民間放送の視聴率主義のマイナス面が出ていると思われます。

スポンサーや視聴率に影響されにくい放送局が国民にとって必要です。「視聴質」を重視した報道を多くの国民がNHKに期待しています。

それだけに、安倍自民党副幹事長による放送内容への介入疑惑など、政治家の圧力に対抗できる仕組みづくりが必要です。

「支持率」低下は、「必要がない」というよりも、批判票と見るべきでしょう。

[2005/06/25]  不公平

(ニュース)

神奈川県警の警察官が4月、横浜駅構内で女性のスカートの中をカメラ付き携帯電話で撮影したとして、県迷惑防止条例違反の疑いで書類送検されていたことが25日わかりました。県警は警察官を減給処分としたが公表せず、その後本人は依願退職しています

書類送検されたのは横須賀署の男性巡査長(36)。調べでは、4月17日午後6時15分ごろ、駅構内の上りエスカレーターで女性の後ろに立ち、スカートの中をカメラで撮影した疑い。警戒中の鉄道警察隊員に取り押さえられました。

(コメント)

経済評論家・植草一秀氏の場合と比較して、不公平であるとの感は否めません。

警察は、犯罪事実を氏名身分を明かして公表することにより、一瞬にしてその人物の社会的生命を奪うことができます。

このことの深刻さを考えると、警察発表のあり方はいささか恣意的に流れすぎていると思われます。

そもそも、氏名身分を公表する必要があるのかどうか。あるとして、公表すべき犯罪類型について検討が必要ではないでしょうか。

ちなみに植草氏の場合、当局が政府に批判的な評論家である植草氏のスキャンダルさがしをやっていたのではないかとの疑念を、私は持ち続けています。

[2005/06/24]  「報償費」予算の執行停止

(ニュース)

宮城県警の捜査報償費問題で浅野史郎知事は、2005年度の報償費(県費)予算のうち、7月からの配当分について執行を停止することを決めました。

報償費予算執行停止は全国初の異常事態で、「不適正な執行はない」との立場の県警側と「不正経理の疑いが強い」とする知事との対立は決定的となりました。
 

同県の05年度当初予算では、県警が要求した3000万円から700万円減額された2300万円が計上されています。執行停止は4月に配当された分を除いた半額程度になるとみられます。

宮城県警は今年4月、03、04年度分の予算全般と1998−2000年度分の報償費と旅費について内部監査結果を公表しましたが、浅野知事は「監査の名に値しない」と批判しています。

(コメント)

仙波敏郎巡査部長の実名告発があった愛媛では、愛媛新聞が県警不正経理疑惑の特集を組んでいますので、多くの方が関心を持ちはじめています。

経済産業省でも、大臣官房企画室が外郭団体の研究委託費を流用して裏金を作っていたことが報じられています。

裏金は、組織の「潤滑油」として、多くの組織に存在すると見られています。表面には出しづらい諸経費が必要となった場合に備えて資金をプールしておくということなのでしょう。

そうは言っても、公金の流れが透明であるべきことは基本中の基本であり、言い訳は通用しません。

しかも警察の不正経理の場合は、上層部の「所得」とカウントされるべきものが大半と言われ、「組織のため」などという強弁は許されない性質のものです。

浅野知事の英断を強く支持します。

[2005/06/23]  スポンサー

公明党の神崎武法代表が6月8日の記者会見で、郵政民営化関連法案の国会審議に関連し、不成立で衆院解散・総選挙になった場合の対応について、「郵政民営化の是非で選挙になれば、公明党は民営化推進の立場なので、(選挙協力は)それを基準に考えざるを得ない」と述べ、自民党の造反議員への選挙協力は行わない考えを示唆しています。

自民党は、公明党の支援がなければ、小選挙区で数十議席しか取れないと言われています。このことを背景に、公明党が自民党の郵政民営化法案反対派議員を恫喝(どうかつ)したということです。

選挙での当落という、政治家の政治生命に関わる問題を持ち出して恫喝を加える。それも、自民党内部での引き締めではなく、他党である公明党がこれを行ったことの重大性を認識しておくべきです。4月の統一補選・福岡2区において、山崎拓氏が創価学会に全面屈服したことで辛うじて勝利したということもありました。

このこととの関連で、みのもんた氏の「失言」問題。TBSの朝のニュース情報番組「みのもんたの朝ズバッ! 」の中で、ビールの効用についてみの氏が語った際、「ビオフェルミンなんかのむよりビールを飲んだ方がいい」と発言し、同番組のスポンサー企業の1つであるビオフェルミン製薬が降板したというニュースがありました。

民放での表現の自由は、スポンサーによって実質的に制約されます。このことを考慮すると、スポンサー不足に悩む地方局で創価学会がスポンサーになることが多いという事実は、無視できない話です。

自民党の政治的スポンサーは創価学会。放送局(報道機関)のスポンサーも創価学会。有権者の皆さんには、この事実を受け止めて、政治的な判断をしていただきたいと思います。

1(46)

[2005/06/22]  自分さがし

親の人生に「価値」16% 05年版青少年白書】というタイトルの記事が気になりました。

(ニュース)

南野知恵子少子化対策担当相は21日午前の閣議で、2005年版「青少年の現状と施策」(青少年白書)を報告しました。それによると、自分の父親や母親の人生について「生きがいのあるものだ」と感じている青少年は、16%前後と6人に1人にとどまっている実態が明らかになっています。

仕事に就かず学校にも行かない「ニート」と呼ばれる若者が増加する中、学生・生徒や無職の青少年で過半数の52・9%が「希望の仕事があれば働きたい」と回答。これに対し、親の52・6%が「多少希望と違う仕事でも働いてほしい」と望み、親子間で職業観の落差も浮き彫りになりました。

(コメント)

親を見ていると自分の人生も見えてくる。別の人生があるのではないか。そういう心理状態でしょうか。

最近、「自分さがし」という言葉が流行っています。自分など探してどうする。哲学でもやるのか・・・

と言いたくなるのを押さえて文脈をたどると、人生を決定づける決断をしたくないという意味合いに読めます。モラトリアム人間(年齢では大人の仲間入りをするべき時に達していながら、精神的にはまだ自己形成の途上にあり、大人社会に同化できずにいる人間)という言葉もありますが、人生の「猶予期間」を無為にたたずんでいる光景に見えます。

別に探す自分などないはずで、具体的な経験の場を提供すると同時に、先輩である大人が背中を押してあげる仕組みをつくっていくべきだと思います。

以前述べた「青年国内協力隊」の創設を提唱します。地域で無給の「地域協力員」として活動してもらい、食事と住居を地域の人に無償提供してもらうようにするようにし、地域社会との関わりの中で、人生の「手応え」を感じてもらいます。

過疎地の場合には、地域振興につながります。  2(45)

[2005/06/21]  酩酊宰相

(ニュース)

民主党・岡田克也代表は、17日夜に衆院本会議で55日間の会期延長が決定した後の代議士会における挨拶の中で、本会議に飲酒をして出席した小泉首相らを厳しく批判しました。

岡田代表は、「大事な延長を決める国会の投票において、小泉内閣総理大臣、森前内閣総理大臣が、赤い顔をして投票する」という事態が起きたことについて、「いかにいい加減な運用をしているのか」と厳しく批判。「国民の皆さんに、直接、しっかりと訴えていきたい」と述べるとともに、河野議長が、「議会の歴史を汚すような行為を黙認した」と指摘し、議長の責任追及も併せて行うとの見解を示しました。

民主党の懲罰動議を受けた小泉純一郎首相は、20日午前、「あの日、私は一滴も酒、アルコール類は飲んでいない」と飲酒の事実を否定しました。首相は民主党の対応について「随分いいかげんな政党になった。公党としてなんででたらめな発言をしたり、懲罰動議を提出するのか分からない」と厳しく批判しました。

岡田克也代表は20日午後、党本部で記者団の質問に答え、17日の衆議院本会議場で、民主党の議院運営委員会理事が自民党側の議運委理事に対し、小泉首相・森前首相ら3名が赤い顔をしているのではないかと確認の申し入れを行い、自民党側から確認する旨の返事を得た後、「今津代議士は、飲酒をしていないと言っている」という答えしか返ってこなかったと事実関係を説明。「我々は確認をしようとしたけれども、その確認を怠ったのは自民党側で、それに対して確認もせずに発言したというのはおかしいと言う総理の方が、おかしい」と指摘しました。

小泉首相側からの反論と抗議文について岡田代表は、「われわれが確認しようとしたところに答えなかったというのは、状況証拠としてそういう(飲酒の)事実があったのではないかと言われても仕方ない」との見解を示しました。

(コメント)

飲酒も度を越しており、見過ごせない状況だったようです。国民の負託を受けた国会の議事運営が「なあなあ」では困ります。

それにしても、小泉首相の国会答弁を聞いていると、飲んべえのオッサンと同じレベルです。質問に答えず、はぐらかす。破れかぶれの答弁。これが常習犯になっているにもかかわらず、マスコミが見識を持って批判してこなかったことが問題です。

報道機関の飲酒も調査して欲しいところです。赤提灯レベルの答弁と報道。品格の確立が急務。

国家の課題が山積しています。酩酊宰相などと笑っていられる、のどかな時代ではなくなっているのです。

[2005/06/20]  子供の意見

「総合的な学習の時間」や「少人数学級」など、義務教育改革の課題について、教員や保護者、子供などを対象に文部科学省が実施した全国アンケートの結果が18日、中央教育審議会(鳥居泰彦会長)の義務教育特別部会に報告されました。

その中で、オヤッと思ったこと。

「少人数学級の導入」は一般教員の95%、保護者も73%が賛成しているのに対し、小学生は21%、中学生は26%しか支持がありませんでした。

文科省は「友達が少なくなるからではないか」と分析しています。友達を選ぶ機会、交流する機会を奪われるかもしれないとの不安感が数字に出ているのかもしれません。

教育の受益者・消費者である子供が、少人数学級に否定的であるとは、考え及びませんでした。

子供時代を卒業してかれこれ。いつの間にか、教育サービス提供者の論理に染まってしまっていました。少人数制の是非論について、じっくり考えてみます。 

[2005/06/19]  瞬間湯沸かし器型外交センスを超えて

(ニュース)

中国に対し毅然(きぜん)とした外交姿勢の確立を求める民主党の有志議員が16日、「真の対中外交を考える会」の設立会合を開き、2008年に予定されている北京五輪の開催中止を要求する国会決議を今国会で採択することを視野に、対中政策を議論していく方針を確認しました。

米下院でも同様の決議を採択する動きがありますが、同会メンバーらは「当事国の日本が率先して北京五輪の開催中止を訴える声を上げていくべきだ」と主張しています。

設立会合には代表世話人の松原仁、渡辺周、中津川博郷の各衆院議員や米沢隆副代表ら約20人が参加。靖国神社参拝問題や特定の歴史教科書に対する「内政干渉」などで反日姿勢を強める中国への対抗策を協議するほか、反日暴動による日本大使館への破壊活動の謝罪と賠償がない限り、北京五輪の開催中止を内外に訴えていきます。

(コメント)

反対。

「貴国の反日暴動により我が国が蒙った損害については、貴国よりの賠償が必要である。この権利を我が国が放棄することはない。」と主張し続けるべきです。同時に、「貴国との信頼関係を深める努力を我が国は惜しまない。」と付言すべきです。

深窓の令嬢が初めてほっぺたをひっぱたかれたときのような、大袈裟な反応をすべきではないと思います。

瞬間湯沸かし器型の外交センスの一例が、戦前国際連盟を脱退したときの松岡洋右・首席全権のパフォーマンスです。

冷静な判断力が長期国益を担保します。

[2005/06/18]  高止まり

小泉政権の支持率高止まりの傾向は、靖国神社参拝を強行し続ける対アジア向けの強硬姿勢と、国内での郵政民営化へのこだわりに見られる頑固なポーズが、ひょっとしたら信念ある政治家ではないかとの錯覚をもたらした結果であろうと思われます。

内容はないが頑固な姿勢。これを徹底的に批判するマスコミ報道も少ないため、4年に及ぶ政権への慣れも手伝って、とりあえず現政権支持ということになるのでしょう。

[2005/06/17]  愛国ポーズの売国政策

小泉政権は、靖国神社参拝に見られる愛国主義的なポーズを頑固に貫きます(実際には、「8月15日参拝」は腰砕け)

ところが、政策レベルでは、アメリカの対日要求に100%忠実なサーバント(召使い)として行動しています。イラク派兵然り、郵政民営化然りです。

郵政民営化は、国富の売却とも言える側面があります。民営会社が(分社化され)、外資に売却される可能性も懸念されています。

担当大臣・竹中平蔵氏の「愛国心」がいかばかりのものか。「チラシ疑惑」の大臣がアメリカのエージェントではないのかとの疑いを消し去ることができません。

もし仮に、竹中氏が万難を排して自らの信念を貫き、郵政民営化を推進するタイプの人物だったとするならば、大切な時期につまらない疑惑を持たれるような行動は厳に慎むでしょう。

アジア諸国への配慮を欠く「愛国ポーズ」の陰で、売国的な施策が推し進められています。

[2005/06/16]  随意契約

(ニュース)

民主党は15日の衆院郵政民営化特別委員会で、政府が2月に配布した郵政民営化に関する新聞の折り込みチラシに関する約1億5000万円の随意契約に、竹中郵政民営化相の秘書官が関与した疑いがあると指摘しました。政府側は、これを否定。

民主党の海江田万里氏はチラシの受注に関し「竹中氏の秘書官が、知り合いのいる会社に口利きをしたことはあるか」と問いただしました。竹中氏は「秘書官に確認したが、(受注した会社の社長と)面識はあるが何も利害関係はない」と答弁しました。

民主党の辻恵氏は、独自に入手した資料に基づき、竹中氏が契約を競争入札ではなく随意契約とする意向を示していたのではないかと指摘し、政府側に契約の経過を説明するように求めました。これに対し、政府広報室側の答弁は契約の日時などが二転三転したため、審議は断続的に中断しました。

(コメント)

秘書官の友人と1億5000万円の随意契約を結ぶ。税金を投じての話。説明責任が果たされなければならない場面です。

この話自体は、郵政民営化の議論の本筋ではありません。しかし、多くの方々の人生にも関わってくる民営化推進の責任者が公私の区別が付きにくい人物であることは(税金逃れの話も有名)、見過ごすことのできない問題を含みます。

郵政民営化が郵貯340兆円を外資に委ねる陰謀であり、アメリカの対日政策を実現するものであると言われている中での不明朗な話は、郵政民営化も竹中氏の個人的な利害に関わっている話ではないかとの疑念を与えることになります。

郵政民営化が売国的な政策であるとの疑惑を深めることになるチラシ疑惑。実態解明を期待します。  1(43)

[2005/06/15]  極東軍事裁判

首相の靖国神社参拝が、日中、日韓の外交問題となっています。靖国神社にA級戦犯が合祀されていることが問題であるとされます。

極東軍事裁判で戦勝国側が一方的に行った不当な裁判により「A級戦犯」が認定されたのであり、「A級戦犯」であるということを判断の基準とすることは不条理であるとの考え方もあります。

確かに、他国に裁かれるのは屈辱的です。しかし、そのことを含めて我が国はポツダム宣言を受諾したのです。即ち、ポツダム宣言には、日本国民を侵略戦争に駆り立てた権力・勢力の「除去」がうたわれており、極東軍事法廷は日本が受諾したポツダム宣言に基づいて設置されたものです。

これを否定しようと言う方々は、「もう一度『リング』に上がって決着をつけよう」とでも言いたいのでしょうか。

もちろん、他国に判定された「戦争犯罪者」をそのまま追認していいのかと言えば、これは釈然としません。戦後60年。我々の手で「戦争犯罪者」の「犯罪事実」を認定し、「罪状」を明らかにして、「判決」を出したいものです。

しかしこれも、墓穴を暴くだけのような空しさを伴います。「時効」という概念がちらついてきます。そうだとすると、極東軍事裁判の判決の中で不当であると思われる部分、判断がなされていない部分についてのみ問題にするしかないということになります。

広田弘毅氏については、気の毒だという意見もあるでしょう(私は、責任ありとの見解です)。その他、A級のはずなのに上手くすり抜けた連中もいると思います(天皇の戦争責任については、少なくともA級戦犯ではないというのが私の見解です)。

原爆投下の責任は問題です。この点では、極東軍事裁判には不備があります。ここに、「勝者の裁判」であったという意味での偏りがあります。ここはきちんと主張し続けないといけません。 2(43)

[2005/06/14]  言い換え

「反省」「自省」を「自虐」と言い換える。市民運動を行う人達、戦前「アカ」と呼ばれた人達を「プロ市民」と言い、「国賊」を「反日日本人」と言う。

言い換えにより、戦前の差別的な言葉、全体主義を称揚する言葉を新たなイメージで復活させようとする試みが進行しています。

「自虐」という言葉はヒット商品らしく、中山成彬文部科学相も好んで使っています。このレッテル的用語を使った瞬間に思考停止が起きるようです。

中山文科相は11日、教育改革タウンミーティングで訪れた静岡市で、今春行われた中学校教科書検定に合格した社会科教科書から「従軍慰安婦」の表現が消えた点について、「従軍慰安婦という言葉はそもそもなかった。これまでなかったことがあるということが問題」などと述べました。

(中山文科相は昨年11月にも、従軍慰安婦や強制連行について「そういう言葉が減ってきてよかった。自虐史観に立った教育だけはしてはいけない」などと発言し、「個人的な発言だった」と修正した経緯があります。)

細田博之官房長官は13日午前の記者会見で、中山文科相の発言に関し、「問題は言葉ではなく実質だ。実質的に従軍慰安婦の存在があった以上、政府の考え方は変わらない。これまで官房長官談話などでおわびと反省の気持ちを表明しているところだ」と述べています。

これは官房長官の考え方が正当。不都合な事実はないと思いたい。(ガダルカナル島)「撤退」ではなく「転進」であるとした大本営発表型メンタリティを克服しないと、真に尊敬される大国にはなれないと思います。

懐が深くないと横綱にはなれません。「突っ張り」だけでは、大関止まりです。

(中山氏は13日、都内で記者団に対し、従軍慰安婦に関する11日のタウンミーティングでの発言について「そういう方々が日本人も朝鮮半島出身の方もいっぱいいて、筆舌に尽くし難い苦労をされたことはよく知っている。ただそういう用語はなかったということだ」と述べ、慰安婦におわびと反省を示した政府見解と、立場に違いはないことを強調しました。

「用語がなかった」ことだけを取り立てて言いたかったのだとすると、ただの馬鹿な政治家だったということになりますが、どうなのでしょうか。)

[2005/06/13]  退屈

青山学院高等部が行った一般入試の英語の中で、沖縄県への修学旅行でひめゆり学徒隊の女性から沖縄戦の話を聞いた生徒が「退屈で飽きた」と感じたという趣旨の英文を出題していたことが物議をかもしました。

同校によると、英文は生徒が書いたものではなく、同校の教諭が試験用に作成したものです。沖縄県で生徒は、防空壕に入った後、ひめゆり学徒隊の女性から体験談を聞いて「退屈で飽きた。彼女が話せば話すほど、私は防空壕で受けた強い印象を失った」と感じ、「(女性が)いろんな場所で証言をしてきて、話し上手になっていた」との感想を書いたという内容になっていました。
 

そのうえで「なぜ筆者は聞いた話が気に入らなかったのか」という問題を出し、「彼女の話し方が気に入らなかった」という選択肢を正解として選ばせていました。
     

沖縄県の稲嶺恵一知事は10日の定例記者会見でこの問題に触れ「がく然とした。ひんやりとしたものを感じるしショックだ。ひめゆり(学徒隊)のみなさんは多くの人に体験を話すことで平和な世界にする努力をされてきた方々。そのご苦労と気持ちを理解してほしい」と述べました。

青山学院高等部はホームページ上に10日付で大村修文部長名で「お詫び」を発表。
 

(コメント)

戦争体験を語り継ぐことは、大変重要です。テレビゲームのような感覚で戦争を論ずる方々が自民党の中枢部をしめる状況になっている現在、体験者の言葉により多くの人が耳を傾ける必要があります。

戦後60年。敗戦時15歳の方は75歳。よほど意識していても、戦争の記憶の風化は避けられません。

当該入試問題に象徴される感覚は、多くの方が持っていると想像されます。このことを前提として、戦争の悲惨さ、平和の重要性を繰り返し繰り返し認識していく努力が必要であり、取り分け学校教育の分野での努力が求められます。

この入試問題の教訓として、一言。政治家の言葉は退屈であってはならないと思います。キラリと光る切り口で勝負したいと思います。

[2005/06/12]  地方公務員への攻撃

このところ、地方公務員の厚遇問題が集中的に報道されています。26兆4千億円に及ぶ地方公務員の報酬に国民の目を向けさせる意図を感じます。

現在我が国では、「貧しきを憂えず、等しからざるを憂う」という戦前型雰囲気が充満しつつあります。この機運に乗じて公務員叩きをする。大局観なきマスコミを動員しての「賃下げ大キャンペーン」が展開される可能性が濃厚となっています。

地方においては、公務員の給与は地域経済を支える重要な構成要素です。私が市町村合併に反対する理由の1つがそこにあります。ところが、地域住民の嫉妬感情の方が上回りそうな勢いです。公務員はウチの店では買い物をせず、大型店や他の地域の店で買い物をする。連中に給料をやっても、ろくに仕事もしないし無駄だ、という俗論が支配しつつあります。その店で買い物をしなくても、お金は地域を循環するものなのに。

とは言え、公務員への過剰な攻撃を先手を打って抑止し、ないしは回避することを考える必要があります。戦線を縮小し、攻撃力と守備力との均衡点を模索すべき段階だと思います。戦線維持のための玉砕戦術では、全てを失います。

私は、公務員の給与の一部を「地域通貨」で支払う合意を労組が提案すべきだと思います。この「一部」を思い切って大きくすることが必要です(数字をあげると誤解を生ずるのでやめます)。そうすると地域住民は、公務員の給与削減を喜ばなくなります。公務員も単なるサラリーマン根性ではやれなくなります。

労組の方は怒るかもしれません。しかし、「四面楚歌」の客観状勢を認識する必要があります。「国鉄民営化」は、サービスに対する国民の不満、ストへの感情的反発をうまく利用して行われた強力組合・国労、動労潰しだったことを忘れてはいけません。味方を増やす。このことを戦略的に追求すべきです。そのための一案として御考慮願いたいと思います。

こんな柔らかい頭を持ってるよ、というだけで宣伝効果ありです。

[2005/06/11]  石原都知事を支える「迎合の構図」

毎日新聞「記者の目」(6月10日)で、日下部聡記者の石原都知事を支える「迎合の構図」> という一文が掲載されていました。

以下、その要旨。

知事の「求心力」を生み出してきた構造に根深い問題がある。浜渦武生副知事や特別秘書ら側近、都庁官僚、都議会、そしてメディアなど、石原知事は、あらゆる周囲の「迎合」に支えられてきたのではないか。

都庁官僚の場合。

都教育委員会が教育現場での「国旗掲揚・国歌斉唱」について、全国有数の厳しい締め付けをしているのは、知事が逐一指示しているわけではなく、教育長以下、都庁官僚が主導している。その横山洋吉教育長は6月23日付で筆頭副知事に就任する見込みだ。

石原知事や浜渦副知事に疎まれ、定年前に都庁を去った元都幹部の発言。

器用な役人は、知事が喜びそうなことを先取りしてやってしまう。知事は『対立』が好きだから、円満にやると『妥協した』と見なされる。だから、わざと現場と衝突するやり方をしてアピールする」

「多くの都幹部は、最初は違和感があっても、次第に進んで適応するようになった。それができなければ都庁を去るしかなかった。『自分』を持たない人が多いということでしょう」

都議会と「迎合の構図」。

浜渦副知事に辞職を迫った調査特別委員会(百条委員会)を主導した自民、公明両党は、石原知事の責任を問わないばかりか、「まれに見る政治家」などと称賛

百条委設置も、都議選を前に利権疑惑を持ち出して自民党をけん制しようとした浜渦副知事に、自民党が逆襲したというのが実情で、議会のチェック機能が働いたというより、権力闘争と見るべきだ。

そしてメディア。

新聞、テレビ、週刊誌の各メディアは、石原知事を「ポスト小泉」のキーマンか、「ご意見番」として取り上げるばかりで、地方自治体の長として適格なのかという視点ではほとんど検証してこなかった。

そうした反省から私(日下部氏)は東京都に対し、知事交際費や出張旅費、勤務日程表、公用車の運転記録などの情報公開を請求。開示された公文書を精査した上で、都政関係者への取材を重ね合わせた結果、知事の日常的な“公私混同ぶり”が浮き彫りになり、昨年初めに記事にした。

飲食への交際費支出が他の道府県に比べて異常に多く、しかも相手は石原知事の旧知の人物が目立った。支出相手の全員が記されていないなど、記録が不十分なケースも多く、公務員の接待を禁じた都の基準にも違反。勤務日程が「庁外」の日はごく限られた人物しか動静を把握しておらず、公用車を選挙応援に使った疑いも浮上。

海外視察も豪華。01年には南米ガラパゴス諸島で4泊5日のクルーズに乗船。計8人で1590万円の公費を使用。

昨年5月には、石原知事に交際費や旅費の返還を求める住民訴訟が起こされ、東京地裁で係争中。

近年の地方自治の大きな流れは、公金の使途や政策決定過程の透明化である。この中に石原都政を置いてみると、その「不透明性」は一層際立つ。

石原知事は3日の記者会見で、登庁が少ないことについて「毎日毎日同じ机に座っているのが能じゃないだろう」と言った。その通りだろう。だが、問題は、どこでどういう公務をしているのかを、有権者にきちんと説明していない点である。

石原知事の大胆な政策や言動にばかり着目して、石原都政の実態をほとんど報じてこなかったメディアの責任は大きい。

都知事は絶対権力者ではない。都民が税金を預けて仕事を委託しているのである。石原知事がそれに見合った仕事をしてきたのか、有権者が冷静に見極める時ではないか。

(コメント)

国政を放り出した元人気作家が都知事に。異様なほどの迎合に支えられた権力者像でした。

都の役人の行動様式と心理状態は、ファシズムの尖兵に似ています。絶対権力者は、「自分」を持たない人間を好みます。

議会が持ち上げ、マスコミが賞賛する。権力の暗黒部を指摘する社会的責任を放棄しての翼賛機関化。元人気作家を絶大な権力者に仕立てる「迎合の構図」がそこにあります。

この国にもう1人いる裸の王様。小泉純一郎氏の翼賛機関としてのマスコミ(政治部記者、ワイドショー関係者)は、何時目を覚ますのでしょうか。

[2005/06/10]  人口減少と市町村合併

平成の愚策・市町村合併。私はこれに反対し続けてきました。何故か。理由の1つは、人口減少です。

人口減少を先取りした国策として、平成の合併が行われたという見方も可能です。しかし、そうだとすると、これは見通しを誤っています。このまま行くと、人口減少どころか地域崩壊を助長することになります。

人口減少を防止し、過疎地を崩壊から免れさせるために、積極的に小規模自治体が存続できるあり方を研究すべきでした。従来は、過疎地優遇でした。これが過疎地甘やかしの施策であり、逆に過疎地を駄目にしました。近年の施策は、単純にこの逆を行こうとしただけです。

自治体があるということ、役場があるということ、これが過疎防止に必要です。それだけでは止められなかったのが、これまでの現実です。

役場プラス地域の意識改革が必要だったと思います。おまかせ主義を廃し、自らが立ち上がる。この決意なしに、どんな優遇策も無効です。意識改革の1つのあり方として、昨日の「一言」を述べてみました。

閉町・閉村した首長の皆さんに一言。何故、自治体職員と徹底的に話し合い、職員の大半に辞めてもらい、「NPO法人・○○村」の職員になってもらおうとしなかったか。

職員が、「公務員」として自らの生き残りを策するのか、「民間のNPO職員」として地域発展に尽力するのか、決意を確認してからでも遅くはなかったのではないでしょうか。

[2005/06/09]  町、村、逆転の秘策

私が過疎地のリーダーなら、以下の提案をします。

首長、議員を公募して、無投票当選させる。その前提として、住民評議会を創り(構成員は無報酬、選挙で選ぶ)、住民評議会が首長・議員候補を選定する。

現在の過疎地の陣容では、どうやっても地域再生は困難です。地縁血縁型議員では、議会が何かをなし得るということを期待する方が無理というものです。住民評議会は、地域の将来を委ねるべき「人物」の評価は適正にできるでしょう。これができなければ、「ジ・エンド」。

全国公募。試験をすることも考えていいでしょう。議員は常勤とし、職員が果たす業務もこなしてもらいます。予算の大枠と決算については、住民評議会の議決を得ることにします。

任意の機関として住民評議会を設けること、住民評議会の議決を強制力を伴わないことにすれば、条例で可能ではないでしょうか。地方自治法は「地方自治規制法」ですが、この程度のことはできると解釈したいものです。

ときどき、「名村長」「名町長」が出現します。しかし、それを待てないのが多くの地域の実情です。

奇策であることを承知で、提案します。もっとも、これを受け入れることができる地域なら、その時点で再生可能。

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[2005/06/08]  松山・広島・福岡

四国・中国・九州の西日本ブロック(西国さいごく)を「州」とし、地方主権型社会を構想するとして、中心となる都市は、松山市、広島市、福岡市だと思います。東アジアの玄関・福岡。本州の拠点・広島。そして、これら2都市と連携が取りやすい松山。

このトライアングルを基軸として、政治経済を組み立てていきます。東京の磁力から自由になるには、複数の都市の連携による地域磁場の形成が必要となります。3地域鼎立構造、3都市鼎立構造が安定のある形です(3地域鼎立については、5月30日の一言「新天下三分の計」)

ポイントは、キーステーションの獲得です。中央集権体制の下で、東京にのみテレビのキーステーションを認める仕組みを抜本的に改め、地方主権を象徴するキー局を創ります。

松山、広島、福岡にそれぞれキー局を置き、3つの地域から東アジアに向けて情報発信を行います。

松山市は、アジア諸国憧れの都市として、東アジアの拠点都市となります。南予は、松山市を支える後背地、取り分け食糧基地としてその存在が重要になってきます。

以上が、「南予崩壊→松山凋落」という自民党政治継続による愛媛衰退シナリオに対抗する構想です。

松山という都市は、南予という土壌に根を張った「花」です。南予という土壌が枯れればしおれる運命にあることを自覚して、「地域100年の大計」を立てるときがやってきました。

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[2005/06/07]  南予の崩壊と松山市の凋落

私は最近、街頭演説などで南予(県外の人への注:愛媛は新居浜市、西条市等、県東部の「東予」、松山市を中心とする「中予」、宇和島市、大洲市、八幡浜市等、県南部の「南予」に3区分されます。愛媛の旧国名が「伊予」であることからの地域区分です。)の人口減少について述べるようにしています。産業の乏しい地域の将来を代表するものだからです。

宇和島市の将来。合併によって人口9万3千人となる宇和島市の50年後は、人口3万人。100年後の人口は8千人。

八幡浜市の将来。合併により人口4万2千人となった八幡浜市の50年後は、人口1万人。100年後は2千人弱。(国立社会保障・人口問題研究所HP参照。なお、東予は50年で人口半減のペース。松山市は、ここ20年間はそれ程人口が減らず、20年後から人口減少が本格化します。)

50年、100年単位で見れば、南予は崩壊します。このことを松山市民に告げても、関係ないという反応が返ってきます。

しかし、南予という地域は、松山市の人的資源の供給地であり、様々な資源の供給地であって、松山市という都市の後背地として重要な地域です。この地域が崩壊するということは、松山市の地盤沈下を意味します。いや、「地盤沈下」などという生やさしいものではないでしょう。

愛媛というエリアが崩壊する可能性すらあります。どうすればいいのか。その処方箋を提示するのが政治です。

5月30日に述べた、「新・天下三分の計」が解答の一端です。地方主権型社会・地域主権型社会を構想し、地方で富を生み出す仕組みを創出すべきです。

東京中心の自民党政治、東京に向かっての自民党スタイルの地方政治に未来はありません。政権交代は、地方の崩壊を食い止めるために必要です。

[2005/06/06]  警察不正経理・毎日新聞の社説

<警察と「裏金」 一課長の責任追及で済むか>

北海道警が、会計検査院の検査を受ける際に領収書などを偽造したとして、北見方面本部の前警備課長を偽計業務妨害容疑で書類送検した。警察の一連の組織的な裏金問題に関連しての立件は、全国で初めてだ。

容疑は悪質で、業務上横領容疑などで告発された道警幹部の1人でもあるから、前課長の送検は当然と言っていい。だが、釈然としないのは、警察の裏金工作は個人犯罪ではないからだ。領収書の偽造なら数えきれず、多数の警察官が加担したはずだ。組織の責任が問われているのに、トカゲのしっぽ切り式に解決を図ろうとするなら心得違いだ。警察は組織も運営も教育も全国均質。裏金も全国の警察に共通することは、多くの警察官の証言からもうかがえる。裏金の存在が明らかになった警察本部だけが特別なわけはあるまい。

正当化するつもりはないが、警察が組織ぐるみで裏金に頼らざるを得なかった事情は理解できないわけではない。薄給で警察官の生活が苦しかった時代もある。捜査や情報収集に必要な目に見えぬ出費を支給する予算も慣行もなかったから、優秀な警察官ほど職務のために自腹を切った。見かねた上司がやむを得ず手を染めたのが裏金作りの発端ともいう。その後も警察署には、捜査本部が設置されても、深夜まで聞き込みに当たる捜査員の夜食を賄う予算さえない状況が最近まで続いていた。今も時間外手当は打ち切られ、出張旅費も満足には支給されない、というのが警察部内の常識だ。

予算増額を求める警察庁の交渉が、旧内務省時代の警保局と地方局の対立が尾を引いて難航、同じ公務員でも警察官は諸待遇で割を食わされた面もある。都道府県の知事や議員は、汚職摘発など自分たちに不利な事態を招きたくないので警察の予算に冷淡だ、との指摘もまんざら見当外れではない。

だからといって許されるはずはないのに、捜査上の秘密などを口実に裏金作りをエスカレートさせてきた傾向さえ認められるのだから、警察当局の責任は重い。警察署や部課ごとに裏金をひねり出し、本来は正規に支給すべき捜査員への手当だけでなく、幹部の飲食代金にまで充当させてきたのが実態だろう。罪深いのは、自らは文書偽造などの不正には直接かかわらず、役得として裏金の恩恵を受けた上層部である。

組織的な不法行為だったことを認めぬまま、一部の警察官を訴追したり、退職者から裏金の一部を返納させて解決を図るだけでは、市民は納得できない。まだ裏金の存在が露呈していない警察本部も「バレなければよい」との考え方を改め、きちんとした説明と謝罪をすべきである。警察庁が指導力を発揮し、一連の問題の決着を図るべきことも言うまでもない。

問題解決が長引く間に、警察への信頼が薄れていることを憂う。治安にも影響する。潔く組織全体の旧悪にけじめをつけ、再出発することを市民だけでなく、人一倍正義感の強い全国の警察官が望んでいることを忘れてはならない。

(コメント)

要約しようとしましたが、よくできているので全文掲載させていただきました。

裏金に頼らざるを得なかった事情はあると思います。しかし、組織犯罪であり、悪質な犯罪であることを確認することが、この問題の解決の第一歩です。

警察と知事・議員との利害対立の面は無視できないものがあります。「裏金疑惑追及」がある種警察権力との駆け引きになる面があることを認識しつつ、これからの疑惑追及を注視したいと思います。「選挙違反立件」での意趣返しを含めて。

[2005/06/05]  泰阜村・村長の私案

(ニュース)

長野県泰阜(やすおか)村の松島貞治村長は4日、村道の維持管理や森林整備などの行政事務を県などに委託し、村の業務は在宅福祉など一部事業に絞るという私案を公表しました。地方自治法は市町村を総合行政の主体と位置づけており、私案はこの役割を一部放棄する内容です。立法措置がなければ実現できませんが、合併しない小規模町村側が提案した生き残り策として注目されます。

新潟県関川村で開かれた「小さくても輝く自治体フォーラム」で報告。合併せずに自立の道を目指す自治体など約50市町村の関係者が参加しました。

泰阜村は人口約2100人。合併せずに生き残る方策を検討してきました。松島村長は「地方交付税がさらに削減されることが予想されるなかで、小さな町村が総合行政を続けることは無理だ」と述べました。

松島村長によると、道路建設・維持や河川管理、砂防などの事務を大幅に県に委託し、介護保険やゴミ処理などはこれまで通り広域連合で扱う。そのうえで、村の業務を戸籍管理など窓口業務のほか、村が重点的に推進してきた在宅福祉事業や村税徴収業務などに絞り込む、としている。

首相の諮問機関の地方制度調査会が2003年にまとめた答申では、小規模町村の業務を限定し、大半を都道府県に代行させる制度の導入を「引き続き検討する必要がある」としました。そのもとになった西尾勝副会長(=当時、国際基督教大教授)の私案は、小規模町村の事務を「窓口サービスなど一部」に限ったため、全国町村会などから猛反発を受けた経緯があります。

松島私案は西尾私案よりも広い権限と業務を小規模町村に残す内容。松島村長は「業務を削りながらも一人前の成人として生き残る道を探りたい」としています。

(コメント)

基礎自治体とは何なのか。このことが問われる問題です。

基礎自治体を総合行政の主体と考えると、合併によって財政力を強化しなければならないという方向性がでてきます(もちろんそれ以前に、自治体ごとのリストラが必要でした。それより前に、国のリストラが必要です)

総合行政の主体というところを放棄することにより、「自治」(=住民自治)を護りたいというのが、泰阜村の村長の発想だと思います。

私は、基礎自治体が上位者であって(住民が最上位者)県は下位の機関として基礎自治体を補完すべきだと考えます。

こういう思想を根幹に据えた、地域主権型社会を構想すべきときです。これを実現するためには政権交代が必要であるというのが、衆院選立候補の動機でした。

[2005/06/04]  高齢化の現況

(ニュース)

政府は3日、2005年版「高齢社会白書」を発表しました。65歳以上の高齢者人口は2004年10月1日現在、2488万人で、高齢化率は19.5%。高齢化率は2015年に26.0%2040年には33.2%に達すると見込まれています。

2004年10月1日現在の総人口は1億2769万人で、前年同期と比べ6万7000人(0.05%)増加しましたが、増加数、増加率とも戦後最低でした。一方で、65歳以上の高齢者人口は、前年同期と比べ57万人(2.3%)も増加しています。

90歳以上の人口は101万6000人に達し、初めて100万人の大台を超えました。100歳以上人口も2万3000人。

独居の高齢者が急増しています。全高齢者人口に占める割合は約14%。1980年当時の約8%から急増しています。

年金・医療・福祉などの社会保障給付費のうち、高齢者関係給付費は約58兆円(2002年度)で、全体の69.9%を占めています。

愛媛県の場合。高齢化率・23.3%で、全都道府県中、13位(所得水準がこうだといいのに)

(コメント)

10年後は4人に1人。35年後は3人に1人が高齢者。こうなると、「高齢者」の定義自体が変わる可能性があります。

75歳までは、労働ないし社会貢献をしてくれ。90歳になったら、社会が全て面倒を見る。だから、生活設計は90歳まででいい。それまでに貯金を使い切った方が幸せだ。

こういう構想も面白いと思います。堺屋太一氏は、70歳まで働ける社会、85歳になったら社会が全て面倒を見る社会がいいと主張されています。

私もこれに倣いたいと思っていますが、まだまだ長寿が進行しそうなので、念のため、「75歳、90歳」説にしておきます。

最近、90歳でも結構元気です。人生のゴールデンゴール・90歳を目指して頑張ろう!

[2005/06/03]  男はつらいよor弱いよ?

(ニュース)

昨年1年間に自殺した人は3万2325人にのぼり、7年連続で3万人を超えたことが、警察庁のまとめで分かりました。

男性が2万3272人で全体の72.0%。年代別では60歳以上が1万994人で最も多く、7年連続の1万人台。50歳代が7772人、40歳代が5102人で、40歳以上の中高年が全体の73.8%を占めました。

自殺の動機では、健康問題が45.7%、経済・生活問題が24.6%など。

自殺者の高年齢化が進むとともに、経済的に追い詰められた中高年男性が自殺に走るケースが目立っています。

(コメント)

自殺者の多数は、中高年の男。経済的な重圧を感じやすい立場、そして、女性と比較しての精神的な脆さ。

1997年までの我が国での自殺者が2万人から2万5千人だったことを考えると、1998年を境に社会のありようが質的に変化したと言わざるを得ません。

社会の二極分解が進んでいます。一部の人達に重圧が掛かってくる状況が継続しているということです。

[2005/06/02]  快傑ハリマオ

真っ赤な太陽燃えている
果てない南の大空に
轟き渡る雄叫びは
正しい者に味方する
ハリマオ ハリマオ
ぼくらのハリマオ

三橋美智也の唄う主題歌。

怪傑ハリマオは、ターバンのような帽子とサングラスの出で立ちで、腰には拳銃を下げていました。昭和35年から36年にかけての放送だったようです。そのころ私は7歳。

日本海軍からインドネシア・ジャワ島に派遣された一人の情報将校が、途中で軍の命令に背いて「ハリマオ」=
マレーの虎となり、ジャワ独立運動に身を捧げ、現地民衆とともに闘うというドラマでした。

これもあとから調べたもので、当時はかっこいい正義の味方として見ていました。頭に手ぬぐいを巻いたり、おもちゃのサングラスをしたりして、正義の味方の気分にひたっていました。

フィリピン・ミンダナオ島の旧日本兵の話は、なんだか分からない話になりました。旧日本兵の話を聞いて、「ハリマオ」が脳裏に甦って、インターネットで調べました。下記は、主題歌のメロディー。  1(39)

 http://hccweb1.bai.ne.jp/kakinoki/midi/midi301.html

[2005/06/01]  側用人

(ニュース)

東京都の石原慎太郎知事は5月30日、側近の浜渦武生副知事を更迭する意向を固め、都議会側に伝えました。浜渦氏は都議会の調査特別委員会(百条委)での証言が、同委員会で「偽証」と認定され、都議会自民、公明両党から辞職を求められていました。

石原知事は都政の混乱を収拾するためには、浜渦氏の辞職は避けられないと判断しました。

浜渦氏は石原知事が国会議員時代から秘書を務め、2000年に副知事に就任。知事側近として政策や人事に大きな影響力がありました。同氏が了解しないと担当者が知事に事業説明もできない状態になっており、都議会からは「独断専行」などと批判されていました。

(コメント)

ほとんど都庁にいない石原氏に代わって、浜渦氏が側用人政治を行っていたことの矛盾が噴出した形です。

君臨すれども仕事せず。このスタイルで東京都のトップが務まるのか疑問です。前任者が青島幸男氏なのだから、どうにでもなるポジションなのかもしれません。

嗚呼10年前。大前研一氏が東京都知事になっていたら、違った国のかたちができていた可能性があります。  1(38)

[2005/05/31]  自民党の公募

(ニュース)

衆院群馬2区選出で自民党県連会長の笹川尭氏(69)は28日、後援会の役員総会で、次期衆院選に群馬2区から出馬せず、比例代表(北関東ブロック)に転出する意向を伝えました。

民主党が県議・石関貴史氏(33)の擁立を決めたのに対抗し、自民も世代交代を促して「若手後継者を育成」するということです。

比例転出について笹川氏は「年配の議員が比例、若手は選挙区で戦うのがベスト。余力を残して比例に回れば、若手を育成できる」と説明。自民比例候補の「定年」が適用される73歳前の「早期決断」を強調しました。後継者選考では「世襲はしない。参院、他選挙区からのくら替えもない」とするなど、公募制導入を視野に新たな人材の発掘を進める考えを示しました。

(コメント)

政権維持のためにはどんなことでもできるのが自民党です。笹川氏の決断により、若手を公募して民主党の若手と選挙区で戦わせる方式が広がってくる可能性があります。

公募候補対公募候補という図式が各地で見られそうです。パフォーマンスだけを見ると、どちらが民主党の候補か分からないということにもなります。4月の統一補選で、宮城2区ではそういう光景が見られました。

民主党的な選挙手法の取り入れ。政策的には小泉政権流の改革つまみ食いの似非改革路線(擬態戦術)。さらに、安倍晋三型・ピリピリ保守の右バネ路線(国家主義的パフォーマンスで国民の欲求不満を解消する手法)。様々な高等戦術が駆使されてくるでしょう。

結局は政策の勝負になります。5月28日の「一言」で紹介した大前研一氏の警告を真摯に受け止めることは当然必要です(大前氏に「錯覚」があることは、「一言」で述べた通りですが)

ローカルマニフェストにより、地域発展の道筋を示す大胆な提言も必要だと思います。昨日の「一言」は、そういう観点からのものです。

[2005/05/30]  新・天下三分の計

(ニュース)

総務省は27日開かれた政府の地方制度調査会(諸井虔会長)の専門小委員会で、都道府県をブロック単位に再編成する道州制の検討材料として、地方整備局など国の地方出先機関の管轄区域などに沿って全国を8−12区域(団体)に分ける5種類の区域案を提示しました。同省が道州の具体的な区域案を示したのは初めてです。

区域案は、地方出先機関の管轄区域のほか、都道府県の分割は原則行わないとの方針で作成されました。最も大きくくくったのが、北海道、東北、関東甲信越、中部、近畿、中国・四国、九州、沖縄の八つに分割する案です。

(コメント)

道州制が県のリストラをカムフラージュするものであってはなりません。国の権限をどこまで 道州に移譲するかがポイントです。中央集権から地方主権への流れが明確に示されない案では、地方の発展はありません。現在の中央官庁からそのような案が出る可能性はないと思います。

さて、四国はどうなるのでしょうか。人口410万人。地理的なまとまり具合と、これからの人口減少を考えると、四国で産業政策を実施することには無理があるように思います。しかし、中・四国州(1180万人)では、四国が「半島」になってしまいます。

中国・四国・九州の「西日本ブロック」=「西国(さいごく)(2650万人)を構想し、東アジア、さらにはユーラシア大陸に向けて経済を解放し、政治がそれを支えていく戦略が必要であると考えます。

孫の代に、「東京?それは何処にある町だ?」と言えるくらいにならなければ、地方から富を生み出す仕組みをつくることはできません。

魏(九州)・呉(中国)・蜀(四国)の鼎立構造が安定感を有し、四国にとっては恩恵が大きいと思います。

新・天下三分の計。

[2005/05/29]  現在進行形の太平洋戦争

(ニュース)

フィリピンに出征した旧日本兵らでつくる「曙光会」の近藤敏郎さん(83)によると、昨年12月20日にフィリピンから帰国した厚生労働省の遺骨収集団から、ミンダナオ島のキバウエ東方で中内続喜(つづき)さん(85)=高知県明治村(現・越知町)出身=ら3人が生存しているとの連絡が入ったということです。

近藤さんは「3人は現地のモロ族という部族に保護されているらしい。同島には旧日本兵の生存者が57人おり、半数が帰国を希望していると聞いた」などと話しました。

(コメント)

横井庄一さん、小野田寛郎さんが帰還したときも、日本中がびっくりしました。あれから、31年。まだ、日本兵がいたのか。

この話、この先どうなるか不透明ではありますが、太平洋戦争は現在進行形であったということです。

中国・韓国の「反日」運動に対して、何時まで蒸し返すのだと苛立っている国民も多いでしょう。しかし、日中戦争・太平洋戦争は、歴史の彼方のできごとではないのです。

[2005/05/28]  大前研一氏の「錯覚」

小学館の雑誌「SAPIO」6月8日号で、大前研一氏(「最強のビジネスマン」講座)が民主党を批判しています。

曰く。民主党の躍進は有権者の錯覚にすぎない。自民党の政策が「提供者の論理」「中央集権による大きな政府」「規制導入」を柱とするのに対し、民主党が「生活者の論理」「地方分権による小さな政府」「規制緩和」を柱とした政策で対立軸をつくれば分かりやすくなる。

しかし、民主党は自治労を支持基盤とする旧社会党左派が勢力を持っており、自治労が小さな政府に反対する。自治労を含む連合に頼っているため、党内で小さな政府に関する政策論議ができない。自治労・旧社会党左派と決別すべきだ。

中国・韓国との関係で、「戦前回帰型か否か」という対立軸が形成可能なのに、党内でイデオロギーに関する議論ができない。

民主党は自民党のマイナーリーグでしかない。小選挙区制になり、自民党1位グループが自民党に、自民党2位グループが民主党に来ている。民主党が政権を取りたければ、解党的出直しを行い、政策とイデオロギーでの内部矛盾をなくし、「生活者の論理」「道州制」「規制緩和」の政策を具体化し、自民党との対立軸を明確化して、国民の7割を占める都市型無党派層のサイレント・マジョリティーを代表する政党にならなければならない。

民主党の躍進は、「二大政党の時代になった」という国民の錯覚によるものである。半年以内に従来の状況から脱皮できなければ、次期総選挙は自民党に惨敗する。

(コメント)

日本を代表する論客・大前研一氏。彼の分析力は図抜けており、160キロ・剛速球を投げる剛腕投手を思わせるものがあります。ビジネスの世界では、彼の分析に従うことで成功が半ば約束されることになるのであろうと思われます。

しかし、政治の世界に進出した大前氏は、惨敗します。彼が出馬した都知事選挙で当選していたら、東京都も日本も大きく変わったと思います。しかし、当選したのは青島幸男氏。都民は大前氏の構想や政策を理解しませんでした。

青島幸男、石原慎太郎、石原慎太郎。錯覚続きの都知事選挙。有権者は錯覚するものであり、3〜4年に1度の選挙では錯覚し続けるものでもあります。大前氏の想定する有権者は実在しないのです。もし大前氏の言う通りの行動を有権者が取るのであれば、「大前研一敗戦記」を書いて撤退する必要もなかったでしょうし、都知事選挙に2度目の出馬をしていれば当選したはずです。

衆議院議員選挙は政党を選ぶ選挙であり、政権選択の選挙です。候補者は総理大臣を選ぶ「選挙人」としての意義を有します。しかし、現実にはそうはなりません。個別選挙区の総和が衆議院であり、個別事情の集積が選挙の結果を左右します。政党内部の整理整頓も、個別候補者を一刀両断に斬り捨てることができなければ事実上不可能です。

自民党政権は、カメレオン的な保護色を身にまとい、国民の錯覚を利用して延命してきました。小泉政権の「構造改革」も国民の錯覚を利用した似非(えせ)改革です。「道州制」も「県の合併」をカムフラージュするために自民党に利用されるでしょう。

小泉政権による「改革つまみ食い」の擬態戦術に4年間騙され続けた国民は、まだ騙されたがっています。「あなただけはと信じつつ恋に溺れてしまったの・・・」「どうせわたしを騙すなら、騙しつづけて欲しかった・・・」という唄もありましたが。

政治とは錯覚であり、政治の一部は詐術です。騙し方の上手い政治家は絶賛されることすらあります。

最大多数の勢力に支持されるはずの政策を提供すれば勝利するというのは、残念ながら大前氏の錯覚です。彼自身が実験済みのテーマではないでしょうか。

巨視的には正しいテーマが個別選挙では多数を形成できないという現実には、正直なところ嫌気が差すこともあります。個々の有権者が、供給者でありつつ生活者であり、大きい政府に安心感を持つ都市住民であったり、純然たる生活者でありつつ政府を支持する宗教団体の信者であったりする生の現実を組合せるジグソーパズルを完成させた者が政治の世界で勝ち残るのでしょう。

民主党においても、大前氏の示す道筋を理解しつつ、現実というパズルを完成させなければならないのだと思います。

[2005/05/27]  「若手」は若手に負けるのか(2)

自民党と民主党とで政策に違いがないのだとすれば、若さをアピールした新鮮な候補が勝つ可能性が高くなります。従来の「若手」は売り物がなくなり、新旧交代という図式になります。

しかし、自民党政治の延長線上に未来がないということが明らかになれば、有権者の選択の基準は、「若さ」ではなく「政策」になってきます。

政策が勝負ということになると、自民党は55年体制下で実行したように、民主党の政策を丸飲みする路線を採用することを考えるはずです。

ところが、自民党が自民党であろうとするかぎり、中央集権のシステムの中で、霞ヶ関の官僚と結託した政治を精算する自由はありません。

この本質を覆い隠したままで「民主党スタイル」を演ずることには、所詮無理があります。若いのに「直球主体」ではない不自然さが見え隠れしてくることで、有権者に見抜かれてしまいます。「若いのにどうしたんだ・・・」

問題となるのは、民主党の「若手」が改憲論に踏み込み、勇ましい見解を主張し始めた場合です。改憲論が前面に出ることで、自民党との違いは見えにくくなります。

私は、民主党にとって改憲論は鬼門だと思っています。「正論」を主張したつもりが、自民党の若手に足下をすくわれることになります。そのとき「何故だ?」と言っても、遅い。

まず、政権交代。政権交代により国民が主権者として振る舞うことが可能になった後で、憲法論議をすべきだと思います。

なお、100年前の今日。「天気晴朗なけれども波高し。」

[2005/05/26]  「若手」は若手に負けるのか(1)

今週号の週刊朝日に、民主党の若手がオヤジ化し、自民党の公募組・若手に負ける可能性があるということを指摘する記事が出ていました。

確かに民主党の若手は、自民党のオヤジを食って勝ち上がってきました。そのようなパターンが繰り返される可能性は、一般論としてありうると思います。

面白いのは、若手の政治家志望者が、政党の枠組みにそれほどこだわらず、「政治家=国会議員」という職業それ自体に憧れ、就職先の1つとして志望しているということです。

主義主張は後からくっついてくるのであり、何のために政治という苦しい道を選ぶのかが不明確なまま、どの政党でもいいから政治家になれればいいという割り切った発想があるようです。

そういう形で政治家になった場合、即ち、「若さ」を売りにして「政治家」になった場合は、政治家としての耐用年数は自ずと短くなります。「使い捨て」ということにもなります。そのことを予見する者は、政治家として何をやるでもなく、自己保全のために(政治家で居続けるために)活動を続けるということにもなります。

そうならないようにする方法。政治を目指す原点を明確化し(バッジが付くとすぐ忘れます)、年とともに政治家としての存在感と力量を増す為の自己鍛錬が必要となります。

本物の政治家は、「若手」には負けません。  1(37)

[2005/05/25]  市民電子会議室

(ニュース)

総務省は、ネット上で住民同士が意見交換したり行政に意見を出す「市民電子会議室」や「電子アンケート」を活用して、地域社会や行政への住民の参加を促進しようと、有識者らによる研究会(座長・石井威望東大名誉教授)を設けます。
 

2002年の民間調査では、ホームページに電子会議室を設けている自治体は全国に約700あります。しかし、ほとんどは利用者がなかったり、無責任な書き込みが横行するなど、十分活用されていません。

研究会は、IT活用のガイドラインや、電子会議室の運営マニュアルを作成。大都市と地方の2カ所で実証実験をします。
 

また自治体が電子会議室や電子アンケートの結果を施策に生かす場合、議会など既存の機関との関係が問題になるため、これらの仕組みを行政運営の中でどう位置付けるかなども検討します。

(コメント)

住民参加の一形式としての市民電子会議室の構想は、21世紀型自治のあり方として、研究に値します。

しかし、ネット上の議論の匿名性、無責任性は、責任ある市民の言動とは本質的な部分で異なります。

顔の見える関係としての自治を考えるならば、匿名であることは矛盾します。自治体の構成員として意見を述べる以上、責任の所在を明確化し、言ったことに対する責任を負担してもらう必要もあります。

それを前提として、市民の様々な意見が述べられる場を確保することの意義は大きいと思います。

ただし、交通整理は大変ですし、行政が関わることの問題もあると思います。NPO方式で行うべきではないでしょうか。

なお、このホームページの「伝言板」について。政治家のホームページで、発言者に対して「回答」する形式のものがあまりないことに気付きました(国政を目指している者および現職国会議員の場合)
 

「回答」を即座に行うのは大変です。しかも、即座に回答しないと、継続できません。しかし、臨機応変にやり取りができる議員を目指すならば、「回答」を忌避してはいけないと思います。毎日、2〜3までなら回答します。この方針でこれまで通りやっていきます。

お願い。調べなければ答えられないことは御遠慮下さい。くだらない発言は無視します(削除もあり)。  2(36)

[2005/05/24]  政治家の家族

「プレス民主」1頁目下段のコラム「東西南北」は、国会議員の回り持ちで記事が書かれています。

NO.124(5月20日号)で、衆院議員・篠原孝氏(比例北陸・信越<長野県1区>)が、家族のことを書かれていました。

篠原氏が国会議員になったときに中学生の次男が言ったこと。

○級友に親が国会議員とバレたら登校しない。

○国会質問でも記事になるような目立ったことはするな。

政治家の身を案じた長男が政治面の記事に関心を持ち、新聞を読む時間が大幅に増えたので、そのために成績が下がったと、奥さんからのクレーム。

学歴詐称が問題になったとき、長男、次男が、「お父さん、ワシントン大学の卒業証書はどこにある」と問い、何度も引っ越したのでどこにあるか分からないと答えると、「やっぱり卒業していないんだ」と2人が真っ青になった。

次男が1人でパソコンに向かい、篠原氏のホームページを開いてはカウンターの数を増やしていた。長野1区の人があまりホームページを見ていないという会話を聞いての反応。

(コメント)

政治家の家族は大変だろうなと思います。特に奥さんは。お子さん達も大変な気苦労を背負い込んでいるようです。

政治家が、「オレはオレ。家族は家族。」というスタイルを確立できれば政治がスマートになると思います。政治家本人が背負いきれる範囲で政治をやらせてもらえないと、有為の人材を政治の世界に送り込むことが困難になります。

以前、「猫の手は借りても、嫁の手は借りない」と宣言したら、結構受けました。政治を家業化しないこと。これを目標の1つとしていきたいと考えています。

篠原氏は民主党における農政のエキスパートで、愛媛にも来ていただいたことがあります。再度来ていただいて、民主党の農政について講演をしていただきたいと思っています。特に、農林水作業が主力産業である南予(4区・浜口金也総支部長)で。

[2005/05/23]  「なぜ体を張って反対せぬ」

(ニュース)

22日に大阪市で開かれた全国特定郵便局長会の総会で、「郵政族のドン」と言われた野中広務・元自民党幹事長が、郵政民営化に消極的な総務省幹部を交代させた小泉首相の人事に関連して、「なぜ体を張って反対しなかったのか」と同席していた麻生総務相を痛烈に批判する一幕がありました。

麻生氏が「ポスト小泉」候補のひとりに名前を挙げられていることを念頭に、野中氏が「『解任するなら、おれの首をとれ。首をとらなければ、おれがやめる』と言うのが、将来の日本のリーダーたるべき人だ」と指摘すると、会場からは大きな拍手がわきました。

(コメント)

度胸、気迫、決断力で、自民党「中二階組」は小泉氏の敵ではありません。

頭は悪いが度胸がある。このペテン師に4年間やられ続けた政界も、重大な反省が必要です。

[2005/05/22]  立憲民主制

郵政法案に関し、民主党は審議拒否をしています。

22日のテレビ朝日・サンデープロジェクトで、中川秀直・自民党国会対策委員長が出演し、かなり強気の発言をされていました。小泉政権への高支持率を背景として、「郵政解散」も辞せずとの姿勢でした。

中川氏の発言が、民主主義は多数決主義だということが当然の前提とされている点に懸念を覚えました。

現行憲法における民主主義とは、単純に多数決主義で割り切れるものではありません。基本的人権が保障され、司法府において違憲立法審査権があり、憲法規範に抵触する法律は無効であるとされる現憲法下では、少数者の権利が護られること、少数意見が尊重されること、憲法規範が保障しようとする価値・利益が手続きによって護られていることが、多数決主義の前提とされています。

適正手続きを重視し、少数意見を尊重する。それを前提とした意思決定こそが民主主義の名に値します現行憲法の予定する民主主義とは、立憲民主主義なのです。単純な多数決主義は、「民主独裁」を招く危険性を内包しているということを指摘しておきます。(ナチス・ドイツも民主主義の制度下で成立したのです。)

立憲民主制の否定。これが自民党流の国会運営です。「審議拒否」を日常的に行っているのが自民党です。報道機関の意識が低いため報道されませんが、野党の提案は干され、棚上げされ、国会で議論されないことが多いのです。

与党の審議拒否とのバランスを欠いた「出てこい」コールは、多数のごり押し以外の何者でもありません。 5(34)

[2005/05/21]  守らない野球

小泉純一郎。この希代のペテン師が主張する「郵政民営化」は、アメリカの対日要求に応え、郵貯・簡保の資金をハゲタカファンドにたたき売る、売国的な施策です。

また、市町村合併、「三位一体改革」に続く、地方斬り捨ての第3弾です。《これに続くのが、県の合併(自民党は「道州制」と言ってます)です。》

百歩譲り、これらの主張を封印したとしても、「民間にできることは民間で」という、彼が念仏のように唱えていた「改革の本旨」にも反するものです。既に飽和状態の金融・保険の分野に官業が「民業」に衣替えして入っていく意味は何なのでしょうか。民業を圧迫する官業の肥大化という意味以上のものがあるとは思えません。

ここが重要なポイントですが、民間企業になるということの本質的な意味は、「倒産の自由」があるということです。民間企業とは、日々倒産の不安に怯えながら、自己改革をして利潤を得ることを目指す組織体です。

今回の郵政民営化は、株主たる国の信用で「会社」が業務の拡大を目指すものであり、倒産のリスクは国が負担し、業務拡大の利益は「会社」に帰属することになります。

プロ野球の新球団・「楽天」は、投打に劣勢であり、苦戦を続けています。これに対し「郵政会社」は、守る苦労のない打つだけの野球を楽しむことが許される野球チームのようです。

「守らなくてもいいからね。打つだけでいいんだよ。」という甘えた巨大企業が民業を圧迫し、民間でできることを国がやることをもって「改革」と強弁することがまかり通ろうとしています。

[2005/05/20]  民主党の政治スクール

(朝日新聞より)

民主党は政治家を自前で養成する「政治スクール」を9月に開講します。研修は2年間。毎年10人程度採用。月20万円の生活費支給。

選挙応援や議員秘書のインターンなど実地研修をたっぷり積み、「成績優秀」なら公認候補への道が開けるシステム。「高学歴だが足腰が弱い」といわれる民主党の弱点克服を狙います。

研修生は定期的に党本部で公選法や政治論などを受講。日頃は主に現場。議員の選挙区で秘書インターンとして街頭演説や支持者まわりを学んだり、連合や産別労組での政治活動を研修したりします。春と秋の衆参統一補選の応援に入り、冬場は党の基盤の弱い地域で運動します。

党職員の政策作りの手伝い。研修生だけの政治資金パーティーを企画・開催。進級審査会あり。研修態度によっては退学も。

研修生は、公募して筆記と面接で選ぶか、県連で優秀な人を推薦してもらう方式。研修生には生活費だけでなく、地方での滞在費や交通費も月15万円まで支給されます。政治家秘書や党職員の職もあっせんしていきます。成績優秀者は国政選挙だけでなく、地方選挙にも擁立します。

今月中にも党常任幹事会で計画を正式決定。7月ごろ党本部に人材育成局を新設し、運営にあたる予定です。学長は岡田代表、運営責任者の学頭には政治家OBや有識者を起用。できるだけ現役政治家の関与を避け、「党内派閥」をつくるきっかけにしないようにします。

(コメント)

凄いことになってきたものです。自民党もまねをするでしょうから、政党の「予備校化」が加速します。

指摘しておきたいことがあります。若ければいいという昨今の風潮ですが、若いということは人生において多くのリスクを抱えているということでもあります。

確かに、若くして政治の世界に入ることは、その後の「のびしろ」があり、国家を背負う政治家に成長する可能性に満ちているということを意味します。

しかし、長期にわたる政治生活を維持しようとすると、かなりの無理が生じるということもあり得ます。「落選すればただ以下の人」というリスクを若い頃から背負って政治生活を送る人生を想像すると、私だったら嫌だなと思います。

以前この欄で書きましたが、公務員は40歳以上で採用するのがいいと思います。それ以前の人生で、様々な体験をした方が有意義です。

政治家も40歳以上がいいように思います。ただし、地方自治が「民主主義の学校」と言われるように、コミュニティーや市町村、県(or道州)で勉強することには意義があります。

15歳から地方参政権を与え、18歳から地方被選挙権を与える(道州or県の被選挙権は30歳から)。18歳から国政参政権を与え40歳から国政被選挙権を与える。こういう制度も面白いと思います。

若さだけを追求すると、政治家だか歌手だか分からないような使い捨てが進行する危険があります。

[2005/05/19]  内政干渉

小泉首相は衆院予算委員会の集中審議で、民主党・仙谷政調会長の質問に対し、靖国神社参拝について「どのような追悼がいいのか他の国が干渉すべきではない」と述べ、中国、韓国に不快感を示しています。

確かに、靖国参拝問題は国内問題であり、他国からどうこう言われる筋合いのものではありません。

それでは、小泉首相はアメリカの対日要求に対して、「内政干渉に及ぶ要求は御遠慮願いたい」と言ったのかどうか。

アメリカに言われると、イラクにまで自衛隊を派兵している小泉政権。「改革の本丸」郵政民営化も、アメリカの対日要求に盛り込まれている項目を忠実に実行しているだけではないでしょうか。

小泉氏における正義の観念とは何か。「強きを助け、弱きをくじく」なのでしょうか。             1(29) 

[2005/05/18]  愛媛における高額納税者の減少

年収100億円サラリーマンの出現で、話題をさらった高額納税者の公示。

10億円以上納税の「大長者」が前年の2人から6人に。3億円以上納税が85人から107人に。公示対象者(1000万円以上所得税納税)も、75,640人と4年ぶりに増加傾向ということです。

ところが、愛媛新聞によると、県内高額納税者は492人で、9年連続の減少となっています。四国でも1423人と、公示方法が所得額から納税額に変わった1983年以降の最小を更新しています。ピーク時(1991年の3460人)の4割に落ち込んでいます。

大都市と地方との格差が高額納税者の世界にも表れています。自民党の地方斬り捨て政治の結果ということもできます。

個人レベルの所得格差も問題です。一握りの成功者が巨万の富を得、多くの人がその影で泣いているアメリカ型社会が到来したということでもあります。

「年収300万円時代」(この言葉を普及させた森永卓郎氏によれば、年収300万円というのも楽観的すぎたということです)の到来。2(28)

[2005/05/17-2]  松山市民

本日より、生活の拠点を松山市に移します。住民票は既に移転済み。民主党本部からの要請に応えたものです。

一昨年、負けを覚悟で総選挙直前、急遽伊予市から愛媛1区で立候補しました。何故地元・愛媛2区から出ないのか、繰り返し質問されました。

1つは、当時の党内事情。もう1つは、伊予市から出馬すると多くの人に御迷惑をお掛けすることになるということでした。

より大きな視点でとらえると、松山市で民主党が議席を取らないと、愛媛は変われないであろうと思います。

「松山市が、日本政治の203高地」という認識を持っております。

合併後の伊予市長選挙も終わりましたので、これから松山市民として政治活動を本格化させたいと思っています。

[2005/05/17]  安倍氏への拒否率

5月15日(日)のフジテレビ「報道2001」で、安倍晋三・自民党幹事長代理をゲストに迎え、「あなたは、安倍晋三・自民党幹事長代理に将来、総理大臣になってほしいと期待しますか。」というアンケートの結果が報告されていました(首都圏の男女500人への電話アンケート)

YESが47.2NO 45.2%、 (その他・わからない)が7.6%という結果。

YESが多いのは、マスコミが煽った「成果」です。拒否率が高いのが面白いところです。期待していないだけだという見方もあり得ますが、タカ派的言動への懸念を持つ人が多いことの表れと見た方が自然です。首都圏住民へのアンケートであることを割り引いても、「安倍政権」というのは自民党にとってリスキーな選択になる可能性があるように思います。

小泉氏によるパフォーマンス政治が終わった段階で、国民の深刻な不信感ないしは虚脱感が政治的遺産として残るであろうと予想されます。その情況下で、マスコミの空騒ぎで総理大臣になったとしても、高い支持率は期待できないと思われます。「総理就任・即解散」という挙に打って出ても、投票日まで支持率が持たないでしょう。

「北朝鮮専門総理大臣」に期待している自民党の政治家は、情勢を見誤っていると思います。アメリカも、「こいつは○○だから使える」と読んだ可能性はありますが、別の選択肢も用意しているでしょう。

選挙前にテポドンが発射された場合はどうなるか分かりませんが。

[2005/05/16]  戸別訪問

選挙における戸別訪問は、日本では公職選挙法上違法です。しかし、英国では戸別訪問が選挙運動の最高の手段であるとされています。個々の有権者と候補者との対話が必要であると考えるのです。

毎日新聞のコラム(記者の目、5月10日)に、英国総選挙での自由民主党女性候補に同行取材した記事がありました。

この記事によると、英国の有権者は不意の訪問を嫌がらず、候補者に様々な不満や問題点をぶつけます。候補者はこれに対しきちんと自分の意見を述べます。こうした対話を繰り返していくわけです。取材対象となっている候補者は、選挙期間中(4月5日に解散することが発表されてからの1ヶ月間)に同じ家を2、3度訪問(して毎回会話)する場合もあるそうです(もちろん全部の家ではないでしょうが)

日本と英国との条件の違い。

戸別訪問を買収・利益誘導の温床と見なし、有権者を信頼しない法制度の日本と、有権者と候補者との対話を重視する英国の選挙に対する見方の違い。

有権者が過剰なプライバシーの意識を持ち、戸別訪問を迷惑がる日本の有権者と、候補者の訪問を契機に意見を言おうとする英国有権者の意識の違い。取り分け、近年日本で流行るセキュリティ機能付きマンションにおける社会との隔絶ぶりには顕著なものがあります。

もう1つ。1つの選挙区での平均有権者数・34万人の日本と7万人の英国との違い。

最後の点をもう少し検討します。1選挙区・3万世帯の英国だと、候補者は戸別訪問により有権者と対話することが物理的に可能です。これが15万世帯に及ぶ我が国では、一部世帯の訪問しかできない計算になります。

おまかせ主義の我が国の政治風土と、主権者意識の発達した英国の政治風土との違いは、戸別訪問に対する法制度、社会の意識、選挙区の大きさの違いにも影響されているものと思われます。

リストラばやりの昨今。議員定数削減が時代の潮流ですが、リストラされているのは有権者の権利なのだという視点もお忘れなく。

[2005/05/15]  降格人事

ネタは良くないのに、「コイズミ郵政ドラマ」のハチャメチャ劇で自民党が視聴率を稼いでいます。

郵政民営化に非協力的だと判断した総務省の松井浩総務審議官と清水英雄郵政行政局長を郵政行政担当から外し、事実上降格する人事を内定した小泉政権。

首相官邸が中央省庁の局長クラスの人事に介入するのは極めて異例であり(それ自体は民主党政権でもやっていい話ですが)、自民党内の反発を招いています。

これがまた、支持率を上昇させる要因になりそうです。「郵政改革を不退転で行う決意」というパフォーマンスで、中身のない「改革」を演出する手法。

これに対抗するには、分かりやすい反論を展開するとともに、政権交代で何が変わるのかを明確に具体的に説明し続けるしかないと思います。

内容の乏しい「改革」論議。権力闘争だけの政治。パフォーマンスに明け暮れる小泉政権が国民の意識を麻痺させることができるのも、あと僅かの期間です。

馬鹿馬鹿しいドラマを見終わった観客が、もううんざりだと失望することが予想されます(政治不信が小泉政治の唯一の遺産になります)。ここでキチンと本格派のドラマを提供し、政治への期待がもてるように、ストーリー(政策)に磨きを掛けていきたいと思います。

そのストーリーも、地方の実態に即したものが求められています。地方版マニフェストを完成させていきたいと考えています。

[2005/05/14]  読売新聞のおわび

(ニュース)

読売新聞は13日、JR福知山線脱線事故のJR西日本の記者会見の席で、同社大阪本社の記者に不穏当・不適切な発言があり「明らかに記者のモラルを逸脱した」として、社会部長名でおわびを掲載しました。

当該記者は、会見に出席したJR幹部に対し「あんたら、もうええわ、社長を呼んで」などと声を荒げ、感情的発言をしていました。
                                    会見は5月4日から5日未明にかけて、社員がボウリング大会や懇親会に参加していた経緯の説明がテーマでした。会見で罵声を浴びせる記者の姿が、テレビや週刊誌で取り上げられたため、多くの苦情が寄せられていました。
                                    大阪本社社会部長名で出された談話では、「使命感や熱心さのあまりとはいえ、常に心がけるべき冷静さを欠いたと言わざるを得ません。日ごろの指導が生かされなかったことに恥じ入るばかりです。」としています。
                                    週刊新潮5月19日号は、「『記者会見で罵声』を浴びせた『ヒゲの傲慢記者』の社名」として、読売新聞の記者である旨の記事を掲載しました。

(コメント)

記者の罵声については、元気があっていいと思います。問題は、その「元気」を発揮する場面が間違っているということです。打たれ続けている人物に、追い打ちになる罵声を浴びせるのは、「武士の情け」がない話です。

権力に立ち向かっていくときには、蛮勇が必要になります。説明責任を果たせない政治家に罵声を浴びせるくらいの気概がなければ、国民のための政治報道はできません。

権力者の発言に奢りがあり、しかも、誰も異議を申し立てない場面で、勇気ある「罵声」を浴びせて欲しいものです。それなら、拍手喝采。

[2005/05/13]  防犯ボランティア

(ニュース)

防犯パトロールなどの自主防犯活動を行う地域住民・ボランティア団体(防犯ボランティア団体)が、2004年末現在で全国で8079団体(構成員数52万1749人)に上ることが警察庁の調査で分かりました。

町内会・自治会員による団体は4230団体(同27万5289人)。クラブ活動などを中心にした大学生による団体が20団体(同5907人)。

警察庁は今年度、総額2億2500万円をかけて「『地域安全安心ステーション』モデル事業」を進めています。現在、全国100地区で地域の自主防犯活動の核となる団体を選定中で、懐中電灯などのパトロール用品の無償貸与やボランティア保険の加入費用の補助などの支援をします。

(コメント)

警察官ではなく、「保安官」を創らなければならない時代です。NPO保安隊を創設して地域の警護をする。それにボランティアが加わって任務を分担するという図式です。

それらがネットワーク化されて犯罪情報を交換し合い、相互親睦も行っていけばいいと思います。

過疎化していく地域などでは、NPOに予算を割り振り、地域ビジネスの一環として位置付けてもらうということも考えられます。

消防署と消防団の関係に類似する面もありますが、NPO保安隊が警察を監視するという意味合いも持たせればいいと思います。ということは、警察の天下り組織にしないということです。 もちろん、交流は必要であり、情報交換、技術支援もなされるべきです。      1(26)

[2005/05/12]  出納長、収入役

(ニュース)

総務省は、都道府県の会計事務をつかさどる「出納長」と市町村の「収入役」を廃止する方針を固めました。情報技術の進展で会計事務が効率化し、特別なポストを設ける必要性が薄れたと判断したためです。会計事務を副知事や助役が代わりに担うことで、地方行政をスリム化する狙いがあります。

総務省は次期通常国会にも、出納長と収入役の設置を原則義務づけている地方自治法の改正案を提出する方針です。地方自治のあり方を審議している地方制度調査会に諮り、全国知事会など地方団体からも意見聴取を進めます。

出納長と収入役は、公金の保管や支出などを公正に実施するため、首長とは別に設けられています。就任には議会の同意が必要で、任期は4年。政治的な責任を負う特別職です。

(コメント)

地方自治法は地方自治規制法です。地方自治に関する規制を撤廃すべきであるというのが、私の持論です。

地方における行政機構を合理化することには反対ではありません。しかし、それは地方が考えることであり、総務省にその様なことを考えるゆとりがあるのなら、総務省のリストラを進める方が、より合理的です。  2(25)

[2005/05/11]  「昭和天皇は退位すべきだった」

民主党の菅直人・前代表は、8日のフジテレビ「報道2001」で、日中間の歴史認識問題に関連して、日本自身がやったことを日本人がどう判断するかが問われているにもかかわらず、負ける戦争をやった責任を何一つ問わなかったことが問題であるとの見解を示しました。

そして、明治憲法下で天皇は、基本的には天皇機関説的に動いており、天皇に直接的な政治責任はないが、象徴的には責任があり、一つのけじめを政治的にも象徴的にもつけるべきだったとして、昭和天皇は敗戦時に退位して戦争責任を明確にすべきだったと述べました。

たまたま、この部分だけを聞いていました。後で新聞の見出しになるだろうと思っていたら、案の定取り上げられていました。

南京で何万人、何十万人虐殺したかどうかというような歴史的事実については、資料を厳密に調査して解明すべきです。「あった」「なかった」と過剰に論争しても不毛です。

忘れられているのが、我が国自身の総括です。何故負ける戦争をしたのか。国家というものは、負ける戦争をすることは国民への裏切りです。やるなら勝つ戦争をしなければなりません。この冷酷な命題から逃げるべきではありません。憲法の平和主義とは異なる次元の議論です。私が繰り返し取り上げているテーマです。

負ける戦争をしたことを総括できなければ、同じ間違いを繰り返すことになります。戦争ということではありません。国家としての合理的な意思決定ができないが故の大失敗が繰り返されるということです。

文の官僚機構の暴走を食い止められないが故に起こった経済敗戦を総括することと、武(軍)の官僚機構の暴走による日中戦争、太平洋戦争の敗戦の総括は、並行的(パラレル)に行われるべきです。そういう作業がなおざりにされてきたことを問題視すべきです。

敗軍の将たる昭和天皇に責任あり。経済敗戦の元凶たる霞ヶ関の官僚システムと自民党政権に責任あり。

[2005/05/10]  空気

JR西日本・福知山線での大惨事。脱線の当日にJR西の宴会が挙行され、民主党衆議院議員が同席していたとのニュースが大きく報じられています。

この話は、自分がその場に置かれてどう対応したかと考えると、簡単ではないように思います。「宴会を即時中止すべきである」と断言できる人物が、この国にどれだけいるのでしょうか。

場の空気というものがあります。そこで異を挟むと、「まあ、そう堅いことを言わずに・・」となだめられることが往々にしてあります。その場で瞬時に「反対」することは、場の空気を乱し、「人間的に幅がない」「変わり者」との評価を受けることを覚悟しなければなりません。

宴会を主催した責任者の判断を尊重しながら、招かれた者として行動しなければならないと考えるのが普通の大人です。我が国に、主催者の立場を無視して正義の味方を演ずることが許される文化があるようにも思いません。

大勢の側にいることは安全であり、安心です。私の場合、たった1人自分だけが反対という場面を何度も経験しています。しかしその私でも、今回のような場合に「反対」と言えるのかどうか、自信がありません。

想定外の事象であり、あらかじめ結論を持っておくということができない話です。後知恵で語るのは簡単ですが、こうした場面できちんとした対応ができるためには、相当の修練が必要です。

今回の宴会等の催事は確かに不謹慎な話です。しかし、その場に居合わせて「反対」することが極めて難しいということも分かって上で批判すべき事柄であると思います。

「空気」に負けない主体性を持ち、想定外の事態でも自覚的な行動をしなければならないということを肝に銘じたいと思います。

[2005/05/09]  単純小選挙区制

(ニュース)

5日の英国総選挙で労働党が3連勝を果たしましたが、得票率は35.2%と与党としては第2次大戦後で最低でした。646選挙区(定数13減)の小選挙区で戦われ、労働党が356議席(改選前410)、保守党は197議席(164)、自由民主党は62議席(54)、その他30議席。全野党との議席差は161から67(候補者急死の1選挙区除く645選挙区で確定)。

野党第1党の保守党との得票率の差は3%弱。しかし、議席数では159もの差を付けました。得票率と議席の差の食い違いは、英国が伝統的に採用する単純小選挙区制によるものです。主要3党の得票数は労働党956万票(得票率35.2%)、保守党877万票(同32.3%)、自民598万票(同22.1%)となっています。

単純小選挙区制は、いわゆる「死に票」が大量に出てバランスの取れた民意を反映しにくいとの批判がある一方で、得票率のわずかな差が大幅な議席差に結びつくこともあるため、有権者の政権選択の判断が明確に表れるとして、英国の2大政党制を支える重要な要素となってきました。

今回の選挙では、国論を二分したイラク戦争に、2大政党の労働、保守の双方が賛成したため、主要政党で唯一イラク戦争に反対した自民党は、全国で反戦票を集め、得票率は前回より4%近く伸びました。しかし、議席は前回に比べ思うように増えませんでした。

「英国では、接戦区の票の行方が議席に大きく影響するため、各党とも接戦区だけに力を集中する傾向があり、民主的でない比例代表の制度を組み合わせるべきだ」とする意見もあります。

(コメント)

単純小選挙区制度の下では、完全な「無風区」ができあがり、有権者から見て変化の可能性が奪われた形の選挙区が増えてきます。現職が強い場合、チャレンジすること自体が困難になります。

我が国の衆議院選挙では、比例代表の制度が加味されているため、強い現職がいてもチャレンジして頑張れば比例区で復活当選の可能性が残るので、単純小選挙区よりも選挙区レベルでの変化の可能性が期待できます。

しかし、我が国の比例区は定数が多く(180)、第3の政党がキャスティングボードを握ることになる可能性が単純小選挙区よりも大きくなります。比例区は削減すべきです。とりあえず、100議席でいいのではないでしょうか。その代わり、比例ブロックを拡大し、あるいは全国区とします。

前回の総選挙で民主党が候補者を擁立できなかった選挙区での候補者擁立が進めば、2大政党での政権選択の選挙が実現できます。

その際、各候補者は総理大臣を選ぶ選挙人としての意義を有することになります。これは、アメリカ大統領選挙が直接選挙ではなく、選挙人を選ぶ間接選挙であるのと同じことです。この発想が我が国の有権者に求められます。

[2005/05/08]  政治家のホームページ

与野党を問わず、現職・新人を問わず、ホームページによる情報発信が活発に行われています。ブログ形式のものもどんどん出てきました。

最近、政治家のホームページを更新の新しいものから掲載しているホームページを発見しました。2種類、御紹介します。

http://amezonews.com/

http://a.hatena.ne.jp/dpj2/

熱心に更新されている方も多く、刺激になります。私が「毎日更新」を目標とし始めたのが2001年9月。最初は、「伝言板」を使って「一言」を書いていました。更新が楽だったからです。

3年8ヶ月。「三日坊主」と言いますが、二日坊主でさえなかった過去を考えると、我ながら良くやっていると思います。

「エレログ」という政治家のブログを掲載しているホームページ(URL、下記)もあります。簡単に意見を書き込めるので、開設当初面白がって投稿したのですが、「コメント」「トラックバック」への対処方法が分からず、遠ざかっています。

http://www.election.ne.jp/

ホームページを自分で編集できるのが理想です。それができないので、リニューアルを業者さんに頼んだきり、向こうがこちらのパソコンに手を加えてくれる日程を設定できず仕舞いになっています。(2年前は自分である程度やってましたが、わけの分からないことになってしまい、ギブアップして「一言」欄の更新でお茶を濁しています。)

[2005/05/07]  アメリカ詣で

自称・他称「次期総理候補」が、連休中アメリカ詣でに精を出しました。

野党がアメリカとの関係を戦略的に構築するというのなら、それなりに理解可能です。しかし、与党の有力政治家が政府同士の関係を超えて、ことさら個々に競ってアメリカ詣でをするというのは、如何なものでしょうか。

「アメリカ→東京→地方」型の政治をこれまで通り繰り返していいのでしょうか。これからの我が国と地方の発展戦略を真剣に追求していくならば、別の発想があって然るべきです。新時代のリーダーを自認するのなら、アメリカにお墨付きをもらうという発想から脱却する必要があるのではないでしょうか。

安倍晋三氏をマスコミが追いかけていましたが、彼が仮に首相になってもアメリカの「ポチ」にしかなり得ない政治家であることを自ら証明したに過ぎません。「おじいさん以来こうなんだ」という家業伝承者型の政治しか頭の中にない政治家が過剰にもてはやされる光景にうんざりします。

随伴マスコミの見識も疑われます。JR西日本には、被害者感情を背景に正義の刃(やいば)を振りかざすマスコミが、政治の分野では与党政治家の提灯持ちしかできないこととのギャップをどのように考えているのでしょうか。

[2005/05/06]  企業内の常識と社会の常識

JR西日本・福知山線での惨事に際し、JR西日本の職員が事故に遭遇していたにもかかわらず出勤を重視し事故現場で救出活動に参加しなかったということ、それについて上司が勤務の方を重視した指示を行っていたこと、事故当日、他の車掌区の職員がボーリング大会を行い、懇親会を挙行し、3次会まで参加していた者がいた等々。JR西日本への非難の声が高まっています。

企業としてのJR西日本としては、個々の職員が勝手な行動をすることを自制し、企業人としての合理的な行動を取ることが企業全体にとって最大の利益を生むという意味において、独自の企業文化を形成してきたのだろうと思います。

ところが、極限状態の中で、企業文化と社会常識とが決定的に乖離したことにより、JR西日本の企業文化ないしは企業の姿勢に対する社会の非難が沸騰してました。JR西日本の常識は世間の非常識とでも言うべき事態を生じています。

これは、JR西日本だけの問題ではないと思います。我が国の企業の多くは、従業員を企業内の文化に染め上げ、世間の常識とは乖離した企業内文化を確立してきました。

このことで思い出されるのは、20年位前の「豊田商事事件」です。会長の永野という人物が暴漢に殺害されたとき、報道関係者はカメラを回すのみで被害者を助けようとしませんでした。今回の事件で、報道関係者が「正義の代弁者」としてJR西日本の幹部に厳しい言葉を浴びせかけている光景を見て、奇異な印象を受けました。

個人として、あるいは、社会人としての判断に枠がはめられ、後から冷静に考えれば常識はずれだったと思えるような行動をとってしまう心理的なメカニズムを追求すると、オカルト的な宗教にのめり込む心理、ファシズムの体制に奉仕する心理などと共通するものがあるように思われます。  6(23)

[2005/05/05]  子供の数

(ニュース)

総務省によると、ことし4月1日現在、我が国の15歳未満の子どもの人口は1765万人で、去年より15万人減少しました。

総人口に占める子どもの割合は13.8%。過去最低です。子どもの人口は、昭和20年代の第1次ベビーブームと昭和40年代の第2次ベビーブームのころに一時的に増えたものの、その後は減少傾向が続いており、昭和57年以降24年連続で減少したことになります。

昨年10月現在で、人口に占める子どもの割合を都道府県別に見ると、最も高いのは沖縄県で18.6%、最も低いのは東京都で12%でした。

(コメント)

少子化の流れを止める政策は?

子供に金が掛かることが少子化の一因です。子供が「打ち出の小槌」を持って生まれてくるのなら、子だくさんの家庭もでてきます。後進国は、子供が労働力とみなされるから子だくさんなのです。

「打ち出の小槌」とはいかないまでも、乳幼児期の子育て費用と子供の教育費(大学、大学院まで)が無償であれば、子供を産むことへの抵抗の多くはなくなってくるでしょう(教育クーポンという形を想定)。

子供部屋減税、および、子供部屋補助金。そして、子供1人につき1000万円までの貸し越し口座を付与。

婚外子を差別しない制度の確立と、働く女性の環境整備。乳幼児の保育について規制を解除し、商店街の空き店舗活用への助成、子供の祖父母が保育する場合に補助金を支給。

これだけやれば、子供は打ち出の小槌を持って生まれたに等しいことになります。

予算の問題もありますが、少子化問題を解決できれば採算が合ってきます。波及効果の怪しい公共事業よりもはるかに有効な経済政策であると思います。 

夢ある政策を!   10(17)

[2005/05/04]  自営業者、企業経営者に失業給付を

労働者(公務員を除く)は、雇用保険に加入して、失業時には失業給付を受けることができます。自営業者や企業経営者にはこのような制度はありません。任意の(民間の)失業保険があるという話も寡聞にして知りません。

これからの日本は、起業をしやすくする環境を整え、リスクを取る人を讃えていく社会にしていかなければなりません。

その為には、失敗しても立ち直れる仕組みが必要です。自営業者や企業経営者に雇用保険類似の制度を認め、倒産、廃業時に失業給付を受けられるようにすべきです。

任意の制度として認め、保険の掛け金を課税対象から外します。上限を設定することにし、勤労者と同等レベルの給付を受けられる限度では「失業」時を想定した保険料を支払う権利を認めるべきです。敗者復活のルールが明確であれば、チャレンジする勇気が湧いてくる社会になります。

公務員にも雇用保険加入を認めるべきことは、繰り返し述べている通りです。    5(7)

[2005/05/03]  護憲的改憲を

憲法論争が熱を帯びています。自民、民主が憲法改正の議論を深め、社民、共産が護憲を唱えるという図式です。

私は、現行憲法と実質的に全く同一の憲法を再度制定するための「改正」を行うべきだと思います。日本語として熟していない箇所の訂正と、文言と解釈がずれてしまっていることにほぼ争いのない89条だけの改正にします。

このことの第一の意義は、現行憲法の再確認です。占領下で制定されたということをあげつらう方々に対抗する意味で、現行憲法が国民に支持されているということを確認するのです。58年間我々を護ってくれた現行憲法への御礼という意味も込めたいと思います。

第二の意義として、国民が憲法制定権力を有することの確認です。国民が主権者であり憲法を制定できる存在であることを確認することにより、国民主権を実感できる機会とします。

第三に、憲法改正の予行演習としての意義を持たせます。実際に憲法を改正する場合にどのような問題が生ずるのか、一度試してみて、実質的な改正が行われる場合に混乱がないようにしておくということです。

これまでの護憲論が、国民を憲法規範から遠ざける、過保護の議論であったことを反省すべきです。邪悪な勢力が改憲を仕組んでおり、それから国民を護るのだという意味合いで護憲を叫ぶことは、国民が憲法制定権力を有することを忘却させ、真の主権者として振る舞うことを阻害する議論です。

「青葉マーク」で、一度憲法を改正してみる。これが我が国における真の民主主義の第一歩ではないでしょうか。

[2005/05/02]  コンパクトシティー

<朝日新聞社説、「まちづくり 郊外から街中へ」>

(5月1日の朝日新聞社説は、山形県鶴岡市を例に取り、中心市街地活性化の必要性を説いています。)

(前段略)

クルマ社会の到来で1970年代からバイパス建設が始まったショッピングセンターが建ち、核家族化も手伝って住宅地が郊外へと広がった。古い市街地では住民が3分の1に減った町もある。郊外にニュータウンがつくられ中心市街地が空洞化する「逆都市化」である。

危機感が芽生えるなかで、(鶴岡)市はまちづくりの計画を練り続けてきた。その集大成が4年前につくった「都市計画マスタープラン」だった。

市街地の拡大にブレーキをかけ、公共施設など暮らしに必要な機能を、郊外ではなく中心部に置く。この考えを基本に、あらゆる施策を束ねていく。

その一例が街中にあった市立病院の建て替えだ。広い駐車場が確保できる郊外への移設の要望も強かったが、近くの工場跡地に移した。旧病院跡には国の出先機関の庁舎をまとめることにした。

さらに商店街の空き地などを利用して、市民がお年寄り向けの福祉活動などに使う拠点を整備する。「歩いて暮らせるまちづくり」が合言葉だ。

英国やドイツでは、日本より30年も早く、郊外から撤退し中心地に住民を集める都市再生の作戦が始まった。

郊外に延びた上下水道や道路などのインフラを維持するには費用がかさむ財政負担を抑えながら、住民の高齢化や環境保全といった課題にこたえる。そんな成熟した街が求められている。

それに気づいた日本政府も「コンパクトなまちづくり」を掲げ、法制度の手直しに動き出した。たとえば、90年代後半から一気に広がった大型商業施設についても、建設を抑える方向に政策を転換しつつある。

(中略)

「逆都市化」は地方都市だけではなく、東京のような大都市も直面している難題だ。経済の理屈だけに押し流されず、役所の意のままにもならない。そんな心がけで、住民が「わがこと」として、まちづくりに参加していくことが大切だろう。

(コメント)

都市の郊外への発展は、中心市街地の空洞化を招き、都市の魅力を損なうと共に、全国均一の無個性な景観をもたらしました。

クルマ社会に適合できる人にとっては、便利な社会です(コンビニとスーパーがあれば不自由しない)。しかし、超高齢社会が到来します。現在、後期高齢者(75歳以上の人)が1000万人を超えています。

2000万人を超える日もそう遠くではありません。加えて、クルマに乗れない18歳未満の未成年者のことも考慮しなければなりません。「歩いて暮らせるまちづくり」が是非とも必要です。

財政のことも考えなければなりません。都市の拡大はインフラ整備により都市財政を圧迫します。環境面への配慮も必要です。

コンパクトシティーを目指し、環境負荷を軽減した持続可能な都市の発展を志向すべきです。中心市街地の活性化による都市の魅力づくりと、歩いて暮らせるまちづくりとが都市経営の基軸に据えられなければなりません。

「我がまち」を大切にしたいと考える、住民の主体的参加による「まちづくり」が必要とされます。「地域コミュニティーの核」であり、「まちの顔」となる、中心市街地の意義を行政と住民とが理解して協働することが求められる時代です。

[2005/05/01]  「仙波さんを支える会通信」御紹介

愛媛県警の不正経理について内部告発した現職警察官・仙波敏郎氏を支えようと、「仙波さんを支える会」(代表・東玲治氏)が活動をしています。

そのホームページを御紹介しておきます。インターネットも活用しての活動になるとは聞いていましたが、どうなっているのかなと思い、「仙波敏郎」で検索したところ、簡単に分かりました。(ヤフー、グーグル、インフォシークで確認)

この活動は、是非とも継続していただきたいと願っています。オジャマしない範囲で協力しようと思います。

http://ww7.enjoy.ne.jp/~j.depp.seven/index.html

[2005/04/30]  小沢一郎剛腕コラムより

(剛腕コラム)

・・・今回の敗因について、党内には投票率の低さを指摘する声があるようだが、それだけで片付けてはいけない。僕は現在の民主党には政党としての問題点があり過ぎると考えている。これは大きく分けて2つの側面がある。
 
第1は「政策の明確化」の問題だ。国民の関心の高い基本的課題について、自民党にはできない政策を、分かりやすく示すことが必要だ。
 
例えば、年金改革。昨年の通常国会で国民の7割が反対していた自民党の年金改悪法に対し、衆院民主党は継続して協議するという、いわゆる3党合意を行い、付則を変えただけで自民党案に賛成してしまった。
 
私はどうしても納得できなかったので、採決の本会議を欠席した。参院に送付されてから、ようやく党内の反対意見が高まり執行部も反対することに方針を決めて徹底的に反対をした。
 
自公の強行採決によって法案は通過してしまったが、年金改悪に徹底的に反対した民主党の姿が国民の目に焼き付いたと思う。これは、その後の参院選が年金一本やりで自民党に勝利したことを見れば一目瞭然だ。
 
強行採決で悪法を通しておきながら、参院選の結果や与党の不人気を見て、自民党が国民の目をゴマかすために与野党協議を持ちかけてきた。民主党もそれに乗っているが、「話し合い」の名の下にただズルズルと経過すれば、国民の民主党に対する期待はいずれも失望に変わるだろう。
 
第2は「日常活動の徹底」の問題だ。民主主義社会での政権交代は選挙で勝つしかない。そのための日常活動が圧倒的に足らない。日本全体が選挙ムードで盛り上がる総選挙や参院選ではそこそこの戦いはするが、議員個人や政党の足腰が勝負となる補選では弱い決定的な理由だ。
 
この2つの問題は議員個人はもちろんだが、それ以上に民主党の政党としての体質の問題である。55年体制下の万年野党を目指すなら別だが、本気で政権交代を国民に訴えるなら、代表以下、すべての党関係者が決意を新たにして取り組まなければならない。それができないというなら政権交代をいう資格はない。

(コメント)

「投票率が低かった云々」というのは、「雨が降る日は天気が悪い」と言っているようなものです。投票率を上げられなかったのは何故かを考えてみるべきです。ものすごい人員を投入したのですから。

小沢氏の言われるように政策の明確化が必要です。「○○に反対」ではなく、より良いビジョン提示能力を背景とした政策提案をしなければなりません。

日常活動の徹底ということについて言えば、これまでの政治家の「合格体験記」を実行すれば道が開けるものであるとは思いません。もちろん、いいものは徹底的に真似るべきですが、独創性も必要です。(これは、自分で証明するしかない命題です)

「民主党の政党としての体質の問題」については、もう少し語っていただきたいところです。これは、永田町で感じておられるところがあるのでしょう。小生に安んじてはいかんということでしょうか。                        2(2)

[2005/04/29]  「続・記者物語」

28日、松山市の伊予鉄会館で「続・記者物語」(創風社出版)の出版記念パーティーが開催されました。著者の東玲治氏が主宰する「政経ジャーナル」の廃刊慰労を兼ねたものでした。

会場は大入り満員。周囲の方々が東氏を惜しんで企画したものです。取材対象となった人物からも一目置かれていた記者魂を象徴するように、多彩な顔ぶれがそろっていました。

「記者物語」「続・記者物語」は、地方政界の内幕を鋭く射抜いたジャーナリストの自伝であり、白石、伊賀、加戸と続く愛媛県政を読み解く解説書でもあります。

東氏は現在、愛媛県警の不正経理について内部告発をした現職警官・仙波敏郎氏を支える会の代表者をしています。

それにしても、「政経ジャーナル」廃刊は痛い。これにつづく愛媛のジャーナリズムが出現して欲しいものです。

私にその能力があれば・・・

[2005/04/28]  「日勤教育」

尼崎市のJR宝塚線(福知山線)で25日朝に起きた快速電車の脱線事故の死者は、現時点で100人にせまっています。

この大惨事の原因について即断は禁物ですが、スピードの出し過ぎがあったことは判明しています。ダイヤの正確性が重視され、秒単位の遅れを報告させることになっていたことがスピードの出し過ぎにつながったものと推測されます。

ダイヤに遅れが生じた場合など、「日勤教育」と呼ばれる指導がなされます。これが対象者に多大な心理的苦痛を与えるものであり、自殺者まで出ています。

「教育」という名の見せしめ、ないしは懲罰であり、対象者に屈辱感を与える意味しかないのだとすれば問題です。運転士が心理的圧迫感を感じながらの運転であったことが推測されます。

安全性が保証されることが時間の正確性の前提であることは自明です。安全を担保する物的環境整備と共に、心理的環境づくりが重視される必要があります。

[2005/04/26〜27]  出張

東京出張。

[2005/04/26]  民主党、2敗

衆院統一補選は、民主党が2敗という結果になりました。低投票率下で、創価学会の組織票の効き目が如実にでました。

民主党は、小泉政権への評価、政権選択ということを前面に出して戦いました。私も、そのつもりでこの選挙を位置付けていましたが、地元の有権者の皆さんとこちら側とに温度差があったように思います。

福岡2区と宮城2区の有権者の側に立って考えると、一度民主党の候補者を選んだのに裏切られたわけです。そのことに民主党が配慮していたとして、それが有権者に伝わったのかどうかということも考えてみる必要がありそうです。

統一補選の客観的意義と選挙区の有権者から見た政治不信とのギャップが埋められなかったという総括もありうると思います。

ではどうすれば良かったのか?これも難しい課題です。懺悔だけでは戦えないのですから。

[2005/04/25]  公務員における「辞める自由」

(ニュース)

鳥取県が、2年連続で勤務成績が最低ランクだった職員自主的な退職を求め、3人が退職しました。自治体が勤務成績不良を理由に職員に退職を求めるのは異例です。今後も勤務成績が低い職員に自主退職を求めていく方針です。


県は2003年度、職員の勤務成績を評価する公務評定を始めました。判断力や協調性など14項目(管理職は9項目)について5段階評価し、総合評価も付けます。
 

昨春、県は総合評価が最低だった職員に、今後1年間は通常より詳細な評定を行い、改善されなければ退職を勧めることもあると通告。研修も受けさせました。今春、2年連続で最低ランクだった7人のうち、病気などの2人を除く5人に退職を促しました。退職した3人は非管理職で、20代1人と50代2人。他の2人は「もう1年頑張らせてほしい」と勤務を続けています。

県職員課・課長補佐は、「財政難で職員を増やせない中で行政能力を保つため。再就職しやすい自主退職を選択肢の一つとして勧めた」と説明。県職員労組は「雇う側として県が(勤務態度などの)改善指導をするのは当然本人が退職を選んだ以上、組合はコメントする立場にない」としている。

(コメント)

公務員は安定した職業という意識に変化が生ずる可能性がでてきました。雇う側と雇われる側との間で、労働者がきちんとしとした勤務をするという最低限度の義務に反した場合は、労働組合は関知しないということなのでしょう。

民間企業での労使間の論理が公務員にも及ぶということであり、「民営化」の議論にも影響がでてきます。民営化の議論は、公務員の身分保障が手厚く、労使間で柔軟な対応ができないことが前提となっています。

公務員の労働条件についても、「労使」が柔らかい頭を持っていれば、形式的な「民営化」にこだわる必要はなくなります。

公務員に雇用保険加入を認めることが前提条件だと考えるべきです。失業給付がもらえるのなら、公務員にも「辞める自由」がでてきます。

[2005/04/24]  みんなで行けば

(ニュース)

超党派の「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(会長=瓦力・元防衛長官)のメンバーが22日午前、東京・九段北の靖国神社を参拝しました。

同神社の春季例大祭に合わせた恒例行事で、綿貫民輔・前衆院議長や平沼赳夫・前経済産業相ら自民、民主両党の国会議員80人が参加しました。西川公也内閣府副大臣、今津寛防衛副長官、政務官2人も参加しました。

同会副会長の藤井孝男・元運輸相は参拝後に記者会見し、小泉首相の靖国神社参拝が中国などの反日デモの原因となっているとの見方について、「先人の御霊(みたま)を参拝することは、自然な姿だ靖国神社参拝を政治的に結びつけること自体が友好関係をわい曲化している」と述べました。

(コメント) 

馬鹿っ!1人で行けっ! 以上。

で終わりたいところですが、一言。

先人の御霊を参拝することは自然な姿だと思います。しかし、靖国神社参拝を政治家が「仕事」として(支持団体を意識して)、しかも政治家同士徒党を組んで行うというのは、極めて不自然です。

政治家が徒党を組んで参拝しておきながら、「政治的に結びつけること自体が友好関係をわい曲している」とは、どの様な心境で語っているのでしょうか。

1人で、私的に、誰にも知らせずに行くのなら、先人の御霊を参拝する自然な姿だと思います。これなら賛成。

[2005/04/23]  「欲しがりません、勝つまでは」

(時事通信ニュースより)

自民党の安倍晋三幹事長代理は21日午後、福岡市内で街頭演説し、民主党の岡田克也代表が反日デモによる日中関係の悪化は小泉純一郎首相にも責任があると指摘していることについて「デモ隊の乱暴、狼藉(ろうぜき)は明らかに国際的なルールを破っている」とした上で、「日本も声を1つにして謝罪、賠償を要求しなければいけないのに、日本に非があるかのごとく首相を攻め立てる。これが外交感覚を持つ政治家のすることか」と厳しく批判しました。

(コメント)

外交は政府が行うもの。野党は政府をチェックするもの。これを理解する必要があります。

安倍氏の論法だと、「国難」がくれば「国論」は統一されなければならないことになります。「危機的状況下」では、国会は翼賛機関でなければならないということにもなります(そして、その状況の判断は誰がするのかの問題も生じます)。政府批判は御法度。

戦時では、国家が勝つことが至上命題。国民は贅沢を慎み、「欲しがりません、勝つまでは」のキャッチフレーズの下、倹約に努めなければならなくなります。そこへ行くまでに、歯止めがあるのかどうか。

民主主義国家においては、たとえ戦争中であっても、野党は政府・与党をチェックしなければならないのです。この分業を理解しなければなりません。

もちろん、主権者たる国民が岡田氏の発言をどう感じるかは別論です。安倍氏の発言についても。

[2005/04/22]  インターネットと携帯

(ニュース)

新華社電(電子版)によると、中国公安省は21日、北京や上海など各地で発生した反日デモについて報道官談話を発表し、「公安機関の許可を得ずに、インターネットや携帯電話のショートメールを通じてデモを組織することは違法行為」として、ネットなどでデモ行進を奨励する情報を流さないよう学生や市民に警告しました。

談話は、最近各地で発生したデモについて、「広範な市民と学生の愛国心は十分理解できる」とした上で、「ごく少数の定職のない者がこの機会を利用して公共、私有の財物を壊し、社会秩序を乱す違法活動を行い、我が国のイメージを損なったことは法的に許されない」と強調しています。

(コメント)

要するに、反日デモを放置すると多大な国家的損失を招くことが認識されたということです。

平和な時代には、国も個人も失うと困るものが増えてきます。それが無謀な行為を自粛させる抑止力となります。

そう考えたとき、失うものが何もない国が近隣にあることに気付きます。しかし、その国でも独裁者には失うものがたくさんあります。それが抑止力になるはずです(と信じたい)。

ところで、このニュースで面白いのは、インターネットと携帯電話が中国社会に大きな変化をもたらしているということです。この武器は権力による統制を崩していく原動力になっていきそうです。

[2005/04/21]  名前の連呼

最近選挙に関わることが多く、街宣のやり方を色々工夫しています。そこで、マスコミで「相も変わらぬ名前の連呼」と揶揄される、候補者名の連呼について考えてみました。

無名の候補が「○山太郎、○山太郎をよろしくお願いします」と連呼したとします。これは空しく響き渡るだけだろうと思います。聞こえたとして、「○山って誰だ」という程度でしょう。そして、そう思った次の瞬間、忘れるというのが通常です。

知っている人の名前だとどうでしょう。「○山さんだ。やってるなあ」という話になるでしょう。あるいは、人から○山さんを頼まれている場合は、「そうだ、○山という人を頼まれていたなあ」という再認識の切っ掛けになります。

有名人だとどうでしょう。「えっ、○山さんがいるの。どこに来てるの?」という話になります。一昨年の衆院選のとき、菅代表のテープが候補者に支給されました。テープを回すと皆が振り向くのでこちらが当惑したのを覚えています(参院選でも岡田代表のテープが支給されました)。

名前に意味が充満しているとでも言いましょうか。何行にも渡るキャッチコピーよりも、「菅直人」「岡田克也」「小沢一郎」「鳩山由紀夫」という名前の重みが上回ることになります。

そういう名前の重みには、キャリアや実力、人気等々、諸々の要素が絡み合っているのでしょう。無名の候補でも、様々な活動が、自らの名前に意味と重みを付加することにつながります。

「ローマは一日にしてならず」という陳腐な結論で締めくくりたいと思います。

[2005/04/20]  サシミは「センソンフェ」

(ニュース)

竹島領有権や歴史教科書の問題をめぐり反日・嫌日感情が広がっている韓国で、水産分野の専門家が、「サシミ」など海鮮料理関連で数多く残る日本語を排斥し、韓国語に置き換える運動を始めました。

置き換え例によると、「サシミ」は「センソンフェ」、「ワサビ」は「コチュネンイ」、「サワラ」は「ハクコンチ」、「アナゴ」は「プンチャンオ」。


釜山市や慶尚道での地域的話題ではあります。

(コメント)

日本が「鬼畜米英」と叫んでいた頃の話を連想します。

野球のストライクは「よし!」、ボールは「駄目!」。思考を制約することにより、真実を見る目を失い、合理的発想が阻害される効果があっただけでした。

日韓、日中。もっと柔軟な発想で対話をすべきだと思います。一案。日韓中、学生ディベート大会。これを各国でテレビ中継します。

[2005/04/19]  合理的発想

(ニュース)

国土交通省の豪雨災害対策総合政策委員会は18日、市街地を優先して浸水対策を進めるなど土地利用に応じた治水政策への転換を求める提言をまとめました。
 

提言を受け国交省は、河川法の改正も含めた対応方針を5月にもまとめます。予算の制約や人口減少を背景に、市街地や農地でも同じように堤防をつくり洪水から守ってきた整備手法を効率的にします。
 

@市街地を守るため、上流の水田や畑を緊急の遊水地として利用する制度を導入する。

A堤防で守るより効率的な場合は、浸水被害を受ける恐れがある住宅を河川事業により公費で移転する。

などの整備手法を採用します。一方、浸水した農地などへの補償も行う考えです。

(コメント)

費用対効果を考慮した洪水対策が必要であることが認識され始めました。

水につかっても損害賠償で解決する方が安く付く場合があります。ここだけは水害から守らないと社会的な損失が極めて大きいと思われる場合もあります。

「完封、奪三振」の思想から、「打たせて取る」発想への転換。防災の問題だけではなく、公共事業全般にわたる発想の転換でありたいと思います。

[2005/04/18]  日中、互いに内省的歴史観を

中国政府は、暴動による日本側の被害に対し、謝罪と賠償を拒否しています。これは、自立した国家の取る態度ではありません。

これまで、中国の被害者意識に対して日本が謝罪するというパターンで日中関係が成り立ってきていました、その延長線上で日中関係を処理したい中国側と、もはや謝罪の段階を卒業したと感じている日本側との認識のギャップが出てきました。

中国も今のままではオリンピックも万国博覧会も開催することが困難になってきます。

日本側も、扶桑社版歴史教科書に表現されるような「しかたがなかった」史観では、官僚支配の弱点を克服できず、21世紀のリーダー国になり得ない可能性があります。

日中とも、自国の何がいけなかったのかを真摯に反省する内省的な歴史観を確立する必要があります。

中国は、第二次大戦後の自国の発展過程がそれで良かったのかどうか、「反日」が自己弁護の道具に使われていなかったかどうか、を反省する必要があります。

日本は、日中戦争と太平洋戦争の敗北の歴史をきちんと総括する必要があります。どこで国家の進路を誤ったかについては、深刻な反省が必要です。近隣諸国との歴史的関係についても、リーダ国として信頼される国であったかどうか、一段高い倫理観が必要ではなかったか、の反省が必要です。

「反日」も「『自虐史観』批判」も、自国を甘やかす論理でしかありません。それらを乗り越えなければなりません。

その上での相互理解が必要です。お互いの利益と友情のために。

[2005/04/17]  「反日」という革命エネルギー

中国での反日暴動がおさまりません。「反日」であれば示威行動ができるので、様々な思惑で民衆が決起しているのだと思います。

本音は反政府運動であっても、「反日」とすることで弾圧の対象とならないであろうとの計算で企画されている可能性もあります。

中国政府にマッチポンプをやるだけの統治能力があるのかどうか。マッチを付けた(反日キャンペーン)が、ポンプ(鎮圧、消火)を使えなかったということもあり得ます。

貧富の格差が生み出す巨大エネルギーの前に、政府もなすすべがなく、「日本に責任がある」という反日キャンペーンで、当座面目を保ちたいということかもしれません。

民衆側の「反日」がある日突然、「反政府」「反中国共産党」に変わっていても何ら不思議はありません。

「反日」は、中国政府の失政を糊塗(こと)するための政治的プロパガンダでしたが、次第に制御不能の概念となり、革命エネルギーを蓄積するコンデンサーとなりつつあるのではないでしょうか。

[2005/04/16]  四国アイランドリーグ

野球の独立リーグ「四国アイランドリーグ」が4月29日、開幕します。15日に公式戦のチケット販売を始めました。

全席自由席で大人1000円、小中学生500円。リーグ全試合の180枚をセットにした「ゴールドパス」は3万円。ホームゲームのみ有効な45枚セットの「シルバーパス」、1万5千円。
 

私は、2部リーグ、3部リーグをつくれるような展開になればいいと思います。小さな町にも2部リーグ、3部リーグ所属チームがあり、野球に情熱を燃やす人達が結集します。

手づくりの俺たちのチーム。我がまちの誇りとなるようなチームができれば、地域も活性化すると思います。

サッカーではそういう展開になっている面があります。しかし、野球の方が我が国では伝統もあり、国民気質にも合っているのではないでしょうか。

それはともかく、四国アイランドリーグの成功を祈ります。

[2005/04/15]  投票率

宮城2区、福岡2区の衆議院統一補欠選挙。投票率が気になります。補選は、投票率が上がらないのが一般です。

しかし、今回の統一補選は、小泉政権の評価を問う選挙としての意義があり、是非とも両選挙区の有権者の皆さんに投票権を行使していただきたいと思います。

日本全体で、有権者が約1億人います。近年の国政選挙での投票率は、衆議院選挙が60%前後、参議院選挙が57%前後ですから、6千万人前後の有権者しか投票所に足を運ばないという状況です。

参議院選挙で、45%という投票率しかないことがありました(平成7年の選挙)。このようなことになると、特定の勢力が選挙結果を左右することが可能になります。

特定の団体が動員をかけても、選挙結果を左右しにくくするには、6千万人の投票では不足です(公明党の得票が800万票〜900万票)

70%以上の投票率になれば、即ち、7千万人以上の有権者が投票所に足を運べば、選ばれる側が選ぶ側をコントロールすることを阻止することが可能になります。

選挙権の行使を!

[2005/04/14]  「君が代」における指導

(ニュース)

広島県教育委員会が県内すべての公立学校の校長に、卒業式や入学式で君が代斉唱の声量などを調査、報告させていました。

新潟県教育委員会は県立高校などに、卒業式の君が代斉唱の際に起立しなかった教諭への個別指導教諭の氏名などを報告するよう指示していました。

(コメント)

教育委員会が御用機関であることを如実に物語るニュースです。

日の丸が国旗。君が代が国歌。この基準のみを定めた国旗国歌法が一人歩きを始めています。全体主義化が進むときには、必ず尖兵役を果たす者が出てきます。

本来そこまで要求されていないことでも、競うようにその先、その先へと駆り立てていきます。犬が飼い主に褒めてもらおうと、争うように獲物に向かって突進するのに似ています。

教育委員会という、教育について冷静に立ち止まって考えなければならないはずの機関が、先陣争いをしていることの奇怪さ。この流れが加速すると、他の地区で冷静さを保っている教育委員会も、「バスに乗り遅れるな」ということになりかねません。

何故か、バスに乗り遅れることを嫌う日本国民。平成の合併でもそうでした。

素朴な疑問。君が代斉唱の声量を調査している校長は、果たして歌ってるのだろうか。

[2005/04/13]  「県民1人あたり平均個人所得」

毎年6月に、「日本国勢図会」(財団法人・矢野恒太記念会編、国勢社刊)が発売されます。これまで、何冊か買って手元にあります。

昨年発売されたもの(2004/05年版)を見ていて、「1人あたりの県民所得」と「県民1人あたり平均個人所得」とが違うことに気付きました。後者は前者から法人の所得を除いたものです。

「1人あたりの県民所得」は「県民手帳」にも載っており、愛媛県は47都道府県中30番台後半から40番台前半というところです。

「県民1人あたり平均個人所得」は相対順位が少し悪く、「日本国勢図会」によると、45番目となっています。統計の発表が3年遅れるので、2004/05年版の数字は2001年度のデータです。

気になって、過去の「日本国勢図会」で調べたところ、1992年度が39位、1995年度が39位、1998年度が42位でした。そして、2001年度が45位。

自営業者、農林水産業者の所得が激減しているのではないでしょうか。この間、愛媛県に何があったのか。研究を要するところです。

今年発売の分を見てみたいものです。各県の相対順位ですから何とも言えませんが、改善されているような実感はありません。

[2005/04/12]  アジアに開かれた政治を

伝言板で中国や韓国の反日デモについての御意見が多くなっているので、ここでまとめてコメントさせていただきます。

国益と友情、そしてお互い利益を分かち合う発想。これらが求められています。

昔、「大東亜共栄圏」と言われる構想がありました。ここで決定的に欠けていたのは、イコールパートナーとしての目線でした。独りよがりの勝って読み。相手がどう感じ、どう反応するかなどお構いなしでした。

現在中国や韓国で起こっていることは、かつて日本でも「反米」として起こった事象であり、日本が大人として、冷静に国益を考え、彼等との友情を深めることを考えるならば、彼等の現状が「中学生」「高校生」であることを認識して、馬鹿にするのではなく、かつての日本の体験を踏まえた対応を考えるべきだと思います。

そして、自民党的な政治、即ち、「アメリカ→東京→地方」の政治ではなく、「地方→アジア」の政治を追求することが必要です。

「国境」を著しく気にするのは、中央集権型国家観に毒された発想です。地域主権型社会においては、国境は「点線」であると割り切り、国境に限定されない自由な発想で近隣諸国に接していくべきです。

それこそが、お互いの利益に合致し、極東の安全保障を増進することにもつながるものだと思います。

東京に向かっての政治ではなく、アジアに開かれた政治を地方(道州)が展開することにより、現在中央から斬り捨てられようとしている「地方・地域」が、活路を切り開くことができます。

(伝言板でのコメントは、ややこしくなるので、「冷厳な国益論」「大人の対応」という視点で語らせていただいていますが、以上の背景で語っているということをお断りしておきます。)

[2005/04/11]  那賀川の戦い

10日、徳島県那賀町に行ってきました。片道4時間。

那賀町は、那賀川流域の5ヶ町村が合併してできた町です。旧相生町の町議だった清水幸助氏が合併に伴う町長選挙に立候補表明したのは3月中旬。遅い立候補表明でした。4月12日告示、17日選挙です。

町長選挙の立候補者は、清水氏を含めて3人。上流と下流の戦いと言われていた地域間対立を背景とする選挙に、その中間に位置する旧相生町から清水氏が立ち上がったのです。

民主党推薦。徳島3区総支部長・仁木博文氏が応援をしています。10日は、仙谷・民主党政調会長も2度目の応援に駆けつけました。私も、合流しました。

上流・下流の候補者は、どちらも首長経験者ですから強豪ですが、清水氏に是非とも逆転勝利していただきたい。一句。

那賀川の水清めなむ花吹雪

http://www4.ocn.ne.jp/~kouchan/(清水氏のホームページ)

[2005/04/10]  統一補選

衆院小選挙区での補選が急増したため、2000年の公職選挙法改正で導入された衆参両院議員の補欠選挙。4月と10月の年2回、まとめて行われます。

従来、補欠選挙は盛り上がらず、投票率も高くなりませんでした。しかし、日程を統一して行われることになり、その時点での民意を確認する意味合いが強く出てきました。

4月24日に行われる、福岡2区、宮城2区の衆議院議員補欠選挙は、郵政民営化を叫ぶ小泉内閣に対する国民の評価を問う、重要な選挙になってきました。

福岡2区の補選は、首相の盟友・山崎拓氏復権の是非を問うものでもあり、全国注視の選挙となります。

自民、民主両陣営とも大物が入れ代わり立ち代わりやって来ての応援合戦になっています。9日、小泉首相、岡田民主党代表が福岡入りして舌戦を繰り広げました。

私も福岡に赴き、4月3日、4日にお手伝いをさせていただきました。民主党・平田まさのり氏に是非とも勝利していただきたいと思います。勿論、宮城2区の門間さんにも勝っていただきたい。勝利を祈願して一句。

山咲きの桜(はな)散りて来る「2区」の春

[2005/04/09]  削減効果

(ニュース)

麻生総務相は4月7日の経済財政諮問会議で、「平成の大合併」により市町村長ら3役と議員の数が減少することで、人件費約1200億円の削減効果があるとの推計を示しました。
 

全国の市町村数は1999年3月末は3232でしたが、2006年3月末には1822になる見込みです。人件費の削減効果は、同省が3月下旬に都道府県を通じて市町村の三役(首長、助役、収入役)と議員の減員数を聞き取り調査し、試算したものです。

(コメント)

ダム1〜2個分の無駄を切りつめれば、1200億円の削減効果があります。

合併により削減されたのは、民主主義の経費だと思うのですが、一般には理解していただきにくい話です。地方議員の姿を間近に見ている人からすれば、無駄なものの代表が議員ということになるのでしょう。

議員の公選が上手く機能しなかった。もしくは、民主主義が根付いていかなかった地方自治の反映でもありました。

私は、定数の一部を抽選による議員にすればよかったと思います(別に、今からでもいいのですが)。検察審査会の委員や裁判員のように、市民から抽選で議員となる道筋が開けることで、議会は著しく活性化すると思います。

異質な分子が混じることにより、触媒的な働きをすることになります。再選がない。その様な野心がない人物が混じれば、政治を真っ正面から見据えることができ、そのことが公選の議員にも良い影響を与えるでしょう。

選挙が人間(候補者と有権者)を堕落させる効果しかなかったことが残念です。 

[2005/04/08]  産経新聞による「朝日社説」批判

(伝言板NO.2238 成層圏さんのリクエストを受けて)

(4月7日、産経新聞の社説・「主張」より抜粋)

朝日新聞の六日付社説「こんな教科書でいいのか」を読んで、驚かされた。これでは、特定の教科書を排除し、自由な言論を封殺するものといえる。

その朝日新聞社説は、新しい歴史教科書をつくる会のメンバーらが執筆した扶桑社の歴史・公民教科書だけを取り上げ、「光と影のある近現代史を日本に都合よく見ようとする歴史観が貫かれている」「中国への侵略、朝鮮半島の植民地支配については後ろ向きだ」「バランスを欠いている」などと批判している。

(中略)これから八月末まで五カ月間、全国の教育委員会で、教科書を選定するための採択に向けた作業が行われる。その時期に、一社だけを狙い撃ちするような社説は、教育委員に不必要な予断を与えかねない。(中略)

新しい歴史教科書をつくる会は、中学教科書に「従軍慰安婦」など極端に自虐的な記述が増えた平成八年、次代の日本を担う子供たちに正しい歴史を伝えようと集まった人たちだ。そのメンバーが執筆陣に加わった教科書を、快く思わないからといって、それだけを排除しようとする朝日新聞の態度こそ偏狭ではないか。

検定合格した八社の教科書には、朝日新聞の論調に近い教科書もあれば、そうでない教科書もある。いろんな教科書があっていいし、また、そうあるべきだ。それらを教育委員らが読み比べ、子供たちに最も良いと思われる教科書を選ぶのが採択である。

そのためには、外国の圧力国内の特定政治勢力の妨害左右されない静かな環境が必要である。すでに、中国と韓国が朝日新聞に同調し、扶桑社非難を始めている。両国の内政干渉こそ、排除されるべきである。

(コメント)

「自由な言論を封殺するもの」とは、過剰反応ではないでしょうか。「教育委員に不必要な予断を与えかねない」とも言っています。また、教育委員がいろんな教科書を読み比べ、子供がちに最も良いと思われる教科書を選ぶのが採択であるとし、「そのためには、外国の圧力や国内の特定政治勢力の妨害に左右されない静かな環境が必要」だとしています。

この論法で行けば、新聞社は裁判で係争中の事件については、裁判官に不必要な予断を生じる恐れがあるから論評を差し控えなければならない、ということにもなりそうです。

「裁判官」なら大丈夫なのでしょうか。これからは、素人の陪審員が判断する場合がでてきます。その場合は裁判についての論評はどうすればいいのでしょうか。

「静かな環境」を確保するためには、言論は一歩後退すべきなのでしょうか。

むしろ、教育委員の役割は、様々な議論があることを前提に、自己の主体的な判断で教科書を選ぶことにあります。それができないのなら、教育委員としては不適格だということになります。

教育委員会は、政治的中立を確保し、地域の実情に合った教育行政を行うことを目的として設置された行政委員会です。その一員たる教育委員を、迷える子羊のように描くことの不自然さにこそ注意が必要です。

あるいは、産経新聞の朝日新聞に対するコンプレックスなのかもしれません。それが、「自由な言論を封殺するもの」という過剰表現にもつながっているのではないでしょうか。産経新聞。堂々たる新聞です。自信を持って下さい。

勿論、「外国の圧力」からは自由であるべきです。純然たる国内の問題ですから。「国内の特定政治勢力の妨害」から自由であるべきことも教育委員の中立性から当然のことです。

[2005/04/07]  「つくる会」歴史教科書への朝日の批判

(朝日新聞社説「『つくる会』こんな教科書でいいのか」の抜粋)

・・・何よりも問題なのは、光と影のある近現代史を日本に都合よく見ようとする歴史観が貫かれていることだ。

今回、「アジアの人々を奮い立たせた日本の行動」「日本を解放軍としてむかえたインドネシアの人々」という囲み記事が新たに登場した。日本が占領した地域の代表者らを集めた「大東亜会議」もくわしく説明している。

一方で、中国への侵略、朝鮮半島の植民地支配については後ろ向きだ。沖縄戦についても、ひめゆり部隊や集団自決などの悲劇には一言も触れていない。

検定で修正されたものの、当初、満州国は関東軍だけでなく「現地人政治家」も加わって建国された、となっていた。韓国併合についても、一部に併合を受け入れる声もあった、と書かれていた。検定意見を受けて修正された個所は、近代以降の近隣諸国との関係を中心に、124カ所にのぼった。

「つくる会」の会報は今回の歴史教科書の申請本について「旧敵国のプロパガンダから全く自由に書かれている教科書」と自賛している。しかし、アジアの人々に強いた犠牲を「プロパガンダ(宣伝)」で片づけることはできない。

日本を大切に思うなら、他国の人が自分の国を大切にする心にも敬意を抱くべきだ。そうであってこそ、周りの国と互いに理解を深めることができる。

「つくる会」の歴史教科書は、そのバランスを欠いている。4年前、朝日新聞は社説で、教室で使うにはふさわしくないと主張した。今回も同じことを言わざるをえない。・・・

(コメント)

朝日新聞の社説は、半分は当たっていますが、指摘していないところに「つくる会」教科書の致命的欠陥があると思います。

「つくる会」教科書には、各時代に特有の価値観を尊重する姿勢が基調としてあります。平安時代や鎌倉時代の歴史を学ぶときは、そのことにより歴史を興味深く学ぶことが可能になります。

しかし、近現代史を学ぶ場合には、歴史を鏡として現在の社会のあり方を考えるという作業ができなくなります。大日本帝国滅亡を招いた失敗の原因は何なのか。この大テーマに答えることができないのです。

歴史における「失敗学」が考慮されない、「しかたがなかった」史観では、国益より省益を重視した陸軍・海軍の過ちが免責され、合理的国家意思形成ができなかったことへの反省を欠くことになります。

現在も繰り返されようとしている、「国益より省益」の悪弊、戦前は「武」戦後は「文」の官僚制度の弱点を見抜き、克服することができないことになります。

[2005/04/06]  楢崎弥之助氏の著書

4月4日、福岡国際ホールに約一千名が集い、楢崎弥之助氏の出版記念、および楢崎欣也衆議院議員の議員活動5周年記念、激励と歓談の夕べが催されました。

「国会の爆弾男」・楢崎弥之助氏ももうすぐ85歳ということで、いいおじいさんになっておられました。しかし、菅・前民主党代表はじめ、そうそうたる来賓各位の祝辞の後で、「ちょっと長くなりますが・・」と断って始めたスピーチは、35分間聞き耳を立てて聴講するに値するものでした。

終戦の後、楢崎氏が妻に遺書を書いて徹底抗戦を叫ぶ海軍の一団に呼応しようとして果たせなかったこと。学徒動員で軍隊に入り死んでいった親友が、生還の保証がないため、恋人の求婚を断りながらも断ち切れぬ想いをつづった文章「くちなしの花」が、「きけわだつみのこえ」に収録され、後に遠藤実作曲・水木かおる作詞により渡哲也の大ヒット曲になったこと、等々。

私が予備校生だった頃、友人の親戚の方が共産党の松本善明衆議院議員の秘書をしていた関係で、国会見学をさせてもらいました。そのとき、目の前を楢崎弥之助衆議院議員が通り過ぎるのを見かけました。あれから33年。あのときの楢崎氏は、ちょうど私と同年配だったことになります。

私のこれからの33年間はどうなるのだろうか、どうあるべきであろうか、しばし考えました。

著書が2冊同時に発売となりました。「遺書・楢崎弥之助−命ひとすじ−」西日本新聞社刊。「今、時を追い、政界を斬る」文芸社刊。福岡の土産に紀伊國屋書店で買って帰りました。

[2005/04/02〜05]  福岡出張

福岡2区、平田まさのり氏の応援。

[2005/04/02] 合併における「行革度」、伊予市が全国3位。

(日経新聞4月1日の記事要約)

大詰めを迎えた「平成の大合併」について、日本経済新聞社と日経産業消費研究所がこの1年間(200441日―0541日)に発足の全国187市の合併効果を比較したところ、岐阜県高山市が職員・議員の削減などで健闘し、行財政改革の進展でトップになりました。

合併を促してきた特例債の活用については、平均発行額が限度額の7割強にとどまり、各市とも慎重姿勢になっています。

行財政改革の最大の柱である職員数削減について合併後5年間の計画を聞いたところ、回答のあった96市の平均は77人(削減率7.2%)でした。経費節減効果は5年間累計で平均114300万円の見込み。削減率が最も大きいのは高山市(31.5%)で、伊予市(20.3%)がこれに続きます。

議員削減等を含めた全体としての行財政改革ランキングでは、伊予市は3位。

(コメント)

平成の市町村合併の本質は、夢も希望もない「行政改革」です。声なき弱小自治体の犠牲によって、経費節減に励むことになります。

「夢や希望」を語りすぎた自治体は、破綻の運命を免れません。特例債を使っての「箱物」建設は、将来に禍根を残す恐れがあります。

「霞ヶ関」のリストラが先決課題だったと思います。しかるに、それをやらず、「中央集権」で乗り切ってしまいました。特例債の使い道にも霞ヶ関からの限定があります。

道路・箱物の類にしか利用できない特例債を使うのではなく、特例債・限度枠の3分の1の現金をもらえれば、もっとましな合併ができるはずです。

[2005/04/01]  飲酒取り締まりにキャッシュバック

(ニュース)

衆議院内閣委員会は3月30日、愛媛県警や北海道警で相次ぎ発覚した不正経理問題を集中審議しました。

民主党・宇佐美登氏は、愛媛県警の仙波敏郎巡査部長と2月に松山市で面談した際に、「1987年に松山東署で飲酒運転を検挙すると、1件当たり1000円の現金が交通課長から渡されていた」との新たな証言を得たことを指摘し、質(ただ)しました。警察庁の漆間巌長官は、「指摘がある以上、きちんと事実関係を調べて対処する」と答弁。

民主党は、出どころ不明の裏金疑惑が一層深まったとして、仙波巡査部長の国会への参考人招致を求める方針です。

仙波巡査部長によると、松山東署に勤務していた87年4月、飲酒運転検挙に「報償制度」が導入され、現金は月末にその月の分がまとめて渡されていたということです。

88年4月からは、「東署方式」と呼ばれる報奨制度が、仙波氏の転勤先の伊予署でも導入され、導入後の検挙件数が3倍以上になっています。仙波氏によれば、10件の検挙ごとにボーナス1000円が加算されていたとのこと。

(コメント)

キャッシュバックの原資は何か?やっぱり裏金か?

この疑惑、追求していくと、収拾不能の事態にまで発展する可能性があります。だから落としどころを、という訳にもいきません。

第2警察を創設し、「現警察」を捜査して徹底的に膿を出し、現警察の中から良質の部分を第2警察が再雇用するという方式はどうでしょうか。

「癌(がん)」は、全身(全国)に転移していたものと見られます。

仙波氏に、国会であらいざらい証言していただきたいと思います。

[2005/03/31]  ある投書

(プレス民主121号<4月1日号>に掲載された、投書の抜粋)

民主党の議員が小泉首相に対して「能天気」と発言したところを見ました。

国民感情として、良くそれはわかりますが、いわゆる言葉の攻撃は、百害あって一利なしと思います。どうも代表質問になると、言葉の攻撃で終わってしまいます。民主党の伝統なのでしょうか?このやり方は止めてください。

理論で相手の矛盾を突くとかして、論破すべきです。・・・

これから自民党にとって代わるべき政党として、戦略をもっと練って、でたらめ政策を切って捨て、国民が留飲を下げられるようお願いします。・・・

(コメント)

確かに、発言者の感情の表出としての意味しかない場合があります。論理的ではない小泉総理に感情で対立したのでは、「売り言葉に買い言葉」的なやりとりに終始し、ドロー(引き分け)に持ち込まれてしまいます。

「質問1」「回答1」「質問2」「回答2」とやって、回答1と回答2の論理矛盾を突いていくことができれば、これこそ「プロの技」として評価されるでしょう。

論理という武器を磨き、国民的な評価に耐える政治家像を追求していくべきであろうと思います。

[2005/03/30]  出生・死亡予想以下、高齢化予想以上

(ニュース)

2004年に日本で生まれた赤ちゃんは、政府が取りまとめた速報値ベースの統計で日本在住の外国人も含め、112万1千人だったことが分かりました。2003年に比べ1万4千人少なく、4年連続で戦後最少記録を更新しました。出生数は政府の見通しより3万人超少なくなっています。

合計特殊出生率(1人の女性が一生に産む平均子ども数)は、2003年に1.29と戦後最低になりましたが、2004年はさらに低下した可能性があります。

厚生労働省の外郭団体、国立社会保障・人口問題研究所が2002年1月に公表した「日本の将来推計人口」の中位推計では、2004年の出生数を115万4千人と見込んでいました。しかし、実際には3万3千人下回りました。

一方、総務省が先月発表した2004年10月1日現在の総人口は1億2768万7千人で、中位推計を5万人強上回りました。出生数が中位推計を下回ったのに人口が同推計より多かったのは、死亡者数が103万4千人(前年比1万3千人増)と、同推計より少なかったことが影響しました。

出生数、死亡数とも政府予想より少ない状況が続いていることから、少子高齢化の進行が政府の予測値より速くなっており、昨年施行されたばかりの新年金制度や医療・介護といった社会保障制度に大きな影響を及ぼしそうです。

(コメント)

出生はともかく、死亡者が予想より少ないということはめでたいことです。世間では人生80年と言っていますが、私は人生100年という計画でいた方がいいと思っています。

私の祖父母は、50歳で引退して60歳ころ死ぬだろうという人生設計だったのでしょう。予想外の長生き(祖父・76歳、祖母・81歳)に当人達は戸惑っていたような気がします。

超高齢社会の到来は避けられません。問題は後半の人生の質です。超高齢社会を楽しく生きるためのノウハウを先人達に蓄積していただき、我々後輩が参考にさせていただきたいものです。

<注>中位推計:国立社会保障・人口問題研究所は、年齢別の平均死亡率や出生率などに基づいて日本の将来人口についての3種の推計値を5年ごとに算出します。その中で真ん中の数値を中位推計と言います。高位、低位推計もありますが、年金、医療、介護といった社会保障制度の策定など、一般に政府や地方自治体が政策決定の際の基礎資料に用いるのは中位推計です。生命保険会社など民間企業なども利用しています。

[2005/03/29]  2地域居住

(ニュース)

国土交通省が人口30万人以上の都市住民1万人余りにアンケートをしたところ、1年のうち通算で1か月以上農村や山村で暮らす「2地域居住」をしている人は全体の2.5%であることが分かりました。全国では100万人に上るものと見られます。

将来について、「2地域居住をしてみたい」と答えた人は、年代別では50代が55.8%と最も多くなっており、国土交通省は、団塊の世代が定年退職を迎える数年後には、2地域居住への志向はさらに高まると予測しています。

国土交通省は「一過性の観光客とは異なり、こうしたライフスタイルを取る人が増えてゆけば、過疎に悩む地域の活性化にもつながる」として、農村や山村にある空き家の提供や、3連休を増やす柔軟な休暇制度の導入など、2地域居住を支援する具体的な方策を検討することにしています。

(コメント)

田舎の両親が高齢化し、都市部の子女が週末に両親と暮らすというパターンも多くなると予想されます。「ライフスタイル」ということだけではおさまらない高齢社会の一断面と見る余地があります。

とは言え、2地域居住が拡大することは、地域活性化にとって朗報ではあります。「住民」の要件についても再考する必要があります。住民税の負担をどうするのかを考えるべきです。第1居住地と第2居住地とで住民税を分け合う発想が求められます。

人の移動にも着目すべきです。民主党が主張する高速道路の無料化は、2地域居住に貢献する政策でもあります。

[2005/03/28]  政治家のホームページ

立候補予定者を含めた政治家のホームページを見て気付くことの第一点は、ほとんどの方が自分の顔を「表紙」に載せているということです。

これは至極当然のことで、政治家たる者、自分の顔を売らなければ有権者に自分を売り込むことができず、選挙を勝ち抜くことができないからです。

売名行為という言葉がありますが、こういうのは「売顔行為」というのでしょうか。

私の場合、天の邪鬼なので、わざと表紙に顔を出していません。「真理探究」ということを第一義として、「四国の星」というタイトルにこだわっています。

党本部が見たら、ふざけた野郎だなと思うでしょうが、もうしばらく表紙に顔をださないスタイルで行くつもりです。(顔が売れると気楽に街を歩けんじゃないか、などと言ったらひんしゅくを買うでしょうから、そうは言いません。)

「活動報告」はない。ひたすら意見ばかり書いているホームページ。民主党の候補(予定者)としては、劣等生の部類に属するであろうと自認しております。

誰も考え付かないことを考える。そういう自分をつくっていくことを目標としています。他の人と差別化できない政治家が1人増えても、どうということはないと思うものですから。

それにしても、ホームページのリニューアルが遅れています。謹んでお詫び申し上げます。

[2005/03/27]  五色姫復活祭

3月27日、第17回女性の祭典・五色姫復活祭(10時〜15時)。毎年3月の第4日曜日開催。

愛媛に春を呼ぶ伊予市の春祭り。平家の5人の美しい姫達が世をはかなんで海に身を投げ、赤・黄・緑・白・黒の五色の石になったという伝説(五色姫伝説。これが名勝・五色浜の由来)を基に、姫達の復活を祝う祭典です。

女性が主役のイベント。五色姫パレード、女性御輿かきくらべ、女性のど自慢、伊予市まちめぐり(伝統的な町家探索)など、様々なイベントが五色浜から商店街にかけて繰り広げられます。

このイベントに参加するようになって13年になりました。準備に95%の比重があります。雨天になるとイベント内容が変わってしまいます。五色姫が船に乗って街に繰り出す企画が面白いのですが、残念ながら姫達に歩いてもらわなければならなくなるかもしれません。

天気が心配です。昼からの降水確率80%。朧月夜の前夜。

[2005/03/26]  市町村合併と「民主化」

市町村合併は、自民党の「兵隊」がなくなることを意味します。自民党の自殺行為です。これは、国政選挙での自治体首長や議員の役割を考えればよく分かります。

加えて、開票の仕方が従来と変わることにより、自民党の締め付け効果がなくなります。これまで、各自治体は自治体ごとの開票結果により自民党の「先生」との関係が悪くなりはしないか、ハラハラドキドキしていました。それが、大きな自治体で一括して開票される結果、「有権者」として高みの見物ができるようになります。

地方における投票パターンが緩やかな都市型に移行することになる結果、政治風土が開放的になり、価値観の多様化も進んできます。

私は市町村合併に反対してきましたが、政治風土の変革という点ではプラスの面を認めざるを得ません。本来なら、従来の自治の枠組みの中で「民主化」をしていかなければならなかったはずなのに、自堕落な自治が横行し、「国策合併」に対抗するだけのねばりを欠く結果となってしまいました。

自治の破綻が市町村合併を促進することにつながり、結果として「民主化」という「果実」を生み出すことになります。無謀な太平洋戦争に突入したことで古い仕組みが破壊され、戦後の繁栄につながったのと似ています。

[2005/03/25]  十六字憲法

敵進我退(敵が進めば、我はしりぞく)

敵駐我攪(敵がとまれば、我はみだす)

敵疲我打(敵が疲れれば、我はうつ)

敵退我追(敵がしりぞけば、我は追う)

毛沢東は短い単語で文字の読めない農民たちにゲリラ戦術の極意を教えました。毛沢東が農民に示した有名な「十六字憲法」です。

「敵が進攻する姿勢を見せているときには退却せよ、敵が止まるときにはこれを攪乱せよ、敵が疲れたときは打って出よ、そして、敵が退却し始めたら追え」という意味。

このように、簡単明瞭な指示を出して、目的が達成できれば素晴らしいと思います。

政権交代に向けて、簡単かつ明瞭な政策を提示したいものです。別に、国民のレベルが低いわけではありませんが。

[2005/03/24]  疑わしきは警察官の利益に

(昨日の続き)

植草一秀氏有罪。罰金判決。

裁判官が警察官の話を信じるのか、被告人の抗弁に耳を傾けるのかが問われる裁判でした。

「現行犯」と聞くと、犯罪事実は明白と思われる方が多いでしょう。しかし、逮捕者=目撃者(本件の場合は警察官)の証言が信用できることが前提になります。

この事件、最初に聞いたときから逮捕に至る経緯が不自然であり、ストーリーがつくられているという印象を持ちました。そして、警察官が、ある人物が客観的に見て「李下に冠」状態にあるときに、「オイ、何をやってるんだ!」とやれば、誰でも犯罪者に仕立て上げられることになってしまうであろうとの危惧(きぐ)を感じました。

逮捕直後に自白を誘導する手口。冒頭陳述により予断と偏見で固めてしまった手法。どうも警察・検察が高尚であるとは思いがたい展開でした。

裁判官としては、被告人の「言い訳」に耳を貸すより、警察官の「証言」と「現行犯」としての逮捕手続きを重視する方が安全であったと思います。

疑わしさが残ったとして、「疑わしきは被告人の利益に」ではなく、「疑わしきは警察官の利益に」という、官が官をかばう図式に見えてしまいます。

念のために付言します。「真実」を問題にしているのではなく、このような手法が横行すると、「犯罪者」が容易に「生産」されてしまう危険があることを指摘しておきたいのです。

[2005/03/23]  植草一秀氏に関する週刊金曜日の記事

昨年、7月3日、8月31日の「一言」でも取り上げた経済評論家・植草一秀氏に関する事件を再び取り上げます。週刊金曜日no.549(3月18日号)で、植草氏のインタビューが掲載されています。

昨年4月、神奈川県警鉄道警察隊が横浜駅から尾行して、品川駅の昇りエスカレーターの途中で植草氏が手鏡でスカートの中を覗こうとしたとして、東京都迷惑防止条例違反で逮捕・勾留し、起訴した事件がありました。

1名の警察官の目撃証言が証拠。しかも、その証言内容が二転三転していると、傍聴した記者が書いています。

植草氏によれば、逮捕ではなく職務質問中の所持品検査で手鏡がでてきたもので、それを見て警察官が驚いていたということです。そうだとすると、「手鏡で云々」というのは想像ということになります。

植草氏はインタビューの中で、利益誘導に乗り、一旦「自白」した経緯について述べています。人間心理の弱点を上手く突いた誘導が行われています。

この事件で当初から不自然に思うのは、検察側の冒頭陳述が裁判官(そして社会)に対して予断と偏見を植え付けることを主目的としているのではないかと思われるほど、被告人の性癖や前科を暴露してきたことです。

立証の柱が、1人の警察官の証言しかないという弱さを自覚してのものだったのでしょうか。あるいは、「被告人」を社会的に葬り去ることを主目的としたようにも受け取れました。

警察・検察は、「犯罪者」を「製造」することができます。被告人の人権を擁護できるのは、弁護士と裁判官です。裁判官が砦となれるのかどうか。

3月23日、地裁判決。

(この文章は、日付の前夜に書いているので、判決後にまた論評したいと思います。)

[2005/03/22]  内野手

政治に関する議論をしていて時折感じる違和感。国会議員が上位で、その下に県議会議員がいて、さらにその下に市町村議員がいるという認識を前提として議論がなされることです。

これは、中央集権体制を前提とした発想です。国家が「機関車」であり、地方は機関車に引っ張られる「客車」であるという考え方が無意識の領域に刷り込まれているのでしょう。

地方主権型社会では、国民(住民)に一番近い市町村議員が最上位にあると考えて何の不思議もありません。市町村議員が最上位。県議会議員がその下座。国会議員は最下位。

ここまで言うつもりもありませんが、少なくとも、市町村議員は住民に近いところで地域の問題を守備範囲とする「内野手」、国会議員は外野へのフライや安打を処理して大量失点を防ぐ「外野手」であるというくらいのことは言ってもいいであろうと思います。

県議会議員? これがどうにもならないくらい中途半端な存在なのです。「中二階」と言ったらクレームが来るでしょうか。

[2005/03/21]  見て見ぬふり

(ニュース)

不良行為をしている少年を見かけた時、「見て見ぬふりをする」と答えた人が5割を超えることが、内閣府が3月19日公表した世論調査で明らかになりました。

「見知らぬ少年が喫煙しているのを発見したり、深夜に少年のグループが公園などに集まっているのを見つけた場合、どうしますか」との質問に「注意したいが、見て見ぬふりをする」との回答は54.0%に上り、01年11月の前回調査の49.8%より4ポイント以上増えています。「警察官に連絡する」が14.2%、「注意する」は11.5%でした。

見て見ぬふりをする理由については「少年に暴力を振るわれるおそれがあるから」が78.8%を占めました。

(コメント)

見て見ぬふりをするのが、処世術として妥当だと思います。

中学生・高校生にもなると、普通の大人では手に負えない存在になります。面識がないと、相手のことが分からず、どう対処して良いのかが難しいので、勢い乱暴な話になってしまいます。下手をすると注意した大人が犬死にしてしまうことも考えられます。

面識があって、平素ものを言っている相手だと、コミュニケーションが取りやすく、注意・指導が有効です。少年も素直に応じることが期待できます。

要するに、大人と少年とのコミュニケーションの問題です。地域コミュニティの輪を広げていくかどうかの問題でもあります。

大人が職業社会に閉じこもり、不良少年が不良少年だけの閉塞社会に生きていることの一断面が、「見て見ぬふり」という現象に表れています。

大人(特に男性)が地域社会で主人公となり、少年達と積極的に関わっていく努力をすることにより、お互いが顔の見える関係となり、それが非行抑止の防波堤となります。

「昔は怖いおじさんがいた」が今は・・という嘆きは、一定の努力を社会全体が行うことによって解消することができます。

変質者が横行し、「変なおじさんに話しかけられても無視しなさい」と教えられる昨今。うっかり子供に声も掛けられない状況ができあがっています。

私たちは、地域コミュニティを再生して、存在感のある「おじさん」になっていく努力をしなければなりません。ある日突然、単純明快な「昔のおじさん」に変身することはできないのです。

立て!万国のおじさんたち。連帯せよ!

[2005/03/20]  公務員の採用は40歳からでいい

これからの公務員採用は、40歳からでいいのではないでしょうか。社会的な体験を経て、公僕として働いてみたいと思う人がなれば、緊張感のある仕事ができると思います。60代で公務員になっても面白いでしょう。

これまで、公務員が一生の仕事ということが大前提となっていたこと自体を疑うべきです。国家や自治体、コミュニティーの事務を受任しているのが公務員であり、様々な経験をした後に職業として選ぶ方が、その職責を自覚しやすいし、全力投球もしやすいはずです。

40歳まではどうすればいいのでしょうか。様々な人生がありうるでしょう。世界を放浪していてもいいでしょう。海外で国際貢献をするという経験も貴重です。もちろん、一般企業で働く場合が多いでしょうし、起業したり、自営業をやるケースも想定されます。

若い人材を必要とする場合(例えば技術職)は、アウトソーシングすれば人材の調達が可能です。

公務員を人生後半の職業として位置付ければ、多様な人生を送ることが担保されます。人生二毛作三毛作を推進していくべきです。最初の職業選択で失敗しても、リターンマッチがある社会の方が、自由度が高いと思います。

[2005/03/19]  「地区」の地域づくり

16日の日経新聞で、倉敷市玉島地区のおかみさん会のことが紹介されていました。おかみさん会が独自の商品開発や起業支援を行い、地域づくりに取り組んでいます。

旧玉島市。昭和42年の合併で倉敷市西部の一地域となりました。現在でも倉敷市とは別の街区を形成しています。

人口は6万4千人。堂々たる「市」の人口ですが、「地区」であるが故に知名度が低下し、地域のイメージがつかみづらくなっています。

「玉島は北前船の昔から海産物や農産物などの集積地として繁盛してきた歴史がある。それなのに広域合併で倉敷市に入って以来、知名度がかなり低下してきた。白桃やアナゴ、シャコなど産物は多いのに、岡山市の人ですら知らないのではないか。町を全国発信して知名度を上げたいと、四十代の女性ばかりで2002年11月に旗揚げした・・・」と代表者は語ります。

「地区」でなにかやろうとすると、「市」は政府のような存在になるのではないでしょうか。平成の合併で「地区」となられる自治体の方々に警告しておきます。後から地域づくりをやろうとすると、10倍のエネルギーが必要です。

松山市三津浜地区にも地域づくり組織があります。かつて、伊予市のまちづくりグループとと交流会をしたことがありました。そのとき、松山市から「独立したい」という声も聞こえました。

温泉郡三津浜町。昭和15年、松山市と合併(編入)。

[2005/03/18]  あの事件を連想

(ニュース)

4人が死傷した東武伊勢崎線竹ノ塚駅の踏切事故で、業務上過失致死傷容疑で逮捕された同駅踏切保安係の容疑者が警視庁の調べに対し、「渋滞を緩和するために、普段から自分の判断でロックを解除して遮断機を上げていた。ほかの係員もやっていた」と供述していることが分かりました。

列車の通過本数が多く「開かずの踏切」になっているのを、少しでも解消するためだったということです。警視庁はこうした実態を東武鉄道本社の関係部署が黙認していた可能性もあるとみて調べています。

2003年の国土交通省調査によると、現場踏切はピーク時の1時間に59分間遮断機が下がった状態になる、都内でも有数の「開かずの踏切」でした。通行人から「遮断機が下りている時間が長すぎる」などという苦情が本社や駅に寄せられることもありました。

こうした状況の下、容疑者は自らの判断で通行人が渡れる時間を計算し、遮断機のロックを解除して操作していたとみられます。こうした内規を逸脱した運用は自分だけでなく、他の係員にも浸透していたと、容疑者は説明しているようです。

同社や同駅によると、遮断機のロックの解除には当務駅長の指示が必要で、保安係が勝手に操作することは禁じられていました。同社は「人命の危険がある場合は保安係の判断で遮断機を上げることはあり得る」とし、それ以外の場合に遮断機を上げることは「考えられない」としています。

(コメント)

1999年9月30日、茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)東海事業所の転換試験棟でウラン溶液製造中、核分裂の連鎖が続く臨界状態が発生、中性子線が放出される事故がありました。作業員2人が相次ぎ死亡。住民ら663人も被ばくし、国内原子力史上最悪の事故となりました。 

JCOでは事故当時、市販のステンレス製バケツにウランの粉末と硝酸水を入れ、スプーンのようなものでかき混ぜていました。バケツで沈殿槽に大量の溶液を一度に投入したとき、臨界状態が発生しました。

本来のマニュアルとは違うやり方が現場の慣行となっているケースです。現場の慣行となっているのは、それなりの合理性があるからでしょう。

しかし、現場慣行に盲点があり、それが惨事の引き金になるということは、事後的にしか分かりません。現在ある、各種の「慣行」の合理性を疑って掛かる必要があります。

私たちも日頃、車という「凶器」を使っていますが、何時しか教習所で習ったことを忘れ、「現場慣行」に従うようになってしまっています。

要反省。

政治の世界にも「現場慣行」が多くあり、発覚してから「しまった」ということが多いようです。

[2005/03/17]  宇和島市の映画館

四国西南部の中心都市、人口6万人の宇和島市(合併後は9万人余)

宇和島市に映画館がなくなってしまったというニュースがありました。いわゆる「商圏」が数十キロに及ぶこの都市に映画館がなくなったということの意味は重大です。

都市とは何かという問題にも関係します。都市とは、人が出会い、集い、交流する場であり、様々な商品やサービスが提供される場です。

サービスの重要な要素に、エンターテインメント(娯楽、演芸)があります。この分野に魅力がなければ、若者の流出が起こります。

都市におけるエンターテインメントの重要な構成要素としての映画館の喪失は、その都市の中心性の喪失にもつながります。宇和島市が四国西南部(高知県にも及ぶ)の中心都市であるだけに、大きな損失です。

今後、郊外型の映画館ができるのかもしれませんから、即断はできませんが、できることなら、中心市街地に公設民営(でいいから)の映画館が復活して欲しいものです。

ちなみに、宇和島市の人口は激減しており、国立社会保障・人口問題研究所ホームページのデータベースを活用して現在と同一出生率で推移した場合に将来の宇和島市の人口がどうなるか調べたところ、50年後は3分の1、100年後(2100年まで推計可)は10分の1になるという予測でした。

[2005/03/16]  NHKの自立

(ニュース)

NHKの中山壮介理事は15日、NHKの2005年度予算案を審議する衆院総務委員会で、3月末に受信料の支払い拒否・保留が2月末の56万件から増えて、70万件に達する可能性があることを明らかにしました。

NHKは1月下旬時点では、3月末の不払い・保留を45万〜50万件と見込み、05年度の受信料収入を前年度比72億円減の6478億円としていたが、70万件分が未回収のままだと、さらに40億円減る見通しとなります。

(コメント)

任意の支払いで成り立つ受信料制度は限界です。東欧の社会主義国が崩壊したように、雪崩を打って制度崩壊に突き進む可能性もあります。

麻生総務大臣がいうような「罰則」は論外として、従来のあり方とは別の路線を考えるべき段階に達しました。

技術的には、受信料を支払えば視聴できるシステムは可能でしょうし、受信料+コマーシャルという手もあり得ます。

NHKが映像メディアとして持つ巨大な可能性に目を向けるべきです。予算審議でペコペコする必要などありません。自立の道を模索して欲しいものです。

NHKのファンとして、政治家に「御説明」したりするような情けない状態を是非とも脱していただきたいと思います。

[2005/03/15]  35道府県で人口減少

(ニュース)

総務省は14日、2004年10月1日現在の都道府県別と年齢別の推計人口を発表しました。35道府県で人口減少。死亡数が出生数を上回ったのは過去最高の24道県。65歳以上の老年人口(高齢者人口)の割合はすべての都道府県で上昇し、首都圏や関西圏など大都市部での増加率の伸びが目立っています。

年齢別人口でも、90歳以上が101万6000人と初めて100万人を突破しました。

総人口は1億2768万7000人。前年と比べた増加率は戦後最低の0.05%。都道府県別では秋田の0.72%減を最高に青森0.64%減、島根0.62%減と続き、増えたのは沖縄0.74%増、東京0.55%増、神奈川0.53%増など12都県にとどまっています。

老年人口の割合は島根の26.8%が最高で、30道県で20%超となるなど全都道府県で上昇。逆に、14歳以下の年少人口の割合は45道府県で低下し、老年人口より年少人口が多かったのは沖縄だけでした。

(コメント)

大半の道府県で人口減少の流れとなっています。このホームページでは、市町村合併問題、人口減少問題、高齢化問題について、しつこく追いかけています。

これからも人口が増えると思っている方が多いようです。目に見える現象として、まだまだ家が建っていますが、これは核家族化による世帯数の増加によるものです。

線引き廃止を求める声が各地で上がっています。しかし、人口減少が本格化すれば、世帯数の伸びも止まります。

人口が減少する以上、都市の拡大は抑えなければなりません。都市の無秩序な拡大は、社会基盤整備が後追いになることにより、非効率を生みます。財政の問題を考えても無理が出てきます。

今こそ、都市の戦線縮小を考えるべきときです。

[2005/03/14]  受刑者と農業体験

(ニュース)

政府は12日、受刑者の更生のための農作業体験を拡充していく方針を固めました。特に服役態度が良好な受刑者については、一般の農家に派遣して労務提供をします。過疎地域の農家を支援する狙いもあります。

2005年度から農業技術指導者の派遣など、法務省と農水省との協力をスタートさせ、刑務所周辺の農家との調整がつき次第、受刑者を派遣します。現在、鹿児島刑務所で実施に向けた周辺住民らとの調整作業が進んでいます。

刑務所での農作業は全国延べ15か所で行われています。今後、他の刑務所にも広げていく予定。現在は構内の園芸作業や、構外の専用施設での農耕作業、牧畜作業などを実施しています。

受刑者処遇への農作業の活用は、植物や生物を育成することにより情操教育に役立つとされています。農耕機械の運転技能や農業技術を習得することにより、出所後の職探しにもつながることが期待されます。

(コメント)

受刑者処遇の最終段階での話だろうと思います。人に危害を加えたり迷惑を掛ける可能性が小さいと判定された犯罪者には、最初から農作業体験をさせるべきです。

「ムショ帰り」のレッテルには厳しいものがあります。また、刑務所は犯罪手口を学習する「学校」としての側面もあります。

(逮捕→勾留→)起訴→判決に至る過程で、多くの犯罪者(初犯者)は後悔しています。更生可能性が高いのにわざわざ刑務所に入れることは不合理だと思います。

[2005/03/13]  198兆円

(朝日新聞のニュースより)

政府は11日の閣議で、05年版の「地方財政の状況(地方財政白書)」を決定した。地方自治体の03年度決算では、地方債の残高に交付税特別会計の借入金などを加えた地方の「借金」の総額は、年度末で198兆2802億円。前年度より5兆2000億円余り増え、過去最高水準を更新した。歳出入の規模は4年連続で縮小した。

地方の借金総額は、景気対策のための地方債の増発や、減税による減収を補うためなどに92年度末から急増。03年度は91年度の約2.8倍に膨らんだ。04年度決算はまだ出ていないが、予算からみると200兆円を超える見通しだ。

歳出総額は92兆5818億円で、前年度比2.4%減。公共事業費などの投資的経費が同12.4%、人件費が同1.8%減ったが、借金の返済に充てられる公債費は同0.9%増えた。

地方税や普通交付税など使い道が限定されず毎年入ってくる財源のうち、人件費や公債費など必ず支出しなければならない経費の割合を示す「経常収支比率」は89%(同1.3ポイント減)。過去最高を記録した前年から3年ぶりに減少に転じたものの、80%が目安とされる適正水準にはなお遠い状況だ。

(コメント)

地方の借金の多くは、景気対策の国策によるものです。地方自らの判断でつくった借金ではないのが悲しいところです。

10億円の箱物が1億円でできるからもうけものだというような感覚。後のランニングコストは思い至らず。このような地方自治を卒業しなければなりません。

全部地方に任す。地獄に堕ちる自由もあるよ、ということでやれば、地方の自立につながります。

[2005/03/12]  貸し付けろ(2)

豊かな社会の「小皇帝」にはお金が掛かります。取り分け、教育費の負担は大変です。

私は、子供自身に国(自治体)が貸し付けを行うべきだと思います。現物給付(教育クーポン券)も考慮に値します。

子供時代から借金を背負うことになります。それを自分自身の働きで返していくのです。返還は基本的な部分(高校まで)は任意とします。

「愛国心」などと無限定な概念を押しつけるより、社会に対して○○○○万円の借金があると考える方が具体的であり、腑に落ちやすいはずです。税金を払うことへの責任感も醸成できます。

「出世払い」だ。頑張れ子供達。と、いきたいところです。

[2005/03/11]  貸し付けろ

年金制度一元化の議論が進み、最低保障年金の額が具体的な問題になると、生活保護費との関係が気になります。生活保護費の方が年金より多くなることがあり得ます。

年金は正面玄関からの権利、生活保護は裏口からの権利だと思います。しかし、そういう風に言っても納得しない人がいます。

生活保護費は貸し付けにすべきです。いずれ生活が楽になったら返すことにするのです。催促はなし。

当然の権利として年金を受け取るのと、国(自治体)から借金をするのとは明らかに違いますから、不公平感は緩和されます。

生活のための已むを得ざる借金だ。いずれ返さなければならないという方が、緊張感が出てくるでしょう。

[2005/03/10]  陸軍記念日

100年前の3月10日は、日露戦争で奉天会戦があった日。後に陸軍記念日となる日です。

60年前の3月10日。東京大空襲。陸軍記念日と知ってアメリカがやったのでしょうか。 

[2005/03/08〜10]  出張

東京2日と新居浜。

[2005/03/08]  道後独立運動

7日の愛媛新聞。「時代の轍(わだち)」という特集記事が印象に残りました。

戦時中の1944年に、道後温泉を擁し財政力豊かな道後湯之町が松山市に吸収されます。「戦力増強」のための国策合併でした。敗戦後3年経って合併に不満な道後の住民が独立運動を激しく展開しましたが、実現しませんでした。

記事の末尾に、「戦力増強」の意味を問う箇所があります。

道後在住の元県職員の答え。「国の意思が地方に通りやすくなりますよね。それと厳しい国家財政の効率化でしょう。」

有事における国家意思の貫徹と国家財政の効率化。国家の論理による自治の抹殺。平成の合併の本質も同じです。「有事」というファクターに要注意。

4年前に「平成の市町村合併に反対する国民会議」というホームページを立ち上げ、現在の「四国の星」に至っています。引き続き、平成の愚策・市町村合併問題を追い続けます。

[2005/03/07]  社会奉仕命令

コクド前会長・堤義明氏が実刑になるのかどうか、関心をよんでいます。

いわゆるホワイトカラー犯罪(政・財・官など社会において指導的地位にある人物が、その地位において行う犯罪)において、執行猶予が言い渡される例が数多くあり、不公平ではないかという批判が出ます。

かと言って、実刑というのも酷(むご)すぎるのではないかという気がする場合もあります。

実刑と執行猶予との間に天と地ほどの違いがあり、何故その違いが出たのかがよく分からないことに苛立(いらだ)ちを覚えます。

私は、社会奉仕命令という処分を正面から認めるべきだと思います。刑罰の一環として、社会奉仕活動を義務づけるのです。これは、少年犯罪には有効であると言われています。

刑務所や少年院に入っていたと言うこと自体が、社会復帰の重大な妨げになります。最初から自由な環境の中で社会奉仕をすることにより、前向きな更生が可能になる利点があります。

ホワイトカラー犯罪では、「この野郎」という社会の反発は強いものの、刑務所に入れたからどうということもありません。社会から隔離しないと他人に迷惑を掛けるという人物ではないのが一般であり、こういう場合は社会奉仕命令の方が有効であると思います。実刑か執行猶予かという断絶もなくなります。

ただし、社会の指導的立場にある人物としては、かなりの非難を加えられる必然性があり、応分の責任を自覚してもらわなければならないのですから、「社会奉仕」の程度も生半可なものでは困ります。

堤氏の場合であれば、残った財産のほとんどを社会に寄付し(常識的範囲内の老後資金を残す)、しかも一定期間奉仕活動を義務付けるというものを考えたいと思います。

意味合いからすれば、実刑よりきつい処分になります。本人に選ばせるのも一法です。

[2005/03/06]  倒産型合併

(朝日新聞のニュースより)

<合併協議9時間、「全国最速」で調印 佐世保と小佐々町

長崎県佐世保市と小佐々(こさざ)町の合併調印式が5日、同市であった。2月18日に合併協議会を設立してから16日間。3回の協議、計9時間で決めた。合併特例法の期限を目前に別の合併話が破れた小佐々町が、市に救いを求めた。総務省合併推進課は「平成の大合併の中でも、おそらく全国最速だろう」と話す。合併期日は来年3月31日。

小佐々町は人口約7300人の漁業の町。05年度予算は基金12億円の半分近くを取り崩す見込みで、財政は危機的状況だ。隣町との合併協議を2年以上続けたが、新町名を巡って対立し、昨年12月に合併を断念。他の2町との合併が決まっていた佐世保市に今年1月、泣きついた。

市は当初「時間がない」と渋ったが、方針を転換。光武顕市長は「それぞれ別の合併協で協議した実績があり、短期間での合併も可能と判断した」と説明する。ある市議は「合併しても過疎債が使える小佐々町は魅力的。財政的に先細りの佐世保にも悪い話じゃなかった」。

「合併は編入方式」「町議は全員失職」など全33項目の話し合いは事務局案に沿って進んだ。小佐々町側の委員が異議を唱える場面はほとんどなかった。

久保田寛美町長は「行き場のなくなった我々を救ってもらい、本当にありがたい」と話した。

(コメント)

要は倒産。実質的な自治体倒産に伴う救済合併がこれからも行われるでしょう。

地方交付税が減少して、自治体財政はどこも火の車です。合併しか破綻回避の方法はないと判断する自治体がでてきても不思議はありません。

しかし、私はもう少しねばって欲しいと思います。自治体が存在することの意味を考えるべきです。屈服して「周辺部」になるのではなく、貧しくとも独自の自治を維持することはできないのかどうか。

首長の報酬を係長と同じにする。議員は無報酬。職員給与は半額・・・

これでも自治をやる意味はあります。その条件でもやろうという者が結集して、気概を持って取り組めば、自分達の自治を維持することの方が楽しいことに気付くはずです。

しくじって財政再建団体になってもいいじゃないか。この割り切りができれば、怖いものはありません。

鶏口となるも牛後となるなかれ。

[2005/03/05]  岡田克也・民主党代表来県

本日、岡田克也・民主党代表が来県します。

西条市2カ所(西条国際ホテルで集会、旧東予市の河原津干拓地視察と集会)を廻り、その後松山市で中村時広市長と懇談。

私は、午前中から西条市内を街宣し、午後集会に参加予定。4月予定の西条市議会議員選挙のテコ入れができればと思います。

代表が昨年の臨時党大会で全県を廻ると宣言したとき、物理的に無理ではないかとの声も聞かれました。しかし、ほぼ達成できる見込みが立ってきました。

今秋には、岡田代表あるいは党の大物を招いて県内(松山市?)で資金集めパーティーを行う予定です。

原則として政治活動報告をやらない方針の「一言」ですが、たまには広報に努めておきます。

[2005/03/04]  家憲

東京はなごり雪でした。

この間、コクド前会長・堤義明氏が証券取引法違反で逮捕されました。

彼が父親・堤康次郎氏から譲り受けた「家憲」に忠実であったことは有名です。時代の変遷の中で、家憲を遵守したことが堤家を没落させる原因となったのでしょう。

堤家の家憲が「制定」当初は合理的であったとしても、それはどうしても過去の時代的な背景を持つものであり、その限界を考慮した判断が求められるものだったはずです。

堤義明氏は人一倍経営に努力してきたのだと思います。しかし、コンプライアンス(法令遵守)の問題だけではなく、西武グループの中央集権システムの限界をも露呈した今回の事件は、彼の根本的なところでの思考停止が招いたものであるとも言えます。

国の憲法を考える上でも参考になる事案です。

[2005/03/01-2]  4日まで上京

この3日間に伯父と叔父を亡くしました。通夜、葬儀。

[2005/03/01]  あさかぜ

(毎日新聞のニュースより)

元祖ブルートレインとして一世を風靡(ふうび)した寝台特急「あさかぜ」の最終列車が28日午後7時、乗客370人と昭和の旅情を乗せてJR東京駅から本州最西端の下関駅に出発した。
 

3月1日のダイヤ改正に伴い、48年の歴史の幕を閉じる。東京駅10番ホームにはカメラ片手の鉄道ファンや、帰宅途中の会社員ら約1000人が詰めかけた。客車を4両増やし、13両編成となったかつての花形列車は「ありがとう」「さようなら」の声に見送られ、「ピーッ」と汽笛を響かせホームを離れた。
 

「あさかぜ」は1956年に東京と九州を結ぶ戦後初の寝台特急として登場した。豪華な設備と青く塗った20系客車をけん引したことからブルトレの愛称で親しまれ、高度経済成長を支えた。
 

約1時間前の午後6時3分には、2番目に古いブルトレ「さくら」が佐賀県鳥栖へ最後の旅路に出発した。車両を保有するJR西日本は電気機関車を除き、両列車とも解体処分する。

(コメント)

雑誌とつまみとビールを買って列車に乗り込む。寝台脇通路の座席で夜景を見ながらビールを飲む。

長い夜。寝台特急の旅は自分自身との対話の時間を提供してくれました。いつの間にか、そういう移動方法を忘れていました。

飛行機が当たり前になり、豊かな移動時間を楽しめなくなってしまいました。

所用で上京します。飛行機です。そう言えば、禁酒中だった。

[2005/02/28]  比例復活の制度

衆議院小選挙区制度の下で「比例復活当選」を認める現行制度については、強い批判があります。

白黒はっきり付けろ。落選した者がゾンビの如く復活して当選とはけしからん。

ごもっとも。しかし、新人の登竜門と考えれば、これは意義ある制度になると思います。完全小選挙区制においては、現職は圧倒的な強みを持ちます。これに立ち向かう相手方は、現職の壁を思うと有力新人でも意気阻喪して、立候補の決意すらできないことになり、結果として無風区を生みます。有権者としては、実質的に選択肢を奪われることになります。

新人が現職の8割程度の得票で復活当選できるのであれば、これはやってみようということになります。1選挙区から2人の衆議院議員が出てしのぎを削り、有権者が次の選挙までにどちらの国会議員が優れているかを審査できると考えれば面白い話です。

現職に比例復活を認めると、だらけたことになります。現職が相手方の8割で「当選」するのは問題です。この様な場合は、有権者から国会議員として「ノー」を突きつけられたと理解すべきです。

現職に対抗する新人の場合のみ。新人同士でも駄目。元職も駄目。こうすれば、制度趣旨が明確に表現されることになり、衆議院が活性化されます。国会議員の淘汰も進みます。

(妥協点として、現職も1回は復活当選可能などという案もありうるでしょう。しかし、上記の趣旨は全うされません。でも、現行制度よりは前進。ここらが「政治」かも。)

[2005/02/27]  空軍・民主対陸軍・自民

私は、民主党対自民党の戦いを空軍対陸軍という風に説明しています。民主党に欠けているのが陸軍=地上部隊です。

街宣車や辻立ち、ビラなどを中心として一定の支持率獲得を狙う民主党の政治活動(選挙運動)に対し、自民党は個人後援会を中心とする積み上げ方式で勝負してきます。

前者が風頼みになりがちなのに対して、後者は手堅く票を読むことができます。 

民主党にも陸軍が必要であることは言うまでもありません。空軍による「民主党効果」が期待できる近時の状況を考えると、自民党の半分の陸軍があれば民主党が勝つでしょう。

(平和な喩えをしろよとお叱りを受けるかもしれませんが、戦いであるという現実から目をそむけるわけにはいきません。)

[2005/02/26]  守旧思想としての「護憲」

護憲と言えば、土井たか子・前社民党党首を思い浮かべる方が多いと思います。

憲法を護るという意味での「護憲」については、「異議なし」と申し上げます。そして、国民から負託を受けている国会や内閣においては、護憲ということを取り分け重く受け止めていただく必要があります。

しかし、主権者である国民は、憲法制定権力を有する存在であることを忘れてはいけません。憲法制定権力という「伝家の宝刀」を常に研ぎ澄ましておくことが必要です。

主権者たる国民が、より良い憲法規範を制定することを否定すべきではありません。これを否定して、国民を憲法の枠内に押し込めて「護憲」論を言うならば、それは国民を護られるべき存在としか見ていないという意味において、守旧的な思考に堕していると思われます。

憲法制定権力を行使してこそ、国民は真に主権者たり得るのです。「伝家の宝刀」が錆びないよう、常に改憲を意識しておくべきだと思います。

我々国民が基本となるルールを創る。そして、自分達が決めたルールはきちんと護る。主権者が主権者として振る舞うことをためらってはいけません。

間違ったルールをつくってしまったら、また変えればいい。そういうアクティブな民主主義でありたいと思います。

土井たか子氏の業績は偉大であると思いますが、「か弱き国民」のままではなく、力強い主権者としての国民に成長していくべきだという認識に欠けるところがありはしないかという疑問を提示しておきます。

[2005/02/25]  民事制裁

(朝日新聞のニュースより)

石原慎太郎・東京都知事が雑誌のインタビューなどで女性に差別的な発言をしたことで名誉を傷つけられたとして、首都圏の女性131人が都知事を相手に慰謝料計約1400万円の支払いなどを求めた訴訟の判決が24日、東京地裁であった。河村吉晃裁判長は都知事の発言を「個人の尊重を定めた憲法の理念と相いれない」と批判する一方、「原告個々人の名誉が傷つけられたとは言えない」として請求を退けた。

判決によると、石原都知事は「週刊女性」01年11月6日号のインタビューで「これは僕がいってるんじゃなくて、松井孝典(東大大学院教授)がいってるんだけど、文明がもたらしたもっともあしき有害なものはババアなんだそうだ。女性が生殖能力を失っても生きてるってのは、無駄で罪ですって」などと述べた。

河村裁判長は「松井教授の説には、都知事の説明とは異なり、おばあさんに対する否定的な言及はみられない」と指摘。発言について「教授の話を紹介するような形をとっているが、個人の見解の表明」としたうえで、「女性の存在価値を生殖能力の面のみに着目して評価した」「多くの女性が不愉快になったことは容易に推測される」と述べた。

慰謝料については「原告個々人に対する発言ではなく、原告らの社会的評価が低下するわけでもない。金銭をもって償う必要がある精神的苦痛が生じたと認めることはできない」として請求を退けた。 

(コメント)

こういった馬鹿者の発言を慰謝料請求権で処理する構成には無理があります。

端的に、民事制裁の制度を創設すべきだと思います。原告に金銭を支払うのではなく、国庫に一定金額を支払わせるのです。金額は、社会的相当性(社会生活の中で歴史的に成立した社会倫理秩序)を逸脱したことに対する評価とします。

石原氏の発言は、女性一般に対する侮蔑であり、これに対する憤りを持つ女性は多いと思われます。

[2005/02/24]  勇気ある告発者を支える取り組み

(愛媛新聞のニュースより)

県警の捜査費不正支出問題で実名告発した地域課巡査部長の仙波敏郎さん(56)と、北海道警の裏金問題を告発した元道警幹部の原田宏二さん(67)=札幌市=が22日、松山市で初めて面談。互いの実名告発を評価し、今後の取り組みで連携することを約束した。 
 

仙波さんは「原田さんの告発をきっかけに道警は約9億6千万円を返還した。素晴らしい結果を残した」と評価。「愛媛も県警に謝罪させて金を返還させることが最低限の目標だ」と決意を述べた。 
 

原田さんは「今後は自らの体験を生かして仙波さんの役に立ちたい」と支援を約束。「仙波さんを支援する社会ができるかどうかが試されている」と強調した。 
 

同日夜、「仙波さんを支える会」(東玲治代表)主催の集会も同市内であり、仙波さんも同席し、原田さんと道警の裏金問題を追及する市川守弘弁護士(札幌市)が講演した。

(コメント)

この問題を継続して追求していかなければなりません。実名告発を現職警察官が行うことの大変さを強調しておきたいと思います。

元北海道警の原田さんは退職後の決断でした。仙波さんの場合、裏金づくりに関与していなかったことが、現職での告発に踏み切れた理由でしょう。

裏金づくりへの関与を拒否することも、尋常な決意ではできないことです。組織が腐敗している中で、自分だけが良識を維持していくには、孤独に耐える勇気が必要です。

世論の力で仙波さんを守らなければなりません。社会の良識を守る最前線の戦いになります。

[2005/02/23]  合併のレベル

(朝日新聞のニュースより)

千葉県の成東、山武、松尾3町と蓮沼村が合併後の新市の名称を「太平洋市」と決めたところ、「一自治体がつける名称ではない」などの抗議が相次ぎ、4首長は21日、名称を見直すことで合意した。23日に開かれる臨時の法定協議会に見直しを諮る。

4町村は来年3月27日に合併し、人口約6万人、面積約145平方キロの市になる予定。「太平洋市」の名は1月31日に決まった。最後まで候補に残った「上総」または「かずさ」を決選投票の末に17対11で破った。

九十九里浜に面しているのは成東町と蓮沼村だけだが、「大きな希望」や「海原のように開かれた市」をイメージさせるという理由だった。

しかし、歴史的、伝統的な地名を大切に保存しようと活動している全国地名保存連盟(東京)が「北海道から沖縄までが太平洋に面している。新市が面しているのは8キロだけだ」などと見直しを申し入れた。さらに4町村の役場にはメールや電話などで計数百件の反対意見が寄せられた。

(コメント)

南アルプス市、南セントレア市、北アルプス市等々。馬鹿馬鹿しい地名をよくもまあ考えるものだと思います。

平成の合併が、如何に考え無しに進められているかを、地名が如実に表しています。地方自治のレベルがこんなモンだったのか。愕然とします。

そういえば、愛媛に「四国中央市」あり。しかし、言い慣れてきたことが恐ろしい。

[2005/02/22]  無断録音

NHK対朝日新聞(と安倍晋三氏)との対立劇。鍵を握るのが、朝日新聞が取材の過程で取っているとの憶測がある「録音テープ」です。

月刊現代3月号記事、元朝日新聞記者・辰濃哲郎氏の「事実か倫理か NHKvs朝日新聞ーー取材をめぐる『不毛な論議』」では、無断録音テープを取ったことを理由に退社処分となった辰濃氏が、録音テープがなければ「証言」を後からひっくり返されたときに記者を守る命綱がなくなることを強調しています。

そして、今回のNIHKと安倍氏等に対する報道が「誤報」であると開き直られているのは、「無断録音」で反論すれば、朝日新聞がかつて取った立場である「無断録音は取材倫理に反する」との立場と矛盾するからだ指摘しています。

無断録音が取材倫理に反するとの命題を肯定するとしても、「誤報」であるとの非難に対抗するためには、ギリギリの局面では、現にある「テープ」は提出して報道の真実性への疑問を否定する姿勢が必要です。

その調和点は、裁判における防御的な主張(反証)として「録音テープ」を提出する場合であると思います。

NHKも安倍氏も、「誤報」と叫ぶなら、訴訟を起こすべきです。そして、朝日新聞は「最終兵器」としての「無断録音テープ」を出すべきです。

参照:森田実のホームページ:            2005.2.21
2005年 森田実政治日誌[46]
NHK・朝日紛争にみる日本のマスメディアの荒廃

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/

[2005/02/21]  今治の拠点

今治市・越智郡の愛媛県議会議員補欠選挙で、民主党公認候補・豊島美知氏が当選。

90%開票時点で2位。1位の人は自民系の受け皿となって票を伸ばしたものと思われます。

今日から、2年後に控える熾烈な本選挙のためのスタートを切ることになります。今治にできた拠点を充実したものにする必要があります。

[2005/02/20]  死刑支持率

(読売新聞ニュースより)

死刑制度を容認する人が過去最高の81・4%に達したことが、内閣府が19日発表した「基本的法制度に関する世論調査」の結果で明らかになった。

犯罪被害者の権利が「尊重されていない」と感じている人は70・6%で、1999年の前回調査より7・5ポイント増えた。凶悪犯罪の頻発などが影響したと見られる。

調査は昨年12月、20歳以上の男女3000人を対象に実施された。回答率は68・3%だった。

死刑について「場合によってはやむを得ない」と答えた人は、前回調査の79・3%から2・1ポイント増え、初めて8割を超えた。

容認の理由(複数回答)は、「凶悪犯罪は命をもって償うべきだ」が54・7%で最多。「廃止すれば凶悪犯罪が増える」が53・3%、「廃止すれば被害者や家族の気持ちがおさまらない」が50・7%で続いた。

「どんな場合でも死刑は廃止すべきだ」との回答は前回調査比2・8ポイント減の6・0%。廃止を求める理由(同)は、「罪の償いをさせた方がよい」が最多の50・4%で、以下は、「裁判に誤りがあったときに取り返しがつかない」が39・0%、「国家であっても人を殺すことは許されない」が35・0%の順だった。

(コメント)

私は、死刑存置論者です。

死刑が凶悪犯罪抑止の決め手になるかどうかは疑問です。死刑に相当するような罪は激情型であり、計算されてのものではないことが多いと思われるからです。

しかし、被害者(側)の感情を考えると、犯罪者に「けじめ」を付けていただかないと、法律というものの意味が希薄化することになります。

刑罰権を国家が独占するにあたり、被害者側が復讐する権利を取り上げたのですから、国家は犯罪者が行った罪の限度で被害者の報復感情を満足させるだけの刑罰を与える義務があると考えるべきです。

ただし、犯罪報道のあり方がセンセーショナルになりすぎることへの警鐘は鳴らしておきたいと思います。犯罪報道が過激となり、人民裁判的になると、冤罪の危険も増してきます。報復感情を増幅するような報道をすることも可能だという認識は持っておく必要があります。

「死刑支持率」向上が、近年の報道の影響ではないかという疑問なきにしもあらずです。

[2005/02/19]  小選挙区と政党助成金

小選挙区プラス政党助成金制度がどういう意味を持つのかが分かっている政治評論家や報道関係者がどれだけいるでしょうか。

自民党の活力を喪失させたところに、その意義があります。中選挙区制の下では、自民党の公認を得ようが得まいが、「勝てば官軍」で、事後的に公認を得ることができ、無所属出馬という登竜門がありました(無所属といっても、派閥が面倒を見ていたわけですが)。

こういうシステムが崩壊し、自民党公認しか実質的な登竜門がないということで、保守系の政界進出のルートが目詰まりを起こし、自民党の活力がなくなってきました。党内に競争相手がなくなり、自民党現職の日常活動が減ってきたことで、野党(民主党)の候補が現職を打ち負かすことが可能になってきました。

しかも、政党助成金ができたことで、民主党が金が無い人物でも政界に進出できるルートを確立してしまいました。この制度がなかった中選挙区制の下では、保守系の候補は実質的に○億円の資本金が必要でした(派閥の世話で出てくる場合でも、「借り」はあったはずです)。

昔、小選挙区制度は自民党の永久政権につながると言われたものです。しかし、そうではないことが明らかになりつつあります。

この制度。小沢一郎氏が仕組んだんだと、ある人が言っておられました。同感。

[2005/02/18]  前歴者の出所情報

(読売新聞のニュースより)

政府は16日、愛知県安城市の乳幼児殺傷事件など、前歴者や仮出所者による凶悪犯罪が相次いでいることを受け、再犯防止策などを検討する関係省庁会議を内閣府で開いた。

法務、警察両省庁による前歴者の出所情報の共有について、現在検討している性犯罪以外の犯罪への拡大を協議することを決めた。ただ、どのような犯罪について情報を提供するかといった基準作りは難しく、今後の議論の焦点になりそうだ。

会議では、前歴者の出所情報について、「仮出所者を含めた情報の把握は再犯防止などに有効」とする警察庁に対し、法務省も「警察庁の要請があれば提供を検討する」との考えを示した。両省庁は今後、〈1〉情報提供の拡大範囲〈2〉再犯率などデータの検証――などについて協議することで一致した。

情報提供の範囲拡大に関しては、課題が多い。安城市の事件で逮捕された仮出所中の男の服役は、軽微な窃盗罪によるものだった。再犯防止目的とはいえ、線引きは簡単ではない。対象者が転居した際の住所把握なども検討テーマになると見られる。

(コメント)

犯罪者には、更正し社会復帰する権利があると考えるべきです。過去の罪に対しては応分の不利益(刑罰)を受けているのですから、それ以上の苦痛を受けるいわれはありません。

犯罪者とひとくくりで考えるのはいささか乱暴です。同種の犯罪が繰り返された場合、被害が深刻になるという場合(性犯罪がその例とされるでしょう)に限定すべきです。しかも、初犯者については、更生の権利に重きを置くべきです。

事件があれば最初に取り調べを受けるというのでは、更生は困難です。しかも、犯罪捜査を(犯罪→犯人)という客観的な捜査のやり方から、(犯人→犯罪)という予断を持っての自白追求型の捜査に変質させる契機ともなりかねません。冤罪の温床となる恐れを指摘せざるを得ません。

そもそも、犯罪者が更生するためのプログラムが充実しているのかどうか、そのことがまず議論されるべきです。苦痛を与え、規律正しさだけを要求する現在の行刑から、受刑者が主体的に社会復帰を目指す、更生支援システムへの変更が必要です。

[2005/02/17]  無報酬

(朝日新聞のニュースから)

合併で議会がなくなった旧町村で、議員に代わる「無報酬の議員」を選ぶ選挙の投開票が13日、新潟県上越市である。「報酬がないからこそ自由にモノが言える」とラーメン店主が応募したり、5人の女性が「おカネをかけない」と宣言して静かな選挙をリードしたり。明治以来の「お上頼み」の政治風土が、合併を機に変動する兆しが見えてきた。

今年の元日に14市町村が合併した上越市は、合併後も一定期間は旧市町村の議員がそのままとどまることができる「在任特例」を使わなかった。このため、例えば議員定数が18だった旧柿崎町の自治区は、新しい市議会では3になった。

激減した議員に代わるのが、新制度「地域協議会」の委員だ。合併した旧町村に設置が認められた。住民の意向を市に伝えたり、自治区の運営に意見したりするのが役割。柿崎区では18の定数に20人が応募し、選挙になった。

農家の女性らで作るみそ造り加工組合の代表(57)は、知り合いに立ち話をするくらいが選挙運動だ。一緒に応募した女性5人で選挙前に「おカネも人も使わない」と話し合った

地域協議会の選挙は、同時進行の市議選と違って、ポスター、はがき、選挙カーなどの公費の手当ては一切ない。別の自治区で応募したラーメン店の女性店主(56)は言う。「無報酬だからこそ、政治経験のないおばさんでも出られた。ふだんのお茶のみ話を素直に伝えたい」

上越市に吸収(編入)合併された13地区の地域協議会委員の定数は、旧町村の議会とほぼ同じ12から18。計192の定数に189人が応募した。5地区で選挙になり、ほかの5地区で定数と同数、定数割れになったところも3地区あり、市長が不足分を指名することになった。

5人の女性が応募した柿崎区では、ほかには元町議6人、元助役、町内会長、消防団長ら旧町議会のような顔ぶれが多数派だ。全体でも女性は189人のうち19人にとどまる。年齢も60代が最大の97人で、30代以下は1人もいなかった。

地域協議会にどれだけの権限があるのかはっきりせず、手探りの面もある。市の条例には「市長や市の機関に意見を述べることができる」とあるだけだ。

立候補した元役場職員は「もとの議会のようにしゃんしゃんだったら期待外れになる。自分たちでどこまでできるか」と意欲を見せる。

(コメント)

地方自治体がこれをやればいいのです。地方自治法や公職選挙法はかんじがらめで、地域の人が自分達でものごとを決めるという自治の本旨を実現することがなかなかできない仕組みになっています。

もっと自由に自分達で自治の決まりをつくれるようにしていくべきです。

どの分野でもそうですが、入試・入社試験や資格試験が緩やかだったころに立派な人物がでてくるのに、「難関」になり「受験者」がプロ化すると、何故こんな奴が・・という人物が入り込んでくるようになります。入り込むことに全ての精力を注ぎ込むので、入ったあとに何をやるかが分からなくなるのです。

地方議員の場合、田舎ほどお金が動くといいます。選挙が地域経済活性化のイベントなのでしょう。しかし、これでは自治の食いつぶしになります。

一般の自治体でも、定数の一部を「無報酬議員」にすると、議会が活性化すると思います。

無報酬の議員が頑張っているのに、報酬をもらって寝ていられませんから。

[2005/02/16]  政治生命

「政治生命」という言葉が使われることがあります。政治家として生きていく実質的な資格とでも定義すればいいのでしょうか。「政治家○○は、▲▲での失敗により、政治生命を失った」というような文脈で用いられます。

私の場合、元々政治家志望ではないので、政治生命など最初からないと割り切っています。しかも、政治家としての起承転結があるなどと考えること自体が厚かましい話です。

出世双六の一進一退をああでもないこうでもないと思案すること自体を、馬鹿馬鹿しく思います。

もし私なりに「政治生命」という言葉を定義するならば、政治家としての信念や志を言うのであって、それを失ったときには政治家でいること自体が国家・社会にとって有害なものだということになります。反対から言えば、信念と志があれば、客観的な条件はどうであろうと、政治家たり得るのです。

しかしこの世界、もはや理想の欠片(かけら)もなくなっているのに、悪びれもせず政治家をやっている、魑魅魍魎(ちみもうりょう)ともいうべき輩(やから)が跋扈(ばっこ)しています。

政界の大掃除をやってしまえば、一日も早く政治家を辞め、仲間と酒を酌み交わし、日々楽しく暮らします。後は、誰がやっても何とかなるでしょうから。家族も、赤飯を炊いて祝ってくれるでしょう。  

[2005/02/15]  失う票

合併に伴う地方議員選挙が各地で行われています。

地方議員選挙は、1票1票の積み重ねで票が出てきます。その為、候補者の脳裏には顔の見える票が常について廻ります。

これをするとあの人が怒るだろう。こういう発言をするとこの人が逃げていくだろう・・

そうすると、議員で居続けるためには、何もできないことになります。

失う票が計算できるのに対し、獲得できるかもしれない票は読めません。しかし、議員になって何事かをなしえたという満足感を得るには、票を失っても得られる何かを大切にしていくことが必要だと思います。

「雲をつかむ」勇気があるかどうか。「落選する覚悟」の問題でもあります。

[2005/02/14]  ガッカリ候補・再録

<2003年8月27日の「一言」>

ガッカリ候補

衆議院議員選挙が近づき、各党の候補者が発表されています。

発表があった瞬間に「勝負あり」の選挙区があります。無名であっても、国会議員にすればかなりやれるかもしれないと思える候補なら勝ち目がなくても文句は言いません。しかし、「批判票の受け皿」と顔に書いてあるような候補では気持ちが萎えてしまいます。

国民のための候補ではなく、党のための候補ではないかと思われるような人物を出してくるのは有権者に失礼ではないでしょうか。「アリバイ作り」のための候補しか出せなかったということでしょうか。比例区で得票するために選挙区を空白に出来ないということでしょうか。

確かに、選挙に出るというのは大変なことです。負けを覚悟で出なければならない場合、職業を犠牲にし生活を犠牲にして出てくれる人は余りいないと思います。外野席から軽々しい論評をすべきものではないと思います。

しかし、野党が弱いことが明白な選挙区の場合、野党から複数出るということは、その選挙区の有権者から見れば政権選択の可能性を実質的に奪われたも同然です。せめて、野党の候補を一本化し二者択一の選挙にしてもらわなければ意味がありません。弱体選挙区対策を野党各党にお願いしたいと思います。多少は面白くしてくれないと困ります。

政治をサービス産業として見た場合、サービス供給者の立場からではなく、「消費者」(有権者)の立場に立って考えていただきたいものです。

ガッカリ候補反対! 恵まれない選挙区に愛の手を!

(コメント)

こんな余計なことを書いたばかりに、衆院選立候補の依頼を断れなくなりました。

民主党の候補が出ないことにイライラして書いた文章です。候補者と自分とを別世界においての発言ですから、勝手なもんです。

この「一言」さえ書いてなければ、断っていたはずです。観客席から気楽に書いたことが自分に跳ね返ってきたということです。自縄自縛と言うのでしょうか。

「供給者」サイドに身を置いてみて、供給者の論理が分かったぶんだけ、身の処し方が難しくなりました。

「消費者」をガッカリさせることの方が多くなりそうで、余程身を引き締めないといけないなあと思います。

[2005/02/13]  「愛国心」は誰が教えるのか

「愛国心」教育などと簡単に言う人がいますが、では、誰がそれを教えるのでしょうか。

「現場の教師だろう」とおっしゃるのでしょうか。しかし、現在の教師に「愛国心」を教えることができるのかどうか。

私は無理だと思っています。形式的にはできるでしょう。しかし、それは建前的教育であって有害無益です。実質的には、嘘の上手な人が重宝がられるような欺瞞的構造を生み出すだけです。

しかも、正直に「愛国心」が心に届くような素直な子供が、現実社会の欺瞞を見て、心理的葛藤から社会的に適応不能の状態に陥る危険もあります。

表で「愛国心」、裏で利害打算の徒が、操縦しやすい国民を量産するために企図する試みは、結果として多くのまともな人材を失う結果しか生まないと思います。

「愛国心」を教えることができる人材は希有です。小沢一郎氏が言うように(昨日の「一言」)、自主自立の精神から入っていくやり方しか現実にはないのです。

[2005/02/12]  小沢一郎・剛腕コラム

(夕刊フジの連載、剛腕コラム、2月4日号より)

「『自立した日本人』つくる教育を」「愛国心や規律、上からの強制ではダメ」

教育基本法改正案をめぐって自民、公明両党が対立し、通常国会への法案提出が見送られることになったという。自民党が「愛国心」の明記を主張したのに対し、国家主義復活を懸念した公明党が猛反発したのが原因らしい。

実は先月末、僕が主宰する「小沢一郎政治塾」の冬季集中講義が行われたが、同講義のメーンテーマも「人づくり」だった。

僕は以前から、政策の第1に教育問題を考え、旧自由党時代に国会提出した「日本一新11基本法案」でも、最初に「人づくり基本法案」を据えて、その意図についてこう明記した。

《新しい日本の確立に向け、自主自立の精神と創造性に富み、自ら自分の人生を切り開き、かつ、わが国及び国際社会に自ら役立とうとする人間を育成するために、あらゆる機会に、あらゆる場所において人づくりに取り組む決意をしなければならない》

同法案には「愛国心」という言葉は入っていないそういうものは国民一人ひとりの心の中に自然に芽生え、持っているべきものであり、時の政府や為政者が上から強引に押し付けるものではない。自分で考え、判断し、行動できる自立した人間は、家族愛や郷土愛の延長上として愛国心を受け入れるはずだ。

押し付けた愛国心や規律がいかに脆いかは、先の大戦を振り返れば分かる

戦前、日本軍はその軍隊教育の厳しさから「世界に誇る軍紀を持つ」といわれたが、戦後、連合国側の資料を分析すると、日本兵はいったん捕虜になると聞かれていないことまでペラペラとしゃべっていたという。

敗戦後、日本軍は上官も部下も関係ない烏合の衆となった。高いモラルを誇った軍隊でさえ、そんなザマだった。つまり上から形式を強制するやり方では、愛国心も規律も根付かないのだ。

一方、英国軍は違った。

これは、映画「戦場にかける橋」の有名なシーンだが、タイとビルマ(現ミャンマー)の国境近くにあった日本軍の捕虜収容所では、連合軍捕虜を使って、国境に流れるクワイ河に橋を架ける準備が進められていた。

だが、英軍大佐は捕虜の扱いを定めたジュネーブ協定に反するとして、日本軍の捕虜収容所長と対立。地下の独房に何日も閉じ込められた。英軍大佐が独房から出てきたとき、英国軍捕虜たちは彼を拍手で迎えたという。

英国人には、軍隊の組織も階級も自分たちが納得して作ったという自負があり、自分たちが作ったものは守らねばならないという意識があったのだ。「上から」ではなく「自分たちが」なのだ。これこそ、自立した人間の姿勢といえる。

教育が何たるかを理解していない、自民、公明両党とは次元が違う。われわれが目指すのは、本当に自立した日本人の集合体である日本国家である。

(コメント)

小沢一郎氏については俗説の方が幅を利かせており、この政治家の真価が多くの国民に理解されるのは、まだ先のことではないかと思います。

彼は、総理大臣云々であれこれ考えるレベルの政治家とは次元が違うのではないでしょうか。

「愛国心」についてのこの論評は出色ですので、御紹介します。

小沢一郎氏のホームページでメルマガ登録をすると、「剛腕コラム」が届きます。

http://ozawa-ichiro.jp/

[2005/02/11]  三井環氏の場合

(概要)

捜査情報漏えいの見返りに暴力団関係者から接待を受けたなどとして、収賄などの罪に問われた元大阪高検公安部長・三井環被告に対し、大阪地裁は1日、懲役1年8月の実刑判決を言い渡しました。
 
三井被告は「逮捕、起訴は検察庁の調査活動費(調活費)流用問題の告発を防ぐための口封じ」と公訴棄却や全面無罪を主張。

宮崎裁判長は判決で「被告の告発は、具体的で客観的状況に沿う部分もあり、社会の耳目を集めると考えられ、口封じとの主張は無理からぬところがある(流用問題は)社会的に重大な問題で糾明が必要」だと指摘しました。

しかし、「検察官と暴力団関係者との交際は、到底、放置できる事態ではなく、検察官は訴追の裁量を逸脱したとは言えない」と公訴棄却の申し立てを退けました。
 

三井被告は99年7月から大阪高検公安部長で、2002年5月に懲戒免職。在職中から調活費問題を告発しようとしており、公判でも「裏金として、検察幹部らの飲食代などに使われていた」と訴えていました。

(コメント)

三井環氏は、検察庁の裏金について現職検事として実名告発しようとし、告発しようとした正にその日に、別件の微罪で逮捕されました。

三井氏に対する起訴事実についての判断は置くとして、三井氏を逮捕しなければならない緊急性は乏しかったと思います。「口封じ」という批判に一理あることは、裁判所も認めている通りです。

検察庁は焦ったのでしょう。微罪での逮捕という裏技を使わざるを得なかったということが、裏金問題が表面化することを極度に恐れたことを物語っています。

裏金というのは、どの組織でもあると言われています。警察や検察でも裏金があるということそれ自体は特に驚くことでもありません。

問題は、組織防衛しか眼中になくなってしまうということです。犯罪を摘発して弾劾する組織だけに、無謬性(むびゅうせい)が要求されると思い込んでいるのでしょう。

警察・検察のエリート達が、過ちを起こしたときの身の処し方こそが大切であるという大局的な正義感を持てないことにがっかりします。

@飲酒運転をしてA事故を起こして、B逃げてしまった、という事件で、@をしないのが正しいのですが、Aの事実が発生した以上、Bをしないことこそが大局的な正義感だと思います。

この三井氏も愛媛県出身とのこと。愛媛県警・仙波敏郎巡査部長の実名告発と併せて、愛媛県人がキーマンとなっています。

なお、三井氏はホームページを持っています。

http://www012.upp.so-net.ne.jp/uragane/

[2005/02/10]  今治市・越智郡の県議補選

新今治市は、トリプル選挙となっています。

市長選挙、市議選挙、県議の補選。前2者は13日告示ですが、県議補選は11日告示。民主党は、女性候補、豊島みち氏(今治市議3期)を公認候補として県議補選を戦います。

民主党は、街宣車4台を今治に集結させ、政治宣伝を展開中。「民主党効果」が実証されれば、他の選挙にも良い影響があります。

県議補選に合わせて、民主党県連の定期大会が11日、今治国際ホテルで開催されます。「今治攻め」を成功させなければなりません。

ところで、日朝のサッカー。日本が勝って喜んでいる方が多いと思います。しかし、どうも率直には喜べません。

あの選手達、収容所ということはないだろうか。ちょっと心配です。

[2005/02/09]  民主党調査団、来県

(メインパソコン、不完全復帰。もう一度ドック入り予定ですが、それまでの間、更新を続けます。)

愛媛県警不正経理疑惑。実名告発に踏み切った仙波敏郎巡査部長への報復人事が行われています。他方、仙波氏を支援する組織ができており、この問題は広がりを見せています。

民主党も来週、本部から調査団が来県し、仙波氏から事情を聴く予定です。

この問題と、三井誠・元大阪高検部長の問題について、これから時折取り上げていきます。

犯罪を取り締まる組織が犯罪者集団と化している現状を憂います。これを政治家が取り上げると、選挙違反の捜査でしっぺ返しを受けると言われています。

しかし、勇気を持って取りあげなければ、政治を志した値打ちはありません。

[2005/02/05]  基礎自治体

(パソコン、ドック入り前にアップロードしておきます)

日刊ゲンダイに掲載されている田中康夫長野県知事の【奇っ怪ニッポン】より (20041223日 掲載) を全面引用

<越県合併「大きい事は良い事だ」の時代錯誤>

この原稿が紙面化される昼過ぎには、議員提案で上程された山口村の「越県合併」関連議案を巡って、長野県議会では“白熱”した議論が交わされている筈(はず)です。

が、それは平成の大合併を主導する総務省なる、旧内務省の流れを汲む中央集権的省庁の見解を“お墨付き”とした上での議員提案です。

地方分権時代に相応(ふさわ)しき地方自治の確立を、と唱和する議員諸姉諸兄は、「小さな自治体は経営が難しいから、一つの考え方として越県合併を進めるべき」と官邸ロビーの立ち話で宣(のたまわ)った麻生太郎総務大臣の“地方自治哲学”を、信じて疑わないのでしょう。

が、雪深き秋山郷を擁する栄村を始めとして長野県には、人口も財政も“脆弱(ぜいじゃく)”な、けれども自律的な村政を引き続き目指す小規模な町村が幾つも存在するのです。そうした努力を続ける彼らは、愚か者だとでも言うのでしょうか?

大宮市、浦和市、与野市の3市が合併して誕生した「さいたま市」は、成る程、変わりました。住民サーヴィスを充実させるには人海戦術しかない、と市役所の職員数を更に増加させたのです。収入が恵まれていなくては住民に笑顔で接するのも難しい、と考えたのか、3市の中で最も高い給与に、職員も議員も増額となりました。

他方、乳幼児の医療・保育や老人の訪問介護等は、3市の中で最も低い水準に合わせられ、小規模自治体だったればこそ福祉が充実していた与野市の住民は、サーヴィス低下を嘆いているのです。これが平成の大合併の実態です。

人口2千人の山口村が人口5万人を超える中津川市に吸収合併されたなら、住民自治は崩壊してしまう、と僕は考えます。フランスでは人口5千人以下の自治体が全体の9割を、あの夜郎自大なアメリカとて8割を占める現実を、我々は冷静に見直すべきです。「越県合併は道州制へと繋(つな)がる道だ」とも麻生氏は述べています。軽井沢が関東州へ、白馬は北陸州へ、といった具合に信州・長野県が分割されていく第一歩だ、と聡明なる県議諸姉諸兄は想像しているのでしょうか。

経営会議の下に企業哲学を共有し、その上で分社化や事業部制を敷き、執行役員が的確な判断、迅速な行動、明確な責任を取るのが当たり前となった民間と比較するに、未だ大きい事は良い事だ、と胸を張る日本の行政とは、何たる時代錯誤でありましょうか。想像力無き政治ならぬ政事の下、日本社会は着実に溶解していくのです。何たる愚かさでありましょう。

(コメント)

賛成。従来、私が市町村合併に反対してきたのは、住民自治が合併により後退(ないしは消滅)させられるからです。

地方自治の本旨とは、住民自治と団体自治の保障であるとされますが、住民自治と団体自治との関係についての認識をしっかり持っている人は少数です。

私は、「自治」とは、突き詰めれば、住民意思の決定システムであると考えます。そして、住民自治を具現するために団体があると考えます。団体自治は住民自治実現の手段なのです。

あらかじめ地方分権の受け皿として「基礎自治体」を定義するのは本末転倒の議論です。産業政策実現のための自治の最適単位、福祉における自治の最適単位、住民意思の決定の最適単位等々、問題別に最適単位を考えばいいのです。

基礎自治体とは、存在感をもった一個人として関わり合いの持てる範囲で地域に関する事項について意思決定を行うものであって、地域が健全に存続し発展するための施策を遂行する「地域づくり機関」だと、私は考えます。

[2005/02/04-2]  アップロード一時休止

パソコンの不具合を直すためにドック入り。「一言」のアップロードを一時休止します。

来週初めに修理完了予定。

昼間時間があれば、総支部にて別のパソコンで、「伝言板」に書き込む予定です。

[2005/02/04]  受信料不払い

(ニュース1)

NHKの橋本元一会長と永井多恵子副会長は3日開かれた就任後初めての定例記者会見で、一連の不祥事を理由にした視聴者の受信料支払い拒否・保留が1月末現在で、約39万7000件に上ることを明らかにしました。
 

従軍慰安婦特集番組の改編問題について橋本会長は「一般論として、個々の番組について放送前に政治家に話すことは当然のことだとは思えず、好ましくない」と、これまでのNHK見解とは異なる認識を示しました。
 

また、受信料不払いの増加については「大変厳しいと痛感している。何とか視聴者のご理解を得ることが必要。個別の説明で支払いの再開をお願いするなど、できるだけ影響を少なくしたい」と語りました。

(ニュース2)

全国の病院に貸しテレビを納入している業者でつくる業界団体「テレビシステム運営協会」が、NHKの不祥事などを理由に、2月以降の受信料支払いをストップすることを明らかにしました。

これによる年間不払い総額は約40億円に上るとしています。不祥事の影響で、2005年度の受信料収入は04年度に比べ72億円の減収となる見通しでしたが、減収額はさらに膨らみそうです。
 
協会によると、精神病院などを除いた全国の病院に納入されているテレビ約100万台のほとんどを協会加盟業者が納入。病室ごとに受信契約をする仕組みで、NHKと業者側が約30万件の受信契約を交わしています。

(コメント)

NHK会長が、放送内容について事前に政治家に話すことは好ましくないと認めたことは評価します。

それなら、今回問題になっている安倍晋三氏への「御説明」についても、視聴者に対し正面から謝罪すべきです。

放送人として、表現の自由、放送内容の自由、言論の自由についての責任感を自覚した発言なのか、受信料不払いによる減収に対する営業的な「対策」なのかが不明です。

放送内容を、何故「圧迫を感じず」に、「事前に」、「呼びつけられていない」のに、「政権党の政治家の下に赴き」、政治家に「御説明」をしたのか。事前に政権党の政治家に「御説明」することへの問題意識はなかったのか。このあたりがつまびらかにされなければなりません。

会長は、視聴者が「御理解」していないと考えているのでしょうか。個々の不払いに正当な理由があるのかどうかは分かりません。空前の不払い増加は昨年発覚した不祥事によるものが大半でしょうが、NHKに表現の自由を護る気概が見られないことが、今後の不払いの動きに影響するのかどうか、見守りたいところです。

[2005/02/03]  人口コンプレックス

平成の市町村合併が「進んで」います。

合併へと自治体を駆り立てる動機の一つは、人口コンプレックスです。人口規模が大きい自治体を立派な自治体だと思う錯覚が多くの自治体と多くの住民を支配しています。

インターネットで調べていたら、1920年の国勢調査による都市の人口が出ていたので紹介します。

1東 京 2,173,201        

2 大 阪 1,252,983

3 神 戸 608,644

4 京 都 591,323

5 名古屋 429,997

6 横 浜 422,938

7 長 崎 176,534

8 広 島 160,510

9 函 館 144,749

10 130,362

11 金 沢 129,265

12 仙 台 118,984

13 小 樽 108,113

14 鹿児島 103,180

15 札 幌 102,580

16 八 幡 100,235

17 福 岡 95,381

18 岡 山 94,585

19 新 潟 92,130

20 横須賀 89,879

21 佐世保 87,022

22 84,999

23 和歌山 83,500

24 静 岡 74,093

25 下 関 72,300

26 門 司 72,111

27 熊 本 70,388

28 徳 島 68,457

29 豊 橋 65,163

30 浜 松 64,749

31 大牟田 64,317

32 宇都宮 63,771

33 岐 阜 62,713

34 前 橋 62,325

35 富 山 61,812

36 旭 川 61,319

37 福 井 56,639

38 甲 府 56,207

39 室 蘭 56,082

40 那 覇 53,882

41 松 山 51,250

42 松 本 49,999

43 若松(福岡) 49,336

44 高 知 49,329

45 青 森 48,941

46 山 形 48,399

47 47,741

48 高 松 46,550

49 姫 路 45,750

50 久留米 43,629

51 大 分 43,150

52 米 沢 43,007

53 盛 岡 42,403

54 長 岡 41,627

55 奈 良 40,301

56 釧 路 39,392

57 水 戸 39,363

58 宇治山田 39,270

59 八王子 38,955

60 岡 崎 38,527

61 尼 崎 38,461

62 若松(福島) 37,549

63 松 江 37,527

64 長 野 37,308

65 高 崎 36,792

66 高 岡 36,648

67 秋 田 36,281

68 福 島 35,762

69 四日市 35,165

70 小 倉 33,954

71 佐 賀 33,528

72 明 石 33,107

73 弘 前 32,767

74 大 津 31,453

75 今 治 30,296

76 福 山 29,768

77 鳥 取 29,274

78 高 田 28,388

79 大 垣 28,334

80 尾 道 26,466

81 上 田 26,271

82 丸 亀 24,480

83 首 里 22,838

大都市や有名都市の人口が少ないことに驚きます。当時でも、これらの都市の多くは賑わっていたはずです。

この後、大都市や地方の中心都市に人口が集中したことにより、都市の人口が増加しました。

もう一つ。合併です。都市の面積の増加による都市の拡大が起こったのです。

都市の人口の絶対数が小さくても、人口が狭い範囲に集約していれば、都市として充分な機能と魅力とを有することになります。昔の都市の人口を参考にしていただきたいと思います。

合併により漠然とした広い自治体をつくるより、中心核のしっかりした「都市」ないし「街区」をつくるべきです。

人口コンプレックスを克服することが、良い「まちづくり」の出発点です。

[2005/02/02]  民主党の予算案

(ニュース)

民主党『次の内閣』は1日、「平成17年度 民主党予算案」を発表しました。

(1)「こども=子育て」を重視する観点から、総額3.6兆円の「子ども手当て」を創設

(2)公教育の現場を重視し、30人学級を推進

(3)「地方活性化」のため、地方に5.5兆円の税源を移譲、12.5兆円の一括交付金を創設・交付

(4)子どもたちに過大な負担=借金を押しつけないよう、国債発行額を徹底的に絞り込む「財政健全化」

の4つを最重点項目として挙げています。

一方で、政府案に含まれる数多くの無駄や不要・不急事業への歳出を徹底的に排除。大胆な見直しの結果、約16兆円に及ぶ歳出を削減する内容となっています。この結果、例えば子ども関係予算額は、政府案の1.1兆円に比べて、4.2倍の4.5兆円となるなど、国民が真に求め、未来への責任として直ちに行わなければならない分野に、思い切った投資を行っています。

仙谷政調会長は記者会見で、こうした民主党予算案について、「民主党が政権を獲っているという前提に立った場合の予算案だ」とした上で、「全体的な予算として表現すべき政策を、この予算案としてつくった」とし、「子ども=子育て」「教育」「地方の活性化」「財政健全化」を最重点項目とした内容を詳細に説明しました。

(コメント)

子供への投資、地方重視、税制の健全化を柱とした予算案。

民主党政権への期待が高まる反面、大丈夫なのかという不安心理も有権者にあると思います。「予算案」をはじめ、提言をどんどんしていくことにより信頼感を勝ち取る必要があります。

自民党の政権担当能力というのは、もともとありませんでした。政権党であり続けたために、官僚機構をシンクタンクとして利用できただけでした。野党になったら、何も提案できなくなるでしょう。

これからの政党は、政策が命です。議員が政策立案できる環境づくりを行うとともに、政党のシンクタンク設立も真剣に検討すべきです。政策立案への投資こそが我が国の将来のために必要です。

私のような浪人者でも、シンクタンク(人材と資料)を自由に使えれば、相当なことが提案できると思います。しこしこ本を買うだけでは、政策立案は困難です。

[2005/02/01]  帰りなん、いざ

(ニュース)

国立社会保障・人口問題研究所は1月31日、人口移動調査の結果を発表しました。それによると、出生した都道府県から転出を経験した人のうち、その後出生地へ戻っている人々の割合(Uターン率)が、男女とも中高年で増えていることが分かりました。

同研究所は「このペースが続けば、今後、地方人口の減少の緩和が見込まれる」としています。

Uターン率は、男性が31・8%(前回比4・6ポイント増)、女性が27・4%(同2・5ポイント増)。男女とも40歳から64歳の世代で、前回調査を上回っています。特に団塊の世代と呼ばれる、当時50歳から54歳の世代の男性では、40・3%で前回(28・5%)より11・8ポイントも上回りました。

同研究所は、「不況の長期化で、都会に見切りをつけて帰郷する人が増えたのではないか」としています。

(*ただ、この調査は2001年7月に実施しており、調査結果の発表は大幅に遅れていることに注意しておくべきです。同研究所は、「2000年の国勢調査の結果との精査が必要だったことと、市町村合併が相次ぎ、市町村からの人口推計の問い合わせへの対応に忙殺された」と釈明している。前回の調査は1996年7月に実施し、97年11月に発表しています。)

(コメント)

今後Uターン率が増してくるとするならば、地方にとって朗報です。地方としては、予想される人口減少を都市部住民のUターン(Iターン、Jターン)で補っていくことを戦略的に追求していくべきです。

定年後の都市部住民が年金収入を背負って来てくれることを考えると、地方経済のプラスになります。高齢となってからの医療費負担を考慮しなければなりませんが、差し引きプラスでしょう。

都市部住民獲得のためには、風通しのよい地域社会づくりが不可欠です。都会で住む感覚に近い個人主義的な雰囲気と、地方ならではの温かい雰囲気との調和が求められます。

政治風土の改革も必要でしょう。ムラ型政治を卒業し都市型の政治を追求していくことが、「田舎」の生き残り策になるということです。

[2005/01/31]  立証責任

(ニュース)

自民党の安倍晋三幹事長代理は30日、安倍氏の政治介入でNHKの特集番組が改変されたと報じた朝日新聞について「(どのような圧力をかけたかの)立証責任は朝日新聞にある。そうしなければ朝日の信用が低下していく」と批判しました。

同時に「朝日は私の質問状に『法廷で答える』と言っているが、これはおかしい。大報道機関であり、紙面で反論すべきだ」と指摘した。フジテレビの番組で語りました。

(コメント)

「立証責任」と言うのなら、朝日新聞の言う通り、法廷での問題になります。安倍氏が不満なら、名誉棄損を理由に法的手段に訴えるべきです。金のない庶民が泣き寝入りをしているのとは違うのですから、正面突破を図ればいいのです。

法的手段に訴えることができないのでしょう。法廷闘争になると、NHK幹部と朝日新聞記者とのやりとりが生々しく再現されることになり、安倍氏に不利な展開になることが予想されるからです。

それで、テレビメディアを最大限に使って攻撃していると考えれば説明が付きます。むしろ、メディアを使って政治宣伝を行った方が有利と見ているのでしょう。裏読みすれば、NHKと安倍氏との間で口裏合わせができており、新たにNHKから不利な情報が出ないとの確信があるということです。

そうだとすれば、NHKの再生は無理です。

[2005/01/30]  か弱き国民に目配り?

(ニュース)

2月に予定される全国知事会長選挙について、田中康夫・長野県知事は28日の会見で、「石原慎太郎(東京都知事)氏をおいてほかにはないと思う」と語り、石原氏を推薦する意向を明らかにしました。

推薦理由に関し、「強い日本だけでなく、か弱き国民に目を配る点文学者としての素晴らしさがある」と述べました。

同会長選をめぐっては、現会長の梶原拓・岐阜県知事が引退を表明。上田清司・埼玉、松沢成文・神奈川の両県知事が石原氏推薦で合意しています。石原氏自身は静観の構えです。
 

(コメント)

私は、大反対です。間違ってる、田中知事。

石原氏の言動を見て、か弱き国民への目配りが感じられるのでしょうか。分かりません。

これが言えるのなら、「ヒトラーにおける庶民への眼差しの暖かさ」などという台詞も出てくる可能性があります。

「空疎な小皇帝・・『石原慎太郎という問題』」斉藤貴男著(岩波書店)の一読をお薦めします。

かつて、衆議院選挙の対立候補・故新井将敬氏の参謀に対し、全身打撲の暴行を加えたのが石原慎太郎氏の側近である現・東京都副知事です。新井氏のポスターに貼られた民族差別を助長する卑劣なステッカー。

冒頭に記されたこのエピソードに象徴される、石原氏の小心かつ卑劣な一面と大言壮語の発言とに大きなギャップがあります。それが一つの人格に融合されて、「石原慎太郎」を形成しているのです。

社会的弱者に対する冷たい眼差しと露骨な差別意識。優越感で生きてきた人生。対立者と直接面談できない弱い性格。甘やかされてきた「小皇帝」。

衆議院議員として大成しなかったタレント政治家が、東京都という自治体を手中に収めました。批判的な新聞記者を左遷させ情報コントロールを行い、職員への飴と鞭により強引な政治を進めます。

世相を一刀両断する格好良さが求められている時代ではあります。しかし、映像メディアによるイメージ形成に惑わされることなく、政治家の本質を見極める目を有権者が持たなければ、とんでもないところにまで連れて行かれる危険があります。

「石原慎太郎という問題」を克服しない限り、真の民主主義には到達できないと思います。

それにしても田中知事。全国知事会の会長に「文学者としての素晴らしさ」が必要なのですか?

[2005/01/29]  丁字戦法

NHKの番組「その時歴史が動いた」で、日露戦争における連合艦隊参謀・秋山真之の丁字戦法にまつわる話が紹介されていました。

海軍には、情報漏れを恐れ、戦法を秘伝とする伝統があり、その結果、初歩的な近代戦法について知らない者が数多くいることを秋山は発見します。

味方がとる戦法についての理解度が低いと、敵方が予想外の行動をとった場合に対応ができなくなることがあります。

秋山は、情報漏れの危険よりも、味方に作戦が徹底していない危険の方が重大であると考え、自軍の作戦が徹底されることを重視しました。

日本海海戦において遂行された連合艦隊の奇策・丁字戦法に対して、バルチック艦隊は予想外の行動に出ました。しかし、作戦の趣旨を理解していた第2艦隊司令長官の瞬時の判断で連合艦隊が完勝することになります。

味方が作戦を徹底的に理解することにより、現実の変化に対応した適切な方針が得られるという教訓は、政治活動においても応用可能だなと思いました。

ところで、報道の自由、放送の自由を護ることが公共放送の担い手としての責務であることが徹底されていないNHK。政治家に放送内容を事前に説明することが報道の自由、放送の自由を侵害することにつながるということが組織として理解されておらず、いまだに反省の色がありません。

会長等が辞任後顧問となり、批判を浴びるや辞退するという右往左往ぶり。「その時NHKは動揺した」ですか?

[2005/01/28]  キャリアシステム防衛の戦い

(ニュース)

愛媛県警の捜査費不正支出の実態を実名告発し、地域課鉄道警察隊から同課通信指令室への異動辞令を受けた仙波敏郎巡査部長を支援しようと、警察の裏金問題を追及するオンブズえひめ(代表・草薙順一弁護士)は27日、「仙波さんに対する報復人事を許さない弁護団」を結成し、松山市内で記者会見を開きました。
 

弁護団長の薦田伸夫弁護士は「明らかな報復人事」との見解を述べ、近く県を相手に国家賠償請求訴訟を起こすとともに県人事委員会に不服申し立てを行う方針を示しました。
 

一方、県警は31日、告発後初めて記者会見します。長谷川周夫警務部長が告発内容に対する見解や、「報復人事」との批判もある仙波巡査部長の異動について説明、質問に応じる予定です。

(コメント)

警察は、市民の安全を守るための組織ではなく、一部のキャリア官僚を守るための組織になっています。

県警不正経理疑惑が解明されれば、警察組織におけるキャリアシステムが崩壊する可能性があります。

現場の警察官が一生懸命努力しても報われない現在のシステムから、良心的な警察官の努力が報われる警察組織に生まれ変わるチャンスです。

現場の警察官の皆さん、自らの良心に恥じない職業にするために立ち上がろうではありませんか。

[2005/01/27]  国民主権?

(ニュース)

日本国籍でないことを理由に東京都の管理職試験の受験を拒否されたのは憲法に違反するとして、都の保健師で在日韓国人の鄭香均(チョン・ヒャンギュン)さんが都に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決が26日、最高裁大法廷でありました。

町田裁判長は「都の措置は違憲、違法ではない」と述べ、都に40万円の慰謝料支払いを命じた2審・東京高裁の違憲判決を破棄し、請求を棄却。鄭さん側の逆転敗訴が確定しました。

判決は裁判官15人のうち13人の多数意見で、「国民主権の原理に基づき、公権力の行使などにあたる地方公務員には、原則として日本国民しか就任できず我が国の法体系では外国人の就任は想定していない」との初判断を示しました。

その上で、都は、管理職に昇任すれば、いずれは公権力を行使する職種に携わることを前提とした任用制度を設けていたと指摘。公権力の行使に必要な経験を積むための職務も含め、管理職すべてに外国人の昇任を認めない都の措置について、「合理的な理由に基づく区別だ」と認定しました。

そして、労働者を国籍などで差別してはならないなどとする労働基準法3条や憲法第14条の「法の下の平等」に違反しないと結論づけています。

96年5月の1審・東京地裁判決は、都の措置を合憲と判断して請求を棄却。これに対し、97年11月の2審判決は「都の管理職には外国人の任用が許されるものもあり、受験機会を奪うのは、職業選択の自由などを定めた憲法に違反する」と判断。精神的苦痛に対する慰謝料を認めたため、都が上告していた。

(コメント)

国民主権だから公権力を行使する公務員には日本国民しかなれないという論法には納得できません。

株式会社においては、商法上、会社の定款に定めたとしても取締役を株主に限ることはできません。広く会社経営の適任者を求めるべきだということです。

勿論、営利法人である株式会社と運命共同体である国家とは異なります。しかし、公僕である公務員が有能でなければ合理的な国家経営(自治体経営)はできません。

会社の場合と違い、国民に広く機会が与えられている以上適任者には事欠かないという見方もあるでしょう。しかし、応募者の中で日本国民より有能な外国人がいる以上、採用をするのが合理的だと思います。

突き詰めると、外国人は裏切る、信用できない、という疑念が根本的な理由であるように思えてきます。

しかしながら、我々国民は同じ国民である高級官僚や警察幹部の背信行為や腐敗、道義的退廃に悩まされているのではなかったでしょうか。

公務員が主権者である国民に対して公的サービスを提供する「公僕」(パブリックサーバント)であるとの意識を継続して持てるかどうかが重要であって、「国民」かどうかは本質的な問題ではないと思います。

[2005/01/26]  報復人事

(ニュース)

愛媛県警の不正経理を内部告発した地域課鉄道警察隊の仙波敏郎巡査部長に対し、同県警は1月24日、地域課通信指令室への異動を内示しました。

仙波氏は24日記者会見し、「今回の異動は報復人事だ。理にかなっておらず、撤回してもらいたい」とし、法的措置も検討するとしています。

24日午前、県警生活安全部長から「3月に通信指令室に退職者がでる」などの理由で、内示を受けました。「この時期に突然、異動を言い渡されたことは、これまで一度もなく、納得がいかない」と仙波氏は抗議しましたが、「決まったことだ」と言われました。この日、異動を内示されたのは仙波さん1人。

20日に記者会見した後、別の上司から「自殺を防止するため拳銃を預からせてもらう」と電話があり、拳銃を取り上げられました。22、23日には、県警監察官室などから会見内容について事情を聴かれています。

同県警警務課の船田茂次長は「異動は業務の効率化や本人の実績、経歴などを考慮して適材適所に配置している。今回の内示は、内部告発に対する報復ではない」としています。

(コメント)

NHKも愛媛県警も、組織として錯乱状態にあります。組織防衛のためには手段を選ばない。自己を客観視する余裕を完全に失っています。

県警不正経理の場合、県警が防波堤にならなければ全国に波及し、キャリアシステムの崩壊につながる可能性もあります。それだけに、なりふり構っていられないのでしょう。

同時代的な波動が各方面に波及する可能性が出て来ました。NHK・長井チーフ・プロデューサー、愛媛県警・仙波巡査部長。

強大な組織が腐敗し、個人が良心の叫び声を上げるという構図です。組織とその構成員とが一体ではなくなってきた現在、どの分野でも腐敗が一定水準を超えれば、個人の倫理観が組織の論理を上回ってくることになるでしょう。

組織としては、完全に膿を出し切るしかないのですが、そうはいかないのが硬直した組織の常。警察が政治部門までねじ伏せることができるのか。力勝負の局面です。野党が踏ん張らなければならないと思います。

政治権力と微妙な関係を有する大組織の腐敗構造は、政権交代がなければ止むことはありません。

[2005/01/25]  答弁不能

(天木直人氏のホームペ−ジ・・「マスメディアの裏を読む」)  1月24日緊急追加を引用

http://homepage3.nifty.com/amaki/

始まったばかりの国会の代表質問で噴飯物の事件が起こった。小泉首相が岡田民主党代表の追加質問に何も答えなかったのだ。というより答えられなかった。これは一年前の代表質問の時もそうだった。ようするに小泉首相は官僚が用意した答弁を読み上げた後は、自分の頭で考えて意味のある答えを語ることが出来ないのだ。

だから岡田党首が再度質問しても、いくら議場から非難の野次が飛んでも、バツが悪そうにニヤニヤするだけで全く応じようとしなかった。出来なかった。この間、随分長い時間をかけて多くの下っ端議員が必死になって収拾策を話し合っている様は笑止千万であった。小泉首相に注意すらしようとしない河野議長に至っては哀れな道化師だ。

民主党が審議拒否をして退場した後、夕方に国会が再開された。今度は小泉首相が格好をつけて答弁にたった。手に紙を持っていると思ったら、それを、顔をあげることなく棒読みしてそそくさと答弁を終えた。官僚や同僚議員がかわりに準備してくれた答弁だ。このセレモニーの後、再開後の国会は終わった。国民をバカにするのもここに極まれりだ。
 
翌日の新聞はこの小泉首相の答弁拒否事件をなんと報道するであろうか。おそらく不毛な審議などと一応の批判をした上で、民主党も審議を拒否して退場するなどとは大人気ないなどと野党の態度も批判してバランスをとるのであろう。
 

しかし私は断言する。小泉首相は満天におのれの無能さをさらした。哀れなまでの醜態だ。野党が批判されるとすれば、なぜ退場などして小泉首相にあのような馬鹿げた再答弁を許したかという生ぬるさだ。もしあの時最後まで小泉首相に答弁を詰寄ったら、おそらく小泉首相は本当に進退窮まったであろう。なぜならば彼の頭の中には答えられる知識はなかったからである。
 
それにしても私はこんな情けない首相を見たことが無い。政治家を見たことが無い。私がいろいろな国で見てきた世界中の政治家の中でこれほど政策に無知な政治家を見たことがないのである。彼が虚勢を張ってニヤニヤするほど哀れを誘う。私が彼の立場に置かれたら自らを恥じて即刻首相を辞めるであろう。政治家を辞めるであろう。
 
こんな男が首相に居座って展開される日本の政治、国会審議は、その名に値しない。今度という今度は私もこの国の政治や政治家につくづく愛想がついた。それをもし国民が許すのであればこの国には未来はないと思う。

(コメント)

民主党にも手厳しい天木氏ですが、小泉氏への批判は的確です。小泉氏は自分の言いたいことは言うが、相手の質問に答えられる知識がないのです。質問の意味が分からないのかもしれません。

なんだか訳の分からないことをまくし立てて、その場を乗り切れればいいという「答弁」を何度も見ました。

国会で答弁するということがどういうことなのか分からないままに総理大臣になってしまったということなのでしょう。

歴代総理もそう褒められたものではありませんでしたが、少なくとも国会での答弁をしくじると政治生命を失うかもしれないという緊張感は持っていたように思います。あの森さんでも。

暗愚の宰相が改革を叫ぶ。これこそが国家の危機です。

<注>天木直人・・駐レバノン国日本国特命全権大使
イラク戦争に反対する公電を送り小泉首相の対米追従外交を批判して「勇退」をせまられる。著書にベストセラーとなった「さらば外務省」(講談社)

[2005/01/24]  「記者物語」

愛媛の地方出版社・創風社出版刊、東玲治著「記者物語」をお薦めします。

著者は元産経新聞記者。産経新聞入社から退社までの記者生活を描いています。

記者魂を持った方であることが、随所に垣間見えます。圧巻は、白石春樹・愛媛県政時代の取材拒否問題についての記述です。報道機関が取材の自由を侵害する強権型県政に対してどのような態度を取ったのか。そして、一記者である著者はどのような態度を取ったのか。

地方自治のあり方について、報道のあり方について、真剣に考えてみたい方に読んでいただきたい書籍です。続編も近々出版されるのではないでしょうか。

この東氏、産経新聞退社後、月刊誌「政経ジャーナル」を発行されています。この本を読んで定期購読しようかなと思っていたら、廃刊するとのこと。残念です。

*〒791-8068 松山市みどりヶ丘9−8 創風社出版    TEL:089-953-3153  FAX:089-953-3103          定価:1800円+税

http://www.soufusha.jp/main.html

[2005/01/23]  「希望格差社会」

山田昌弘著「希望格差社会」(筑摩書房)は示唆に富んだ書物です。

親に寄生してリッチな生活を送る独身者の存在を指摘して、「パラサイトシングル」という言葉を普及させた著者は、それから数年経ち、親の高齢化による「パラサイトシングル」の窮乏化が進行していることを確認します。

417万人といわれるフリーターの大半が安定した職場を求めつつ実現できないでいる存在であり、しかもパソコンの技能でも有職者に劣っていることなどから、職業的な技能や経験を積まないまま中年となったフリーターの存在が、将来的に社会的な大問題になってくるだろうと予言します。

なるほどと思ったのは、教育が果たしてきた機能についての考察です。偏差値による輪切りには強い批判がありました。しかし、従来の教育は安定した人生を送るためのパイプラインとしての意義があり、学校教育を受けている間に自分が将来どの様な職業に就いていけばいいのかが判明し、妥協点が模索できたことで、結果として人生の早い段階で安定した軌道に乗ることが可能でした。

その「パイプライン」に「漏れ」が生じてきています。従来の若者と同じかそれ以上の努力をしても、出口で安定した人生が待っていないのです。従来なら卒業すればほとんどが就職できたのに、そうはならない。これまでやってきた勉強を活かし希望にそった人生を手に入れるためにフリーターとして待機しなければならない状態に追い込まれるのです。

フリーターとそれを経済的に支える親は、現時点で妥協すべきところよりも高い理想を持っています。ところが、正規社員の需要から考えて、年を取る毎に落としどころがなくなっていくことになります。親としては、教育投資に見合う職業でなければ納得できません。しかし、若年者雇用の厳しさが自分達の時代とは全く違う様相を呈していることに気づいていません。親も子も妥協点を見つけられない状態に陥っているのです。

女性においても苦しい現実があります。従来は、女子大・短大という専業主婦コースがあり、そこから大企業に就職して安定的な伴侶を職場で獲得できたのに、女性の正規雇用が激減してフリーター化し、結婚に期待しても、男性の正規雇用の方も激減しており、安定した結婚相手を見つけることが困難となっています。

男性にとっては、フリーターとして将来の安定した職場を探すことが年々困難となり、女性も安定した専業主婦という道が狭くなっています。

男女とも、「何時か」を待ちながら年を重ねていくことになります。これは、バブル崩壊後の銀行が、「何時か」地価が値上がりして不良債権が解消するであろうと期待した状態に酷似しており、フリーターの「不良債権化」という指摘に繋がります。

日本社会は将来に希望が持てる人と将来に絶望している人に分裂していく過程にあるのではないか。そして、それを「希望格差社会」と名付けている著者の指摘を重く受け止めたいと思います。

自由競争による一握りの勝者と、真面目に努力したが将来に絶望せざるを得なくなった中年フリーターとに分裂する極めて深刻な事態を目前にして、社会の安定化ということを真剣に考えなければ手遅れとなる可能性がでてきたのだと思います。少子化問題とも絡めて、真剣に考えてみたいテーマです。

[2005/01/22]  男の生き様

21日の愛媛新聞1面を見て、びっくりしました。

愛媛県警の現職警官が実名で登場して、不正経理の実体を告発しました。大変な重圧があるでしょう。今後、嫌がらせ、誹謗中傷のたぐいも出てくると思います。

ほとんどの警官が偽造領収書作成に協力していたにもかかわらず、協力を拒否したその人物は、昇進試験を受けても、「領収書を書いていないので、君は受からんよ」と言われたそうです。

先日、JR駅前で街頭演説をしていたら、警察官がやってきました。何か文句を言われるのかなと思っていたら、「構内までよく聞こえていたよ」と言い、「立つ位置はこちらの方がいいね」と指導してくれました。さらに、県警不正経理のことに触れ、民主党はもっと追求してくれということでした。

びっくりしたというのは、1面にあった警察官・仙波敏郎氏の写真を見て、その時の警察官だと分かったからです。

男の生き様、見せていただきました。

[2005/01/21]  争いのない事実の中の問題点

安倍晋三氏、NHK、朝日新聞、三者がそろって認めている事実の中に、大きな問題点があります。

NHKが安倍氏に対して番組内容を「説明」する必要があったのかどうかということです。

番組編成の独立性を守ることが公共放送の生命線であることを認識するならば、「説明」の必要なしということになるのではないでしょうか。事後的な批判について真摯に受け止める態度が必要とされるだけです。

「説明」を受けたがる政治家、「説明」をしたがる放送局幹部がいるということだけは確実です。

[2005/01/20]  保守主義とメディア

ある政党を躍進させようとするならば、その政党の書籍・新聞を発禁処分にするのが一番です。

もしそうなったら、どんなことが書いてあるのか知りたくて、愛媛から東京まででも買いに行きたいと思うものです。そして、貪るように読みふけるでしょう。しかし、自由に売られていると、それほど興味も湧きません。

堂々たる保守主義に立脚すれば、自由こそ権力を守る最大の障壁だということになります。木は森に隠せ、なのです。

ところが、安倍氏に代表されるピリピリ保守(=余裕のない保守主義)は、放送が全て自分の意に沿うようにならないと気になってしかたがないのでしょう。

今回問題になっている放送が担当プロデューサーの意図通りに作成され放映されたとして、どの程度の影響があったでしょうか。放送に対するかなりの批判もあったはずです。

こんな番組が流れると国民が決起するかもしれない。大変だ。何とかしなくては・・・

そんなことはあり得ません。そういう妄想しかできないところに余裕のなさを感じてしまいます。

沢木耕太郎氏がNHK教育テレビに出演依頼をされ、(不特定多数に顔を見られたくないので)出たくない理由を述べると、担当者がこう言いました。

「それなら御心配いりません。この番組は誰も見ていませんから。」(「バーボンストリート」より)

NHKにも政治家にも、こういう余裕が欲しいものです。

[2005/01/19]  NHKへの政治介入問題(続)

事実としてNHK側が何日に「御説明」に行ったのか、そしてそれが放送の前か後かという議論は、事の本質とは必ずしも符合しません。

水面下でのやりとりがあり、最終的な和解ないしは手打ちのための「説明」ということもあり得ます。

この場合は、全ての事柄が水面下で終わっており、そのことの最終確認が残るのみとなります。「御説明」が放送の前なら「介入」で、後なら「セーフ」ということにはならないのです。

予告よりも3、4分短い放送がなされたということの意味は大きいと思います。我が国の放送(特にNHK)の精密さを考えると、緊急事態が生じたとしか考えられません。NHKの混乱ぶりがこの一事でも明かです。このあたりの詳細を知りたいところです。

森内閣の不人気が政変を引き起こしかねない状況下(参考:「加藤の乱」がその前にありました)での出来事。ピリピリした政情であったのですから、政権側の緊迫感は最高潮だったでしょう。

この国では、職を賭して戦うという人物はまれです。NHK幹部に職を賭して言論の自由を護れなどと言っても、キョトンとするだけでしょう。

「挙動不審者」としてのNHK。行くところまで行くしかないということなのか、「NHKは18日、朝日新聞社が同日付朝刊で同紙の取材過程を報じたことについて『誤った内容の記事が一方的に掲載された』として、文書で抗議した。」とのニュース。

[2005/01/18]  「証明してみろ」

(再開。休暇についての記述をアップロードし忘れたんでしょうか。したつもりだったんですが。)

NHKの長井暁チーフ・プロデューサーの記者会見による自民党・安倍晋三氏、中川昭一氏によるNHK番組への政治介入問題の告発について。

安倍氏は、テレビの報道番組で釈明をしています。この論法が面白い。

長井氏は何時、何処で、誰が、誰にどのようなことをしたのか証明すべきとの挙証責任論。2001年1月29日にNHK側と会見したが放送法の通りの意見を述べた等々。NHKとの口裏合わせができているという感じがします。

確かに、いわれなき誹謗中傷ということはあり得る話です。しかし、NHKの「挙動不審」ぶりは際立っています。火のないところに煙は立たないということではないでしょうか。「証明してみろ」ではすまないと思います。

また、NHK側と会見しなければ圧力が加えられないというものでもないでしょう。有形無形の圧力が自民党サイドから加えられ、これへの対応に苦慮したNHKが安倍氏のルートを頼って弁明しようとした。そう考えれば、「会見」の場は「手打ち式」のようなものになります。

安倍氏は放送法の通り意見を言ったのだから圧力にはならないという考えのようですが、暴力団のチンピラが暴言を吐き、困った一般人が親分のところへ行くと親分が紳士的な対応をしてくるということはよくありそうなパターンです。

「親分」としては、「仲良くやったらええがな」というようなことしか言わないでしょうが、言外に意味が濃厚に込められています。「多くを言わんでも分かるよな」ということです。

それにしても、NHK幹部の退廃ぶりは目に余ります。「ヒラメ族」主流の組織に成り下がっているのではないでしょうか。内部告発に対しては1ヶ月も無視しながら、告発者の証言を否定するのは極めて迅速。権力の手が回っているという印象しか持てません。

受信料不払いの動きについて、私は従来批判的でした。しかし、これでは不払いしたくなる方がまともです。

NHKは解体的な出直しが必要です。言論の自由を護る気概など欠片もないのですから。ここが一番の問題です。

[2005/01/11〜17]  休暇

某所にて休暇を取ります。

[2005/01/10]  性犯罪者の居所

(ニュース)

奈良市の小1女児誘拐殺害事件を契機にした性犯罪者の再発防止策について、村田国家公安委員長は7日の閣議後の会見で、「警察は慎重なところがあるのではないか。犯罪防止の観点から、どのようなインフラ整備が必要か検討してもよい」と述べています。

村田委員長は、犯罪者の人権への配慮が必要だとしたうえで、「警察が性犯罪者の住所などを知るだけでなく、外国のように地域に情報を知らせる方法も含め、どのような効果があるのか検討して、国民の理解が得られれば導入は可能だ」としました。

(コメント)

少女が性犯罪に巻き込まれ、社会に大きな衝撃を与えることが珍しくなくなっています。被害者の家族や周辺の人々にとっては、深刻な精神的苦痛が残ります。

性犯罪者の居所を把握して、適切な性犯罪防止策を確立すべきであるとの社会的なニーズがあると思われます。

それはそうかもしれないが、犯罪者にも人権があり、刑に服し罪をつぐなった後は更生する権利があるはずだという反論が予想されますし、これが正論だろうと思います。

強姦罪、強制猥褻罪に限定するという前提で論じさせていただきますが、初犯の場合には更生する権利を重視したいと思います。

しかし、再犯の場合は、更生の権利よりも社会防衛の要請が上回ると考え、性犯罪前科者の住所の情報を地域が知る権利を持つと考えるべきではないでしょうか。

更生のチャンスを与える。しかし、チャンスは一度しかないことを犯罪者に丹念に説明し、犯罪者が理解したにもかかわらず再度性犯罪を犯した場合には、社会防衛の要請が上回ると考えざるを得ないと思います。

仏の顔も三度。我々凡人は、二回目には心底怒ろうじゃないですか。

[2005/01/09]  官僚主権

(菅直人の公式ウェブサイト・菅直人の今日の一言、1月8日より)   http://www.n-kan.jp/

4月からの法政大学での講義の準備を少しづつ進めている。単発的に国民主権について語ったことは何度もあるが体系的、連続的に講義をするのは初めての経験。

私が国民主権論を語りたいのは日本が戦前選後をつうじて残念ながら国民主権国家になっておらず、官僚主権国家になっているからだ。

その上、戦後の復興期には経済政策に成功した霞ヶ関官僚が、財政に余裕のできた高度成長後、自らの保身に走り、総無責任体制になってしまっている

この原因を憲法上の観点から明確にし、同時に実際に私が経験してきた「官僚主権」の実態とをまず語ってみたい。
  

また明治憲法についてもしっかりした検証が必要だ。

(コメント)

国民主権が確立すれば、政治(=国民の意思)が行政をコントロールすることになります。

ところが、我が国では官僚が、「先生」「先生」と国会議員をおだててコントロールしています。勿論、政・官・業トライアングルの利権構造の一環です。

最近では、言論界、報道機関、学者まで、「審議会」で飼い慣らされています。官僚総無責任体制が、これを監視すべき「第四権」にまで拡散している状況です。

戦前は軍部の独走を押さえきれず、現在は霞ヶ関の官僚の独走を許しています。

政権担当能力のない自民党から政治権力を奪取して、官僚主権を打破しなければ、この国は惨憺たる状態に陥るでしょう。

「菅教授」の授業を聴きたいものです。昨年末、大洲市で講演されたときに随行させていただきましたが、必要事項を丹念にノートに書き込まれていたのを思い出します。

[2005/01/08]  再び、「愛国心」について

3日の「一言」で、読売新聞の社説が「愛国心教育」について述べた記述を批判しました。そこで言い足りなかったこと。

「愛国心」を過剰に主張する方々に多く見られる特徴は、自分に当てはめる規範(かくあるべしとすること)と他人に当てはめる規範とが異なるということです。

彼等にとって「愛国心」とは、一般庶民が守るべき規範であって、必ずしも自分達が守る規範ではありません。

もう一歩進んで言えば、庶民は自分達、国のエリートのために喜んで死ねということです。

こういう「愛国心」がはびこると、規範の二重化(ダブルスタンダード)というか、偽善が横行します。

戦前の「愛国者」達、例えば軍部の方々は、国のために最善を尽くしませんでした。組織の論理を国益よりも重んじました。何のことはない、周囲(組織や同僚)の目を気にしていただけなのです。

こういう連中の利益を守るために、若者達が無駄に死んでいった歴史を忘れてはならないと思います。

愛国心は必要です。しかし、それは自分の周囲の人達への愛情、それを広げた郷土への愛情、そしてその延長線上にある国と国民への愛情です。

思いやりのある子供に育てること、責任感のある大人になること、それこそが「愛国心」への近道ではないでしょうか。

[2005/01/07]  自民党の50年

保守合同で自民党が誕生し、55年体制が成立して50年になります。

米ソの冷戦構造が自民党という巨大保守政党を必要としました。自民党政権下、西側に所属することにより、我が国の安全保障が担保されました。

冷戦構造の崩壊により、我が国の政治構造の変化が求められる段階に入って16年。歴史的使命を終えた自民党が政権の座に居座ることを自己目的として存続していることが我が国の不幸です。

社会党が存在した頃、「政権担当能力」ということがしきりに言われました。抵抗政党・社会党に政権担当能力がないことにより、消去法的に自民党が国民に支持されてきました。

しかし、民主党が二大政党の一角を占めるに至り、様相は一変しました。世襲の毒素が回ってきた自民党には、もはや政権担当能力はありません。

政権担当能力、政策形成能力は民主党の方が一枚上になりました。民主党に結集する人物の多くが、自己の政策を、政権を取ることにより実現したいと思っています。

実のところ、元々自民党に政権担当能力はなかったというのが正解です。官僚におんぶにだっこ。中央集権と官僚支配を前提としたブローカー政治が自民党政治の本質です。

耐用年数・賞味期限を大幅に過ぎた50歳の自民党。早く引導を渡してあげなければなりません。

[2005/01/06]  愛媛が面白い

合併先進地・愛媛では、首長選挙や地方議会議員選挙が目白押しです。

この全てに民主党がからみたいところですが、如何せんそれだけの地力がありません。

とは言え、従来自民党国会議員の手足として動いてきた兵隊=地方首長・議員が激減することによる自民党の衰えが顕著なものとなってくるでしょう。

残念ながら、私のところ、1区ではそのようにはなりません。しかし、2区、3区、4区で保守の基盤が掘り崩されることにより、県都での地盤液状化に拍車が掛かるものと思われます。 

私は、愛媛が激変する事態もあり得るということを繰り返し主張しています。政治的には日本一面白いところだと思っています。 

[2005/01/05]  スマトラ沖大地震と津波

昨年末のスマトラ沖大地震と津波による死者は15万人とも言われており、死者の数が日々万単位で増えています。

このような被害を聞いたことがないなあと思っていたら、ふと思い出しました。

広島、長崎に投下された原爆の被害。広島が14万人、長崎が7万4千人。

今回の災害が大変なものだということが分かります。そして、原爆に於ける後遺症の問題に相当するのが、懸念されている伝染病です。医療支援を急ぐ必要があります。

今回の津波による被害は、情報さえあればかなりの程度防げたものでした。この点が悔やまれます。

以下のニュースを見て、なるほどと思いました。

(ニュース)

インドネシア・アチェ州のシムル島はスマトラ沖地震の震源に最も近い位置にありながら、犠牲者は8人にとどまりました。

同島の住民は、多数が死亡した約100年前の津波被害の教訓が生かされたためだと話しています。同島は1907年に強い地震に見舞われ、津波で住民の大半が死亡。住民は子供たちに教訓を学ぶよう伝えてきました。

「強い地震が起きたら、海面を見なさい。海水が遠くに引けば、津波がやって来る。高い所に避難しないといけない」と子供達は教わっているそうです。

地震直後、一部の住民が浜辺に行って海岸線の状況を調べ、海水が遠くまで引くのを確認。高い所に避難するよう大声で叫んで連絡したということです。

同島は人口約6万9700人。今回の津波で8人が死亡、1人が行方不明。アチェ州全体では9万人以上の死者が確認されています。

(コメント)

災害は忘れた頃にやって来ると言います。98年前の大災害の教訓が伝えられていたということに驚きを感じると共に、教育のあり方についても考えさせられました。

原理的なことは学んでいても、実地には役に立たないということがあります。生き抜く力になる「知識と知恵」が伝わっているかどうかを検証していきたいものです。

[2005/01/04]  青年国内協力隊

青年海外協力隊というのがあります。20歳から39歳までの方々が、その希望により2年間海外に派遣されます。

私は、青年国内協力隊というのをつくればいいと思っています。

市町村合併により、「周辺部」となった地域の自治能力が低下することは必至です。そのような地域に青年を派遣します。

宿舎はなし。協力してくれる民家に下宿してもらいます。担当世帯を100軒というように設定し、地域の事務を補助します。

基本的にはボランティア。食事も地域の人が面倒を見ることにします(お接待・・・まるで空海の世界)。若者が施しを受けながら、他方で地域に貢献します。簡単な土木作業も協力隊の若者達が地域の人と協力して行えばいいのです。

地域に馴染んだ若者が定住するのもいいでしょう。

6600万人の労働人口に300万人の失業者。若者は100万人以上いるでしょう。

ニートだフリーターだと問題視する前に、若者に社会貢献をやらないかという呼びかけを端的にやってみたいものです。ついでに、シニア国内協力隊もつくればいいと思います。

正月、こんなことをぼんやり考えていました。

[2005/01/03]  「愛国心」教育

<元旦、読売新聞・社説の一節>

・・・憲法とセットで制定された「戦後」規範の一つに、教育基本法がある。

久しく改定の必要性が指摘されていながら、現在も、改定作業が難航しているが、最大の焦点は「愛国心」の扱いである。愛国心が是か非かなどということが議論の対象になる国など、世界中、どこにあろうか。

こんな奇現象が生じるのは、「愛国心」と聞けば、反射的に「狭隘(きょうあい)な」という形容句をかぶせたがり、「戦前回帰」「軍国主義復活」などとして騒ぎ立てる“守旧”思考が、いまだに一定の勢力を有しているためだ。

教育基本法策定の過程で、GHQは、日本側が主張した「伝統を尊重して」という部分を削除させ、「個」の尊重に力点を置く基調のものとした。

伝統の尊重の否定=愛国心の否定は、公共心の希薄化につながり、今日の教育の乱れを招いている。「個」の尊重が、ともすれば児童・生徒の自主性の名のもとに放任へと傾き、規律心の低下、さらには昨今の学力低下にもなっているのではないか。・・・

(コメント)

愛国心の否定が公共心の希薄化につながっているのでしょうか。

公共心を育てる教育がおろそかになっているというのなら分かります。しかし、愛国心の否定が公共心の希薄化に直結するともとれる論法は如何なものでしょうか。

教育基本法が愛国心を否定していると論断することにも首を傾げます。ことさらに「愛国心」を強調していないだけではないでしょうか。

教育基本法第1条は、「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」とし、

第8条1項は、「良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなければならない。」としています。

公共心の延長線上に愛国心があることは否定できません。しかし、「愛国心」の名の下に、拒否しがたい義務感を醸成し、多くの国民の運命を誤らせたことへの反省なくして、安易にこの言葉を用いることは妥当ではありません。

「愛国心」の概念を用いなかったのは、戦後間もない頃の人達が「愛国心」に強烈な副作用が伴うことを自覚していたからではないでしょうか。

「個」の尊重が、放任と規律心低下、学力低下の原因と考えることの論理性にも疑問を持ちます。

「官報」と見まがう翼賛新聞の論調に潜む、非論理の危うさに警鐘を鳴らしたいと思います。

ちなみに私は、ことさらに不利な条件下で、自らの利益を度外視して、自堕落な自民党政権を倒すために政治活動を行っています。

愛国心故の行動であることをお断りしておきます。

[2005/01/02]  人口減少時代の入口

2004年に生まれた赤ちゃんは110万7千人で前年より約1万7千人少なく、出生数から死亡数を引いた自然増加数も初めて10万人を割るのがほぼ確実であることが昨年12月31日、厚生労働省の人口動態統計・年間推計で分かりました。

「将来推計人口」は、日本の人口は2006年をピークに減少に転じると予測しています。「人口減少時代」到来間近の状況。
 

出生数は4年連続の減少で、統計を取り始めた1899年以降、過去最低。死亡数は102万4千人で、1947年以降、2番目に多い数字であり、このため自然増加数は8万3千人となります。
 

総務省統計局の年報によると、日本の人口は1億2762万人(2003年10月1日現在推計)。国立社会保障・人口問題研究所が2002年に公表した「将来推計人口」によると、2006年の1億2774万人をピークに毎年減少し、2050年には1億59万人まで落ち込むとしています。この人口は1967年(昭和42)年とほぼ同じです。

(コメント)

昭和42年の国民の平均年齢は、31歳(若い!)。現在の国民の平均年齢は43歳で、2050年には51歳になると推定されています。

そして、昭和42年の高齢化率(65歳以上の方の比率)は、6.5%で、現在の高齢化率は20%。2050年には36%と推定されています。

高度成長まっただ中の昭和42年は、上り坂の時代でした。同じ人口になるといっても、年齢構造が大きく異なります。

将来の出生率向上に期待したいところですが、2050年までを想定すれば、そういう社会が来ることは避けられないでしょう。

それを前提とした社会のあり方を考える必要があります。

今回は数字の確認。

[2005/01/01]  難問

今年、国レベルの政治決戦は、衆議院の補欠選挙という形で表れます。これが中間選挙として位置付けられるでしょう。

2006年秋に総選挙があるという前提で政治活動を行います。自民党に代わる政権党として認知していただけるような活動をしたいと思います。

自民党が強いと言われる地域で保守の岩盤を打ち破るのが私の任務です。民主党が強い地域では味わえない醍醐味があります。

愛媛で小選挙区4議席獲得を目指します。

子供の頃から、難問を解くのが好きでした。解けそうな問題だと思っています。

謹賀新年。

[2004/12/31]  同級会

暮れも押し迫った30日、愛光学園第14期の同級会に参加。

卒業後はじめての級友もいました。同級生がありがたいのは、見かけはともかく、年を同じだけ取ってくれているということです。

50歳、51歳になり、それぞれの人生を生きてきたことを確認しました。

これまでの人生経験を踏まえて、それなりの話ができる段階に入ったのではないかとの感触を得ました。

自分の政治戦略を、同級生、同窓生の皆さんに愛媛変革の面白いストーリーとして紹介したいと思っています。

その為に日夜、想を練っています。勿論、実践もやりませんとね。

[2004/12/30]  鎌田さゆり氏の辞職

衆院宮城2区の民主党議員、鎌田さゆり氏が辞職しました。

最高裁が労組幹部の選挙違反事件で上告を棄却する決定を出したことを受けての判断です。同じ事件にかかわっていた宮城1区の今野東氏は議員を辞めずに連座制適用をめぐる行政訴訟を争う構えです。

検察側が「選挙運動管理者」と認定した労組幹部3人についての行政訴訟で鎌田、今野両氏が敗訴すると、両氏の当選が無効となり、5年間同一選挙区からの立候補が禁じられます。

報酬を払う約束で行った電話作戦が違法な選挙運動に当たるかどうかが裁判で争われました。

無報酬のボランティアが行った電話作戦ならいいけれども、運動員に報酬を払うと違法というのが裁判所の解釈です。

(コメント)

「悪法も法なり」といいます。正当な手続きでつくられた決まりは無条件で守られなければならない。そうでなければ、社会の秩序が破壊されるという考え方に立脚しています(法実証主義)。

これに対して、法律などの決まりはそれを超越する理念や価値があって意味があるものであり、正義の観念に反する決まりは守らなくても良いという考え方があります(自然法思想)。

公職選挙法は、おかしな法律です。専門家に聞いても、「理屈で考えると失敗する」というアドバイスを受けます。

現在只今警察が摘発しようとしている類型の行為をしないようにするのが正解だそうです。

警察が摘発しようとする行為の類型は、その時々で違います。「傾向と対策」(昔の受験生には懐かしい参考書の名前)を考える必要があるのです。

なんだか変だ。

自然法思想で突っ張りたいところですが、現実にはそうもいきません。しかし、不条理な内容の法律は改正していくべきでしょう。

国会議員は法律をつくる専門家なのだから、おかしいと思えば改正すればいいではないかと思う方もいらっしゃるでしょう。

しかしながら、国会は多数決の世界です。しかも、野党の提案は与党によって棚晒(たなざら)しにされることが多いのです。

ニュースによく出るので、野党=審議拒否と思われる方が多いでしょうが、実は与党の審議拒否がけっこう多いのです。

[2004/12/29]  皇室典範に関する有識者会議

(ニュース)

細田官房長官は27日の記者会見で、女性の皇位継承を認めるかどうかなどを検討するため、小泉首相の私的諮問機関として「皇室典範に関する有識者会議」を設置すると発表しました。

緒方貞子国際協力機構理事長や佐々木毅東大学長、園部逸夫・元最高裁判事ら10人で構成。来年1月に初会合を開き、秋ごろに報告書をまとめます。これを受けて、政府は皇室典範改正に着手する方針です。1947年に制定された皇室典範の見直しを本格的に議論するのは初めてです。

(コメント)

皇室における女性の地位の問題、特に女性天皇の問題が俎上に上ります。

男女平等の観点から、女性天皇を認めるべきだと思います。

しかし実際問題、1人の女性の幸せということを考えると、大変だろうなと思ってしまいます。

女性天皇を認めるとしても、本人の意思を確認すべきでしょう。勿論、男子の場合もそうであるべきです。

皇位継承の資格のある人の中で天皇になる意思のある人がなければ、天皇制の廃止ということも視野に入れるべきではないでしょうか。

そんなことまでは「有識者会議」では議論しないでしょうが。 

[2004/12/28]  味方でなければ敵か

政治活動をしていて悩むのは、敵味方の峻別の激しい人物との折り合いの付け方です。

「貴方は私の味方ではないのか?そうでないとすると敵だな。」とやられるとどうにもなりません。

こういう人物ほど、最大の敵を見逃しているものです。

自分の周辺の「味方でない者」を敵だとすることにより、最大の敵を利することには至って無頓着。

そういう愚を犯さないためには、「敵でなければ味方」というくらいのおおらかさが必要でしょう。

とは言うものの、筋道を通すという作業をないがしろにすると、無原則に流れてしまうということになる・・

[2004/12/27]  「平成の大合併」、その現状

(ニュース)

「平成の大合併」で、1999年4月時点で3229あった自治体数はすでに2927に減少しました。

毎日新聞の調査によると、市町村数は合併特例措置の当初の期限直後の2005年4月時点で約2400に減り、最終期限直後の2006年4月には1850程度に減少する見通しです。

合併特例法の期限は2005年3月末ですが、2005年3月までに都道府県に申請し、2006年3月末までに合併すれば同法の適用が受けられる延長措置が設けられています。

政府は市町村数を2000未満にすることを現実的目標としているので、予定通りと言えます。

都道府県別に見ると、広島、愛媛、大分県が1999年4月時点に比べ市町村数が7割減になると見込まれるほか、秋田、新潟など比較的合併の動きが鈍かった東日本にも浸透する傾向をみせています。

一方で、協議が不調に終わるケースも急増。合併の前提となる法定協議会から一部の自治体が離脱したり、協議会が解散、休止に追い込まれたケースは285件に達しています。うち212件は今年に入ってからで、協議会解散も今年97件が確認されるなど、合併の成否は二分化しています。

(コメント)

このホームページの端緒は、平成の市町村合併への反対でした。住民自治を基本に置き、住民がまとまって地域の問題を解決していこうとするのが自治だとすると、自治の単位は住民がまとまってやっていける範囲ということになります。

一望できる平野部が幾つかの自治体に分かれている場合は、住民の日常生活領域の変化が自治に影響を与えるということも言えるでしょう。

しかし、山や海で隔てられている地域、取り分け山間部や離島においては、そこに住む人々にとって、自治体の存在が生存権的なものになります。

「平成の大合併」は、国家による「地方統治」の観点から、「自治」ではなく「地方行政」を効率化するのが目的であり、「団体自治」の単位を大きくすることにより、「住民自治」を圧殺するものです。

目的もなく、特例債狙いで流れに易々と乗ってしまった自治体は、自治に失敗したと言われても仕方がないと思います。

過疎地域の優遇をやめ、地方交付税を圧縮することにより、地方を締め上げていった政府の狡猾なやり方が功を奏したという見方もできます。

政府に反乱できない従順な地域に住む私は、この流れを見て「倒幕」を決意しました。

求む!倒幕運動への参加者。

[2004/12/26]  関西空港

海外旅行で、関西空港を利用することがあります。松山空港から関西空港への便がある場合はいいのですが、伊丹空港を利用せざるを得ない場合は大変不便です。

リムジンバスが走っています。1時間15分かかります。これに乗れない場合もあります。乗客の荷物が多く、荷物室が一杯になると出発時刻に間に合っても乗車を拒否されます。そうなると、次の便を30〜40分待つことになります。

狭い地域に2つの空港。加えて神戸空港ができます。馬鹿馬鹿しいというより、情けない気持ちになります。

最近、韓国や上海を経由するヨーロッパへのツアーの広告が出ています。松山空港からだとこれは便利です。上海やソウルの観光がセットされていたりします。

日本の国際空港を「愛国心」で利用する必要などないと思います。日本の国際空港を利用することは、利権集団のエゴに協力するだけの話だからです。

[2004/12/25]  紙芝居

(ニュース)

「郵便局がコンビニみたいになって、便利になる」

自民党の武部幹事長が発案した郵政民営化の利点を訴える紙芝居が24日、東京・有楽町で披露されました。

紙芝居の題は「あすなろ村の郵便局」。買い物客らが見守る中、郵便制度の創設に尽力した前島密を主人公に、民営化後の郵便局の業務が広がるといったストーリーが読み上げられました。

小泉首相は同日夜、与党幹部との会合で「紙芝居を大いにやってくれ」と語っています。

紙芝居の上演について、片山参院幹事長は24日、「反対派を刺激するようなことは慎んだ方がいい」と不快感を表明。

(コメント)

この3年8ヶ月が、紙芝居そのものだったのではないでしょうか。

改革派対抵抗勢力の単純な図式で芝居を行い、観客の興味を引くというやり方。

プロレス政治とでも言いましょうか。ヒール(悪役)が反撃し、「正義の味方が危ない」となると、観客が声援するという具合です。

落としどころを探しながらのプロレスがしばらく続きます。最後は、「郵政株式会社」の看板が掛けられて一件落着。

手を付けたところが偉いという意見も出るでしょう。味噌を付けたという見方も出てくるでしょう。

[2004/12/24]  クリスマス・イヴが怖い

テレビなどのメディアは、クリスマス・イヴは恋するカップルが食事をしたり、プレゼントをし合ったりすることが当然であるかのような宣伝をします。

そうなると、交際相手のない独身者にとっては、大変辛く、惨めなことになります。

恋愛が義務化されたかの感がある昨今。「負け犬」だなんだと、人を揶揄する言葉が氾濫し、自分が何をやりたいのか、誰が自分にとって最良のパートナーなのか、自分の本当の声を聞くことが難しくなるような「騒音」に包まれている気がします。

「ジングルベル・・」の曲を聴くとケーキを食べなければならないということでもなかろう、と割り切って行こうではありませんか。

真に自由な人生は、流行やファッションに逆らうところから始まるのかもしれません。

メリー・クリスマス。それぞれの人生に乾杯!

[2004/12/23]  議員会館

(ニュース)

衆参両院は22日、国会議員の事務所などが入居する新しい議員会館の建設概要を発表しました。

現在の議員会館と同じく衆院2棟、参院1棟。いずれも地上13階建て。1人あたりの議員の部屋は今の40平方メートルから100平方メートルに広がります。

景観に配慮し、高さは国会議事堂(高さ約65メートル)より低い約60メートルに抑えます。2006年に着工、2012年に完成予定。総工費、約1400億円。

(コメント)

節約ばやりの昨今ですが、民主主義の経費を短絡的に節約すべきではありません。

議員会館に行く機会があります。これでは狭くて仕事がやりにくいだろうなとの感想を持ちます。議員とは、人間関係に依拠しながら、社会的情報を政治的情報として処理・加工して政策化して立法に反映する技術者です。

来客とのコミュニケーションと自己の情報収集および、その処理を行えるだけの空間がなければ、充実した仕事は不可能です。議員会館とは、単なる休憩所であったり、応接室であったりするものではありません。

費用を掛けるべきところは思い切って掛けるべきです。何でもかんでも、節約することが正義のように言うのは間違いだと思います。

市町村合併で議員定数が話題になりますが、人数の問題が本質ではなく、自治体における意見集約機能と審議能力とが欠乏していることを問題にすべきだと考えます。

昨日問題にしたように、議員定数を削減しても「地盤買収」が行われると、悪貨が良貨を駆逐するだけになってしまいます。

費用対効果を議論すべきです。議会にかける費用に対応するだけの効果、即ち自治能力の向上があるかないかが問題です。

そういう視点抜きの「経費削減」は、民主主義の根っこを弱らせるだけということにもなりかねません。

[2004/12/22]  地盤を買う

市町村合併に伴う議会の選挙で注目したいのは、議員定数の減少により当選ラインが上昇することに対する各候補者の対応策です。

従来1000票で当選していたのが2000票必要になると、当選不可能と判断した議員が立候補を取りやめる場合が出てきます。

その地盤を「買う」ことによって生き残りを策する候補もいます。

地方議員の獲得票数は、保守系の場合1票1票の積み上げによるものです。1人1人の有権者の支持を得ていく作業が間に合わないと考えると、思いつくのはやめていく議員の地盤を譲り受けることによってまとまった票数を得ることです。

全有権者に訴えかけて、一定割合の支持を獲得するという手法が通用するのは、理念や政策がしっかりした候補者です。

そうでない候補がかなりの票数を取って当選する場合には、地盤の取引があった可能性があります。

勿論、地方自治の向上には結びつきません。

[2004/12/21]  「解散するなら自民・総裁を辞めろ」 

(ニュース)

自民党の亀井静香元政調会長は20日、都内で講演し、郵政民営化をめぐり、小泉純一郎首相や武部勤幹事長が衆院解散の可能性に言及したことについて「与党が反対するから解散をするということは、憲政のあり方からしてあるはずがない。万が一そういう事態になれば、(首相に)自民党総裁を辞めてもらうしかない」と強く反発しました。

(コメント)

議院内閣制をとる我が国では、与党と政府とは一体であるべきです。

与党が反対するから衆議院を解散するというのは異常であり、その場合には、亀井氏の言うように総裁を辞め自民党を離党して解散権を行使すべきでしょう。

「自民党をぶっつぶす」と言って自民党総裁に選ばれたということ自体が論理も何もない話です。

常軌を逸した政治が3年8ヶ月も続いています。

[2004/12/19〜20]  党大会

福岡にて民主党大会がありますので、出掛けます。

補選ではありますが、山崎拓氏との戦いは、全国注視の決戦となります。

それを見越しての福岡での党大会。

[2004/12/19]  大洲市の集会

18日大洲市の綜合福祉センターで行われた、菅直人・前民主党代表の講演会には、四百数十人の聴衆が詰めかけました。

大スターに来て頂いたということはあるにしろ、浜口金也・民主党愛媛県第四区総支部長が死にものぐるいで活動してきた成果でもあります。

「サボテンも生えない沙漠」だと、私は愛媛四区のことを他の地域の方に紹介しています。

自民党王国は、保守層の信頼がなくなってくると、崩壊に加速度が付きます。保守の岩盤にひび割れができつつあります。

愛媛四区にサボテンが生え始めたという印象です。

[2004/12/18]  怪しげな起訴

自衛隊のイラク派遣反対を自衛官やその家族に訴えるビラを防衛庁官舎の新聞受けに入れたとして、住居侵入の罪に問われた市民団体の3被告について、東京地裁八王子支部は16日、全員に無罪判決を言い渡しました。

裁判長は、「住民のプライバシー侵害の程度は低く、ビラ入れが憲法で保障された政治的表現活動の一つとして民主主義社会の根幹をなすことを考えれば、刑事罰に値するほどの違法性はない」と述べました。

判決はまず、3人が無断で官舎に立ち入ったことについて、「住民らの意思に反しており、住居侵入罪を構成する要件にあたる」と判断。しかし、「たとえ要件を満たしても、動機や行為の態様、被害の程度などを考えたときに、違法性が低く犯罪が成立しない場合もある」としました。

これを踏まえて、判決は3人の行為を検討しています。そして、(1)自衛隊のイラク派遣に関する見解を伝えるという動機は政治的意見の表明として正当(2)訪問販売や勧誘行為などと比べ、居住者が被る迷惑は少ない(3)住民の被害感情を考えても被害の程度は低い、と指摘。

さらに判決は、「ビラ入れは政治的表現の一つで、商業的宣伝ビラの配布に比べて優越的な地位にある。それなのに、正式な抗議や警告といった事前連絡もせずいきなり検挙し、刑事責任を問うのは憲法の趣旨から疑問だ」と批判。「刑事罰を科す程度の違法性はない」と結論づけています。

(コメント)

要するに、狙い撃ちなのです。不平等起訴ということも加えたいと思います。

警察、検察によくもまあ、こんなことを立件する暇があるものだと感心します。

肝腎な重大犯罪は未解決のものが多いのに、こんなことには熱心。縦割り組織ですから、などと言って平然としていられるものなのでしょうか。

裏金づくりは、組織挙げて熱心なようですが。

[2004/12/17]  菅直人・前民主党代表、講演会

四国八十八カ所を断続的に廻っている菅・民主党前代表、現・ネクスト国土交通大臣が18日(土)、大洲市を訪れます。

昼間、山鳥坂ダム建設予定地を視察した後、午後7時から大洲市総合福祉センター(大洲市東大洲270番地1 、TEL:0893-23-0294)で講演会を開催。

このことを告知するチラシが大洲市の某新聞販売店で折込拒否された事件(他の販売店は承諾)については、先日述べました。

新聞紙面に政治家を讃える全面広告が掲載されることがあります。下の欄には、公共事業を請け負っていると思われる企業の名前が連なっています。

贈収賄的な構造が紙面に表れていると言ったら言いすぎでしょうか。このような広告に紙面を提供する新聞社の見識を疑います。

他方、身近な広報手段であるチラシ折込を地方議員が利用しようとすると、それが拒否されるケースがあります。

勿論、一定の理由があることは分かります。しかし、名誉棄損、誹謗中傷に当たらない限り、販売店は折込を拒否すべきではないと思います。根拠は、当然ながら表現自由と知る権利。

地方議員の活動が有権者に伝わらないようにしておいて、地方議会や議員をこき下ろす記事が掲載されたりします。

不条理だと思います。

[2004/12/16]  刑務所の民間委託

(ニュース)

政府の規制改革・民間開放推進会議と法務省は14日、刑務所の警備など刑務官の業務の一部を民間に委託することで大筋合意しました。

2005年度から、国と民間業者が対等に行政サービスの競争入札に参加する「市場化テスト」のモデル事業の対象に加えます。

法務省側は入札には参加しません。民間のみの競争入札となります。

(コメント)

刑務所の仕事の大半は、民間でも肩代わり可能です。要するに、受刑者の社会的な自由を一定期間剥奪すれば、刑罰(自由刑)を与えた最低限度の意味があります。

自由を奪うことと受刑者が社会復帰するため諸施策。それが自由刑の中身です。

それらの作業を、法にのっとり公正に行う作業を公的部門が担当すればいいのだと思います。しかし、医療との比較で言えば、それらの作業も医師の職業的倫理と変わるところがないのですから、民間でも可能だと思います。

そうなると、本当に「公務」でなければならないサービスとは、民意を代表する国と地方の議員、首相、閣僚と司法に携わる裁判官、検察官、警察官の職務くらいのものかもしれません。

首長は?

これも、例えばシティーマネージャーとして雇えばいいのではないでしょうか。

[2004/12/15]  圧縮陳列

ドン・キホーテへの放火。3人の犠牲者のご冥福をお祈りします。

圧縮陳列という手法と深夜営業で若者に人気の業態を開発した小売業、ドン・キホーテ。

店舗に入った経験があります。店の中にいるときに火事が起きたら大変なことになるだろうなと思います。

多数の消防法違反があったといいます。渋滞や深夜の騒音で近隣住民とのトラブルがあることも有名な話です。

利潤追求と地域社会との調和が図られなければなりません。法令の遵守も当然です。このことを無視した企業活動は早晩行き詰まります。

ドン・キホーテも営業のあり方を根本的に見直す時期にきているのでしょう。ニュース報道を見ていると、なんだかドン・キホーテが加害者のような気がしてきます。

勿論、憎むべきは放火犯です。

[2004/12/14]  大洲市でのチラシ折込拒否

菅直人・前民主党代表が、18日(土)で山鳥坂ダム建設予定地視察と大洲市での講演のために来県。

このことを広報しようとして4区総支部長がチラシを作成、折込を依頼したところ、某新聞販売店はこれを拒否しました。他の販売店は承諾しました。

意見広告ではありません。事実の告知です。意見広告の場合は、販売店が政治的対立に巻き込まれるとの理由が掲げられています。

菅氏が危険人物なのか?山鳥坂ダム建設予定地を視察する人は特定の立場なのか?

販売店のチラシ折込拒否については、問題点を整理してキチンとした対策が必要です。

討ち入りでもやるか。

[2004/12/13]  内閣支持率40%を切る

毎日新聞の緊急世論調査で、イラク派兵延長などの影響で、最近上昇気味だった小泉内閣の支持率が40%を割り込んだことが分かりました。

先日慶応大学教授・榊原英資氏がテレビで、自民党の固い支持者が20%おり、テレビで小泉首相が短いコメントをするのをマスコミが垂れ流すことで、政治的主張とは関係なく20%の支持が出るため、合計40%の支持率が維持されているのだと解説していました。

そうだとすると、他の内閣よりも依然高い支持率であるといっても、それは見かけ上の支持率であり、40%を割り込むということは実質的に20%を割り込んだという意味合いでとらえるべきものだと思います。

小泉批判を的確に行い、内閣支持率を40%以下の状態にしておけば、何時総選挙があっても民主党が勝つことになります。

民主党がやるべきことは、既に「過去の人」になりつつある小泉氏の後釜が誰になるかを予想し、バトンタッチ後の「瞬間風速」にやられないようにすることです。

「新総裁」誕生後、その人物の賞味期限が切れる前に総選挙が行われた場合、民主党にとっては逆風になります。

映像メディアによって支持率がつくられるということを想定すべきです。

(好感度)×(映像露出度)→(支持率)

ということを前提とした対策が必要だと思います。

[2004/12/12]  ガス抜き?

(ニュース)

小泉内閣が進める「改革」に反対する、自民党徳島県連主催のシンポジウム「これでよいのか 郵政民営化・三位一体改革!」が徳島市内であり、小泉純一郎首相や閣僚、党本部執行部に対する厳しい批判が相次ぎました。

同党の都道府県組織が総裁や執行部の方針に反対するための会合を開くというのは異例です。


小泉改革を批判しているエコノミスト、紺谷典子さんの講演の後、パネルディスカッション。今年9月まで副総務相だった山口俊一衆院議員(徳島2区)が小泉改革について「ごまかしばっかりだから、けしからん」。竹中平蔵・郵政民営化担当相に対しても「何を聞いてもウソをつくか、『まだ決まっていません』と言うばかり。痛みの部分を隠して、いいことばかり言う」と批判。
 

選挙の際、同党の推薦を受けた飯泉嘉門知事も「今年度予算で地方交付税約3兆円が切られ、地方の自由度がなくなった」と指摘。支持者ら約800人で埋まった会場からは「小泉さんの首をすげ替えるような覚悟でやって」と激励する女性も出ました。
 

(コメント)

地方斬り捨てが進行中です。

言っている小泉氏・本人も分かっていない「三位一体の改革」は、財務省の財政再建路線に利用され、それも官僚と自民党国会議員の職域保全のために地方が犠牲になってしまいました。補助金削減の分野は、中央省庁間の力関係が反映されています。

地方の自民党がもたない。そして、それを支持基盤とする自民党国会議員も居心地が悪いということで、とりあえず小泉政権批判でかわしていこうということなのでしょう。

財政再建のためには、何かを犠牲にしなければならない。誰かが犠牲にならなければならない。そうなると、力関係がものを言います。

中央集権と官僚支配は維持しなければならない。これが自民党政権の至上命題です。地方切り捨ては必然の流れとなります。

自民党政権を前提とする限り、財政を犠牲にして地方への利益誘導を図るのか、財政再建を重視して地方を犠牲にするのか、二者択一になります。

それにしても、「小泉改革はけしからん」と言いながら、ちゃっかり大臣になったり、政府の役職を離れると小泉政権を批判したりと、自民党国会議員の融通無碍というか二枚舌政治は健在です。

東京で言っていることと、地元で言っていることをじっくり比較してみる必要があります。

[2004/12/11]  読解力

(ニュース)


OECD(経済協力開発機構)が40の国・地域の15歳を対象に実施した「生徒の学習到達度調査」(PISA)で、日本の高校1年生は実施4分野のうち、「数学的応用力」が前回1位から6位に低下、前回8位だった「読解力」が14位に下がったことが分かりました。

調査対象の高校1年生は、「ゆとり教育」を反映した文科省の「新学力観」の下で、義務教育を受けてきた世代です。この間、学校では週休2日制導入され、年間学習量の大幅減少がありました。
 

(コメント)

私は、ゆとり教育には反対です。子供時代にはドンドン詰め込んでおいた方が、結果として本人に親切だと思っています。

人生は、厳しい冬から始まり実りの秋に終わる。この考え方でいくべきでしょう。

玄冬、青春、朱夏、白秋。

人類の知的資産の承継が教育です。知的資産は年々歳々豊富になっていきます。知識と知恵とが唯一の資源である我が国において、教育こそが国の根幹です。

詰め込まなければなりません。それを効率的に行うのが教育のあるべき姿です。「ゆとり」に逃げ込んではいけないと思います。

それにしても、読解力が弱くなっているということで、このホームページのあり方も問題になりそうです。難しいとの御批判があることですし・・

[2004/12/09〜12/10]  研修

静岡・熱海にて、民主党新人研修

[2004/12/09]  産経新聞の「主張」

8日の産経新聞の社説・「主張」は、「自衛隊と憲法改正 なぜ問題になるのだろう」とのタイトルで、陸上自衛隊の幹部自衛官が憲法改正草案を作成し、自民党憲法調査会の中谷元・改正草案起草委員長に提出したことを問題視する動きに対して疑問を呈しています。

その要旨。

*公務員の政治的中立性を損なう政治的行為でない限り、国民の1人である自衛官が憲法改正草案を作成することに問題はない。

(自衛隊法61条は「政党または政令で定める政治的目的のために政治的行為をしてはならない」と規定している。政令(自衛隊法施行令)は、その政治的目的や行為について「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し、又はこれに反対すること」「政治的目的のために官職、職権その他公私の影響力を利用すること」などとしている。)

中谷氏が私の個人の活動だ。知見を深めるため、相手もあくまで個人の立場で、意見を聞かせてもらった」と説明していることから判断すれば、政治的行為ではない。禁止されている政党への入党勧誘や政党機関紙の配布などとは違う。

*憲法99条は「公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」としているが、96条は改正手続きと国民投票を明記しているから、よりよき憲法改正草案を考えることは当然である。

*文民統制とは、政治が軍事をいかにコントロールするか、である。ところが日本の文民統制は、内局の背広組の統制が利きすぎ、制服組の意見が十分に反映されていない

国の守りの最前線を担う自衛官の専門的見解にも耳を傾ける必要があるのではなかろうか。

(コメント)

大丈夫か、産経新聞。

元々、大丈夫ではなかったかもしれませんが、それにしても粗雑な論法です。

自衛官も国民の1人と言うなら、99条で公務員の憲法尊重擁護義務をあえて規定する憲法の趣旨をどう考えるのでしょうか。ある国民が公務を担う場合、その職務故に特別な責任があることを憲法は前提としています。

96条についても然り。公務員については、96条の前に99条がなければなりません。

中谷氏の主観的な説明を鵜呑みにした理由付けも杜撰(ずさん)です。その説明も「個人」「個人」の連発であり、「個人」の公的な面が事の本質であることが欠落しています。

「日本の文民統制は、内局の背広組の統制が利きすぎ、制服組の意見が十分に反映されていない。」とは、寝ぼけるにも程があります。それは、自衛隊組織内部の問題に過ぎません。政治が軍事を統制する「文民統制」とは何の関係もない話です。

「国の守りの最前線を担う自衛官の専門的見解」とは、軍事戦略や軍事技術の分野なら分かります。憲法改正草案を作成する上での専門的見解とは、法律的な知見を指すのではないでしょうか。彼等自衛官は当然ながら、「草案」を書く専門家ではありません。

ここであえて「専門家」と言うのであれば、それは法律の専門家であり、自覚はないかもしれませんが、中谷氏ら国会議員です。

また自衛官は、憲法規範の対象となり、憲法規範に縛られる立場の方々です。刑法改正草案を起草するに際し、(刑法が対象とする犯罪の)専門家である泥棒の皆さんに刑法の条文を書いてもらいましょうなどと、誰が言うでしょうか。泥棒から聞くとすれば、犯罪の手口であり、警察の盲点についてでしょう。

文民統制は、軍事組織の一員が政治を語りはじめるところから崩壊していきます。政治を凝縮した規範が憲法です。軍事組織の責任者に憲法を語らせるべきでではありません。草案などもってのほかです。「蟻の一穴」という言葉があります。

剣より強いはずのペン、権力に対抗する武器であるはずのペンを持っている新聞社。そのペンが権力の提灯持ちでしかないことに矛盾を感じていただきたいと思います。

[2004/12/08]  嫉妬ファシズム

(ニュース)

西条市議会の自主解散を求めている「新しい西条市を創る会」は6日、市選挙管理委員会に解散の署名運動に必要な「解散請求代表者証明書」の交付を申請しました。選管が7日に証明書を交付し、10日に告示した後、署名運動がスタートします。

<9月23日、玉井彰の一言より>

市町村合併に伴い、在任特例を活用して「居座る」議会(議員)に対して、住民が憤激して議会の解散を求めるケースが増えています。

(中略)

議員数を減らしても、選び方を考えないと、悪貨が良貨を駆逐するだけの結果にしかならないと思います。これでは、縮小再生産型の自治しか展望できません。

知恵の値打ち、人材の値打ちを認めない旧態依然の自治がこの国に蔓延(はびこ)っていることを憂います。

大義名分の整った議論が嫉妬感情を秘めて語られるとき、ファシズムの嵐が吹き荒れることがあります。

反論するのが怖くなるような激流が各自治体に流れているようなので、敢えて一言。

(コメント)

各地で、同じ論点での住民運動が展開されています。

私は、伊予市議時代、議会に合併特例を使わない潔い態度が必要だと熱心に主張していました。伊予市、中山町、双海町の合併では合併特例を用いませんでした。その時の主張と矛盾するようですが、住民パワーの使い方に疑問を呈しておきたいと思います。

嫉妬が裏にあって、拒否しがたい大義名分を持つ猛烈な社会的運動のことを、「嫉妬ファシズム」と呼ばせていただいています。

各地の議会解散運動についてそのような断定をするつもりはありません。しかし、地方自治をよくするためには、「適正人数」の議員が実現した後、より良い自治を実現するために何が必要かを展望した運動が必要ではないでしょうか。

私なら、議員歳費は充分に取ってもらい、議会が開催されていないときに、希望する市民を交えて、新自治体のビジョンを語り合い勉強し合う場を設けてもらいます。

経費がどうしても気になるなら、議会経費を適正な範囲に抑えてもらい、希望する議員にはボランティアになってもらいます。(議員を職業としている人には、歳費減額をせず労働を強化してもらう方がいいと思います)

「若者枠」、「女性枠」を設けて、ボランティア議員に加えてもらうのも面白いと思います。(抽選でも選挙でもいいでしょう)

これからの自治は、マンパワーの活用の仕方が重要になってきます。折角議員がいるのだから、その力をうまく活用する方が合理的だと思います。

様々な自治の形がありうるということを訴えておきます。しかし、それをさえぎる「壁」があることも知っていただきたいと思います。

現在の自治は、中央集権を前提とする「地方自治法」により、自由を不当に奪われています。可能性を奪われています。私の提案の一部も「違法」なものです。

今沸き起こっている住民パワーが、自治の発展に結びつくようなものになって欲しいと願っています。

「連中の『不当利得』を防いでやった」で終わって欲しくありません。これが民主主義だと言えるような良い選挙を期待しています。責任重大ですよ。

[2004/12/07]  陸自幹部の憲法改正草案

(ニュース)

陸上自衛隊幹部が、自民党憲法調査会の中谷元・改憲案起草委員会座長の要請で、安全保障に関する憲法改正案を作成し提出していた問題。

憲法99条には公務員の憲法擁護義務があり、自衛隊法施行令は「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張すること」を禁じています。今回はこれらに抵触する可能性もあり、防衛庁で事実関係を調査しています。

改正案を作成したのは陸上幕僚監部に勤務する2等陸佐。文書は「憲法草案」と明記され、「安全保障」「司法」「国民の権利と義務」の3章について計8条分の条文案が記載されています。

改正案は「国の防備のために軍隊を設置する」と自衛隊を軍隊と位置付け、現在の憲法解釈で行使できないとされている集団的自衛権については「軍隊は集団的自衛権を行使することができる」と盛り込んでいます。また、「すべての国民は、国防の義務を負う」との義務規定も設けています。

自民党の素案は「自衛軍」の創設や集団的自衛権の行使が明記され、国民の国防の責務も盛り込まれており、内容は似通った部分もあります。

野党は、シビリアンコントロール(文民統制)に反すると一斉に反発。

民主党の鉢呂吉雄国対委員長は記者団に、「軍人が突出した歴史的な経過から、戦後に文民統制が提起された。憲法の問題で『制服組』が問題提起するのは慎むべきだ」と批判。

共産党の市田忠義書記局長は記者会見で、「自衛官の中立義務、憲法尊重の義務に違反する疑いが濃厚であり、事実関係を究明するべきだ」と表明。

社民党の又市征治幹事長も談話を発表、「政治課題に現職の自衛官が関与し、安全保障政策の大転換に言及するのは文民統制から逸脱した行為だ。断じて容認できない」と非難。

小泉首相は6日昼、「よく状況は分かりませんけど、専門家の意見をきくことは悪いことじゃありませんね」と記者団に語り、一定の理解を示しました。

細田官房長官は同日午前の記者会見で、政府として調査しているとしつつ、「1対1の個人間の依頼であり、それに対する答えだと聞いているので、その限りではあまり問題はないのではないかと思っている」と語りました。

(コメント)

自民党憲法調査会・改憲案起草委員会座長と陸自幹部との関係を「個人間の関係」と言っていいのかどうか。

「明日飯を食おう」と個人的に言い合ったような話ではなく、与党の憲法改正の責任者が憲法改正草案の一部について文案を提出させたのですから、公人同士の関係と言わざるを得ません。

(あつもの)に懲(こ)りて膾(なます)を吹く、という諺があります。熱い吸い物を飲んでやけどをしたのにこりて、冷たいなますも吹いてさますという意味です。前の失敗にこりて必要以上の用心をすることのたとえとして用いられます。

そういう問題としてとらえるのか、戦前の教訓を活かそうと考えるのかで、この問題に対する姿勢に違いがでてきます。

憲法規範との関係で自己規律ができているかどうかが厳しく問われるのが公務員であり、取り分け自衛官です。

憲法改正に関わる発言・提言等を自衛官(しかも幹部!)が行うことは厳に慎むべきです。しかも、特定政党の国会議員と気脈を通じて憲法改正草案を提出するなどという行為は、中立義務にも反するものです。

国会議員、しかも政権政党の憲法改正に関する責任者が自衛官に文案を依頼するということなどあってはならないことです。

政権トップが「専門家の意見をきくことは悪いことじゃありませんね」というお気楽発言をする状況は、彼等の意識の中で憲法が紙切れ同然になりつつあることを示しています。正に、憲法の危機です。

それにしても、小泉氏の粗末なコメント。これが一国の総理。

[2004/12/06]  未成年者の飲酒防止

(ニュース)

高校3年男子の約半数が月1回以上飲酒するとの調査結果を受け、未成年者の飲酒を防ごうと、自民党の「酒問題ワーキングチーム」が4日までに、来年の通常国会で議員立法を提出する方針を固めました。

未成年者に酒を販売した業者への罰則強化や免許取り消しのほか、自動販売機設置を規制する新法制定も視野に検討しています。
 

今の未成年者飲酒禁止法は、未成年と知りながら販売した業者に最高50万円の罰金刑を科しています。しかしメンバーは、「現行法では飲酒率が減少しない」との認識で一致。
 

屋外に設置された酒類の自動販売機の扱いが問題になりそうです。酒販業者の全国小売酒販組合は加盟店に自主撤去を求めているほか、運転免許証での確認で成人だけに販売できる自販機まで登場しています。それでも、未成年者が購入できる旧タイプの自販機は昨年4月現在、沖縄県を除く全国で5万台以上あります。
 

自販機設置を規制する法律はなく、「設置禁止まで踏み込まないと解決にはならない」として法的に設置を禁止できるよう新法制定を検討することになりました。

販売業者への罰則強化や酒税法改正による販売免許取り消しのほか、未成年者の飲酒を見逃した場合の保護者への罰則なども検討します。ただ、議員立法を具体化する際には販売業者などから反発が出る可能性もありそうです。

(コメント)

まず考えるべきは、何歳で成人と認めるべきかということでしょう。18歳で選挙権を認め、飲酒も認め、成人としての義務も果たしてもらうべきです。18歳になれば成人としての条件は備わっていると思います。

高校生をどうするかが次のポイントです。私は、高校生はグレーゾーンとしておき、保護者監督の下での飲酒は認めるべきだと考えます。成人となって自己コントロールできるようになるための予行演習としての(教育的)意義はあります。

中学生以下は、これからの成長を考えると、禁止すべきでしょう。

自販機の問題はどうでしょうか。

酒が広い意味での薬物であり、中毒となりうるものである以上、規制は已むを得ないと思います。対面販売による取得に限定することにより、酒類の乱用をある程度防ぐことが可能です。

自販機は、対面販売による地域コミュニティの維持、街並み景観上の問題からも、規制していくべきだと思います。

外国旅行をしてみて、自販機が至る所にある日本は便利だなあというのが率直な感想です。しかし、便利さと引き替えに失っているものについても考えるべきだと思います。

[2004/12/05]  威力業務妨害罪

(ニュース)  

かつての勤務先だった東京都立板橋高校の卒業式で国歌斉唱に反対する発言をし、式の進行を妨害したとして、東京地検は3日、威力業務妨害の罪で、元教諭(63)を在宅起訴しました。
 

起訴状などによると、元教諭は3月11日、同校の卒業式に来賓で出席。保護者らに対し「この卒業式は異常です。国歌斉唱で教職員が立って歌わないと処分されます。着席願います」と大声で発言し、制止した校長らに「触るんじゃないよ。おれは社会科の教師だ」などと怒号を浴びせ、式の遂行を妨げました。

(コメント)

起訴?

この程度のことで起訴するのでしょうか。起訴猶予相当の事案だと思います。

「被害」の程度を考えると、学校側(教育委員会)が強く処罰を求めなければこういうことにはならないと思います。

大人げない都知事の下、小判鮫の都教委が国歌を卒業式で歌わせたいとごり押しする姿勢がうかがえます。

しかし、検察も冷静・客観的に判断することができなくなったのかとガッカリしてしまいます。

この元教師が立派だとは思いませんが、武器を持っているわけでもなく、単に怒号を浴びせただけなのですから、式場からお引き取り願うだけの話ではないでしょうか。

学校側に平和的にもめ事を収める力量がないことを、生徒の前で見せつけただけのものではないでしょうか。 

[2004/12/04]  「田直し」

12月2日、テレビ朝日・報道ステーションの特集。

農業農村基盤整備を行っている地域を取材していました。国の補助金が半分で、残りを自治体と農民とが負担するのですが、この負担に耐えかねる様子でした。

立派すぎる計画、広い農道。役所の設計通りに整備しなければならないので、コストが異常にかかります。高い負担をした挙げ句、「減反」をしなければならない矛盾も抱えています。

一方、長野県栄村の「田直し」。「設計」なしに農地の状況に応じて整備するやり方です。費用は5分の1。補助金で事業を行うより農民の負担も軽くなります。

費用対効果を考えると、中央集権は高く付きます。補助金を廃し、官僚機構のリストラを行うべきです。数々の植民地(特殊法人・認可法人・公益法人といった天下り先)を持つ官僚帝国の解体には、凄まじい抵抗が予想されます。

しかし、これをやらなければ国が持ちません。

[2004/12/03]  腐った脳味噌

民主党の桜井充参議院議員は、首相の政策秘書(首相のお姉さんのことでしょう)が使用している車に関して、「民間からの提供」であり「寄付として政治資金収支報告書の訂正」をするよう求めました。首相は、「これは非常勤役員として使用している車。私の政治活動ではない」と突っぱねました。

そこで桜井議員は、「政治活動として使用したときは寄付行為となる。政策秘書は政治資金パーティーにこの車で行っているのだから、これは政治活動ではないのか。」と追及。

これに対しても首相は、「個人の活動許される範囲ではないか。便宜供与ではない」と開き直りました。あまりにもひどい答弁に、桜井議員は「法を守らないことは大したことではないのか。総理として資質があるととても思えない。早く辞めてもらいたい」と退陣を要求しました。

こんなことがまかり通るのなら、政治家は秘書を企業の「取締役」にしてもらい、車をつけてもらって活動させればいいことになります。「個人の活動」であり「許される範囲」なのですから。

この模様、たまたま運転中にラジオで聞きました。

小泉という人物、脳味噌が腐ってるんじゃないか。そういう感想を持ちました。屁理屈、詭弁に終始し続ける国会答弁。この日だけではありません。

「自衛隊が活動しているところが非戦闘地域である。」というのもありました。国会侮辱も甚だしい状態が継続しています。これを笑って見逃す与党議員は、国会議員としての最低限度の良識も失っていると言っていいでしょう。

まあ、サラリーマン根性で議員をやっているのでしょう。「上司」には逆らえません。「出世」にひびきますから・・・ですか。

[2004/12/02]  住基カードの低迷

(ニュース)

総務省は1日、住民基本台帳(住基)ネットワークの2003年8月の本格稼働で始まった住基カードの交付枚数が1年後の今年8月現在、全国で36万1420枚だったと発表しました。

普及率は人口に対しわずか0.28%です。
 

今年3月末で84万枚としていた総務省見込みを大きく下回っています。同省は「自治体の申請を基に積み上げた見込みが大幅に狂ったが、カードは着実に増えている」としています。

(コメント)

桁が間違っているのではないかと思うような数字です。ニーズがないということでしょう。

中央集権的な情報管理システムであり、セキュリティーにも問題があるシステムです。

新型公共事業として、国家の側の「ニーズ」があったということでしょう。 

[2004/12/01]  国の負債

2004年度政府予算によると、2004年度末に国債発行残高は483兆円となり、国と地方財政を合わせた債務残高はGDPの1.4倍にあたる719兆円になると見込まれています。

これとは別に、国と地方を合わせると負債が1000兆円あるとの見方もあります。これは、観察方法の違いです。

財務省のホームページによると、平成16年6月現在、内国債が 571兆円(内、普通国債 468兆円)、借入金が58兆円、政府短期証券が 99兆円となり、合計 729兆円が国の借金です。

加えて、政府保証債務59兆円があります。地方の債務が、平成14年度末で193兆円あります(総務省ホームページ)から、平成16年6月現在では200兆円を超えていると思われます。これらを合わせると約1000兆円ということになります。

外国からの借金でないことが救いですが、永遠に増え続けても大丈夫なはずはありません。国民の資産1400兆円(少し減っているかもしれません)が一つの目安となるでしょう。

この負債があたかも天災の如く語られることに違和感を覚えます。主に自民党政権の維持費であったと考えるべきです。

[2004/11/30]  総中流から格差拡大の社会へ

(ニュース)

一億総中流といわれた日本で、貧富の差が拡大していると感じる人が過半数に達していることが、読売新聞社の全国世論調査で分かりました。

「中流」意識は依然として9割を超えるものの、自分の生活レベルを「中の下」「下」と答える人が10年前より10ポイント以上増えています。バブル崩壊後の厳しい経済情勢の中で、成果主義の導入や、「勝ち組」「負け組」意識などの広がりを背景に、日本人の「中流意識」に揺らぎが見え始めているようです。

「貧富の差」が「大きくなっている」という人は、「どちらかといえば」を合わせ55%。「小さくなっている」は計8%。「変わっていない」は34%です。

格差が「大きくなっている」は、大都市部では62%にのぼるなど、大きな都市の住民ほど強く感じる傾向があります。年代別では、50歳代が61%と最も格差を実感しています。

現在の自分の生活水準を、「上」「中の上」「中の中」「中の下」「下」の5段階から選んでもらったところ、「中の中」51%が最多だったものの、10年前の同調査より2ポイント減少。「中の下」と「下」は計34%で、11ポイント増えた一方で、「中の上」と「上」は計14%で9ポイント減少しており、自分の生活レベルを下の方に位置づける人が増えています。

第2次オイルショックの1979年以降を5年ごとに見ると、こうした傾向は、経済環境が悪化したバブル崩壊後の94年以降、目立ってきています。中流意識の変化について、所得格差でみれば、厚生労働省の所得再分配調査でも、日本の所得格差を示す「ジニ係数」が2002年に過去最高の数値となっており、所得格差の拡大が、国民意識の面でも裏付けられた形になっています。

また、経済・社会構造の変化の中で、終身雇用、年功序列賃金といった日本社会特有の構造が崩れ、競争・能力重視の社会に変容していることも、意識の変化に影響を与えているようです。

(コメント)

格差の拡大ということが、これからの我が国の大問題になってくるでしょう。

森永卓郎氏がいう、年収300万円以下の層と年収3億円以上の層とに二極分解した社会が我が国にやって来る可能性があります。

小泉構造改革の目指す社会とは、そういう社会です。そのことを国民が肌で感じ始めたということなのでしょう。

100億円稼ぎますと豪語するライブドアの社長と、人生の展望が見えないフリーターとの格差。更には、職業も学業も放棄したニートの存在。恐ろしい格差が現実のものとなりつつあります。

インスタントラーメン業界が、年収700万以上の層を対象としたラーメンと年収400万円以下の層を対象としたラーメンの商品開発を行っているという話もあります。

[2004/11/29]  丸飲み政党・自民党の限界

自民党が長期政権を維持してきた秘訣は、野党案を丸飲みできるいい加減さ、ないしは懐の深さにあります。

社会主義政党も真っ青な政策も丸飲みできる自民党にも、丸飲みできない政策があります。

それが、民主党がマニフェストに掲げる「20兆円にのぼる国の補助金の内、18兆円を地方の財源とする」という政策です。

これを丸飲みすると、もはや自民党は自民党ではなくなってしまいます。中央集権、官僚支配を維持するためには国のひも付き補助金が不可欠です。それがなければ、自民党の政治家にはリベートがなくなり、選挙での押しも効かないことになります。

三位一体改革なる欺瞞でお茶を濁すしかないところが、自民党政治の限界です。国と地方の正しい役割分担は、政権交代によってしか実現しません。

ところで政権交代が起こった場合に心配なことが一つ。自民党の政治家がこぞって地方政治家になりはしないかということです。

「利権は地方にあり」で、地方を荒らしにかかることが懸念されます。そんな地方は破滅してしまいますが・・

[2004/11/28]  地方自治を面白くするために

三位一体改革なる出鱈目が進行中です。

私は、地方議員を辞め国政を目指していますが、本来は地方政治の方が面白いと思っています。

では、何故国政なのか?

それは、現状では地域を良くするための材料が地方に与えられていないからです。

権限、財源、人材が与えられれば、地方・地域をより良くするためのレシピが書けます。

しかしながら、現状では無理です。霞ヶ関に頭を下げ、自民党に頭を下げ、結果としてサイズの合わない既製服を無理矢理着込むような話にしかなりません。

自民党幕府を倒さなければ真に地方のためになる政策を実現できない・・ その思いから倒幕運動に立ち上がったわけです。

自民党を倒せば地方政治も面白くなります。地方自治関係者の皆さんも、打倒自民党のために(陰ながらでも)応援して下さい。

[2004/11/24〜27]  東京出張

民主党新人研修等。

[2004/11/24]  政権交代なくして憲法改正なし

民主党若手の中に、憲法改正を強く主張する方々がいます。

この方々が、自民党に騙されるのではないかと心配しています。小泉政権の狙っているのは、改憲論で民主党を揺さぶり、あわよくば民主党の若手を取り込もうということです。

政策の優先順位のトップに改憲がくると考えるところが問題です。それはさておき、民主党を割るための策動であることを是非とも見破っていただきたいと思っています。

私は改憲論者ですが、改憲の前に政権交代が必要だという立場です。真に国民が主人公になり得ていない我が国では、民主主義の徹底、国民主権の確立が先行すべきです。

国民が政権交代の決断が出来ないままに憲法改正に引きずられるようでは、この国に真の民主主義は根付かないでしょう。

野党の中にも、「自民党でいいじゃないか。その中で党の独自性を出していけばいい。」という負け犬根性の考え方があります。

このような考え方を克服していくべきです。政権交代をして3年待てば、自民党が解体消滅します。その後で、考え方の違いで政界再編を行うべきです。

政権交代は準決勝。決勝戦で戦うために、ここは団結して勝ちに行くべきだと思います。

[2004/11/23]  地方議員の広報手段

このところ、市町村合併に伴う在任特例で巨大議会ができることへの住民の不満が各地で爆発しています。地方議会議員への不信感は根強いようです。

新聞記事を見ていても、記者の皆さんが厳しい意見を書いています。

しかし、記者の皆さん。

厳しい意見を言われるなら、地方議員の資質向上のために新聞紙面で工夫をしてみてください。

たとえば、地方議員コーナーを設けて、地方議員に発言の機会(投書の機会)を与えてみてはどうですか?

議員が街頭演説をしても、多くの人が聴くことはできません。ビラを配るのもかなりの労力ないし費用が必要です。

意見を述べるビラを新聞に折り込もうとすると、販売店から拒否されます。

議会の広報も各議員の質問は掲載されても、議会の性格上議員の主張を述べるという点では限界があります。(各議員の発言が掲載されない自治体もある!)

各地の選挙で、市町村議員候補者の経歴紹介はあっても、政策や理念は載せてもらえません。

地方議員(候補)にもっと発言の機会を与えていただきたい。そして、住民に知る権利があることもお忘れなく。

[2004/11/22]  クレオパトラの鼻

パスカルが「パンセ」で「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史も変わっていたであろう」と書いたことがときどき引用されます。

大事に大きな影響を及ぼす些細(ささい)な物事のたとえとして使われる言葉です。

アメリカの大統領選挙の結果を見て、ケリー候補の顎がもう少し短ければどうなっていたのだろうかと考えてしまいました。

ほんのちょっとの差。顎の差?いや、鼻の差?

[2004/11/21〜22]  四国中央市出張

四国中央市議選挙、合田陽子候補の応援。

[2004/11/21]  テレビによるリーダーづくり

平日夜や日曜日午前中の報道番組で、政治家を登場させてインタビューする形式の放送があります。

ある政治家の場合はインタビューされる領域が狭く、その政治家の最も得意とする分野に集中して質問があるような気がします。辛口で鳴るキャスターも「変化球」を投げないようにしているのではないかとの疑問を持ってしまいます。

打ちやすい球を投げ、ホームランを打つシーンを演出する。要するに、八百長。

意図的に政権党の次期リーダーをつくろうとしているのではないでしょうか。そういえば、芸能系の番組に出演した後、人気が急上昇したケースもあるようです。

「次期リーダー」に「貸し」をつくる。そういう意図を持った番組づくりがテレビという強力なメディアで行われるとすれば問題です。「政商」的な企画をメディアが持つことは、報道の堕落以外の何者でもありません。

無能な政治家を持ち上げてリーダーとして奉り、国を危うくする事態になるとすれば、それは犯罪行為と言うべきです。

そういう目で、これからの報道番組を見る必要がありそうです。キャスターの「配球」をじっくり見極めたいものです。あらかじめ、「答え」ないしは「カンニングぺーパー」が用意されていないかどうかも。

[2004/11/20]  白馬は馬にあらず(続)

宋の国の弁論家・児説(げいえつ)が、「白馬は馬にあらず」を持論として、斉の国に集まっていた天下一流の弁論家達を抑え付け、得意になって白馬にまたがって関所を通ったところ、あっさり馬の税金を取られてしまったという笑い話があります。

空中戦のような議論をしていても、銃弾一発で掻き消されることがありうるということを強調しておきたいと思います。

[2004/11/19]  白馬は馬にあらず

「自衛隊が活動しているところが非戦闘地域である。」

この首相答弁を了解できるでしょうか。

非行少年諸君、喜びなさい。夜の繁華街で補導されかかったらこう言いなさい。

「生徒は夜繁華街を歩いてはいけないことになっています。私は生徒です。従って、私が歩いているところは夜の繁華街ではありません。僕は小泉総理を尊敬しています」と。 

公孫竜に代表される名家は、名(言葉)と実(実体)の関係を明らかにしようとする論理学派でした。しかし、言葉の概念にとらわれ、「白馬は馬にあらず」(馬とは形についての概念であり、白い馬とは色についての概念であるから、白馬と馬とは違う概念である)などの詭弁に陥りました。

規範(そうあるべきこと)と事実・実態(そうであること)を混同して得意気な総理大臣。露骨な詭弁を弄するこの人物にレッドカードを出さなければ、こんなことも通用してしまうでしょう。

「現在、他国の領土で他国の軍隊と日本の自衛隊とが砲撃をし合っていますが、これは戦争ではありません。我が国は憲法9条で戦争(武力の行使を含む)をしないことになっているのですから、自衛隊は戦争をすることができません。自衛隊が行うのは自衛行為です。戦争ではありません。」

[2004/11/18]  地方で政策を

17日は、岩國哲人氏の講演。

地方で政策をつくるべしとの提言に納得。愛媛のマニフェストをつくってみたいものです。

[2004/11/17〜18]  四国ブロックの自治体議員フォーラム

民主党主催の勉強会。ホテル奥道後にて。

[2004/11/17]  横田めぐみさんの消息

(ニュース)

平壌での日朝実務者協議を終えて帰国した政府代表団は、「横田めぐみさんの遺骨」という人骨を持ち帰りました。

めぐみさんの夫とされるキム・チョンジュンさんがめぐみさんの土葬から2年半後に墓から掘り起こし、骨つぼに保管していたとのこと。骨は焼かれているため、DNA鑑定は困難とみられています。
 

まためぐみさんの消息について、北朝鮮は当初、「93年3月13日に自殺した」と説明していましたが、9月の前回日朝協議で「93年10月までの入院記録があった」と修正。

さらに今回は「94年3月に(再)入院し、同年4月13日午前10時ごろに自殺した」と再修正しました。めぐみさんを拉致した実行犯については、「00年11月に脳出血で死亡した」と説明しています。
 

キムさんは、めぐみさん娘のキム・へギョンさんの3人が一緒に写っているいう写真を見せましたが、提供を拒否。日本側が本人確認のために写真撮影や毛髪の提供を求めたのに対し、「特殊機関勤務」を理由に協力しませんでした。
 

16日、めぐみさんの写真3枚が公開されました。1枚は制服を着た写真。

(コメント)

「人命は地球より重い」と言われることがあります。量的に考えるとおかしいと言う意見もあるでしょう。しかし、一人ひとりの人生の価値を直視した言葉だと思います。

北朝鮮による拉致事件を象徴するのが横田めぐみさんのケースです。めぐみさんは中学2年生の時、日本で家族と過ごすはずの人生を奪われました。そして、その犯人は金正日。

彼の目から見れば、人の人生は1個2個と数量で数えられるものなのでしょう。彼の国では、人の命が軽々しく扱われ、人生がいとも簡単に破壊されています。

ある人が不幸な出来事で亡くなった場合、遺族の悲しみは想像を絶するものがあるでしょう。しかし、事実が確定している場合には、時間という特効薬が心を静めてくれる可能性があります。

北朝鮮拉致事件が残酷なのは、安否不明者と特定失踪者の人生だけでなく、家族の人生がストップしたままであり、現在進行形の不安と悲しみを引きずり続けているということです。

拉致されて1、2年後と思われるめぐみさんの写真。家族は胸が張り裂ける思いでしょう。

横田早紀江著「めぐみ、お母さんがきっと助けてあげる」(草思社)では、母親の苦悩・不安が切切と語られています。

[2004/11/16]  ジャーナリストの戦死  

(ニュース)

110カ国以上の記者らで作る国際ジャーナリスト連盟(IFJ、本部ブリュッセル)は、今年に入って各地で殺害されたジャーナリストとメディアスタッフの数が12日までに100人を超えたと発表し、「2004年は年間記録で過去最悪になるかもしれない」との警告を発しています。
 

IFJの最近の年次報告では、殺害された犠牲者は2001年100人、2002年70人、2003年92人で推移しています。04年が最悪ペースなのはイラクの治安悪化が著しいためです。

イラク戦争が始まった昨年3月以来、62人が殺害され、今年5月末にはフリージャーナリストの橋田信介さんと小川功太郎さんが射殺される事件がありました。

IFJは、「改めて暴力の悪循環を終わらせる努力を行わなければならない」とアピールしています。

(コメント)

ジャーナリストが事実を取材し報道することを使命とする以上、ともすれば危険と背中合わせとなることを否定することはできません。

安全地帯で取材し報道することしかしないとすれば、ジャーナリズムの自己否定につながります。

我が国では、報道機関がイラクで取材することができず、個人のジャーナリストがこれを補完してきました。小川功太郎さんの場合は、NHKの記者という安定した立場を捨ててイラクに赴いたのでした。

ところが、4月のイラク人質事件で「自己責任論」が猛威を振るい、危険地帯に行くこと自体を国賊視する考え方が台頭してきました。

この行き着くところは、大本営発表垂れ流しの官報報道です。

世界には、橋田さん、小川さんを含むジャーナリストの「戦死者」が大勢います。彼等の屍の上に真のジャーナリズムがあるのだと思います。

どうでもいいような首相の一言コメントしか報道できない我が国の報道機関のあり方に失望の念を禁じ得ません。

[2004/11/15]  地方交付税は仕送りなのか

近年、都市部住民が地方交付税や補助金を大都市から地方への「仕送り」ととらえ、都市部の住民が搾取されているかのような議論が幅を利かせています。

本当にそうなのでしょうか。馬鹿息子の地方が何時になっても自立しないので、親である国が都市部住民の財布からお金を抜き出して面倒を見てやっているのでしょうか。

このような議論は、現在只今のお金の流れだけを微視的にとらえたものに過ぎません。我が国の近代化、そして戦後の高度成長期に大都市中心に資本投下をして、(地方では食えなくしておいて)地方から人材を供給したことが、我が国が工業国として発展する礎となりました。この歴史を忘れてはなりません。

人材を供給した対価として、現在の地方交付税や補助金が多額だとは言えないと思います。大都市に偏重した資本投下の是正という側面も強調すべきでしょう。

そしてもう一つ。中央集権国家であることをやめようとしない我が国では、地方は自立しようがないのです。権限、財源、人材を中央が握ったまま地方に自立を呼びかけても無理というものです。

手足を縛っておいて自由に泳げと言うのですから、阿漕(あこぎ)な話です。ロープで引っ張ってもらわないと、前に進めないし、溺れてしまいます。

中央集権、官僚支配をやめ、権限、財源、人材が地方に与えられた後、一定の猶予期間があってまだ自立していなければ、その時には地方が責められるべきでしょう。

地方は押しまくって中央から権限、財源、人材の「三点セット」を勝ち取るべきです。その為には、政権交代も視野に入れるべきです。「三位一体」などというオレオレ詐欺的な煙幕で誤魔化されてはいけません。

[2004/11/14]  榊原英資氏の郵政民営化反対論

月刊・Voice12月号に慶応大学教授(元大蔵省財務官)・榊原英資氏の「郵政民営化に反対する」という論文が掲載されました。

郵便サービスについては、400余りの島を抱える我が国では完全民営化は困難。民営でなければサービスの効率化ができないという訳ではない。

かつては郵貯・簡保が公社・公団に貸し出されていた。しかし、1999年に「資金運用部資金法等の一部を改正する法律」ができ、2001年度から財政投融資改革が実行されたため、郵貯と簡保は財政投融資から完全に切り離された。従って、郵貯・簡保の民営化により財政投融資の出口である公社公団の経営がよくなるという議論の前提がなくなった。

巨大資金を持つ郵貯と簡保が民営化されるということは、巨象を野に放つ行為である。郵政公社・生田総裁は、優秀であるが故に民間の感覚で拡大志向になる。効率化の枠を超えた拡大志向は金融システムに混乱をもたらすことになる。郵貯・簡保は縮小し、最終的には廃止すべきである。

・・というのが、荒っぽい要旨です。

(コメント)

11月4日、5日に「郵政公社は頑張るな」という「一言」を載せました。効率化は必要だが拡大主義は混乱を招くことになるという論旨は共通しています。

財政投融資の改革については、知識がありませんでした。榊原氏がこの分野の専門家であることからすれば、この説は信用性が高く、財政投融資の入口・出口の改革という文脈で語られてきた改革話の前提が崩れることになってきます。

郵貯・簡保については、資金運用能力のない巨大金融機関が誕生することの意味を冷静に考えた方がいいと思います。

公社職員の雇用を守りつつ、郵政事業の効率化を図り、金融の分野における漸次撤退のシナリオを書くべきです。

[2004/11/13]  犯罪被害者

(ニュース)

自民、公明、民主3党は、犯罪被害者の支援・保護施策を総合的に実施するための「犯罪被害者等基本法案」に合意しました。衆院内閣委員長提案の形で国会に提出し、今会期中に成立する見通しです。

法案は、「すべての犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、ふさわしい処遇を保障される権利を有する」と、犯罪被害者の権利を明記。行政機関に被害者対策を実施する責務を課し、国民にも協力を求めています。

取り組むべき課題として、@被害者への情報提供や助言A損害賠償請求の援助B給付金制度の充実C心身回復のための保健医療・福祉サービスの提供D刑事手続きへの参加機会を拡充する制度の整備などを掲げます。

(コメント)

これまでの刑事法が加害者の人権擁護を中心に構成されており、被害者が蚊帳の外に置かれていたことへの反省が必要です。

国家が刑罰権を独占し、私的制裁を禁じたこととの均衡を考えれば、被害者の感情への細やかな心配りが必要です。

被害者の遺族からすれば、犯人を殺しても飽き足らない思いがあります。その思いを汲んだ刑事手続きが求められています。

勿論、そのこと故に刑事被告人の人権が侵害されることがあってはなりません。

従来の立法・解釈・運用に欠けていた「被害者」というファクターを折り込んだ刑事法となることを期待します。

[2004/11/12]  知事会の抵抗手段

(ニュース)

国と地方の税財政改革(三位一体改革)を巡り地方自治体が国への対決姿勢を強めています。

全国知事会(会長・梶原拓岐阜県知事)は11日、都内で総会を開き、政府・与党で浮上している国庫補助金負担率引き下げが強行された場合、法定受託事務の返上や国直轄事業の地元負担拒否などの対抗手段を検討することを決めました。

この方針は梶原会長が12日の政府主催の全国知事会議で訴え、小泉純一郎首相の地方案に沿った政治決断を促します。

地方6団体が8月に3兆2000億円の補助金削減案をまとめて以降初めての知事会。

同案に対する関係省庁などの姿勢について梶原会長は「各省庁の改革精神の欠如、族議員の無理解など、地方は対決せざるを得ない状況に追い込まれている」と強調。33人の知事が出席し、改革実現に向けた今後の対応を協議しました。

(コメント)

政府の「地方分権」とは、仕事を地方にやらせ、首根っこは国が押さえていこうとするものです。

この似非分権に対抗するためには、地方が「ストライキ」を行うことも有力な手段です。即ち、法定受託事務(法令により都道府県、市町村等が処理することとされる事務のうち、国が本来果たすべき役割に係るものであって、国において適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又は政令に特に定めるもの)の返上、国の直轄事業の地元負担の拒否です。

中央集権対地方主権(分権)との対決になります。

[2004/11/11]  批判精神

(天木直人氏のホームページより)

・・・・米国のイラク攻撃を弁護できる余地は一つもない。小泉首相の過去一年半のイラク攻撃に関する言動に正当性はこれっぽっちもない。

何故メディアはもっとストレートに批判しないのか。テレビに出てくる解説者も、つねに評論家としての姿勢を崩そうとしない。

かつて私はテレビ番組の収録で徹底的に小泉外交を批判した。そうしたらそれが放映される予定の日に番組が変更されて、以来いつまでたっても放映されなかった。ボツになったのだ。それ以降テレビ番組からお呼びがかからなくなった。日本のテレビはメディアを提供するより時間つぶしの娯楽番組になってしまっている。それが批判精神をなくするのだ。

私がもっとも不快に思うのは、毎日流される小泉首相と官邸記者とのインタビューである。あれは小泉首相の宣伝なのだ。今までの首相にはあのようなインタビューはなかった。記者は困らせるような質問や本質的な質問をしない。総理のおかしい答弁に反論しない。それどころか総理のふざけた答えに対し画面の後ろから記者のキャーキャーと笑う声がたびたび聞こえてくる。自分の子供のような年頃の不勉強な記者を相手に、これまた不勉強な小泉首相がふざけた答弁を繰り返す。これはもうバライテー番組だ。・・・

http://homepage3.nifty.com/amaki/pages/ns.htm

(コメント)

「さらば外務省」「さらば小泉純一郎」(いずれも講談社)の著者・天木直人氏のホームページ中・「マスメディアの裏を読む」・11月10日分を引用しました。

ファルージャ掃討作戦の報道への批判が展開されています。

小泉政権登場後、マスメディアが小泉広報隊と化していうことに多くの方がお気付きでしょう。小泉政権を厳しく批判する人物は登場する機会を奪われているようです。

大本営発表型の報道の裏を読もうとする意識がなければ、いいように騙されてしまう危険があります。

騙されないために、天木氏のホームページを「お気に入り」に加えて下さい。メルマガもあり。

天木氏のHPの表紙http://homepage3.nifty.com/amaki/

[2004/11/10]  橋本大二郎氏の場合

日経ビジネス11月1日号・「敗軍の将、兵を語る」のコーナーで、橋本・前高知県知事が辞任の原因となった13年前の選挙資金疑惑問題について語っています。

発端はある建設業者の無理な要求です。これを知事が断ったことから、13年前の選挙の「メモ」が出てきたということです。

この問題も争点となった昨年の知事選挙で県民の審判が下っています。それにもかかわらず、議会の知事への嫌がらせがやまず、辞職勧告決議案に発展していきました。

談合がまかり通っていた状態から、橋本知事の下で落札率が大幅に低下。このことで旨みを失った一部の人達の怨念が感じられます。

13年前、熱狂の内に高知県民に乞われてやって来た橋本氏としては、県民に訴えてけじめをつける機会を持ちたかったということです。

長野県もそうでしたが、利権に切り込むことの難しさを感じます。そして、担がれた候補者が選挙の実務をほとんど知り得ないということにも、選挙経験者として理解できるものがあります。

選挙の実態を最も熟知している自民党が「正義の味方」を演じているところに、不自然なものを感じてしまいます。

[2004/11/09]  「踏切で一時停止するな」

8日付、日経新聞に面白い記事がありました。

衆議院議員・原田義昭氏(自民)へのインタビュー記事。氏は、踏切での一時停止の義務づけをやめる運動を展開しています。

義務づけをやめると、交通の流れが1.7倍〜2倍となり、年間約2千億円分もの経済ロスの解消になるとのこと。省エネ効果も原油換算で年間50万キロリットル。

踏切ノンストップで懸念される踏切事故も、開いている踏切に車が突入した事故の例はなく、むしろ、一時停止した後に踏切でエンストした場合を考えると、ノンストップの方が安全ではないかと主張されています。

一時停止を義務づけているのは、日本と韓国だけだそうです。

記事の最後で原田氏はこう語ります。

「国民一人ひとりがまず刷り込まれている規制の根拠や常識を疑ってみることが大事ではないでしょうか・・・」

なるほど。踏切一時停止に疑問を持ってこなかった自分が随分頭の固い人間に思えてきました。

ところで・・・まてよ・・・

この原田氏。それほど昔ではない時期に新聞記事で見た記憶が・・・

ネットで調べてみると、アメリカの大学院を「卒業」したと記載した学歴詐称問題で注目されていました。

学歴が大切だという固定観念も打ち破らなくては。

[2004/11/08]  ケリー氏のその後

米民主党大統領候補・ケリー氏は、大統領選敗北後、上院議員に復帰するそうです。

こういう制度は、日本でも検討されるべきです。

選挙に出るということは大変なことです。家族や周囲の反対があります。特に、奥さんは「候補者の妻」というデリケートな立場に置かれ、心身をすり減らします。立候補者の多くは、奥さんから「離婚」を持ち出されます。そして、プライバシーの開示・・

そういう問題を克服したとして、敗北後の生計をどうするのかという難問があります。家業政治家が跋扈(ばっこ)する原因の1つは、一般の方が選挙に出ることの著しい難しさにあります。

元の職業に復帰できる保証があれば、チャレンジできる環境づくりの一助になるでしょう。

無責任あるいは軽率な立候補を防ごうとするならば、「公職」に復帰できる要件を「惜敗率」(当選者の獲得投票数に対する落選者の獲得投票数の割合)○○%というようにすることも考えられます。

[2004/11/07]  3選禁止?

(ニュース)

国・地方財政の三位一体改革をめぐり、全国知事会と自民党の攻防が本格化する中、同党は知事の3選禁止の法制化を検討し始めました。

表向きは「行政の停滞」など多選の弊害を理由としているが、三位一体改革で権限が強化される知事側を揺さぶる意図も透けて見えます。
 

改革では、知事会など地方側が国から地方への税源移譲に伴い、治山・治水事業や義務教育などで約3兆2000億円の補助金削減案をまとめました。実現すると、知事は公共事業の実施場所の選定など、これまで中央省庁が握っていた権限の多くを手にします。
 

このため自民党内では、「地元への利益誘導が難しくなる」(ベテラン議員)として危機感が強いのは確か。総務相在任時から三位一体改革の旗振り役である片山虎之助参院幹事長も「これだけ権限、財源を首長に渡すと大統領、独裁者が出来上がる。何らかの仕組みがいるのではないか」と多選禁止を推進する姿勢を示しました。

(コメント)

余計なお世話。

多選の弊害は考慮しなければなりません。しかし、それは自治体が自ら考えるべきことです。

「法律」で決めるということ自体が地方自治への干渉であるとの認識を持つべきです。

中央集権的発想を卒業することは、特に自民党にとって難しいのでしょう。中央集権、官僚支配を前提とした自民党政治が地方を雁字搦めにしてきた歴史を総括すべき時期に差し掛かっています。

[2004/11/06]  共産党の方針

(ニュース)

日本共産党は次の衆院選で、党の各県委員会に対し、全選挙区での公認候補擁立を義務づけない方針を決めました。

自民、民主の2大政党化が進み、党勢退潮に歯止めがかからない中で、現実的な対応を迫られたものです。民主党などとの選挙協力を念頭に置いた方針転換ではありませんが、共産党が候補者擁立を見送る選挙区が出れば、反自民の票が民主党など野党候補に流れ、選挙結果に影響を与える可能性が出て来ます。

小選挙区制が導入された96年以降の3回の衆院選で共産党は、全小選挙区での候補擁立を基本方針としました。例外は、1回だけ。

小選挙区で議席を得たのは96年の2議席だけです。昨年の選挙では235人が供託金没収となりました。

2日の全国都道府県委員長会議で志位委員長は、次の衆院選でも全小選挙区擁立を目指すものの、「全選挙区での立候補は、すべての県に一律に義務づけることはしない」とし、理由としては「現在の党の力量を考えてのこと」と説明。「日常的な活動なしに選挙の時だけの候補者活動を繰り返しては、かえって党の国政に対する真剣さが問われる」との趣旨の話をしたということです。

衆院選の小選挙区選挙では、野党側は民主、共産両党などが競合するため、野党候補の得票計が与党候補を上回りながら議席を得られない例が少なくありません。

(コメント)

共産党の現実路線の始まりかもしれません。逆に、不戦敗で恥をかかないよう、各県での日常活動の活発化を要請したものともとれます。

しかし、現在の同党の力量を客観視する限り、現実路線に踏み込まざるを得ないと思われます。

衆院選で法定得票数に達しない場合、供託金を没収されるだけでなく公費助成の分も支払わねばならず、供託金・300万円+α(100万円〜300万円)が選挙費用にプラスされることになります。400万円×235人として、9億4千万円です。これは厳しい。

公明党と同様の路線を採用してキャスティングボードを握って影響力を持つという路線を採用するとするならば、これは驚異です。

他党の候補者を格付けし、一定水準以上の民主党候補がいる場合に、共産党が候補を立てても法定得票数に満たないと判断できる場合には候補を立てないという方針だとすれば、民主党への影響力が出てきます。1選挙区1万5千票が動く話ですから。

真面目な政党ですから、そんなことは考えないでしょうが・・

[2004/11/05]  郵政公社は頑張るな(2)

誤解を招くといけないので、もう一言、二言。

「民営化」は、大都市と地方とでは意味合いが異なってきます。

大都市においては、究極の姿として、意思決定部門(議会)と司法権以外は全て民営化可能です(憲法や法律を無視した場合)。民営化により、ビジネスチャンスが広がってくる可能性があります。

公務員の守秘義務など公務に付随する義務はどうなるかとの疑問もあり得るところです。しかし、民間でも職種により様々な法的義務はあるのですから、特に問題はありません。

地方ではどうでしょう。民間がやると採算割れのサービスがでてきます。過疎地・島嶼部が典型的ですが、地方においては公的部門がサービスを提供する場面が多くなります。

地方の現状を前提とする限り、公的部門が撤退するということは、その地域では住むなということになってしまいます。地方切り捨ての究極の姿です。

地方における公的部門の位置付けを明確にした上で、民営化の議論をするのでなければ、大都市だけの日本を構想するのと同じことになります。

それでは、地方抜きの大都市が成立するのでしょうか。国土とは何なのかという問題にもなります。

空き家はすぐ朽ちるといいます。空き家と化し、荒廃した地方を抱えた国土を維持するコストは膨大なものになるでしょう。

地方を維持するコストとは、国を維持するコストです。そのための公的サービスです。

地方が活性化する仕組みを築き(地方主権型社会)、地方から内発的に富が創出されることになれば、その段階で公的部門を縮小して民間でサービスを提供することが可能になります。

そもそも、人を市場原理にさらせば真面目に働くだろうという人間観が正しいのかどうかも疑問です。

私は、24時間型市民としての公務員像を提唱したいと思っています。利潤追求ではなく、公正な社会を目指す正義感をもって自己犠牲の精神で従事する職業としての公務。

公務を担う人間のあり方をまず問題にしていくべきだと思います。その基本がしっかりしておれば、公的部門に相応の人員を貼り付けることにより真に豊かな社会が実現するのではないでしょうか。殺伐とした競争原理の社会とは別の社会を構想することも可能ではないでしょうか(社会主義ではなく)

そうこう考えてみると、郵政公社(=官業)が自由競争原理で頑張ることは、公的部門の守備範囲を逸脱することになると思われます。

公的部門にコスト意識は必要です。しかし、民業を圧迫する拡張主義は不必要です。

(「一言」で論ずるにはテーマが大きすぎた気もします)

[2004/11/04]  郵政公社は頑張るな

「郵政民営化」のスローガンが一人歩きし、中身の検証のないままに「賛成」、「反対」の議論がなされています。

しかし、「民間でできることは民間で」というのであれば、官業を民営化するのでなく、国が事業から手を引くという選択肢もあるはずです。

国鉄の場合と異なり、郵便局がやってきた事業には、民間で宅配便・メール便があり、銀行や保険会社があるのですから、国が事業をやめてもさほどの混乱はないでしょう。

勿論、郵便局で働く人のことを考えなければなりません。雇用を守ることが問題です。そのことを考えるならば、事業の縮小を計画的に行うことになります。

現在の職員の方々に迷惑を掛けることなく、事業から撤退することは可能です。

極論だと言われるかもしれません。しかし、現在郵政公社が頑張りすぎて民業を圧迫しつつある現状を見ると、民営化して頑張られても迷惑な場合があることが分かります。

私は、郵政民営化に反対です。国や自治体がやるべきことは何かを真剣に考え、官業のあり方を考えるべきであって、株式会社にすればそれでいいというものではありません。

郵便局(郵政公社)の職員の公務員としての身分剥奪だけを目的とする民政化にどんな意味があるのか、考え直すべきです。公務員の身分を剥奪してリストラしてやれ、というのは残酷な発想です。

官業のまま漸次撤退するという方法もあるのです。郵便事業をユニバーサルサービスとして残しつつ地方に重点をシフトし、過疎地・島嶼部では民間業者から郵便物の集配委託を受け付けるという手もあるでしょう。

貯金は限度額を1000万円から徐々に下げていけば、民間に資金が流れるでしょう。簡保も同様です。

郵政公社は「有能な経営者」が頑張りすぎています。無駄に頑張らない方が良いのではないでしょうか。

[2004/11/03]  家族のコメント

イラクで殺害された香田証生さんの家族は10月31日、「支えていただきました多くの方々に大変なご心労をおかけしましたことを心からおわび申し上げますとともに、お礼と感謝の気持ちでいっぱいです。このようになりましたが、イラクの人たちに1日も早く平和が訪れますようにお祈りいたしております」とのコメントを出しています。

勿論、立派なコメントです。こういうコメントを出せば、非難はされないでしょう。

しかし、息子を殺されたうえに、これほどまでの配慮が求められる日本の社会に嫌気が差します。

人質になった直後から、相当数の嫌がらせがあったようです。人を糾弾し、裁ける、「検事」や「裁判官」が我が国では急増しているようです。

ある意味で、イラクの犯人より卑劣な奴が横行する国に成り下がってしまいました。

それを、「世間様」と崇(あが)めなければならないのでしょうか。

[2004/11/02]  「より悪い政権」論

一部政党で、民主党が政権を取ると自民党より悪い政権になるとの教育がなされています。(だから、自民党政権下で党の独自性をだすのだという論法になります)

しかし、この議論はこの国の最大の矛盾に目をつむるものです。

政官業癒着の構造が国全体を雁字搦めにしている事実をどう見るのか。政権交代の決断ができない国民のままでこの国の民主主義が成熟することになるのかどうか・・

そういう議論はともかく、自民党が野党に転落して2〜3年経つと、権力が接着剤であるこの党は解体消滅することになります。

その後で、政策の違いによる政界の再編成を行うことにすればいいのです。そのときに、それぞれの政党の独自性を発揮していただきたいと思います。

「より悪い政権論」は、政党のリーダーが自己の人生を否定されたくないための我が儘(ないしは保身の論理)だと思います。次の世代のリーダーに党の矛盾を押しつけ、自分の人生は一貫していたと言いたいだけの議論。

若い人に気の毒な話です。

[2004/11/01]  青年の死

イラクで24才の青年、香田証生さんが惨殺されました。

青年の落ち度を批判する意見もあるでしょう。しかし、落ち度のあるのが若者。

人生100年時代。30才でやっと大人の仲間入りというところではないでしょうか。

沢木耕太郎著「深夜特急」に憧れて1人旅をしたのかな、とも思います。

危険があることに快感すら感じる人がいたからこそ、人類の様々な発見があったのだと思います。

無謀ではありましたが、この青年の感覚が分からなくはありません。

「いや、分からん。分かりたくない。」という貴方。もう、年なんだよ。

合掌。

[2004/10/31]  小学生の絵

30日、31日と小豆島で、水源連(水源開発問題全国連絡会)の総会に参加。

31日は、長野県知事・田中康夫氏の講演会。ノートパソコンを用い、パワーポイントでスライドに添った密度の濃い講演をされました。

本になっていれば、絶対買うのですが。

田中氏の名刺には、「信州知事」とありました。縦型名刺の上部5分の2には小学2年生の元気な絵が印刷。

知事の実物を見て、ドン・ガバチョを思い出しました。失礼。

[2004/10/30〜31]  小豆島

1泊2日で小豆島研修(成見県連代表、浜口4区総支部長と)。

[2004/10/30]  「いつもニコニコ現金払い」

一世を風靡したNHKの人形劇「ひょっこりひょうたん島」の登場人物海賊トラヒゲが、後払いで商品を買おうとする客に対して発していた「いつもニコニコ現金払いで頼みますよ」の名台詞(めいせりふ)が印象に残っています。

市町村合併では、合併特例債の恩典を宛にした新市の建設計画が横行しています。国も地方も財政難であるのに借金奨励策。この一点だけ見ても、いい加減な施策です。

使い道を限定した500億円の合併特例債を認めてくれるより、100億円の現金をくれた方が良いまちづくりができるはずです。その方が国も楽なはずですが。

ダム建設のための補助金も同様です。ダム建設の費用をそのまま現金でくれたらどうでしょう(半額でも充分!)。使い道自由だったら、その地域の首長は、ダムでなければ目的を達成できない例外的な場合を除いて、まず河川改修等の防災事業をおこない、残ったお金で産業基盤の整備や福祉の増進に使うでしょう(リベート狙いの利権型首長でなければ)

国は、地方を馬鹿にするのをやめて、地方が行うべき施策については、そっくり財源を渡すべきです。

「いつもニコニコ現金払い」でいきませんか、財務大臣。

[2004/10/29]  景観利益

(ニュース)

東京都国立市の「大学通り」沿いに建設された高層マンション(14階建て)をめぐり、近隣住民らが「景観を破壊する」として、建築主やマンション購入者らに高さ20メートルを超す部分(7階以上)の撤去と損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は27日、高層階の撤去などを命じた1審東京地裁判決を取り消し、住民側の請求を棄却しました。
 

判決理由で裁判長は、「良好な景観は行政施策で保護されるべきだ。国民や地域住民に景観権や景観利益は認められない」と述べています。
 

景観保護に努力した住民に景観利益を認める初の判断だった1審判決を覆し、行政の役割を重視する内容で、今後の景観保護運動に大きな影響を与えそうです。
 

裁判長は、マンション周辺の景観を「潤いのある美しい街路との印象を受ける」と評価はしましたが、「景観が良好かどうかの判断は主観的で一人ひとり異なり、裁判所が判断するのは適当ではない」としています。

(コメント)

イタリア憲法第9条2項は、「共和国は、国の風景並びに歴史的及び芸術的財物を保護する。」としています。

それと比較して、なんと貧相な判決でしょう。

私たち日本人は高度成長下で、「スクラップアンドビルド」のかけ声の下に、大切な景観を次々と破壊しました。

統一感のない都市景観は、都市の品格を貶(おとし)めます。「景観」に価値を見出し、それを守ろうとしてきた住民の努力を無視した判決に憤りを感じます。

行政が解決すべき課題だと突き放すのはいかがなものでしょうか。

効果効率主義に毒された判決。主観の問題だと言って逃げるのではなく、主観的な価値をどのように権利として構成していくのかが法律家の力量として問われているのだと思います。

[2004/10/28]  「第3のビール」、好調。しかし・・

(ニュース)  

今年1−9月のビールと発泡酒を合わせた出荷量(課税ベース)が前年同期に比べて4.6%減と前年実績を割り込んだことが明らかになりました。8、9月に台風の上陸が相次ぐなど天候が不順だったのに加え、発泡酒よりも税率が低く、価格の安い「第3のビール」とも呼ばれる新カテゴリーのビール風味アルコール飲料に需要を奪われたためです。

ビール酒造組合などが同日発表したところによると、ビールは同2.0%減の2億2281万2000ケース(1ケース=大瓶20本換算)、発泡酒は同8.4%減の1億3836万3000ケースとそれぞれ落ち込みました。

ビール風味アルコール飲料は、サッポロビールが2月に「ドラフトワン」、サントリーが3月に「麦風」、6月に「スーパーブルー」をそれぞれ発売。好調に売れ行きを伸ばしています。

サッポロは9月までに累計1311万ケースを販売、当初に掲げた年間1000万ケースの目標を早くもクリアし、同1700万ケースまで到達するとみています。サントリーも累計465万ケースを販売しており、スーパーブルーだけで同600万ケースの販売を目標にしています。

ビール風飲料、好調。ところが・・

政府税制調査会の石弘光会長は15日の記者会見で、酒税に関し「幅広く議論し、あるべき方向を示した方がいい」と述べ、抜本改正に向けた本格論議が必要との考えを明らかにしました。

原料の工夫などで発泡酒より低い税率対象となり、価格を抑えた「第3のビール」が人気を呼んでいる事態に注目して税率を上げようとするものです。

税体系が現実の後追いで、酒類間格差が残る問題の是正をめざす一環ですが、民間の発想を税制が阻害する側面もあり、議論になりそうです。

(コメント)

ビールから発泡酒へ。そして、第3のビール登場。

今年3月22日の「一言」を再掲します(アーカイブ所収)。  

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[2004/03/22]  ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー

ビール戦争が激化しそうです。

その中で、サッポロビールのドラフトワンに注目しています。低迷をしていたサッポロビールが、エンドウ豆を原料とした新たな飲料を開発し、発泡酒よりも安い価格で発売しました。

麦芽も麦も使わない製法というところに興味を持ちます。

「ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー」「男は黙ってサッポロビール」。サッポロビールの一世を風靡したキャッチコピーが多くの人の脳裏に刻み込まれています。

テレビでビール会社の商戦にスポットをあてた特集を見ました。アサヒビールのスーパードライがキリンビール断トツのビール業界の図式を変えたことは記憶に新しいところです。

アサヒに続く一発逆転劇が起こるのかどうか、見守りたいと思います。

スッキリした味わいだそうですが、現在禁酒中(民主党政権誕生まで)の身ですので、これを飲むのは政権交代後ということになります。

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発泡酒より安い価格ということで、味わいがよければ売れるのではないかと思っていました。やはり、売れているようです。(禁酒中で、味わいが分からないのですが・・)

そして、意地汚い税制調査会。発泡酒や「第3のビール」といった民間の工夫が税金で押しつぶされることは、厳しく批判されるべきです。

安いビール(風飲料)に流れる庶民心理についての理解も必要です。

 

[2004/10/27]  スト権なし民営化

【10月18日の気になるニュース(旧聞?)】

<郵便事業のスト権制限 郵政民営化で政府案>

政府は18日、郵政民営化に伴い、職員身分が国家公務員から非公務員になることで民営化会社社員に付与される争議権について、郵便事業に従事する社員に対し一定の制限をかける方針を固めました。

郵政民営化に反対意見の強い自民党が、特に郵便事業のストライキに懸念を示しているためで、制限をかけることで党側の理解を得たい考えです。さらに、窓口ネットワーク会社には、職員の過半が移籍し大規模な企業となる見通しも分かりました。

非公務員化により民営化会社の労働者はスト権を得ますが、郵便事業会社については、ユニバーサル(全国一律)サービス義務がかかるほか、裁判所の文書の配達義務など公的性格が強いことから、スト権行使に一定の歯止めをかけます。

(コメント)

支離滅裂というべきでしょう。「民営化」しておいて、公的性格があるからスト権を制限する。

公的性格を重視するなら、最初から国(公的部門)が担当すべき分野であることを認めればいいのです。

民間であっても、職務を忠実に行う義務があり、それに反した場合には損害賠償の対象になります。公的性格を言うのなら、罰則を設ける方法があります。違法行為になるとすれば、仮にストをやっても裁判所の文書だけは届けるでしょう。

基本となる哲学がないから、反対論をかわすことに意識が集中し、辻褄が合わないことになっています。

公的部門はなにをなすべきか。民間ではなにができるのか。もっと議論を尽くした後に、「民営化」の中身を吟味していくべきではないでしょうか。

[2004/10/26]  地震、寒さ、食料、疲労

新潟県中越地震で被災された皆様に御見舞申し上げます。

地震の被災地各所では物資の不足が深刻で、米や缶詰など保存のきく食料や水などが必要になっています。

夜も冷え込み、一部では毛布の需要も高まっています。避難所となった小千谷市の中学校で、被災者らがグラウンドに「SOSメシタノム」などと書き、救援を求めているとの報道もありました。

家屋の倒壊を恐れて自動車の中で夜を過ごしている被災者の間で、疲労が原因とみられる病気で急死する人が相次いでいるとのことです。

地震は必ずあるとの前提で、行政が対策を講じるべきです。ライフライン(都市生活の維持に必要不可欠な、電気・ガス・水道・通信・輸送等)が寸断されている状況下で、どの様な手順で復旧作業を行うのか、地域経済が麻痺している中で地域金融をどのように働かせるか、等々多くの課題があります。

過去の地震。

2001年、芸予地震。2000年、鳥取県西部地震。  1995年、阪神・淡路大震災。1993年、北海道南西沖地震。1984年、長野県西部地震。1983年、日本海中部地震。1978年、宮城沖地震。1978年、伊豆大島近海地震。1974年、伊豆半島沖地震。1968年、十勝沖地震。 1965年、松代群発地震。1963年、新潟地震。                       

関東大震災、東海大地震、南海大地震がどうなるのか、目が離せません。

 

☆民主党も募金活動を行っています。

■募金振込先

銀行:
口座名=民主党募金口座
りそな銀行 衆議院支店 店番号:328
口座番号:普通7815354

郵便局:
口座名=民主党
口座番号:00110−6−65328

締切期日:11月12日(金)を第一次集約日といたします。
お問い合わせ先/民主党本部国民運動委員会
TEL:03−3595−9988(代)

[2004/10/25]  共謀罪

過去の国会で上程されて先送りされ、現在開会中の臨時国会で審議される、「犯罪の国際化及び組織化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」には、「共謀罪」と呼ばれる犯罪を新設する規定がおかれています。

(共謀罪においては、長期4年以上10年以下の刑を定める犯罪について、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者を2年以下懲役又は禁錮の刑に処すものとし、死刑又は無期若しくは長期10年を超える刑を定める犯罪についての共謀には、5年以下懲役又は禁錮との加重規定も設けられています。)

この法律案は、2000年12月に国連総会で採択され、日本政府が署名した「越境組織犯罪防止条約」を国内法化するための立法であるとされています。

しかしこの法律案は、条約が要請している「組織犯罪集団が関与したもの」という限定を取り外し、また、条約がその精神において求めている犯罪の「越境性」も必要でないとしており、共謀罪の適用範囲を、国内の一般犯罪であり、組織犯罪集団が関与しないものにまで拡大して、「一般的共謀罪」の新設を提案しているものとなっています。

この「共謀罪」には、法曹界から国民の自由を奪う危険があるとして、多くの反対意見が寄せられています。

「共謀した」というだけで処罰されるということになると、犯罪的な意図を持っているだけでは処罰の対象とならないという客観主義刑法の理念が葬り去られる恐れがあります。

治安維持法があった戦前に戻ってしまうのではないか。国民の自由が護られなくなるのではないか。このことが心配されます。

この法律が成立したとして、当初、その解釈・運用は限定的に為されるのだろうと思われます。ですから、万一この法律案が国会をそのまま通過しても、一般の方の認識として、「なんだ、何も変わったことないじゃないか」ということになろうと思います。

しかし、幅広く「犯罪」とされる行為を法律でつくっておいてお目こぼしをするという発想は、お上の意向に添わない者は何時でも犯罪者として裁くことになるぞという社会に導くことに繋がります(従来でも、我が国は交通事犯や選挙犯罪などにおいて明らかなように、そいういう傾向が顕著にあります)。

処罰の必要を重視するのか、国民の自由を護ることを重視するのか、この2つの利益をどの様に調整していくのかが刑法における立法と解釈の要です。それが処罰重視に大きく傾くことの恐ろしさを理解していただきたいと思います。

(刑法の話は、分かりやすく書こうとすると不正確になります。当初キチンと書いていたら、難しくなりすぎたので書き直しました。でも、やっぱり難しいかな。)              

[2004/10/24]  弁護士費用の敗訴者負担制度

先の通常国会で上程され継続審議になり、現在開かれている臨時国会で審議されている、いわゆる合意による弁護士報酬敗訴者負担法案とは、訴訟上の合意があれば負けた側が弁護士費用を負担するという制度です。

「勝てば弁護士費用は相手が負担するんだから良いじゃないか」と言われる方もいらっしゃるでしょう。しかも、合意があればということなんだから。

しかし、契約で(約款で)訴訟があった場合には敗訴者が負担するとしてある場合にはその制度が利用されることになると解されることから、問題が発生します。

☆10月14日、参議院での首相答弁を紹介します。

<民主党・千葉景子参議院議員の質問>

政府提出の民事訴訟費用等に関する法律の一部を改正する法律案、いわゆる合意による弁護士報酬敗訴者負担法案は、国民の裁判利用を促進させるとの改革の理念に沿うものとは言えず、かえって法改正により消費者契約や労働契約、フランチャイズ契約などに敗訴者負担条項が盛り込まれることが助長され、市民の裁判利用を躊躇(ちゅうちょ)させてしまうことが懸念されております。弁護士会や労働組合、消費者団体からも、このままでは廃案にすべきだと強く批判されています。

<小泉首相の答弁>

弁護士報酬の敗訴者負担についてでございますが、この法案は、弁護士報酬の費用を回収できるという期待にこたえることを通じて、裁判を利用しやすいものとすることを目的とするものであります。
 他方、御指摘のとおり、訴訟に持ち込まれる前の契約書の条項の中に敗訴者負担条項が組み込まれることにより、経済的に弱い立場の側にとって裁判利用を思いとどまらせる効果を懸念する向きもあると承知しております。
 本来の目的が十分に発揮される制度及び運用となるよう、各党各会派間で更によく議論していただきたいと考えております。

(コメント)

官僚の作文を朗読したものでしょうが、政府もその弊害を認識しています。

この法案成立を契機として、消費者と事業者間の契約、労働者と使用者間の契約、大企業と中小零細企業間の契約のように、契約上の立場に格差のある当事者間の契約や約款に敗訴者負担の合意約款が広く普及する可能性があります。

そうなると、経済的弱者は敗訴したときの弁護士費用の負担を恐れ、訴訟を躊躇することになり、結果として市民の司法制度利用に重大な萎縮効果を及ぼし、裁判を受ける権利が阻害されることにもなります。

仮に導入するとすれば、消費者契約、労働契約など、一方が優越的地位にある当事者間の私的契約における敗訴者負担の定めを無効とするというような法律上の配慮をすべきです。

地方切り捨て、弱者切り捨て政治の一環としての今回の法案。

提案通りの形で通過することのないよう、国民的監視が必要です。

[2004/10/23]  チキン・ゲーム

小泉政権の支持率がなかなか落ちない理由。

小泉氏対いわゆる抵抗勢力との対立の図式が生きており、これをマスコミが報じます。猿芝居だと見切った人は芝居見物をやめてしまいましたが、まだ見ている人がいるわけです。

「郵政民営化」のカードを切ってきた小泉氏と民営化反対の議員達との対立構図を演出する手法が依然として「観客」を惹きつけているのは、チキン・ゲーム(複数の車が同時にスタートして、赤信号であろうが何であろうが突っ走る。そして、恐怖心からレースを中止した者はチキン〈臆病者〉とされるゲーム)への興味からだと思います。

抵抗勢力としては、小泉氏を降ろしたいけれども、小泉氏は行き詰まれば解散権を行使するであろうと予想します。仮に、自民党が負けると分かっていてもやるだろう・・(「重大な決意」をしながら解散権を行使できなかった海部俊樹・元総理とは違うメンタリティーの持ち主)

小泉氏を降ろすことができても自民党が野党になっては元も子もないと抵抗勢力は考えます。抵抗勢力としては、よほどのことがなければ、小泉氏とのチキン・ゲームに出られないのです。

結果、猿芝居状態の政局が続きます。抵抗勢力としては、小泉氏がスキャンダルで自滅するのを待つことになります。

自民党が狂気の人物にハイジャックされたという見方もできます。それが、従来型の政局とは異なるところです。

ただし、この人物が崇高な理想を持って「改革」を叫んでいるのではなく、権力闘争それ自体を楽しむための道具として政策を利用しているのだということを把握しておく必要があります。

[2004/10/22]  国鉄民営化と郵政民営化

小泉内閣が進めようとする郵政民営化が、世論調査によると政策の優先順位としては上位にランクされていません。朝日新聞の調査では、小泉改造内閣に期待する政策として、「郵政改革」を挙げた人は2%でした。

国鉄民営化は成功だったと言う人が多いようです(私は異なる意見です)。国鉄のサービスに対して批判的な人が多く、民営化後に接客態度等に変化が見られたことが大きかったと思います。

それに対し、郵便局のサービスに文句を言う人は少数派です。

(朝日新聞の記事より)

「新聞です」

野麦峠のふもとにある高根村野麦の集落。いつも正午ごろ、郵便局員が朝刊を携えてやってくる。

人口700人余りの村内には、新聞販売所はない。新聞は毎日、1軒1軒の読者のもとに郵送される。

村で唯一の郵便局が高根郵便局だ。局長を含めて職員7人のこの局が、約170部の新聞の配達を一手に担う。

集落は10カ所に点在する。1人で配れば丸1日かかる。

「朝刊なんだから、午前中には配り終えたい」

局長の上田弘夫さん(60)はこんな思いで、職員のうち3人を配達に充てている。

同局は1885(明治18)年に村の有志が出資して設置された特定郵便局だ。上田さんが局長になったのは76年。定年退職した父から継いだ。

国家公務員である特定局長の「世襲」に批判は強い。

上田さんはこう反論する。

「特定局は地域に密着したサービスが仕事。都市部から転勤で来る局長にはできないことだ」

同局は96年から独居老人訪問を続けている。

41人のお年寄りの家を、配達する郵便物がない日でも、毎日欠かさず局員が訪れ、「元気ですか」と声をかける。00年には心筋梗塞(こうそく)で倒れていたお年寄りを見つけ、診療所に連絡。お年寄りは一命をとりとめた。

(コメント)

車社会の中で本流でなくなった鉄道と、社会インフラとして庶民が必要と感じる郵便局の違い。そして、愛されなかった国鉄と、親しまれている郵便局の違い。

この違いを無視して「改革」を断行すると、風車に立ち向かうドン・キホーテになってしまう恐れがあります。

中身が不確定で、「改革」が連呼されるだけの「郵政民営化」に国民がついてくるかどうか。

郵政解散があれば、自民惨敗との予測もあります。もっとも、その場合には自民党候補者の大半は「郵政民営化反対」を叫び、国民に何を問おうとしているのかチンプンカンプン分からない選挙になるでしょう。

[2004/10/21]  筑紫哲也氏の市町村合併反対論

19日、なにげなく「ニュース23」を見ていたら、筑紫哲也氏の「多事争論」の時間になりました。

そうだ、筑紫さんも合併反対論者なんだ!

以下、TBSのホームページに出ていたので、全文引用させていただきます。

タイトル「喪失」

しつこく市町村合併の話です。国策によって進められているこの合併が、それでなくても失われていくローカルカラー、つまり故郷を喪失させる、ということを私は申しておりますけれども、そのケースを私の自分の出身県である大分県についてご報告いたします。

サバやアジについて特別な地位を築いてきました関サバ、関アジ。その名前の由来であります佐賀関町が消えます。そしてワールドカップのカメルーンのキャンプ地として日本で一番有名な村になりました、中津江村も消えます。

各地で進められておりました町おこし、村おこし、地域活性化のその原点のひとつは、「梅栗植えてハワイに行こう」というスローガンを掲げていろんな試みをした大山町という町で、その世界では大変有名な町ですが、この町も消えます。

そして温泉の世界で今までの温泉の在り方をがらっと変えて、そしてひところは温泉の世界では「湯布院の一人勝ち」という言葉が使われましたが、その自然と温泉というものを結びつけたいろんな試みをした原点であります湯布院という町も、今無くなるかどうかの瀬戸際にあります。

こういういろんなものを失った上で私達は何を得ようとしているのか。私たちの国全体の地域社会というのが一望の荒野になりかねないと前に私は申し上げましたが、果たしてそういう自然や地域社会というものを変えていって私たちはこれから何を得るんでしょうか、あるいは私たちの子孫に何を残すんでしょうか。

(コメント)

平成の市町村合併は、地域を愛して生活をしてきた住民の人生を否定するものです。また、これまで頑張ってきた自治体の歴史を否定するものです。

今回の合併は、全く中央の都合によるものです。本来なら、総理大臣と総務大臣が、「申し訳ない。国が破産状態なんです」と、全国津々浦々に土下座行脚しなければならない話です。

それが、あろうことか、飴と鞭の合併策。中央集権の強化。

霞ヶ関のデスクで地方自治が行われている状態から、現場で自治が行われる方向に転換しなければなりません。

「踊る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ」で、沖田仁美警視正(真矢みき)が青島刑事(織田裕二)にこう言いました。

「覚えておきなさい。事件は現場で起きてるんじゃないの。会議室で起きてるのよ。」

違うだろう!と大方の人は思うはずですが、現実の行政はそうなっているのです。

霞ヶ関の「優秀な官僚」では処理しきれない、現場の重みが分かる政治でなければならないと思います。

[2004/10/20]  新聞週間によせて

10月15日から21日まで新聞週間。

日本新聞協会に加盟している新聞の総発行部数は2003年10月現在で1日5,287万部です(朝刊・夕刊のセットを1部として計算)。総発行部数を世帯数(約4,926万)で割ると、1世帯当たり1.07部という計算になります。

国際的には、朝夕刊セットを2部として数える方法がとられ、総発行部数は7,034万部となります。
 

朝夕刊セットを2部として数えた場合の成人人口1,000人当たりの日刊新聞発行部数は653.5部で、ノルウェーの704.6部に次いで世界第2位となります(2003年版世界新聞協会「World Press Trend」)

人口の多い先進国を見てみます。人口2億8800万人のアメリカが5519万部、8249万人のドイツが2324万部、5947万人のフランスが784万人、5923万人のイギリスが1890万部。これら先進国と比較して、日本は新聞大国だといえます。

我が国の報道機関は、記者クラブ制度に安住しているとの批判があります。現行制度にも合理性があるのでしょうが、やはり、記者魂に燃えた個々の記者が自らの足で現場に赴き、自分の目で見た事実を、自分の言葉で読者に報じていただきたいと思います。

宅配制度に感謝しつつも、新聞休刊日が苦手な読者より。

[2004/10/19]  多数派形成能力

個別の社会問題について大変よく勉強され、説得力のある鋭い意見を出す。しかし、常に少数派なので、結果として主張を実現できない方々がいます。

それに対し、極少数の方々の利益を代弁しているのに、結果として多数派を形成し、権力を握っている政党もあります。これが自民党です。

個別問題に極めて強い利害を有する企業・団体は、自己の意思を実現するために自民党を支援します。それ以外の問題では、自民党に反対する多くの国民と同じ意見ですが、自らの個別利益を守るために妥協します。

自民党は、個別利害をモザイク状に寄せ集め、多数派を形成していく能力を持った政党です。

勿論、権力が接着剤になっています。

多数意見を組み合わせて多数派を形成できれば、自民党政治を覆すことが可能になります。それには、自己の関心領域や個別利害を犠牲にすることができなければなりません。

「いや、この問題は最重要の問題だから譲れないんだ」という発想が、結果として、数の上では少数の企業・団体の利益を代弁する自民党支配を許し、多くの人々に無力感を与えてしまうことになるというメカニズムを理解していただきたいと思います。

70点主義。いや、60点主義。いやいや、50点主義でいかなければ、多数の国民が幸せになれる政治は実現できません。

[2004/10/18]  主権侵害

(ニュース)

東シナ海の日本の排他的経済水域で、中国政府が新たなガス田開発の権利を中国企業に与えたとの情報を日本政府がつかみました。

東シナ海のガス田問題では、中国側が日本に実務者協議の開催を提案し、月内にも開催する方向で調整しています。日本は同協議などで、中国に事実関係をただしていく方針です。

日本側水域での中国によるガス田開発の動きが明らかになったのはこれが初めてです。

中国は現在、東シナ海の日中中間線付近の中国側水域でガス田開発を進め、日本と対立していますが、日本政府は、今回の情報が事実なら「中国が日本水域内で主権を行使することになる」と問題視しており、計画の中止を求める考えで、重大な外交問題に発展する可能性が出てきました。
 
(コメント)

これが事実とすれば、主権侵害です。

対抗手段は、政府による猛烈な抗議と国際社会への訴え。それが功を奏しないのなら経済制裁。

話し合いは当然行うべきです。しかし、国家としての毅然たる態度がなければ、到底解決しません。

平和憲法を有する我が国ですが、主権の問題については厳しい姿勢が必要です。平和憲法を有するが故に、問題が複雑化する前にキチンと議論を詰めておくべきです。

日本政府得意の「問題の先送り」をしてはいけません。

[2004/10/17]  金は時なり

「時は金なり」と言います。

時間は貴重であり、大切にしなければなりません。しかし、絶対的な時間不足に追い込まれた場合、「金は時なり」という発想に立たなければならなくなります。

政治活動をやろうとすると、時間が必要です。私のように零細な会社を経営する者は、会社を人任せにはできません。それでは政治活動が全くできなくなるので、家族に負担を掛け、従業員に手当を出して余分な仕事をやってもらい、また、新たに従業員を雇うなどして、時間を「買う」ことになってしまいます。(それでも、人に任せられない領域が沢山残ります)

民主党からは生活支援があります。これをプラスと考え、時間を買う費用をマイナスとすると、プラスマイナスでわずかに黒字ではあります。ところが、経営状態が右肩下がりの状況ですので、このマイナスを考えると、結局、若干のマイナスです。(社長の専従度が足りないとの指摘を受けることもあります)

トータルで考えると、家族に負担を掛けてボランティア活動をやっている感じです。家族には頭が上がりません。

<会社からの収入+党からの支援>というところを見て、暮らしぶりが良いのだろうと言われることがありますが、簡単な足し算が成り立たないということだけは言えると思います。

時間を買う費用が今より少なく、議員報酬が現在の党の支援額より多かったので、市議時代の方が楽でした。

それでも、強大な自民党を相手に、徒手空拳で戦わせてもらっているのですから、現在の制度に感謝しています。

党に不満がないわけではありませんが、感謝の気持ちの方が上回っています。

[2004/10/16]  特定郵便局長、そしてコンビニ

(2つのニュース)

@日本郵政公社は、世襲との批判が多い特定郵便局長の採用の仕組みを見直し、一般から広く希望者を募る公募制に切り替えます。

特定郵便局長は、退職などによって欠員が出るたびに「志願者」に対し「採用試験」を行ってきました。しかし、選考の時期や評価の基準は、ほとんど公開されず、採用される局長の半数が前任者の親族・縁故者であり、国家公務員でありながら「事実上の世襲」だと批判されてきました。

このため、郵政公社は来週から採用に関する情報や評価の基準、志願書などをホームページに公開し、誰でも応募できるよう仕組みを改めることにしました。

A郵便局の中に、新たなコンビニが設置されることになりました。

これは、郵便局のスペースを、コンビニの「ampm」の店舗用に貸し出すもので、10月28日に東京都内の郵便局で、1号店がオープンします。

郵便局内にコンビニを出店するのは、「ローソン」に続いて2例目。郵政公社としては、賃料収入に加え、コンビニの集客効果を狙う意図があります。

(コメント)

これは郵政民営化の話ではありません。制度を公明正大なものにする話であり、また、自由化ないしは規制緩和の話です。

郵政民営化の議論の中で出てきたのだから、民営化が問題にならなかったら、あり得なかったという考え方もあるでしょう。

では、郵政事業の効率化は、民営化以外の方法では困難なのでしょうか。確かに、公務員制度が非効率だというのは、「定説」となっています。

しかしそれは、行政責任者の能力の問題であり、議会の監視能力の問題ではないでしょうか。民営化礼賛は、有権者が無能な首長と議員を選んだ帰結としての公的部門の非効率なのだという「真理」が見逃されることを恐れます。これは、民主主義の問題、ないしは、「投票箱と民主制の過程」の問題です。

闇雲な民営化礼賛は、労働条件切り下げのための錦の御旗として利用される危険があります。

あれも駄目、これも駄目という硬直的な制度の見直しも、要は、法制度と行政組織に弾力性がないというだけのことであって、国会議員、行政組織の責任者たる首相(そして官僚)が無能なだけの話です。

民営化すれば良くなるというストーリーに幻惑されてはいけません。公的部門の合理化・弾力化を怠ってきたことを、むしろ問題にすべきです。

そう考えていくと、「民営化」とは、公務員の地位剥奪に過ぎない話だということになります。それだったら、公務員に労働基本権を与えて、「労使」が真剣勝負をすればいいのです。そして、国や自治体に倒産の制度を導入すればいいのです。

国や自治体が過失により倒産したら、首長や議員が賠償責任を負うということだったら、この方が面白くないですか。

その大テーマから政治家が逃げているというのが、「民営化」の真相ではないでしょうか。

「民間の優秀な経営者に任す」というのは、言ってる本人が駄目責任者だと認めていることなのです。「乱脈経営」の責任を取りたくないと言っているだけなのです。

国の700兆円の借金。誰が責任を取るのか不明確です。国民(後続世代)に責任を取らせようとしている無責任政治家が、「民営化」という魔法の言葉で逃げようとしているのだと思いますが、如何ですか。

でも、そんな奴らを選んだ責任者は国民。これが民主主義。

[2004/10/15]  自治の多様性

(ニュース)

政府の地方制度調査会(諸井虔会長)の小委員会は14日、地方自治体の自主性や自律性を高める方策について論議し、首長が中心となり政策を実施する現行制度のほかに、民間人などに政策執行を任せる制度などを設け、自治体の在り方を多様にする仕組みが必要だとの意見が多数を占めました。

米国の自治体などでは首長の政策執行機能を強化するため、首長とは別に議会が行政の専門家を選び、政策の執行を担ってもらう「シティーマネジャー制」を取り入れています。

埼玉県・志木市でも類似の制度の導入が提案されています。
 

地方制度調査会では今後、現行法に照らしながら、制度の具体的な内容を議論していく方針です。

(コメント)

やっと、こういう意見が政府に近いところで出てきたという印象です。

自治には、様々な形態があり得ます。個々の住民の顔が見える狭い地域で首長選挙をやると、地域が真っ二つに割れ、対立が何十年も続くことがあります。

議院内閣制的な制度にすれば、地域内での不毛な争いを避けることもできます。

その是非はさておき、自治のあり方は地域の住民が決めればいいのです。法律(地方自治法)で一律に決めることに問題があるのです。

地方自治法は地方自治規制法であると、私は主張し続けています。

[2004/10/14]  郵便事業民営化の中身

首相の所信表明では、郵政民営化が強調されました。

しかし、目指す民営化の姿や国民にとってのメリットなど、肝心な点の説明が不十分です。

例えば郵便事業。完全な民間企業であって、経営も自由。他の民間企業も参入自由で全国的なサービスでなくてもよい。

もし、そんな民営化・規制撤廃なら、大都市では1通5円のダイレクトメールが可能になるかもしれません(その代わり、90%以上の配達率で可とする契約)。

過疎地では、配達をやめる。郵便ステーションに取りに来てもらう。特に配達を依頼すると、1回300円。

こうなると、大都市の生産性は大幅に向上し、過疎地は厳しい生活になります。

これでいいと割り切る考え方もあるでしょう。

地方に住む私としては賛成しがたい話ですが、これはこれでひとつの立場です。

ただし、多数決で決められるのかどうか疑問です。平等原則に抵触しないのか、過疎地の住民の生存権の問題にならないのかが問題になりうるでしょう。

そこまで極端なことはせず、ユニバーサルサービスを維持するということになるのでしょう。

しかし、本当に過疎地の集配は大丈夫なのでしょうか。2日に1回の配達で勘弁してくれと言い出さないのかどうか。

JRでは、赤字ローカル線が廃止されました。

[2004/10/13]  愛媛の自民党支持者の皆さんへ(続)

自民党支持者の皆さんこそ、愛媛の将来に大きな不安を感じておられるだろうと思います。

これまでが地方にとって良い時代だったのだということが言えるとは思いますが、それにしても現状は悪すぎる。地方はもう、成り立たないのではないか。大都市に移住しなければならないのか。そんな不安がよぎって来るのではないでしょうか。

このところ、各労組の大会に出席しております。そこでは、繁忙感がでてきたということが言われております。しかし、人員がなかなか増えず、経営は引き締まったままのようです。工場が中国に逃げては困るので、なかなか要求ができないのだろうと思います。

他方、労組の無いような零細企業や自営業では右肩下がりです。10年前も厳しい厳しいと言っていましたが、「振り返って見るとあのころは良かったんだなあ」と言われる商店主が多いようです。

地価を見て下さい。大都市では値上がりするところも出ています。しかし、地方都市は右肩下がりのままです。

勿論、人口減少ということもあるでしょう。しかし、それ以上に地方切り捨ての政治が進行していることが影響していると思われます。

大都市では一定以上の企業収益が期待できるが、地方都市では期待できないということが地価に表れているのでしょう。

地方での産業振興のあり方をどう考えていくのか。このことを真剣に考えるべきです。霞ヶ関のデスクで組み立てた理屈で地方が元気になれる時代は終わりました。

大都市の所得を地方に再配分する政治が、大都市住民によって否定されつつある現在、地方は自らの創意工夫で富を生み出していくことを考えるべきです。

地方主権型社会を創らなければなりません。自民党国会議員というブローカーに頼る心情から決別しなければなりません。

地方が自立するための政権交代。地方主権型社会を創ることにより、中央からのおこぼれを期待するのではなく、地方が自ら富を創出する社会を創るための政権交代を実現しようではありませんか。

この愛媛では、自民党支持者の皆さんの決意が未来を切り開きます。

[2004/10/12]  愛媛の自民党支持者の皆さんへ

次期総選挙で民主党政権ができた場合、愛媛はどうなるか。

そろそろ、このことを真面目に考える時期に差し掛かりました。まだまだ、政権交代のリアリティーが持てない方が多いでしょうが、可能性として考えておくべきです。

政権交代の影響は全国一律に及ぶというものではありません。公明正大な政治が必要であることは当然ですけれども、やはり、与党議員を輩出した地域が有利です。

というのも、国会議員が地域の実情を余すことなく伝えなければ、政府・与党としてもきめ細かな対応ができないのです。地方主権型政治に転換されるまでは(自民党が解体消滅するまでは)、基本的に中央集権の状態が継続します。

他県の国会議員にお願いするとしても、隔靴掻痒の感は否めません。

愛媛県は、伝統的に体制側の県です。体制側にいないと不利益を蒙るのではないかという怯えにも似た心理状態があるのでしょう。

県内自治体が常に県庁の動向を見ながら、あるいは、知事の顔色を見ながら政治をやっているのを見るにつけ、反体制では生きていけない県だなあと思ってしまいます。

そういう県であればこそ、リスク分散ということを、そろそろ本気で考えるべき段階なのです。

「全て自民党」ということで、どれだけ良いことがあったかを、まず検証してみるべきでしょう。県民1人あたり平均個人所得は2001年度では47都道府県中45番目下から3番目!です(2004/5年版日本国勢図会による。従来は40番前後)。自民党だけにすがっている県は、愛媛、香川、島根くらいでしょう。嗚呼、それなのに・・

(参考:香川、島根は30番前後)

国会議員全員が自民党でありながら、何をやってるのと言いたいところです。彼等が皆、自分の出世だけを考えているからではないでしょうか。小泉政権の地方切り捨て政策が明白なのに、提灯持ちしかできないひ弱さ。

県選出議員の大臣ができても、その効果は限定的です。地方斬り捨て政治に協賛しなければ大臣になれないのですから。協賛してもなれないのよりはマシかもしれませんが。

大人の話をさせてください。本音で話をさせてください。

私は、自民党支持者の方にこう言っています。「自民党が勝つと見れば、自民党に協力すればいいでしょう。しかし、民主党が勝ちそうなら、こっちへ来て下さい」と。

愛媛にとって最悪のシナリオは、民主党政権下で自民独占県として残ることなのですから。そんな県は、全国で1つあるかないかになるでしょう。

国会議員の支持者といっても、議員とホットラインで話ができないような人は、所詮外様大名です。外様が最後まで忠義を尽くす必要がないのは当然のことです(理念で結びついているのでない限り)。幕末に徳川家を助けたのは、親藩・譜代の大名です。

外様の皆さんには、是非とも保険を掛けていただきたい。自民党議員が落選しても、それは○○家の不幸に過ぎません。

もっと踏み込んで言わせていただければ、4つの小選挙区全てで勝たせていただきたい。愛媛が政権交代の最高殊勲選手になれるからです。このインパクトは極めて大きいと思います。

多くの自民党支持者の皆さんにとって、民主党は敵ではないのです。選択肢なのです。

私も、元自民党員。どうか宜しく。

[2004/10/11]  空海入唐1200年

(ニュース)

中国の西安で10日、空海が804年に留学僧として唐の都・長安(現・西安)に渡って1200年になるのを記念した行事が行われました。

式典には、日中友好協会の平山郁夫会長ら日本人200人と中国側から400人が参加。空海が仏法を学んだ青竜寺では「空海入唐1200年」の記念法要が営まれました。

(コメント)

「四国の星」主催者として、空海が遣唐使として唐に渡って1200年ということに感慨を抱きます。

空海という巨人がこの四国に生まれたこと、そして空海の遺産である88カ所巡りというソフトがあることを誇りとしたいと思っています。

四国を放浪して修行し、室戸岬で明けの明星を見て悟りを開いた空海が、遣唐使として中国に渡り、密教を日本に持ち帰って広めた活躍ぶりに驚異を感じます。

空海のひそみにならい真理を探究することを、引き続きこのホームページの目標とします。。

[2004/10/10]  解散から1年

昨年10月10日、衆議院が解散され、総選挙に突入しました。あれから1年。

解散直前に立候補を決意しました。今思い返しても良く決断できたと思います。出馬が全く不可能な周囲の状況でしたが、カリスマペテン師が総理大臣をやっているのでは、この国は駄目になってしまうとの思いからの決断でした。

また、このまま自民党政治が継続することにより、郷土愛媛が荒廃していく姿を目にしたくないとの思いもありました。

観客席で見物したいという気持ちが強い評論家スタイルだっただけに、「当事者」というのは戸惑いがありました。

勿論、市議の経験があった訳ですから、全く未知の領域という訳ではありませんが、当選するのに10万票近い支持をいただかなくてはならない世界というのは、やはり違います。

この1年、試行錯誤が続きました。やっと自分のスタイルが出来上がるかもしれないというところまで漕ぎ着けました。

近々、(仮称)「民主党・松山新聞」を発行しようと思います。B4、1枚で週1回の予定。概要はメルマガで確認できるようにします。

手配りですから、どの程度の部数を配布できるか問題ですけれども、可能な限り配布したいと思います。資金不足ですから、自ずと限界はあります。

配ってやってもいいよという方、募集しています。お知らせ下さい。

[2004/10/09]  総支部移転

民主党愛媛県第1区総支部の事務所が移転しました。

従来、松山市の郊外にありましたが、中心市街地に拠点を置くことにしました。

大きな看板もできました。

この拠点から仕掛けていきたいと思っています。

[2004/10/08]  北朝鮮、激変の予兆?

(ニュース)

中国の人民解放軍が、10月初旬から北朝鮮との国境線である鴨緑江沿いに3万人以上の兵力を集結させているとの報。

北朝鮮軍も中国軍の動きに呼応する形で精鋭部隊を鴨緑江沿いに展開したとの情報もあり、中朝国境地帯では両軍の動きが活発化しています。 

今回の中国軍の動きに関しては、増加を続ける北朝鮮からの脱出者を国境線で食い止める対策の一環として配置したとも見られますが、北朝鮮の核問題を話し合う六カ国協議が、中国のたび重なる説得にもかかわらず、開催されないままになっており、中朝関係が冷却化していることから、北朝鮮が弾道ミサイル発射や核実験に踏み切らないよう牽制しているとの観測もあります。

金正日総書記の後継者問題がこじれ、内戦状態に陥る場合などに備えて警戒している可能性もあるとする向きもあります。

(コメント)

北朝鮮の内部矛盾は極限に達しつつあるのでしょう。

脱北者の激増による体制崩壊、国内の権力闘争による内戦、金正日政権の暴発など、政治情勢激変の可能性を否定できなくなっています。

何時何があってもおかしくない情勢。北朝鮮情勢に継続的に関心を持ち続ける必要があります。

拉致事件の解決に向けた政府の強い姿勢が必要ですが、政治情勢の混迷が拉致被害者の運命にどのような影響を与えるのか、心配な局面です。

[2004/10/07]  補助金は生命線

(ニュース)

全国知事会など地方6団体が、国と地方の税財政を見直す三位一体改革をめぐり、中央官庁が補助金廃止を阻止するために、関係団体などを通じて市町村などに圧力をかけていると、政府に具体例を挙げて抗議しました。

地方6団体が作成した「改革案に対する反対・妨害などと思われる実態」と題した報告書では、

@国土交通省や林野庁が、地方議会に補助金存続の意見書を働き掛けた

A国交省河川局長名の市町村長あてのメールで、不安を増幅させた

B国交省所管の社団法人「全国治水砂防協会」などに対して、補助金削減反対を誘導するようなアンケートを実施した

というような実例を挙げています。

(コメント)

中央官庁にとって、補助金は生命線です。これがなければ、誰も官僚を持ち上げてくれなくなります。

地方は無能で何をやるか分からないから、我々優秀な官僚が中央でコントロールすれば日本全体が良くなるという発想が官僚達に根強くあります。

この考え方が破綻したのが、ここ10年余りの我が国の歴史でした。

地方に財源、権限、人材を与えて自由にやってもらえばいいのです。地方が自由競争をして、駄目な自治体は破産するという緊張感の中で切磋琢磨すべきです。

民主党のマニフェストは、20兆円ある補助金の内18兆円のを地方の財源とするとしています。

これが実現すれば、官僚は失業です。

[2004/10/06]  我田引「道」

近年の我が国で行われた錬金術の1つが、道路建設に際し路線決定の情報を取得することによる用地の先行取得でした。自己の土地に道路を持ってくるというケースもあったでしょう。

新居浜市における高速道路への土砂崩れを見て、路線の決定が理にかなったものだったのかどうか再検討すべきだと思いました。土壌調査が適正に行われたのかどうかも知りたいところです。

もし、安全性を犠牲にして特定の者の土地に道路が引かれるということがあったとしたら、犯罪的行為です。

全国の道路建設で、過去の買収地に政治家が所有している土地がなかったかどうか、政治家と親しい者が先行取得した土地がなかったかどうか、遡って洗い出せば、面白い事実が見えてくるのではないでしょうか。

我田引水と言いますが、我が田に道を引く行為を禁圧する必要があります。

[2004/10/05]  定年後居住者獲得のために

これからの地域振興策の1つに、定年後に都市部からI・U・Jターンで転居する人を獲得する方法があります。都市で人生を過ごしてきた人の財産と年金とが地域経済に与える影響は無視できないものがあります。

そのための条件として、気候や立地が良いことなどが考えられます。住んでみたいと思える良好な地域イメージの形成も必要です。

加えて、これから団塊の世代が定年を迎えることを考えると、ものが言いやすい自由で民主的な雰囲気をもつことが極めて重要だと思います。

「田舎」と言われる地域は、コミュニティの内部の人間には温かいけれども、「余所者」には警戒の目、冷たい目線を向ける傾向があります。都市的な生活をしてきた人々に田舎の温かさと都市的自由とを与えることができれば、後続者が相次ぐでしょう。

ムラ型選挙を克服して都市型の自由な選挙を実現していくことで、新住民から代表者が出やすい気風を獲得できれば、その地域は都市住民から見て大変な魅力をもつ地域になります。

愛媛・南予地域は温暖な気候に加えて人情の温かな地域ですが、選挙風土には感心しないところがあります(中予もですが・・)。

飲み食い、たかり、買収が文化となるようなところを改めなければ、現在進行中で将来加速することが予想される人口減少を食い止めることは不可能です。

50年後の南予地域は、人口が6〜7割減だという厳しい予測があります。

住民の皆さんがこのことを真っ正面から認識して、気風改善の努力をされることを期待します。その努力がなければ、新住民獲得どころか、若者の流出に拍車が掛かるでしょう。

地域崩壊を食い止めて下さい。

[2004/10/04]  予告編

近日中に、ホームページをリニューアルします。

「5・7・5コーナー」新設。メルマガも発行。メルマガは以前発行していたのですが、国政に出るなどとは夢にも思わなかったので、止めてしまっていました。

「5・7・5」は、川柳主体のつもりです(俳句もOKですが、当方に力がありません。川柳も思い付きを書くだけのものですけど。)。川柳+ショートコメントという形を考えています。

以下、昨年の選挙公報に掲載した私の作品を紹介します。

○年金は 掛け捨てだよと 皆が言い

若者は今の年金制度を信用していません。年金制度改革が緊急の課題です。

安心できる老後を!基礎年金部分に消費税を!年金改革が最大の景気対策です。

○高速を 無料で走る ドイツ人

道路公団民営化は、高速の永久有料化に加え、借金を国民に負担させる悪巧みです。

米英独では原則無料。仏伊は日本の3分の1の料金。高速道無料化は地方経済活性化の特効薬です!

○連れ去りの ニュースで握る 我が子の手

異常犯罪増加、連れ去り事件相次ぐ。検挙率大幅低下、治安が悪化しています。 

治安を回復し安心できる社会を!終身の無期刑創設を!警察官3万人増員を!

○コンビニの バイト暮らしも はや10

若者達の就職難は深刻です。「フリーター」の多くは就職希望者です。

若者が人生設計できる政治を!地方に我が子の職場を!地方重視の景気対策を!

石投げりゃ 二世に当たる 自民党

格差拡大、階層の固定化が深刻な社会問題になります!小泉世襲政権はその象徴です。  

やり直しのきく社会、人生のどの時期からでもチャレンジできる社会を!

 

こんなところです。真っ正面から攻めるだけでは面白くないし、松山は5・7・5の街ですので、松山らしくやってみたいと思います。

下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるの精神で、毎日1句をめざしますが、苦しいかな。投稿もしていただけるようにする予定です。

[2004/10/03]  新居浜市の土石流

2日、民主党集中豪雨災害調査団の一員として、新居浜市を視察、慰問。

土石流の凄まじさを実感しました。山際にある福祉施設などでは、土砂、木、石が押し寄せ、部屋を塞いでいました。

高速道路の下に土石流が押し寄せ、4人が死亡した民家2棟で献花して黙とう。現場から山を見ると、山の崩壊を防げなかった針葉樹の弱々しさが印象に残りました。

高速道路の路線選定と近隣対策に問題がなかったのだろうか疑問に思います。民家のすぐ上、山際に添って建設された高速道路は土砂に覆われ、不通です。

並行して走る国道11号線や県道も寸断され、新居浜から四国中央市にかけて大渋滞となっています。

台風の日に松山から四国中央市に帰ろうとした方が、新居浜市から向こうへ進むことができず、しまなみ海道から山陽道、瀬戸大橋を経由して、やっとのことで帰ったという話も聞きました。

速やかな道路の復旧作業、被害の救済措置が必要です。それとともに、今回のような豪雨が起こりうることを前提とした防災活動が研究されるべきだと思いました。

[2004/10/02]  愛媛・東予の集中豪雨

高速道路を土砂が覆っている新聞の写真には驚きました。

愛媛県の山林は、相次ぐ豪雨で地盤が緩みきっているようです。針葉樹林は根が浅く、保水力がないとも言われています。

民主党愛媛県集中豪雨災害調査団の一員として行動します。

円より子参院議員(民主党・ネクスト防災担当大臣)、加藤敏幸参院議員(新居浜市出身)が、党本部より参加予定。

 

[2004/10/01]  保険料が上がる

6月に国会で強行採決された年金改革関連法の一部が、10月1日施行されます。

サラリーマンが加入する厚生年金の保険料率(現在は13・58%を労使折半)は10月から毎年0・354%ずつ引き上げられ、2017年以降18・30%で固定されます。

国民年金の保険料引き上げは来年4月からになります。

このまま泣き寝入りは駄目です。もう一度国会で審議し直すべきです。参院選での国民の意思は明確です。

「75日」で国民の関心が薄くなると政府は考えているでしょう。そうはいかないぞ、という皆さんの気持ちを民主党は代弁していきます。どうか、御支援を。

人生100年時代。しっかりした老後の保障が人生全体を実りあるものにします。老後への安心感が、若い時代にチャレンジできる生き方を後押しします。

 

[2004/09/30]以前の「一言」は、アーカイブにあります。