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2002年9月議会 一般質問
1.伊予市における65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)は20%に達しております。「高齢化社会」は高齢化率7%以上、「高齢社会」は高齢化率14%以上を指します。それを大きく上回り、「超高齢社会」に入りつつある状況です。
これからの地方自治においては、超高齢社会がどの様な社会であるかを考え、地域社会のデザインを考えていくべきです。超高齢社会において、高齢者にどの様なニーズが発生するのかを適切に予見し、あらかじめ対策を考えておくことが必要です。
超高齢社会においてどのようなことが問題になるのかを私なりに考えてみました。
第一に健康、
第二に生き甲斐追求ないし社会参加、
第三に移動手段の確保、
第四に快適な日常生活を送れる環境、
第五に情報通信手段の活用等です。
問題点の全てを網羅することは出来ませんが、気になる幾つかのポイントについて問題を提起し、理事者のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
(1)高齢者が幸せに生活するための条件として、健康があります。病気にならず、介護支援も受けない状態は、本人にとって幸せであるばかりでなく、自治体の財政にとっても幸せな状態です。その為には、積極的な健康増進支援策が必要ではないでしょうか。
従来も、予防のための検診、健康であるための知識の普及活動に加え、「健康祭り」による健康な高齢者の表彰が行われる等、様々な活動がなされております。しかし、高齢者医療費・介護費は将来の自治体財政を圧迫する恐れが極めて大きいのではないでしょうか。
高齢者医療費・介護費の現状と今後の予想をお教えいただくとともに、健康祭り以外に高齢者が健康であるための努力を奨励する施策があるかどうかをお教え下さい。高齢者が健康であり続けるための努力を支援する仕組みを充実させる経費は、医療費・介護費の増加額に比べれば微々たるものではないでしょうか。
自助努力奨励策として、例えば、万歩計進呈、健康増進施設(トレーニング機器)利用料の減免、健康老人の施設利用料の割引等様々なものが考えられます。健康であり続けることを行政が支援する仕組みを充実させることが必要と思われますが如何でしょうか。
(2)高齢者が主体的に生き甲斐を持って生活することが出来るような環境を整備することも自治体に求められます。ボランティア、NPOへの参加等、高齢者の社会参加を支援するには、活動拠点の確保が必要です。団体としての資料の保管場所の確保、事務機器等の利用についての支援をすることで、活動がしやすい環境になります。
その為には、既存施設の開放も考慮されて良いのではないでしょうか。この点での理事者のお考えをお聞かせ下さい。
(3)高齢化が今よりも進行した場合に問題になるのは、高齢者の移動の問題です。大阪府警の予測(「高齢者交通事故白書」)によると、交通事故で死傷する65歳以上の高齢ドライバーは13年後(2015年)には10年前(1992年)の7倍に激増するとのことです。
大阪府警では、運転能力に不安を抱いている高齢者に運転免許証の返納を呼びかけることにしています。「運転経歴証明書」を今年の6月から交付したところ、免許証の返納者が急増しているとのことです。
高齢ドライバーによる事故の増加が予想される以上、警察だけではなく、自治体としても何らかの政策的な対応が必要であると思われます。車の運転をすることを当然の前提としてきた生活から、車を運転しない生活への転換は苦痛を伴うものでしょう。苦痛を上回るものとは言えないにしても、何らかの恩典があれば「免許証卒業」のきっかけにはなると思います。
参考になるのが、伊予鉄道のシルバー定期です。1年間の定期では1日当たり100円でバス、電車乗り放題となります。JR等の輸送機関も含めたものを各会社と相談の上開発し、一定の補助が与えられるのであれば、それなりの効果があると思われます。この様な施策も考えられてよい時代が迫りつつあるように思われますが如何でしょうか。
運転が出来ない高齢者やこれから免許証のない生活を始める高齢者の側から考えると、地域によっては、既存の輸送機関だけでは移動に不便を来すことになります。市内中心部へのコミュニティバス、街中でのタウンモビリティ等の移動手段の確保が考慮されるべきでしょう。この点でのお考えをお聞かせ下さい。免許証卒業者が増えると、この点でのニーズが飛躍的に拡大します。そのことを予見した仕組みづくりが急がれます。
(4)「歩いて暮らせる街づくり」も追求されなければなりません。歩ける範囲内で日常生活が完結できる仕組みが出来れば、高齢者の生活は快適なものとなります。その為には、安全に歩ける歩行環境が必要です。高齢者が快適な日常生活を送る為に、歩ける範囲内で日常生活の用が足せる仕組みづくりと、安全かつ快適に歩ける環境づくりが必要と思われますが如何でしょうか。
(5)高齢者とIT(情報通信技術)についても言及したいと思います。高齢者の独居化が進行しています。伊予市においてはどうでしょうか。伊予市における高齢者独居化の現状、高齢者のみの世帯の現状について、まず、お尋ねします。
高齢世帯については、ITの活用が生活の利便性確保に必要であると思われます。超高齢社会では、従来の電話だけでは通信手段として不十分な面が出てきます。高齢者がITに親しみ実際に活用出来れば、同居できない遠隔地の家族との交流も円滑に出来、地域社会との交流も活発なものとなり、生活の質が大幅に改善できます。
ITは、高齢者にとって老後の幸せを約束するものであり、独居世帯や高齢者のみの世帯にとっては命綱にもなり得るものです。パソコンまではいかなくても、FAXが利用できればかなり便利です。
高齢者向けの分かりやすい情報通信技術の普及策が検討されるべきだと思われますが如何でしょうか。
この点に関しては、若者のボランティアないしボラバイト(ボランティア的アルバイト)の活用も考えて良いと思います。このことによる高齢者と若者の交流の場の確保が考えられるべきでしょう。
(6)若者が定着するまちづくりということを掲げる自治体が数多くあります。しかし、減少する若者を追いかけるより、高齢者が住みたくなるまちづくりを掲げる方がより現実的です。
伊予市の環境を考えると、人生の終盤を過ごすには最適な場所であり、都市部を始めとする他の地域で定年を迎えた高齢者を受け入れることを政策の柱として捉えることが重要ではないでしょうか。
伊予市は、気候が穏和であること、海・山の恵みがあることなど高齢者にとって日本有数の土地柄だと思います。退職金と年金とを持って定住していただければ、地域経済の活性化に資するだけではなく、お孫さんたち家族との交流により交流人口も増大します。
これからは、自治体が工場誘致より高齢者誘致に力を入れ、広報宣伝に努める時代だと思います。「定年帰農」促進の問題も含め考慮されるべきではないでしょうか。
以上、「超高齢社会」を切り口とした諸点に付き、お答え下さい。
2.2番目の質問として、市長がお住まいになっている唐川地区の将来設計について伺います。唐川地区は旧唐川小学校区であり、最近まで若葉保育所が存在しており、1つのコミュニティを形成している地域であって、この地域の将来展望をどの様に描かれるのかをお示しいただきたいと思います。
と言いますのは、現在合併論議が進みつつあり、その枠組みとして双海町や中山町、そして、砥部町や広田村も視野に入れた議論がなされています。これらの地域には幾つかのコミュニティが存在し、しかも、唐川以上に厳しい状況に置かれています。合併を検討する上では、中山間地域のコミュニティの将来展望の描き方如何によっては、その地域の盛衰が左右されることもあり得ます。それ故、伊予郡市の中山間地域のコミュニティを代表する形で唐川地区の将来展望をお聞かせいただきたいのです。
(1)まず、唐川地区の人口の推移をここ数十年について資料があればお教え下さい。出来れば、鵜崎、両沢、上唐川、下唐川の各集落毎にお教え下さい。これが、今後どの様に推移するかの予測についてもお教え下さい。
(2)年齢構成についても各集落毎にお教え下さい。今後の推移の予測についてもお教え下さい。
(3)次に、鵜崎、両沢、上唐川、下唐川の各集落のコミュニティの現状と将来展望についてお聞かせ下さい。
(4)唐川地区が地域コミュニティとして維持存続できる仕組みをつくる必要があると考えますが、その為には何が必要であるかお聞かせ下さい。
3.最後に、住民基本台帳ネットーワーク(所謂、住基ネット)についての法律問題について質問させていただきます。これからの時代は、問題となりうるテーマを予防的に研究しておくことが危機管理上必要です。
水田議員、岡本議員からも住基ネット問題についての質問がありました。私は、若干視点を変えて質問させていただきます。
狂牛病問題では、欧州諸国で大問題になっていた狂牛病事件を対岸の火事として捉え、何らの対策も立てなかった農水省の怠慢が国民の怒りを買っています。「あってはならないこと」は考えないようにしようとする傾向が日本の官庁にはあるようです。「必ず日本でも狂牛病が発生する」という前提で対策を講じていれば大問題になることを未然に防げたと思います。このことは、薬害エイズ問題でも当てはまる話です。
住基ネットにおいては、情報の漏洩が必ず起こるとの前提で対策を講じるべきでしょう。情報の漏洩が起こらないように万全を期しているのだから考えなくても良いとの発想では、狂牛病問題や薬害エイズ問題と同様の失敗を生むことになります。是非とも、情報漏洩があった場合の対策を検討していただきたいと思います。
今回の質問では、情報漏洩によって生ずる損害賠償に関する法律問題に照準を合わせた質問をいたします。即ち、情報漏洩が起きた場合の損害に対する法的責任を誰がどの様に負担するのかということです。
(1)まず、伊予市職員が情報漏洩を行った場合には(個人の責任だけは済まないでしょうから)伊予市が使用者責任を負担するのかどうか。その場合に、国や県はどの様な責任を負担するのか。その際、伊予市の住民が被害を受けた場合と伊予市以外の住民が被害を受けた場合で異なるところがあるのかどうかをお教え下さい。。
(2)伊予市以外の公務員が情報漏洩して伊予市の住民が被害を受けた場合には誰がどの様な責任を負担するのかについても知りたいところです。
(3)公務員以外の人物が情報漏洩をした場合にはどうなるのでしょうか。
(4)ハッカーが外部から侵害した場合にはどうなるのでしょうか。
以上の場合に国、県、市がどの様に責任を負担するのかについてお聞かせ下さい。
これらの質問への回答は、総務省があらかじめ問題を想定して自治体に説明をしていなければなりません。伊予市が総務省あるいは県から聞いている話をここで確認させていただきます。
以上、大きく3つの問題について質問いたしました。
前向きな御答弁を期待いたします。
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