2002年6月24日 合併反対論ホーム反対論目次資料庫目次

伊予市TMO(まちづくり推進機関)第三セクター
株式会社まちづくり郡中代表取締役就任の御挨拶

(第1回定時株主総会後に開催された伊予市中心市街地活性化交流会においての挨拶文)
                                              
                         <平成14年6月24日伊予市民会館にて>


私、玉井彰は、取締役の方々の中では、経験も浅く、実績も乏しい者であるにもかかわらず、今回、大役を命ぜられ、身の引き締まる思いです。泉・前社長は、中村佑・伊予市長との連携により、愛媛県に前例のなかった第三セクターによるまちづくり会社の創立という困難な事業を達成され、会社の礎を築かれました。泉・前社長の御努力に対し心より感謝申し上げます。

伊予市TMO・第三セクター株式会社まちづくり郡中は、今期、街の顔ともなり、収益の柱ともなる「街の交流拠点」事業を開始する為、コンセプト調査事業を、前期に引き続き行なう予定でおります。各種事業の広報・PR、ホームページの運営、Uターン情報の把握等のセールスプロモーション事業についても積極的に推進いたします。

ここで、皆様に御理解頂きたいのは、この会社は、収益の上がらない事業でも、伊予市中心市街地を市民にとって便利で魅力ある公共空間とする為の事業については、全力で取り組むことが予定されていることです。今期事業計画にある、1人乗り電動自動車(タウンモビリティ)貸出事業の実験的実施は、「超高齢社会」における中心市街地の役割を意識したものです。また、まちなみ協定づくりの支援は、地域資源を活用し、街の個性を演出することによる、地域イメージ向上を目指しています。地域社会における相互扶助と信頼関係を促進する地域通貨の調査研究も行う予定です。これらの事業は、「営利」の観念で縛られる一般の民間企業では、到底なし得ないものであります。

市民の生活を便利にし、地域コミュニティーの核となる魅力的な公共空間となることが、中心市街地に期待されています。中心市街地は、社会的需要に対応する新たな都市型産業を生み出すインフラ(即ち、産業基盤)でもあります。中心市街地のグレードを高めることは、地域の産業振興につながり、自治体および市民全体の利益にも合致します。

この会社では、取締役は無報酬であることが定款で定められております。会社の利益配当は「街の発展と市民の幸せ」であります。取締役一同が、純粋な気持ちで、私心なく、街の発展に寄与し、行政と連帯することによる社会的信用と、株式会社組織の機動性とを最大限活かし、本日お越しの御来賓の皆様、株主の皆様、まちづくりボランティアの皆様、および伊予市民の皆様とともに伊予市中心市街地活性化の実現を目指したいと思います。

366年前、宮内九右衛門・清兵衛兄弟が、私財を投じて荒れ地を開墾することにより生まれた郡中の街は、萬安港と呼ばれた港を中心に、商工業の拠点都市として繁栄しました。明治以降も、後に伊予鉄郡中線となった南豫鉄道を民間資本で敷設し、花鰹に代表される食品加工業におけるビジネスモデルを創造する等、先人達の進取の気象に富んだ浪漫あふれる物語が展開されました。

21世紀初頭の皆さんが、新たな街物語を付け加えられ、現在進行形の歴史を刻んでいただけるよう、下支えをして参ります。成功者を讃え、これに続こうという気概にあふれた街の雰囲気を醸成し、まちづくりにおける「伊予市モデル」「郡中モデル」を全国に発信出来れば幸いです。中央に依存する生き方、考え方を改め、力を合わせて、地方から富を生み出す仕掛けを創ろうではありませんか。

誇れる地域、誇れる街を造る為、皆様方の御協力と御指導とを頂きたいと思います。どうか宜しくお願い申し上げます。


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