[2004/09/30]  社会保障分野の給付費、83兆5千億円

(ニュース)

年金、医療、介護などの社会保障分野に支払われた給付費が2002年度、過去最高の83兆5666億円(前年度比2・7%増)だったことが27日、国立社会保障・人口問題研究所のまとめで分かりました。

国民所得に占める割合は23・03%(同0・89%増)で過去最高でした。

分野別では、年金は前年度比4・2%増の44兆3781億円で、総額に占める割合は53・1%。医療は前年度比1・4%減の26兆2744億円。医療の減は、2002年4月に診療報酬が2・7%引き下げられたことなどが要因です。介護などの福祉は前年度比6・0%増の12兆9140億円でした。

(コメント)

国の一般会計歳出額(約81兆円)を上回る社会保障分野の給付費。大変な金額です。

超高齢社会に突入しつつある現在、社会保障分野の給付は増加への圧力が強まります。

今年は年金制度の問題が大きく取り上げられましたが、医療・介護の分野でも給付と負担の関係がしっかりと議論されなければなりません。

給付の内容をしっかりと把握して、無駄を切りつめることが必要であるとともに、地域コミュニティを再構築し、社会的な助け合いを強めていくことも考えていくべきです。

「地域通貨」を媒介とした地域内での助け合いの輪を広げる試みについても、積極的な評価が必要です。

お金で全てのサービスが買える貨幣経済中心の社会から、助け合いの社会への転換が必要であることを、社会保障給付費の肥大化が逆に示しているように思われます。

[2004/09/29]  魚島村の閉村

西日本で最も人口の少ない自治体、愛媛県・魚島村。

閉村式が28日に催されました。同村は上島地域3町村と合併し、10月1日、上島町となり、108年の歴史に幕を下ろします。魚島村の人口は8月末現在、292人。

離党や山間部の自治は、合併により合理化することが困難です。合併による閉村は、その地域の切り捨て以外のなにものでもありません。

平成の市町村合併に合理性があることを(百歩譲って)認めるとしても、それは平野部の場合であって、空から眺めると自治体の境界がどこにあるのか分からないような場合に限られるのではないでしょうか。

人口292人だと自治ができないと決めつける必要はありません。例えば、議員3人と5人の職員で可能な範囲の自治を担っていくということを考えてもいいのではないでしょうか。

職員は、農業をやりながら年間100万円〜200万円で公務を行う半農半公務員というのはどうでしょうか。

村長は置かず、3人の議員の合議制で自治を行います(議員は無報酬)。国や県も職員を1人ずつ派遣してはどうでしょうか。

こういう形の自治を構想しても、現時点では実現不可能です。地方自治法が画一的な自治しか認めないからです。

[2004/09/28]  ファシズムの尖兵

戦前に生まれた方から、戦前・戦中に学校の先生から軍国主義教育を徹底的に受けていたところ、戦争が終わった途端に同じ先生が平和主義を熱っぽく語り出したという話を聞くことがあります。

(ニュース)

10月2日に創立記念式典などを行う都立高校2校の校長がそれぞれ全教員に対し、「日の丸・君が代」に関して「学習指導要領に基づき、適正に生徒を指導する」よう求める職務命令を出したことが分かりました。

生徒への指導について命令するのは異例のことで、都高校教職員組合は「生徒の内心に立ち入るもので、認められない」と反発しています。

いずれの学校も全教員に、君が代斉唱時に「起立」を求めるとともに、生徒に対しても「適正に指導」するよう命令しています。

横山洋吉・都教育長は6月の都議会で、生徒指導を求める職務命令を出す考えを明らかにしました。都教委によると、今月7日の校長連絡会で各校長に要請したということです。

(コメント)

愛国心は大切です。愛国心が芽生える教育も必要です。

問題は、そのやり方です。教育委員会に命じられて生徒に日の丸・君が代について「指導」しなければならない教師達の心象風景は、戦前・戦中に軍国主義を煽った教師と同じではないでしょうか。

教師が我が国を素晴らしい国だと思い、そのことが極自然に表れるのであれば、生徒達は自ずと先生に共感するでしょう。教育委員会の命令に従う小役人的な教師に、生徒が憧れるものでしょうか。

翻って、戦前の失敗に懲りて「愛国心」をタブー視する発想が、自然な地域や国への愛情に蓋をしてきたことを反省する必要があります。

教師の使命とは、地域や国の発展に貢献する後輩を育てることだと思います。国家の側から見た教育とは、先輩達の知的財産を承継して地域や国を発展させるための人材育成であり、期待される人材の核となる部分は地域や国への愛情です。

生徒の側から見ると、人生を切り開き、自己実現をするために学習することが権利として保障されるべきです。地域や国家への愛情は、強制されるまでもなく先輩である親や教師の言動の中から学んでいくべきものです。

教師は、教育委員会がどう言おうと、労働組合がどう言おうと、私はこう考えると言えるだけの自信をもって後輩達の指導に当たるべきです。勿論、その行き過ぎを是正していく内部の相互批判の仕組みと本人のバランス感覚が必要です。

教育界に身を置く者が愛国心教育を強制されて唯々諾々と従ったり、「愛国心」に過剰反応をしたりする主体性のなさこそが、我が国における教育の弱点ではないでしょうか。

とは言え、内心の領域に土足で侵入するマナーの悪さを自覚できない教育長の無神経さとファシズムの尖兵ともなりかねない精神構造とが、まず最初に責められるべきだと思います。

 

[2004/09/27]   拉致被害者の家族

小泉首相の関心が常任理事国入りに集中しそうな状況です。北朝鮮との実務者協議の進展が難しい状況。拉致問題を選挙前のパフォーマンスとして利用するだけの小泉内閣の下で、北朝鮮拉致被害者(安否不明者)や特定失踪者の御家族はどのような気持ちで過ごされているのでしょうか。

選挙も当分ないとすると、支持率が急降下しない限り首相の拉致問題への関心が盛り上がらないことになります。

それにしても、家族会の皆さんが経済制裁を叫ぶ心境を思うと切なくなってしまいます。経済制裁は北朝鮮にいる被害者に悪影響を及ぼす可能性があります。それでも制裁しなければ事態の打開がないであろうと考えての強硬論です。

犯罪と主権侵害とが継続している状況で何の手も打てないということは道理に反しています。国家として自国民救済と正当防衛の論理が妥当する局面だと思います。

そう考えると、我が国で新しい歴史教科書をつくる会の運動をやっている方々が、その時代時代でものの考え方が異なるのだから現在の基準で過去を裁くべきではないという主張でもって日中戦争や太平洋戦争に対する我が国の責任を免除している論法が気になってきます。

戦争の被害者が現存するにもかかわらず、戦争を「歴史」の彼方に追いやってしまう無神経さを改めないと、北朝鮮に拉致問題を「歴史」扱いされたときに困ると思うのですが。

メインパソコン復活

[2004/09/26]  ムラに都市の風が吹くか

市町村合併により、周辺の町村が市部に編入あるいは実質的に編入されるケースが数多く出てきます。

残念なことに、小さな自治体は自由な気風に乏しく、政治的な単位が小さい分、政治機構が雁字搦めになっています。議会に進取の気性に富んだ議員がいたとしても、孤立してしまう可能性が強いと思われます。

自治体の垣根が取り払われると、都市的な気風が浸透する可能性が出てきます。ムラ型政治が克服されるとすれば、合併も悪くはありません。

小さな自治体でこそ本物の自治が成立するんだと言いたいんですが、なかなかそうはならない現実があります。食わなければならない。田舎ほどそのことが切実であり、それに応えてきたのが自民党政治でした。

従来の枠組みがなくなることで、自民党の縛りも弱くなってきます。住民の政治的動向が掴みづらくなり、政治意識の流動化が始まります。

世界の中心で自治を叫ぶ・・・とはいかず、自治の崩壊が都市の風を呼ぶことになるのではないかという予測を持ち始めています。

[2004/09/25]  プロ野球に期待する地方主権

プロ野球での球団合併、選手会のストライキから来期の新規参入に至るまでの騒動の中で、常に巨人が中心にいました。

各球団は、巨人との対戦が組めるかどうか、どの程度組めるのかに大きな関心を持ちました。

巨人には、確かに不世出の名選手がいました。しかし、そのイメージを多くの国民が持っているのは、全国放送による映像の結果です。

東京にしかキー局を置かせない中央集権の政策。キー局が圧倒的な量の巨人の映像を提供し続けました。日本中が中央発のコンテンツ一色に染まってしまう構造が巨人人気の本質です。

地方発のコンテンツが確固とした基盤を持ち、一つの流れとして定着するならば、真に地方の時代が来たことの証(あかし)となるでしょう。

仙台で新球団ができ、各地方の球団が競い合って野球全体を活性化させ、ひいては、地方の文化や情報が継続的に全国発信される社会が到来することを期待します。

[2004/09/24] 常任理事国に立候補

小泉総理、国連総会で常任理事国入りの決意表明。

我が国が常任理事国入[2004/09/24] 常任理事国に立候補

小泉総理、国連総会で常任理事国入りの決意表明。

我が国が常任理事国入りすることがそれほど大切なことなのか、疑問です。世界の平和に貢献することは勿論大切です。

しかし、よって立つ理念が明確でなく、情報発信力のない現状では、常任理事国となったところで、実質的な米国の2議席目でしかないことは明らかです。

まともに考えると、憲法改正との関係も問題となる話です。憲法前文をイラク派兵の根拠とした小泉氏。こんどは、常任理事国という「トロイの木馬」で憲法改正に進むのでしょうか。りすることがそれほど大切なことなのか、疑問です。世界の平和に貢献することは勿論大切です。

しかし、よって立つ理念が明確でなく、情報発信力のない現状では、常任理事国となったところで、実質的な米国の2議席目でしかないことは明らかです。

まともに考えると、憲法改正との関係も問題となる話です。憲法前文をイラク派兵の根拠とした小泉氏。こんどは、常任理事国という「トロイの木馬」で憲法改正に進むのでしょうか。

[2004/09/23]  議会解散を求める住民の皆さんへ

市町村合併に伴い、在任特例を活用して「居座る」議会(議員)に対して、住民が憤激して議会の解散を求めるケースが増えています。

「議員の数が多すぎる」ということが言われます。確かに、テレビで議場が写されると、そうかなと思います。

しかし、議場が狭くなるということを除いて、議員が多くてどこが悪いのでしょうか。住民代表たる議員が真剣に自治体の将来を考え、汗をかいて良い仕事をすれば、自治体にとって有益だと思います。

もちろんと言うか、この議論が絵空事に思えるところに、問題の特質があります。

もし、議員がボランティアだったら、多すぎるという意見は出なかったはずです。

現実には議員歳費が必要なのだから、議員歳費で財政が圧迫されるという議論なのでしょう。また、費用対効果を言われるのでしょう。

本当にそうでしょうか。議会の経費は民主主義(住民自治)を維持するための必要経費ではなかったのですか。議会費が財政に占める比率が大き過ぎますか。民主主義の経費を節約することでどのような効果が期待できるのですか・・・

ロクでもない者、俺たちと変わらない者が議員をやっている。ここを住民が見ているから、「多すぎる」という議論になるのだと思います。

では、誰がそんな者を選んだか?

ここを突き詰めなければ、本物の自治は実現できないのではないでしょうか。

ある自治体で聞いた話をします。会社勤めをしていた兼業農家の方が、会社に議員との兼職を了解してもらった後、居住地の集落の方々に立候補に当たり地区の推薦をいただきたいと申し込みました。

その地区の方々はこう言いました。

「君だったら地区推薦してもいいと思うが、会社は辞めて立候補してもらいたい。」

2カ所から給料を取るのは許せないということのようでした。その方は、立候補を断念しました。集落の人々の中で、嫉妬の感情が支配したのです。(議員に専念してもらいたいという理屈は付くのでしょうが・・)

議員が自分達より良い境遇であったり、異質だったりすることは許せないということでは、有能な議員は出て来にくいでしょう。

議員数を減らしても、選び方を考えないと、悪貨が良貨を駆逐するだけの結果にしかならないと思います。これでは、縮小再生産型の自治しか展望できません。

知恵の値打ち、人材の値打ちを認めない旧態依然の自治がこの国に蔓延(はびこ)っていることを憂います。

大義名分の整った議論が嫉妬感情を秘めて語られるとき、ファシズムの嵐が吹き荒れることがあります。

反論するのが怖くなるような激流が各自治体に流れているようなので、敢えて一言。

[2004/09/22]  大人の天動説

(ニュース)

小学生の4割が「太陽は地球の周りを回っている」と思い、半数以上は月の満ち欠けを理解していないことが、国立天文台教員らのアンケート調査で分かりました。

2001〜04年に、8都道府県の14小・中学校約1700人にアンケート。このうち太陽と地球の関係では、天文を学習し終えた公立小4校の4年〜6年生までの348人が回答。「地球は太陽の周りを回っている」と正解したのは56%。42%は「太陽は地球の周りを回っている」を選びました。

月の満ち欠けが起こる理由を公立小9校720人に聞くと、正解の「地球から見て太陽と月の位置関係がかわるから」を選んだのは47%。「月が地球のかげに入る」とした誤りが多く見られました。

調査に携わった教師や研究者らのグループによると、今の小学校の教科書では内容が厳選され、地球が丸いことや自転・公転していることをあまり教えていないといいます。しかし中学ではそうした知識があることを前提に天文現象が説明されており、「小、中の指導に連続性がない。小学校では、天体や宇宙を大きくとらえられるような授業を取り入れるべきだ」としています。

(コメント)

天動説は、我々が体験する現象だけでは克服不可能です。2世紀にプトレマイオスが体系化した天動説は宇宙の現象をほぼ矛盾なく説明でき、16世紀にコペルニクスが地動説を唱えるまで支持されていました。

とは言え、子供の天動説は、地動説をしっかり教えれば理解してもらえます。

やっかいなのは、我が国における「大人の天動説」です。何のことか。

自民党でなければ政権担当ができないという「迷信」が根強く残っているのが我が国の状況です。大半の大人はほとんどの期間自民党政権下で過ごしてきました。

国民が主役で、複数の政党の中から現在の課題を解決してくれる政党に政権を委ねるという作業がこれまで行われなかったことの結果です。

55年体制の下では社会党に政権担当の準備がなく、自民党政権を前提とした権力チェック機関に徹していたことも、「自民党天動説」を生み出した原因の1つです。

徳川幕府が天の中心にいた江戸時代。ペリーの浦賀来航により幕府が相対化したこと、即ち、天動説から地動説への転換が幕末の動乱から明治維新を生み出した原動力だと思います。

国民が中心にいて、政党がその廻りを公転しているという「政党地動説」についても、子供時代にしっかり教えておきたいものです。

「主権者教育」「主権在民」と言えばいいじゃないかと言われれば、その通り。

 

[2004/09/21]  2484万人

(ニュース)

「敬老の日」にちなんで総務省がまとめたところによると、15日現在の推計で、全国の65歳以上の高齢者人口が2484万人になりました。

総人口(1億2761万人)に占める高齢者の割合(高齢化率)は19.5%(前年は19.0%)で、人口、比率ともに過去最高を更新しています。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、10年後の2014年には高齢化率が25.3%になる見込みです。2030年以降には、30%を超える時代(3人に1人が高齢者)がやって来ます。

(コメント)

高齢化率は確かに重要ですが、これからは後期高齢者(75歳以上)の比率が重要になってきます。

75歳くらいまでは結構元気で、車を乗り回す方も多いようです。しかし、75歳(概ね「敬老会」に招かれる年齢)を越えると、車をそろそろ卒業し、歩いて暮らせる範囲でサービスが受けられる都市の構造が求めれる年代になります。

現在、後期高齢者が1千万人を超えており、いずれ高齢者の過半数を占めることが予想されます。

後期高齢者の比率が数%だった時代が過去のものとなり、10%から20%になることを想定し、後期高齢者が幸せを感じられる社会のあり方を研究しておく必要があります。

[2004/09/20]  プロ野球ストに対する読売の社説

御丁寧に、2日続けての社説で選手会のストライキを批判する読売新聞。

18日は、「ファン裏切る“億万長者”のスト」というタイトルで、選手会が近鉄の存続を望んだこと、新規球団の来期参入を要求したことを「経営事項である」とし、ストの被害が深刻なものになるとの認識を示しつつ、1994年の米大リーグのストライキの例を引いて批判しました。

19日は、「何が選手たちの真の望みなのか」というタイトル。選手会が「来季から(球団を)増やす」「最大限努力する」という文言を合意文書に入れたがったことに対し、経営側が、これでは来季に十二球団の態勢で臨むことが前提となってしまい、「新規参入球団の公正な審査にタガをはめてしまう」と、受け入れなかったことを擁護。

「新規参入を目指す球団の『審査』は、慎重の上にも慎重を期す必要がある。」として、日拓ホームなど過去の失敗例を引き合いに出して批判を展開しています。

(コメント)

選手会の要望は、単なる選手達の要望にとどまらず、ファンを含む「世論」となっている点を読売新聞社はどう見ているのでしょうか。これを「経営事項」として斬り捨てるのは荒っぽ過ぎます。

仮に、新規参入の「審査」が拙速で、新規参入球団が「失敗」したとしても、それでファンがプロ野球を見放すものでしょうか。試行錯誤抜きに安全策にこだわるあまり、野球そのものの可能性を狭める結果になっては身も蓋もないでしょう。

巷間言われているように、巨人の放映権料などが絡む既得権が隠れた最大の論点なのだろうと思います。

オーナー企業とは言え、大新聞社の「社説」によるキャンペーンという仰々しい陣立ての割には、いささか内容空疎な言論と言わざるを得ません。

 

[2004/09/19]  小沢一郎ウェブサイト

岡田代表VS小沢一郎氏の対立構図がマスコミによって増幅されています。

常に小沢氏が何かを仕掛けて来るというイメージが定着しています。自称「側近」達が、自己をアピールするために小沢氏の「意向」を振りかざすのだとも言われています。

小沢氏の肉声を聞く必要がありそうです。評価は各自がすればいいと思います。

小沢一郎ウェブサイトには、ビデオライブラリーがあり、小沢氏の考え方がよく分かるようになっています。        http://ozawa-ichiro.jp/

最近行われた一新会での講演と質疑応答がビデオに収録されており、パソコンで見る(聞く)ことができます。

「どうやって日本を立て直すか」

「どうすれば自民党に勝てるか」

この2つの講演と質疑応答は必見。

自民党の大立て者が党を飛び出して自民党を野党に追い込んだのが11年前。こういうこともあるんだなぁ、と私が政治に関心を持つ切っ掛けを与えてくれたのが小沢氏です。

政権党で居続けることを目的とする自民党の「寄らば大樹」型の政治家を蹴散らし、21世紀の日本を切り開きたいものです。

引き続き、小沢氏の動向が注視されることになります。

[2004/09/18]  スト突入

(ニュース)

労働組合・日本プロ野球選手会は18、19日のスト突入を決めました。両日の公式戦12試合が中止になります。スト決行に対し、日本プロ野球組織(NPB)側は、損害賠償を請求する構えです。
 

選手会側は(1)合併の1年延期(2)それが無理な場合、新規参入球団を受け入れ、来季も12球団で運営する(3)合併した場合、近鉄の選手について移籍の自由を認めることなどを要求。
 

NPB側はこれに対し、合併延期は無理と主張。また新規の参入を来季から受け入れることは時間的に難しいとして、再来年からの受け入れを改めて求めました。

(コメント)

選手会(古田敦也会長)の勇気に敬意を表します。

ファンの意向とプロ野球全体の発展に目を向けることができなかった経営者側に問題ありです。

新規参入に2年掛かること自体が不条理です。余所者を排除しようとする狭い了見で凝り固まっているとしか思えません。

巨人戦にのみ活路を見出そうとするのは、縮小再生産への道を辿ることにしかなりません。

IT関連の会社が名乗りを上げようとしている状況。ファンや社会全体が盛り上がっている今が、プロ野球再生の最大のチャンスです。

[2004/09/17]  中心市街地活性化、大半が落第との評価

(ニュース)

郊外の大型店などの影響で空洞化が進む中心市街地の活性化策の大半で成果が出ていないとして、総務省行政評価局は15日、経済産業省、国土交通省、総務省、農林水産省に、事業の評価や補助金の審査を厳しくするよう勧告しました。

1998年の中心市街地活性化法施行で、各市町村は基本計画を作って取り組んでおり、総務省は、2000年度までに計画を作成した20都道府県計121市町の中心市街地のその後を調査。

その結果、商店数、年間商品販売額、事業所数は90%以上の市町で減り、人口も69%で減少。アンケートでも59%の市町が「活性化していない」と答えるなど、空洞化に歯止めがかかっていないことが分かりました。

(コメント)

この評価は妥当でしょうか。

人口減少は、国全体に先駆けて地方では進行中の事象です。自営業者数が減少するのも、先進国の中では我が国に顕著な事態です。

何よりも、地方都市の中心市街地が衰退しているのは、車社会の進展、大型店の郊外進出、ロードサイド店の展開、公共施設の郊外移転などの構造的な要因が横たわっていることを無視して語ることは困難です。単なるデータの推移を見ただけの「調査」では、事の本質は掴めないと思われます。

国にどういう地域社会をつくろうとするのかのビジョンがなく、後追い的に対症療法的な施策を実施するだけでは、補助事業の効果がないという「結果」しかあり得ません。

木を見て森を見ない中央官庁の見識のなさこそが問題です。そして、霞ヶ関で考えるのではなく、各地方がそのアイデンティティの問題として、財源、権限を持って取り組むべきテーマです。

[2004/09/16]  国会を開かないという審議拒否

参院選から2ヶ月が過ぎました。臨時国会が1週間開かれただけです。(会期は過半数で決しますから、与党のごり押しが通ってしまいます)

年金制度の問題について、有権者の皆さんが「ノー」の意思表示をしたにもかかわらず、国会で年金制度見直しの審議をすることを政府・与党は拒否し続けています。

マスコミは野党が審議拒否をした場合に、これを問題にします。しかし、与党の審議拒否については取り上げません。

与党が提案した議案の審議を野党が拒否することは、言論の府として問題ありというような論調もあります。しかし、そのように論ずる人ほど政府・与党の審議拒否について黙して語りません。

野党の審議拒否がある種の抵抗権であるのに対し、政府・与党の審議拒否はサボタージュであり、説明責任の不履行です。このことを確認しておく必要があります。

政府・与党の審議拒否は、野党提案の棚晒(たなざら)し、国会開会の拒否ないしは会期の短縮という形態を取ります。

改正年金法の施行時期(10月1日)に差しかかっています。また、実質的な贈収賄事件としての日歯連献金疑惑の究明により、政治資金の流れが透明化されることが必要です。

長期間国会を開くことにより、徹底的に審議しなければなりません。

[2004/09/15]  プレーオフ私案

パリーグのプレーオフ制度が今年から行われます。

プレーオフは第1ステージと第2ステージに分けられ、第1ステージはレギュラーシーズン2位と3位のチームが戦い、第2ステージでその勝者と1位のチームとの戦いになります。(以下、同率の球団がある場合を無視した原則形を前提とします)

第1ステージは3試合で、2勝したチームが第2ステージに進出します。第2ステージは5試合で、3勝したチームがリーグ優勝となり、日本シリーズに進出します。

1位と2位とが5ゲーム以上の差がある場合にアドバンテージとして1位チームに1勝が与えられるというように、若干上位チームに有利な規定がおかれます。

しかし、この制度には首を傾げます。レギュラーシーズンの重みがなくなるからです。3位のチームが百数十試合戦って上位に立ったチームに代わって「優勝」の栄冠を手にする実質的な根拠が不明です。レギュラーシーズンにもっと重みを持たせるべきです。

私案を述べてみます。

第1ステージを2試合とし、3位チームが2連勝した場合のみ第2ステージに進出(それ以外のケースでは2位のチームが進出)。第2ステージは3試合とし、下位のチームが3連勝した場合にのみ下位チームをリーグ優勝とします。

レギュラーシーズンの重みを失うことなくプレーオフの制度を導入するとすれば、敗者復活戦的なものとすべきです。

3位チームが5連勝した場合、2位チームが4連勝(第1ステージ引き分けの場合もあり)した場合には、リーグ1位チーム以外のチームがその時点での最強チームであり、リーグ優勝チームとなるだけの正当性があります。反対に、1勝もできない1位チームは、レギュラーシーズンでの実績が過去のものになってしまったことになります(去年の優勝とあまり変わらない)

日本シリーズ直前に上位チームが不振に陥った場合に、下位チームが連勝をするような上昇気流にある場合には、これをリーグ代表とすることにより、白熱した日本シリーズを楽しめることになります。

面白いプロ野球を実現するための提案でした。

[2004/09/14]  人生100年

国内の100歳以上の高齢者は、今月末時点で2万3038人に達し、昨年より2477人(12%)増えて過去最多を更新するとの厚生労働省発表。この5年間で倍以上の増加となっています。

このうち、女性は1万9515人(同2113人増)で、女性が全体の84・7%を占めています。

人生100年のスケールで人生設計を行う必要があります。短い人生を想定していると、それ以上に生きてしまい、「字あまり」となる危険があります。

[2004/09/13-2]  13日、14日東京出張

民主党臨時党大会に出席。岡田代表が再選され、新たな体制で出発することになります。

[2004/09/13]  プロ野球新規参入

(ニュース)

スト延期を決めた10日の協議・交渉委員会で日本プロ野球組織は、プロ野球選手会に対し、新規参入球団の加盟を促進することを約束したました。

しかし、パ・リーグの村田事務局長は11日、「実体のない新規参入は審査されない」との私見を述べ、参入に名乗りを上げているIT関連企業のライブドアのような監督、コーチ、選手、本拠地球場が未定の“非球団”は、資格審査の対象にならない認識を示しました。

野球協約第31条には「新たにこの組織の参加資格を取得しようとする球団は・・・・」とあり、村田事務局長の発言は、この解釈に基づいたものと思われます。

(コメント)

新規参入の障壁とされていた加盟料60億円、参加料30億円がひとまず撤廃され、これを「預かり保証金」に変更したことで、新規参入が容易になったと思われた矢先の否定的発言。

プロ野球組織のギルド的体質が問題とされるべきでしょう。スピーディで面白いスポーツが多くの人を魅了し、試合展開がノロノロした野球から心が離れようとしつつあるとき、なんとも時代錯誤の感覚です。

貧すれば鈍するということでしょうか。目先しか見ず、プロ野球発展のための大きな絵を描けない経営者達が退場してくれないことには、ジリ貧から抜け出すことは困難でしょう。

[2004/09/12]  菅さん、また遍路

菅・前民主党代表のホームページによると、室戸まで行った前回7月の遍路の続きを4日間行っているとのこと。うれしいニュースです。

菅さん、休み休みでいいですから、八十八カ所を全て廻ってください。

「ロード88」という映画も上映されるようです。歩くことにより自分を見つめ直す八十八カ所めぐりの文化が、世界に発信されることを期待します。

「四国の星」を見上げて悟りを開ければ最高。

[2004/09/11]  「馬鹿な首長」?

昨日の一言で、「850億円の巨費を掛ける山鳥坂ダムの予算が自治体の自由になるならば、そのお金でダムを造ろうという馬鹿な首長はいないのではないでしょうか。」と述べました。

これは訂正を必要とするかもしれません。本当に地域振興を願う自治体首長ならば、河川改修プラス地域振興のための投資というお金の使い方をするでしょうが、実際には利権型政治家が中央・地方を問わず出てくる土壌があります。

公共事業において、自民党政治家のリベートが3〜5%というのが「定説」になっています。自民党・加藤紘一氏が失脚したときにこのことが明らかになりました。ダムを1つ造るとその政治家は一生安泰だとも言われます。

地方に財源が確保されるということは、地方政治家に大きな利権が発生することを意味します。それだけに、地方政治における住民の監視機能がより重要になってきます。

監視機能が弱ければ、「ダムを造ろう」という首長が出てくることになります。

[2004/09/10]  財源

山鳥坂ダムか、河川改修か。

肱川の治水にどちらが有効か、意見の分かれるところです。

8日、国土交通省四国地方整備局が発表した検証結果によると、ダムの洪水調整機能が最大限発揮されたということのようです。

野村・鹿野川両ダムで計2040万トンをためたので、ダムがなかった場合には、肱川橋の水位は70センチ上昇することになる、ということです。

どういう計算式なのでしょうか。2040万トンをどの位の時間をかけて流すのかによって水位は左右されます。最初の頃たまった水は、ダムがなくても堤防を越えることはなかったのではという疑問もあります。

鹿野川ダムは、7時間にわたって入った水と出た水の量がほぼ同量でした。この間に流れた水によって堤防が決壊したのですから、2040万トンの水をその上に乗せて考えることが妥当かどうか。

この「発表」で注目したのは、山鳥坂ダムの洪水調整効果です。毎秒300トンとのこと。流域面積の小さい山鳥坂ダムではそんなところでしょう。改修後の鹿野川ダムの洪水調整効果が毎秒1000トンというのと比較すると、わざわざつくるにしては頼りないダムです。

こんな議論をする前に、もし仮に財源が全て肱川流域の自治体にあるとしたらどうかを考えた方が面白いと思います。

850億円の巨費を掛ける山鳥坂ダムの予算が自治体の自由になるならば、そのお金でダムを造ろうという馬鹿な首長はいないのではないでしょうか。

そんな金があったら、安い費用で河川改修を行い、残りのお金で地域振興に有効な投資をするでしょう。

自民党的な補助金行政の矛盾が顕著に表れるのがダム問題です。国がお金を大半出してくれるのだから、大きなお金が落ちるダムを造ろうという無責任が、国の700兆円もの負債を生んだ元凶です。

[2004/09/09]  華氏911

映画「華氏911」を見ました。マイケル・ムーア監督によるドキュメンタリー映画。

ブッシュ政権の正統性への疑問から映画は始まります。

ブッシュ親子、その側近達とビンラディン一族との関係。まずイラク戦争ありきの意図的な姿勢。戦争が一部業界のための公共事業として行われている構図を描いています。

イラクの人々の生々しい被害、そして米兵達が貧困な家庭からスカウトされる実情と戦死者の家族の悲しみ。アメリカの貧困層出身兵士がイラクの人々に銃弾を撃ち込みます。

アメリカの上流階級の繁栄が下層民衆の愛国心と自己犠牲によって保たれているのだということが示されています。

連邦議会の議員の子供でイラクへ赴いたのはたった1人。ムーア監督が議員に自分の子供をイラクへと呼びかけ、議員たちが逃げていくシーンは圧巻でした。

勿論、主観に基づく意図的編集による映像だという評価があるでしょう。そのことを前提として見ても、素晴らしい映画だと思いました。日本ではできない映画です。

イラクでの米側死者が1000人に達したとのニュース。

[2004/09/08]  ダム2連敗

連日「評論」のようなことばかり書いていると、衆院予定候補として何もやっとらんのじゃないかと疑われても困るので、ちょっと活動報告。

9月1日、7日と、台風16号による洪水に見舞われた大洲市を民主党愛媛県連として訪問しました。

鹿野川ダム、国土交通省・河川国道事務所、県土木事務所、大洲市役所で話を聞くとともに、被災地域の御見舞をしました。

愛媛新聞が連日力の入った報道を展開しているので、理解の助けになっています。

現地で見聞きすると、活字の意味が良く理解できます。肱川上流にある2つのダムがどれだけ洪水抑制に役だったのか。ここが1つのポイントです。

平成7年の洪水時のダム操作規則では洪水が防げなかったとして規則を改定。今度は新規則に則ったがために洪水を抑制できませんでした。

2回とも、ダムが洪水抑制に無力でした。今回の場合、早い段階で満水になり、7時間にわたって流入した水をそのまま下流に流す(ある時間帯は出た水の方が多い)結果となっています。

それを前提としても、大きな被害が出た菅田、西大洲地区の堤防が整備されれば、今回の洪水は最小限度の被害ですんだものと考えられます。

両地域の被害が9年前より大きかったことは、当時より1mも高い水位だったにもかかわらず、この間河川整備や洪水対策が進んだ地域は被害が防げたり、被害を少なくできているのとは対照的です。

勿論、河川改修はモグラたたきのようなところがあり、ある地点を整備すると別の地点があふれるということがあります。上流を整備したが為に下流が決壊することがあり得ます。

このことを考慮しても、菅田、西大洲地区の河川整備が急務です。国の肱川河川整備計画は、反対論の根強い山鳥坂(やまとさか)ダムの建設がなければ両地区の河川整備もしないように受け取れる面があります。ダムを担保に取っているという批判もあります。

ダムの是非論はさておき、河川の整備が確実に成果を挙げていることを直視すべきです。

16号による洪水は、ダム建設派に根拠を与えたかのようにも見えますが、「ダム2連敗」の実態を冷静に受け止め、確実に成果の上がる河川改修に力を注ぐべきです。

18号が、16号と同じコースを辿ったため、冷や冷やものの視察。九州付近を縦断する大型台風が愛媛にとって一番危険です。

[2004/09/07]  路面電車

松山市には、路面電車が走っています。復活した坊ちゃん列車も観光客の人気になっています。

一時期、路面電車は車から邪魔者扱いをされ、撤去する自治体が相次ぎました。

しかし、最近では路面電車見直しの機運が盛り上がっています。ヨーロッパでは、LRT(Light Rail Transitの略)と呼ばれる、昔ながらの路面電車のイメージを一新する新しい型の路面電車が都市での移動手段として注目されています。

排気ガスが出ないので都市環境に優しく、低床式で乗り降りがしやすく便利であり、高齢者・幼児の移動手段として適しています。定時性があり、建設費が安く、地下鉄の20分の1の建設費というコスト面での優位性もあります。ヨーロッパでは中心市街地商業活性化のための切り札とされています。

超高齢社会となりつつある今、都市的サービスを狭い範囲で受けられる、歩いて暮らせるまちづくりを進める必要があります。

都心部への車の乗り入れを規制し、道を行くのは歩行者と自転車とLRTのみというトランジットモール化を推進していく必要があります。

このような考え方が大きな流れとなろうとしているとき、岐阜市の市長が7月22日に市議会の各会派と沿線自治体などに路面電車の存続を断念する旨を伝えたとの報道にはガッカリしました。何とかしたいという市民の声は強いようですが、採算が合わないという判断のようです。

発想を逆転させるべきです。公共交通機関が採算の合うような都市の交通政策を追求したいと思います。

[2004/09/06]  「部長の大晩年」

城山三郎著。新潮文庫の新版を購入、読了。

官僚批判をしつつ、ふと、昔読んだ「官僚たちの夏」(同じく城山三郎著)を読み返したくなり、書店で探して見つからず(書斎を探せばあるのかも)、それは注文ということにして、この本を手にしました。

発刊された当初から気になりつつ敬遠していた小説。もっと年取ってから読めばいいやと思っていました。

大企業の部長が55才で定年退職し、それから人生の本番を迎え、趣味人として大成して97才で大往生するまでを描写しています。

勿論、その前段に会社勤めをしながら「仕込み」を行っていたわけで、トータルの人生を心おきなく過ごした俳人・永田耕衣の生き方に強く惹かれました。

「出会いは絶景」「マルマル人間」がキーワード。

「文庫新版」には、評論家・佐高 信氏の解説あり。

「大晩年」という概念を設定して、それに向かって向上するというスタンスは悪くないなと思います。「大晩年」には程遠いので、仕込みを充実させることに集中します。

このホームページに、「5・7・5」のコーナーを設けようかな。

ちなみに、昨年衆院選の選挙公報では、5・7・5(川柳)で主張を述べてみました。俳都・松山が選挙区ですから。

[2004/09/05]  議員の奥さん

議員はボンクラだが、奥さんは立派だからその議員に票を入れているなどという話を聞くことがあります。

奥さんが立派なことが政治に関係ありますか、と問いたいところです。候補者本人に対する審判が選挙です。

しかし、我が国では議員(候補者)の奥さんがかいがいしく亭主を助け、有権者に頭を下げることを美徳とする傾向があります。当人にとっては相当なストレスのはずですけれども。

ある議員の奥さんがわざわざ地域のイベントに来てくれたというようなことが美談として語られ、支持基盤を強化することに繋がって行く政治。

そのような「政治活動」への礼賛が、ひいては政治を「家業」化し、世襲政治を助長することになります。そのあたりを繰り返し巻き返し有権者の皆さんに訴えていきます。

これから地方議員をはじめ、各種の選挙で私が候補者を擁立する場合には、候補の配偶者は選挙に関わらない、政治活動にも関わらないというルールをつくる考えです。

「猫の手も借りたいが、奥さんの手は借りない。」 こんな標語はどうでしょうか。

「男女共同参画社会」を本気で実現しようとするならば、政治家の配偶者の活動領域が別個独立にあることを積極的に認めていくべきです。

政治活動における個人主義を確立したいと思います。

[2004/09/04]  民営化と言うが

8月26日、ヤマト運輸が全国紙、地方紙に全面広告を出しました。

ヤマト運輸は、郵政公社がローソンと提携して「ゆうパック」の取り扱いを始めることになったため、ローソンでの宅配便の集荷をやめることにしました。

血の滲む努力で宅配便市場を育てたのは民間企業である。法人税を払わず、郵便事業を独占するなどの優遇措置を受けている公社が入ってくるのはおかしいと、ヤマト運輸は主張しています。

(コメント)

公社は、将来民間企業となることを目指しているのだから、積極的に営業拡大に取り組まなければならないと考えているのでしょう。

しかし、民間企業の手を縛り、逆に優遇措置を受けている公社が、民間企業が開拓した分野に参入するのは、ヤマト運輸が主張するように不公正です。

国営企業が有利な条件で巨大化し民業を圧迫する構図は、民間企業の活躍する分野を狭めるだけの意義しかありません。

逆に、民間企業が郵便の分野に参入して「いいとこ取り」を行い、過疎地・島嶼部での集配を行わないという形になるとしたら、公社の側が不採算部門を一手に引き受けるという不合理なことになってしまいます。

民業圧迫回避の問題と不採算部門引き受けの問題という連立方程式を解くとすれば、@対等な条件で民間企業同士が自由競争を行い、A不採算部門を「公」が引き受けるという「解」が出てくるように思います。

「民営化」が問題の全てを解決する魔法の言葉のように考えるのは間違いです(小泉首相はその程度の理解しかしていないと思います)

「公」の担うべき分野と「民」が競争すべき分野との線引きが重要ではないでしょうか。

[2004/09/03]  「俺」

4才の甥っ子がいます。ほんわかした可愛い幼児だったのが、誕生日の頃から、「俺」などと一丁前のことを言い出しました。

幼稚園に通って1年。幼稚園児というのも結構大変な立場のようで、仲間内で揉まれたのでしょう。幼児から少年になろうとするところのようでもあります。

憲法改正をかっこいいと思っている政治家の心理も似たようなものかもしれません。

アメリカ政府の要人の前で、憲法9条を持ち出すことに恥ずかしさを感じているのではないでしょうか。

憲法9条の使い方なんだと思うのですが。これほど外交戦略上の武器になる条文はちょっと考えつきません。

「憲法9条を護ります」から「憲法9条を使います」への転換を求めます。(8月30日の一言参照)

[2004/09/02]  消防団

NHK・クローズアップ現代で、地域防災の下支えとなる消防団の現状が紹介されていました。

地域の有志で組織され、災害救援や防災を担ってきた消防団。この夏各地で起こった水害においても土地勘を活かして大きな役割を果たしました。

その消防団が団員不足に悩んでいます。1950年代に200万人いた団員は半分以下に減少。定数を確保できない市町村も出てきています。

背景には、地域の自営業者が減少し、サラリーマンが多くなってきたこと、若者が厳しい訓練を嫌うことなどがあります。

自営業者の減少は平日の昼間に災害があった場合の活動に支障をきたします。

女性の加入、サークル活動的な要素を取り入れるなど消防団離れを食い止めようという試行錯誤が各地で行われています。

(コメント)

従来、町村の職員が消防団の団員として地域防災に取り組んできた地域では、市町村合併後にどうなるのかの不安の声が聞かれます。

これまでの地域社会が崩れつつあることが、消防団の現状に反映しています。

自営業者・商業者は、24時間市民として地域に貢献してきました。このことが市場経済原理オンリーの考え方で否定されつつあります。

[2004/09/01]  小泉3年、安倍1年

小泉政権は、当初異常な人気の下で出発し、人気の下降局面で「サプライズ」を演出することにより、3年間高い支持率を保持しました。

しかし、参院選直前に賞味期限が切れてしまいました。

自民党政権は森政権時代に命脈が尽きかかっていました。どうにもならなくなった自民党が選んだのが、「変人」小泉純一郎氏でした。小泉政権は自民党の延命装置として一定の役割を果たしました。国民から見れば、失われた3年です。

今後の自民党は、次代を担う本格的なリーダーを持たないまま、「延命装置」の付け替えで乗り切ろうとするでしょう。

その手法を前提として有力視される「延命装置」の1人は、安倍晋三氏でしょう。彼の人気に頼ろうとする動きが自民党内に出てきています。

自民党には気の毒ですが、安倍氏を起用しても賞味期限は短いと思われます。彼の能力・資質に問題があるだけではなく、自民党政権の矛盾が極限に達しているからです。

国民も人気優先型の人事で「サプライズ」しにくくなっています。小泉氏が3年。安倍氏の場合は、よく持って1年。

このことは、安倍氏をかつごうとしている人達も先刻御承知のことと思われます。総理交代後一気呵成に選挙を行って、自民勝利を目論む作戦ということになります。

民主党としては、「最大瞬間風速」に耐えて勝利をつかむ地力が必要になります。

政策における自民党との明確な差別化と国民の信頼感醸成が急務です。300小選挙区で民主党が自民党と日常的にしのぎを削る形で次回の総選挙を迎えます。

天下分け目の戦い。こういう局面で暴れさせていただけるのは、幸せと言うべきでしょう。

[2004/08/31]  植草一秀氏の記者会見

(ニュース)

30日、女子高校生のスカートの中を手鏡を使いのぞこうとしたとして、東京都迷惑防止条例違反の罪に問われた早稲田大大学院の元教授植草一秀氏が、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見し、「天地神明に誓って無罪潔白で、冤罪(えんざい)を晴らすため命をかけて戦っている」と無罪を強調しました。
 

逮捕直後に容疑を認めたことについて植草氏は、「警察からの強い利益誘導があり、錯乱状態にもなって調書で認めてしまった」と説明。

マスコミの報道を「一方的な情報を流されて犯罪者と強く印象づけられ、筆舌に尽くし難い思いを重ねた」と批判しました。さらに手鏡については「テレビ出演もあり、衣装などを直すため持っていた」と話しました。

(コメント)

7月13日の「一言」で、植草氏の問題を取り上げました。気になるので、再度取り上げます。

冒頭陳述で検察が、彼の性癖を暴露して抜きがたい予断を与えることにより、裁判を有利に展開しようとしたことに、ひっかかりというか、疑問を感じました。(ちょっと、いや、異常に気合いが入りすぎている・・)

小泉政権批判を鋭く展開していた植草氏。説得力のある批判。現政権からすると邪魔者。破廉恥な気がして、応援したくなくなる罪。

長時間の尾行による不自然な逮捕劇。犯罪が発生して捜査が開始されたというより、捜査によって犯罪をつくったのではないかと思うくらいのグッドタイミング。

政権批判をする主要人物に尾行を付け、軽微な犯罪で断罪する・・・・ ありうるストーリーです。無実ということは充分考えられます。

愛媛県・大洲署の不正経理疑惑で、領収書をつくるため、実在する店のゴム印を警察が持っていました。店の了解は得ていたとのこと。(ゴム印代は幾らだ?誰が払った?どうやって了解させた?普通、領収書を書いてもらいにお店まで行くだろう!)

こんな話を聞いた後で、「現行犯だ」と警察が言うのを信じられるかどうか。犯罪も偽造したのではないか?捕まえる側に信用がないんだから・・・

しかしそれにしても、条例違反で1人の人間を社会的に抹殺してしまう報道とは何か? しかも、官報的垂れ流し報道で!

[2004/08/30]  憲法9条は外交戦略上の貴重なカード

最近、憲法9条についてマイナスイメージを前提とした憲法論が横行していることに不満を持っています。

民主党の一部にも、憲法9条を変えると言わないと勇気ある政治家、政権担当能力を持った政治家(政党)と言ってもらえないとの思いから、憲法9条改正を主張している人がいます。

私は、改憲論者であり、護憲論者でもあります(と繰り返し主張しています)。改憲論者が第一に問題とする9条については、当分の間護持しておくことが国益に合致すると考えます。

我が国が真剣に世界戦略を練る場合に、米国中心の世界戦略に対して世界国家の萌芽としての国連重視の世界戦略を対置して提案する立場に立つことが1つの戦略としてあり得ます。

これまでは、「日米同盟」と国連中心主義とが両立するかのように考えられてきましたが、厳密には両立しません。米国が国連を重視せず、単独行動主義を取るからです。

日本が国連の中軸国として世界に影響力を行使するに当たり、我が国独自の平和の理念を掲げ、その証(あかし)としての9条を前面に押し出すことは、世界のリーダとしての日本国のイメージを極めて良好に保つことに役立ちます。

強い国より、敵の少ない国、好かれる国の方が安全であり、しかも低コストで国家目標を達成できます。

米国に追随しつつ軽武装により経済復興に邁進した吉田ドクトリンとは異なり、積極的な世界戦略を推進する為の貴重なカードとしての憲法9条という積極的な位置付けをしていくべきです。

国連重視と憲法9条との調和点として、国連待機部隊を派遣することが必要です(派遣された自衛隊員は国際公務員となる)。このことにより、国連の中で重要な役割を果たすことができます。

常任理事国になるかどうかなどは些末な話だと思います。実質的な世界のリーダとしての日本であることが必要であり、その為の世界戦略が必要です。

憲法9条に負のイメージを持つこと自体が、政治家や政党が独自の世界戦略を持てない弱さの表れであると思います。

[2004/08/29]  自転車が怖い

最近、松山市の歩道を歩く機会が増えました。

ゆったりした気分で歩くことができません。自転車がかなりのスピードで通りすぎて行きます。

自転車に乗っている人は、充分回避できるつもりで運転しているのでしょうが、歩行者は冷や冷やものです。

うっかり手を振っていたら手が自転車に当たったのではないかと思ったりします。

自転車としては、車道では弱者なので歩道を走りたいということですが、歩道では強者です。

弱者の気持ちが分かるというのは結構大変なことです。自転車に乗ると歩行者の気持ちを忘れ、自動車に乗ると自転車を邪魔者と見てしまう。

強者を縛るルールが必要です。様々な場面で。

[2004/08/28]  森田実氏の批判

政治評論家・森田実氏のホームページを時折見ています。

http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/

8.27 「Q君への手紙(PART3[33])」の中で、岡田克也・民主党代表への批判があります。参院選後の岡田代表の行動に間違いがあるというものです。

第1 「岡田代表は直ちに集中豪雨の被災地を見舞うべきでした。野党第一党の党首は、まず国民の中に入るべきです。とくに災害で苦しんでいる国民がいれば、真っ先に見舞うべきです。」  「それなのに岡田代表はアメリカに行きました。それも『顔見せ』以外には明確な目的をもたないような訪米でした。」

第2 「臨時国会の開会日に岡田代表が欠席したことです。」「野党第一党の代表がアメリカに行っていたために開会日に欠席するとは言語道断です。」

第3 「岡田代表自身が代表選挙を望んでいないこと、無競争で自分を選んでほしいと、党員に求めたことです。」 「選挙を望まない党首が再選だけは望む、というのです。こういうのを談合というのではないでしょうか。政党が談合で党首を選ぶというのは、政党にとって最悪です。一種の自殺行為です。」

第4 「小沢一郎氏の批判への対応が間違っています。」「小沢一郎氏の問題提起は国の基本にかかわることです。この問題は党内で論争すべきテーマです。」「場合によっては、この問題は党首選のテーマにすべきです。それなのに、岡田代表はこの問題を曖昧にして、小沢氏と取引しようとする構えをみせています。これは大きな間違いです。」

◎「今回の民主党代表選挙の最大の意義は、民主党が自民党に代わって政権を担う資格のある政党に成長することにあります。しかし、岡田代表は小泉自民党政権に対する明確なアンチテーゼを示すことができていません。8月24日の出馬声明のなかで岡田氏は『すべての改革を先送りしている』といって小泉政権を批判していますが、果たしてこの見方は正しいのでしょうか。小泉政治そのものが間違っているのです。『先送り』など本質的問題ではないのです。小泉政治そのものを、直ちにやめさせるべきです。」

◎「小泉政治が弱肉強食の社会をつくろうとすることが過ちなのです。ブッシュ政権に従って戦争を後押しすることが間違いなのです。基本方向が大間違いなのです。」
 

◎「岡田さんがなすべきことは、小泉政治を断固として否定することです。小泉首相に対して『もっとやれ!』というのは国民に対する背信以外の何ものでもありません。正すべきは「先送り」ではなく、小泉政治の基本方向そのものなのです。

◎「岡田民主党は、小泉政治によって切り捨てられた人々−失業者、地方、中小零細企業、弱者、土木建設業者などすべての恵まれざる人々の味方になることを宣言すべきです。」「岡田さん、民主党が弱者の味方になることをはっきりさせてください。」

(コメント)

森田氏は、一貫して小泉政権を批判しています。彼の論旨には、傾聴すべきものがあります。

岡田氏への批判は、民主党員全体が胸に刻んでおくべきものです。

小沢氏との軋轢については、かっこうのマスコミネタになっている感がありますけれども、本質的な議論は避けて通るべきではないと思います。

政党とは、目的遂行のための手段であり、「仲良きこと」を優先すべきものではないと思います。そうでなければ、政権党で居続けることを党是とする自民党と大差のない話になります。

無論、政権交代を1日も早く実現すべきです。しかし、解散権は政権側にあり、あと2年は解散しないでしょうから、その間に民主党の目的を明確にするための議論は必要です。

[2004/08/27]  ある商店街

正午過ぎ、ある街の中心商店街を歩きました。

シャッターの閉まっている店が大半。定休日の店が多いようなのですが、その街の人間ではない私には分かりません。

200m程歩く間に、シャッターに「貸店舗」「テナント募集」とはってある店が5軒ありました。その店だけが空き店舗だと考えても相当のものです。

単にシャッターが閉まっていれば定休日なのでしょうけれども、知らない人間には分からないのですから、「定休日」あるいは「何曜日定休」と表示して欲しいものです。

商店主の側から見ると、うちの定休日はお客さんなら知っているはずだと考えるのでしょう。しかし今や、それほどの認知度はないと考えるのがまともな感覚です。

「会員制商法」でやっていけるのでしょうか。

そんなことを考えながら歩いていて、ふと我が街のことを振り返ると、この街が急にうらやましくなってきました。我が街には、空き店舗が少ないのです。

商店街が繁盛しているのではなく、閉店するとそのまま「仕舞た屋」(しもたや=元商店でやめてしまった普通の家)になります。

「貸してくれよ」と、まちづくり関係者は恨めしい気持ちで、その家の「自家用倉庫」を眺めます。たまに貸そうというところがあると、通用しそうにない家賃を要求します。

[2004/08/26]  「頭をからっぽにしたい」

夏休みをとる前に、小泉首相が述べた迷せりふです。

実際頭はからっぽだったようで、沖縄の米海兵隊普天間飛行場に隣接する大学構内に大型輸送ヘリが墜落した事故に対して真相究明や再発防止策を求めることもせず、事故処理に際し、米国側が日本側の現場検証を拒み、残骸を片づけたことに抗議もせず、沖縄県知事や地元の宜野湾市長に会うこともしませんでした。

やったことは、オリンピックをテレビで見たり、歌舞伎を見たりということでした。

金メダリストに電話したりする前に、米国に抗議の一つもすべきではなかったのでしょうか。

主権侵害という意識があれば、もっと違う対応があり得たところです。拉致被害者家族の帰国を選挙に利用するために北朝鮮に協力を求めるくらいですから、小泉氏の頭に「主権」という概念はないのかもしれません。

この人物、30年以上国会議員をした割には基礎的な知識が乏しく、勉強する意欲もないので、安倍幹事長(彼もどの程度のものか疑問ですが)などはあきれ果てていると言われています。

もともとからっぽの頭をからっぽにしてどうするのでしょうか。

[2004/08/25]  歴史資産

歴史資産ないし歴史遺産についての認識に、日本と欧州とで大きな差があるように思います。

旧東ドイツのドレスデンという街についての認識をあまり持っていませんでした。人口47万人。松山市、金沢市と人口規模で同じ。

第二次大戦末期に空襲で多大な歴史資産を失いました。しかし、東西冷戦終結後、急速に修復がなされています。

その景観に圧倒されました。エルベのフィレンツェと言われた都市だけのことはあります。

京都の町家が7年間で13%も減ったとの記事がありました。木造と石の建築の違いなどと言ってすませる問題ではありません。

最近、「愛国心教育」などと言っていますが、歴史資産に対する考え方からしてなっていない政府(あるいはその周辺の人物)の言として、眉に唾を付けざるを得ません。

もっと国と地域の歴史に愛着と誇りを持てる景観づくりをやってから、「愛国心」と言いたいものです。

[2004/08/24]  街並み

ブダペスト、ブラチスラヴァ、ウィーン、プラハ、マイセン、ドレスデン、ベルリンなど観光。

歴史を物語る街並みに圧倒されました。

関西空港に降り立ち、伊丹までのリムジンバス(なんでこんなルートで帰らないといけないの?関空から直接帰るか、伊丹から外国へのルートをつくるかどっちかでしょう!)から大阪の無惨な街並みを眺めました。目をつむった方がましな景色。

旧東欧圏で、歴史的街並みとは似合わない、無機質なマッチ箱を並べたようなアパートがありました。社会主義時代のものです。

日本の風景もどこか社会主義的に見えてきました。

[2004/08/17]  夏休み

17日〜24日まで夏休み。「一言」を休ませていただきます。中欧へのツアー(私費)。

[2004/08/17]  道路の無限連鎖

ここ10年をとっても、随分新しい道路ができています。

「バイパス」ができると、この道路がなかったときは皆どうしていたんだろうと思うほどの車が走ります。その混雑ぶりを見ていると、もっと道路が必要になってくるような気がしてきます。

しかし、大局的に見て公共事業に振り向ける予算は限られてくるのだし、将来の人口減少を考えると、もうそろそろ新規の道路は必要ないのではないかと思います。今後の道路補修費用も馬鹿になりません。

車社会がこれ以上進展することが果たして人々を幸せにするのかどうか、「採算分岐点」に達しているような気がします。

車の便利さを享受するメリットとこれ以上車社会が進展することのデメリットとを比較考量すべきでしょう。

公共交通機関を利用することにメリットを感じる施策が必要になっているのではないでしょうか。そのために、道路関係予算を廻すことを考えるべきです。

道路の無限連鎖にそろそろ終止符を打ちたいものです。交差点改良だけで充分なところが多いように思います。

[2004/08/16]  プロ野球について

1リーグか2リーグかの論争が沸き起こったプロ野球。渡辺恒雄・巨人オーナーの突然の辞任に揺れています。ちょっと一口挟みたくなってきました。

私は、2リーグの方が優れていると思います。1リーグ制は、縮小再生産に陥る可能性があります。2リーグを前提に、プロのチームをもっと増やすべきです。

プロの2軍をどうするかということにも関わってきますが、少なくとも各県にプロチームを創り、競わせていくべきだと思います。ノンプロとの相互乗り入れ、ないしは合流も視野に入れます。

最底辺のチームは選手のバイト料10万円で、地元の企業が雇用しながら活動を認めていくというような形態でも良いのではないでしょうか。1〜2名程度なら中小企業でも雇えるかもしれません。

野球が上手いということでお金が稼げる仕組み(ビジネスモデル)としてのプロ野球は、人々に夢を与えるものであるとともに、野球というスポーツで活躍しようとする人達のやる気を起こさせるという意義を持っています。

「神様、仏様、稲尾様」と言われた稲尾和久・元西鉄ライオンズ投手のお父さんは、飛ぶ鳥に石を投げて落とすことができたと言われています。お父さんも「豪腕」だったのでしょう。

プロ組織が充実すれば、飛ぶ鳥を落とせる人が、単なる「肩の強い人」で終わらずにすむ可能性が高くなります。

地域振興という観点からも、「地元の英雄」をもっと育てるべきだと思います。良い選手と良いプレーを見分けられる眼力を持ったファンに支えられるプロスポーツとしての野球の繁栄を期待したいと思います。

<私見:1リーグ8チームの2リーグ制で、毎年抽選でチームの入れかえを行う。各地に下位リーグをつくり、上位リーグとの入れ替え戦を行う。>

[2004/08/15]  59年の平和

敗戦記念日。

大日本帝国が滅亡して59年になります。

大日本帝国憲法の下では、戦争を防止する仕組みがありませんでした。軍の暴走を防ぐ仕掛けもありませんでした。

日本国憲法には、平和の理念が掲げられ、不戦の誓いがなされています。憲法を中心に、平和を維持する仕組みが整っています。

敗戦時に赤ちゃんだった人が間もなく還暦になります。国民の大半が入れ替わり、戦争を知らない国になりつつあります。戦争をしたいと思わない国になりました。

このことの積極的意義を認め、同時に、戦争を知らないことの危うさを意識しながら、59年の平和を恒久的なものとするための努力をしたいと思います。

[2004/08/14]  官僚の悲しい体質

官僚達の最大の仕事は、責任を回避することです。

様々な規制は、官僚や公務員が責任を問われないためにあります。

結果が極めて不条理であったとしても、責任を問われない仕組みの方が彼等にとっては大切です。

世のため人のため国のために役に立ちたいと考える若者が官僚になっても、責任回避の処世術をマスターしない限り、影響力を持つポストに就くことは困難です。

官僚としての処世術を無理なく受け入れたとき、彼等は責任を問われないためにどのような障壁を設けるかを第一に考えるタイプの人間になっています。

責任回避の術が人格の一部を構成するようになってはじめて官僚と言えるのです。

このことの矛盾に苦悩する方々もいます。官僚を途中で辞める人も増えているようです。

[2004/08/13]  文の官僚機構の暴走

第二次世界大戦・太平洋戦争において、我が国は「軍」の官僚機構が暴走しました。軍の暴走を政府は抑止することができませんでした。

現在、「文」の官僚機構が暴走しています。

年金改革法における与党のかたくなな態度は、厚生労働省の暴走を与党が抑止できなかったということの表れです。

厚生労働省の役人は、制度設計を誤っている現行年金制度を否定することができません。

何故なら、ある官僚が現行制度は間違っていると宣言するとしたら、彼は厚生労働省という「社会」あるいは「ムラ」から阻害されることになります。

諸先輩の業績を否定することは組織を否定することであり、官僚達が形成してきた「秩序」への挑戦を意味します。

この仕組みを打ち破り、官僚達が良心に従って仕事ができるようにするためには、政権交代を行うことにより過去の誤りを認める機会を持つことが必要です。

[2004/08/12]  候補者になるということ

選挙は、候補者がいなければ成り立ちません。

一般の方は、なりたい奴が勝手に出てくるのだろうと考えておられるでしょう。蚊と候補者は自然に湧いてくるというところでしょうか。

勿論、自民党のように家業として政治をやっている場合には、生業(なりわい)としての一貫性があります。「家」を挙げて選挙に取り組みます。奥さんも、選挙を意識した上で結婚を決意しています。

ところが、一般の方が選挙に出ようと思ったり、誘われたりしたときの最大の難関は奥さんです。

「候補者の奥さん」というのは、有権者に頭を下げ続けなければなりません(少なくともそのような意識をもちます)。

そのような苦労をして、将来の安定がない職業に夫が就くことを喜ぶ女性はまれです。立候補を決意する段階で、「離婚話」が出てきます。それぞれの候補者に家庭のドラマがあるのです。

候補者になること自体が大変なんだと訴えても、「評論家」の皆さんには分かってもらえないでしょうね。

奥さんは選挙に巻き込まない。これを候補を擁立する場合のルールにしたいと思っています。私は国政に出る段階でそうしました。

「人材」の発掘は難しい。

[2004/08/11]  地方議員募集

民主党・岡田代表は、党地方自治体議員フォーラムで講演し、民主党の地方での活動について「足腰が弱すぎる」と強調しています。

地方議員を増やすため、都道府県議選でも全選挙区で、推薦も含めて1人以上の擁立を目指す考えを示しました。定数3以上の選挙区では複数擁立を目指すという方針のようです。

そうなると、候補者が足りません。自民党の政治では駄目だと思われる方、名乗りを上げて頂きたい。

と強く訴えたいのですが、地方議員の選挙は自前が原則です。ここが難しいところです。

しかし、民主党の旗を掲げてさわやかに戦えば、それ程の費用は必要ないのではないでしょうか。

そうは言っても、県議選だと最低300万円くらいは必要なんでしょうね。市議選でも100万円。

支持者が持ち寄りで、弁当も持参。候補者には一銭も支払わせない。こんな選挙をやってみたいものです。

[2004/08/10]  ブーイング

中国で開催されたアジア杯サッカーで中国観客が我が国の選手とサポーターに浴びせたブーイングが波紋を呼んでいます。

反日教育を受けた若者達の暴走と見るのか、「反日」を名目とした反政府運動の気配を読み取るのか、難しいところです。

民衆に不満が蓄積しており、不満のはけ口として日本が恰好の標的となっているのでしょう。

大局的に見ると、中国が世界に恥をかくだけではあります。それに伴う信用の失墜と経済的な損失を中国が蒙ることになります。中国に対する我が国の世論の硬化は、尖閣諸島問題などの領土問題への強硬論を招くことにもなります。

中国共産党をもってしても抑止できない民衆の動きがあることは、中国のカントリーリスク(その国の事情により外国からの投資が回収不能になる危険度)が無視できないものであることを示しています。

[2004/08/09]  民主党の総括

民主党は6日の両院議員懇談会で、7月の参院選結果について「あくまで小泉自民党政治への批判票であり、民主党に対する信任結果ではない」とする参院選総括案を了承しました。

総括案は「政権交代の目標に向かう通過点に過ぎず、克服すべき課題は山積している」としています。

(コメント)

小泉政治の批判票として、共産・社民に入れるより民主に入れる方が効果が高いと考えた有権者が多かったのでしょう。

民主党の勝利とはしゃいでいては駄目だということです。実際、状況としては民主60、自民39でもおかしくなかったのに、1週間で10議席やられました。

その意味では、「逆風の中よく頑張った」という小泉氏の評価は的外れではありません(内部評価として)。

しかし、一般的な評価として、自民党が敗北したということも正しいのであり、小泉政権が責任を取り、反省をすることが求められているのだと思います。

[2004/08/08]  水害

新潟・福井の豪雨による被害の様子をテレビで見ての感想。

100年に1度の豪雨による被害と考えるべきなのか、近年の異常気象が継続して、今後全国至る所で起こりうる事態と見るべきなのかが問題です。

後者と見た上での対策が必要であろうと思います。それでは、大規模河川改修、大型ダム工事が必要なのでしょうか。そうだとすると、天文学的な予算が必要となるでしょう。

現在のダム・河川の防災能力を適切に把握し、それを超える水量に対してどのような対策を講じるべきかどうかを検討すべきだと思います。

ダムでの水量調節などの予防措置において、絶対に水害が起こらないようにするということではなく、一定水量が河川を超過することも想定し、超過した場合にどの程度の超過なら大規模の被害に当たらないのかということも把握した上での対策も必要ではないでしょうか。

どの程度の量の水が河川を超過するとどの程度の被害になるのかが把握できれば、最小限度の「水害」で食い止めることによる被害額と「完璧」な防災施設建設のために必要な費用との比較考量が可能なはずです。

家屋建築において、50センチ土台を高くすれば「床下浸水」あるいは「床上浸水」が防げるのであれば、「土台」を高くすることを予防措置として補助を与えてでも規制することとし、その範囲の超過水量は受忍し、農業被害等への補償措置に掛かる費用と防災予防の為の費用との比較する作業をすべきです。

「完封」するという思想ではなく、「最少失点」で食い止める思想が必要ではないでしょうか。完封しようと力んで「大量失点」になる場合をなくすべきだと思います。「あってはならないこと」は考えない(考えてはいけない)という思想的拘束から脱却したいものです。

とは言え、水害に遭われた皆様に心より御見舞申し上げます。

[2004/08/07]  市町村合併の一断面

各地で進む市町村合併は、自民党と共産党の足腰を弱めるという意味を持っています。取り分け、自民党にとって今後の国政選挙の戦い方が問題になってくるでしょう。

民主党?

元々地方議員が余りいないので、影響がないということになります。むしろ、自治体数が減った分国政選挙の戦略が練りやすい、合併後の市町村議会議員選挙で民主党の旗印を掲げて戦うことがやりやすくなるということにもなります。

市町村合併に反対してきた者として、複雑な心境です。

[2004/08/06-2]  6日、7日

東京出張。

[2004/08/06]  人体実験か?

4日、NHK・クローズアップ現代「終わりなき核被害〜50年目のビキニ事件〜」を視聴。

1954年、太平洋マーシャル諸島でアメリカが行った水爆実験は、島民と海上に居合わせた日本漁船・第五福竜丸乗組員に、死の灰による被爆を引き起こしました。

この被爆は現地マーシャルや日本に大きな衝撃を与え、本格的な反核運動を生み出す契機となりました。

最近公表されたアメリカの公文書から、当時のアメリカ政府が人体実験を行おうとしたのではないかとの疑惑が生まれ、抗議の輪が広がっています。

広島への原爆投下から59年。このときも、「実験」としての意味合いがあったものと思われます。

核兵器が人体に与える影響を測定しようとする冷酷さと狂気。アメリカという国の異常な側面を常に意識する必要があります。

[2004/08/05]  家は建つ、葬式は多い

総務省が2004年3月末時点の住民基本台帳に基づく人口調査を発表。総人口は1億2682万4166人で、前年比で13万5802人(0.11%)増。増加人数、増加率ともに過去最低でした。

2003年度の出生者数も112万9239人で5年連続の減少となり過去最低を更新しています。

出生者数が減少した一方、死亡者数は過去最多で、人口の自然増加数(出生者数から死亡者数を引いた数)は11万8052人で3年連続の減少でした。

年代別人口構成は15歳未満の年少人口が全体の14.03%(前年比0.14ポイント減)、労働力の主な担い手となる15歳以上65歳未満の生産年齢人口が66.73%(同0.27ポイント減)、65歳以上の老年人口が19.24%(同0.42ポイント増)。

老年人口は年代別調査を開始した1994年以降、毎年増加し続けています。一世帯あたりの平均人数は2.54人で、世帯数の調査を始めた1968年と比較すると1.22人の減少となります。世帯数は4983万7731で前年比1.17%増で核家族化の進行を示しています。

(コメント)

各地で葬祭場が建設されています。家庭での葬儀が少なくなっているからだという説明もあり得ますが、実は死亡者数が増えているのです。これから暫く死亡者は増えていきます。「需要」の増大を見越しての葬祭場建設です。

出生者の減少と死亡者数の増加。人口減少に向けての転換点まであとわずかです。

家は建っています。核家族化の進行で世帯数が増加しています。人口増加率以上に世帯数が増加しているため、人口がまだまだ増えるのだと錯覚している人もいます。

少子高齢化、そして人口減少。このことを折り込んだ地域の将来設計が必要です。

[2004/08/04]  都教委の「研修」

「君が代」を起立斉唱しなかった教職員が都教委による研修を受けさせられたとのニュース。研修を受けたのはこの問題で処分された教職員238人で、教員の服務義務などについて講義を受け、報告書を提出するということです。
 
これに対し、教職員らは「反省を強要するのは人権侵害だ」などと反発。 都の教育委員会は研修を受けた後も指導に従わなかった教職員には「再研修」を命じるとしています。
 
この問題をめぐって東京地裁は先月、教職員が研修をやめさせるよう求めた仮処分申請を却下しましたが、「繰り返し同じ研修を繰り返し内心の自由に踏み込めば憲法違反の可能性がある」と指摘しています。

(コメント)

国家斉唱にこだわる教職員が立派な方々だとは思いません。もう少し柔らかい頭を持ってもいいのではないかという気がします。

しかし、これをことさら問題視し、処分を行うとともに、「研修」を強制する都教委の全体主義的思考に驚きを感じます。

それ以上に、知事の意向に従わなければならないとの強迫観念により、教育委員会の独立性を犠牲にして省みない教育委員の主体性のなさ(教育理念もないんだろう)にあきれます。

上意下達ではなく、徹底的に議論すればいいと思います。堂々と議論する度胸がないのでしょう。教育委員にも、都知事にも。

[2004/08/03]  投票率

今回の参議院議員選挙は、当初記録的に低い投票率が予想されていました。結果として、なんとか前回並みの56.6%になりました。

この数字もほめられたものではありません。4割以上の有権者が国政についての意思を表示していないのです。

投票を義務化すべしとの意見も聞こえてきます。しかし、棄権する自由も保障されるべきでしょう。

私は、小学生になったら選挙の際に投票所に行くことを学校教育の一環として義務づけるべきだと思います。中学・高校も同様とします。単位の一部とするようにします。

主権者として国や地域の将来がどうあるべきかを決定する投票行動を見学してもらいます。

子供達には、学年に応じた内容の簡単なアンケートに答えてもらうようにすれば、主体的に参加することができます。

選挙権は18才で取得するようにすべきです。主権者としての意識を幼少の頃から持ち、一応の判断力ができる18才から投票することができるようにします。

今のままだと、自分が主権者だと思えないで一生を過ごす人があまりにも多すぎます。寂しい限りです。

[2004/08/02]  政権交代の意思

我が国では、国民の意思で政権交代が起こったことは、少なくとも55年体制成立以降はありませんでした。

いや、1993年に政権交代があったではないかと言われるでしょう。しかし、これは宮沢政権に対する内閣不信任案可決に伴う総選挙に際し、自民党が分裂して過半数割れを起こし、8党会派が虚脱状態の自民党の隙を突いて連立したものでした。中選挙区制度の下で明確な政権選択が行われた結果ではありませんでした。

昨年の総選挙は、正に政権選択が正面から問われました。新進党が存在したときにもそういう状況が存在しました。どちらの場合にも、国民は政権交代をためらいました。

国民が政権交代を決断する。これが我が国の民主主義が成熟する一里塚だと思います。

自民党の弊害を我慢するのか。野党の未熟さを我慢するのか。有り体に言えばそういうところです。完全な野党ができれば政権交代ができるが、そうでなければ現状で仕方がないと判断する傾向がこの国では強いと思います。

自民党政権の賞味期限が切れ、その弊害のみが目立つようになってきました。官僚機構の退廃ぶりも顕著です。年金制度改革をリードした厚労省の条文ミスがこれまでにないほどのものだったことにも表れているように、この国を支えてきたシステムが制度疲労を起こしています。

我が国の将来をどう考えるのか。主権者たる国民の明確な意思が問われる状況になってきています。

次回の総選挙。是非とも国民の皆さんに政権交代を決断していただきたいと思います。その前提条件を整えていくのが政権を目指す野党の役割です。

[2004/08/01]  橋本龍太郎氏失脚

日歯連の闇献金疑惑で橋本・元総理が失脚しました。橋本氏は平成研(橋本派)の総会で、平成研の会長を辞め、派閥を離脱するとともに、次期衆議院議員選挙での小選挙区出馬を辞退すると述べました。比例区出馬には含みを持たせましたが、事実上彼の政治生命は絶たれました。

政党助成金が出来て以降も、企業団体の「政治献金」はなくなりません。1億円もの小切手について記憶がないとする主張自体に説得力もないし、一般庶民の金銭感覚とは程遠いものを感じます。

政治と金の話は難しい問題を含んでいることも事実です。政治活動にはお金が掛かります。お金は多いほど戦力がアップします。熾烈な権力闘争を行う者にとっては、お金はこれで充分だという限界がありません。

しかし、お金の力で政治的決定の過程が歪められることがあってはなりません。一定額以上(例えば、年間100万円以上)の政治献金は、「賄賂」と推定する旨の規定を置くべきではないでしょうか。この推定を覆すためには、献金受領者において政治献金提供者に利害が生ずる分野についての審議・決定の権限が、内閣、国会の委員会、政党の部会・研究会において全くないことが必要であるとして、政治的決定の過程を歪める可能性を排除すべきです。

ところで、今回の橋本派に対する疑惑は、自民党内の権力闘争の産物であろうと推測されます。出馬辞退には、「司法取引」の臭いも感じます。

翻って想起するに、橋本政権の「改革」の方が小泉政権の「改革」よりも本気度が高かったように思います。総理大臣としては、橋本氏の方が遙かに立派でした。

「改革」の是非はさておき。

[2004/07/31]  檄を飛ばす

30日の新聞で、語句の意味について誤解が広がっているということが取り上げられていました。

姑息=一時しのぎ  ×卑怯という意味ではない。

憮然=失望してぼんやりする様子  ×腹を立てている様子ではない。

等々。

(げき)を飛ばす=自分の主張や考えを広く人々に知らせて同意を求めること

誤解していました。刺激的な語調で勢いを付けるというくらいに思ってました。

日本語は奥が深い。もう少し勉強する必要がありそうです。

[2004/07/30]  引責昇格

引責辞任という言葉は知っていましたが、「引責昇格」という新語が新聞の見出しに踊るようになりました。

参院自民党の青木幹事長は、自民51議席が勝敗ラインであることを繰り返し強調していたにもかかわらず、選挙が終わると、それまで述べていた言葉が忘却の彼方に行ってしまいました。

青木氏は参院議員会長に「昇格」。敗北を認めず、責任の所在も不明確。これに対する異論もほとんど出てこない状況。

自民党内部の問題ですから、取り上げる必要はない話です。しかし、自民党の衰退を象徴する出来事として興味を持ちます。

人生いろいろ。責任の取り方もいろいろ。「大臣病」はワンパターン。

[2004/07/29]  交付税総額が4年連続減少

(ニュース)

27日の閣議で、2004年度の地方交付税の自治体への配分額をまとめた普通交付税大綱が報告されました。総額は前年度比6・5%減の15兆8729億円で、4年連続の減少となりました。

交付税の不足分を穴埋めする臨時財政対策債(赤字地方債)の発行枠が、28・7%減の4兆1906億円と大幅に削減されています。赤字地方債を加えた実質の交付税総額は12・0%減の21兆766億円で、過去最大の落ち込み幅。

自治体全体の予算の大枠を決める地方財政計画で、インフラ整備などの投資的経費を8・4%削減したことが総額減少の主な理由です。

(コメント)

国がやっていけないのだから、地方も切りつめろということなのでしょうか。地方交付税が減少し続けています。

確かに、無駄な出費は慎むべきでしょう。しかし、自由が制限された中での交付税削減は、地方切り捨て以外の何物でもありません。

予算総額が削減されたとしても、補助金行政と決別し、地方が全くの自由裁量で自治を行うことができるのならば、それなりにやり方があります。

政府がやっている「地方分権」と「三位一体改革」とは、手足を縛った「自由形」の水泳の勧めに他なりません(溺(おぼ)れるだろう!)。

中央集権と官僚支配を止めようとしないのですから、国家財政の破たんを地方の犠牲によって切り抜けようとするものにすぎません。

市町村合併もその一環です。

[2004/07/28]  民主党政権と地方政治(続き)

民主党政権下では、地方の「民度」如何がその地方の将来を決定します。

きちんとした代表者を選べなければ、その地方の将来は悲惨なものになります。地方において真剣勝負の民主主義の時代が到来します。

自民党政権下では、地方自治体を放っておくとろくなことをしないから、中央がコントロールする必要があると考えられてきました。(地方自治法とは、地方自治規制法なのです)

自分の頭でものを考えることが禁止されてきたのが地方自治体です。「地方分権」と言っても、地方に仕事をさせてあげようというものにすぎず、決定権は中央が留保してきました。

要するに、護送船団方式の地方自治だったということです。

これが本物の地方分権(地方主権型社会)になります。地方が自分の頭で物事を考えることができるかどうかがポイントです。

「客車」から「機関車」へ変貌できるかどうか。

[2004/07/27]  民主党政権と地方政治

自民党政権下では、国政が上位で地方政治が下位であるということが当然の前提となっている傾向があります。

中央集権と官僚支配を前提とする自民党政治では、中央で重要事項が決まるのですから、大きな仕事をしたいと考える人物は国政を目指すことになります。

しかし、民主党政権下では地方のことは地方で決めることになります。

そうだとすると、地方でも重要事項を決定できますから、地方政治の重要性が飛躍的に高まります。

同時に、地方政治が腐敗した場合に、地方に与える影響は極めて大きいものになります。(続く)

[2004/07/26]  特定失踪者

北朝鮮の拉致被害者ではないかと疑われる「特定失踪者」が400人とも言われています。

先日、愛媛新聞の投稿欄に伊予市の特定失踪者のお母さんの文章が掲載されていました。

曽我さん一家の帰国で、政府は日朝国交正常化に向かって進んで行き、拉致された安否不明者や特定失踪者の問題が棚上げされてしまう恐れがでてきました。

安否不明者については、北朝鮮が拉致を認めている以上、政府が繰り返し安否情報の提供を求めれば、何らかの進展も期待できます。

しかし、特定失踪者については、北朝鮮が拉致を認めていないのですから、日本側が特に強く主張しなければ進展しないと思われます。

5月22日の訪朝時に小泉首相は特定失踪者の問題に言及しませんでした。このことにお母さんは落胆されています。

政治的思惑で幕引きを図るのではなく、安否不明者・特定失踪者についての日本側調査団受け入れを北朝鮮に強く求めるべきだと思います。

主権侵害であり、人権侵害であり、しかも誘拐という犯罪であるということを決して忘れてはならないと思います。

日本が過去に朝鮮半島から朝鮮の方々を強制的に連行したことと「相殺」されるかのような言説があります。

しかし、北朝鮮の犯罪は現在も継続中であり、「時効」にかかっていないのだということを見過ごしてはなりません。

[2004/07/25]  34427

警察庁発表の昨年の自殺者数が34427人。過去最悪。昨年より2284人増。

借金などの「経済・生活問題」が動機とみられる自殺が過去最悪の8897人を記録しています。

景気回復が叫ばれていますが、少なくとも昨年については、経済的な苦痛の厳しさが表れています。

6月18日の「一言」で、自殺者数約32000人と記述しているので、どうしたことかと思いましたが、統計の取り方の違いによるもののようです。

警察は変死者を認知すると、犯罪がないか捜査しなければならず、検視や死体検分を実施し、死因や動機を調べた結果、自殺と認定します。

厚生労働省の人口動態統計は死亡届で統計を取っています。警察庁のまとめには死亡届を出した後に自殺と判明したケースや、日本国内で自殺した外国人も含まれるため、双方の自殺者数に差が出てくるのだそうです。

[2004/07/24]  菅氏の遍路道

(徳島県相生町議会議員・清水幸助さんのHPを御紹介します。「気まぐれ日記」7月20日より)

・・・夕方、参議院選挙の反省会が仁木博文候補(民主党・衆議院徳島3区予定候補、《玉井注》)主宰で開かれ、阿南市まで参加してきました。勿論家業の関係でアルコールを飲みませんでしたが、皆さんそれなりに熱く政治を語っていろいろと勉強になることばかりです。
 

仁木さんと友人が四国遍路中の菅さんに随行しようと訪問したらしいのですが、個人的なことであり、少し迷惑がっておられたとのことですが、最終的に今日一日随行したとのことでした。
 

話によりますと、今日で5日目なのですが、現在勝浦郡20番札所鶴林寺までとの事で随分と遅い遍路旅のようです。というのもたった一人の遍路旅なのですが、道中いろんなところに菅さんを待つ集団が待機し、サインと記念撮影を願うとのことだそうです。

四国では巡礼者に接待として温かく迎える風習があり、御茶・ジュース・菓子等で接待巡礼者を接待してくれるのです。さすがに菅さんは一人一人に優しく接せられているようで、傍からの目には、菅さんから後光が差しているような輝きであったとのことで、50人〜60人単位でサインを書き続くとなれば、巡礼に遅れが生じるのも仕方ないことなのでしょう。
 

そしておどろくことに、周囲の目が温かさで菅さんを励ましている方たちばかりだということです。四国88ヶ所巡りにご利益があるとすれば、すでに菅さんに授かった大切な激励と暖かいまなざしだったのかもしれません。
 

また、今日の巡礼に毎日ジャーナル(?)の記者さんが張り付いたとのことでした。そしてこの分では、明日が鶴林寺と21番札所・太龍寺、そしてその次の日が22番札所・平等寺と23番札所薬王寺になるのかもしれません。
 

毎日、5時旅立の過激なスケジュール、しかし元気な早足だとのことです。友人は今日一日で足の親指に大きな水ぶくれを創って、へんてこな歩き方になっています。さすが日本を動かす人にはそれなりの体力がついているということなのでしょうか・・・。

そんな菅さんの心中を察すると、僕自身是非時間を作って会いたいと思っていた気持を捨てなければならなくなりました。
 

頭髪を剃ってまでの巡礼は、想像を絶する胸中だと思うのは僕だけでしょうか・・・。やれるものならやってみな・・・・各議員さん!。

(コメント)

清水さん、「気まぐれ日記」拝借します。

菅さんが遍路になって歩くと、どうしても目立つし、関心の的になってしまうようです。

それにしても、88カ所の宣伝としては大変ありがたい話です。

一定期間日常を離れて自分自身を見直すことは、人生100年時代において是非とも人生の一部に組み込んでみたいものです。

「無」になりきることは難しいでしょうが、世の中や人生を別の角度から見直してみることは有意義だと思います。

「歩く」というだけでも何らかの効果がありそうですけれども、多くの方に「四国」を歩いてみていただきたいものです。

[2004/07/23]  岡田代表の発言

(ニュース)

民主党の岡田代表は、日本外国特派員協会で記者会見し、「基本的に自民党の時代は終わった。次の総選挙と3年後の参院選に勝って確実に政権交代するのが我々の責任だ」と述べ、参院選勝利を受けて政権獲得への決意を改めて表明しました。

岡田氏は、自民党の現状について、「予算、補助金をてこに利害関係者や業界の支持を得る手法透明性の低い政治資金に基づく党運営広く人材を登用しない世襲といったやり方が、小泉首相になっても変わらなかった」と指摘。27日からの自らの訪米についても、「二大政党の時代が来たという中での訪問。ますます信頼を得るように努力したい」と述べました。

公明党との連立について、岡田氏は「衆院は240議席取ればいい。今は180弱あるので、あと60取ればいい。公明党は関係ない」と述べ、民主党単独で過半数の議席を獲得して政権交代をめざす考えを強調しています。

(コメント)

自民党の現状についての分析は、正にその通り。小泉政権は、自民党の体質を変える努力をすることなく、「改革勢力対抵抗勢力」の芝居を盛り上げることにより国民受けを狙ったパフォーマンス政治であり、自民党の延命自体が政権の目的だったことが明らかになって来ています。

自民党が公明党に頼ることにより、党としてのアイデンティティを失ってでも政権の延命をしようとするところまで堕ちてしまったことを冷静に見る必要があります。岡田代表の発言は、公明党との連立の弊害を認識してのものだと思います。

公明党がこれから自民党との距離を取り始めることも想定されますが、自民党の度を越した公明党依存は、もって他山の石とすべきものです。

[2004/07/22]  大幅改造

(ニュース)

自民党の安倍晋三幹事長は、9月の内閣改造と党役員人事について「それぞれフレッシュな人材が活躍する場が与えられなければならない。大幅な改造をして多くの人たちにチャンスを与えてもらいたい」と述べ、大幅改造で挙党態勢を確立すると同時に、若手を積極的に起用すべきだとの考えを表明しました。
 

安倍氏は「わが党には有為な人材がたくさんいる」と強調。小泉首相は参院選後の記者会見で、9月の大幅改造を示唆しています。

(コメント)

小泉首相の責任論が自民党内で出てこないのは、「人事」が原因だといわれています。

それにしても、ニンジンをぶら下げると食い付いてくる、分かりやすい政治家がそろっているのが自民党です。

「人事圧力」が自民党内で沸点に達しています。「大臣」の肩書きは極めて有利です。そして、大臣というだけで立派な人物だと思ってしまう浅い見方が支配しているのが現実です。

大臣が担うべき「責任」に目が向かないのも、自民党の特色です。

小泉氏が掲げた「一内閣一閣僚」のスローガンもやはり、思い付きだったことが明白になりました。

[2004/07/21]  静かな革命

7月9日の「一言」で、静かな革命が進行中であると述べました。私は、選挙の最終段階で地滑りが起きる可能性があると思っていました。

それは外れました。意外に自民党が巻き返しました。それなりに反撃策が功を奏したというべきです。

ただし、中長期的に見ると、これが自民党の命取りになるでしょう。

まず、公明党への過度の依存が自民党組織を衰退させることになります。

加えて、自民党の支持者の気持ちが離れています。離れつつある支持者を、最終段階で強引にまとめて票にしました。これで縁切りだというお別れ票が出たということです。

小泉政権は、「自民党をぶっ壊す」という名台詞に多くの保守層が希望をつないだことがその推進力となっていました。これが完全に裏切られ、自民党の延命装置としての小泉政権の本質が明らかになってきました。

不満のマグマが溜まっており、何時爆発してもおかしくない状態にあります。しかし、この国の人達は、かつてデモが活発だった時代とは違い、過激な表現をしなくなりつつあります。

多くの方々が、自民党から気持ちが離れ、静かに政権交代への気持ちを固めつつあります。敏感な自民党議員は既に気が付いているでしょう。この流れを食い止めることは困難です。

民主党が間違わない限り、次回の衆議院議員選挙では民主党が勝ちます。

私の任務は、政権交代時に愛媛が後れを取らないことです。愛媛の4選挙区全てで勝つ。そして、愛媛が政権交代の最高殊勲選手となる。このプロジェクトを推進します。

あるとき、自民党支持者は気付くでしょう。自民党支持といっても、所詮は家業でやっている○○家の事業にお付き合いすることにすぎないのではないかと。政権交代とは、彼等○○家の一大事にすぎないのだといういうことを。

[2004/07/20]  社民党との関係

(ニュース)

民主党は、参院選の結果を踏まえ、次期衆院選で自民党に競り勝つには野党内の候補者調整が不可欠と判断し、社民党に対して当選可能性が薄い小選挙区での独自候補擁立を見送るよう強く要請する方針です。

岡田克也代表は年内に300小選挙区の候補者調整を済ますとしており「政権交代という共通の大目標の実現に協力してほしい」(幹部)と理解を求める考えです。
 

しかし、社民党は参院選を「党再建の足掛かりができた」と総括し、二大政党に対抗する「第三極」路線を確認。衆院選でも比例代表の得票を伸ばすため、できるだけ多くの小選挙区候補を立てたい意向とみられ、民主党の要請への反発は確実で、両党の折衝は難航が予想されます。

(コメント)

民主党が衆院選での社民党の候補擁立自粛を一方的に求めるというニュアンスだとすれば、これは他党に対して非礼であると思います。

社民党(社会党)がこれまで国政で果たしてきた役割を充分評価した上で、慎重に協力関係を築いていく必要があります。

「護憲」ということについて、意見の摺り合わせをキチンと行うべきですが、この点で社民党は一徹です。

二晩でも三晩でも夜を徹して話し合うくらいの根気がなければなりません。

私は社民党に、「静的護憲」から「動的護憲」へと視野を広げていただきたいと思っています。

憲法とは、民主的な憲法であっても、過去の民意を表現するものにすぎません。現在の民意を大切にし、国家をより厳格に規律することができる法規範にしていく努力をすることこそが、護憲の名に値するものではないでしょうか。

憲法改正=反憲法的態度ということではなく、憲法をより実効あらしめる為の改正という視点を共有することが大切だと思います。

[2004/ 07/19]  自民党の矛盾

今回の参議院議員選挙で、自民党の旧来の支持者が自民党離れしてきたことが明確になっています。

御利益政党である自民党が御利益を与えられなくなったことが影響しています。ことに、小泉政権による地方切り捨ての影響が深刻です。

中国特需とリストラによる景気回復の影響が地方に波及していないことから、地方での自民党支持は形骸化しています。

地方に公共事業をばらまくことで支持を得ようとすると、これに対する批判も厳しくなります。

地方経済を活性化させるには、引き続き公共事業が必要です。しかし、これを巨大プロジェクトにつながる補助金行政で行うことは、大きな無駄を生むだけではなく、大手ゼネコン(大都市)にお金が回収され、地方にお金が回らなくなります。

補助金を地方の財源とし、地方に決定権を与えて、地域を便利にする小さな公共事業により、地域にお金が回る仕組みをつくる必要があります。

中央集権・官僚支配を前提とする自民党が、自己否定することが出来ない限り、地方での支持を失い、ひいては政権を失うことになります。

[2004/07/18]  衆議院小選挙区

民主党は次期衆院選での政権交代に向け、9月末までに300小選挙区のうち250以上の選挙区で候補者を立てる方針を決め、新たな公認内定者の上積み作業に入ったとの報道がありました。
 
既に決まっている候補(予定者)は、現職議員176人と昨年の衆院選での落選者46人の222人。私も落選組予定候補の1人。

(コメント)

250以上とありますが、是非とも他党との共闘ができているところ以外の全ての選挙区で内定者を決めていただきたいと思います。

これまで、少なくとも愛媛では、野党の候補は選挙直前にボウフラのようにわいて、選挙とともに消えていくような印象でした。

立候補予定者が常時活動を続けていくということは、これまで自民党が強大であった愛媛のような地域では新たな時代の始まりを意味します。

自民党しかないという意識がある地域では、日常的な政治活動は自民党の独壇場です。

それが、政権交代を目指す政党が立候補予定者を決めて日常活動を行うことにより、従来にはなかった緊張感が出て来ます。

参議院議員選挙で愛媛選挙区の斉藤候補が善戦してくれたお陰で、様々な方から声をかけてもらうようになりました。

これまでにはなかった戦略で、面白い日常活動を展開する予定です。

[2004/07/17]  民主党は「反射政党」か?

中曽根康弘元首相は、テレビ番組の収録で、民主党の獲得議席が自民党を上回った参院選結果に触れ、「有権者は民主党が良いから票を取ったのではない。自民党のほかに入れるところがないから反射で取った。民主党は『反射政党』だ」との見方を披露しました。
 

小泉純一郎首相に対しては、「『人生いろいろ』などの軽率な発言が国民の反感を呼んだ。反省しなければ駄目だ」と指摘しています。

(コメント)

評論家・中曽根康弘氏の切り口には傾聴すべきものがあります。

「反射政党」との指摘には、正しい側面があります。批判票の受け皿として機能する政党としての民主党にとりあえず票を入れた有権者も多いと思います。

この方々を「支持者」だとカウントすると、あとで痛い目を見ます。

風が吹いたということを計算に入れる必要があります。

ただし、中曽根氏が指摘しなかった側面もあります。民主党には、政権を取るのではないかとの期待感もあります。

従来の批判票は、自民党に「お灸をすえる」ために共産党に入れるけれども、基本的には自民党支持だという方が大半だったと思います。

しかし、今回の民主党躍進は、自民党に代わる政権政党としての民主党への期待感が加わったものです。

しかも、共産党に投票する場合に比して死に票になりにくい民主党への投票は、有権者から見てコストパフォーマンスが高いということが言えます(憎き自民党候補を落選させやすい)

今回は、それほどの風が吹いたわけではありません。しかし、「大型帆船」となった民主党は、そよ風を大きな推進力に変換することが可能になりました。

小型政党(小型帆船)はそよ風では躍進しないけれども、大型政党(大型帆船)はそよ風で躍進することになります。

そして、昨年の衆院選、今回の参院選で民主党に入れた有権者の多くは、民主党に避難したのではなく、自民党支持をやめたのです。

[2004/07/16]  「自民党は負けなかった」論

参院選で自民党は負けていないという議論もあるようです。改選議席をわずかに下回っただけであり、与党としては半数近くあり、参院全体では安定多数であることが根拠となります。

しかし、改選議席は6年前に自民党が大敗して橋本総理が辞任したときの議席(+α)であり、これを基準とすること自体がおかしい話です。

今回の民意は、小泉政権のあり方への国民の批判が明確に表れています。

自民党の本音は、40議席を切るかもしれなかった逆風をうまく乗り切ったというところにあるのでしょう。小泉総理は、「逆風の中よく頑張った」という言い方をしています。

最終盤での粘り腰はたしかに凄いものがありました。しかし、これは他国に借りをつくり、他党に借りをつくり手に入れたものであって、政党としてのアイデンティティを失い、国益を大きく損なう行為によって得たものです。

見苦しいという一語に尽きるものでした。

[2004/07/15]  公明党的な生き残り

二大政党制への流れが定着したということが、今回の参議院議員選挙の結果に表れています。

共産・社民の敗北。民主党が批判票の受け皿となり、死に票を嫌う有権者が両党から離れているようです。

特に、共産党の敗北は深刻です。改選議席、15議席から4議席へ。これまで、自民党の悪政への批判は共産党に票が集まる形で表明されていました。6年前の参議院議員選挙は正にそういう形で共産党が躍進しました。

それが、民主党に票が流れる形となりました。共産党としては、それを阻止するために、民主党批判を強めました。しかし、却って共産党の主張が有権者にストレートに届きにくくなているように感じます。

有権者の中には、自民・民主・共産の選挙区選挙で、共産党が自民党を野党に追い込む邪魔をしていると感じている方も多いようです。

比例区での生き残りに懸け、選挙区は民主党候補の中で好ましい人物を推薦するというやり方の方が、共産党のイメージアップにつながるように思います。

しかし、これをやられると民主党の方が困るかも。

[2004/07/14]  29都道府県

今回の参院選、民主党が全国で比例第1党となりました。47都道府県のうち、29都道府県で民主党が第1党となっています。 

自民党王国と言われている愛媛の民主党が比例第1党であり、「29都道府県」の仲間入りをしています。これは嬉しい話です。ちなみに、四国で民主党が比例1位なのは愛媛だけです。

こんなことで満足すべきではありません。しかし、愛媛の皆さんの民主党への期待感を感じます。

3年後には、風まかせの選挙ではなく、堂々と自力で自民党を圧倒できるようにしたいと思います。

[2004/07/13]   野党になれない政党

政治家というのは、与党の一員となり、政策を実現する機会を得るのも面白いけれども、野党の一員として権力をチェックするのもやりがいのあるものです。

野党は、政権の準備をし勉強することができます。政権党の誤りを正すことにより、権力の怖さ、魔力を自覚して、政権を取った場合の自らのあり方を模索することができます。

ところが自民党は、野党になってリフレッシュすることができません。野党になって2年経つと解体するでしょう。少なくとも、多くの人がそう思っています。

負けるべきときはスッキリ負けて野に下ることができない政党は不幸です。政権党でなければやっていけない自民党という政党は、本物の政党ではありません。

[2004/07/12]  恥も外聞もなし

愛媛は敗北。民主・斉藤候補、273,784票。自民・山本候補、322,152票。その差、48,368票。惜敗率、85%。

しかし、@松山市で勝つA25万票の目標は達成しました。しかも、比例では愛媛県で第1位となりました。

「市部」で斉藤・208,948票、山本氏・218,628票。「郡部」で斉藤・64,836票、山本氏・103,524票。

私が考えた勝利のパターンでは、郡部は予想の範囲内。しかし、市部で物足りない結果が出ました。

問題は、松山市。ここで3万票の差がなければ勝てないと思っていました(ちょっと欲張りか?)。結果は、88,589票−77,483票で、11,106票の差。

(松山市で、約9,500票の白票。県内で、約31,000票の白票。この意味も考える必要があります。)

ともあれ、愛媛の民主党大健闘。衆議院の愛媛1区、愛媛3区で民主が勝ちました。斉藤候補はよくやった。17日間マイクを握りっぱなしで戦いました。山本氏がソフトムードでなければ、こっちが勝ったかも。

山本氏は、私の中学校の同窓生。批判し続けましたが、与えられた任期、頑張っていただきたいと思います。

自民党は、恥も外聞もなく、政権崩壊を免れようとありとあらゆる手を繰り出してきました。市町村長の弱みにつけ込んだ自民党のやり方が、最後にある程度の票となって表れました。

全国を展望すると、最終段階での公明党の協力により、5〜10議席「救出」することができ、小泉政権崩壊が回避されました。この借りは大きいでしょう。

「入信せんかね」と言われたら、自民党幹部は拒否できるのでしょうか。

[2004/07/11]  愛媛での目標

愛媛の自民党が参議院選挙で本気(自公)で戦うと40万票以上出ます。

しかし、自民党はそういう戦いをしませんでした。候補者としては、借りをつくって当選したのでは政治家として大成しないと考えたのでしょう。創価学会に依頼をしませんでした。(これは正しい考え方だと思います)

そうすると、35万票前後という選挙になります。しかも、ゆったりとした横綱相撲を取りました。

私が目安となる基本的な数字として見たのは、自民35万票、民主20万票でした。

サラリーマンが昨年夏の賞与から社会保険料を余分に引かれるようになったこと(そして夏の賞与直後の選挙)、消費税の益税がかなり解消されることから自営業者が白けてくること、消費税の内税方式で流通業界で面白くない気持ちが渦巻いていること、健康保険の医療費自己負担が増したこと(少し過去のことですが、じわじわ不満がでてきます)、自殺者数が6年連続3万人以上の高水準であること、リストラされた方々を含め格差が拡大しつつあること、建設業界などで自民党の現世御利益がなくなってきたこと、等々・・・

これらの諸点から、地下のマグマがかなり溜まっているので、小泉政権が「賞味期限切れ」になる局面がでてくれば、全国レベルで自民党の敗北となりうると考えました。

これを前提として、@松山市で勝つこと、A25万票以上をとること、そしてBあわよくば勝つこと、を目標として(私は)戦って来ました。(勿論、ラクダが針の穴を通るような話ですが)

小泉氏の性格、安倍幹事長の性格を考えると、苦しくなると馬鹿な手を打ってくることが予見できました。

正直、曽我ひとみさんの家族再会・政治ショーの影響は読み切れません。ただ、20万円のスイートルームを見せられた庶民が、本音として喜んで涙を流すだけなのかどうか・・・(曽我さんの家族再会は良かったですかというアンケートを取れば、大半の方は良かったと答えるでしょう)

結果がどうなるか楽しみです。愛媛での投票率55%(66万票)というのが、1つのポイントとなります。(7月10日午後10時40分記)

[2004/07/10]  北朝鮮と創価学会

小泉政権の支持母体は、いまや北朝鮮と創価学会?

曽我ひとみさんの家族再会を政治ショーとして選挙に利用。これには北朝鮮の協力が不可欠です。創価学会には頭を下げて協力依頼。

これすべて、取引材料が必要な話です。なりふり構わない自民党ですが、本来の支持者が離れているとの報道もあります。

小泉政権は、自公連立プラス北朝鮮の閣外協力政権ということになるのでしょうか。

[2004/07/09]  嫌いになった男からの指輪

選挙間際に様々な手。しかし、これが形勢逆転の妙手となるかどうかといえば、疑問です。

もう飽きた。人物が軽すぎる・・

賞味期限切れの総理が何を言っても、何を演じても、だからどうなのという感じがし始めた。

という状態に限りなく近づいています。

ギリギリの状態に入ってきました。若干自民巻き返しで終わるか、底が割れて自民党が惨敗するか、国民の心理も流動化しています。

私には、静かな革命が進行中だという感じがします。

[2004/07/08]  愛国心は?

国が愛国心を子供に植え付けようとしている正にその時、内閣総理大臣が国の利益より自分の政権益(党益)のみを追求し、国益を放棄する行動をとっています。

本来、人道問題であるはずの曽我ひとみさん一家の再会を選挙目的に使い、その為に北朝鮮に何らかの譲歩をしているとしたら、国を売る行為と言われてもしかたがありません。

金正日政権としては、小泉政権に存続してもらわないと困るから、参議院議員選挙の前にジェンキンスさん親子の出国を認めたのだとする解説もあります。

しかし、外交テクニック抜群の北朝鮮が対価なしで応ずると考える方が不自然です。

愛国心を強調する者に限って、自分自身はその対象から除外します。一般庶民が国を愛すべきであるということです。法律や道徳(愛国心を含む)は一般庶民統治のためにあるのであって、権力にある者が拘束されるものではない。

こういう発想に立つ者が、異常に愛国心を強調してきました。

強制されることなく自然に湧き上がってくる心情としての愛国心を醸成することは必要です。それは、権力者が自らを律し、国を愛する行動を取り続けることから出発すべきです。

親(権力者)の背中を見せることから学んでもらうことが肝要だと思います。

[2004/07/07]  「参院選前」の経費

曽我ひとみさんの家族がジャカルタで再会するために、小泉政権はかなり無理をしたと思われます。

その為に支払う経費が如何ほどのものか、気になります。政府関係者や曽我さんたち家族に必要な経費だけでなく、時期を早めるために無理をしたことから発生する費用があるだろうと推測されます。

裏取引(?)に必要な「経費」はなかったのでしょうか。北朝鮮に外交上の「借り」ができたのではないでしょうか。

国益を損なうような日程設定があったのだとすると問題です。小泉政権の軽薄な政治、思い付きの政治を象徴する今回の「政治ショー」。

見識ある総理大臣なら、仮に北朝鮮から「参院選前」の提案があったとしても、それほどの違いがない「参院選後」を選択したでしょう。

[2004/07/06]  切り札?

曽我ひとみさんと家族が9日、ジャカルタで再会するということです。

参議院議員選挙2日前に政治ショーを行うことで、劣勢を伝えられる自民党にとっての切り札とする意図がありありと見えます。

テレビ露出時間に比例して支持率があがるという図式が通用するのでしょうか。「サプライズ」の効果が短縮しつつある中で、2日間なら効果が持続すると考えているのでしょう。

これほど露骨なテレビの政治利用は記憶にありません。

小泉氏が、拉致問題を政治的に利用できるカードとしてしか認識していないことが分かります。

「人生色々」発言などで、誠実さを欠いた小泉政治の本質に有権者が気付きつつある状況下で、「丁」と出るか「半」と出るか。

小手先の技が決まるような政治情勢ではなくなっていると思います。

[2004/07/05]  粗悪品

田中真紀子氏が4日、横浜市で参院選の民主党候補2人の応援に立ち、駅前を埋めた買い物客らに「ストップ・ザ・小泉」を訴えたというニュース。

3年前の春、自民党総裁選で小泉首相の応援演説をした同じ場所で田中氏は、「3年前、私は一生懸命、小泉純一郎候補のために演説した。3年たったら、とんでもない粗悪品で欠陥商品。謝罪し、回収させて頂きます。スクラップにしないと日本はとんでもない方に行ってしまう」などと強調し、自衛隊の多国籍軍参加や年金改革問題で首相の対応を厳しく批判しました。

(コメント)

3年前の小泉氏支持の熱狂は、対抗しようとしてもどうにもならないものがありました。

それが今、小泉氏が自民党の足を引っ張っているようなところがあります。

多くの国民が、小泉氏がものごとを深く考える人物ではないことに気付きました。ただの人を見る目で小泉氏を見始めるようになったことが、今回の参議院議員選挙で自民が苦戦している1つの理由でしょう。

[2004/07/04]  自民党不利と言うが・・

週刊新潮の記事によると、自民党惨敗という予想が自民党に流れ、戦慄(せんりつ)が走っているということです。

自民・41議席の可能性もある・・

どうもこれ、内部引き締めという意味をもったリークという気もします。

自民有利という予想が1週間前に報じられ、無党派層が野党の助っ人になるという展開を何度か経験した自民党の高等戦術なのか・・

ただ、そう考えると問題になることがあります。民主党の場合、嫌われ度が小さいということです。これに対し、自民党は嫌われ度が相対的に大きく、負けそうならもっと負かせてやれという行動に出る無党派もいるだろうということです。

自民党は、その意図は兎も角、惨敗の予想をテコに自陣の引き締めにかかるでしょう。

「軍師」が自民党にいるのかどうか。ここが問題です。

客観的な情勢判断としては、民主に風が吹きつつあるものの、なお、がっぷり四つの形勢というところでしょうか。

[2004/07/03]  植草一秀氏の場合

経済評論家で早稲田大学大学院の教授だった植草一秀氏が、女子高生のスカートの中を見ようとしたとして逮捕され、大きなニュースになりました。そして、起訴。

植草氏は否認していますが、検察は彼の性癖を暴露して裁判を有利に展開する作戦です。

このニュース、最初から不思議に思っていました。植草氏は、小泉政権批判を鋭く展開していました。その批判はかなり説得力がありました。現政権からすると邪魔者です。

しかも、逮捕された経緯が不自然です。かなり長時間の尾行だったようです。

政権批判をする主要人物に尾行を付け、軽微な犯罪でも見つけて断罪する。こんなこともありうる話です。

思うに、植草氏の過去の犯罪歴を調べ上げ、素行を聞き込み、彼がその種の犯罪を行う可能性があり得ると見て尾行をしていたということも考えられます。

逆に、無実ということも考えられます。女子高生の後ろにいた段階で「李下に冠」状態だったわけで、「オイ、何をしている!」と怒鳴られたら、大概の者は驚いて、為すすべがないだろうと思います。

犯罪に対応する刑罰より、社会的制裁の方がはるかに厳しい(社会的死刑=抹殺)ということも考えさせられる問題です。

[2004/07/02]  オセロ的状態

自民党苦戦という情報もあります。

選挙運動をやっている者の実感としては、手応えを感じてきました。

しかし、「曽我ひとみさん」というカードもあります。政治ショーが通用するのかどうか、微妙な状況です。展開が全く読めません。

民主党としては、愚直に押していくだけです。

自民党としては、政権党として「打つ手」があるだけに迷うところでしょう。相撲に例えると、相手の押しをかわそうと「引き技」を使って失敗するということ(政権側の失策)もありうるし、引き技が決まることもありうるというところでしょう。

オセロ的状態です。

[2004/07/01]  霞ヶ関帝国解体

官僚支配からの脱却。このことができるかどうかがこれからの日本の大問題です。失敗すれば、「日本のクレムリン」との心中になります。

官僚支配と中央集権とは表裏一体です。そして、自民党政治はそれを前提として長らく政治支配を行ってきたのであり、彼等が官僚支配・中央集権から脱却するシナリオは、自民党の自己否定になります。

民主党の提案する補助金18兆円を地方の財源化するという政権政策は、霞ヶ関帝国(官僚支配・中央集権)解体に繋がるものです。

地方自治体が霞ヶ関へお百度参りする必要なくなりますし、取り次ぎの政治家(自民党国会議員)も必要なくなります。

これが実現すれば、国会議員の大名選挙はできなくなります。

[2004/06/30]  大名選挙

自民党の選挙のやり方は、弱小市町村の首長をあごで使うようなやり方です。首長を露払いとし、自治体内の有権者に候補者の「正当性」をアピールするやり方です。

中央集権国家である我が国では、弱小市町村は霞ヶ関へのお願いを取り次いでもらうために、国会議員の要求を拒めない立場にあります。

自民党の候補者は、まるで大名が領地領民を見回りに来るような選挙運動を展開します。

自分が公僕である、あるいは公僕になるんだという謙虚な気持ちがあれば、そのようなことはできないはずです。

政権交代があれば、こんな不条理はなくなるでしょう。

[2004/06/29]  ピリピリ保守、報道規制に走る

余裕のない保守主義を「ピリピリ保守」と呼ばせていただいています。安倍晋三・自民党幹事長の下で、最近の内閣支持率大幅低下への「対策」として、報道機関に圧力をかけはじめました。

(ニュース)

自民党は26日、年金改革法に関するテレビ報道について「政治的公平・公正を強く疑われる番組放送があった。選挙期間中であり、多様な意見を番組に反映するなど公平な放送が行われることを強く望む」との文書を各報道機関にファクスで送付しました。
 

文書は、年金法に反対の立場で番組に出演した大学教授(一橋大学の高山憲之教授)について「国会で民主党推薦の参考人などを務めた重要な経歴に一切触れることなく、大学教授の肩書だけを紹介し、高い学識経験を有する専門家が客観的な意見を述べているとの体裁で番組が制作された」と指摘しています。
 

安倍晋三幹事長、青木幹雄参院幹事長ら幹部が党本部で選挙情勢を分析した結果、年金改革法についてのテレビ報道の一部に問題があるとの認識で一致したことから、抗議文を出すことにしました。

(コメント)

衆議院議員選挙の際も、自民党がテレビ朝日の報道にクレームを付けました。

しかし自民党は、通常の報道が政府発の情報をそのまま流していることについては口をつぐんでいます。

そもそも、政府・与党は批判に耐える方針を提示する必要があります。報道機関の報道に問題があると思うのなら、報道機関にクレームを付ける前に反論の機会を求めるべきでしょう。

横綱相撲を取る余裕のない自民党。姑息な報道統制に走る欲求を抑えることができなくなりつつあります。

報道機関がびびる必要はないとの意見もあるでしょう。しかし、与党のクレームは広告に頼る民放にとってはかなりきつい圧力となります。

「逆らったらどうなるか」ということを暗に言っていると受け取るのが普通だと思います。

[2004/06/28]  ハードよりソフト(昨日の続き)

昨日述べたことは、やや荒い議論ですけれども、要は自衛隊云々で我が国の防衛力が高まったりすることはないということです。

鉄砲を撃つ能力のない者が、高価なライフル銃を買ったからといって自分自身の安全性が高まるということはありません。

防衛力とは、周囲の状況との相関関係で決まるものです。我が国が、他国から尊敬を集める極めて評判の良い国であり、我が国に危機的状況があれば自国を守る位の意識で防衛に協力してくれる国が多数あれば、極めて安全性の高い国だということになります。

しかし、日中戦争から太平洋戦争にかけての我が国のように、友達が独・伊の遠く離れた両国だけであり、多くの国から疎まれる存在の場合は、戦艦大和があっても零戦があっても、多くの優秀な空母があっても、国の安全性は高くありませんでした。

そのことを考えると、国の安全性を高めるには、我が国を真に理解してくれる友達を増やすこと、日本の文化を理解してもらうこと、広報宣伝能力を高めること、日本を批判する論説に対してはキチンと抗議して誤解が広がることを防ぐこと、等の戦略がしっかりしていなければなりません。

日米安全保障条約に偏重する国家戦略は、ともすると思考停止を生みます。ゼロから出発して自国の安全を保つための戦略を追求する必要があります(日米安保を否定するものではありません)

そして、ソフト(外交戦略)が充実した後に、ハード(自衛のための装備と組織)を考えるべきであると思います。

また、戦争とは何かを徹底的に考え、その悲惨さを十二分に理解した上で、どうすれば戦争をしないで済むかを徹底的に追求し、やむにやまれざる状況下で最小限度の実力行使で最大の効果を挙げうる戦略を持つべきです。

[2004/06/27]  自衛隊より外交

自衛隊のイラク派兵の是非、多国籍軍への参加の是非について考えるに際して、憲法論は欠かせない論点です。

では、憲法論がクリアされれれば、自衛隊を派兵し、多国籍軍への参加を認めて良いのかと問われると、私は否定的な考えを持っています。

日本の外交能力が著しく低いからです。外務省に戦略的思考能力ががなく、武装集団である自衛隊を海外に派兵するために必要な外交能力が欠けています。

飛躍しますが、戦争をするということはどういうことなのでしょうか。政治的な緊張関係にある「敵国」に対して通常の外交努力では解決しがたい場合に、武力でそれを解決するのが戦争です。

その際、相手の首都まで占領して完璧にやっつけること(無条件降伏を強いる)が「勝利」だとすると、それにはかなりの軍事的消耗を伴うことになります。

通常は、敵国との間を取り持ってくれる第3国に和解のための作業をお願いし、「判定勝ち」に持ち込むことを考えます。それを考えない戦争は、子供の喧嘩です。

そう考えていくと、戦争をするということは、信頼できる第3国を確保し、国際世論を自国に有利に展開させ、武力の消耗を上回る政治的利益を得る着地点を見定める作業を行いつつ目的合理的な武力行使を行っていく総合的な作業を意味します。

そうだとすれば、武力行使における費用対効果を最大化する外交能力を磨いていくことが必要です。国益とは何かを厳格に判断する作業も不可欠です。

現時点での我が国の外交能力では、軍事力行使を効果的に政治的成果に結びつけることが不可能であり、自衛隊派兵をするための政治的能力を大きく欠いていると言わざるを得ません。

外交能力を高めること。それなしの自衛隊論議は無駄だと思います。「日米同盟」のレトリックで思考停止してしまうのではどうにもなりません。もちろん、「護憲」で思考停止することも批判されるべきです。

[2004/06/26]  700兆円突破

(ニュース)

財務省が25日発表した今年3月末現在の国債や借入金の残高状況によると、国の借金は703兆円で、初めて700兆円を突破。1年前に比べて34兆円増でした。

特殊法人が発行する債券などを国が保証し、「隠れ借金」といわれる政府保証債務が58兆円あり、地方の長期債務も約200兆円にのぼります。今回発表になった国の借金と合わせると、計1000兆円近くになる計算です。

国の借金の内訳。普通国債の残高が457兆円。2001年度から発行が始まった財投債は92兆円。今年春まで続けていた巨額為替介入に伴い、円資金を調達するため発行した政府短期証券は、28兆円増の86兆円と過去最高の水準に達しました。

(コメント)

この大きさの数字を突きつけられると、バーチャルの世界での話みたいです。

他国から借りたお金ではないので、国内政治の問題という側面をもちます。しかし、国債暴落、長期金利暴騰という事態が生じるとハイパーインフレということも考えられます。

預金封鎖、新円切り替えなどという奇策も囁(ささや)かれています。

常識的に考えれば、これ以上借金を増やさない方向で緩やかに財政を好転させるしかない状態です。既に生じた負債はカッコにくくる形でしばらく管理し、プライマリーバランス(国債発行などの借金を除いた歳入と過去の借金の元利払いを除いた歳出の差)の黒字化を図ることになります。

緊縮財政によると税収減の危険があり、積極財政は税収増加を上回る負債増加の危険があります。

お金の使い方を改め、費用対効果を厳密に見極める必要があります。地方での需要に対しては、地方に財源と決定権とを与えれば、効率的なお金の使い方ができるようになります(22日の一言参照)。

中央集権・官僚支配による無駄に目を向ける必要があります。

民主党が掲げる18兆円の補助金を地方の財源とするという政策は、日本のクレムリン=官僚機構解体を目指すものです。

[2004/06/25]  「日米同盟」

「日米同盟」という言葉が、自衛隊の派遣問題などにおいて理由付けのキーワードとして使われることに納得できないでいます。

「日米同盟」の定義は何かと調べてみても、よく分かりません。日米安全保障条約のことだと考えればいいのでしょうか。

日米安全保障条約の政治的表現(軍事的表現?)だと考えれば、使われている文脈には合うような気がします。

しかし、この国の防衛を語り、憲法問題を論ずるのに、輪郭のハッキリしない政治的表現を用いることは妥当ではないと思います。

日米安全保障条約○○条によると、という議論なら分かります。百歩譲って、日米安全保障条約の精神とでも言ってもらえば、渋々認めます。

しかし、日米同盟と言われてしまうと、有無を言わさない国家間の同盟関係という響きがあり、必然的に一定の結論が用意されているようで不快です。

[2004/06/24]  公示

参議院議員選挙始まる。17日間の戦い。

3年前の参議院議員選挙は、小泉旋風が吹き荒れ、どうしようもない状態でした。しかし、今回は有権者に不満のマグマが溜まっているように見えます。政治的無関心という重しが取れれば、大噴火する可能性があります。

参議院議員選挙は一般に静かです。候補者の総数が衆議院議員選挙に比べて少なく、政党の縛りもそれほどきつくないためだろうと思います。

逆に言えば、有権者の自由度が高い選挙であり、有権者の多くが是非投票に行かなければならないと思うような展開になれば、大きな変化が期待できます。

改選議席121議席のうち、100議席余りを民主と自民が取り合う選挙。

私にとっても、愛媛県選挙区・斉藤政光候補をかついでの戦いが始まります。

愛媛で民主が勝てば、自民は30議席台の大敗となります。ありえないことではないと思っています。

[2004/06/23]  欺罔行為

(ニュース)

政府は22日、2003年の合計特殊出生率が過去最低の1・29になるとの中間報告を5月24日にまとめた後、2週間以上公表しなかったことを明らかにしました。

人口動態統計を取りまとめる厚生労働省人口動態・保健統計課長から、統計情報部長に中間報告をしたのは5月24日ということです。その後は、「公表に向けて必要な検証や説明のための資料の作成をさらに行った」としています。

6月9日夕には年金局長ら厚労省内の関係部署に説明されましたが、坂口厚生労働相や厚生労働次官らに報告されたのは、出生率が新聞報道された6月10日になってからでした。厚労省は新聞報道を受けて、6月10日に統計結果を発表しています。

6月3日の参院厚生労働委員会では、民主党・山本孝史議員が出生率を早期に公表するよう求めましたが、坂口厚労相は「急ぐように指示している」と述べ、数字は公表しませんでした。

先に成立した年金改革関連法は、合計特殊出生率が2007年に1・306で底を打つとの将来人口推計を前提に、給付や負担などの財政見通しを計算しています。1・29という実績値は、すでに2003年の推計値(1・32)を下回っており、今後の年金財政の見通しに狂いが生じる可能性があります。

(コメント)

厚労相の担当部局が数字を把握しながら、厚労相にも報告せず、国会での質問にもほおかむりで法案を通そうとしたことには、不誠実であるというだけではなく、詐欺的手法と言わざるを得ません。

年金改革関連法は、政府与党幹部の現行制度への無知(未納問題)、法案の趣旨に対する無理解(安倍幹事長の「(未納があっても)払わなければもらえないだけ」発言)、政府答弁の不誠実(質問すると当初の説明より実際の給付率が下がっていくことが次々と判明)、厚労相担当部局の欺罔行為(今回の1.29発表の経緯)と、法案成立の基礎に極めて大きな疑問符が付いています。

国民の皆さん。「でぇーい」とちゃぶ台をひっくり返して下さい。

[2004/06/22]  18兆円の補助金を地方の財源に

民主党は、国の補助金20兆円の内18兆円を地方の財源にし、地域の工夫を引き出すとしています。

地方のことは地方で決める方が無駄遣いをなくせます。補助金を得たいために、補助金の要件を充たすため、不必要に広い道路を造ったり大きすぎる箱物を造ったりしてきました。

地方の財源とすることの本当の意味。霞ヶ関の高級官僚の仕事を取り上げることになります。彼等は開店休業になり、リストラの対象になります。

だからこそ、官僚達は地方の財源強化に反対します。自民党が3兆円の税源移譲と言い出していますが、この程度では地方の自主性は高まりません。

官僚の代弁者である自民党には、民主党のような地方への大幅な税財源移譲は不可能です。

[2004/06/21]  「地方分権」

自民党の言う「地方分権」とは、地方に仕事をやらせることであり、決定権は中央が持つものです。それを前提として、若干地方に自由を与えてもいいよというニュアンスがあります。

民主党の言う「地方分権」とは、地方のことは地方で決定することです。

自民党の言っていることと民主党の言っていることとは、同じ言葉でも異なる意味を持つ場合があるので要注意です。

民主党は、国からの補助金総額20兆円の内、18兆円を地方の財源とすることをマニフェストに書いています。

政府は、3兆円の税源移譲をすると言い出していますが、それでは地方の自主性は確保できません。

民主党の言うように、18兆円を地方に移譲すると、官僚は開店休業となり、リストラの対象になります。中央集権・官僚支配を前提とする自民党にはできない政策です。

[2004/06/20] ele-log(エレログ)について

議員、立候補予定者等が意見を発信する政治家専用のウェブログサービス(エレログ)が6月10日よりスタートしています。

「ブログ」というものを知りませんでしたが、メールでお誘いを受けたので私も試しに何回か投稿してみました。

まだ、今ひとつ投稿者の広がりがないようですが、読者は結構多いようです。面白い企画だと思いますので、これが発展することを願っています。

http://www.election.ne.jp/

[2004/06/19]  南予の拠点

南予とは愛媛県南部。最も保守的なところです。この自民党王国をひっくり返すべく、民主党愛媛県第4区総支部長・浜口金也氏が第4区総支部事務所を18日八幡浜市に開設。

参議院予定候補、斉藤政光氏等とともに祝賀会に出席しました。

愛媛4区は、300小選挙区の中で難しいベスト10に入る選挙区です。

ただし、人間的には素晴らしい人達が多いところです。一度信用してもらったら大切にしていただけそうです。

私(民主党愛媛県第1区総支部長)もときどき訪れようと思います。

さて、なるべく「日記」にしないのが私の「一言」の特徴なので、これから「今日の一言」、本番。

<7月4日・バリ>

曽我ひとみさんの家族が再会するのは、インドネシア・バリ島であり、期日が7月4日であるという報道が飛び交っています。

小泉純一郎氏は、政治を「丁半博打」と位置付けている珍しい人物です。勿論、政治的決断には賭の要素がつきまといます。しかし、それのみに特化する政治家はこれまでいませんでした。

ただ、勝負師として肝が据わっているかどうかについては疑問です。何もしなくても勝てそうな局面でも、もう一手指さないと気が済まないようです。

昨年の10月5日、民主党の合併党大会の日に併せて、日曜日にもかかわらず、わざわざ道路公団総裁更迭を行って、民主党の記事が1面で大きく取り上げられるのを阻止しようとしました。

結果、藤井総裁の思わぬ抵抗に遭い、石原・国土交通大臣が無能であることが明確になっただけでした。

今回の「策」がどうなるか。国民の多くが小泉氏の「性癖」を見抜きはじめた今、「サプライズ」が通用するのかどうか。

「策士策に溺れる」と言いますが。

[2004/06/18]  自殺

昨年の自殺者数が約32000人で、6年連続3万人を超えました。

1997年以前の自殺者数が2万人台の前半で推移してきたことを考えると、1998年以降、毎年1万人弱の方々はそれ以前の社会とは異なる事情で自殺に追い込まれたのであろうということが推測されます。

小泉政権3年。冷たい政治がまかり通っています。自殺が頭によぎるような切羽詰まった状態で生きている方は、政治がどうのこうのと言っている余裕はないでしょう。

内向的な国民性だと思います。やり直しがききにくい社会。閉鎖的な社会。他人の目が気になる社会。個人が孤立する社会。

個人の生き方としては、弱さを認め、自分を責めず、気楽にやっていきたいものです。

政治のあり方が変わることで救われる人も多いと思います。自殺予備軍の方々の悲鳴を聞き取れるやさしい政治を目指したいと思います。

[2004/06/17]  愛媛で戦うということ

民主党で立候補を希望する人は、東京や神奈川、愛知といった民主党の強い都市部を希望するようです。

自民党王国・愛媛で立候補してみようという奇特な人はほとんどいません。

しかし、ものは考えよう。都市部で民主党候補が勝っても、1議席を確保したというだけのものです。

ところが、愛媛で民主党が勝てば、自民を大敗させることができます。愛媛で参議院と衆議院の議席を民主党が取れば、間違いなく政権交代です。

愛媛の有権者は、そういう意味では幸せ者です。自民党で仕方がない・・・  そんな気持ちを振り切って、波乱を演出する投票行動をとろうじゃありませんか! 自民党の候補を支持しても何の変哲もありません。

愛媛で反乱、「一票一揆」が起きれば、この国は変わります。愛媛の民主党候補は、やりがいがあります。

参議院議員選挙は7月11日。民主党愛媛選挙区公認候補は、斉藤政光・35歳。

[2004/06/16]  多国籍軍に参加して、指揮命令に従わず

小泉首相が自衛隊の多国籍軍への参加を表明したことについては、これを正当化することが困難だと思います。

政府は、(1)自衛隊独自の指揮命令系統を維持(2)活動は非戦闘地域に限定(3)活動はイラク復興支援特別措置法の枠内(4)武力行使と一体化しない−との4原則を前提にする見解を表明しています。

しかし、多国籍軍に「参加」するということは、一体的に活動するということであり、独自の行動をするのであれば、それは参加するということにはなりません。

しかも、自衛隊が多国籍軍に「参加」することにより、他の軍隊と同様、テロの標的となる危険が飛躍的に増すことを意味します。

自衛隊が多国籍軍に参加することが合憲かと問われれば、国連決議があり、我が国が指揮命令権を多国籍軍に委ねるのなら、我が国の主権行使に当たらず合憲ということになります。ただし、その場合でも、自衛隊の具体的な行動を規制するためには法律が制定される必要があります。

政府は、新たな立法を行わず、イラク特措法により活動するとしています。自衛隊についての指揮命令権を手放すことなく「参加」するというのです。

このような政府の見解は、国内向けの論理と国外向けの論理とを都合よく使い分けています。詭弁を弄して既成事実を積み重ねていこうとする極めて悪質なやりです。

[2004/06/15] 球団の合併

プロ野球球団、オリックスと近鉄の合併が話題になっています。人材流出に悩むオリックスと多額の赤字が出ている近鉄。

巨人中心主義があまりにも強すぎる我が国のプロ野球では、巨人派、アンチ巨人派ともに巨人を中心に野球観戦を行い、セリーグのペナントレースの覇者が日本シリーズを戦う相手としてのみパリーグが必要とされるといういびつな構造になっています。

野球そのものを楽しめない観客。世間話の題材としてのプロ野球ということになると、テレビ観戦が容易な巨人戦に偏ることになります。

観客が真から楽しめる野球のあり方とはどういうものか。そういう側面からプロ野球を見直したいのものです。

高校生がやっている野球に興奮できるのですから、プロの選球がやる野球が面白くないはずはありません。

楽しみ方と楽しませ方の開発が必要ではないでしょうか。

1リーグという安易な発想では、結局巨人頼みのプロ野球でしかない底の浅いものにしかならないような気がします。

私自身は、「4番」だらけの巨人が馬鹿馬鹿しくなり、野球を見ることがなくなりました。

[2004/06/14]  人事圧力

自民党国会議員は、かつてはどんなに無能であっても当選回数を重ねると大臣になれました。「大臣」の箔が付くと名誉心を満足させられる(勲章の位も上がる)とともに、選挙でも有利になります。

小泉政権においては、「一内閣一閣僚」なる方針を掲げたものの守ることはできませんでした。とはいうものの、普通の内閣より閣僚在任期間が長いため、人事圧力が高くなってきています。

人事圧力とは、人事への期待感が生む組織内圧力とでもいいましょうか、これを無視すると組織への忠誠心に揺らぎが生じることもあります。

小泉首相は、9月に内閣改造を行うことを表明し、人事への期待感により求心力確保を図っています。

参議院議員選挙での論功行賞人事ということを予見して議員が走り回るということが考えられます。

走った「先生」達が、ぶら下がったニンジンを食べることができるかどうかは分かりませんが・・

[2004/06/13]  55年体制と自民・民主対立時代の違い

与党・自民党、野党・社会党を中心とする55年体制(1955年にできあがった政治の仕組み)においては、野党の目標は与党に衆参各議院で3分の2以上議席を占めさせないことにより、改憲を阻止するということでした。

勿論、自民党は冷戦時代における反共の防波堤であり、社会党は社会主義の夢を見ていましたが、社会党の主張はいつしかお題目の域を出なくなっていきました。

右肩上がりの経済の下で現世御利益を提供できた自民党が現実の政治を担当し、野党・社会党は労使交渉さながら国民のための条件闘争をその任務としていました。

社会党には政権を取る覚悟がなく、政策も具体的なものではありませんでした。政権担当能力というものはなかったのです。

冷戦後の現在、自民党対民主党の政治は、55年体制とは本質を異にしています。

民主党は、政権を取って自らの政策を実現したいと思う者達の集まりであり、それ故に政策を命と考えています。夢を持った官僚が民主党に集まるのも不思議なことではありません。

それに対し、自民党は政権党で居続けることがアイデンティティとなっており、政権を離れた自己を想像することができない政党になっています。

自民党の世襲政治家達は、自らの立身出世のために党内外の権力闘争に勝ち抜くことをもって人生の目標としており、政策はその為の方便となっています。官僚機構という便利なシンクタンクは彼等の私物となっています。

「自民党をぶっ壊す」と獅子吼して政権を取った天才的な山師・小泉純一郎氏の政治も、所詮官僚の手の内で踊るだけのものであることが明らかになってきています。

[2004/06/12]  マクロ経済スライド

6月3日、参議院厚生労働委員会での質疑。

【山本孝史氏(民主):総理の口からマクロ経済スライドの説明を。

首相:私はそういう経済の専門家の知識は乏しい。私が答えなければならないのか。

山本:政府案の最大のポイントは保険料の上限固定と所得代替率50%の維持。実現のキーワードがマクロ経済スライド。法案の骨格だ。

首相:私はこの法案の本質は、負担と給付がどうあるべきかだと思っている。なおかつ持続可能な制度にする観点から論議されるべきでないかと思っている。

山本:だから、マクロ経済スライドがそのツール。総理はご存じなく法案を提出したのか。・・・】

(コメント)

マクロ経済スライドとは、今回政府が年金制度を「改革」するにあたり、前提となる概念です。

賦課方式を基本とした社会保険方式を採る年金制度では、社会全体が生み出す所得や賃金の一部を保険料負担として求め、これを年金給付に充てています。

マクロ経済スライドは、このような賦課方式の考え方を踏まえ、年金制度を支える力である社会全体の所得や賃金の変動率に応じて年金改定率(スライド率)が自動的に設定されることにより、給付水準を時間をかけて緩やかに調整する仕組みです。

提案者としては、詳しくなくてもいいですから、大づかみに趣旨を説明できなければいけないのではないでしょうか。

この後、公明党議員の質疑が終わると、与党は慌ただしく質疑打ち切りの動議を出し強行採決。社民党、共産党などの質疑を封じました。

基本的なことが何も分からず提案していることが明白になり、首相が立ち往生することを恐れたのだとも言われています。

[2004/06/11]  1.29

2003年における合計特殊出生率が、1.29というニュース。

合計特殊出生率(出生率)とは、大雑把な定義として、1人の女性が一生涯に産む子供の数を言います。年金制度の設計するに当たり重要な意味があります。

我が国では、1970年代半ばまでは出生率2を維持していましたが、それ以降一貫して低下傾向にあります。

1999年の年金制度改革では、出生率は長期的に見れば1.61に持ち直すという前提で2025年までの公的年金の財政計画を作りました。

その後出生率が予想以上に低下したので、今回の年金制度の「改革」では、出生率を1.39としました。

早くも根拠が崩れかかっています。しかも、国会を通過した後でこの数字が出てくるのは、法案が衆議院通過した後で公明党幹部が「未納」を告白したのと同様の不誠実を感じます。

[2004/06/10-2]  今治・泊

民主党は、参議院・愛媛選挙区において公認候補・斉藤政光氏を擁立します。目下、その為の活動を展開中。本日は、東予地区(愛媛県東部)で活動。今治に泊まる予定。

[2004/06/10]  小泉政権における嘘と不誠実

岡田・民主党代表の公務員法違反問題について、さっそく自民・安倍幹事長から厳しい批判。

「岡田氏は年金(未加入)問題で小泉純一郎首相の予備校時代のことまでさかのぼって批判していたので、ご自身が明確に法令に反していたなら大きな責任問題だ」と指摘しています。

安倍氏は、年金未納問題で「支払わなければもらえないだけ」と未納者を弁護して、失笑を買いました。年金改革関連法案を提出した政権の与党幹部でありながら、現行年金制度が国民の相互扶助、世代間扶養を前提としていることを知らず、貯金ないしは資産運用と勘違いしているというお粗末な話です。

今回も、問題の本質を分かっていないが故の勇ましい批判です。勿論、岡田氏の問題は、過去のこととは言え、批判されて仕方のないことです。

しかし、小泉氏が特に批判されているのは、記者から過去の問題を問われて「未納はない」と言い切っていたのに実は違っていたという嘘の問題です。それ故、「過去」が問題視されているのです。公明党幹部の未納問題も、法案の衆議院通過を見計らって「未納」を発表するという詐欺的な手法(要するに嘘)に問題があります。

また、小泉総理の国会答弁「人生色々、会社も色々、社員も色々・・」は不誠実極まりないものであり、一国の総理としての品格を著しく欠くものです。

これらの違いを抜きにした批判は、当を得ないものです。

しかしそれにしても、日本歯科医師会による不正献金、学歴詐称、公選法違反等に忙しく名を連ねている安倍氏において、かような厳しい批判をなし得る根拠はどこにあるのでしょうか。

「マスコミは牛耳った」、という自信が見え隠れしています。本来なら既に大火傷を負っているはずですが・・

[2004/06/09]  政治家とスキャンダル

岡田・民主党代表に通産相時代に公務員法違反、というニュースがありました(国家公務員法違反の兼職)。小泉総理の遵法意識の欠如、不誠実な国会答弁を追求しようとしている正にその時、このようなニュースを聞くことは辛いものがあります。

とっさの感想は、自民党の調査能力が高いなぁということです。彼等は、権力を維持するためには何でもやります。

常日頃、党内外の議員の弱みをつかんでおき、いざというときにこれをマスコミにリークする・・

政治家のスキャンダルは、特に野党政治家のスキャンダルは、国民の政治に対する信頼を損ないます。自民党なら、まあそんなモンだろう、で済むところが、野党ではそうはいきません。

どうせ、どの政党が政権を取っても同じだ。そのように考える人が増えれば、投票率が下がり、一部の団体の組織票でこの国が動かされることになります。

政治不信を言い募るだけでは、この国をよくすることはできません。観客席からの政治評論もけっこうですが、自分の国の将来に責任を持つということは、一有権者として、どの政党、どの政治家を選ぶかということに尽きるという現実を見失わないでいただきたいと思います。

今いる政治家の全てが「不合格」なら、自分がやらなければならない。それが民主主義国家における国民の責任です。自分ができないなら、「つまらん奴ら」の中から相対的に良いのをえらぶしかないということになります。

身も蓋もない話ですが、「白馬の王子様」を求められても困ります。「許容範囲を超えているかどうか」という大人の判断をするしかありません。

[2004/06/08]  内閣支持率

7日のテレビ朝日・報道ステーションによると、小泉内閣の支持率が10%下がったということです。自民党支持率も同様の低下。

参議院議員選挙で勝たせたい政党は、自民党30%、民主党32%。

「年金選挙」ということになれば、参議院議員選挙はどうなるか分からない情勢です。「サプライズ」より老後の生活。

小泉純一郎という人物への評価も重要な要素になると考えます。ワイドショー政治、終わりの始まりか?

[2004/06/07]  決議不存在(or無効)

報道機関が「成立」と報じており、「事実」が先行していますが、年金改革関連法案は不成立であると考えられます。

民主党は、参議院本会議で倉田参議院議長などの問責・不信任案を提出。倉田議長に代わり議長席に座った本岡副議長が「散会」を宣言しました。

民主・社民の議員が退出する中、倉田議長が議長席に座り、「散会無効」を宣言。本会議を「再開」し、仮議長を選出して諸議案を否決し、年金法案の採決を強行しました。

散会・退出の根拠は、国会法21条の「議長に事故があるときは副議長が議長職務を行う」と、参院規則85条の「議長が散会宣告した後は、何人も議事について発言できない」との規定です。
 

与党側は、「議事が終わったときは議長が散会を宣告できる」と規定した参院規則82条を持ち出し、散会宣言を無効と解釈しました。まだ議事が終わっていないから散会宣告ができないというのです。

しかし、「議事が終わったとき」とは、通常の手続きの流れを示したものだと解すると、「議長」が「散会を宣告することができる」に重きを置いた解釈が正当だということになります。
 

さらに、不信任案提出で職務執行ができないはずの倉田議長が登壇し、無効と宣言できるのかということも疑問です。

倉田氏が議長席に就くことが法的に認められない限り、「無効」と言ったとしても、「議長」でない者の発言(ただの音声)であり、法的には無意味です。

そうすると、それ以後の「本会議」は、非公式な議員集会に過ぎません。議員集会で「決議」をしても、法的には「議会(議院)」の決議がなかった(決議不存在)ことになります(手続きの瑕疵ということで、「決議無効」となるのかどうかは留保します)

確かに、副議長の散会宣言が「妥当」かどうかの問題は残ります。しかし、それについては与野党間で協議を行い、散会宣言の有効性について議論すべきです。

このことがなされずに、一方的に「手続き」が進行したことは問題です。というより、手続き自体が違法です。

このような議論を些末であると一蹴する方もあるでしょう。しかし、手続きの正当性ということは極めて重要です。実体法と手続き法とは車の両輪であり、手続きを無視した実体的議論は無意味です。

刑事手続きにおいては、有罪が確実であっても、手続きに重大な瑕疵があれば手続きを打ち切ったり(公訴棄却)、無罪判決を出したりすることがあります。株主総会での手続き問題が法定で争われることも多々あります。

手続きの問題をきちんと議論する必要があります。この点、報道機関の手続きについての認識は極めて甘いと思います。「官報」と変わらない態度には幻滅を感じます。

[2004/06/06]  年金改革関連法案成立?

自民党・公明党の強引な国会運営により、国民の多くが反対する年金改革関連法案が成立した形となりました。(手続き的な瑕疵(かし=きず)があるので、「?」を付けさせていただきます)。

参議院議員選挙までに、国民は年金のことを忘れてくれるだろう。そうなると、年金制度改革問題は参議院議員選挙の争点にはなり得ない。これが自民・公明両党の読みだそうです。

国会で成立したのだから仕方がない、と諦めてはいけません。国会の上位機関である国民の意思を参議院議員選挙で確認すべきです。

真っ向勝負できる課題ですので、やりがいがあります。

自民党は時限爆弾(この解説はできないので申し訳ない)を幾つも抱えています。自民党王国・愛媛でも民主党が勝つチャンスはあると思います。

[2004/06/05]  信じて、協力して、見捨てられる

小泉純一郎氏が2001年の自民党総裁選で勝利し、内閣総理大臣になるに際し、多くの方が熱狂し、支持しました。

彼が語る「構造改革」の中身を検証することなく、好意的な理解をして、彼の言葉を信じました。

小泉氏は、「骨太」なスローガンを掲げます。しかし、その実行は官僚機構に丸投げします。そして、既存勢力と取引し妥協することにより、名目だけの「改革」を推進するということになります。

この3年間、多数の協力者が現れました。しかし、その大半は肝腎なときにバックアップをしてもらえず、見捨てられました。「スカートを踏まれた」方もいました。

信じて、協力して、見捨てられる。彼の周囲は屍(しかばね)の山となっています。

一将功なりて万骨枯る。

「被害者の会」が出来てもおかしくありません。非情の人物、誠意なき人物、小泉純一郎。

[2004/06/04]  委員会→本会議→国民の審判

年金制度改革関連法案について、野党委員の質疑が残っているのに、与党委員から突如、質疑打ち切り・採決の緊急動議が出され、強行採決。小泉総理が出席する中での蛮行。

参議院・厚生労働委員会での出来事です。共産党、社民党、無所属議員(西川きよし議員)の質問機会は無視されました。

多くの国民が疑問に思う法案に対して、野党の質問権を無視してまで採決をする必要があったのでしょうか。

議論すればするほどボロが出てくる年金制度の改正案。

「問答無用」という与党の態度に、「100年安心」(公明党)という「改正案」のキャッチフレーズが空しく響きます。

委員会が突破されました。本会議が残っています。しかし、反対者(野党)の数が足りません。

この法案の特色は、参議院本会議が突破され、「改正」法案が成立しても、直後に国民の審判(参議院議員選挙)があるということです。

主権者の出番です。「バッターボックス」に立って下さい。

[2004/06/03]  非常事態であるとの認識

「人生いろいろ、会社もいろいろ、社員もいろいろだ。『うちにいてもいいよ』『海外旅行をしてもいい』という会社もあり、これも社員だ・・・」

小泉純一郎総理の言動について、報道機関の対応は厳しく批判されるべきです。

茶化したり、誤魔化したり、開き直ったりという小泉氏の手法は、総理大臣としての品位を欠くこと著しいものがあります。

もし仮に、刑事法廷で被告人が小泉答弁を真似た自己弁護をしたとしたら、裁判官は「被告人の発言は法定を著しく侮辱している。真面目に答えなさい。」と厳しく注意するでしょう。

国民を愚弄し、国会を愚弄し、内閣総理大臣が国民に負うべき厳粛な責任に全く自覚を持たない小泉氏の言動を、「社会の木鐸」たる気概を持つはずの報道機関が面白可笑しく伝えてしまうことの軽薄さを恥じる必要があります。

一部週刊誌と夕刊紙が意地を見せています。しかし、この場面では、新聞やテレビといった影響力のある「正当派」のマスコミが自社の尊厳、ジャーナリストの面目をかけて小泉氏の言動を批判し、彼が総理大臣として不適格であると指弾する勇気を持つべきです。

民主主義の危機であり、非常事態であるとの認識を持つべきです。

「岡田代表、初の党首対決・・得意の理詰め通じず」・・こんな見出しの記事を書くことがジャーナリストの仕事だと思っているのでしょうか。

[2004/06/02]  期日前投票制度

期日前投票制度とは、選挙期日の前であっても、不在者投票に当たる事由に該当する場合、選挙期日と同じく投票を行うことができる仕組みです。

選挙人は投票用紙を直接投票箱に入れることができるようになります。

公示日(告示日)の翌日から投票日の前日まで可能です。投票は、「期日前投票所」で午前8時半から午後8時まで投票できます。

投票用紙を直接投票箱に入れるので、投票用紙を封書に入れ署名するといった手続きが不要になります。

何故こんなことを書くのかというと、従来不在者投票は、買収や半強制的投票の温床だったからです。一般の方は、名前を封書に書かされるので、自分が誰に投票したのかが分かるのではないかとの不安を持ちました。

期日前投票制度の下では、次第に有権者に心理的な強制力がなくなっていくでしょう。ある勢力に「動員」された人も、誰に投票したか分からないとの安心感が持てれば、気持ちが自由になり、コントロールされにくくなるのではないか・・・こんな期待をしている訳です。

選挙管理委員会には、参議院議員選挙前に、この制度のことを積極的に宣伝していただきたいと思います。

[2004/06/01]  編集

先頃の3人のイラク人質(とその家族)に対する「自己責任論」バッシング。そして、北朝鮮によるによる拉致被害者家族連絡会(家族会)へのバッシング。

一部国民の過剰反応について、マスコミ、取り分けテレビの影響は無視できないものがあります。テレビで放映されるのは人質の家族や拉致被害者の家族の言動のごく一部であり、しかも同じ映像が繰り返し巻き返し流されます。

テレビ取材を受けた経験がある人なら、自分がそんなことをしゃべってたんだなあと、驚いたり意外だったりした経験があると思います。

テレビは自分達の伝えたいメッセージに対応する映像や発言を編集して放送します。

テレビを見る場合には、放送を事実と判断するのではなく、放送局が伝えたいものが表現されているだけだという風に一歩も二歩も引いたところから眺める必要があります。

今回イラクで襲撃された橋田信介さんの奥さんの態度を見て、テレビの編集作業まで見通しているのではないかと思いました。これまでのバッシングから学習されているのでしょう。

イラクの人質の家族や拉致被害者の家族の態度にも学習の跡が見られます。

テレビ報道の先を行く判断力が必要な時代です。「秀逸」だったのは、拉致被害者の家族に言いたいことを言わせてそれを総理が黙って聞くところをテレビに取らせた小泉政権のやりかたでした。視聴者の反作用まで予見していたのでしょう。

長野県知事に就任したばかりの田中康夫知事の名刺を破った部長さんを思い出してしまいました。

[2004/05/31]  国旗国家法

(ニュース)

福岡県久留米市教育委員会が、小中学校で今春に行われた卒業式と入学式の際に、君が代を歌う声の大きさを調べていたことが分かりました。

調査は市立の全小中学校計40校が対象。日の丸掲揚の有無を調べるとともに、各校長や出席した市教委職員に聞き取り調査をし、声量を大・中・小の3段階に分類しました。

「小」と判断された学校には口頭で指導もしています。国旗・国歌に関する教育を徹底するよう求めた請願が市議会に出されたことを受け調査を実施したということです。

(コメント)

国旗国歌法は、

「国旗は、日章旗とする」

「国家は、君が代とする」

という2条で構成されています。義務規定、罰則規定は置かれていません。

野中広務著 「野中広務全回顧録 老兵は死なず」には、小渕政権で官房長官だった野中氏が、国旗国歌法制定に努力した経緯が書かれています。

教育現場で管理職が苦悩し、自殺者まで出た(広島世羅高校校長の自殺)問題に対し、法律で基準を示すことにより現場の混乱を回避するために国旗国歌法が制定されました。

野中氏は、「実際の教育の現場で、さまざまな形で実質上の罰則、義務に近い運用がなされることのないようにお願いをしたい。」と述べています。

東京都教育委員会が都立高校の卒業・入学式で「君が代」斉唱時に起立しない生徒がいた学級の担任ら57人について、生徒への指導が不足していたとして厳重注意などの指導をしたというニュースもありました。

久留米市教委の行為は、実質的な思想調査です。都教委の場合、石原都知事の意向を抜きには考えられない暴走ぶりです。

教育委員会が実質的に独立性がなく、むしろ尖兵として国家主義的教育を先導していることに対して、警鐘を鳴らしたいと思います。

[2004/05/30]  小泉政治とは

昨今の小泉総理の国会答弁を聞くと、これはおよそ国民に対して厳粛な責任を負うべき政治家の答弁と言うべきものではなく、政治漫談の領域に属するものだと思います。

国民の内閣支持率の高さも、政治家としての信頼によるものではなく、芸能タレントとしての人気なのでしょう。

横山ノック、青島幸男、小泉純一郎。

一国の政治が芸能タレント的人気に左右されるところに、我が国・民主政治の危うさを感じます。

かつて、「タレント議員」というのが話題になった時期がありました。しかし、それは単なる一議員の問題でした。それが後に、横山、青島という資質なきタレントが大自治体の首長になるという珍事となりました。

現在に至り、聞きかじりのフレーズで政治を語り、思い付きで外交を行うという日本一の無責任男が内閣を組織して3年も経つという、情けない事態となっています。

そう言えば青島さん、また選挙に出るそうな。柳の下で何度でもという、凄い人物ではあります。

[2004/05/29]  邦人フリージャーナリスト襲撃される

フリージャーナリスト、橋田信介さん、小川功太郎さんがイラク・バグダッド近郊で襲撃され、死亡した可能性が高いと報じられています。

様々な方々が危険覚悟でイラクに赴いています。こういう方々がいてくれるお陰で、我々の知る権利が充足されています。官製報道だけでは真実を見失います。

「自己責任論」のような皮相な議論が出てこないことを祈ります。

[2004/05/28]  ああ言えば、こういいずみ

かつて、サラリーマン経験なしと答弁していた小泉首相が、初当選前後の4年半、不動産会社に勤務していたことが分かりました。首相は、秘書や国会議員との兼務であるから、普通のサラーリーマンではないと弁明。

勤務実態がないのではと指摘され、「次の選挙で当選することが仕事だ」と社長に言われたと反論。

厚生年金に加入する資格があったのかどうか疑問です。

些末な話のようですが、最高責任者が年金履歴について嘘をつきながら、年金制度についての改正を提案することの妥当性を検証する必要があります。

しかも、自身に関する疑惑報道が出てきたときに、訪朝することにより国民の関心を北朝鮮に向けようとすることは、外交カードを私的利益のために利用することになり、背任的行為になります。

しかも、時期尚早の訪朝により、必要以上の譲歩を強いられ、国益を大きく損なっています。

二浪が一浪になってみたり、選挙に勝つことが仕事であるサラリーマンだったりする不思議な人物の発する言葉の軽さに辟易(へきえき)します。

小泉首相の年金納付記録は、31日に各党理事に開示されることになりました。その後で、なお自民党が全議員の年金履歴を公表することを拒否するとなると、残る議員の中で誰の秘密を守ろうとしているのかが問題になります。

選挙に大きな影響を与える幹部ということになります。

[2004/05/27]  拉致議連の動揺

(ニュース)

日朝首脳会談の結果について一時批判を強めていた超党派の拉致議連が、一転して小泉純一郎首相の訪朝成果を評価するようになりました。

議連会長の平沼赳夫・前経済産業大臣は当初、「5人だけの帰国という悲惨な結果になった。」と首相を糾弾しましたが、各種世論調査で再訪朝を評価する意見が多数だったため、25日の総会では「議連として前向きにとらえるべきだ。」などの批判が相次ぎました。

このため、平沼氏は「議連の分裂は北朝鮮の思うつぼだ。一致団結しよう。5人の帰国は素直に評価したい。今回の訪朝は拉致問題に風穴を開けた。」と発言。軌道修正を余儀なくされました。

(コメント)

小泉訪朝直後のマスコミ論調は批判的なものが多く、拉致被害者の家族会も厳しく首相を批判したため、大方の国民も同様の判断をするであろうと思われました。

しかし、世論調査の結果は、意外にも首相の訪朝を評価する人の割合が多く、首相の支持率も上昇しました。

5人の家族が帰って来るという、目に見える「成果」があったことが大きかったのでしょう。

しかし、「小泉首相の訪朝を評価します」「評価しません」「分かりません」の「三択」で聞かれると、普通の方は「評価する」と答えるのではないでしょうか。

この「回答」を延長すると、評価する以上「小泉首相を支持しません」とは答えにくいと思います。ある種の誘導になっているように思います。

有権者にいい顔をしたいために拉致議連に入っている国会議員は世論調査の結果に動揺してしまいました。

リーダーとしての自覚のある者は、こういうときこそ世論をリードする気概を持つべきだと思うのですが・・

10人の安否不明者、400人の特定失踪者を忘れてはいけません。蓮池さん、地村さんの御家族の報道、曽我さんの悲劇の報道に酔いしれることなく、拉致事件の完全解決を願いたいものです。

北朝鮮で救出を待っている被害者の存在を、ワイドショー感覚で忘れないでください。

[2004/05/26]  家族会への批判

北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)が訪朝後の小泉首相と面会した際の発言に批判が出ているようです。

小泉総理と面会した家族会メンバーが訪朝結果を批判した22日夜から、メール・500件、電話・100件が救う会にあったというニュース。

4分の3は「首相に感謝の言葉がない。」「拉致被害者の家族の帰国を喜ばないのか。」などと批判する声だそうです。

当然のことながら、テレビ映像は編集されており、批判的な部分が強調されています。編集された部分を真に受けての反発なのでしょう。

「自己責任論」のときもそうでしたが、一部の国民にお上至上主義のようなものが蔓延(まんえん)しているような気がします。「総理大臣様が北朝鮮にわざわざ行って下さったのに、なんということを言うのか・・」

ここまで思っているのかどうかは分かりませんけれども、体制翼賛会的発想のような気がして不愉快です。

総理大臣は国民の僕(しもべ)です。公僕である権力者を批判できるのが民主主義であり、批判に耐える行動をとることが主権者たる国民から権力を委ねられた者の義務です。

社会人としてバランスの取れた態度が必要であることは当然のこととして、ことさら他人の領域に立ち入って、その人の立ち居振る舞いに干渉したがる方々の心情には首を傾げざるを得ません。

結果として、「世間」の目を意識しながら生きていかねばならないような狭苦しい空気を醸し出そうとする方々のお節介には苦言を呈したいと思います。

[2004/05/25]  拉致被害者家族会の切り捨て

今回の小泉訪朝に対して、北朝鮮拉致被害者家族会の方々が猛烈に反発しています。

小泉氏が注目しているのは、目に見える範囲の拉致被害者の家族だけです。残り3人(ジェンキンス氏と2人の娘さん)の問題が解決すれば、あとはウヤムヤになる可能性が出て来ました。

横田めぐみさんら行方不明の拉致被害者と400人にのぼる特定失踪者についての捜索は、このまま行くと困難になってきます(今回の小泉訪朝の結果、誘拐犯と一緒に被害者を捜すという、間の抜けた話になってしまいました)

「日朝国交回復は歴史的な重大事であり、10 人ほどの命のためにこれを妨げることはできない。」と、外務省の幹部がかつて語ったと言われます。小泉内閣は、このような外務省の路線にころがされています。

行方不明者について新たな展開がない限り、支持率向上に結びつきそうになく、しかも困難が予想される、行方不明の拉致被害者と特定失踪者の救出に小泉氏が熱心に取り組むとも思えません。

新聞社のアンケートに対して、60〜70%の方々が小泉訪朝を評価しており、内閣支持率も上昇しています。

このような国民の反応が、結果として拉致被害者家族会を切り捨てる方向に作用するということを是非御理解いただきたいと思います。

[2004/05/24-2]  記憶違い・・未納

4月30日の「一言」で、「私は25歳以降、国民年金または厚生年金に入っています。学生時代の25歳までは支払っていません。できれば、25歳までの分を国民の義務として支払いたいと思っています。この分の恩恵を受けたいとは思いません。」と述べました。

忙しくて自分が出向いて確認する暇がないので、念のためにと思い、社会保険労務士さんに委任して調べてもらいました。それによると、昭和54年4月1日から昭和55年9月30日まで「未納」ということです。

年金手帳に「昭和54年4月1日資格取得」とあったので、誤解していました。資格を取得した(義務となった)のがその期日でした。

大学卒業後、司法試験を目指し、「高等遊民」の状態だったので学生気分でした。親に指摘され、手続きを取りました。そのとき、お金を用意して、過去の分を全て支払いたいと言ったところ、「過去2年分しか受け取れないことになっています。」と言われ、残念だった記憶があります。

その後、記憶が薄らぎ、「昭和54年4月1日」まで遡って支払ったのだとばかり思い込んでいました。記憶というのはあてにならないものです。

本日分かりましたので、即、掲載します。

なお、年金未納問題は、話が拡散しすぎて、訳が分からなくなっています。一応整理すると、以下のようになるのだと思います。

@選挙で選ばれた公職者、取り分け、年金について審議する国会議員において、昭和61年に義務化されて以降の未納(国会議員当選後)についての政治責任。

A現行年金制度を前提とした改正案に賛成している(衆議院では可決)与党の議員についての未納の責任。

B現行年金制度を前提とした改正案を提案している政府閣僚の未納の責任。

A、Bについては、現行制度を是認する限り、責任は重く、過去全てについての廉潔性(潔癖さ)が求められる。

議案が撤回されれば、A、Bの責任も@と同じ責任となる(国議員でない閣僚については、私人としての責任)

私の場合は、市議会で年金のことを審議していたこともあるので、責任はあると思います(と言っても、市議会議員になる前のことですが)

ところで、年金手帳を見て通算25年経ったなぁと喜んでいたのに、まだ1年数ヶ月必要だと分かってがっかり。

[2004/05/24]  拉致は主権侵害という認識

小泉訪朝について、肯定的な見解もあるようです。

5人の子女を連れて帰ったというところに焦点を当てると、一歩前進という評価になるのでしょう。

しかし、国民を不法に拉致されるということは主権の侵害であり、正当防衛として侵害行為(侵害行為の継続)に対抗しうるのだということが忘れられていることは極めて残念です。

「子供さんが帰ってよかったよかった」などというお人好しの発想をやめ、「あたりまえ」であるという感覚にならなければ、横田めぐみさんら拉致被害者や400人とも言われる特定失踪者の問題に迫ることはできません。

主権の侵害が継続しているという冷厳な事実を多くの人に直視していただきたいと思います。もちろん、拉致は個人の側から見て最大の人権侵害でもあります

一部野党は小泉訪朝の成果を肯定的に見ています。それは、彼等がいまだに北朝鮮に対して良好なイメージを持っていることの表れです。

犯罪組織が国家としての法人格を有しているというのが北朝鮮の実態であり、これは宗教法人の法人格を隠れ蓑として犯罪を行っていたオウム真理教の場合と同じ構造であることを見ておく必要があります。

[2004/05/23]  犯罪は採算が合う

小泉訪朝の結果、拉致被害者の家族5人が帰国しました。

しかし、曽我さんの家族は帰らず、死亡とされた方々や特定失踪者の方々の消息も全く分かりませんでした。

日本側は、持てるカードを全て使いました。米支援あり、医薬品支援あり、経済制裁なし。北朝鮮側の約束は口約束の域を出ません。お粗末な結末です。

北朝鮮の基幹産業は犯罪であり、外交上の駆け引きで生き残りを策しているだけの国家です。

誘拐という犯罪が外交上有効なカードとなり、相手方に充分すぎる譲歩を引き出すことができました。

北朝鮮には、まだまだ「カード」があります。国家が行う犯罪は採算が合うということを北朝鮮は実感したことでしょう。

「小泉という男は食い付きのいい奴だ。釣り糸を垂らしただけで飛び付いてきた。」 

金正日の笑い声が聞こえてくるようです。「ワンペア」でポーカーに勝ったような気分でしょう。

[2004/05/22]  自分達の人権擁護団体・自民党

自民党は、自分達の人権には驚くほど敏感です。公人として当然開示すべき年金履歴を、プライバシーの問題だとして拒否します。

そもそも政治家となる動機が「世のため人のため」だとするならば、守るべき第一のものは他人の人権であり、自分の人権ではないはずです。少なくとも、他人の人権が守られることにより自分の人権も守られるのだと考えるはずです。しかるに、自民党的発想ではこの順序が違います。

これまで、多くの人が国民年金の追納期間が2年であるというのは短すぎるという批判をしてきたはずでが、制度の変更はなかなか進みませんでした(私も、このホームページで、未納問題が生ずる前から指摘してきました)

ところが、自分達の未納問題が生ずるやいなや、追納期間を延長しようという案が浮上してきました。しかも、未納であることを開示しなくても追納できるようにして、未納問題に蓋をしようという姑息な考え方です。

御都合主義も極まれりです。

こんな政党に国と国民の運命を託すということは不名誉であると感じるのがまともな感覚ではないでしょうか。

[2004/05/21] 自民・公明の未納議員は自らを救済するな!

これまで繰り返し述べてきましたが、未納国会議員は未納部分を全て支払うべきであり、しかもその部分について制度の恩恵を受けるべきではありません。国民の範たるべき者が義務を怠ったのですから、懲罰的な支払いとすべきです。

自民・公明両党は、国民年金保険料の未納対策として、全国民に共通の基礎年金が導入された昭和61年4月までさかのぼって保険料を追納できる法案を今国会に提出、成立を目指すことで合意しました。
 

それによると、対象は国民保険に加入する20歳以上、60歳未満の国民で、昭和61年4月以降に未加入・未納があった場合、法施行日から3年間の時限措置として全額追納することを認めるというものです。特例法案として国会に提出します。
 

追納された年金保険料は平成17年4月から満額、給付に反映され、老後に受け取る年金額が増えます。追納の保険料額は、事後納付した時点の保険料(現行・月13300円)とする方向です。
 

また、現行法では2年間だけ認めている追納期間を平成16年10月から5年間に延長する恒久措置を盛り込んだ国民年金法改正案も今国会に提出します。その場合2年の時効を超える追納の場合は一定の加算率を適用します。

しかし、どうせなら、昭和61年以前に遡って救済すべきです。

この法律で国民を救済するのは良いとして、国会議員を救済すべきではありません。国会議員には制度の恩典を受けない形で支払わせなければけじめとはなりません。

以下、民主党・江田五月氏のホームページ(5月19日の活動日誌)を引用します。(この人のホームページも凄い)

「・・・与党が、年金未納者の追納を認める法案を検討しています。国民すべてに適用されるもので、それも必要ですが、国会議員に限って言えば、騒動になって逆に得をする火事場泥棒になってしまいます私たちが検討をしているのは、国会議員の強制加入期間の未納を公表し、追納させ、これを年金期間に算入しないというもので、得のない方法です。そうでないと「けじめ」にはなりません。・・」

[2004/05/20]  小泉純「1浪」

こんな風な見出しが、ある新聞にありました。

小泉総理は、予備校生だった1962年1月〜3月は(2浪中に20歳になりますが、予備校生は「学生」ではないので)加入義務があるのに未加入であると週刊誌に書かれ、その事実を認めていました。

ところが、実は1浪で慶応大学に入学しており、1962年当時は国民年金に加入義務がない大学生だったことが分かったという説明になりました。

しかし・・・

小泉氏が2浪で慶応に入学したというのは週刊誌等で以前から流布されている話です(だからこそ、誰も20歳の時は大学生だったのではないかとの問いを発しなかったのでしょう)。それらの記事は当然、小泉氏あるいは秘書たちが読んでいるはずであり、どうしてその間違いに気が付かなかったのか疑問です。

私は1浪しましたが、その1年間は気が遠くなるほど長かったという記憶があります。人生で一番活発な頃を中途半端な状態で過ごすことは苦痛です。何十年経っても忘れられないものだと思います。

勿論、細かな記憶はなくなるでしょう。しかし、自分が1浪だったか2浪だったかを忘れるということがあるものでしょうか。

一応の勉強をして、「正門」から入ったのであれば、間違うはずはないのですが・・

秘書も2浪だと思っていたのでしょうから、摩訶不思議な話ではあります。

[2004/05/19]  岡田克也氏に期待

自民党は、かなり厳しい状況になっていると思います。

年金未納問題で全議員の情報を開示できないのは何故か?

既に、小泉首相のことが明るみで出ており、閣僚経験者についてもかなり情報が出てきているにもかかわらず、あと何を隠そうとしているのでしょうか。

国民が憤激するくらい圧倒的多数の議員が「未納」であるということも考えられます。あるいは、「消去法」で考えられる「未納告白」していない党の幹部に問題があって、これが明らかになると選挙が戦えないということもあり得ます。

未納問題を詭弁でそらせつつ、リスクの高い北朝鮮カードで参議院議員選挙を乗り切るということなのでしょうが、これからどんな展開になるのか誰にも分かりません。

民主党は、新代表に岡田克也氏を選出し態勢を整えました。

岡田・新代表は、年金改革関連法案を廃案に追い込む方針を示すとともに、小泉首相らの国民年金未納・未加入問題で「『3党合意』(両院の厚生労働委員会に小委員会を設置し、年金の一元化を含む社会保障制度全般の一体的見直しを行い、2007年3月をめどに結論を得ることなどを内容とする自民・公明。民主3党の合意)の前提となる信頼関係はかなり壊れている」と、3党合意を見直す考えを表明して、対決姿勢を鮮明にしました。

自民党内には、3党合意を破棄することは公党間の信義に反するとの批判もあります。しかし、年金問題を議論する上で国会議員が襟(えり)を正しておかなければならない未納・未加入問題について、小泉首相のように詭弁と開き直りで切り抜けようとする態度では、公党間の信頼の基礎が完全に崩れていると言わざるを得ません。

しかも、年金関連法案と3党合意とは全く別の問題ですから、年金関連法案廃止を目標とすることは3党合意の問題に直結するものではありません。

年金関連法案が廃案にならないのなら、年金問題を参議院議員選挙での最重要争点として国民に信を問うべきであり、岡田代表が対決姿勢を取ることに期待したいと思います。

[2004/05/18]  小沢氏、代表戦出馬辞退

1日外に出ていると、家に帰ってからあっと驚くニュースに出会う今日この頃です。

小沢一郎氏が、国民年金加入が義務づけられていなかった期間の「未加入」を理由に、民主党代表選出馬を辞退しました。

とりあえず、このことの意義を考えてみます。

@政治家としてのけじめの付け方を、身をもって示した。

A「未加入期間」がある小泉首相に強いプレッシャーをかける(厳密には「未納期間」「厚生年金加入についての疑惑」もあり)。

B自民党への全議員年金履歴公表に向けての圧力にする。

C政府案の矛盾を浮き彫りにして、廃案への世論を大きくする。

さらに考えると、小沢氏にその意図があるかどうかは別として、民主党サイドから新たな攻め口が出てきます。

@政治家の秘書についてどうなのかを問う(全議員に向けて)。秘書が厚生年金に入っているケースは企業が給与を肩代わりしていること(ヤミ献金)になります。

A国民年金加入義務づけ以前(1986年以前)についても公表を迫る。

B小泉首相・平壌訪問での成果についての評価基準を厳しくする。

民主党の代表がどうなるのかも問題ですが、一寸先は闇の激動政局が本格化する事態が予想されます。

そもそも、小沢氏の出番は今ではなかったと思います。

[2004/05/17] 小沢一郎氏について、中塚一宏氏HPより

民主党・中塚一宏衆議院議員のホームページは、「メッセージが毎日更新されています。このところ忙しかったようで、数日分が一挙更新されました。虚像が飛び交い、誤解されやすい小沢一郎氏のことが書かれていますので、御紹介します。

(中塚氏の11日〜15日の「メッセージ」を要約)

・・私は世論、党内情勢の把握につとめ、連日小沢一郎氏に報告しました。普段読まない新聞にも全部目を通しました。小沢氏が判断を過たないようにするためです。

私は終始一貫して代表就任には慎重論を唱えていました。・・この政界再編の10年余の歩みを見ると、小沢氏に対する評価は決して芳しいものではありません。

特にマスコミの報道は小沢氏の実像を全く言っていいほど伝えていません。・・・

小沢氏ほど、毀誉褒貶つきまとう政治家は現在いません。多くの人は小沢氏の周辺から人がどんどんと離れてゆくことをもって、剛腕、わがままという評価を下します。

しかし小沢氏から離れていった人は、野党から与党へと変節した人が殆どです。権力のもつ魔力は一度経験したものにとっては何ものにも抗しがたいものらしい。選挙にしても与党で戦えば多くの団体の支持が見込めると考え、氏のもとを離れていった人が殆どです。

私から見た小沢氏とは、とにかく「真面目」の一言に尽きます。・・・・また加えて「欲がない」という面もある。人は誰しも、他人から良く思われたいと考えます。ところが小沢氏にはそれがない。正に人が自分から離れようとするときに、お愛想もなければ、引き留めることもしない。これが誤解を受ける一番の原因でしょう。

・・・小沢氏ほど人間の持っている可能性、民主主義のもっている可能性を信じている政治家もいません。小沢氏の理想は時に荒唐無稽と思えるほどに崇高です。その信念こそが自民党という権力の中で、しかも将来を嘱望されていた存在であったにもかかわらず、離党しあえて野党という立場で、政策を武器に政権交代を迫ろうとする原動力なのだと思います。

・・・人間関係と政治を厳しく峻別する人でもあります。みんな仲良くということは、素晴らしいけれども、これだけの厳しい時代に、特に政治の世界において、議員同士の人間関係だけが優先され、政策が議論できない、構造改革が進まないということは、論外です。・・

・・・・我が国は、気候温暖で農作物に恵まれ、また島国であるという地理的な条件からも、その歴史の大部分を平和なうちに過ごすことができました。平時にはリーダーシップは必要ない。・・・ところが、危機が顕在化すると、リーダーシップが不可欠となります。

・・・我が国はとかくリーダーシップを認めにくい社会ですが、今こそ「嫌われ者」「異端者」としての指導者が求められる激動期です。そういった指導者が民主政治下において現れるためには、なによりも民主政治の担い手、主人公である国民一人一人の自立が必要となります。この観点からも、小沢氏は自立ということを、常に熱く語ります。

・・・小沢氏自身も代表就任に否定的でした。理由は「自分で本当に挙党態勢が確立できるのか、参議院選挙・総選挙を戦う態勢ができるのか」ということ。それにつきます。

またこの一週間で私の危惧どおり、聞くに堪えない誹謗中傷が飛び交いました。「側近」と言われる人たちの、思惑ばかりが先行して小沢氏の真意を伝えない、あるいは曲げて伝えている言動によって大変な混乱が起こりました。

例えば小沢氏は任期が4ヶ月ではイヤだなどと、一言も言ったことはありません。ところがこれが小沢氏の真意であるかのごとく流布され、また小沢氏がゴネているかの印象を党内に与えたのはとても残念でした。・・・

小沢氏は私に「代表就任など望んだことは一度も無い。私の願いは選挙を通じて政権交代を実現することこれ一点につきる。政権交代が実現したら君たち若い世代にバトンを渡す」としみじみ語ってくれました。

党内には小沢待望論がひしひしと盛り上がります。私は思いました。「小沢一郎氏には、これ以上の余計な苦労をしてほしくない。でもこれだけ沢山の政治家、国民が小沢一郎氏の政治手腕に期待しているのに、断り続けることができるだろうか。いま実現しないで、またの機会はあるのだろうか」と自問し始めるようになります。

14日の朝、小沢氏に私の気持ちを伝えました。「小沢一郎先生とともにこの10年余りを過ごさせてもらいました。新生党、新進党、自由党、民主党と大変なご苦労をされたことも側で見ております。しかし『政治は国家・国民のためにある』とお教えを頂いて、常に私はそれを心がけています。何が何でも代表になってくれとは言いません。でも小沢先生がご自身の政治信条・政治哲学を存分に振るえると判断されたなら、民主党の代表なんていうちっぽけな話ではなくて、是非総理大臣として思う存分の政治をしてください。私は細腕ですが、全力で責任を持って支えます」と。

・・・マスコミ報道の不正確さには本当にあきれます。多くの国民の皆さんは新聞やテレビを通じてしか知る機会はないことと思いますが、殆ど事実を伝えていないことを申し上げたいと思います。

・・・規約を改正して代表の任期を延長しようとしたなどというのも、事実無根です。・・・

(コメント)

小沢一郎という政治家を最も近いところで見つめている政治家の言葉です。

「自民党をぶっ壊す。」・・小泉純一郎氏の言葉です。しかし、彼は自民党の庇護の下で生きていたい政治家です。小沢一郎氏こそ、正真正銘、自民党をぶっ壊そうとしている政治家です。

私も、今回小沢氏が党首になる必要なしとの意見でした。中塚氏の悩みに共感するところがあります。

[2004/05/16]  総理大臣の嘘

小泉純一郎氏は、即刻辞任すべきです。それも、議員辞職をすべきです(自動的に総理大臣ではなくなります)

小泉氏は5月10日、衆議院議員に当選する前の国民年金保険料の納付に関し、「(未納は)ありません。」と記者団に明言しています。少なくとも、自らは未納問題の枠外に立っているという印象を与え続けてきました。それが覆ったのですから、その責任を取るべきです。

「未加入」であり「未納」ではないというのは詭弁です。そういう認識で未納がないと述べていたのなら、発言時にそれなりの解説が必要でした。

政治家、それも内閣総理大臣が嘘をついたことの責任は極めて重いものです。政治において言葉は命です。そこをうやむやにすべきではありません。

この大問題を吹き飛ばすために拉致被害者の問題を利用しようとするのは、極めて不誠実な態度です。

全ての問題を政局(政治における権力闘争の場面)がらみでしか考えられない極めていびつな政治家、それが小泉純一郎という政治家です。

彼が国会議員になった後も不動産会社の社員(サラリーマン)であり、勤務実態がないのに厚生年金に加入していたことなど、彼の過去のことが取りざたされる可能性があります。単なる「未納告白」では済まないことを自覚していたからこそ、過去のことを隠し続けてきたのだと思われます。

平壌訪問のパフォーマンスで未納問題、過去の問題をかき消せるのでしょうか。目先を変えれば政治家の本質に関わる問題から目がそれてしまうほど我が国の報道機関が軽薄なのかどうか。今後の政局から目が離せません。

[2004/05/15]  「未加入」

小泉総理の国民年金「未加入」問題が発覚。自民党が全議員の年金履歴を公表できない理由は、小泉総理(だけかな?)にありました。1986年に国民年金加入が義務化される前の話であり、「未納」ではなく、「未加入」という説明です。(予備校生時代の3ヶ月は強制加入でしたが、未加入。いや、未納?)

週刊誌で暴露記事が出ることが分かり、追いつめられての発表です。飯島秘書官は記者会見で、義務化された1986年以降は全て納付しているとしながら、そのことについて社会保険庁への問い合わせをしていないと回答しました。

ということは、86年以降についても、本当はどうだか分からないということです。

小泉氏は、これまで自分は無関係であるかのように振る舞っていました。今回の「未加入」問題は、従来の小泉氏の発言と矛盾しており、福田官房長官が嘘をついたのと同様の話になります。政治責任は重大です。

このままでは、受け身に回らざるを得ない。そこで、小泉氏は「勝負手」を打ってきました。平壌訪問。筋悪のルートに乗っかっての外交パフォーマンスが成功するかどうか。

[2004/05/14]  公表できない自民党

各党が国民年金未納・未加入の国会議員を公表している中で、自民党は個々の議員に判断を任せ、党としては公表しない方針をとっています。

小泉首相は13日夜、自民党として国民年金保険料の納付状況を公表しないと安倍晋三幹事長との間で確認したことについて、「個人個人が発表すればいいということだ。各個人が(国民に)理解を得られるよう(公表を)判断すべきだ。」と説明。

党として公表しない理由に関しては、「分かりませんけどね、各個人に任せればいいんじゃないか。幹事長が議員の意見を聞いて判断すればいいと指示している。」と述べています。
 

「分かりませんけどね」とは、無責任も極まれりです。年金問題の所管である森英介、谷畑孝両厚生労働副大臣の未納が判明している段階でなお公表を控えるということは、これ以上にまずいことが出てくると考えるのが自然です。

自民党が隠そうとしているのは何か。これが問題です。

ところで、幹部の未納が明らかになった公明党本部には、12日夕刻から13日朝にかけて、「どう責任をとるのか」など数百本の抗議電話が殺到していると報じられています。「それはイカンザキ」ということのようです。

幹部の一人は「神崎氏が辞めれば閣僚も辞めざるをえない。辞任ドミノの防波堤になる」と強調しています。都合のよい責任回避の論理ではあります。

[2004/05/13]  本日の未納者

パンパカパーン、パンパンパン、パンパカパーン・・・本日のハイライト・・・本日新たに発覚した未納者は次の方々です・・

と紹介すればいいのでしょうか。外出先で話をしていると、「公明党の神崎さんも未納だったんですね。」などと言われ、「本当ですか?」と返事しなければならなくなるくらい、次々と未納者が明らかになってきます。

「冬柴幹事長、北側政調会長ら幹部もだってね。」と続くと嫌になってきます。厚生族の橋本元総理、丹羽元厚生大臣、そして厚生省OBの熊代昭彦議員・・・

年金改革を叫んできた公明党や自民党のエキスパートが知らなかったような複雑な制度が通用するものかどうか。

公明党は「100年安心」と言うけれど、言ってる人達の信頼度が「?」なのだから、不安になります。

この際、一から議論をやり直すべきだと思います。

[2004/05/12]  若者は政治に無関心なのか

若者は政治に無関心であるということが多くの方に信じられています。私もそのことに疑問を投げかける指摘を受けるまで、そう思っていました。各年代毎の投票率を見れば、若者の投票率が著しく低くなっているからです。

考えてみれば、「組織票」としてカウントされている方々が本当に政治に関心があるのかは疑問です。上から言われるままに投票するということは、主体性の放棄でもあります。

外的な強制がなければ、政治に関心を持って主体的に投票所に足を運ぶ人の比率は、年代毎にそれほど違いがないのかもしれません。

年を取るにつれ、しがらみが多くなります。客観的な判断で投票するというよりも、人間関係で投票してしまうというのが多くの人の投票行動ではないでしょうか。

政治家(候補者)サイドから見れば、しがらみづくりこそが最も有効な政治活動(選挙運動)ということになります。

しかし、しがらみの絆が近年弱まっています。無党派と言われる層は、しがらみから解放された方々であって、彼等の動向が政治に与える影響は年々強まるでしょう。

そこで、彼等に言いたいのは、「観客席」から評論をしても、この国や自分達の地域を変えることは不可能だということです。

代表辞任劇でのごたごたを見て、民主党がバカの集まりだとシニカルに見ることは自由ですけれども、そう判断したからといって、この国を一歩たりとも良くする方向への力にはなりません。

観客席で評論する人と、組織の駒となっている人を比較して、前者が上等な人種と言いきれるのか、はなはだ疑問です。

実践なき論評の空しさを指摘しておきます。

[2004/05/11]  菅氏の挫折

菅民主党代表辞任。

週末にテレビをはしごした菅代表でしたが、劣勢を挽回できませんでした。むしろ、傷口を広げたとの評価があります。世間の関心事と菅氏の説明したいこととが大きくずれていました。

私は、ひきこもらずに出て行って前のめりに倒れた菅代表の姿勢を評価したいと思います。

サンデープロジェクトでの田原総一朗氏との対談を見ました。田原氏には菅氏の釈明を聞く姿勢は全くなく、発言を遮って「辞任」の2文字を言わそうと懸命でした。

田原氏が菅氏の釈明を遮り続けるのを見て、私は菅氏が能弁でありすぎることの弱点を突かれたのかなあと思いました。

私ならどうするだろう・・

「田原さん、そのままお続け下さい。」と聞き役に回れば良かったのでしょうか。こちらは沈黙の砦に立てこもる。相手が発言を促すと、「田原さん、もっと言いたいことがあるんじゃないですか。お説を伺いたい。」と聞き役に徹する・・

ふと、故・大平正芳首相を思い出しました。大平さんだったらどうだったでしょうか。

「あーーーぁ、うーーーぅ」「アーーーァ、ウーーーゥ」「・・・・」

大平氏がしゃべり始めた後に聞き手が遮ろうものなら、次ぎに大平氏が意味・内容のある言葉を発するまでには、番組が終わってしまう危険があります。鈍重(どんじゅう)で攻めにくい人物でした。

菅氏の捲土重来(けんどちょうらい)を期待します。

漢の高祖・劉邦(りゅうほう)と覇(は)を争った楚(そ)の英雄・項羽(こうう)は、戦いに敗れ揚子江のほとり・烏江亭(うこうてい)まで逃げ延びます。舟で郷土・江東(こうとう)へ逃亡することをすすめられましたが、項羽はそれを断り自害(自殺)しました。 

唐の詩人、杜牧(とぼく)は、項羽が故郷に帰って、再び兵を集めて劉邦との戦いを続けていたらどうなっていたかは分からなかったということを詩にして項羽の死を惜しみました。

烏江亭に題す

勝敗は兵家も事期せず                      羞(はじ)を包み恥を忍ぶは是男児
江東の師弟、才俊(さいしゅん)多し                  捲土重来、未だ知るべからず

<戦の勝敗は兵法家でも予測不能である。恥を忍びに忍ぶのもの、それこそが男児である。(項羽の故郷)江東には優れた人材が多かった。砂煙を巻き起こして再起を図っていれば、事態はどうなっていたか分からない。>  

[2004/05/10]  平成の合併・・対立、合併バブル

サンデープロジェクト(テレビ朝日系)で、平成の合併についての特集がありました。

合併先を巡り、町を二分する壮絶な戦いが繰り広げられる福岡県,・広川町。久留米市との合併をめざすグループと旧八女郡での合併をめざすグループ間の議会内の対立と、久留米派の住民が議員候補を擁立して戦った町議会議員選挙の模様が生々しく伝えられました。

まず合併ありきで、合併の目的を見失った地域内の悲しい対立です。

10市町村での巨大合併をめざす鳥取市の例も取り上げられました。片山鳥取県知事は、鳥取市の動きを「帝国主義的蚕食」と批判しています。

鳥取市は、500億円余りの合併特例債を活用して1500億円余りの巨大公共事業計画を行う予定です。周辺自治体は財政難に陥っており、合併やむなしの状態。

交付税削減によるジリ貧か、合併特例債による刹那的公共事業か。アメとムチにより合併に追い込む国のやり方に対し、片山知事の言葉が印象的でした。

「財政難を理由に合併を推進し、合併するのにさらに借金をしなさいという。(国はこのような)品の悪いことはやめられたらいい。」

「合併推進のためにアメとムチをちらつかせる総務省のやり方は、自分達のことは自分達で決めるという自治の原点を見失っている。」

[2004/05/09]  75日

「人の噂も75日」と言います。

世間のうわさは長く続かず、しばらくすれば忘れられるものであるという意味です。

見方を変えると、一定期間はまともな議論が通用しない状態になることがあるが、時間の経過の中で評価が固まり、一時の極論や風説の類も整理整頓されていくということでしょう。一時の熱狂や偏見もあぶくのように消えてしまうものです。

国民年金未納問題についての評価も、一定の時間を経ることにより落ち着いたものになると思われます。

ところで、参議院議員選挙まで、残すところ63日。菅代表の未納問題を冷静に評価してもらうにはちょっと期間が短い気もします。

民主党幹部の「次の一手」が注目されます。「予想通り」の手が良いのか。「妙手」が見つかるのか。マスコミに突っ込まれて慌てるのが一番いけないと思います。

手の多い局面。守勢から攻勢に転じることも可能です。

[2004/05/08]  未納理由の分類

閣僚、国会議員の相当数が未納であると思われます。続々と未納が発覚しています。

未納理由について整理してみる必要がありそうです。

@不勉強(制度の誤解であれ、手続きのミスであれ)

A国民年金の軽視ないしは損得計算によるもの

B人任せ型

@が多いと思います。Aは公人としての規範意識に何らかの問題あり。Bの場合も多いのでしょうが、「秘書が・・」という言い訳を許さないという意味で、@に分類すべきでしょう。

Aの場合は糾弾されるべきですが、国民年金が義務であるということよりメリット・デメリットで考える風潮が最近まであり、義務であるとの認識が希薄だったということでしょう。昨日述べた社会保険庁のホームページもメリット・デメリット論で書かれており、義務であることが分かりにくいものになっています。そういう風に考えると、ほとんどのケースは@の不勉強に含まれるのではないでしょうか。

制度としても、2年過ぎると受け取らないのですから、絶対視されるべき国民の義務として認識しがたい要素があったと思います。

なんども書きますが、公人としてのけじめの付け方は、未納部分を支払うことに尽きます。それも、制度の恩恵を受けないことが前提です(年金支払いの対象とならないという意味)。しかも、法定利息を付けるべきでしょう。

[2004/05/07]  「国民年金って何?」

ぞろぞろと国会議員の名が出て来ます。国民年金未納問題がどこまで尾を引くのか分かりません。

私は、全ての閣僚、国会議員の議員になる前からの年金加入履歴を公表すべきだと思います。出すととんでもないことになる恐れはありますが、この際膿を出し切るべきです。その上で制度の議論を徹底的に行えばいいのです。

ところで、社会保険庁のホームページで国民年金の説明がどの様になされているのか見てみました。

「国民年金って何?」というタイトルの独立した形のホームページがつくられています。そこでの説明は各世代別になされており、それぞれの世代にとってどのようなメリットがあるかが書かれています。

メリットが強調され、義務であることが書かれていないので不思議に思い、しばらく探してみました。やっと見つけました。各年代別に様々なメリットが書かれ、ページの下に矢印があり、「このメリットを受けるためには保険料を納めることが前提になります。」という当たり前のことが大きく書かれ、その下に小さく、「国民年金への加入と保険料納付は法律で義務づけられています。」とあります。

このホームページを見た多くの人は、メリットについては分かるかもしれませんが、義務だということは見落とす可能性があります。メリット中心に説明すると、「メリットがそれほどない」と感じた国民は払わないという結論を出すかもしれません。

義務だということを特筆大書すべきです。一部の国会議員は、義務だということを最近知ったのではないでしょうか。

[2004/05/06]  戦争を知らない中高年

「戦争を知らない子供達」 作詞 北山 修  作曲 杉田 二郎

戦争が終わって 僕等は生まれた                戦争を知らずに 僕等は育った                  おとなになって 歩き始める                   平和の歌を くちずさみながら                  僕等の名前を 覚えてほしい                   戦争を知らない 子供たちさ

若すぎるからと 許されないなら                 髪の毛が長いと 許されないなら                 今の私に 残っているのは                    涙をこらえて 歌うことだけさ                   僕等の名前を 覚えてほしい                   戦争を知らない 子供たちさ

青空が好きで 花びらが好きで                 いつでも笑顔の すてきな人なら                 誰でも一緒に 歩いてゆこうよ                  きれいな夕日が 輝く小道を                   僕等の名前を 覚えてほしい                   戦争を知らない 子供たちさ                   戦争を知らない 子供たちさ

<コメント>

昭和45年の歌です。嫌いな歌でした。軟弱だと思っていました。当時、私は高校2年生。

僕たちは戦争を知りません。平和な時代がこれからも続くように、僕たちを守って下さい・・

こんなメッセージを発してどうするんだ、という感想でした。

これを歌ってた人達も50代。イラク人質事件の被害者、18才の今井君の記者会見を見て、当時の若者群像が脳裏に甦(よみがえ)ってきました。

同時にこの歌を思い出しました。当時の自分が肩肘張っていたような気もしています。

岡本公三らによる日本赤軍のテルアビブ空港乱射事件が起きるのが昭和47年。今井君や高遠さんが平和への願いを込めてイラクへ赴いたことと比較すると興味深いものがあります。

[2004/05/05]  安倍幹事長訪米

<ニュース>

安倍晋三自民党幹事長が訪米。パウエル国務長官、ラムズフェルド国防長官、ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)ら米政府の主要メンバーが会談に応じるなど、ブッシュ政権の手厚いもてなしを受けました。

ファイス国防次官は29日の安倍氏との会談で、自衛隊派遣について「日本人人質事件でも、スペインが撤退を表明した際にも、日本政府はぶれなかった」と評価しています。米国はスペイン軍撤退による各国の動揺に神経質になっており、安倍氏に対する厚遇には、「日米同盟」の結束の固さを国際的にアピールし、他国の動揺を防ぐ狙いが見えます。

安倍氏は保守系のシンクタンクで行った講演で、「集団的自衛権を行使できないという日本政府の解釈は限界に来ている」と明言しています。

講演を聞いたポール・ジアラ元国防総省日本部長は、「非常に明確なメッセージを発する人。彼のような人が将来、首相として日本の憲法改正に尽力することを期待している」と手放しでほめました。

<コメント>

小泉首相よりも軽薄で操縦しやすい人物をアメリカは発見しました。安倍氏の特技は、北朝鮮への対応に見られる対外的な強硬論だけです。

世襲議員が苦労なく出世の階段を上り、単純明快な強硬論を主張することで右傾化した世論に受け入れられる構図です。

戦前のある政治家を思い出しました。

近衛文麿。亡国の宰相。

[2004/05/04]  年金を報酬制に

週刊ポストで、小沢一郎氏と養老孟司氏との対談が掲載されていました。その中で、養老氏が年金を報酬として支払うようにすべきだと述べていることに注目しました。

高齢者に社会に役立つような何かをしてもらって、それに対して報酬を支払うという形にすべきだということです。

<コメント>

捨て備置(ぶち)としての年金ではなく、活動に対する報酬。

現役世代では、通例、労働するに際して、利潤追求ないしは費用対効果ということが問題になります。高齢者には、利潤や効率ではなく公益を第一義として労力を提供していただく。そのことにより、短期的な利潤のみを追求する皮相な社会ではなく、長期的に追究すべき理念や公益が常に意識できる奥行きのある社会を実現できます。

あなた達は必要な存在である。あなた達の活動に対して報酬を支払うということになれば、高齢者にとって生き甲斐のある社会になるのではないでしょうか。真に自由な高齢者像を具現できると思います。

将来高齢期を迎える私としては、高齢期の積極的意義を構想したいと思います。マイナスイメージの高齢者像からプラスイメージの高齢者像への転換を提案します。

昨日の「一言」で、議員のボランティア義務について述べました。議員に行政の監視者としての意義だけではなく、365日・24時間型市民としての意義を付加することにより、現役世代と高齢者との橋渡し的な役割を付与することが社会の質を向上させることにつながると思います。

もう少し敷衍(ふえん)すれば、公務員とはそういうものなのでしょう。

肉体的、精神的に社会貢献ができなくなった場合には、尊厳をもって生きるということに対して社会が感謝と敬意を持つことの証として年金を支払うことにすべきです。対象者の年齢は関係ありません。

[2004/05/03]  議員ボランティア条例

昨日の続き。

無為徒食というのは言い過ぎなのかもしれません。しかし、一般的な論調として、議員は無駄なものの代名詞のように扱われています。

要するに、民主主義にかかる経費が軽んじられているわけです。民主主義の軽視ではあります。ただし、そう言うだけでは問題の解決になりません。

議員が様々な分野でボランティアをすることを義務づける条例をつくればいいと思います(義務といっても強制力はありません)

これからの地方は、住民パワーに依存することが多くなります。高齢社会において、時間的なゆとりを持つ層が増えてきます。議員も市民の1人として、地域の事務に汗を流すべきです。行政の監視者を気取るだけでは済まない時代であるとの認識を持つべきでしょう。

議員が地域づくりの尖兵として先頭を切ることを宣言し、住民にアピールすることにより、これからの社会をリードする気概を示せば、住民の見る目は変わってくると思います。

「一年を二十日で暮らすいい男」から、365日・24時間型の市民として地域に貢献するのが議員であると再定義することができれば、議員の値打ちは確実に上がるでしょう。

もっとも、多くの議員からは、嫌味としか受け取ってもらえないでしょうが・・  

[2004/05/02]  無為徒食の輩

各地の市町村合併において、議会あるいは議員のあり方について、住民からの批判が頻繁に見受けられます。リコールや住民投票に発展する場合もあります。

在任特例(合併後一定期間、議員の任期を延長する)により議員の数が多くなる場合、小さな自治体の議員が大きな自治体の議員と同じ待遇になる場合に、住民が激怒するのがその例です。

この背景には、住民の議員に対する嫉妬心もあります。地方における議員選出のあり方は、能力主義とは程遠く、地縁・血縁、友人・知人の輪がものを言います。有権者から見て、自分達と能力に差がない連中、代表となる実質的根拠を持たない連中が、自分達より良い思いをし過ぎることに腹が立つということなのでしょう。

田舎の方に行けば行くほど、首長や議員の選挙は、飲食や金品が絡む、非合法的な富の移転(富の分配)による地域内福祉となります。

議員が「予定」より良い思いをし過ぎるということは、「地域内福祉」ないしは「富の分配」が「不公平」だったことになります。

議員というものは、所詮、なんら役に立たない無為徒食の輩(やから)である。有権者の議員を見る目はそんなところです。中央集権国家における地方自治など、誰がやっても同じ。可愛げのある奴、気前の良い奴にやらせておけばいい。それが有権者の本音だと思います。

無為徒食の輩であると思われている議員を地域のためにどの様に活用すべきなのか、あるいは、議員が無為徒食者と言われないためには如何にあるべきか。明日の「一言」で、この身も蓋もない議論をさらに展開したいと思います。

(注:地方議員で私のホームページを読んでいる方々は、議員としての自覚を持ち、真剣に地域の将来を案じ、悩んでおられます。私がここで想定しているのは、彼等以外の使命感なきぶら下がり議員です。)

[2004/05/01]  転職社会における年金制度

ブルータス・・・というか、菅代表に続き、鳩山由紀夫氏など、民主党からも「未納」の話が出て来ました。

野党の失策は与党の10倍のダメージがあります。自民党の政治家が高い志を持っているなどと思う迂闊(うかつ)な人はあまりいないと思います。スキャンダルが発覚するかどうかだけの問題だと考えるのが、世の中を多少なりとも知っている人の感覚でしょう。

自民党政治家のスキャンダルは、「やっぱり」で済んでしまいます。せいぜい、マスコミ的にどれだけ追いつめられるかが主たる関心事となります。

これに対して、野党の場合はそうはいきません。自民党に取って代わる清新なイメージが期待されている分、国民に強い失望感をもたらします。なんだか、清純派アイドルのスキャンダルのようではあります(平素はそれほどキャーキャー言ってもらえないのに・・)

私が「観客席」から「プレー」を見ていたときは、もっと成熟した政治感覚を国民が持つべきだと思っていました。しかし、「ブルペン」で投球練習している今の立場では控えるべきなのでしょう(と言いながら、書いてしましましましたが)

ところで政府・与党は、一連の未納問題の解決策として、@国会議員の歳費からの保険料天引き、、A閣僚就任などに伴う年金制度の移行がある場合、社会保険庁が速やかに通知する、B勘違いによる未納の場合、一定条件のもとで事後納付できる期間を現行の2年から延長すること、を検討しているようです。

根本的な問題を議論することなく、辻褄を合わせるだけの解決策です。転職が当たり前の時代になりました。「人生色々」であることを前提とした年金制度をどのように構想するか、「未納問題」の教訓を活かし、徹底的に議論すべきです。

民主党が向こうずねを打って痛がっているどさくさの中で、つぎはぎだらけの年金制度改革関連法案を通してしまおうとする政府・与党の悪巧みを、国民の「眼力」で阻止していただきたいと思います。

[2004/04/30]  閣僚、国会議員未納問題のけじめ

坂口力厚生労働相は28日の衆院厚生労働委員会で、納めなかった国民年金保険料をさかのぼって支払える追納期間を現行の2年から5年程度へ延長する考えを表明しました。

2年間の追納の時効を迎えたために徴収できなかった保険料が過去17年の合計で8兆円強に達していることが、厚労相の発言につながっています。

しかし、これでは現在問題になっている閣僚、国会議員の未納問題の解決にはなりません。年金制度の改革案を提出している内閣の一員が義務を果たしていなかったことは、制度への信頼を根本的に損なうものです。国会議員の未納も、国民の代表として年金問題を議論する前提を欠くと言わざるを得ません。

制度を一から見直さないと国民の不信感を払拭できません。加えて、「時効?」にかかった部分についてもキチンと支払ってけじめをつけなければ国民の納得を得られません。

公職者については、国民年金掛け金支払い義務の時効を廃止し、全額を支払わせるべきです。しかし、掛け金支払いの恩恵を受けさせるのも妥当ではありません。

緊急立法により、支払いを希望する現職閣僚、国会議員について(および、未納を潔しとしない国民)は全ての未納部分の支払いをさせるとともに、支払いに伴う恩恵に浴さない緊急立法を行うべきです(支払いを希望しない閣僚・国会議員は淘汰されるでしょう)。

その前提として、全閣僚・国会議員についての年金履歴を公表すべきです。色々と困ったことが明るみに出るでしょうが、膿は出し切るべきです。プライバシーを主張するのは、公人と個人の区別を知らない議論です。

ちなみに、私は25歳以降、国民年金または厚生年金に入っています。学生時代の25歳までは支払っていません。できれば、25歳までの分を国民の義務として支払いたいと思っています。この分の恩恵を受けたいとは思いません。

支払いたい者、支払うべき者の支払いを拒否するような鈍くさい制度を維持する理由はないと思います。

厚労相の役人が、ザルで水をすくうような現行制度を改革しようとしないのは無責任の極みです。所詮他人の金だから「バケツ」に穴が空いていても気にならないし、自分達も「つまみ食い」することに良心の呵責(かしゃく)を感じないのでしょう。

[2004/04/29-2]  祝・手づくり交流市場「町家」開業

伊予市中心市街地活性化のための事業の1つ、街の交流拠点、手づくり交流市場「町家(まちや)」が開業します。

街の顔となる施設であり、市民の交流スペースです。インキュベーション機能(新規事業者の立ち上がり支援)を有する施設であり、地域の産物を販売する施設でもあります。

[2004/04/29-1]  そして・・・誰も知らなかった・・

国民年金未納問題は、閣僚7人と菅・民主党代表の名前が挙がる結果となりました。

「赤信号、皆で渡れば・・・」ではありませんが、何となく一人ひとりに対するインパクトが乏しくなってしまいました。江角マキコさんのときは何だったんだと言いたくなります。

未納7閣僚と菅代表の場合について検討すると、それぞれ知っていて払わない場合でないことは明かであり、周囲の関係者の判断ミスが原因と考えられます。未納問題の原因の1つが浮き彫りにされた形です。

菅代表の場合など、厚生省のトップだったときの話ですから、厚生省の取り巻きがトップの身辺に遺漏がないかどうかをチェックすることができたはずです。

プロのはずの厚生省(現・厚生労働省)でさえ見過ごしてしまうほど訳の分からない制度を国民に押しつけているんだということが白日の下にさらされました。

制度の弱点を知っており、しかも国民年金未納問題の原因について真剣に考えている役人が1人でも厚労省にいれば、こんな体たらくにはならなかったはずです。「想定外の事態だった」という役人答弁が通用するのでしょうか。

政府・議会関係者の誰もが知らない、誰にも分からない制度を国会で議論しているのだという間抜けな事態を深刻に受け止めたいと思います。

[2004/04/28]  自然債務

債務者が自ら進んで債務を弁済(支払い)すれば有効な弁済となるが、債権者の側からは履行を訴求する(裁判所に訴える)ことができない債務を自然債務といいます。消滅時効にかかった債務がそうです。

麻生、中川、石破の国民年金「未納3兄弟」は、過去2年間しか保険料を支払えません。中川氏の場合、未納額が240万円にもなるようです。全額支払ってもらいたいものです。かと言って、「寄付」するのは公職選挙法違反になります。

この分野の専門知識がないので自信はありませんが、国が請求できない保険料を自然債務であると解釈して、国の受け取りを認めることはできないのでしょうか。

解釈上無理だというのなら、立法で解決すべきです。債務者が任意に履行した場合の話ですから、法律の遡及を認め、「未納3閣僚」にも支払う「自由」を与えるべきだと思います。

ただし、一般の未納者のことまで考えると、2年を超える過去の部分についても支払いを認め、一定の効果(割は良くないが、ある程度の見返りがある)を付与すべきです。

「公職選挙法違反」ということにも疑問を持ちます。学歴詐称の古賀潤一郎氏が歳費を返上すると叫んだときにも感じたことですが、すべての寄付を公職選挙法違反というのもおかしなものです。

議会の懲罰的決議があることを前提に支払わせればいいと思います。不名誉な場合の寄付が選挙に有利なはずがないのですから。

未納「3兄弟」に懲罰決議を!

[2004/04/27]  様々な無党派

25日の衆院補選の結果についての岡田・民主党幹事長の談話で、「埼玉8区は予想以上に投票率が低迷したことが主たる原因」であるとの分析が示されています。

投票率が低くなると旧来の自民党支持層に加えて、公明党の組織票の重みが増してきます。民主党サイドの「勝手読み」では、投票率が高くなると、無党派層が民主党に投票してくれるのではないかとの期待があります。

しかし、投票率が高くなっても無党派層が民主党に投票するとは限らないと私は思っています。

無党派層の中には、@かなり政治意識が高く、必ず選挙に行く方々と、A選挙の争点に関心がある場合には選挙に行くが、そうでない場合には行かないという人もいます。あるいは、B自分の1票に価値がありそうであれば投票する(ドラマティックな選挙を期待)が、そうでなければ評論家に徹するという人もいると思われます。

組織や団体に拘束されない都市型有権者とはそういう、つかみどころのないものです。ABの方々に重い腰を上げていただく選挙戦略が練られるべきでしょう。また、@の方々の「眼力」に耐えられる政治活動がなされているかどうかの検証も必要です。

党本部ではかなりの分析をやっているはずですが、「投票率が低かった」と言うだけでは、共産党が「反共攻撃に負けた」と総括するのとあまり変わらない話になります。

「自由な」有権者は確実に増えています。彼等は、「補選」の結果を注視し、今後の政局を観察しながら、「次回」の投票行動を決めるでしょう。

「年金国会」での自民党の態度、民主党の手際が試されています。「無党派」抜きでの選挙は考えられなくなってきました。

[2004/04/26]  0勝3敗

25日の衆院議員補欠選挙は、自民党の全勝でした。

景気が上向きであるとの報道がある中で、民主党のイメージ低下(学歴詐称問題、秘書給与詐取)があり、しかも、イラク人質問題を契機に内閣支持率が上向きになったことを考えると、「そうなのかな」という感想です。

しかし、7月の参議院議員選挙までには、まだまだ紆余曲折がありそうです。参議院議員選挙では、年金問題について有権者の皆さんの審判をいただきたいと思います。

報道には表れないこの国の深刻な事態を有権者の皆さんに伝えきれるのかどうか。参議院議員選挙と次期総選挙までの民主党の「宿題」です。

[2004/04/25]  下下の話題

民主党・菅代表が、国民年民未納の閣僚、麻生太郎、中川昭一、石破茂の3氏を「未納3兄弟」と呼んでいます。

小泉首相は「うっかりしてたんでしょ」とコメントしていますが、これはこの問題の深刻さを全く理解しない人の無責任な見解です。少なくとも、現行制度を前提に掛け金値上げの提案をしている政府の要職にある者が、「うっかり」で許される問題ではありません。

麻生太郎氏は、衆院補選の自民党候補応援演説などの日程を急きょ取りやめ。埼玉県所沢市内の自民党候補の選挙事務所には24日朝から「麻生氏を呼ぶべきではない」という支持者の声が寄せられていました。

中川昭一氏は、富山市で開かれた自民党県連パーティーで挨拶しようとしたところ、会場から「お前にしゃべる権利はない」「恥を知れ」などとヤジを浴びせられました。

麻生、中川、石破の「3兄弟」に共通する特徴は、「世襲」ということです。そして、選挙に強く「失業」を意識せずにすむことです。

一般庶民や、選挙で冷や冷やしている国会議員なら、老後を意識して、自分はどのくらい年金を掛けてきたかなと考える瞬間があるはずです。しかし、彼等3人にはそんな心配はなく、年金問題などというのは「下下の話題」でしかありません。

そういう人達に自分達の老後における最大の関心事である年金問題を議論して欲しくないというのが、庶民の偽らざる気持ちではないでしょうか。

しかも、彼等は江角マキコさんのような「女優」ではなく、その道の「プロ」のはずです。もしや、政治に無関心なので「うっかり」していたのか・・・ あり得なくはない・・

彼等の「功績」を挙げるとすれば、現在の国民年金制度には「うっかり」したり、無関心であることにより、「未納」を必然的に生み出す欠陥があること、および、年金制度の「一元化」が必要であることを自ら証明してくれたことです。

閣僚未納問題が「3」兄弟で済むのかどうか、しばらく見守りたいところです。

[2004/04/24]  「公務多忙のため」

4月14日の「一言」で述べた国民年民未納の閣僚が実在しました。麻生太郎、中川昭一、石破茂の3氏です。他の閣僚は会見でいずれも滞納・未加入はないと答えましたが、加入期間を詳細に明らかにしたのは坂口厚労相だけであり、これ以外にいるかどうかは不明。

女優の江角マキコさんが国民年金未納だったことが発覚したとき、かなりの反響がありました。江角さんは、CM降板、出演料返還ということになりました。

江角さんの件について、当時のニュースをたどると、安倍・自民党幹事長は、「国民年金に対する信頼感が少し棄損された気もする」と遺憾の意を表明。福田官房長官は、「いやあ、面白い話というか、深刻な話。ちょっと間が抜けたような感じもする」、「あえてそういう人を選んだのかなあと。どうなのか、私自身測りかねる」と苦笑しながらの感想。

国民年金の空洞化が問題になっており、政府が提案する年金制度の改革案では早晩制度が崩壊するのではないかとの懸念も広がっています。

閣僚レベルでも、最低16.7%の空洞化率。これで国会に「改正案」を提案するのは自己矛盾も甚だしいと思います。少なくとも、発覚した3閣僚については、江角さん同様、閣僚降板、歳費返納が必要ではないでしょうか。

週刊ポストが閣僚に国民年金保険料納付状況を質問したところ、多くの閣僚が「公務多忙」を理由に回答しませんでした。

再度の質問に対しての回答でも、麻生太郎氏「公務多忙のため回答できない」、亀井義之氏、「個人のプライバシーに関わることは答えない」、中川昭一氏「プライベートなことなので、回答は差し控える」、石原伸晃氏「政策的な問題に絡むため、無回答」、福田康夫氏「個別の取材には応じられない」、竹中平蔵氏「公務多忙のため答えられない」・・・・石破茂氏は「払っている」と回答しています。

週刊誌を見下しての不誠実な回答なのかどうか分かりませんが、「公務が多忙」だからこそ、国会議員には税金で公設秘書を付けているのであり、閣僚の場合はさらにスタッフが充実しているはずです。国民生活の根本となる制度の審議がなされている中で、閣僚が自分自身の義務を果たしているかどうかということは厳格に説明責任が果たされるべき事項です。

安倍幹事長風にコメントすれば、「(国民年金だけでなく)小泉内閣に対する信頼感が少し棄損された気もする」。

福田官房長官風にコメントすれば、「あえてそういう閣僚を小泉首相が選んだのかなあと。どうなのか、私自身測りかねる」。

[2004/04/23]  世間の目

我が国では、世間の目を意識して自己規制する傾向が顕著に見られます。犯罪者の家族の場合、ともすると世間の目に耐えきれず、引っ越しを余儀なくされることがあります。

私は従来、世間の目というのはそれを意識する本人の心の中にあるのであって、個人主義が徹底すればなくなる性質のものだと思っていました。

今回のイラク人質事件で驚いたのは、「世間」が実態をもって被害者の前に立ちはだかったことです。

インターネットに被害者の住所が掲示され、大量に中傷の手紙が届いたそうです。先にインターネットでの書き込みのことを取り上げましたが、執拗な攻撃が続くものです。

自己規制型社会の陰湿さが助長されることに危険なものを感じます。全体主義的な相互監視の仕組みがインフォーマル(非公式)に出来つつあるようで、暗澹たる思いです。

[2004/04/22]  安倍晋三型・ピリピリ保守

安倍晋三・自民党幹事長の記者会見をテレビで見ていると、常にピリピリした感じが伝わってきます。厳しい論調が多いようですが、伝わってくる周波数に余裕のなさが感じられます。

幹事長の重責に実力がついていかないということもあるでしょうが、思想的な包容力がないということもあるように思います。

元来の自民党は、陽性で自堕落でおおらかな政党だったように思います。「清濁併せのむ」といった、いい加減な処世術を本旨とし、現実的で中庸を好むスタンスでした。

今回のイラク人質事件を通して思うのは、現政権幹部の、特に世襲議員の偏狭さです。彼等の親父さんは、辛く悲しい戦争体験もしながら、他方で汚職(まがいのこと)や、「英霊達」には顔向けできない諸々のこともしながら、靖国神社で拝礼をしていました。大いなる矛盾を抱えての政治でした。

戦争のことを思い出すと涙ぐんでしまうような親父達の時代が終わり、倅達は、親父の引いた路線を順調に歩みました。しかも、颯爽(さっそう)と。親父達の薄汚さはなくなりましたが、「情」も失いました。

彼等が中心となる政権の怖さは、自らはリスクを負わずに出世しながら、嫌いな国民には「自己責任」を説くアンバランスにも表れています。

寛容の精神なき、ピリピリ保守の時代がやってきました。政権交代なき中選挙区型保守政治家と政権交代の悪夢にうなされる小選挙区型保守政治家の違いなのでしょうか。右肩上がりの時代と右肩下がりの時代の違いなのでしょうか。

政権末期を示す一断面のようにも思えます。

[2004/04/21]  地域内三国志

市町村合併により、各地で新しくできた自治体の首長選挙が行われています。旧自治体の首長の対決になったり、県議が首長を狙ったりで、形態は様々ですが、多くの場合、旧自治体同士の地域間対立の様相を呈しています。

このことを指して、私は「地域内三国志」と呼ばせてもらっています。誰が「天下」を統一するのか、どの地域が「勝つ」のか、そのことが地域最大の関心事になります。

地域内三国志の時代が続けば続くほど、自治体が内向き志向になり、「人事」に関心が向くことになります。その間、本当に大切な地域づくりがおろそかになります。

このことを予想していたので、私は市町村合併に反対しました。地方が地域づくり・まちづくりに全精力を注がなければならない正にその秋(とき)、三国志の時代がやってくることになりました。

今回の半強制的市町村合併には、中央が大づかみに地方を統治できるという支配者側のメリットと、経費を節減できるという地域経営上のメリットしかありません。

いち早く三国志の時代を卒業し、自治体の一体性を確保して地域づくりに一丸となって取り組む態勢をつくらなければ、地方の衰退を防ぐことはできません。

新自治体の首長が、「我田引水」をどれだけ慎み、全体利益を考慮しながら対外的に発信できる地域づくり・まちづくりを目指せるかどうかがポイントになります。

住民の皆さんには、選挙後の「論功行賞」に明け暮れるボンクラ首長を選ばないようお願いします。

[2004/04/20]  自己責任論

イラクで拘束された残り2人も解放され、めでたしめでたしではありますが、高遠さん、今井さん、郡山さん、3人に向けられた「自己責任論」が気になります。

この国も心の狭い国になったものだと嘆きたくなります。危険な地域(と断定するとイラク派兵の正当性が問題になりますが・・)にわざわざ行くのだから、その責任は自分が取れ。政府が助けてくれるなどと安易に思うな。費用負担もすべきだ・・・

かくなればかくなるものと知りながら、やむにやまれぬ大和魂

吉田松陰の歌です。1853年、浦賀沖にやって来たペリーが武力でわが国に開国を迫りました。翌春、幕府はこれに屈伏する形で、日米和親条約を結びます。吉田松陰はこれを見て憂いました。

松陰は、日本の国力増大の必要性を痛感。外国の軍事技術や海外事情を知らずして国策を立てることは難しいと判断し、国禁である海外渡航を企てます。しかし、密航の企ては失敗し投獄されます。

3邦人を松陰と同列に扱うつもりは毛頭ありません。しかし、松陰のように国禁を犯してまで自己の志に忠実に生きた幕末の群像があったればこそ、我が国が植民地になることなく近代化に成功したのだと思います。

現在の日本に、「自己責任」論者のような体制順応型の者しかおらず、1人の民間人もイラクに渡航せず、自衛隊だけが現地にいるような国であったとするならば、この国の衰退は火を見るよりも明らかだと思います。

ボランティアやNGOはもとより、知る権利に奉仕するジャーナリスト達(自称であれ何であれ)が危険を承知でイラクにいることの大局的意義を重視したいと思います。

いささか国家主義的な見地ではありますが、1人の冒険家もいないような軟弱国家に将来の発展があるとは到底思えません。

なお、医療費や帰国のための旅費(一般の方が支払う額)の自己負担は、「自己責任」などと肩を怒らさなくても、当然の対価として支払ってもらえばいいと思います。

[2004/04/19]  菜の花プロジェクト、雑感

大きな広がりが可能な取り組みです。環境問題、資源リサイクル、休耕地の活用、地産地消、食料自給率改善、景観形成、農村部の地域振興等々のテーマが絡み合ってきます。

菜種油でディーゼルエンジンを動かすということに対しては、我が国とドイツなどの諸外国とで考え方が違うようです。石原都知事のようにディーゼルエンジンを敵視する考え方を見直す必要があるかもしれません。

静岡県立磐田農業高校、滋賀県立八幡工業高校、岡山県立興陽高校、同・水島工業高校の生徒諸君のリレートークで、菜の花プロジェクトへの取り組みが紹介されました。

地域の中で、高校が積極的な役割を果たしていきたいとの意気込みに感心しました。座学では得られない実習・実験による体験の意義を認識させていただきました。

菜の花プロジェクトに立ちはだかる菜種油精製のコストの問題について今後の課題にしたいと思います。

ちなみに、菜種油はかつて日本中で造られていたものですが、いまは外国(カナダなど)からの輸入に頼っています。

[2004/04/17〜18]  菜の花プロジェクト

静岡県大東町で菜の花学会(楽会)見学。

転作田に菜の花を植え、なたねを収穫し、なたね油にします。なたね油は料理や学校給食に使い、搾油時に出た油かすは肥料や飼料として使用。廃食油は回収し、石けんや軽油代替燃料にリサイクルする・・という循環サイクル。

さらに、養蜂との連携、菜の花の観光利用など、地域内のより広く深い資源循環サイクルへの展望が期待されるプロジェクトのようです。

17日早朝出発。車で。

[2004/04/17]  鉄人28号

私たちの年代では、鉄人28号が面白かったと思う人と鉄腕アトムが面白かった人とに分かれます(男子の場合)。

私は鉄人派でした。ブラックオックス、ギルバートなどとの戦いにワクワクしました。私の机には鉄人の模型があります。

月刊漫画雑誌「少年」が出るのを首を長くして待っていた頃を懐かしく思い出します。付録も楽しみでした。

鉄人28号の生みの親、漫画家・横山光輝氏死去。ご冥福をお祈りします。

[2004/04/16]  拉致被害者それぞれ

先週イラクで拉致された3邦人解放のニュースが飛び込んできました。しかし、それより先に2人の邦人フリージャーナリストが拉致された可能性があるとのニュースもありました。

イラクにおける拉致問題に注目が集まっている中で、北朝鮮による拉致被害者の報道も見逃せません。

帰国後1年半になる蓮池さん夫妻、曽我ひとみさんの会見がありました。「親と子がなぜ一つになって暮らせないのか。外交カードのようなことに利用されるのは我慢できない」と、蓮池さんの談話。進展のない状況にいら立つ心情が吐露されています。

個人の平穏な幸せが踏みにじられた北朝鮮拉致事件。国際社会の荒波の中に徒手空拳で乗り込んだ個人の身に起こった事件。

平穏な幸せが侵害されない自由と目的意識をもった活動の自由。静的自由と動的自由の侵害が問題となる、それぞれの事件です。

[2004/04/15] 福岡地裁・違憲判決への現職裁判官の批判

小泉首相の靖国神社参拝を「違憲」と述べた福岡地裁の判決(4月12日「一言」参照)に対し、横浜地裁の現職裁判官が、15日発売の週刊新潮で、「主文に影響を及ぼさない憲法問題を理由欄にあえて書くのは『蛇足』というほかはない」と、痛烈な批判を浴びせています。一般誌で現職裁判官が裁判批判をするのは異例です。  

「結論に至った理由は、参拝が違憲かどうかということと全く関係がない」「元来、裁判所はこの点について判断する権限を持たず、それをあえてするのは裁判所の越権」などとした上で、「マスコミ向けのスタンドプレーをし、当事者の一方に肩入れしすぎる裁判官が多い」と指摘しています。

さらに、〈1〉勝訴した側(この場合、小泉首相)が上訴できず実質的敗訴者となり、「濡れ衣」を晴らせなくなる〈2〉司法が政治化し、中立性が喪失される――などの「弊害」が生じると懸念を表明。「裁判所は裁判の独立を守るためにも政治的な動きに巻き込まれてはならない。蛇足は厳に慎まなければならない」と結んでいます。

(コメント)

司法消極主義(裁判所は国民に選ばれていない非民主的機関であり、また違憲審査権は個別の事件を解決するために付随的に認められたものであるから、基本的には政治部門の判断を尊重すべきであり、憲法判断をしなくても結論が見いだせる場合には憲法判断をすべきではないとの考え方)に立脚した見解であり、優等生的な裁判官の考えを示したものです。

確かに、原告の請求を棄却するのに、わざわざ小泉総理の行為を憲法違反だと言う必要はないとも言えます。

しかし、憲法が最高法規であり、裁判所が「憲法の番人」であるということを重視する司法積極主義的な考えからは、違憲状態に目をつむることは妥当ではないということになります。

専門家の多くは、横浜地裁の裁判官の意見を支持するでしょう。しかし、これまで日本の裁判所は違憲判決に慎重というより臆病であって、ここでは憲法を判断すべきだと思われる場面でも「消極主義」を貫いてきました。

司法消極主義が裁判官としての出世のための方便に過ぎず、結果として、裁判所は「見ざる・聞かざる・言わざる」機関になりさがってきました。

横浜地裁の裁判官の優等生的無責任主義に対し、私は強い違和感を覚えます。

[2004/04/14]  国民年金に入らない閣僚・議員

国会議員は、1986年以降国民年金に強制加入となっています(企業などの職員を兼務している場合は厚生年金に加入が可能)。ところが、入っていない人が相当数いるのでは、ということが問題になっています。

民主党が全閣僚・副大臣・政務官の公的年金加入歴を公開するよう求めています。

今週号の週刊ポストでは、小泉首相が国民年金に加入しているのか疑問である旨の記事が掲載されています。同記事によると、小泉首相を含む全閣僚に緊急調査したところ、小泉氏は無回答であり、多数の閣僚が「公務多忙のため回答できない」との「回答」を寄せています。

自分が国民年金に加入しているかどうか分からずに年金問題を議論しているのでしょうか。これも凄い話です。週刊ポストでは、就職経験のない2世議員が怪しいと書いています。

先日、女優・江角マキコさんの国民年金未納問題が大きく報じられましたが、閣僚や議員が未加入では話になりません。

ところで、民主党は返り血を浴びないだろうなぁ。いや、返り血を浴びても追求すべきです。

[2004/04/13]  視察研修は宝の山

議員の視察研修というと、無駄なもの、あるいは遊びの最たるものと思われており、私も視察研修というと家族にたいし肩身の狭い思いをしました。

しかし、私の視野を広げてくれたのは視察研修でした。他の自治体を研修する場合、一般の方がその自治体を訪れても、観光以外の要素について学ぶことは困難です。

議会の視察となると、その自治体の担当責任者が丁寧に説明してくれます。質問事項さえ適切に用意していれば、これほど勉強になる機会はありません。

私の場合、議員生活を通じて視察地・視察目的について希望をかなえていただき、大変為になりました。予習・研修・復習をきっちりやるならば、視察研修は宝の山だと思います。

もちろん、慰安旅行の一種だと考えている人もいます。

[2004/04/12]  福岡地裁での違憲判決

時期を失してしまいましたが、先日の小泉首相靖国参拝違憲判決について。

小泉首相の就任後初めての靖国神社参拝が政教分離を定めた憲法に反するかどうかについて争われた訴訟の判決で、福岡地裁は7日、「参拝は公的なもので、憲法で禁止された宗教的活動にあたる」と述べ、違憲と判断しました。

判決はまず、(1)公用車を使用している(2)秘書官を随行している(3)「内閣総理大臣小泉純一郎」と記帳した(4)名札をつけて献花を行った(5)参拝後に「内閣総理大臣である小泉純一郎が参拝した」と述べた、という一連の事実から、首相の職務の執行と位置づけました。

これは常識的な判断だと思います。(こっそり、タクシーでもひろって行けよ。スタンドプレーするんじゃない!金は自分で出せよ、ケチ!とでも翻訳しときましょうか。)

続いて、従来の政教分離訴訟で判断基準とされてきた「目的効果基準」に基づいて、参拝の行われた場所、その行為に対する一般人の宗教的評価、行為者の意図・目的、一般人に与える効果・影響を検討しています。

そして、参拝を「宗教とかかわり合いを持つことは否定できない」とし、「自民党や内閣からも強い反対意見があり、国民の間でも消極的意見が少なくなかった。一般人の意識では、参拝を単に戦没者の追悼行事と評価しているとはいえない」と指摘。さらに「戦没者追悼場所としては必ずしも適切でない靖国神社を4回も参拝したことに照らせば、憲法上の問題があることを承知しつつ、あえて政治的意図に基づいて参拝を行った」と批判しました。

そして、「参拝が神道の教義を広める宗教施設である靖国神社を援助、助長する効果をもたらした」ことも考えあわせ、「社会通念に従って客観的に判断すると、憲法で禁止される宗教的活動にあたる」と結論づけました。

要は、小泉さん、分かってやってるんだろ、ということです。小泉氏の靖国参拝は、憲法秩序に対するあからさまな挑戦です。憲法の番人たる裁判官が受けて立ったという意味では素晴らしい判決です。

こういう気概のある裁判官が少ないことが我が国司法の悲劇です。

逃げ回る裁判官だけじゃないよ!そういう意味合いが行間に含まれています。

[2004/04/11の2]  解放後

イラクの邦人3人が解放されるとの報道がありました。有為の青年達の命が助かることに安堵を覚えます。

心配なのは、解放後です。NGOやボランティア、フリーの報道関係者が活動できなくなるのではないでしょうか。このことを契機に、彼等はイラクにいる限り「アウトロー」であると宣告をされることが考えられます。

自衛隊よりもはるかにイラク国民および日本のためになっている彼等がアウトロー宣告をされて活動を制約され、逆に、大義なき自衛隊が文字通り「自分の身を衛る為にのみ存在する部隊」としてイラクにアリバイづくりのために張り付くことになります。

自衛隊が犯人の要求で撤退するという不名誉は避けられました。この機会をとらえて自衛隊が引き上げ、NGOやボランティアに任せることを考えるべきです。

日本国民はおおむね好かれているのですから。といって、危険でないとは言えませんが。

[2004/04/11]  高遠さんのHP、掲示板閉鎖

(ニュース)

イラクで人質になった高遠菜穂子さんのホームページに事件報道後、アクセスが殺到。本人が海外からの連絡に使っていた掲示板には、心配の声よりも批判や中傷が圧倒的に多かったといいます。このため掲示板は1時間足らずで閉鎖されました。

HPは、高遠さんが実家のある北海道千歳市でフリーペーパーを発行した99年ごろ、地元の友人が立ち上げました。高遠さんがボランティアで海外を訪れるようになると、掲示板を知人との連絡に使っていたということです。 

HPへのアクセスは事件報道から丸一日たった9日午後9時までに十数万件あり、掲示板には報道後45分で約90件の書き込みがありました。 

大半は、批判や中傷。「こんな時期に民間人がイラクに行ったらいかんよ」「自業自得。リスクは承知の上で行ったんでしょ」という具合。同じ内容が繰り返し書き込まれている例も多かったようです。

(コメント)

高遠さん達は、避難勧告が出ていたイラクに危険を承知で乗り込んだのですから、我が国が助けてくれるとは思っていないでしょうし、助けることは現実に困難でもあります。

拘束された3人がイラクに赴いたことに批判的な方がいることもよく分かります。しかし、不幸の最中にある人に向かってわざわざ身を乗り出して批判することもなかろうと思います。

家族が助けてくれと訴えるのは心情として理解できます。しかし、これもノイズ(気に障る騒音)としてしか感じることができない人がいるようです。

3人に甘さがあったかどうかはさておき、やはりここは無事を祈るべきではないでしょうか。

戦前、日本共産党の活動家が特高警察に捕まり、転向したり仲間を裏切ったりして、仲間同士が修復しがたい対立を抱える場合があったようです。

宮本顕治氏のように、非転向・獄中12年という不屈の精神力を持った人物もいました。しかし、多くの人達は傷つき悩みながら転向という道を選びました。

「筋を通せないのは信念が足りなかったんだ」「判断力が欠けていたんだ」等々、いくらでも批判することは可能でしょう。

しかし、加虐的であったり自虐的であったりしすぎるのもどうかと思います。自分や他人をもっと肯定的に評価してはどうでしょうか。

危険なイラクで自分のやりたいことをやろうとした彼等3人は、大したモンだと私は思っています。こういう若者もいるんだと率直に感動しました。

[2004/04/10]  自己の危険において

今回イラクで拘束された3人の邦人は、イラクが危険であることを百も承知で現地に赴いたのであり、最悪の結果が待っていたとしても誰にも文句が言えない立場でした。「自己の危険において」(結果についての責任は自分が負う)イラクでの活動を決断したとも言えます。

ここが1977年のダッカ事件との違いです。ダッカ事件の被害者は、偶然事件に巻き込まれたのであり、積極的に危険地帯に乗り込んだのではありませんでした。

しかし、今回の邦人達は強い使命感と高い志を持って活動しようとしたのであり、同胞として誇りに思える方々です。ボランティア活動について言えば、本来政府がイラクのために活動を支援してもよいものです。彼等を見殺しにしてはいけません。

そうは言っても、卑劣な犯人の要求に屈するべきではありません。同様の犯罪が続発することにつながるからです。

「しかし」と、もう一度反転せざるを得ません。そもそも、政府が自衛隊を派兵したのはイラクの人々のための「人道支援」が目的です。そうだとすれば、邦人の危険が目前のものである現在、「人道支援」が邦人の命より重いと言いきれるのかどうか疑問も出てきます。

日本政府の掲げる「正義」が中身のないものであることが問題だと思います。所詮は、ブッシュ政権の恫喝に屈した派兵ではないでしょうか。昨日述べたように、「大義」に疑問があるのです。

(ブッシュの恫喝)>(誘拐犯の恫喝)or             (ブッシュの恫喝)<(誘拐犯の恫喝)という話にも見えます。

どっちに転んでも卑屈。そんな感じがします。

[2004/04/09]  ダッカ事件

1977年、パリ発羽田行きの日本航空旅客機が日本赤軍にハイジャックされ、バングラデシュのダッカ空港に着陸した後、犯人グループが人質の身代金を要求するとともに、日本で服役・拘留中のメンバーの釈放を求めました。要求が拒否された場合、回答がない場合は人質を順次殺害すると警告。

福田赳夫首相が「人命は地球より重い」として、身代金の支払いおよび、超法規的措置としてメンバーの引き渡しを決断しました。

4月8日、イラクで日本人3人が拘束され、犯人側から、自衛隊が3日以内に撤退しなければ3人を殺害すると警告しているとの報道がありました。

ボランティアやNGOの人を人質に取る犯行。八つ当たりというか、何でもありというか、実に卑劣です。3人の安否が気になります。

ダッカ事件の時とは時代が変わりました。小泉首相、安倍自民党幹事長の人柄からすると、あっさり「人命より国益」という結論が出そうな気がします(「テロに屈するな」と言うんでしょうが)。皮肉なことに、官房長官は福田赳夫氏の息子。

自衛隊派兵に大義があるならば、簡単に撤退すべきものではないと思います。しかし、派兵に大義がなく、小泉政権存続のために派兵したのですから、この場合は政府が派兵決断の誤りを認め、人命に重きを置くべきだというのが私の結論です。「政権益」だけに固執すべきではないと思います。          

問われているのは大義です。 (4月8日午後11時記述)

[2004/04/08]  議員年金の廃止

思い付きの発言としか言いようがありませんが、小泉首相の議員年金を今国会中に廃止すべきだという発言が波紋を呼んでいます。

小泉氏自身が国会議員であるとは言え、行政府のトップが国会の問題に嘴(くちばし)を挟む行為です。

問題提起と前向きにとらえるとしても、国会議員の地位についての理解と政治のあり方全般についての見識が示されなければ、選挙向けのアドバルーンと取られてもしかたがないと思います。

国会議員になる人物が議員を辞めても生活に困らないという前提がなければ、退職金がない状態での議員年金の廃止を進めることには問題があります。

生涯議員であるというような特殊な人、世襲で苦労なく長期の議員生活を送った人、政治家稼業(家業?)で十二分に蓄財ができた人などは辞めても安泰の人生が約束されているのでしょう。

しかし、政治の世界に必要な人材とは、様々な世界を体験した上で、その経験や見識を国のために役立てたいと考えるような人物であって欲しいし、しかも、そういう人物が初期の志を維持するには長期に国会議員の地位に留まることは望ましくないと思います(権腐十年)。

一定以上の待遇がなければ、厳しい政治の世界に良い人材を供給することは困難です。多くの人は、政治の世界に進もうとすると、家族の強い抵抗に遭(あ)います。

各地で活躍中の民主党の議員や予定候補の多くは金がありません。よくもこれまでの地位を捨ててリスクを取ったものだと感心します。彼等のような人物が出てくることは自民党にとって脅威ではあるでしょう。

退職金なしの議員年金廃止は、庶民から人材が出てくることを阻止することになります。議員を辞めると退職後の生活が苦しいということになると、必要以上に長期の議員生活を送らなければならないことにもなります。

小泉氏の発言は、一般の方の嫉妬心を背景にした選挙向けのパフォーマンスに過ぎません。あるいは、俺は年金をもらわなくても大丈夫だよというだけの話です。

世襲議員とは気楽なモンだ。

[2004/04/07]  郵便局と町役場が合体 

(ニュース)

高知県東洋町の2カ所の役場支所が、それぞれ近くの特定郵便局内に移転しました。

全国初の試みです。1カ所で郵便局と役場のサービスが受けられ、住民の利便性が増すほか、役場の経費削減にもつながります。
 

移転先の郵便局には、役場職員1人が常駐します。窓口を設け、従来の支所と同様、税金納付や老人医療費の申請、町立施設の申し込みなどの行政事務を担当します。郵便局員も法律で代行が認められている印鑑登録証明書などの交付事務を扱います。
 

これまで両支所には職員が2人ずついましたが、1人になることで人件費削減につながります。支所の管理費もいらなくなり、年間約300万円の経費削減が見込めるということです。

(コメント)

過疎地域の郵便局には様々な役割が期待されています。役場との合体も1つのあり方でしょうし、地域のコンビニとしての役割も期待される場合があるでしょう。

地域における様々なサービスの提供が、従来の垣根を超えて行われることは、少ない経費でサービスが提供されることになり、望ましい方向だと思います。

しかし、効率のみが追求され、自治というものが住民の意思を決定するシステムであるということが等閑視されることになってしまう危険もあります。

住民が統治の客体としてのみ存在することになってしまうことが、民主主義の衰退に繋がることを指摘しておきます。

[2004/04/06]  太田市のホテル満杯

昨年伊予市議会で視察した群馬県太田市のホテルが満杯だという記事を読みました(4月5日の日経新聞)

大型ショッピングセンター開設、自動車産業が堅調という事情もあるようですが、取り分け清水聖義市長の施策がユニークであることが大きいようです。

構造改革特区構想第1号に認定された英語特区への関心が高く、昨年度の視察が200件にものぼったそうです。太田市を中心に視察日程を組むところが多いと言います。

近隣にさしたる観光地のない工業都市・大田の14件のホテル(970人収容)の客室稼働率は80%を超えます。客室稼働率が80%を超えると常時満室の印象を与えるそうです。

しかし、年間200件もの視察があるにもかかわらず、丁寧に扱っていただきました。

第3セクターが運営する地ビールレストラン「ヨラッセ」にもう一度行ってみたいと思います。

[昨年の一言、5月26日31日、6月1日6日などに太田市のことを書いています(アーカイブに保存)。]

[2004/04/05]  支持は自民、票は民主

昨年11月の総選挙で自民、民主の二大政党化が進んだ背景に、与野党伯仲を願う有権者の意識があったことが、朝日新聞と東京大学蒲島郁夫研究室との共同の有権者モニター調査で明らかになった・・・との記事が朝日新聞に掲載されました。

記事によると、9月時点で支持政党なしと答えた無党派層が、総選挙時には23%が自民支持になり、16%が民主支持に廻ったのを上回りました。しかし、比例区の投票では民主36%、自民24%となり、民主党を勝たそうとする方向への投票行動を行っています。

有権者の投票行動は、何となく分かる気がします。無党派に限らず、選挙区と比例区とを使い分けたり、選挙前の世論調査で与党が勝ちそうだから民主党に入れてバランスを取ろうとしたりするものなのでしょう。

自民党は公明党の支援がなければ多くの候補が当選ラインに達しないとも言われています。しかし、仮に自民党が公明党を切った場合、自民党に戻る票もかなりあるのではないでしょうか。

自公連立は、多くの保守系有権者が民主党を支持してくれる切っ掛けになるという効果もあります。保守系の有権者が政権交代を決断してくれることが、この国の政治の流れを変えることにつながります。

保守系=自民党の図式を崩してくれたという意味では、自公連立は評価できる面があります。

[2004/04/04]  敷島の

敷島の大和心を人問はば 朝日に匂ふ山桜花

本居宣長が歌った桜の花が、あるいは武士道とも結びつけられ、日本人の精神世界を象徴するものとして尊ばれてきました。

桜の散り際の潔さには、利害打算を超えた透明感のある人の生き方に似た美しさがあります。

しかし、支配階級である武士の生き様としての大和心が、ともすると被支配者である国民の心構えのようにミスリードされてきました。

花よりダンゴの自民党が、国民には我慢を説き、テロに屈するなと檄(げき)を飛ばす様は、醜悪の一語に尽きます。

花の宴たけなわの今日この頃、桜の花の如く潔く散っていった英霊達に、この国が真に世界から精神のあり方の潔さで尊敬される国家となるよう努力することを誓いたいと思います。

[2004/04/03]  与党の審議拒否

テレビ・新聞などの報道を見ると、野党が審議拒否をして国会が空転しているというようなニュースが出てきます。

言論の府である国会であるから、野党は審議拒否をすべきではなく、堂々と論陣を張るべきであると批判されたりします。

しかし、実際には与党の審議拒否の方が多いのです。これは報道されません。

国会の議題は与党が認めたものだけが取り上げられ、与党に都合の悪いことは却下されます。何を議題にするかということが多数決で決まるので、与党に都合の良いものだけが「審議」され、与党にとって都合の悪い野党側の議題は却下されたり棚晒(たなざら)しになったりするのです。

議論を尽くした上での多数決というのではなく、多数決で議論そのものをしないことにしている例が多いのです。

このことに論及することなく、野党の審議拒否はけしからんという論調をする報道機関の見識のなさは批判されるべきだと思います。

野党の国会議員のホームページで、このことをはじめて知りました。

[2004/04/02]  「地方再生交付金」

政府、自民党は、2005年度から地方自治体を対象とした「地方再生交付金」を創設する方針を固めました。

教育や医療、農業の各分野で地方自治体から企画を募り、有望な案には重点配分します。初年度は数千億円規模となる見通しです。本格的な税源移譲が実現するまでの暫定措置だということです。
 

やはり、そういうことだったか。

小泉内閣は、(1)補助金の削減(2)国から地方への税源移譲(3)地方交付税の見直し、をワンセットで進め、自治体の財政基盤や自立性の強化を目指す「三位一体改革」を「小泉改革」の1つの柱としています。

しかし、税源移譲が進まないままの補助金・地方交付税削減が地方自治体を直撃し、地方財政を破たん寸前に追い込んでいます。

地方の不満が沸騰しており、参議院議員選挙が戦いづらいことから、選挙対策として地方再生交付金の構想が浮上したものと言えます。

自民党幹部は「競争させて予算をつける。ばらまきではない」と強調しています。

なるほど。競争させるとは、企画の善し悪しではなく、選挙の論功行賞の意味でしょう。

要するに、地方自治体を参議院議員選挙での運動に駆り立てるための「施策」だと考えられます。

[2004/04/01]  信州の幹部職員採用

長野県(信州)は、全国からの公募で、10人を部長など幹部ポストに4年の任期付きで採用すると発表しました。

ベルギーのチョコレートメーカー、ゴディバの日本法人のシニアマーケティングマネジャーをはじめ、イベントプロデューサー、元女優、歯科医等々、多彩な経歴の持ち主がいます。

これからの地方自治体は人材の多様化が必要です。生え抜きだけでは無理があります。様々な角度から地方政治を見直す必要があるからです。中央に従うだけの地方では、これからの発展は期待できません。

それにしても、田中知事が議会に提案した知事部局などの組織を大幅に改編する条例案を否決した長野県議会の遅れ具合が目立ちます。

条例案は、知事部局などのすべての「課」を「チーム」に変更し、「係」も廃止する計画で、意思決定を速めるのが狙い。組織名は田中知事が提唱する「信州」とする予定でした。

県議会議員選挙のあり方が、守旧派を温存する仕組みになっていることが、議会が変われない原因です。県議会議員選挙で1人区などの少人数選挙区は廃止すべきです。5人区を基本とすべきです(以前にも述べましたが)

[2004/09/30]以前の「一言」は、アーカイブにあります。