政治家にしろ、サラリーマンにしろ、自己のポジション取りに終始し、「今、何をなすべきか」の議論が後回しにされていることが多いと思われます。もちろん、一定の地位に就かないと出来ないこともあります。しかし、現在只今やらねばならないことを回避し、問題を先送りする姿勢からは何も生まれてこないのではないでしょうか。「出世」に響くことを回避し、然るべきポジションを手に入れたときには、自分自身の内容が空疎になり、何をすべきかの座標軸を失っている例も数多くあります。
我が国は、リーダーたるべき人物が「立身出世主義」の拘束から心理的に解放されておらず、自己主張をすることにより出世のラインから外れることへの恐怖心を抱く傾向が強いと思います。多様な価値観が許容され、人生の図柄も自分で描くことが可能な時代になりつつあります。自分の選んだ人生に自信を持ち、生活を楽しむとともに、政治にも関心を持ち、後輩達が誇りを持てる日本の歴史、地域の歴史を形作っていきたいものだと思います。