看病


コトコトコト……。



アスランが寝込んでるので、キラはお粥を作っていた。ニコルが、『病人にはお粥がいいですよ』と言ってくれたから。

 鍋をコンロから降ろし、味見をする。

「……ん。できた♪」

最後に入れる、忘れちゃいけない、食紅!!

『アスランは、キラさんが好きなんですよね?…じゃあ、紫色の食紅をあげますよ。…はいv  …でも、アスラン以外に使っちゃ駄目ですよ?アスランが嫉妬しちゃいますからvv』

そう言って、ニコルはキラに黒い小瓶を渡した。ラベルには、『アスラン用☆食紅』と書いてある。
…一体、どうやってこんな色を作ったのか…。


ポタッ…ポタタ………

食紅を、お粥に数滴垂らす。 キラの瞳に、限りなく近い色。…アスランが、好きだと言ってくれた、…紫。 後は、これを全体に馴染ませる為に混ぜるだけ。



と、そこで






「キ〜〜ラ〜〜〜〜〜〜〜…どーこ〜〜……?」


…アスランが、目を覚ました。


「ここだよっアスラン!…ちょっと待っててね、今行くから!!」






――大好きな、貴方だから。

  側に居たいし、病気になったら看病したい。   


  耳元で囁かれる愛の言葉や、  

  甘いキスや激しいキスも。  

  
  貴方の全てが、好き――。






食べて、また寝た(無理やり寝かしつけた)アスランを見て、キラは呟いた。

「大好きだよ、アスラン……///」

すやすやと眠る、王子(アスラン)の顔は、


無防備で……自分の側で、こんなにも気をゆるしてくれるアスランを、

ずっと…見つめていたい……と、キラは思った。



ジリリリッ…ジリリリッ!!

『Gパイロットは、出撃準備!!』 警報と、アナウンスが流れた。

(今、アスランは寝込んでる。…僕一人で、行こう。)



「アスラン、僕行って来……」
「出撃だな。…行こう、キラ?」


―いつの間に起きたのか。

彼は軍人で、Gのパイロット。戦闘の際の警報で目を覚ます事ぐらい、慣れているだろう。
―どんなに深い、眠りでも…―。


「…うん。行こう。」



早く。早く戦争なんて終わればいい。


アスランが、苦しいのに戦闘に出なくちゃいけない事や、

人を殺す事が、


無くなってしまえばいいのに。



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