イザっちのその後


「あっ! そういえば、彼は………?」

アスランの背に凭れ、うとうとと眠りかけていたキラは、ハッと体を起こして、
思いついたかのように問いかけた。

突然背中に掛かっていた重みが消えて、アスランは一瞬バランスを崩す。
慌てて体勢を整えると恨みがましくキラを見た。

「何? キラ、、突然動いたらビックリするじゃないか」

「ゴメン。…だけど、イザークは・・・・あの後どうなっちゃったのかな、って。 …昨日の夜、彼が君と一緒に部屋を出て行ってから、僕は一度も見てないんだけど。。」

「ん? あぁ。彼なら、今頃イージスとストライクの整備をしているんじゃないか?」

予想外の返事に。キラは眉をひそめる。
言葉の意味が読めない。

「……何で?」

「今日の朝早くに、
是非俺にやらせてほしい。
とか、涙ながらに頼むものだから、
僕は素晴らしく不本意だったんだけど渋々許可してやったんだ。
自分から整備を申し出るなんて、
彼も悪かったと思っているんだよ。きっと。」

「それって………」

笑顔で話すアスラン。
しかし、話している途中で不機嫌になっていったのは明らかだった。
口元が笑ってない辺りが異様に怖い。

キラは、何故かこれ以上追求してはいけない気がして、途中で言葉を止めた。




その日一日、イザークを見た者はいなかったらしい。


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