こんな日常


TVをじっと見ていたキラはとうとう耐え切れなくなって叫んだ。

「アスラン! もう、離してってば!」

キラの現在地=アスランの腕の中。

恥ずかしがって、アスランから逃れようとするキラ。

しかし、アスランが素直に放すはずもなく。

結局、アスランの腕に囚われたまま、これ以上は無駄だと悟ったのか、キラは抵抗するのをやめてしまった。

アスランは、その様子を見ると満足そうに微笑んで、キスをひとつ落とした。

それだけのことなのに、真っ赤になるキラが可愛くて、もうひとつキスを。

くすくすと、くすぐったそうにそれを享受していたキラだったが、やがてアスランの手が服の中に入り込んでくるのを感じると、驚いたようにまた抵抗を始めた。

「ちょっ! アスランッ!!」

「何?」

キラがおとなしく受け入れない事が面白くないのか、アスランは少し不機嫌な声を返す。

「君はっ、昨日あれだけしたところなのに!」

「昨日は昨日だろう? 小さな事にこだわっていると、いつまでも前には進めないよ、キラ?」

「は? それとこれとは話が……」

中途半端に言葉が途切れたのは、最後まで言わせてもらえなかったから。
こんな時のアスランは、自分にとって都合の悪いことを話すスキを与えない。

ゆっくりと、唇が開放されて、キラが抗議の声をあげる前に、アスランに先手を取られた。

「それとも、もしかして……キラは、僕とするのは嫌なの?」

「そんなことっ、ないけど//////」

寂しそうに問いかけると、キラは即座にアスランの予想通りの返事を返してきた。

キラがこんな風に言うのは、恥ずかしがっているだけ。

それを確認すると、アスランは行為を先に進めるべく、首筋に唇を這わせた。

「じゃあ、構わないよね?」

「…何っでそうなるんだよ?! いっつもアスランはそうじゃないかぁ!!」

「え? いつもどおりは嫌なんだ? …う〜ん。僕はあんまり、縛ったりとか、そういうのは興味ないんだけど。。。」

「だから、そうじゃなくって……」

明らかに、ぶっ飛んだ勘違いをしているアスランに溜め息をつきながら、もう弁明する気力もないよ、というように、キラはアスランの首に腕を絡ませる。

結局、いつも通りキラはアスランに全てを任せることにしたのだった。


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